JP2014047895A - バウンドストッパ付きダストカバー - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂製のダストカバーを採用しながらも、嵌合部においてバウンドストッパの拡径変形を許容することができる、新規な構造のバウンドストッパ付きダストカバーを提供すること。
【解決手段】ショックアブソーバ58のピストンロッド62に外挿される筒状のバウンドストッパ12に対して、樹脂製のダストカバー14が筒状の嵌合部48において外嵌されて取り付けられているバウンドストッパ付きダストカバー10において、ダストカバー14の嵌合部48における周上の少なくとも一部に、内周面および外周面の両方において拡径された大径部16を設けて、大径部16をバウンドストッパ12に対して外周側に離隔配置して、それら大径部16とバウンドストッパ12の間に隙間57を形成した。
【選択図】図3
【解決手段】ショックアブソーバ58のピストンロッド62に外挿される筒状のバウンドストッパ12に対して、樹脂製のダストカバー14が筒状の嵌合部48において外嵌されて取り付けられているバウンドストッパ付きダストカバー10において、ダストカバー14の嵌合部48における周上の少なくとも一部に、内周面および外周面の両方において拡径された大径部16を設けて、大径部16をバウンドストッパ12に対して外周側に離隔配置して、それら大径部16とバウンドストッパ12の間に隙間57を形成した。
【選択図】図3
Description
本発明は、自動車などのサスペンション機構を構成するショックアブソーバにおいてピストンロッドの摺動部への異物の侵入を阻止するダストカバーであって、特にピストンロッドに外挿装着されてシリンダの車両ボデーに対する軸方向での相対変位量を制限するバウンドストッパを備えた、バウンドストッパ付きダストカバーに関するものである。
従来から、自動車などのサスペンション機構を構成するショックアブソーバには、実開平5−14690号公報(特許文献1)のように、ピストンロッドの摺動部に雨水や砂塵等の異物が侵入するのを防ぐ目的で、ピストンロッドの周りを取り囲むダストカバーが外挿されている。また、特許文献1にも示されているように、バウンド入力に対してショックアブソーバの過度な収縮による損傷等を防ぐために、ピストンロッドに対して弾性体で形成されたバウンドストッパが外挿装着される場合もある。この場合には、バウンドストッパに対してダストカバーを外嵌することで、ダストカバーをピストンロッドの周囲に保持する内径拘束タイプの取付構造が採用され得る。
ところで、ダストカバーは、路面の凹凸等に応じた入力に対して、軸方向での伸縮変形が必要とされることから、一般的に蛇腹部を備えた筒状のゴム弾性体で形成されるが、耐久性や成形性等を考慮して、要求性能によっては樹脂で形成される場合もある。
しかしながら、樹脂製のダストカバーでは、軸方向での変形が蛇腹構造等によって許容されている一方で、形成材料の弾性に依存する軸直角方向での変形が、ゴム製のダストカバーに比して充分には許容され難いという問題がある。それ故、樹脂製のダストカバーを特許文献1に示されているような内径拘束タイプの取付構造に適用すると、バウンドストッパがショックアブソーバのシリンダで突き上げられて軸方向に大きく圧縮変形された場合に、それに伴うバウンドストッパの軸直角方向への膨出変形に対してダストカバーの嵌合部が追従し切れず、ダストカバーの嵌合部が予期しない形状に塑性変形したり、亀裂等の損傷を生じるおそれがあった。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、樹脂製のダストカバーを採用しながらも、嵌合部においてバウンドストッパの拡径変形を許容することができる、新規な構造のバウンドストッパ付きダストカバーを提供することにある。
すなわち、本発明の第1の態様は、ショックアブソーバのシリンダから突設されたピストンロッドに外挿される筒状のバウンドストッパに対して、樹脂製のダストカバーが筒状の嵌合部において外嵌されて取り付けられているバウンドストッパ付きダストカバーにおいて、前記ダストカバーの前記嵌合部における周上の少なくとも一部には、内周面および外周面の両方において拡径された大径部が設けられており、該大径部が前記バウンドストッパに対して隙間をもって外周側に離隔配置されていることを特徴とする。
このような第1の態様に従う構造のバウンドストッパ付きダストカバーによれば、バウンドストッパに外嵌されるダストカバーの嵌合部に大径部が設けられていることによって、嵌合部の周長がバウンドストッパの外周長に比して大きくされている。それ故、バウンドストッパがシリンダの当接によって軸方向に圧縮されて、それに伴って軸直角方向に拡径変形すると、ダストカバーの嵌合部が周方向での伸長変形を要することなく厚さ方向での変形によってバウンドストッパの変形に追従可能とされている。その結果、ダストカバーの嵌合部に対する大きな引張応力の作用が防止されて、嵌合部が塑性変形して伸びる、或いは嵌合部に亀裂が入る等といった不具合が回避されて、充分な耐久性が確保される。
しかも、ダストカバーの嵌合部とバウンドストッパとの軸方向での当接長さを大きく確保しても、嵌合部の軸方向全長に亘って大径部が設けられていれば、嵌合部の損傷が問題とならないことから、ダストカバーのバウンドストッパに対するこじり方向でのがたつきを容易に且つ効果的に防止することが可能であり、安定した装着状態が実現され得る。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載されたバウンドストッパ付きダストカバーにおいて、前記嵌合部の周上に複数の前記大径部が設けられているものである。
第2の態様によれば、嵌合部の最大外径寸法を必要以上に大きくすることなく、嵌合部の周長を効率的に大きく確保することができることから、他部材との干渉を回避しつつ、バウンドストッパの変形に対して嵌合部が充分に追従可能とされて、優れた耐久性が実現される。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載されたバウンドストッパ付きダストカバーにおいて、前記嵌合部が外周側に凸となる前記大径部と内周側に凸となる小径部とを周方向で交互に各複数設けることで形成されており、該複数の小径部の各内周頂部が前記バウンドストッパの外周面にそれぞれ押し当てられることにより前記ダストカバーが該バウンドストッパに外嵌されているものである。
第3の態様によれば、周上の複数箇所において小径部がバウンドストッパに押し当てられて外嵌されることにより、ダストカバーがバウンドストッパに対して安定して取付け保持されると共に、周上に複数設けられた大径部によって、バウンドストッパの変形に対する嵌合部の変形追従性が、各大径部の外径寸法を大きくすることなく効率的に確保される。しかも、それら大径部と小径部が周方向で交互に設けられることにより、バウンドストッパから離隔する部分とバウンドストッパへの当接部分とが周上でバランス良く配置されて、ダストカバーのバウンドストッパに対するこじり方向でのがたつき等が防止される。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか1つの態様に記載されたバウンドストッパ付きダストカバーにおいて、前記シリンダの当接によって軸方向に最大圧縮された前記バウンドストッパの該シリンダ側の軸方向端が、前記ダストカバーの前記嵌合部の内周側に収まって位置するものである。
第4の態様によれば、バウンドストッパが軸方向に最大圧縮された状態において、バウンドストッパの拡径変形が大径部を備えた嵌合部の変形によって軸方向の全長に亘って許容される。それ故、ダストカバーの嵌合部を外れた部分がバウンドストッパによって外周側に押圧されることはなく、ダストカバーの耐久性が確保される。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の何れか1つの態様に記載されたバウンドストッパ付きダストカバーにおいて、前記バウンドストッパには外周側に突出する係止突部が前記シリンダと反対側の軸方向端部に形成されていると共に、前記ダストカバーには内周側に開口する係止凹部が形成されており、該係止突部が該係止凹部に挿入係止されて該バウンドストッパと該ダストカバーを位置決めする位置決め手段が構成されているものである。
第5の態様によれば、係止突部と係止凹部の挿入係止による位置決め作用によって、ダストカバーがバウンドストッパに対して軸方向でより安定して所定位置に位置決め保持される。しかも、係止突部と係止凹部がバウンドストッパを押圧するシリンダとは反対側に位置していることから、バウンドストッパの軸方向での圧縮変形による係止突部の係止凹部からの抜けが防止されて、位置決め作用を安定して得ることができる。
本発明の第6の態様は、第1〜第5の何れか1つの態様に記載されたバウンドストッパ付きダストカバーにおいて、前記ダストカバーの前記嵌合部が前記バウンドストッパにおける前記シリンダと反対側の軸方向端部に外嵌されているものである。
第6の態様によれば、バウンドストッパの変形量が小さい場合には、ダストカバーにおけるバウンドストッパに遊挿された部分(嵌合部よりもシリンダ側の部分)において、バウンドストッパの拡径変形がダストカバーの変形を殆ど生じることなく許容されることから、大荷重よりも高い頻度で繰り返し入力される小さな荷重に対して、ダストカバーの耐久性が容易に確保される。一方、バウンドストッパがシリンダによって軸方向で大きく圧縮される大荷重の入力時には、バウンドストッパの拡径変形が大径部を備えた嵌合部の変形によって充分に許容されることから、ダストカバーの損傷が回避されて充分な耐久性が実現される。
本発明の第7の態様は、第1〜第6の何れか1つの態様に記載されたバウンドストッパ付きダストカバーにおいて、前記嵌合部が全周に亘って略一定の厚さで形成されているものである。
第7の態様によれば、バウンドストッパの拡径変形時に、嵌合部に作用する応力が周上で略均等に分散されて、局所的な応力集中による損傷等の不具合が防止される。
本発明によれば、ダストカバーをバウンドストッパへの取付け状態に保持する筒状の嵌合部が、周上の少なくとも一部に大径部を備えており、その大径部がバウンドストッパに対して隙間をもって外周側に離隔している。これにより、嵌合部の内周長さがバウンドストッパの外周長さよりも大きくされており、バウンドストッパの軸方向での圧縮に伴う拡径変形が、嵌合部の周方向での伸長変形を要することなく許容される。それ故、嵌合部に作用する周方向での引張応力が低減されて、亀裂等の損傷が回避されることから、ダストカバーの耐久性の向上が図られる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3には、本発明の1実施形態としてのバウンドストッパ付きダストカバー10が示されている。バウンドストッパ付きダストカバー10は、厚肉筒状のバウンドストッパ12に薄肉筒状のダストカバー14を外嵌装着した構造を有している。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、軸方向である図1中の上下方向を言う。
より詳細には、バウンドストッパ12は、図4,図5に示されているように、厚肉の略円筒形状を有する弾性体で形成されており、充分な弾性を有する各種の合成樹脂やゴム弾性体で形成され得るが、本実施形態では発泡性のウレタンで形成されている。更に、バウンドストッパ12は、外周面が下方に向かって小径となるテーパ形状とされており、後述するシリンダ60と反対側の軸方向端部である上部16が、シリンダ60側の端部である下部18よりも厚肉とされている。
また、バウンドストッパ12の上部16には、全周に亘って径方向内方に突出する小径取付部20が一体で設けられており、小径取付部20において内径寸法が後述するピストンロッド62の外径寸法よりも小さくされている。更に、バウンドストッパ12の中心孔22における小径取付部20で狭窄された部分には、内周面に開口する略半円形断面で軸方向に連続して延びる複数の拡張凹溝24が形成されており、中心孔22が拡張凹溝24によって周上で部分的に拡径されている。なお、本実施形態では、周上で略等間隔に6つの拡張凹溝24が形成されており、それら6つの拡張凹溝24の内の径方向一方向で対向配置された一対が、他の4つの拡張凹溝24よりも大きな溝断面形状で形成されている。
さらに、バウンドストッパ12の上部16には、外周側に突出する係止突部26が一体形成されている。この係止突部26は、略半円形断面で周方向に延びており、周方向に半周弱の長さで延びる一対が径方向で対向して設けられている。更にまた、バウンドストッパ12の上部16の上端外周縁部には、上方に向かって小径となるテーパ係止面28が形成されている。
さらに、バウンドストッパ12には、上方に突出する複数の緩衝突起30が一体形成されている。この緩衝突起30は、略半球形状とされた突起本体に対して径方向に広がる大径劣弧板状の緩衝片が一体形成された構造を有しており、図5に示されているように、6つの緩衝突起30が同一周上に配置されている。更にまた、緩衝突起30は、3つずつ2組に分かれて配置されており、それら2組の緩衝突起群の間には径方向に延びる排出溝32が形成されている。排出溝32は、バウンドストッパ12の上面に開口して径方向に延びる凹溝であって、バウンドストッパ12の中心孔22を挟んで径方向両側にそれぞれ形成されている。
また、バウンドストッパ12の下部18には、全周に亘って連続して外周面に開口する2条の外周凹溝34が上下に離隔して形成されていると共に、それら外周凹溝34よりも下方において全周に亘って連続して内周面に開口する内周凹溝36が形成されている。これら3つの凹溝34,34,36が設けられることにより、バウンドストッパ12の下部18では、軸方向の圧縮による収縮変形が形状によっても容易に許容されるようになっている。
一方、ダストカバー14は、図6〜図8に示されているように、全体として薄肉の略円筒形状とされており、合成樹脂単体や合成樹脂にゴム弾性体等を添加したもの等によって形成されている。なお、ダストカバー14の形成材料は特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリメタクリル酸メチル,ポリアミド,ポリエステル,ポリカーボネート,ポリアセタール,酢酸セルロース等の熱可塑性合成樹脂が好適に採用される。特に、後述するショックアブソーバ58の伸縮に対する追従性等を確保するためには、合成樹脂にゴム弾性体を混合したもの(熱可塑性加硫エラストマ等)が望ましく、例えばポリプロピレンとエチレンプロピレンゴムの加硫アロイがダストカバー14を形成する合成樹脂として好適に用いられる。
より具体的には、ダストカバー14は、略円筒形状で下部を構成するカバー本体38を備えている。カバー本体38は、上下方向に延びる薄肉の略円筒形状を有しており、下端部分には凹凸部40が形成されて上下方向での変形が許容されている。なお、本実施形態では、カバー本体38の軸方向中間部分に対して上下に延びる補強溝部42が設けられており、軸方向中間部分の上下入力に対する耐荷重性が強化されている。
さらに、カバー本体38の上方には、蛇腹部44が一体形成されている。蛇腹部44は、環状の谷状部分を軸方向に連接した蛇腹筒形状とされており、主として蛇腹部44の変形によってダストカバー14の上下方向での伸縮が許容されている。
更にまた、蛇腹部44の上方には、取付部46が一体形成されている。この取付部46は、バウンドストッパ12に取り付けられる部分であって、蛇腹部44から上方に突出する筒状の嵌合部48と、嵌合部48の上方に設けられる係止部50とによって、構成されている。
嵌合部48は、図8に示されているように、ジグザグ花弁状の横断面形状で上下に延びる異形筒状とされており、全体が略一定の厚さ寸法で形成されている。なお、嵌合部48の厚さ寸法は、目標とする厚さ寸法に対して50%〜150%の間であることが望ましく、厚さ寸法のばらつきがこの範囲内であれば、厚さの変化による応力の集中が充分に回避されて変形に対する耐久性が確保され得る略一定の厚さ寸法であると言える。
より詳細には、嵌合部48は、外周側に向かって凸となる複数の山部52と、外周側に向かって凹となる複数の谷部54とを、周方向で交互に連接した構造を有している。大径部としての山部52は、2つの平板部分を外周頂部において小径のR部で連接した略角形状とされており、本実施形態では互いに形状の異なる山部52a〜52fが各複数設けられている。小径部としての谷部54は、周上で隣り合う山部52の間に形成されており、本実施形態では山部52a〜52fの形状の相違に応じて互いに形状が異なる谷部54a〜54fが各複数設けられている。なお、嵌合部48は、山部52が谷部54に比して内周面と外周面の両方で拡径されて、山部52が内径と外径の何れも谷部54より大きくされており、嵌合部48が山部52と谷部54において略同じ厚さとされている。
本実施形態では、一対の山部52a,52aが径方向一方向(図8中、左右)で対向して設けられていると共に、一対の山部52b,52bが一対の山部52a,52aの対向方向と直交する別の径方向一方向(図8中、上下)で対向して設けられている。更に、各山部52aと時計回りに隣り合って山部52cが設けられていると共に、各山部52aと反時計回りに隣り合って山部52dが設けられている。更にまた、各山部52bと時計回りに隣り合って山部52eが設けられていると共に、各山部52bと反時計回りに隣り合って山部52fが設けられている。なお、山部52cと山部52dがx軸およびy軸に関して対称な形状とされていると共に、山部52eと山部52fがx軸およびy軸に関して対称な形状とされている。また、嵌合部48には山部52a〜52fがそれぞれ一対ずつ設けられており、同一形状の山部52が嵌合部48の周上で等間隔に配置されている。
また、山部52aと山部52cの間に谷部54aが設けられていると共に、山部52cと山部52fの間に谷部54bが設けられている。更に、山部52fと山部52bの間に谷部54cが設けられていると共に、山部52bと山部52eの間に谷部54dが設けられている。更にまた、山部52eと山部52dの間に谷部54eが設けられていると共に、山部52dと山部52aの間に谷部54fが設けられている。なお、谷部52aと谷部52f、谷部52bと谷部52e、谷部52cと谷部52dが、それぞれx軸およびy軸に関して対称な形状とされている。
上記の如く配置された山部52a〜52fと谷部54a〜54fとを備えた嵌合部48は、図8に示された横断面において、径方向一方向(図8中、左右)に延びる軸:xと、軸:xと直交して延びる軸:yとの何れに関しても対称な形状とされている。更に、嵌合部48は、それらx軸とy軸の交点(嵌合部48の横断面における重心):Oに関して180°の回転対称形状とされている。なお、嵌合部は、中心軸(交点:O)に関して点対称となる回転対称形状とされていることが望ましいが、嵌合部が回転対称となる角度は山部52の数や形状に応じて適宜に設定され得る。
また、嵌合部48の上方には係止部50が一体形成されている。係止部50は、上方に向かって次第に小径となるテーパ筒形状を呈しており、その大径側端部が嵌合部48の山部52の頂部を通る仮想円と略同じ直径を有している。更に、係止部50と嵌合部48の谷部54との境界部分には、内周側に開口する略半円形断面で周方向に所定の長さで延びる係止凹部56が形成されている。
そして、取付部46を備えたダストカバー14は、図1に示されているように、バウンドストッパ12に取り付けられている。即ち、ダストカバー14の嵌合部48がバウンドストッパ12の上部16に外嵌されていると共に、ダストカバー14の係止部50がバウンドストッパ12のテーパ係止面28に重ね合わされて軸方向で係止されている。これによって、ダストカバー14がバウンドストッパ12に取り付けられて、ダストカバー14がバウンドストッパ12の外周側を覆うように取り囲んで配置されていると共に、バウンドストッパ12よりも下方にまで延び出している。
さらに、本実施形態では、バウンドストッパ12の係止突部26が係止部50の係止凹部56に挿入されて軸方向で係止されており、それら係止突部26と係止凹部56によってバウンドストッパ12とダストカバー14とを軸方向で位置決めする位置決め手段が構成されている。
そこにおいて、ダストカバー14の嵌合部48は、図3に示されているように、谷部54a〜54fがバウンドストッパ12の上部16に押し当てられることにより、バウンドストッパ12の上部16に外嵌されていると共に、山部52a〜52fが少なくとも頂部においてバウンドストッパ12に対して所定の隙間57を隔てて外周側に離隔配置されている。本実施形態では、各谷部54の内周頂部は略同一円周上に位置しており、それら谷部54の内周頂部が位置する仮想的な円周の直径が、バウンドストッパ12の上部16の外径寸法よりも小さくされている(図8参照)。これにより、バウンドストッパ12の上部16が嵌合部48に挿入されることで、各谷部54の内周頂部がバウンドストッパ12の外周面に押し当てられて、ダストカバー14が嵌合部48においてバウンドストッパ12に外嵌される。
なお、嵌合部48は、バウンドストッパ12の軸方向での圧縮変形量が最大とされた状態において、バウンドストッパ12の軸方向長さに対して同じかそれよりも大きな軸方向長さを有しており、嵌合部48の軸方向下端が圧縮されたバウンドストッパ12の軸方向下端よりも更に下方まで延び出している。これにより、最大圧縮状態において、バウンドストッパ12の下端が嵌合部48の内周側に収まるようになっている。
このような構造とされたバウンドストッパ付きダストカバー10は、図9に示されているように、自動車のサスペンション機構を構成するショックアブソーバ58に装着されている。即ち、車輪を支持するショックアブソーバ58のシリンダ60からピストンロッド62が上方に突出しており、ピストンロッド62に対してバウンドストッパ12が外挿されている。そして、バウンドストッパ12が小径取付部20においてピストンロッド62に嵌着されることで、バウンドストッパ付きダストカバー10がピストンロッド62の周囲に配設されている。
なお、軸方向中間部分にバウンドストッパ12を取付られたピストンロッド62は、上端部分がアッパサポート64を介して図示しない車両ボデーに取り付けられている。アッパサポート64は、インナ部材66とアウタ筒部材68を本体ゴム弾性体70によって弾性連結した構造を有しており、インナ部材66がピストンロッド62に取り付けられると共に、アウタ筒部材68が外嵌されるアウタブラケット72を介して車両ボデーに取り付けられることで、ピストンロッド62が車両ボデーに対して防振連結するようになっている。本実施形態では、アウタブラケット72が筒状部の軸方向中間から内周側に突出する内フランジ部74を備えており、緩衝突起30を備えたバウンドストッパ12の上面が内フランジ部74に当接することで、バウンドストッパ12の上方への変位が制限されるようになっている。なお、シリンダ60とバウンドストッパ12は、軸方向上下に所定の距離を隔てて配設されているが、バウンドストッパ12はピストンロッド62に対して軸方向の相対変位が許容されることから、予めバウンドストッパ12の下端がシリンダ60に当接していても問題はない。
かくの如きバウンドストッパ付きダストカバー10の車両への装着状態において、路面の凹凸等によって車輪側(シリンダ60側である下側)から上方に突き上げる力が及ぼされると、ショックアブソーバ58が軸方向で収縮してシリンダ60が車両ボデーに対して上方に相対変位する。これにより、シリンダ60がバウンドストッパ12の下面に押し当てられて、バウンドストッパ12がシリンダ60と内フランジ部74との軸方向間で上下に圧縮される。その結果、シリンダ60の内フランジ部74に対する上下方向での相対変位量が弾性的に制限されて、ショックアブソーバ58の収縮変形量、ひいては車輪の車両ボデーに対する上下動が制限されるようになっている。なお、本実施形態のバウンドストッパ12には、上方に突出する緩衝突起30が設けられており、バウンドストッパ12が内フランジ部74に対して緩衝的に当接して、当接時の衝撃が緩和されるようになっている。
このように、図10の(a)に示された静置装着状態でバウンドストッパ12が軸方向に圧縮されて変形すると、バウンドストッパ12は、図10の(b)に示されているように、形成材料のポアソン比に基づいて軸直角方向に膨出して拡径変形を生じる。これにより、バウンドストッパ12に嵌合されたダストカバー14の嵌合部48では、谷部54がバウンドストッパ12によって外周側に押し広げられて、山部52とバウンドストッパ12の間の隙間57が消失する。なお、図10の(b)では、変形後の嵌合部48が略円筒形状として示されているが、嵌合部48は、必ずしも円筒形状に変形するものに限定されず、変形後に山部52や谷部54の形状が残っていても良い。
そこにおいて、嵌合部48は、静置状態の横断面においてジグザグの花弁形状を呈しており、充分な弛みを与えられている。それ故、図10の(a)に示された静置状態から図10の(b)に示されたバウンドストッパ12の拡径状態への移行において、嵌合部48の周方向長さの変化はほとんど必要とされず、主として剪断方向の形状変化(山部52および谷部54の各頂部の角度変化)によってバウンドストッパ12の拡径変形を許容し得るようになっている。従って、バウンドストッパ12の拡径変形によって嵌合部48に引張応力が及ぼされるのを防いで、耐久性の向上が実現される。
しかも、嵌合部48の変形は、山部52および谷部54の頂部の角度変化によるものであり、嵌合部48に大きな応力が作用することなく容易に生じ得ることから、弾性変形の許容量が小さい合成樹脂製のダストカバー14であっても塑性変形が生じ難く、バウンドストッパ12の形状復帰によってダストカバー14の嵌合部48が初期の取付け状態(図10(a)の状態)に速やかに復元する。従って、長期間に亘る繰り返しの入力によっても、ダストカバー14のバウンドストッパ12に対する塑性変形によるがたつきや脱落等といった不具合の発生が回避される。
さらに、本実施形態では、複数の山部52および谷部54が嵌合部48の周上にバランス良く配置されており、バウンドストッパ12の拡径変形に対して嵌合部48の全体が変形を生じて追従するようになっている。それ故、嵌合部48において局所的に大きな変形が生じるのを防いで、応力の集中的な作用を回避することで、ダストカバー14の耐久性の更なる向上が図られる。
しかも、谷部54が周上でバランス良く分散配置されていることから、嵌合部48がバウンドストッパ12に対して全周に亘って外嵌装着されて、ダストカバー14がバウンドストッパ12に対してがたつき等を生じることなく安定した取付け状態に保持される。
また、嵌合部48が全周に亘って略一定の厚さで形成されており、バウンドストッパ12の拡径変形時に嵌合部48の全体が変形して、応力の局所的な集中が回避されることから、耐久性の向上が図られる。
本実施形態では、大入力によるシリンダ60の突上げ変位時に、嵌合部48の軸方向下端が圧縮変形されたバウンドストッパ12の軸方向下端よりも下方まで延び出すように、嵌合部48およびバウンドストッパ12の形状が調節されている。これにより、バウンドストッパ12の軸方向全長に亘って拡径変形が嵌合部48の変形により許容されて、ダストカバー14の耐久性の向上やバウンドストッパ12による緩衝的なストッパ作用が何れも有効に実現される。
また、嵌合部48がバウンドストッパ12のシリンダ60と反対側の端部である上部16に嵌着されていることから、シリンダ60が上下に小さく変位しても、嵌合部48の変形が必要となり難い。それ故、大荷重に比して入力される頻度が高くなり易い小さな荷重の入力に対して、嵌合部48の疲労破壊等が防止されることから、耐久性がより有利に確保される。
また、バウンドストッパ12の嵌合部48による拘束が低減されていることから、バウンドストッパ12の軸方向での圧縮変形が充分に許容されて、目的とするストッパ作用が緩衝的に発揮され得る。
また、本実施形態では、バウンドストッパ12の小径取付部20の内周面に拡張凹溝24が形成されており、ピストンロッド62と外周面バウンドストッパ12の内周面との間に空間が設けられていることから、バウンドストッパ12の内周側への膨出変形も許容されるようになっている。それ故、外周側への膨出変形が低減されて、嵌合部48の変形量が抑えられることで耐久性の向上が図られる。
また、バウンドストッパ12の係止突部26がダストカバー14の係止凹部56に挿通係止されることで構成される位置決め手段により、ダストカバー14がバウンドストッパ12に対して軸方向でより効果的に位置決めされている。それ故、バウンドストッパ12やダストカバー14の変形に対しても、バウンドストッパ12とダストカバー14の軸方向位置が保持される。しかも、位置決め手段を構成する係止突部26がバウンドストッパ12におけるシリンダ60と反対側の端部(上端部)に設けられていることから、バウンドストッパ12がシリンダ60によって押圧されて変形しても、係止突部26までは変形が及び難く、係止突部26の係止凹部56からの抜けが防止される。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態では形状の異なる複数種類の山部52が採用されているが、複数の山部52を設ける場合に、それら山部52は全てが互いに同一形状とされていても良い。同様に、各谷部54の形状も、全てが略一定であっても良い。
また、前記実施形態では、嵌合部48として、山部52と谷部54の各頂部が角状をなすジグザグ筒形状のものが例示されているが、嵌合部48としては、例えば、山部52と谷部54の各頂部が略円弧状をなす湾曲形状とされて、周方向に延びる波状の横断面形状を呈するもの等が、採用され得る。
また、山部52や谷部54の形成数は特に限定されるものではなく、少なくとも各1つが形成されていれば良い。
また、前記実施形態では、谷部54の内周頂部がバウンドストッパ12の外周面に対して軸方向に延びる線状に当接しているが、例えば谷部54の内周頂部を周方向に所定の長さで広がる凹面形状とすることで、バウンドストッパ12の外周面に対して周方向で所定の長さに亘って面当たりさせることもできる。同様に、山部52の外周頂部も、周方向に所定の長さで延びる面状とされていても良い。
また、前記実施形態において、嵌合部48はバウンドストッパ12の上端部分に外嵌されるようになっていたが、例えば嵌合部48は、バウンドストッパ12の中間部分や下部に外嵌されるようになっていても良い。更に、嵌合部48は、必ずしも係止凹部56よりも下方に設けられるものではなく、係止凹部56よりも上方に位置していても良い。
10:バウンドストッパ付きダストカバー、12:バウンドストッパ、14:ダストカバー、26:係止突部、48:嵌合部、52:山部(大径部)、54:谷部(小径部)、56:係止凹部、58:ショックアブソーバ、60:シリンダ、62:ピストンロッド
Claims (7)
- ショックアブソーバのシリンダから突設されたピストンロッドに外挿される筒状のバウンドストッパに対して、樹脂製のダストカバーが筒状の嵌合部において外嵌されて取り付けられているバウンドストッパ付きダストカバーにおいて、
前記ダストカバーの前記嵌合部における周上の少なくとも一部には、内周面および外周面の両方において拡径された大径部が設けられており、該大径部が前記バウンドストッパに対して隙間をもって外周側に離隔配置されていることを特徴とするバウンドストッパ付きダストカバー。 - 前記嵌合部の周上に複数の前記大径部が設けられている請求項1に記載のバウンドストッパ付きダストカバー。
- 前記嵌合部が外周側に凸となる前記大径部と内周側に凸となる小径部とを周方向で交互に各複数設けることで形成されており、該複数の小径部の各内周頂部が前記バウンドストッパの外周面にそれぞれ押し当てられることにより前記ダストカバーが該バウンドストッパに外嵌されている請求項2に記載のバウンドストッパ付きダストカバー。
- 前記シリンダの当接によって軸方向に最大圧縮された前記バウンドストッパの該シリンダ側の軸方向端が、前記ダストカバーの前記嵌合部の内周側に収まって位置する請求項1〜3の何れか1項に記載のバウンドストッパ付きダストカバー。
- 前記バウンドストッパには外周側に突出する係止突部が前記シリンダと反対側の軸方向端部に形成されていると共に、前記ダストカバーには内周側に開口する係止凹部が形成されており、該係止突部が該係止凹部に挿入係止されて該バウンドストッパと該ダストカバーを位置決めする位置決め手段が構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載のバウンドストッパ付きダストカバー。
- 前記ダストカバーの前記嵌合部が前記バウンドストッパにおける前記シリンダと反対側の軸方向端部に外嵌されている請求項1〜5の何れか1項に記載のバウンドストッパ付きダストカバー。
- 前記嵌合部が全周に亘って略一定の厚さで形成されている請求項1〜6の何れか1項に記載のバウンドストッパ付きダストカバー。
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JP2016048081A (ja) * | 2014-08-27 | 2016-04-07 | 株式会社ショーワ | 懸架装置およびカバー部材 |
KR20190122343A (ko) * | 2018-04-20 | 2019-10-30 | 주식회사 현대포리텍 | 차량의 현가 장치용 스트라이커 캡 |
-
2012
- 2012-09-04 JP JP2012193732A patent/JP2014047895A/ja active Pending
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