JP2014198647A - 窒化アルミニウム粉末の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 縦型反応炉を用いて、窒化アルミニウムの針状結晶の含有量が極めて少ない窒化アルミニウム粉末を連続的に得ることが可能な製造方法を提供する。【解決手段】 縦型反応炉の反応筒上部より、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物を連続的に供給し、充填層を形成した状態で該充填層内に窒素を含む反応ガスを流通させてアルミナを還元窒化し、反応筒の下部より反応生成物を連続的に取り出す窒化アルミニウムの製造方法において、反応筒より排出される排ガス中のCO濃度が定常的に20体積%以下となるように制御する方法であり、特に、原料中の硫黄含量が多い場合に有効である。【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化アルミニウム粉末の新規な製造方法に関する。詳しくは、縦型反応炉を用いて、窒化アルミニウムの針状結晶の含有量が極めて少ない窒化アルミニウム粉末を連続的に得ることが可能な製造方法を提供するものである。
窒化アルミニウムは高い電気絶縁性、熱伝導性を有することから、その焼結体は放熱部材として期待される。上記窒化アルミニウム焼結体は一般的に、ドクターブレード法によって製造される。ドクターブレード法では、原料である窒化アルミニウム粉末をバインダー、溶剤等と混合して窒化アルミニウムスラリーを調製した後に、該スラリーをシート成形して窒化アルミニウムシートを作製する。この成形の際、窒化アルミニウムスラリーには大きなせん断を負荷するが、せん断負荷時、針状結晶のようなアスペクト比の大きな窒化アルミニウム粉末はスラリー中で配向してしまう。配向が生じたまま乾燥させたシートを焼成すると、粒子配向方向とその垂直方向とで収縮差が生じ、所定の形状を有した焼結体を安定的に得ることができない。よって、窒化アルミニウム焼結体の寸法精度向上のために、アスペクト比の大きな窒化アルミニウム粉末を含まない、均質な窒化アルミニウム粉末が求められている。
一般に、窒化アルミニウム粉末の製法として、アルミナ粉末とカーボン粉末の混合物を窒素中で加熱する還元窒化法、金属アルミニウムと窒素を高温で反応させる直接窒化法が知られている。直接窒化法により得られる窒化アルミニウム粉末は、硬くて大きな、一部焼結も進んだ塊状窒化アルミニウムを粉砕・分級することにより製造されるため、アスペクト比の大きな粉末を多く含有しており、このような粉末から作製される焼結体の寸法精度は低い。一方、還元窒化法により得られる窒化アルミニウム粉末は、一般的に直接窒化法により得られる窒化アルミニウム粉末と比較して粒度が揃った均質な粉末であり、アスペクト比の大きな粉末はほとんど含まないという利点を有する。
還元窒化法により窒化アルミニウム粉末を工業的に生産しようとする場合には、生産性を高めるために、反応炉に原料粉末を高充填させる方法がよく採用される。特に、縦型反応炉に、アルミナ粉末とカーボン粉末とを含む造粒体(以下、アルミナ−カーボン造粒体ともいう)を反応容器内に充填し、該充填層に反応ガスを導入して還元窒化反応を行う方法が知られている(特許文献1〜3等参照)。
しかしながら、上記方法により得られる窒化アルミニウム中には、特に、原料に不純物である硫黄を多く含有するカーボン粉末を使用した場合、還元窒化時にアスペクト比の大きな針状結晶が生成し易く、還元窒化後に必要に応じて粉砕して得られる窒化アルミニウム粉末中に多量の針状結晶が存在するという問題を有していた。かかる針状結晶は、得られる窒化アルミニウム粉末を使用して焼結体を製造する際、焼結体の寸法精度を著しく低下させる要因となっていた。
また、上記針状結晶は、窒化アルミニウム粉末から乾式の分離操作で除去することは工業的に困難であり、製品の窒化アルミニウム粉末に混在した状態で使用せざるを得ないのが現状であった。
特開平6−211507公報 特開平7−81912公報 特許2556459号公報
従って、本発明の目的は、上記縦型反応炉を用いて、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物を連続的に供給して連続的に窒化アルミニウム粉末を得る還元窒化法において、従来の方法と比較して、得られる窒化アルミニウム粉末中に存在する針状結晶の割合が著しく低減された、窒化アルミニウム粉末の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、縦型反応炉に供給された、アルミナ粉末とカーボン粉末により形成される充填層(以下、アルミナ−カーボン充填層ともいう)の反応領域において、還元窒化反応において生成するCOが高濃度となる条件下において、針状結晶が生成し易いという知見を得た。上記知見に基づき、更に研究を重ねた結果、アルミナ−カーボン充填層を通過した後の反応ガスのCO濃度を従来の縦型反応炉を用いて連続的に窒化アルミニウム粉末を得る方法では採用されたことのない、特定の範囲に制御して前記還元窒化反応を行うことにより、針状結晶をほとんど含まない窒化アルミニウム粉末を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、縦型反応炉の反応筒上部より、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物を連続的に供給し、充填層を形成した状態で該充填層内に窒素ガスを流通させてアルミナを還元窒化し、反応筒の下部より反応生成物を連続的に取り出す窒化アルミニウムの製造方法において、反応筒より排出される排ガス中のCO濃度が、20体積%以下となるように制御することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法、さらには反応筒において、還元窒化反応を行う反応領域の温度が、1300〜1750℃である窒化アルミニウム粉末の製造方法、さらに、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物が、平均相当直径が0.5〜50mmの造粒体である窒化アルミニウムの製造方法を提供するものである。
尚、本発明において、上記反応筒より排出される排ガス中のCO濃度は、シングルビーム方式非分散形赤外線吸収法により測定(モニタリング)した値である。また、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物が造粒体である場合の、平均相当直径は、反応筒に供給する造粒体を任意に100個抜き取り、該造粒体100個の体積をアルキメデス法によって測定し、その値を100で除することで求めた造粒体1個あたりの体積から、造粒体を球相当として計算した直径である。
本発明の製造方法によれば、アスペクト比の高い針状結晶をほとんど含有しない窒化アルミニウム粉末を生産性よく得ることができる。また、かかる発明で得られる窒化アルミニウム粉末から作製した窒化アルミニウム焼結体の寸法精度は非常に高く、焼結体作製用の粉末として好適である。
なお、上記針状結晶は、その結晶の最大長/最小径の比が5以上であり、さらに最大長が50μm以上のもので、{10−10}面に垂直な方向に選択的に成長した結晶をいう。また、結晶の成長方向は、透過型電子顕微鏡を用いて取得した電子回折像を解析することにより確定することができる。
上記製造方法により、針状結晶をほとんど生成しない作用機構は明らかではないが、本発明者らは、以下のように推定している。
即ち、針状結晶の生成は、原料であるアルミナ粉末に含まれるAlと、原料であるカーボン粉末に含まれる硫黄が高温で反応し、液相であるAlが生じた後に、該液相成分と、高温で発生する高濃度のAl含有ガス(Alガス,AlOガス、Alガス,Alガス,AlNガス等)が気液界面を形成し、該界面でAlNが生成すると同時に、{10−10}面に垂直な方向に選択的に成長することにより起こる。
高温で発生する高濃度のAl含有ガスは、周囲に窒素が十分存在する環境であれば瞬時に窒化アルミニウム粉末となり、針状結晶は生成しない。ところが、アルミナ粉末とカーボン粉末により形成された充填層では、上記高濃度のAl含有ガスが生成しやすく、さらに、還元窒化反応により窒素を大量に消費すると同時に、COを多く生成するために、COが非常に高濃度になりやすい。すなわち、発生したAl含有ガス周囲に窒素が過少となり、針状結晶が生成しやすい雰囲気となってしまう。よって、COが希薄な状態で還元窒化反応を行うことにより、針状結晶の生成を効果的に抑制することができる。
尚、上記本発明の製造方法に対して、前記特許文献1〜3に開示された製造方法では、アルミナと炭素からなる顆粒をカレントベット式のグラファイト反応器へ連続的に供給して、窒素雰囲気下で還元窒化反応を行うことで窒化アルミニウム粉末を製造する方法が開示されているが、その実施例に記載の方法では、排出ガスのCO濃度を全く制御しておらず、針状結晶の生成を効果的に抑制することができない。
比較例1で得られた窒化アルミニウム粉末中の窒化アルミニウム針状結晶について、その粒子構造を示す電子顕微鏡写真
(アルミナ粉末)
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、出発原料として用いるアルミナ粉末としては、アルミナ又はその水和物が特に制限無く使用される。アルミナ粉末は、α、γ、θ、δ、η、κ、χ等の結晶構造を持つアルミナやベーマイトやダイアスポア、ギブサイト、バイヤライト、トーダイトなど加熱により脱水転移して最終的に全部又は一部がα−アルミナに転移するアルミナ水和物が全て利用可能である。
これらは単独或いは種類の異なるものが混合された状態で用いても良いが、特に反応活性が高く、制御が容易なα−アルミナ、γ−アルミナ、ベーマイトが好適に用いられる。
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法に用いるアルミナ粉末の粒子径は特に制限されないが、特に、2μm以下の粒子径を有するものが好ましい。
また、上記アルミナ粉末は公知の表面処理がされていてもよい。
(カーボン粉末)
発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、出発原料として用いるカーボン粉末は、特に制限されないが、一般には、ファーネス法、チャンネル法などにより得られたカーボンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックや、黒鉛粉末が使用される。
前記カーボン粉末の比表面積は、特に制限されないが、0.01〜500m/gのものが好ましい。
本発明において、窒化アルミニウムの針状結晶の生成は、後述するように、アルミナーカーボン充填層を通過後の反応ガスのCO濃度を一定以下とすることでほとんど抑制することができるが、かかる効果は、特に、カーボン粉末に含まれる硫黄が多い場合に顕著である。即ち、前記したように、窒化アルミニウムの針状結晶の生成は、カーボン粉末、延いては、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合粉末中の硫黄成分が多いほど顕著であり、本発明の方法は、このように硫黄成分の多い原料を使用した場合においても、該針状結晶の生成を効果的に抑え、良好な窒化アルミニウム粉末を得ることが可能である。具体的には、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物中の硫黄成分の含量が、アルミナ粉末100質量部に対して、硫黄(元素)換算で、0.2質量部を超える場合に、本発明の効果は顕著である。
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、本発明の効果を損なわない範囲で、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フランフェノール樹脂等の合成樹脂縮合物やピッチ、タール等の炭化水素化合物や、セルロース、ショ糖、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレン等の有機化合物などのカーボン源をカーボン粉末として併用することもできる。
(混合・造粒方法)
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、アルミナ粉末とカーボン粉末の混合物を準備する。アルミナ粉末とカーボン粉末とを混合する方法としては、アルミナ粉末、カーボン粉末が均一になるような方法であればいずれの方法でも良いが、通常混合手段はブレンダー、ミキサー、ボールミルによる混合が好適であり、この場合、湿式、乾式を問わず実施することができる。
本発明において、アルミナ粉末とカーボン粉末の混合比は、化学両論比より、カーボン粉末の上記アルミナ粉末(水和物の場合はアルミナ換算)に対する重量比は、アルミナ換算(C/Al)で0.36以上であれば特に制限されないが、好ましくは0.36〜1.00、より好ましくは0.36〜0.50の範囲とするのが好適である。
本発明において、還元窒化反応速度を速くする目的で、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物に、アルカリ土類金属化合物又は希土類金属化合物を存在せしめることができる。上記アルカリ土類金属化合物又は希土類金属化合物は、例えば、アルカリ土類金属又は希土類金属の酸化物、炭酸化物、水酸化物、酢酸化物、炭化物、フッ化物が挙げられる。
上記アルカリ土類金属の例としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、マグネシウム等が挙げられ、上記希土類金属の例としては、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、テルビウム等を挙げることができる。酸化物としては、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、また、フッ化物としては、フッ化カルシウムが代表的である。上記アルカリ土類金属化合物又は希土類金属化合物は、単独の化合物を使用してもよいが、複数種の化合物を組み合わせて用いることもできる。
尚、上記アルカリ土類金属化合物又は希土類金属化合物としては、還元窒化中に前記例示したアルカリ土類金属化合物又は希土類金属化合物を生成するものを含む。
また、上記アルカリ土類金属化合物又は希土類金属化合物の添加量は特に制限されないが、それぞれ酸化物換算で、原料アルミナ粉末100質量部(水和物の場合はアルミナ換算)に対して、0.001質量部〜50質量部、好ましくは0.01質量部〜20質量部、より好ましくは0.1質量部〜10質量部の範囲とするのが好適である。
さらに、上記アルカリ土類金属化合物又は希土類金属化合物の粒子径は特に制限されないが、一般には、平均粒子径が、0.05〜2μm程度のものが好適である。
なお、上記アルカリ土類金属化合物又は希土類金属化合物カーボン粉末は公知の表面処理がされていてもよい。
本発明においては、アルミナ粉末とカーボン粉末の混合物は造粒してもよい。アルミナ粉末とカーボン粉末より作製される造粒体(以下、アルミナ−カーボン造粒体ともいう)の製造方法は、前記原料を使用した、転動造粒、押出造粒、噴霧造粒、圧縮造粒、攪拌造粒、流動層造粒など、何等制限無く採用され、公知の造粒方法が何等制限無く採用できる。
上記造粒方法において、必要に応じて、界面活性剤、バインダーを、本発明の効果を妨げない範囲で、使用してもよい。例えば、上記界面活性剤としては、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリストール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキソエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられ、バインダーとしては、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、砂糖、セルロースエーテル、デキストリン、でんぷん、糖蜜、ポリビニルピオリドンなどが挙げられる。
本発明において、前記造粒後の造粒体は、必要に応じて乾燥した後、還元窒化に供される。上記乾燥を行う場合、方式は、静置式、流動層式のバッチ乾燥、トンネル式、キルン式、流動層式の連続乾燥など、造粒体が崩壊しない方法であればいかなる方法でもよい。
本発明において、アルミナ−カーボン造粒体の平均相当直径は、0.5mm〜50mmであり、好ましくは1.0〜10mm、特に好ましくは、2.0〜8.0mmである。平均相当直径が0.5mm未満の場合、造粒体は混合した粉末と比較して密度が3倍以上となるため、Al含有ガスおよびCOが一度に大量に発生しやすい。一方、50mmを越える場合は、造粒体内の反応ガス拡散が遅くなってしまう。
アルミナ−カーボン造粒体の密度は、特に制限されないが、造粒体中への反応ガスの浸透性などを考慮すれば、0.9〜2.9g/cmが好ましく、1.0〜2.0g/cmがさらに好ましく、特に好ましくは1.2〜1.7g/cmである。上記密度は、造粒方法、或いは、造粒条件を選択することにより、適宜調整することができる。
本発明において、前記アルミナ−カーボン造粒体の製造に有機バインダー、界面活性剤等の有機物を使用した場合、還元窒化反応に供する前に脱脂することが好ましい。脱脂条件は、上記有機物が燃焼あるいは熱分解する条件であれば、公知の条件が何等制限なく適用できる。
(還元窒化)
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、還元窒化反応には、縦型反応炉を用いる。上記縦型反応炉は、反応筒上部より、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物を連続的に供給し、充填層を形成した状態で該充填層内に窒素を含む反応ガスを流通させてアルミナを還元窒化し、反応筒の下部より反応生成物を連続的に取り出すことができる構造を有するものであれば、公知の構造の炉が特に制限なく使用できる。
具体的には、縦型反応炉は、反応筒の上部に前記混合物の投入手段を、下部に反応生成物の取り出し手段を有する。また、該反応筒には、一般には、下方より窒素を含む反応ガスを供給して筒内部を流通させ、上方より排ガスとして排出される。また、該流路に前述のアルミナ粉末とカーボン粉末との混合物を充填して充填層を形成した状態で、前記混合物の投入量と反応物の取り出し量がバランスするように、反応筒内を移動せしめる。また、反応筒は、筒内に形成された充填層の少なくとも一部を後述の還元窒化に必要な温度に加熱する加熱手段を有する。
前記反応筒の断面形状は特に制限されないが、円、楕円、正方形、長方形、五角形などの多角形などが好ましい。
また、上記反応筒の加熱手段は、反応筒全部あるいは一部を後述する反応温度に加熱可能な手段であれば特に制限されない。一般的には、ヒーター加熱、誘導加熱等が採用される。
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物は、反応筒上部より、連続的に供給される。供給手段は、公知の手段が何ら制限なく用いられるが、振動フィーダー、ロータリーフィーダー、スクリューフィーダー等が好適である。また、本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法においては、還元窒化後の反応性生物は連続的に取り出される。取り出し手段は、公知の手段が何ら制限なく用いられる。
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、反応筒内に形成した充填層に流通させる反応ガスは窒素ガスである。窒素ガスの露点は、特に制限されないが、−40℃以下であることが好ましい。また、本発明の効果を妨げない範囲であれば、水素、一アンモニアなどの還元性ガスを併用してもよい。
窒素ガスの供給方向は、反応筒の上方から下方、あるいは下方から上方でも良が、下方から上方に向けて供給する方法が一般的である。また、窒素ガスの供給の仕方は、例えば、下方から上方に向けて供給する場合、反応筒の下部に別途供給口を設け、そこから流入させても良いし、生成物の取り出し口より供給してもよい。
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、最も重要な要件は、前記縦型反応炉を使用して、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物を連続的に供給し、還元窒化を行い、反応生成物を連続的に取り出す窒化アルミニウムの製造方法において、反応筒より排出させる排ガス中のCO濃度を、20体積%以下、好ましくは、18体積%以下、より好ましくは15体積%以下とすることにある。即ち、CO濃度が20体積%を超えた場合、得られる窒化アルミニウム粉末中の針状結晶が著しく増加し、該粉末の用途の一つである、焼結体原料として使用した場合、得られる焼結体の寸法精度を著しく低下するという問題を生じる。
上記排ガス中のCO濃度は、定常的に前記範囲となるように制御することが好ましく、一時的にでも前記範囲を超えた場合、窒化アルミニウムの針状結晶が増加する傾向にある。従って、排ガス中のCO濃度の測定は、できるだけ短い周期、好ましくは、常時連続して測定し、前記範囲を超えないように制御することが好ましい。
また、該排ガス中のCO濃度の制御は、例えば、原料供給速度、窒素ガスの供給速度、造粒体の密度を調製することにより行うことが好ましい。
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、反応筒内の還元窒化反応を行う反応領域の温度は、1300〜1750℃であり、好ましくは1400℃〜1700℃である。1300℃以下の場合は、還元窒化反応が起きず、1750℃以上の場合は、ALON等の不純物が生成してしまう。また、上記反応領域における滞在時間は、反応筒の大きさ、反応筒中の移動速度等に応じて、窒化反応が完結するように適宜決定すればよい。
〔酸化処理〕
本発明において、還元反応後の窒化アルミニウム粉末は、フリーの余剰カーボン粉末を含んでいるため、脱炭素処理を行うのが好ましい。脱炭素処理は高温で、酸化性ガスを用いて余剰のカーボン粉末を燃焼する方法が一般的である。脱炭素処理を行う際の酸化性ガスとしては、空気、酸素など炭素を除去できるガスならば何等制限無く採用できるが、経済性や得られる窒化アルミニウムの酸素濃度を考慮して、空気が好適である。また、処理温度は一般的に500〜900℃がよく、脱炭素の効率と窒化アルミニウム表面の過剰酸化を考慮して、600〜750℃が好適である。
酸化温度が高すぎると窒化アルミニウム粉末の表面が過剰に酸化され、目的とする粉末が得られ難い傾向があるので適当な酸化温度と時間を選択するのが好ましい。
酸化後の窒化アルミニウムは造粒体の形状を保持しているが、その強度は弱く、容易に粉砕することができる。
(窒化アルミニウム粉末)
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法により作製される窒化アルミニウム粉末は、縦型反応炉を用いて、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物を連続的に供給して連続的に窒化アルミニウム粉末を得る還元窒化法によって得られるにも拘わらず、窒化アルミニウムの針状結晶をほとんど含有しないという特徴を有している。
即ち、本発明の窒化アルミニウム粉末は、含有される針状結晶が好ましくは、0.5質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以下、特に好ましくは0.2質量%以下である。なお、上記針状結晶の含有率は、窒化アルミニウム粉末をエタノール中に分散させ、該分散液をシャーレ上に濡れ広げさせた後に、針状結晶をすべて回収し、その重量を測定することにより求めることができる。
このように、窒化アルミニウム粉末に含有される針状結晶の割合が、0.5質量%以下である窒化アルミニウム粉末を使用して得られる窒化アルミニウム焼結体は、寸法精度が非常に高いものである。しかし、0.5質量%を超えて針状結晶を含有する窒化アルミニウム粉末から作製した窒化アルミニウム焼結体は、寸法精度が極端に低下するため、針状結晶の割合を0.5質量%以下とすることが非常に重要である。
なお、本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、アルミナ−カーボン造粒体を作製して還元窒化した場合は、得られた窒化アルミニウム造粒体を、そのまま本発明の窒化アルミニウム粉末として得ても良いし、必要に応じて粉砕したものであっても良い。
〔後処理〕
本発明において、酸化後の窒化アルミニウム粉末は、必要に応じて粉砕、分級を実施することができる。
さらに、本発明の窒化アルミニウム粉末は、次いで成形され、更に、焼成することによって窒化アルミニウム焼結体が得られる。そのための方法には公知の方法が特に制限なく採用されるが、具体例を挙げると、原料窒化アルミニウム粉末に、炭酸カルシウム、酸化イットリウムなどの公知の焼結助剤粉末を1〜10重量部の範囲で添加し、更には必要に応じて有機バインダー、可塑剤、分散剤、溶剤などを添加し、遊星ボールなどで混合機によって混合したものを、公知の成形方法、例えば、ドクターブレード法によって成形することが好ましい。本発明において、前記有機バインダーによって成形された場合、その成形体は、焼成に先立ち、脱脂処理を行うのが一般的である。上記脱脂処理の条件は、公知の条件が特に制限なく採用されるが、例えば、酸化性雰囲気下或いは非酸化性雰囲気下で、温度300〜1000℃で1〜10時間処理する方法が一般的である。焼成は、公知の焼成条件が特に制限なく採用されるが、例えば、上記脱脂体を、窒素などの非酸化性雰囲気下で温度1600〜1900℃、好ましくは1650〜1850℃、さらに好ましくは1680〜1820℃で1〜100時間、好ましくは2〜50時間、更に好ましくは2〜30時間で焼成を行うことが好ましい。
以下、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例における各種物性は、下記の方法により測定した。
(1)カーボン粉末の不純物濃度
カーボン粉末の不純物濃度は、試料に酸を加え加熱分解し(カーボン粉末の場合は酸化分解後、酸による加熱分解)、島津製作所製ICPS−1000−IIを用いてICP発光分光分析法により測定した。
(2)造粒体の密度
造粒体の密度は、アルキメデス法により測定した。
(3)造粒体の平均相当直径
平均相当直径は、反応筒に供給する造粒体を任意に100個抜き取り、該造粒体100個の体積をアルキメデス法によって測定し、その値を100で除することで求めた造粒体1個あたりの体積から、造粒体を球相当として計算した。
(4)造粒体層充填率
反応容器内の充填層体積と、充填した造粒体の重さと、乾燥した造粒体の密度より、造粒体の充填割合を計算した。
(5)CO濃度
排出ガスのCOガス濃度を横河電機株式会社製IR200形汎用赤外線ガス分析計を用いて常時連続してモニタリングした。
(6)生成物の組成
生成物の組成は、反応筒下部より取り出した粉末をXRD測定することにより確定した。
(7)針状結晶含有率
針状結晶含有率は、窒化アルミニウム粉末をエタノール中に分散させ、該分散液をシャーレ上に濡れ広げさせた後に、針状結晶をすべて回収し、その重量を測定することにより求めた。
(8)焼結体の寸法精度
実施例1に記載の方法で作製した成形体を、50mm×50mmの金型で打ち抜き、さらに実施例1に記載の方法で焼成し、得られた窒化アルミニウム焼結体30枚の寸法を測定し、その長径と短径の平均値の比(長径/短径)を求めた。
実施例1
平均粒子径0.8μmのαアルミナ100質量部に、比表面積125m/gであり、硫黄を0.8質量%含有するカーボンブラック45質量部を混合し、混合粉末を得た。このときの混合粉末に含有の硫黄量は、アルミナ100質量部に対して0.36質量部となる。
一方、水97質量部に対して、重合度が600のポリビニルアルコールを3質量部溶解させバインダーを得た。これらの原料とバインダーを用いて、ドラム型の転動式連続造粒機で造粒体を作製した。得られた造粒体を120℃で12時間乾燥し、原料造粒体とした。得られた造粒体の平均相当直径は、5.1mmであり、密度は1.27g/cmであった。
続いて、作製した造粒体を連続運転される縦型反応炉へ供する。反応炉の反応筒は、その断面形状が内径120mmの円であり、均熱帯の高さは2000mmである。反応ガスは窒素ガスであり、反応筒下部より供給し、反応筒上部より排出させる。窒素ガスの導入量は40NL/minとした。なお、均熱帯の温度は1650℃とした。CO濃度が所定の範囲を超えないよう、造粒体の供給速度を制御しながら還元窒化を行った。即ち、前記造粒体を反応筒上部よりロータリーフィーダーにて、5分ごとに83gずつ、すなわち1kg/hの速度で供給しつつ、一方で、供給と同じタイミングで、供給した造粒体と同じ体積分だけ熱処理された造粒体を反応筒下部より取り出した。本運転における排出ガスのCO濃度は瞬間的な最高値は17体積%であり、24時間の平均では16体積%であった。
回収した粉末の組成は窒化アルミニウム単相であり、酸化処理後に測定した針状結晶の含有率は0.2wt%だった。結果をまとめて表1に示す。
得られた窒化アルミニウム粉末100質量部に対して酸化イットリウムが5質量部となるように添加し、さらに、上記組成物に分散剤と溶媒を添加し14時間混合した。その後、バインダーとしてポリビニルブチラール及び可塑剤を添加して18時間混合して窒化アルミニウムスラリーを得た。窒化アルミニウムスラリーを脱泡後粘度2万cpsに調製しドクターブレード法で厚み0.75mmの成形体を作製した。 得られた成形体を500℃、4時間、空気雰囲気中で脱脂し、窒素雰囲気中、1740℃、5時間で焼成して窒化アルミニウム焼結体を得た。焼結体の寸法精度測定結果を表1に併せて示す。
実施例2
実施例1と同様の方法にて、原料粉末を得、さらに、水95質量部に対して、重合度が600のポリビニルアルコールを5質量部溶解させバインダーを得た。これらの原料とバインダーを用いて、押出式連続造粒機で造粒体を作製した。得られた造粒体を120℃で12時間乾燥し、原料造粒体とした。得られた造粒体の平均相当直径は、5.2mmであり、密度は1.45g/cmであった。
続いて、作製した造粒体を、実施例1と同じ連続運転される縦型反応炉へ供した。均熱帯の温度を1700℃とした以外は、実施例1と同様の方法で連続処理を行った。本運転における排出ガスのCO濃度は瞬間的な最高値は19体積%であり、24時間の平均で、16体積%であった。
回収した粉末の組成は窒化アルミニウム単相であり、酸化処理後に測定した針状結晶の含有率は0.4wt%だった。結果をまとめて表1に示す。
得られた窒化アルミニウム粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて窒化アルミニウム焼結体を作製し、その寸法精度を測定した。結果を表1に併せて示す。
実施例3
実施例1と同様の方法にて、原料粉末を得、さらに、水95質量部に対して、重合度が600のポリビニルアルコールを5質量部溶解させバインダーを得た。これらの原料とバインダーを用いて、圧縮式連続造粒機で造粒体を作製した。得られた造粒体を120℃で12時間乾燥し、原料造粒体とした。得られた造粒体の平均相当直径は、10.2mmであり、密度は1.40g/cmであった。
続いて、作製した造粒体を、実施例1と同じ連続運転される縦型反応炉へ供した。均熱帯の温度を1500℃、窒素導入量を30NL/minとし、さらに造粒体を5分ごとに42gずつ、0.5kg/hの速度で供給した以外は、実施例1と同様の方法で連続処理を行った。本運転における排出ガスのCO濃度は瞬間的な最高値は14体積%であり、24時間の平均で、12体積%であった。
回収した粉末の組成は窒化アルミニウム単相であり、酸化処理後に測定した針状結晶の含有率は0.1wt%だった。結果をまとめて表1に示す。
得られた窒化アルミニウム粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて窒化アルミニウム焼結体を作製し、その寸法精度を測定した。結果を表1に併せて示す。
比較例1
実施例1と同様の方法にて、アルミナ−カーボン造粒体を得た。
続いて、作製した造粒体を、実施例1と同じ連続運転される縦型反応炉へ供した。窒素導入量を20NL/minとした以外は、実施例1と同様の方法で連続処理を行った。本運転における排出ガスのCO濃度は瞬間的な最高値は31体積%であり、24時間の平均で、30体積%であった。
回収した粉末の組成は窒化アルミニウム単相であり、酸化処理後に測定した針状結晶の含有率は0.7wt%だった。結果をまとめて表1に示す。
得られた窒化アルミニウム粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて窒化アルミニウム焼結体を作製し、その寸法精度を測定した。結果を表1に併せて示す。
比較例2
実施例2と同様の方法にて、アルミナ−カーボン造粒体を得た。
続いて、作製した造粒体を、実施例1と同じ連続運転される縦型反応炉へ供した。均熱帯の温度を1700℃、窒素導入量を25NL/minとした以外は、実施例1と同様の方法で連続処理を行った。本運転における排出ガスのCO濃度は瞬間的な最高値は31体積%であり、24時間の平均で、28体積%であった。
回収した粉末の組成は窒化アルミニウム単相であり、酸化処理後に測定した針状結晶の含有率は1.1wt%だった。結果をまとめて表1に示す。
得られた窒化アルミニウム粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて窒化アルミニウム焼結体を作製し、その寸法精度を測定した。結果を表1に併せて示す。
比較例3
実施例1と同様の方法にて、原料粉末を得、さらに、水95質量部に対して、重合度が600のポリビニルアルコールを5質量部溶解させバインダーを得た。これらの原料とバインダーを用いて、攪拌式造粒機で造粒体を作製した。得られた造粒体を120℃で12時間乾燥し、原料造粒体とした。得られた造粒体の平均相当直径は、0.3mmであり、密度は1.34g/cmであった。
続いて、作製した造粒体を、実施例1と同じ連続運転される縦型反応炉へ供し、実施例1と同様の方法で連続処理を行った。本運転における排出ガスのCO濃度は瞬間的な最高値は24体積%であり、24時間の平均で、17体積%であった。
回収した粉末の組成は窒化アルミニウム単相であり、酸化処理後に測定した針状結晶の含有率は0.7wt%だった。結果をまとめて表1に示す。
得られた窒化アルミニウム粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて窒化アルミニウム焼結体を作製し、その寸法精度を測定した。結果を表1に併せて示す。
比較例4
実施例1と同様の方法にて、原料粉末を得、さらに、水80質量部に対して、重合度が600のポリビニルアルコールを5質量部溶解させバインダーを得た。これらの原料とバインダーを用いて、押出式連続造粒機で造粒体を作製した。得られた造粒体を120℃で12時間乾燥し、原料造粒体とした。得られた造粒体の平均相当直径は、4.9mmであり、密度は1.71g/cmであった。
続いて、作製した造粒体を、実施例1と同じ連続運転される縦型反応炉へ供し、実施例1と同様の方法で連続処理を行った。本運転における排出ガスのCO濃度は瞬間的な最高値は22体積%であり、24時間の平均で、18体積%であった。
回収した粉末の組成は窒化アルミニウム単相であり、酸化処理後に測定した針状結晶の含有率は0.6wt%だった。結果をまとめて表1に示す。
得られた窒化アルミニウム粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて窒化アルミニウム焼結体を作製し、その寸法精度を測定した。結果を表1に併せて示す。
比較例5
実施例3と同様の方法にて、アルミナ−カーボン造粒体を得た。
続いて、作製した造粒体を、実施例1と同じ連続運転される縦型反応炉へ供した。均熱帯の温度を1250℃とした以外は、実施例1と同様の方法で連続処理を行った。本運転においては排出ガス中にCOは観測されなかった。
回収した粉末の組成はアルミナ単相であった。結果をまとめて表1に示す。
比較例6
実施例2と同様の方法にて、アルミナ−カーボン造粒体を得た。
続いて、作製した造粒体を、実施例1と同じ連続運転される縦型反応炉へ供した。均熱帯の温度を1800℃とした以外は、実施例1と同様の方法で連続処理を行った。本運転における排出ガスのCO濃度は瞬間的な最高値は21体積%であり、24時間の平均で、18体積%であった。
回収した粉末の組成は窒化アルミニウムとALONとの複合相であった。結果をまとめて表1に示す。
得られた粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて焼結体を作製し、その寸法精度を測定した。結果を表1に併せて示す。なお、焼結体の熱伝導率は45W/m・Kと非常に低かった。
Figure 2014198647

Claims (4)

  1. 縦型反応炉の反応筒上部より、アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物を連続的に供給し、充填層を形成した状態で該充填層内に窒素を含む反応ガスを流通させてアルミナを還元窒化し、反応筒の下部より反応生成物を連続的に取り出す窒化アルミニウムの製造方法において、反応筒より排出される排ガス中のCO濃度が20体積%以下となるように制御することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。
  2. 前記反応筒において、還元窒化反応を行う反応領域の温度が、1300〜1750℃である請求項1記載の窒化アルミニウム粉末の製造方法。
  3. 前記アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物が、平均相当直径0.5〜50mmの造粒体である請求項1〜2のいずれか一項に記載の窒化アルミニウムの製造方法。
  4. 前記アルミナ粉末とカーボン粉末との混合物中の硫黄成分の含量が、アルミナ粉末100質量部に対して、硫黄(元素)換算で、0.2質量部を超える請求項1〜3のいずれか一項に記載の窒化アルミニウムの製造方法。
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