JP7019443B2 - 金属含有窒化アルミニウム粉末の製造方法 - Google Patents

金属含有窒化アルミニウム粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フィラー、放熱基板等の放熱材料や絶縁板、回路用基板、ヒーターや静電チャック等の半導体製造装置用部材の原料として好適に使用される窒化アルミニウム粉末の製造方法を提供するものである。
窒化アルミニウムは、電気絶縁性、熱伝導性、機械的強度、ハロゲンプラズマ耐性に優れているため、窒化アルミニウム粉末をフィラーとして樹脂に充填して得られる放熱シートや放熱グリース等、また、窒化アルミニウム粉末を焼結して得られる放熱基板、絶縁板、半導体製造装置用部材等に幅広く利用されている。これら焼結体は、窒化アルミニウム粉末に必要により、酸化イットリウムなどの焼結助剤を添加し、常圧あるいは加圧下で焼結することによって製造されている。
さらに、窒化アルミニウムに様々な金属化合物を添加することにより、遮光性、体積抵抗等の特性を向上させる手段が報告されている。
例えば、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Nd及びHoからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を0.1から3.0質量%含有した窒化アルミニウム粉末が開示されている。この窒化アルミニウム粉末を用いて得られる焼結体は、黒色、茶色、緑色などに着色され、遮光性が付与される(特許文献1参照)。
また、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、B、Al、Si及びMgからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素の有機化合物を溶解させた有機溶媒中に窒化アルミニウム粉末を分散させる工程と、前記有機溶媒を分離回収することにより、窒化アルミニウム粒子内に前記元素の化合物粒子を含有する窒化アルミニウム粉末を得る工程とを備えた、窒化アルミニウム粉末の製造方法が開示されている。この方法によれば、上記元素の化合物を窒化アルミニウムの表面或いは粒子内に極めて均一に分散させることができる(特許文献2参照)。
また、窒化アルミニウム粉末に3質量%~13質量%のランタン化合物粉末を添加し、加圧焼結することで、焼結体の体積固有抵抗の温度依存性が効率よく緩和された窒化アルミニウムの焼結体の製造方法が記載されている(特許文献3参照)。
特開平4-92864号公報 特開平5-24812号公報 特許第4264236号公報
添加した金属化合物が窒化アルミニウム焼結体中で均一に分散していない場合、焼結体の特性にバラつきが生じたり、色調のムラが生じたりする。一般的に、金属化合物を窒化アルミニウムに均一に分散させる方法として、粉砕混合機やボールミル等、乾式・湿式による混合方法が実施されているが、乾式混合では金属化合物が均一に分散しがたく、湿式による混合方法を採用せざるを得ない。しかしながら、湿式法による混合では均一となるが、有機溶剤や分散剤等の有機物を使用することとなり、その有機物を除去するための工程が別途必要となるため、効率的でない。
従って本発明の目的は、含有する金属に由来する様々な性能を有する窒化アルミニウム焼結体を製造するために用いられる、金属元素が均一に分散された窒化アルミニウム粉末を、湿式法によらず乾式で効率的に製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、種々の検討を重ねた結果、特定の方法で窒化アルミニウム粉末と金属化合物を混合し窒化することにより、添加した金属化合物に由来する金属元素の濃度のバラつきが小さい窒化アルミニウム粉末の製造方法を完成するに至った。
即ち、本発明は、金属を含有する窒化アルミニウム粉末の製造であって、
酸化アルミニウム粉末、カーボン、及び金属の酸化物、窒化物、炭化物、炭酸塩から選ばれる一種又は二種以上の金属化合物を混合する混合工程と、得られた混合粉末を窒素雰囲気下で窒化する窒化工程とを有し、
前記混合工程において、酸化アルミニウムと金属化合物との混合は、撹拌翼を有した混合装置で予備混合する第一の混合工程と、次いでボールミルで混合する第二の混合工程を含む少なくとも2段階以上で行われることを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、添加した金属化合物に由来する金属成分の濃度バラつきが10%以下と小さい窒化アルミニウム粉末を生産性よく得ることができる。したがって、本発明で得られる窒化アルミニウム粉末を用いることにより、より均一な特性、即ち熱伝導率や電気抵抗、更には曲げ・引張強度の機械的強度、遮光性等が安定した焼結体を得ることが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の製造方法は、酸化アルミニウムをカーボンの共存下、窒素により窒化する、いわゆる還元窒化法に分類されるものである。従って、本発明の製造方法に使用する原料酸化アルミニウム、カーボン及び窒素は、還元窒化法に用いる従来公知の原料を採用すればよい。
具体的には以下の通りである。
(原料)
〔酸化アルミニウム粉末〕
窒化アルミニウム粉末の原料となる酸化アルミニウム粉末は、アルミナ又はその水和物が特に制限無く使用される。アルミナは、α、γ、θ、δ、η、κ、χ等の結晶構造を持つものや、ベーマイト、ダイアスポア、ギブサイト、バイヤライト、トーダイトなど加熱により脱水転移して最終的に全部又は一部がα-アルミナに転移するアルミナ水和物が全て利用可能である。
これらは単独、或いは種類の異なるものが混合された状態で用いても良いが、特に反応活性が高く、制御が容易なα-アルミナ、γ-アルミナ、ベーマイトが好適に用いられる。
酸化アルミニウム粉末の製造方法についても制限されず、ボーキサイトを出発原料とした、いわゆるバイヤー法によって製造されるアルミナ、アンモニウムミョウバンの熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩の熱分解法、アルミニウムアルコキシドの加水分解法など、合成により製造される高純度アルミナが使用できる。得られる窒化アルミニウム粉末の金属成分の濃度を厳密に制御する場合には、合成により製造される高純度アルミナを原料として用いた方が好適である。
本発明に使用する酸化アルミニウム粉末の比表面積や平均粒子径は何等制限されないが、BET比表面積は2~20m/g、平均粒子径は、0.1から10μmのものが好適に使用される。
〔カーボン粉末〕
本発明の窒化アルミニウム粉末の原料カーボン粉末は、カーボンブラック、黒鉛粉末が使用できる。上記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャンネル法のカーボンブラックおよび、アセチレンブラックが好適に用いられる。
これらのカーボン粉末のBET比表面積は、任意であるが0.01m/gから500m/gのものを用いるのが好ましい。
当該カーボンの使用量は、酸化アルミニウム粉末100質量部に対して40~60質量部とすればよい。
〔窒素ガス〕
窒素ガスとしては、工業用の高純度窒素ガスを用いることができるが、好ましくは、純度99.999体積%以上、露点-70℃以下、酸素濃度5ppm以下のものである。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フランフェノール樹脂等の合成樹脂縮合物やピッチ、タール等の炭化水素化合物や、セルロース、ショ糖、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレン等の有機化合物等のカーボン源、水素、一酸化炭素、アンモニアなどの還元性ガスを原料として併用することもできる。
〔金属化合物〕
本発明で用いる金属化合物としては、金属の酸化物、窒化物、炭化物、炭酸塩から選ばれる一種以上のものが単独、あるいは組み合わせで使用できる。金属元素としては、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、マグネシウム族元素、希土類元素、土類元素、チタン族元素、土酸元素、クロム族元素、マンガン族元素等が挙げられる。具体的な金属化合物として、Ca、Mg、Zn、Y、La、Ce、Nd、Sm、Eu、Ti、Zr、Sn、Hf、V、Cr、Mo、W、Mnなどの化合物が挙げられる。
これら金属化合物は、原料である酸化アルミニウム粉末、カーボンとともに混合され、還元窒化、酸化される。その反応過程で、上記金属化合物においても、還元、熱分解、酸化など、様々な反応が起こり、窒化アルミニウムへの分散が促進される。窒化アルミニウム粉末中における金属成分の形態としては、酸化物、窒化物、窒化アルミニウム粒子内への固溶成分等である。
金属化合物の添加量は、所望する特性を付与出来るような範囲で調整すれば良い。多くの場合、添加した金属は、その後の還元窒化や脱炭により減少することはほとんどないため、窒化アルミニウムに対しての所望の含有量に相当する量を(例えば、アルミニウムを基準に計算して)添加すればよい。金属添加の目的にもよるが一般的には、酸化アルミニウム粉末100質量部に対して、0.01質量部から10質量部である。また、当該金属化合物は、必要に応じて二種以上を添加してもよい。
(原料混合)
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法においては、上記した原料のうち酸化アルミニウムと金属化合物の混合を、少なくとも二段階で行うことが従来と異なる。これらの混合を一段階で行うと、製造された窒化アルミニウム粉末において添加金属が偏在し、よって、これを用いて各種焼結体を製造した際に、物性の不均一なものとなってしまう。
なお、カーボンは最終的に混合されていればよく、一段階で混合しても、二段階以上で混合してもかまわない。即ち、第一の混合工程前に、酸化アルミニウム又は金属化合物とカーボンを混合しておき、当該混合物を原料として、第一及び第二の混合工程に供する方法、第一の工程で酸化アルミニウム及び金属化合物とともにカーボンを混合する方法、第一の工程では酸化アルミニウムと金属化合物の混合を行い、第二の混合工程にてカーボンを加える方法などが挙げられる。これらのなかでも、工程が少なく、均一性が高い点で、第一の混合工程において、酸化アルミニウム、金属化合物及びカーボンの全てを混合する方法が好ましい。
酸化アルミニウムと金属化合物の混合のうち、第一の混合工程では、撹拌翼を有する混合装置を用いる。混合槽、撹拌翼の材質は、特に制限を受けず、例えばステンレス等の材料が用いられるが、混合槽の内側や撹拌翼の表面は、耐摩耗処理(例えば耐摩耗金属溶射など)を行うのが望ましい。
混合槽の大きさは、当該槽で混合する原料を全て充填した状態で、40~90容量%の充填量となる大きさが好ましい。
金属化合物は、この第一の混合工程において他の原料と共に全量投入してもよいが、第一の混合工程終了まで連続的に、または間欠的に投入するのが好ましい。
撹拌翼のサイズ、翼の形状は特に制限はないが、混合する粉体全体が流動するように、混合槽底部より、混合槽中の粉末の充填高さの70%以上の高さまで翼がついていることが望ましい。
撹拌羽の回転速度は、一般的には10~1000rpm程度とする。第一の混合工程において、混合時間は、おおむね5~120minで十分である。
本発明においては、上記方法で予備混合を行った後、第二の混合工程として、ボールミルを用いた混合を行う。この際使用する容器の内張り、ボール等は高純度アルミナ質、ジルコニア質、窒化アルミニウム質あるいはプラスチック質などが用いられるが、金属不純物の混入を極力防止するため、プラスチック質が好ましい。ボールミルとしては、公知のもの、例えば回転式ボールミル、バッチ式、または、連続式の振動ボールミル、回転式ボールミルと同様に自転する容器をさらに公転させる遊星ボールミル等が挙げられる。また、アトライターによる混合も採用し得る。
ボールミルの大きさとしては、所望の量が得られるように選択すれば良く、ボールの直径は5~50mmのものを単独、或いは2種類以上選択すれば良い。また、ボールの充填量は、容量の20~90%程度とすれば良い。
回転式ボールミルを用いる場合、その回転数としては、式1で定義される臨界回転速度(Nc)の40~100%に設定すれば良い。回転ボールミルで混合する時間は、一般的には、1~10時間である。
Nc=60/π √(g/2Dm) (式1)
g:重力加速度
Dm:ボールミル内径
また、バッチ式、または、連続式の振動ボールミルを用いる場合、振動条件としては、振動周波数1~100Hz、片振幅幅1~50mm、振動加速度1~15Gとすれば良い。
また、遊星ボールミルを用いる場合、公転回転数は100~1000rpm、公自転比は±0.5~±3程度とする。
第一の混合工程において、撹拌翼を持つ混合装置により金属化合物が全体的に分散し、さらに第二の混合工程において、ボールミルにより凝集した粉体を砕きながら、金属化合物の分散が促進される。第一の混合工程の混合のみの場合、原料の凝集により濃度が不均一になり、第二の混合工程の混合のみの場合、添加する金属化合物の分散が十分に行われない。この2段階の混合工程を有することにより、添加した金属化合物に由来する金属元素の濃度バラつきが10%以下である窒化アルミニウム粉末の製造方法を提供できる。この金属元素の濃度には、もともと原料アルミナ中に存在する金属元素も含まれる。
本発明でいう金属化合物の濃度バラつき(%)とは、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10点採取したものの(最大もしくは最小値と平均値との差/平均値)×100で表したものである。
本発明の製造方法では、上記原料の混合を別にすれば、従来公知の還元窒化法による窒化アルミニウムの製造方法と同じ操作を行えばよい。具体的には、窒素気流下で加熱して還元窒化し、ついで酸化性雰囲気中で加熱して残存するカーボンを除去する。以下、これらを詳細に説明する。
(還元窒化)
上記方法で得られた原料混合粉末は、窒素気流下、焼成炉によって1300~1800℃、好ましくは1500~1700℃の温度で通常1~20時間焼成することにより窒化アルミニウム粉末に転化される。
焼成温度は上記の下限温度より低い温度では窒化反応が十分進行せず、また、焼成温度が前記の上限温度を越える高い温度では窒化反応は十分進行するが、窒化アルミニウム粉末の凝集が著しくなるばかりか、添加した金属化合物が窒化反応中に揮散しやすい。
前記焼成の際には焼成炉の炉材や焼成ボートなどの材質について不純物の原因とならないように配慮するのが好ましい。また焼成の雰囲気は窒素を含む雰囲気、通常は高純度の窒素ガスかあるいはそれにアンモニアガスなどを加えたガスが好適であり、通常これらの反応ガスを窒化反応が十分進行するだけの量、連続的又は間欠的に供給しつつ焼成すると良い。
また、前記還元窒化反応において、還元窒化のための反応温度への昇温速度は、いかなる速度でもよいが、一般には、5~20℃/分が好ましい。
本発明において、前記還元窒化を行う方法としては、酸化アルミニウム粉末、カーボン、金属化合物を含む原料混合粉末中に、窒素が十分に拡散するような方法であればいずれの方法でも良く、例えば、上記混合粉末をグラファイト製のケース等に充填し窒素を流通させる方法、ロータリーキルンを用いる方法、流動層を用いる方法が挙げられる。これらのうち、グラファイト製のケース等に充填し窒素を流通させる方法が好適である。
また、前記還元窒化温度にて還元窒化を行なう時間は、酸化アルミニウム粉末の窒化が完了するまでの時間を適宜決定すればよい。一般に、かかる時間は、2時間以上であり、好ましくは、5~10時間である。
(脱炭処理)
本発明において、上記方法で還元窒化して得られた窒化アルミニウム粉末は余剰のカーボン粉末を含んでいるため、脱炭素処理を行うのが好ましい。脱炭素処理を行う際の酸化性ガスとしては、空気、酸素など炭素を除去できるガスならば何等制限無く採用できるが、経済性や得られる窒化アルミニウムの酸素濃度を考慮して、空気が好適である。また、処理温度は一般的に500~900℃がよく、脱炭素の効率と窒化アルミニウム表面の過剰酸化を考慮して、600~750℃が好適である。
(粉末物性)
本発明の製造方法で製造する窒化アルミニウム粉末は、フィラーや焼結体用途への適用を考慮した場合、平均粒子径(D50)0.5~10μm、BET比表面積0.5~5.0m2/g、酸素濃度0.6~1.0質量%、炭素濃度100~700ppmでなるように製造条件を決定すると良い。これらを制御する条件は、公知の条件をそのまま適用すればよい。
尚、本発明の窒化アルミニウム粉末の、平均粒子径(D50)は、レーザー回折/散乱法により測定した粒度分布における累積体積が50%のときの粒子径をいう。
(用途)
本発明の窒化アルミニウム粉末は、金属成分の濃度のバラつきが小さいため、焼結体やフィラー用途等の各種用途に好適に使用できる。焼結体原料と使用される場合、テープ成形、プレス成形などの公知の方法により成形され、常圧もしくは加圧下で焼結される。具体的な用途としては、LED、パワーモジュール等の放熱基板、半導体製造装置用のヒーター、静電チャック等の用途が挙げられる。
以下、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例における各種物性および関連する数値は、下記の方法により測定した。
(1)体積基準での50%粒径(D50)
酸化アルミニウム粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムと未反応原料酸化アルミニウムの混合粉末の平均粒径は、試料をホモジナイザーにてピロリン酸ソーダ水溶液中に分散させ、日機装株式会社製 MICROTRAC HRAを用いてレーザー回折法により測定した。
(2)比表面積
酸化アルミニウム粉末、カーボン粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムと未反応原料酸化アルミニウムの混合粉末の比表面積は、島津製作所製流動式表面積自動測定装置フローソーブ2300形を用いてBET法により測定した。
(3)アルミニウム以外の金属元素含有量
窒化アルミニウム粉末のアルミニウム以外の金属元素含有量は、試料0.8gに硝酸2mL、りん酸10mLを加えて380℃、20分間加熱分解し、島津製作所製ICPS-1000-IIを用いてICP発光分光分析法により測定した。
(4)酸素含有量
窒化アルミニウム粉末中の全酸素含有量は、堀場製作所製セラミック中酸素窒素分析装置EMGA-620Wを用いて測定した。
(5)炭素含有量
窒化アルミニウム粉末中の炭素含有量は、堀場製作所製金属中炭素分析装置「EMIA-110」を使用して、粉末を酸素気流中で燃焼させ、発生したCO、CO2ガス量から定量した。
(6)バラつき
製造された窒化アルミニウムが含有する金属濃度のバラつきは、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10か所からサンプルを採取し、前記方法にて各サンプルの添加金属元素の含有量を求め、下記式にあてはめた際に、その絶対値が最も大きいものである。
(測定値と平均値との差/平均値)×100
また、平均値は10サンプルの相加平均である。
〔実施例1〕
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m/gであるバイヤー法により製造したα-アルミナ200kgと、比表面積110m/gのカーボンブラック100kg、平均粒子径1.0μmの酸化イットリウム2kgを、撹拌羽根を有した混合装置で0.5時間予備混合した。得られた予備混合物を回転式ボールミルにて2時間混合後、窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末140kgを得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量、金属元素含有量の測定を実施した。金属元素含有量は、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10か所からサンプルを採取したものをそれぞれ測定し、平均値とバラつきを求めた。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
金属化合物として、平均粒子径5.0μmの酸化カルシウムを用いた以外には実施例1と同様にして窒化アルミニウム粉末を作製した。得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量、金属元素含有量の測定を実施した。金属元素含有量は、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10か所からサンプルを採取したものをそれぞれ測定し、平均値とバラつきを求めた。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
金属化合物として、平均粒子径1.0μmの酸化ジルコニウムを用いた以外には実施例1と同様にして窒化アルミニウム粉末を作製した。得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量、金属元素含有量の測定を実施した。金属元素含有量は、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10か所からサンプルを採取したものをそれぞれ測定し、平均値とバラつきを求めた。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
金属化合物として、酸化カルシウムを0.02kgとした以外には実施例2と同様にして窒化アルミニウム粉末を作製した。得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量、金属元素含有量の測定を実施した。金属元素含有量は、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10か所からサンプルを採取したものをそれぞれ測定し、平均値とバラつきを求めた。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
金属化合物として、平均粒子径1.0μmの炭酸カルシウムを用いた以外には実施例4と同様にして窒化アルミニウム粉末を作製した。得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量、金属元素含有量の測定を実施した。金属元素含有量は、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10か所からサンプルを採取したものをそれぞれ測定し、平均値とバラつきを求めた。これらの結果を表1に示す。
〔実施例6〕
金属酸化物として、平均粒子径0.7μmの酸化チタンを用い、酸化チタンの添加量を0.004kgとした以外には実施例1と同様にして窒化アルミニウム粉末を作製した。得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量、金属元素含有量の測定を実施した。金属元素含有量は、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10か所からサンプルを採取したものをそれぞれ測定し、平均値とバラつきを求めた。結果を表1に示す。
〔実施例7〕
回転式ボールミルの代わりにバッチ式の振動ボールミルを用いて、混合時間を30分とした以外は、実施例6と同様にして窒化アルミニウム粉末を作製した。得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量、金属元素含有量の測定を実施した。金属元素含有量は、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10か所からサンプルを採取したものをそれぞれ測定し、平均値とバラつきを求めた。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m/gのカーボンブラック100kg、平均粒子径1.0μmの酸化イットリウム2kgを、撹拌羽根を有した混合装置で3時間混合した。窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量、金属元素含有量の測定を実施した。金属元素含有量は、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10か所からサンプルを採取したものをそれぞれ測定し、平均値とバラつきを求めた。その結果を表1に示す
〔比較例2〕
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m/gのカーボンブラック100kg、平均粒子径1.0μm、比表面積10m2/gの酸化イットリウム2kgを回転ボールミルにて3時間混合後、窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量、金属元素含有量の測定を実施した。金属元素含有量は、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10か所からサンプルを採取したものをそれぞれ測定し、平均値とバラつきを求めた。その結果を表1に示す。
〔比較例3〕
比較例2において、回転ボールミルでの混合時間を10時間とした以外は、比較例2と同様にして窒化アルミニウム粉末を作製した。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量、金属元素含有量の測定を実施した。金属元素含有量は、得られた窒化アルミニウム粉末から任意に10か所からサンプルを採取したものをそれぞれ測定し、平均値とバラつきを求めた。その結果を表1に示す。
Figure 0007019443000001

Claims (2)

  1. 金属を含有する窒化アルミニウム粉末の製造であって、
    酸化アルミニウム粉末、カーボン、及び金属の酸化物、窒化物、炭化物、炭酸塩から選ばれる一種又は二種以上の金属化合物を混合する混合工程と、得られた混合粉末を窒素雰囲気下で窒化する窒化工程とを有し、
    前記混合工程において、酸化アルミニウムと金属化合物との混合は、撹拌翼を有した混合装置で予備混合する第一の混合工程と、次いでボールミルで混合する第二の混合工程を含む少なくとも2段階以上で行われることを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。
  2. 金属化合物の添加量が酸化アルミニウム粉末100質量部に対し、0.01質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム粉末の製造方法。
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