JP7257909B2 - 窒化アルミニウム粉末の製造方法 - Google Patents
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Description
窒化アルミニウム粉末の原料となる酸化アルミニウム粉末は、アルミナ又はその水和物が特に制限無く使用される。アルミナは、α、γ、θ、δ、η、κ、χ等の結晶構造を持つものや、ベーマイト、ダイアスポア、ギブサイト、バイヤライト、トーダイトなど加熱により脱水転移して最終的に全部又は一部がα-アルミナに転移するアルミナ水和物が全て利用可能である。
本発明の窒化アルミニウム粉末の原料カーボン粉末は、カーボンブラック、黒鉛粉末が使用できる。具体的には、ファーネス法、チャンネル法のカーボンブラックおよび、アセチレンブラックが好適に用いられる。また、上記カーボン粉末のBET比表面積は特に制限されないが、0.01~500m2/gのものが好適に使用される。
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、酸化アルミニウム粉末とカーボン粉末の混合量は、公知の混合量が特に制限なく採用されるが、酸化アルミニウム粉末100質量部に対して40~60質量部程度が好ましい。
本発明において、第一の混合工程では酸化アルミニウムとカーボン粉末とを、乾式で、且つ、カーボン粉末が実質的に粉砕されない程度での混合が可能な混合方式として撹拌混合が採用される。具体的には、公知のブレンダー、ミキサー等の装置による乾式の混合が好適であり、特に、撹拌羽根を有する混合装置を用いるのが望ましい。具体的には、内部の羽根が回転するパドルミキサー、リボンミキサー、混合攪拌機等の混合機、容器の胴部の羽根が回転する円筒形の撹拌型混合機等の混合機が好適に使用される。
また平均値は10サンプルの相加平均である。
上記方法で得られた原料混合粉末は、窒素気流下、焼成炉によって1300~1800℃、好ましくは1500~1700℃の温度で通常1~20時間焼成することにより窒化アルミニウム粉末に転化される。
本発明において、上記方法で還元窒化して得られた窒化アルミニウム粉末は余剰のカーボン粉末を含んでいるため、脱炭素処理を行うのが好ましい。脱炭素処理を行う際の酸化性ガスとしては、空気、酸素など炭素を除去できるガスならば何等制限無く採用できるが、経済性や得られる窒化アルミニウムの酸素濃度を考慮して、空気が好適である。また、処理温度は一般的に500~900℃がよく、脱炭素の効率と窒化アルミニウム表面の過剰酸化を考慮して、600~750℃が好適である。
本発明の製造方法で製造する窒化アルミニウム粉末は、フィラーや焼結体用途への適用を考慮した場合、平均粒子径(D50)0.5~10μm、BET比表面積0.5~5.0m2/g、酸素濃度0.6~1.0質量%、炭素濃度100~700ppmでなるように製造条件を決定すると良い。これらを制御する条件は、公知の条件をそのまま適用すればよい。
本発明の方法により得られた窒化アルミニウム粉末は焼結体やフィラー用途等の各種用途に好適に使用できる。焼結体原料と使用される場合、テープ成形、プレス成形などの公知の方法により成形され、常圧もしくは加圧下で焼結される。具体的な用途としては、LED、パワーモジュール等の放熱基板、半導体製造装置用のヒーター、静電チャック等の用途が挙げられる。
酸化アルミニウム粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムと未反応原料酸化アルミニウムの混合粉末の平均粒径は、試料をホモジナイザーにてピロリン酸ソーダ水溶液中に分散させ、日機装株式会社製 MICROTRAC HRAを用いてレーザー回折法により測定した。
酸化アルミニウム粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムと未反応原料酸化アルミニウムの混合粉末の平均粒径は、試料をホモジナイザーにてピロリン酸ソーダ水溶液中に分散させ、日機装株式会社製 MICROTRAC HRAを用いてレーザー回折法により測定した。
酸化アルミニウム粉末、カーボン粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムと未反応原料酸化アルミニウムの混合粉末の比表面積は、島津製作所製流動式表面積自動測定装置フローソーブ2300形を用いてBET法により測定した。
窒化アルミニウム粉末中の全酸素含有量は、堀場製作所製セラミック中酸素窒素分析装置EMGA-620Wを用いて測定した。
窒化アルミニウム粉末中の炭素含有量は、堀場製作所製金属中炭素分析装置「EMIA-110」を使用して、粉末を酸素気流中で燃焼させ、発生したCO、CO2ガス量から定量した。
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m2/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m2/gのカーボンブラック100kgを、撹拌羽根を有した混合装置で0.5時間混合した。得られた混合物を連続式振動ボールミルにて2時間混合後、窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末140kgを得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量の測定を実施した。結果を表1に示す。
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m2/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m2/gのカーボンブラック100kgを、撹拌羽根を有した混合装置で0.5時間混合した。得られた混合物をバッチ式回転ボールミルにて2時間混合後、窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末140kgを得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量の測定を実施した。結果を表1に示す。
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m2/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m2/gのカーボンブラック100kgを、撹拌羽根を有した混合装置のみで2.5時間混合した。窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量の測定を実施した。結果を表1に示す。
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m2/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m2/gのカーボンブラック100kgを、連続式振動ボールミルのみで2.5時間混合した。窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末を得た。
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m2/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m2/gのカーボンブラック100kg、平均粒子径1.0μmをバッチ式振動ボールミルのみで2.5時間混合した。窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末を得た。
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m2/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m2/gのカーボンブラック100kgを、バッチ式回転ボールミルのみで2.5時間混合した。窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末140kgを得た。
Claims (2)
- 窒化アルミニウム粉末の製造であって、平均粒子径0.1~10μmの酸化アルミニウム粉末、カーボン粉末、を混合する混合工程と、得られた混合粉末を窒素雰囲気下で窒化する窒化工程とを含み、前記混合工程は、酸化アルミニウムとカーボン粉末との混合を乾式で撹拌羽根を有する混合装置を用いて撹拌混合する第一の混合工程と、上記第一の混合工程で得られた混合物を乾式で粉砕混合する第二の混合工程を含むことを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。
- 第二の混合工程が振動ボールミルにより行われる請求項1記載の窒化アルミニウム粉末の製造方法。
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