JP7257909B2 - 窒化アルミニウム粉末の製造方法 - Google Patents

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本発明は、窒化アルミニウム粉末の新規な製造方法を提供するものである。詳しくは、還元窒化法による窒化アルミニウム粉末の製造方法において、原料の酸化アルミニウム粉末とカーボン粉末との混合を乾式法により極めて均一に行うことを可能とし、効率よく、且つ、優れた品質を有する窒化アルミニウム粉末を製造することができる方法を提供するものである。
窒化アルミニウムは、電気絶縁性、熱伝導性、機械的強度、ハロゲンプラズマ耐性に優れているため、窒化アルミニウム粉末をフィラーとして樹脂に充填して得られる放熱シートや放熱グリース等、また、窒化アルミニウム粉末を焼結して得られる放熱基板、絶縁板、半導体製造装置用部材等に幅広く利用されている。これら焼結体は、窒化アルミニウム粉末に必要により、酸化イットリウムなどの焼結助剤を添加し、常圧あるいは加圧下で焼結することによって製造されている。
上記窒化アルミニウム粉末の製造方法として、酸化アルミニウムをカーボンの共存下、窒素により窒化する、いわゆる還元窒化法が知られている。還元窒化法において、原料の酸化アルミニウム粉末とカーボン粉末を混合した混合粉末を窒素雰囲気中で加熱することにより反応が行われる。かかる混合の際に酸化アルミニウム粉末とカーボン粉末が均一に分散せずに混合比率にばらつきがある場合、窒化アルミニウムの粗大粒子が発生したり、粉末の物性にばらつきが生じたりする。
そのため、一般的に、混合粉末を均一に分散させる方法として、前記原料粉末を有機溶剤に分散した状態でボールミルの如き粉砕混合機により混合する方法が望ましいとされている(特許文献1参照)。
ところが、上記湿式粉砕による原料粉末の混合は、有機溶剤を始め、必要により添加される分散剤等の有機物を使用することとなり、作業環境を確保するための除外設備を必要とし、設備が大型化し、また、有機物を除去するための工程が別途必要となるため、必ずしも工業的に有利な方法とは言えない。
特開平08-012307号公報
従って、本発明の目的は、還元窒化法による窒化アルミニウム粉末の製造方法において、原料の酸化アルミニウム粉末とカーボン粉末との混合を、前記湿式法によらず、乾式法により、湿式法と同等の均一な混合を行うことができ、これにより効率よく、且つ、優れた品質を有する窒化アルミニウム粉末を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、種々の検討を重ねた結果、酸化アルミニウム粉末とカーボン粉末との混合をマクロな混合を行う撹拌混合を行った後、粉砕作用を有するミクロな混合を行う粉砕混合を行うことにより、前記湿式混合に匹敵する極めて均一な混合を実施し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、窒化アルミニウム粉末の製造であって、平均粒子径0.1~10μmの酸化アルミニウム粉末、カーボン粉末、を混合する混合工程と、得られた混合粉末を窒素雰囲気下で窒化する窒化工程とを含み、前記混合工程は、酸化アルミニウムとカーボン粉末との混合を乾式で撹拌羽根を有する混合装置を用いて撹拌混合する第一の混合工程と、上記第一の混合工程で得られた混合物を乾式で粉砕混合する第二の混合工程を含むことを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法である。
本発明において、前記第一の混合工程が、撹拌羽根を有する混合装置により、第二の混合工程が振動ボールミルにより行われることが好ましい。
また、第一の混合工程がバッチで、第二の混合工程が連続で行われることが還元窒化の工程に安定して原料粉末を供給するために好ましい。
また、その際、第二の混合工程の処理量が第一の混合工程の処理量の1.5~2.5倍であることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、原料粉末である酸化アルミニウム粉末とカーボン粉末とを乾式法により高度に均一混合することができるため、有機溶媒を使用した湿式法による製造方法に較べ、設備面、工程面で有利に窒化アルミニウム粉末を製造することができる。また、原料粉末が均一混合されることにより、粗大粒子の少ない優れた品質の窒化アルミニウム粉末を生産性よく得ることができる。
従って、本発明で得られる窒化アルミニウム粉末を用いることにより、より均一な特性、即ち熱伝導率や電気抵抗、更には曲げ・引張強度の機械的強度、遮光性等が安定した焼結体を得ることが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。具体的には以下の通りである。
〔酸化アルミニウム粉末〕
窒化アルミニウム粉末の原料となる酸化アルミニウム粉末は、アルミナ又はその水和物が特に制限無く使用される。アルミナは、α、γ、θ、δ、η、κ、χ等の結晶構造を持つものや、ベーマイト、ダイアスポア、ギブサイト、バイヤライト、トーダイトなど加熱により脱水転移して最終的に全部又は一部がα-アルミナに転移するアルミナ水和物が全て利用可能である。
これらは単独、或いは種類の異なるものが混合された状態で用いても良いが、特に反応活性が高く、制御が容易なα-アルミナ、γ-アルミナ、ベーマイトが好適に用いられる。
酸化アルミニウム粉末の製造方法についても制限されず、ボーキサイトを出発原料とした、いわゆるバイヤー法によって製造されるアルミナ、アンモニウムミョウバンの熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩の熱分解法、アルミニウムアルコキシドの加水分解法など、合成により製造される高純度アルミナが使用できる。得られる窒化アルミニウム粉末の金属成分の濃度を厳密に制御する場合には、合成により製造される高純度アルミナを原料として用いた方が好適である。
本発明に使用する酸化アルミニウム粉末の比表面積や平均粒子径は何等制限されないが、BET比表面積は2~20m/g、平均粒子径は、0.1から10μmのものが好適に使用される。
〔カーボン粉末〕
本発明の窒化アルミニウム粉末の原料カーボン粉末は、カーボンブラック、黒鉛粉末が使用できる。具体的には、ファーネス法、チャンネル法のカーボンブラックおよび、アセチレンブラックが好適に用いられる。また、上記カーボン粉末のBET比表面積は特に制限されないが、0.01~500m/gのものが好適に使用される。
〔原料混合〕
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、酸化アルミニウム粉末とカーボン粉末の混合量は、公知の混合量が特に制限なく採用されるが、酸化アルミニウム粉末100質量部に対して40~60質量部程度が好ましい。
本発明は、上記原料の混合方法として、酸化アルミニウム粉末とカーボン粉末との混合を乾式で撹拌混合する第一の混合工程と、上記第一の混合工程で得られた混合物を乾式で破砕混合する第二の混合工程とを含むことを特徴とする。
即ち、前記第一の混合は撹拌混合を採用することにより、破砕混合を行う第二の混合工程と比較して弱い条件で混合され、カーボン粉末が殆ど解砕されずに比較的大きい粒子の状態で酸化アルミニウム混合されるため、両者が均一に分散した混合物とすることができる。そして、さらに第二の混合工程において、破砕混合を行うことにより、上記均一に分散されている酸化アルミニウム粒子との混合状態を維持した状態でカーボンが適度に解砕され、両者を均一且つミクロに分散した原料粉末を得ることができ、これを使用して還元窒化法を実施することにより、再現性良く、安定して均質な窒化アルミニウム粉末を得ることができる。
従って、第一の混合工程のみを実施した場合は、カーボン粉末の解砕が不十分となり、得られた窒化アルミニウム粉末中に粗大粒子が発生してしまう。また、第二の混合工程のみでは、カーボン粉末と酸化アルミニウム粉末が全体的に均一に分散されていないため、得られる窒化アルミニウム粉末の物性にばらつきが生じてしまい、かかる窒化アルミニウム粉末を用いて各種焼結体を製造した際に、物性の不均一なものとなってしまう。
尚、第二の混合工程のみをバッチ式で行い、且つ、多大な時間を掛けて粉砕混合すれば、カーボン粉末と酸化アルミニウム粉末とをある程度は均一に混合することは可能であるが、工業的に実施することは困難である。
本発明においては、前記第一の混合工程を採用することにより、後述するように、破砕混合を行う第二の混合工程として連続式の粉砕装置を採用して短時間で破砕混合することが可能となり、工業的に極めて有利な工程を提供することが可能となる。
(第一の混合工程)
本発明において、第一の混合工程では酸化アルミニウムとカーボン粉末とを、乾式で、且つ、カーボン粉末が実質的に粉砕されない程度での混合が可能な混合方式として撹拌混合が採用される。具体的には、公知のブレンダー、ミキサー等の装置による乾式の混合が好適であり、特に、撹拌羽根を有する混合装置を用いるのが望ましい。具体的には、内部の羽根が回転するパドルミキサー、リボンミキサー、混合攪拌機等の混合機、容器の胴部の羽根が回転する円筒形の撹拌型混合機等の混合機が好適に使用される。
上記撹拌羽根を有する混合装置について、混合容器や撹拌羽根の材質は、特に制限されないが、例えば、ステンレス等の材料が好適に使用される。また、混合槽の内側や撹拌羽根の表面は、耐摩耗処理、例えば、耐摩耗金属、具体的には、タングステンカーバイドによる溶射処理を行うことが望ましい。
撹拌羽根の回転速度は、一般的には10~1000rpm程度とすることが好ましい。また、第一の混合工程において、混合時間は、5~120分が適当である。さらに、混合装置への原料の充填は、混合を効率よく行うため、混合容器の容量に対して40~90容量%の充填量に調整することが好ましい。
本発明においては、第二の混合工程として、前記第一の混合工程で得られた混合物を乾式で破砕混合することを特徴とする。即ち、第二の混合工程は、酸化アルミニウムとカーボン粉末とよりなる原料混合物のカーボンを積極的に破砕する混合方式を採用することが必要である。
上記粉砕混合機としては、公知の乾式粉砕機が特に制限なく使用されるが、ボールミルを用いた乾式混合が最も好適である。この際使用する容器の内張り、ボール等は高純度アルミナ質、ジルコニア質、窒化アルミニウム質あるいはプラスチック質などが用いられるが、金属不純物の混入を極力防止するため、プラスチック質が好ましい。
また、ボールミルの中でも、振動加速度が大きく、より粉砕力が大きく、効率的に粉砕混合を行うために振動ボールミルが好ましく、更に、連続的に粉砕混合を行うことができる連続式振動ボールミルが好適である。
前記ボールミルについて更に説明すれば、ボールの直径は5~50mmのものを単独、或いは2種類以上選択すれば良い。また、ボールの充填量は、ミルの容器の容量の20~90%程度とすることが好ましい。また、振動ボールミルに関して、振動条件としては、振動周波数1~100Hz、片振幅幅1~50mm、振動加速度1~15Gとすることが好ましい。
前記破砕混合の時間(連続式に関しては、滞在時間)は、粉砕混合機の種類により多少異なるが、一般に、10~30分が適当である。
本発明の前記混合工程において、第二の混合工程で粉砕混合された後の原料粉末をサイロ等の貯槽に一時的に貯蔵した場合は、貯蔵量によって粉体の嵩密度が変動する。嵩密度が変動すると後述する後工程の還元窒化工時の反応ガスの流速が変動するため、物性のバラつきが懸念される。そのため、第二の混合工程で混合後の原料粉末は、連続で後工程の還元窒化工程に供給することが好ましい。貯蔵する場合も常時貯蔵量を一定に保つ必要があるため、第二の混合工程および還元窒化工程は連続で運転することが望ましい。
具体的には、酸化アルミニウムとカーボン粉末の混合のうち、第一の混合工程は、バッチ式の撹拌混合装置、例えばパドルミキサーで実施し、得られた混合粉末は一時的に貯槽に貯め、第二の混合工程は、連続式の粉砕混合装置、例えば、連続式振動ボールミルを使用し、得られる原料粉末を次工程に連続的に供給する態様が推奨される。
この場合、第一の混合工程の処理能力は、混合装置への原料粉末の供給排出などのバッチ操作に要する時間をカバーし得るよう、第二の混合工程における処理能力を上回るように適宜設定することが必要である。
本発明でいう酸化アルミニウム粉末とカーボン粉末の混合比率(C/A)は、混合工程後の混合粉末中のカーボン粉末重量を混合粉末中の酸化アルミニウム粉末重量で除した値で定義される。カーボン粉末の重量は混合粉末を600℃~750℃で脱炭処理し、元の混合粉末重量と脱炭後の粉末重量の差により得られる。脱炭後の粉末重量が酸化アルミニウム粉末重量である。得られた混合粉末から任意に10点採取したもののC/Aで混合比率のばらつきを評価する。混合比率のばらつきは下記式にあてはめた際に、その絶対値が最も大きい値である。
(測定値と平均値との差/平均値)×100
また平均値は10サンプルの相加平均である。
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、前記原料の混合工程以外の工程は、従来公知の還元窒化法による窒化アルミニウムの製造方法の条件が特に制限なく採用される。具体的には、原料粉末を窒素気流下で加熱して還元窒化反応を行い、次いで、得られたカーボンを含む窒化アルミニウム粉末を酸化性雰囲気中で加熱して、残存するカーボンを除去し、必要に応じて得られた窒化アルミニウム粉末を粉砕することによって、窒化アルミニウム粉末を得ることができる。以下、これらの工程を詳細に説明する。
(還元窒化工程)
上記方法で得られた原料混合粉末は、窒素気流下、焼成炉によって1300~1800℃、好ましくは1500~1700℃の温度で通常1~20時間焼成することにより窒化アルミニウム粉末に転化される。
焼成温度は上記の下限温度より低い温度では窒化反応が十分進行せず、また、焼成温度が前記の上限温度を越える高い温度では窒化反応は十分進行するが、窒化アルミニウム粉末の凝集が著しくなる。
前記焼成の際には焼成炉の炉材や焼成ボートなどの材質について不純物の原因とならないように配慮するのが好ましい。また焼成の雰囲気は窒素を含む雰囲気、通常は高純度の窒素ガスかあるいはそれにアンモニアガスなどを加えたガスが好適であり、通常これらの反応ガスを窒化反応が十分進行するだけの量、連続的又は間欠的に供給しつつ焼成すると良い。
上記窒素ガスとしては、工業用の高純度窒素ガスを用いることができるが、好ましくは、純度99.999体積%以上、露点-70℃以下、酸素濃度5ppm以下のものが好適である。
また、前記還元窒化反応において、還元窒化のための反応温度への昇温速度は、いかなる速度でもよいが、一般には、5~20℃/分が好ましい。
本発明において、前記還元窒化を行う方法としては、酸化アルミニウム粉末、カーボン粉末を含む原料混合粉末中に、窒素が十分に拡散するような方法であればいずれの方法でも良く、例えば、上記混合粉末をグラファイト製のケース等に充填し窒素を流通させる方法、ロータリーキルンを用いる方法、流動層を用いる方法が挙げられる。これらのうち、グラファイト製のケース等に充填し窒素を流通させる方法が好適である。
また、前記還元窒化温度にて還元窒化を行なう時間は、酸化アルミニウム粉末の窒化が完了するまでの時間を適宜決定すればよい。一般に、かかる時間は、2時間以上であり、好ましくは、5~10時間である。
(脱炭処理)
本発明において、上記方法で還元窒化して得られた窒化アルミニウム粉末は余剰のカーボン粉末を含んでいるため、脱炭素処理を行うのが好ましい。脱炭素処理を行う際の酸化性ガスとしては、空気、酸素など炭素を除去できるガスならば何等制限無く採用できるが、経済性や得られる窒化アルミニウムの酸素濃度を考慮して、空気が好適である。また、処理温度は一般的に500~900℃がよく、脱炭素の効率と窒化アルミニウム表面の過剰酸化を考慮して、600~750℃が好適である。
(粉末物性)
本発明の製造方法で製造する窒化アルミニウム粉末は、フィラーや焼結体用途への適用を考慮した場合、平均粒子径(D50)0.5~10μm、BET比表面積0.5~5.0m/g、酸素濃度0.6~1.0質量%、炭素濃度100~700ppmでなるように製造条件を決定すると良い。これらを制御する条件は、公知の条件をそのまま適用すればよい。
尚、本発明の窒化アルミニウム粉末の、平均粒子径(D50)は、レーザー回折/散乱法により測定した粒度分布における累積体積が50%のときの粒子径を、平均粒子径(D90)は累積体積が90%のときの粒子径をいう。
(用途)
本発明の方法により得られた窒化アルミニウム粉末は焼結体やフィラー用途等の各種用途に好適に使用できる。焼結体原料と使用される場合、テープ成形、プレス成形などの公知の方法により成形され、常圧もしくは加圧下で焼結される。具体的な用途としては、LED、パワーモジュール等の放熱基板、半導体製造装置用のヒーター、静電チャック等の用途が挙げられる。
以下、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例における各種物性および関連する数値は、下記の方法により測定した。
(1)体積基準での50%粒径(D50)
酸化アルミニウム粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムと未反応原料酸化アルミニウムの混合粉末の平均粒径は、試料をホモジナイザーにてピロリン酸ソーダ水溶液中に分散させ、日機装株式会社製 MICROTRAC HRAを用いてレーザー回折法により測定した。
(2)体積基準での90%粒径(D90)
酸化アルミニウム粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムと未反応原料酸化アルミニウムの混合粉末の平均粒径は、試料をホモジナイザーにてピロリン酸ソーダ水溶液中に分散させ、日機装株式会社製 MICROTRAC HRAを用いてレーザー回折法により測定した。
(3)比表面積
酸化アルミニウム粉末、カーボン粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化アルミニウムと未反応原料酸化アルミニウムの混合粉末の比表面積は、島津製作所製流動式表面積自動測定装置フローソーブ2300形を用いてBET法により測定した。
(4)酸素含有量
窒化アルミニウム粉末中の全酸素含有量は、堀場製作所製セラミック中酸素窒素分析装置EMGA-620Wを用いて測定した。
(5)炭素含有量
窒化アルミニウム粉末中の炭素含有量は、堀場製作所製金属中炭素分析装置「EMIA-110」を使用して、粉末を酸素気流中で燃焼させ、発生したCO、COガス量から定量した。
実施例1
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m/gのカーボンブラック100kgを、撹拌羽根を有した混合装置で0.5時間混合した。得られた混合物を連続式振動ボールミルにて2時間混合後、窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末140kgを得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量の測定を実施した。結果を表1に示す。
実施例2
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m/gのカーボンブラック100kgを、撹拌羽根を有した混合装置で0.5時間混合した。得られた混合物をバッチ式回転ボールミルにて2時間混合後、窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末140kgを得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量の測定を実施した。結果を表1に示す。
比較例1
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m/gのカーボンブラック100kgを、撹拌羽根を有した混合装置のみで2.5時間混合した。窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量の測定を実施した。結果を表1に示す。
比較例2
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m/gのカーボンブラック100kgを、連続式振動ボールミルのみで2.5時間混合した。窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量の測定を実施した。結果を表1に示す。
比較例3
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m/gのカーボンブラック100kg、平均粒子径1.0μmをバッチ式振動ボールミルのみで2.5時間混合した。窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量の測定を実施した。結果を表1に示す。
比較例4
平均粒径0.8μm、比表面積5.0m/gであるα-アルミナ200kgと、比表面積110m/gのカーボンブラック100kgを、バッチ式回転ボールミルのみで2.5時間混合した。窒素雰囲気下において、焼成温度1600℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において、700℃で12時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末140kgを得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の比表面積、平均粒子径、酸素含有量、炭素含有量の測定を実施した。結果を表1に示す。
Figure 0007257909000001

Claims (2)

  1. 窒化アルミニウム粉末の製造であって、平均粒子径0.1~10μmの酸化アルミニウム粉末、カーボン粉末、を混合する混合工程と、得られた混合粉末を窒素雰囲気下で窒化する窒化工程とを含み、前記混合工程は、酸化アルミニウムとカーボン粉末との混合を乾式で撹拌羽根を有する混合装置を用いて撹拌混合する第一の混合工程と、上記第一の混合工程で得られた混合物を乾式で粉砕混合する第二の混合工程を含むことを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。
  2. 二の混合工程が振動ボールミルにより行われる請求項1記載の窒化アルミニウム粉末の製造方法。
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