JP2016037438A - 窒化アルミニウム系粒子及びその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム系粒子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高熱伝導性及び充填性に優れ、且つフィラーとして樹脂等に充填させた際、得られる窒化アルミニウム含有放熱材料の絶縁耐圧が低下しない、高熱伝導フィラーとして有用な球状窒化アルミニウム系粒子を比較的安価に、且つ、簡便に提供する。
【解決手段】平均粒径が10〜200μm、粒子の真球度が0.80以上である球状窒化アルミニウム系粒子であって、酸窒化アルミニウムを含むコアと、前記コアの表面に形成された厚さ2μm以上の窒化アルミニウムからなる表面層と、からなり、粒子中の窒化アルミニウム含有率が、75〜99質量%、相対密度が85%以上であることを特徴とする球状窒化アルミニウム系粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、窒化アルミニウム系粒子及びその製造方法に関するものである。詳しくは、高熱伝導性及び樹脂等への充填性に優れ、平均粒径が10〜200μmであり、放熱性の樹脂やグリース、接着剤、塗料等の放熱材料用の高熱伝導フィラーとして有用な球状窒化アルミニウム系粒子とその製造方法を提供するものである。
窒化アルミニウムは高い熱伝導性と優れた電気絶縁性を有し、高熱伝導性基板、放熱部品、絶縁放熱用フィラーなどとして利用されている。近年、ノートパソコンや情報端末などに代表される高性能電子機器に搭載されるICやCPUなどの半導体電子部品はますます小型化や高集積化が進み、これに伴って放熱部材も小型化が必須となってきている。これらに用いられる放熱部材としては、例えば樹脂やゴムなどのマトリックスに高熱伝導フィラーを充填させた放熱シートやフィルム状スペーサー(特許文献1)、シリコーンオイルに高熱伝導フィラーを充填させて流動性を持たせた放熱グリース(特許文献2)、エポキシ樹脂に高熱伝導フィラーを充填させた放熱性接着剤(特許文献3)等が挙げられる。また、高熱伝導フィラーとしては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、酸化マグネシウム、シリカ、グラファイト、各種金属粉末等が用いられる。以下、窒化アルミニウムを含む粒子を高熱伝導フィラーとして用い、これを樹脂、ゴム、シリコーンオイル等のマトリックスに充填させたシート、スペーサー、グリース、接着剤等を窒化アルミニウムフィラー含有放熱材料と称する。
ところで、放熱材料の熱伝導率を向上させるためには、高熱伝導フィラーを高充填することが重要であり、そのため球状の数μm〜数十μmの窒化アルミニウム粒子が望まれている。しかし、一般的な方法で製造された窒化アルミニウム粒子はサブミクロンオーダーの粒子が多く、数十μm程度の大粒径の窒化アルミニウム粒子が得られたとしても、角張った形状のものがほとんどである。
大粒径の球状窒化アルミニウム粒子を作製する方法としては、次のような方法が開示されている。例えば、特許文献4には球状アルミナ粒子の還元窒化によって球状窒化アルミニウム粒子を製造する方法、特許文献5、6、7には同じく球状アルミナ粒子の還元窒化をマイクロ波加熱により実施する方法、また、特許文献8には窒化アルミニウム粉末に焼結助剤、結合剤及び溶剤を加えて噴霧乾燥し、得られた球状造粒粉を焼結する方法が開示されている。さらに、窒化アルミニウム粒子を、アルカリ土類元素、希土類元素の酸化物又は窒化物、加熱中の分解により上記のものを生じる塩、水酸化物、ハロゲン化物、アルコキシド等の前駆体よりなるフラックス中で熱処理、或いはフラックス成分を予め加えて合成された窒化アルミニウム系の組成物を直接熱処理することにより球状化させた後、フラックスを溶解して単離する方法も提案されている(非特許文献1)。
しかし、発明者らが検討したところ、特許文献4の方法は窒化アルミニウ含有量の上昇に伴って、粒子内に空洞が生じ、真球状のものが得られ難い。かかる空洞が生じた窒化アルミニウム系粒子をフィラーとして樹脂等に充填させると、得られる窒化アルミニウム系フィラー含有放熱材料の絶縁耐圧が低下してしまう問題が生じる。また、粒子内に空洞が生じると、粒子の圧壊強度が小さくなるため、樹脂に充填した際に粒子が崩壊し、樹脂が泡立ち易く混練が困難になるという問題がある。また、特許文献4の方法で球状アルミナ粒子の還元窒化した場合、アルミナの窒化アルミニウムへの転化は球状アルミナ粒子の表面近傍のみで進行するため、粒径の大きい球状アルミナ粒子を原料とする場合には窒化アルミニウム含有量を高めることが困難である。特許文献5、6、7の方法は特許文献4と同様に球状アルミナを還元窒化する製法であるが、加熱にマイクロ波を用いることにより、窒化アルミニウムへの転化が進行し易くなり、粒子表面に比較的厚みのある窒化アルミニウム層ができるとされている。しかし、十分な厚みの窒化アルミニウム層を得るためにマイクロ波の出力及び照射時間を増大させると、特許文献4と同様に粒子内に空洞が生じる問題があり、十分な量の窒化アルミニウムを含有し、かつ粒子内の空洞が少ない粒子を得ることは出来なかった。
一方、特許文献8に記載の方法は、窒化アルミニウムに焼結助剤を添加した球状造粒体を焼結するため、空洞が無く、圧壊強度が高い粒子を得ることができる。しかし、原料として窒化アルミニウム粉末を使用することより、原料が高価となるばかりでなく、焼結により粒子同士が結合しやすいという問題がある。また、非特許文献1に記載の方法は、原料が高価であると共に、工程が複雑であり、工業的な実施において不利である。
さらに、本発明者らは、従来からの課題であった充填性を向上させるため、大粒径のアルミナ顆粒を原料として還元窒化を行う製法を試みた(特許文献9)。本製法により、得られる窒化アルミニウム顆粒の開気孔を低減させ、充填性を向上させることが可能となったが、粒子内の空洞を低減させることには改善の余地があった。
特開2005−146214号公報 特開平6−209057号公報 特開平6−17024号公報 特開平4−74705号公報 特開2011−219309号公報 特開2012−041253号公報 特開2012−041255号公報 特開平3−295853号公報 特開2013−87042号公報
大橋優喜、瀬高潮,球状窒化アルミニウムフィラーの開発,セラミックス,39,2004年9月,692−695頁
従って、本発明の目的は、高熱伝導性及び充填性に優れ、且つフィラーとして樹脂等に充填させた際、得られる窒化アルミニウム含有放熱材料の絶縁耐圧が低下しない、高熱伝導フィラーとして有用な球状窒化アルミニウム系粒子を比較的安価に、且つ、簡便に提供することにある。
本発明者らは、球状窒化アルミニウム系粒子における前記目的を達成すべく、鋭意研究を行った。その結果、酸窒化アルミニウムを含むコアと、前記コアの表面に形成された窒化アルミニウムからなる表面層とからなり、相対密度が85%以上である球状窒化アルミニウム系粒子が上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は平均粒径が10〜200μm、粒子の真球度が0.80以上である球状窒化アルミニウム系粒子であって、酸窒化アルミニウムを含むコアと、前記コアの表面に形成された厚さ2μm以上の窒化アルミニウムからなる表面層と、からなり、粒子中の窒化アルミニウム含有率が、75〜99質量%、相対密度が85%以上であることを特徴とする球状窒化アルミニウム系粒子である。
前記球状窒化アルミニウム系粒子において、前記窒化アルミニウムからなる表面層における窒化アルミニウムの結晶粒子径は1μm以上であることが好適である。
また、前記球状窒化アルミニウム系粒子において、BET比表面積が0.05〜0.50m/gであることが好適である。
更に、本発明の窒化アルミニウム系粒子は、高熱伝導フィラーとして有用である。
また、本発明者らは、多孔質のアルミナ顆粒またはアルミナ水和物顆粒(本願明細書において、これらを「多孔質アルミナ顆粒」と総称する。)とカーボン粉末の混合粉末を特定の反応ガス組成に制御しながら、1450℃以上の高温で焼成することにより、窒化アルミニウムへ転化前の酸化アルミニウム及び/又は酸窒化アルミニウムを焼結助剤として利用でき、内部に空孔を有さない緻密な窒化アルミニウム系粒子を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、多孔質アルミナ顆粒を窒化アルミニウム含有量が50〜90質量%に至るまで、1450℃〜1900℃の温度で焼成して還元窒化する焼成工程Iと、上記焼成工程Iにおいて得られた粒子を、焼成工程Iよりも還元性ガスの濃度が高い雰囲気下で、窒化アルミニウム含有量が75〜99質量%に至るまで、1580℃〜1900℃の温度で焼成する焼成工程IIにより得られる球状窒化アルミニウム系粒子の製造方法である。
本発明によれば、熱伝導性及び充填性に優れた高熱伝導フィラーとして有用な球状窒化アルミニウム系粒子を得ることができる。また、例えば、大粒径のアルミナ顆粒を原料として還元窒化を行う等の従来の製法によれば、得られた球状窒化アルミニウム系粒子内に空隙が若干量含まれていたが、本発明の球状窒化アルミニウム系粒子は、酸化アルミニウム及び/又は酸窒化アルミニウムを焼結促進剤として使用することで焼結性が向上するため、内部空隙を減少させることが可能である。そのため、高熱伝導フィラーとして樹脂等に充填した場合に、より高い絶縁耐圧の窒化アルミニウム系フィラー含有放熱材料を得ることができる。
また、本発明の製造方法によれば、多孔質アルミナ顆粒を原料として、還元窒化と焼結を行うため、窒化アルミニウム粉末を原料とする従来の方法に対して、比較的安価に窒化アルミニウム系粒子を得ることができる。
しかも、後で詳細に説明するように、前記還元窒化及び焼結を特定量のカーボン粉末を混合した状態で実施した場合には、粒子同士の結合を防止することが出来、安定して目的とする窒化アルミニウム系粒子を得ることが可能である。
実施例1において得られた球状窒化アルミニウム系粒子の形状を示す走査電子顕微鏡写真を示す。 実施例1において得られた球状窒化アルミニウム系粒子の表面形態を示す走査電子顕微鏡写真を示す。 実施例1において得られた球状窒化アルミニウム系粒子を充填して作製した窒化アルミニウム含有放熱材料の断面を観察した走査電子顕微鏡写真を示す。 比較例1において得られた球状窒化アルミニウム系粒子を充填して作製した窒化アルミニウム含有放熱材料の断面を観察した走査電子顕微鏡写真を示す。
以下、本発明の窒化アルミニウム系粒子について詳細に説明する。
[窒化アルミニウム系粒子]
本発明の球状窒化アルミニウム系粒子は、平均粒径が10〜200μmで、粒子の真球度が0.80以上である球状窒化アルミニウム系粒子であって、酸窒化アルミニウムを含むコアと、前記コアの表面に形成された厚さ2μm以上の窒化アルミニウムからなる表面層とからなり、粒子中の窒化アルミニウム含有率が75〜99質量%、相対密度が85%以上であることを特徴とする。
上記したように、本発明の球状窒化アルミニウム系粒子は、窒化アルミニウムからなる表面層を有するため、高熱伝導フィラーとして用い、樹脂、ゴム、シリコーンオイル等のマトリックスに充填させた場合、窒化アルミニウムからなる表面層が高熱伝導のパスを形成し、得られる窒化アルミニウムフィラー含有放熱材料は十分な熱伝導率となる。
上記窒化アルミニウムからなる表面層の厚さは、2μm以上であって、3μm以上であることが好ましく、4μm以上であることが特に好ましい。窒化アルミニウムからなる表面層の厚みが2μmより薄い場合、高熱伝導フィラーとして樹脂等に充填した場合に、得られる窒化アルミニウムフィラー含有放熱材料が十分な熱伝導率とならず好ましくない。
粒子内の窒化アルミニウム含有率は、75〜99質量%であって、80〜99質量%であることが好ましく、85〜99質量%であることがより好ましい。窒化アルミニウム含有率が75質量%より低いと、十分な熱伝導率が得ることができない。窒化アルミニウム含有率が99質量%より高いと、緻密なものが得られにくい。
本発明の窒化アルミニウム系粒子の平均粒径は、10〜200μmであり、15〜150μmであることが好ましく、20〜100μmであることが特に好ましい。平均粒径が上記範囲内の窒化アルミニウム系粒子は、樹脂等のマトリックスに高充填し易く、他のフィラーとも併用が容易である。
本発明の窒化アルミニウム系粒子のBET比表面積は0.05〜0.50m/gであることが好ましく、0.08〜0.40m/gであることがより好ましく、0.10〜0.35m/gであることが特に好ましい。比表面積が0.50m/g以下である窒化アルミニウム系粒子は、樹脂等のマトリックスと混練する際に流動性に優れ、マトリックスに対しフィラーを高充填することができる。また、比表面積が0.05m/g以上である窒化アルミニウム系粒子は、樹脂等のマトリックスに充填した際に粒子同士の接点が多くなり、得られる窒化アルミニウムフィラー含有放熱材料に高熱伝導率を付与することができる。
本発明の窒化アルミニウム系粒子の相対密度は85%以上である。相対密度が85%より小さい場合、高熱伝導フィラーとして樹脂等に充填した際に得られる窒化アルミニウムフィラー含有放熱材料における絶縁耐圧が十分な値とならず好ましくない。より高い絶縁耐圧を得るために、窒化アルミニウム系粒子の相対密度は87%以上であることが好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
本発明の窒化アルミニウム系粒子の真球度は0.80以上であって、特に、0.85以上、さらには0.90以上が好ましい。ここで、真球度は粒子の短径/粒子の長径により求められ、1に近づくほど真球に近くなり、流動性が向上する。また真球に近づくことで最密充填モデルに従って、樹脂やグリースに高充填し易くなる。
従来のように、粒径10〜200μmの窒化アルミニウム粒子を得るために、同程度の粒径を有するアルミナ粒子を還元窒化した場合、窒化アルミニウム含有量の上昇に伴って他の粒子との結合や変形が生じ、真球度が低下する傾向がある。本発明の窒化アルミニウム系粒子は、原料の多孔質アルミナ顆粒を球状に成形することにより、窒化アルミニウム含有量99%の場合においても高い真球度を維持することができる。
上記窒化アルミニウムからなる表面層における窒化アルミニウムの結晶粒子径は1μm以上であることが好ましい。表面層における窒化アルミニウムの結晶粒子径を1μm以上とすることで、粒界量が低減し、結晶粒子間の界面熱抵抗が小さくなるため、窒化アルミニウム系粒子の熱伝導率が向上する。
本発明の窒化アルミニウム系粒子の圧壊強度は100MPa以上が好ましく、特に、130MPa以上、さらには150MPa以上が好ましい。圧壊強度を上記範囲のように十分に大きくした場合、窒化アルミニウム系粒子を樹脂等のマトリックスと混練する際に強いせん断を加えても、窒化アルミニウム系粒子が破壊されず、良好な流動性を保つことができる。
本発明の窒化アルミニウム系粒子は窒化アルミニウム及び酸窒化アルミニウムを含むが、熱伝導率、絶縁耐圧を損なわない範囲であれば、焼結助剤等の第三成分を含んでも良い。第三成分としては、具体的には、アルカリ土類金属化合物、希土類元素化合物、アルカリ土類元素の弗化物、アルカリ土類元素を含む複合化合物等を含むことができる。第三成分の量は、本発明の効果を阻害しない程度であれば制限されないが、10質量%以下であることが好ましい。
[窒化アルミニウム系粒子の製造方法]
以下、本発明の窒化アルミニウム系粒子の製造方法について詳細に説明する。
〔出発原料〕
本発明の窒化アルミニウム系粒子の製造方法において、出発原料としては、多孔質アルミナ顆粒が使用される。具体的には、多孔質のアルミナ顆粒またはアルミナ水和物顆粒が挙げられる。更に具体的には、α、γ、θ、δ、η、κ、χ等の結晶構造を持つアルミナやベーマイトやダイアスポア、ギブサイト、バイヤライト、トーダイトなど加熱により脱水転移して最終的にα−アルミナに転移する材質が全て利用可能である。以下、多孔質のアルミナ顆粒またはアルミナ水和物顆粒を「多孔質アルミナ顆粒」と総称する。多孔質アルミナ顆粒は、上記材質の単独或いは種類の異なるものが混合された状態で用いてもよいが、特に反応性が高く、制御が容易なα−アルミナ、γ−アルミナ、ベーマイトが好適に用いられる。
多孔質アルミナ顆粒の原料アルミナ粉末及びアルミナ水和物粉末(以下、これらを「アルミナ粉末」と総称する。)の粒径は3μm以下が好ましい。上記粒径が3μm以上であると、後述する焼成工程の還元窒化反応、焼結反応が進みにくくなる。
本発明において、多孔質アルミナ顆粒は、多孔質の構造を有するものであれば、BET比表面積は特に制限されるものではないが、2〜250m/gの比表面積を有するものが好ましい。上記比表面積が2m/g以上であると、顆粒の形状が崩れにくく、250m/g以下であると得られる窒化アルミニウム系粒子の真球度が高くなる傾向がある。また、多孔質アルミナ顆粒は、平均粒径が好ましくは10〜200μmであり、さらに好ましくは15〜150μmであり、特に好ましくは20〜100μmである。上記平均粒径が10μm以上であると、フィラーを高充填することができ、200μm以下であると、顆粒内部まで還元窒化反応が進行し、顆粒内部に残存する未反応の酸化アルミニウムが少なくなる傾向にあり、粒子の中空化が起こりにくい。
上記多孔質アルミナ顆粒は、アルミナ粉末を造粒により凝集させた凝集体の形態が一般的であり、公知の造粒方法によって得ることができる。具体的には、アルミナ粉末を水や有機溶媒に分散させたスラリーをスプレードライヤー等で乾燥する噴霧乾燥造粒、転動造粒などが挙げられるが、多孔質体を得るためには、噴霧乾燥による造粒が好適である。また、造粒に際し、必要に応じて、分散剤やバインダ樹脂、滑剤、或いは還元窒化反応の促進剤、焼結助剤としてアルカリ土類金属化合物、希土類元素化合物、アルカリ土類元素の弗化物、アルカリ土類元素を含む複合化合物等をアルミナ粉末と混合して配合することが出来る。これらの添加剤の使用量は、公知の添加範囲で適宜決定すればよい。
本発明においては、上記多孔質アルミナ顆粒を構成するアルミナ粒子間に存在する空隙により、これを原料として使用した還元窒化において、多孔質アルミナ顆粒の代わりに溶射法によって得られる無孔質のアルミナ粒子を原料として使用する場合に比べ、得られる窒化アルミニウム系粒子の内部に空洞を生じることがないという効果を発揮することが出来る。
〔焼成工程I〕
本発明において、焼成工程Iは、多孔質アルミナ顆粒を1450℃〜1900℃の温度で焼成し、窒化アルミニウム含有量が50〜90質量%となるまで窒化させた粒子を得る工程である。
焼成工程Iで窒化アルミニウム含有率を50質量%以上とすることで、最終的に得られる球状窒化アルミニウム系粒子の窒化アルミニウム含有率を高くすることができ、十分な高さの熱伝導率を得ることができる。また、焼成工程Iでは窒化アルミニウム含有率を90質量%以下とし、粒子内部にアルミナ及び/又は酸窒化アルミニウムを残存させる。粒子内部に残存したアルミナ及び/又は酸窒化アルミニウムは、焼成工程IIにおいて、焼結助剤の役割を果たすため、焼結反応が進みやすくなり、最終的に得られる球状窒化アルミニウム系粒子の空隙を低減することができ、相対密度を向上させることができる。
焼成工程Iにおいて、窒化アルミニウム含有量を50〜90質量%とするためには、焼成雰囲気を制御して、還元窒化反応速度を制御することが好ましい。
焼成工程Iにおいて、焼成雰囲気の制御は、窒素ガスの供給量、還元性ガスの種類・供給量、還元剤の種類・供給量を調整することによって行うことができる。
ガスの供給量調整により焼成雰囲気の調整を行う場合は、窒素ガスと還元性ガス、双方の供給量を調整することにより行うことも可能であるし、窒素ガスと還元性ガスどちらか一方の供給量を増減することによって行うことも可能である。
還元性ガスには、還元性を示すガスであれば制限なく使用できる。具体的には、水素、一酸化炭素、アンモニア、炭化水素系ガスなどが挙げられる。還元性のガスを使用する場合は、後述の反応において、理論量以上のガスを多孔質アルミナ顆粒と接触させる方法が一般的である。
また、還元剤を用いた焼成は、多孔質アルミナ顆粒を窒素流通下、カーボン等の還元剤の存在下で焼成することにより行われる。還元剤は公知のものが特に制限なく用いられるが、カーボンや還元性のガスが一般的に用いられる。該カーボンとしては、カーボンブラック、黒鉛および、高温、反応ガス雰囲気中においてカーボン源となり得るカーボン前駆体が何ら制限なく使用できる。そのうち、カーボンブラックが質量当たりの炭素量、物性の安定性から好適である。前記カーボンの粒径は任意であるが、0.01〜20μmのものを用いるのが好ましい。また、原料の飛散防止に流動パラフィンなど液状のカーボン源を併用してもよい。
本発明において、還元剤としてカーボンを用いる場合、多孔質アルミナ顆粒とカーボンを混合し、多孔質アルミナ顆粒間にカーボンが存在する状態で使用することが、還元窒化おいて粒子同士の凝集を防止する上で好ましい。
また、上記混合方法としては、多孔質アルミナ顆粒とカーボンとを均一に混合可能な方法であればいずれの方法でもよいが、通常混合手段はブレンダー、ミキサー、ボールミルによる混合が好適である。
本発明において、多孔質アルミナ顆粒とカーボンとの比率は、当量比以上ならば如何なる配合比で配合させてもよいが、前記粒子同士の凝集を防止し、また、反応性を高めるために、多孔質アルミナ顆粒に対し、カーボンを炭素換算で、当量の1〜3倍、好ましくは1.2〜2倍配合させるのがよい。
焼成工程Iでは焼成雰囲気を窒素85〜100体積%、一酸化炭素0〜15体積%の雰囲気下にて焼成することで還元窒化反応速度を制御することが好ましい。窒素85体積%未満では還元窒化反応速度が遅くなり、十分な窒化アルミニウム含有量に至らない段階で粒子表面が焼結して気孔が閉気孔となり、粒子内に空隙が残ってしまう。粒子内に空隙が残った粒子をさらに焼成すると、内部のアルミナが粒子表面まで物質移動して窒化するため粒子中に大きな空隙が残ってしまう。
焼成雰囲気の窒素濃度及び一酸化濃度の調整は、雰囲気ガスを赤外線吸収法により成分分析し、前記範囲となるように窒素ガスの供給量、還元性ガスの種類・供給量、還元剤の種類・供給量を調整することによって行うことができる。窒素ガスの供給量、還元性ガスの種類・供給量、還元剤の種類・供給量の調整による雰囲気制御の方法は上記した通りである。
本発明において、上記雰囲気ガスの成分分析は、焼成炉の排ガスの成分を分析することによって行うことができる。
上記焼成工程Iは、1450℃〜1900℃の温度で行われる。即ち、上記焼成温度が1450℃未満では窒化反応が十分進行せず、また、1900℃を超える場合は、炭素が窒化アルミニウムに固溶し、熱伝導率が低下するという問題が生じる。
本発明の焼成工程Iにおいて、焼成時間は採用する条件により異なり一概に決定することは出来ないが、0.5〜4時間が好ましく、特に好ましくは、1〜3時間である。
焼成工程Iでは、原料の多孔質アルミナ顆粒が有する気孔をガスが十分に拡散しながら還元窒化反応が進行する。多孔質アルミナ顆粒を窒化アルミニウム含有量が50〜90質量%となるまで窒化させた粒子は窒化アルミニウムと、酸窒化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムを含むが、粒子全体でほぼ均一に還元窒化反応が進行するため、各成分は粒子内にほぼ均一に分布した状態となり、本発明で得られるコアシェル構造はまだ形成されていない段階である。
焼成工程Iの焼成温度、雰囲気、時間は、焼成工程Iで焼成後の球状窒化アルミニウム系粒子の窒化アルミニウム含有量が50〜90質量%となるように適宜調整を行う。
上記焼成反応は、公知の反応装置によって行うことが可能である。具体的には、マッフル炉等の静置式反応装置、流動床等の流動式反応装置、ロータリーキルン等の回転式反応装置が挙げられる。
〔焼成工程II〕
本発明において、焼成工程IIは、上記焼成工程Iにおいて得られた粒子を、焼成工程Iよりも還元性ガスの濃度が高い雰囲気下で、1580℃〜1900℃の温度で焼成し、窒化アルミニウム含有量が75〜99質量%となるまで窒化させる工程である。
焼成工程IIは、焼成雰囲気を、焼成工程Iよりも還元性ガスの濃度が高い雰囲気とし、焼成工程Iに比べ窒素比率が小さく、還元窒化反応が起こりにくい雰囲気下で焼成する工程である。上記雰囲気で焼成すると、前記焼成工程Iで得られた粒子内部にアルミナ及び/又は酸窒化アルミニウムを長期間残存させた状態で焼結せしめることにより、内部に空隙が少なく相対密度の高い緻密な窒化アルミニウム系粒子を得ることができる。
焼成工程IIにおいても、焼成工程Iと同様、焼成雰囲気の制御は、窒素ガスの供給量、還元性ガスの種類・供給量、還元剤の種類・供給量を調整することによって行うことができる。
還元剤を用いて雰囲気を調整する場合、還元雰囲気の形成は、前工程の焼成工程Iで使用した還元剤をそのまま存在させればよいが、新たに供給してもよい。特に、還元剤として使用したカーボン粉末を存在させて焼成を行うことは、焼結時に起こり易い粒子同士の焼結を効果的に防止することができ好ましい。
焼成工程IIでは、焼成雰囲気を窒素40〜80体積%、一酸化炭素20〜60体積%とすることが好ましい。窒素40体積%以上とすることで、得られる窒化アルミニウム系粒子を、十分な窒化アルミニウム含有率とすることができる。また、窒素濃度を80体積%以下として窒化速度を一定以下に抑制することで、粒子内部の焼結を十分に進行させ、空隙の少ない相対密度の高い窒化アルミニウムを得ることが出来る。
焼成工程IIにおいて、焼成雰囲気の窒素濃度及び一酸化濃度の調整は、焼成工程Iと同様に、雰囲気ガスを赤外線吸収法により成分分析し、前記範囲となるように窒素ガスの供給量、還元性ガスの種類・供給量、還元剤の種類・供給量を調整することによって行うことができる。窒素ガスの供給量、還元性ガスの種類・供給量、還元剤の種類・供給量の調整による雰囲気制御の方法は、焼成工程Iで上記した通りである。
上記焼成工程IIのための焼成温度は、1580℃〜1900℃、好ましくは、1600℃〜1800℃の温度が採用される。即ち、上記焼成温度が1580℃より低い場合は焼結が十分に進行せず、また、1900℃より高い場合は、炭素が窒化アルミニウムに固溶し、熱伝導率が低下するという問題が生じる。
また、焼成工程IIにおいて、焼成時間は採用する条件により異なり一概に決定することは出来ないが、好ましくは2〜10時間、特に好ましくは、3〜8時間である。
焼成工程IIでは、焼成工程IIで作製した球状窒化アルミニウム系粒子の窒化アルミニウム含有量が75〜99質量%となるまで窒化する。
焼成工程IIの焼成温度、雰囲気、時間は、焼成後の球状窒化アルミニウム系粒子の窒化アルミニウム含有量が75〜99質量%となるように適宜調整を行う。
また、前記焼成工程IIは、前記還元窒化工程において使用した装置と同様な装置を使用して行うことができる。
〔焼成工程Iと焼成工程IIとの連続実施〕
本発明において、前記焼成工程Iと焼成工程IIとは、それぞれを別途実施することも可能であるが、温度を下げることなく、連続して実施することが、再加熱のためのエネルギーを低減できる等の効果を得ることができ、好ましい。
具体的には、焼成工程Iで使用する反応装置より粒子を取り出すことなく、該同一反応装置内で、焼成工程IIを連続して行う態様が挙げられる。この場合、工程の切り替えは、焼成工程Iで採用される焼成温度を、焼成工程IIで採用される焼成温度に調整し、必要に応じて、窒素ガス等のガスの供給量を調整するのみで行うことができ、操作上も極めて簡便となる。
尚、焼成工程Iと焼成工程IIとは、焼成温度範囲が重複するため、同一の温度で実施することも可能であり、この場合は、供給する窒素ガス等のガスの流量を必要に応じて調整するだけで、これらの工程を連続して実施することができる。
本発明の上記連続工程において、焼成時間は、前記各工程での焼成時間の合計時間で決定すればよく、一般に、2.5〜14時間、好ましくは、4〜10時間が好適である。
〔酸化処理〕
本発明において、焼成工程等において、カーボンを使用する場合、得られる窒化アルミニウム系粒子にカーボンが残存するため、酸化処理を行い、かかるカーボンを最終的には除去することが好ましい。かかる酸化処理を行う際の酸化性ガスとしては、空気、酸素など炭素を除去できるガスならば何等制限無く採用できるが、経済性や得られる窒化アルミニウムの酸素含有率を考慮して、空気が好適である。また、処理温度は一般的に500〜900℃がよく、脱炭素の効率と窒化アルミニウム表面の過剰酸化を考慮して、600〜750℃が好適である。また、酸化処理の時間は、残存するカーボン量に応じて適宜決定すればよい。
〔用途〕
本発明の窒化アルミニウム系粒子は、窒化アルミニウムの性質を生かした種々の用途、特に放熱シート、放熱グリース、放熱接着剤、塗料、熱伝導性樹脂などの放熱材料用の高熱伝導フィラーとして広く用いることができる。
ここで放熱材料のマトリックスとなる樹脂、グリースは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂、またシリコーンゴム、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等のゴム類、シリコーンオイルが挙げられる。
本発明の球状窒化アルミニウム系粒子を高熱伝導フィラーとして、樹脂等のマトリックスに充填させ窒化アルミニウム含有放熱材料として用いる場合、本発明の窒化アルミニウム系粒子以外に、アルミナ、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭化珪素、グラファイトなどのフィラーを一種、あるいは数種類充填しても良い。これらのフィラーは、例えば、シランカップリング剤などで表面処理したものを用いても良い。放熱材料の特性や用途に応じて、本発明の窒化アルミニウム系粒子とそれ以外のフィラーの形状、粒径を選択すれば良い。また、放熱材料における窒化アルミニウム系粒子とそれ以外のフィラーの混合比は、1:99〜99:1の範囲で適宜調整できる。また、放熱材料には、可塑剤、加硫剤、硬化促進剤、離形剤等の添加剤をさらに添加しても良い。
本発明の球状窒化アルミニウム系粒子を含む高熱伝導フィラーを、樹脂等のマトリックスに充填させ窒化アルミニウム含有放熱材料として用いる場合、本発明の球状窒化アルミニウム系粒子を含む高熱伝導フィラーは、樹脂又はグリース100質量部あたり150〜1000質量部添加するのが好ましい。
窒化アルミニウム含有放熱材料の特性は、マトリックス材料の特性にも依存するため一概には言えないが、熱伝導率8〜12W/m・K、絶縁耐圧4〜6kVの特性がでることが好ましい。このような特性を有する窒化アルミニウム含有放熱材料は、本発明の窒化アルミニウム系粒子を75体積%充填することにより達成することができる。
以下、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例における各種物性は、下記の方法により測定した。
(1)比表面積
比表面積測定装置(島津製作所製 フローソーブ2300)にてBET一点法にて測定を行った。
(2)平均粒径
試料をホモジナイザーにて5%ピロリン酸ソーダ水溶液中100mlに対し、50mg分散させ、レーザー回折粒度分布装置(日機装株式会社製MICROTRAC HRA)にて平均粒径(D50)を測定した。
(3)窒化アルミニウム含有率
本発明の窒化アルミニウム系粒子の結晶相定量は、X線回折装置(BRUKER社製 D2 PHASER)にてX線回折パターン(CuKα、10〜90°)を取得し、該回折パターンと最も近くなるようにリートベルト解析の理論回折強度のフィッティングを行った結果から、相分率を決定した。
(4)相対密度
乾式自動密度計(島津製作所製 アキュピック1330)にて、定容膨張法により粒子の真密度を測定し、その値を理論密度で除して相対密度とした。
窒化アルミニウム系粒子の理論密度は窒化アルミニウム系粒子に含まれる各結晶相の組成比とそれらの理論密度の積を足し合わせて求めた。窒化アルミニウム系粒子内にn種の結晶相があるとき、窒化アルミニウム系粒子の理論密度は式(1)で表わされる。
Figure 2016037438
(5)真球度
走査型電子顕微鏡(日立ハイテク製 S−2600N)にて、1000倍の倍率にて二次電子像を観察し、任意の粒子100個を選んで、スケールを用いて粒子像の長径(DL)と短径(DS)を測定し、その比(DS/DL)の平均値を真球度とした。
(6)粒子形状、結晶粒子径測定
走査型電子顕微鏡(日立ハイテク製 S−2600N)にて、1000倍の倍率にて二次電子像を観察し、粒子の形状を確認した。
球状窒化アルミニウム系粒子表面の任意の結晶粒子100個を選んで、スケールを用いて結晶粒子径を測定し、その平均値を結晶粒子径とした。
(7)圧壊強度測定
微小圧縮試験装置(島津製作所製 MCT-510)にて、1つの窒化アルミニウム系粒子に対して一定の増加割合で負荷を与え、このときの試料の変形挙動から圧壊強度を求めた。
(8)シート状窒化アルミニウム含有放熱材料の作製方法
球状窒化アルミニウム系粒子450質量部、2成分加熱硬化型接着性液状シリコーンゴム(MOMENTIVE社製 TSE3033)100質量部を自動乳鉢にて混練し、次いでバーコーターを用いてシート状に成形した。その後、100℃に加熱して樹脂を硬化させ、厚み200μmのシート状の窒化アルミニウム含有放熱材料を得た。
(9)球状窒化アルミニウム系粒子内部構造確認
(8)の作製方法で得られた窒化アルミニウム含有放熱材料をイオンミリング装置(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 E−3500)にて加工し、現れた粒子断面をSEM−EDS(SEM:日本エフイー・アイ株式会社製 Quanta200、EDS:アメテック株式会社製 Genesis2000)にて5000倍の倍率で観察した。
任意の100個を選んで、スケールを用いて粒子表面の窒化アルミニウム層の厚みを1粒子につき一ヶ所測定し、その平均値を粒子表面に形成された窒化アルミニウム層厚みとした。
(10)シート状窒化アルミニウム含有放熱材料の熱伝導率
(8)の作製方法で得られた窒化アルミニウム含有放熱材料を10cm×6cm、厚さ200μmの大きさに加工し、熱伝導率測定装置(京都電子(株)製QTM−500)を用いて熱伝導率を測定した。標準試料としてシリコーンゴム、石英ガラス、ジルコニアを用いた。
(11)シート状窒化アルミニウム含有放熱材料の絶縁耐圧
(8)の作製方法で得られた窒化アルミニウム含有放熱材料を50mm×50mm、厚さ200μmの大きさに加工し、絶縁耐圧測定器(多摩電測株式会社製 THK−5031AMP)にて測定した。
実施例1
多孔質アルミナ顆粒として、平均粒径29μm、比表面積5.1m/gの顆粒状α−アルミナを使用した。上記多孔質アルミナ顆粒280gとカーボンブラック140gを混合した後、カーボン製容器に充填し、抵抗加熱式雰囲気炉装置内で、窒素95体積%、一酸化炭素5体積%の雰囲気下にて、1600℃にて2時間焼成した(焼成工程I)。なお、焼成雰囲気の制御のため窒素流量を調整し、窒素濃度及び一酸化炭素濃度は、横河電機製汎用赤外線ガス分析計IR200を用い、焼成炉の排ガスを分析することにより確認した。
その後、同一装置内で、窒素60体積%、一酸化炭素40体積%の雰囲気下にて焼成温度を1800℃として5時間焼成した(焼成工程II)。焼成雰囲気の調整及び窒素濃度及び一酸化炭素濃度の確認方法は、焼成工程Iと同様である。次いで、空気流通下680℃で8時間酸化処理を行って球状窒化アルミニウム系粒子を得た。
得られた球状窒化アルミニウム系粒子を前述の方法にて評価した結果を表1に示す。
また、得られた球状窒化アルミニウム系粒子の走査型電子顕微鏡による観察結果を図1〜3に示す。図1は、得られた球状窒化アルミニウム系粒子の形状を示す走査型電子顕微鏡写真である。図1に示すように、角のない球状の窒化アルミニウム系粒子を得ることができた。図2は、得られた球状窒化アルミニウム系粒子の表面形態を示す走査型電子顕微鏡写真である。図2に示すように、緻密な表面の球状窒化アルミニウム系粒子を得ることができた。図3は、得られた球状窒化アルミニウム系粒子を充填して作製した窒化アルミニウム含有放熱材料の断面を観察した走査型電子顕微鏡写真である。図3に示すように、粒子内部に空隙の少ない球状窒化アルミニウム系粒子が得られた。
また、焼成工程I後の粒子状態(中間状態)を確認するため、上記実施例と同様の条件で、焼成工程Iを実施した時点で焼成を止め、得られる粒子について窒化アルミニウム含有率を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、焼成工程IIの雰囲気を、窒素70体積%、一酸化炭素30体積%とした以外は実施例1と同様にして球状窒化アルミニウム系粒子を得た。得られた粒子を実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、焼成工程Iの雰囲気を、窒素90体積%、一酸化炭素10体積%とし、焼成工程IIの雰囲気を窒素50体積%、一酸化炭素50体積%とした以外は実施例1と同様にして球状窒化アルミニウム系粒子を得た。得られた粒子を実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、多孔質アルミナ顆粒として、平均粒径69μm、比表面積4.7m/gの顆粒状α−アルミナを使用した以外は実施例1と同様にして球状窒化アルミニウム系粒子を得た。得られた粒子を実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
Figure 2016037438
比較例1
多孔質アルミナ顆粒として、平均粒径29μm、比表面積5.1m/gの顆粒状α−アルミナを使用した。上記多孔質アルミナ顆粒280gとカーボンブラック140gを混合した後、カーボン製容器に充填し、抵抗加熱式雰囲気炉装置内で、窒素90体積%、一酸化炭素10体積%の雰囲気下にて、1600℃にて5時間焼成した(焼成工程I)。なお、焼成雰囲気の制御のため窒素流量を調整し、窒素濃度及び一酸化炭素濃度は、横河電機製汎用赤外線ガス分析計IR200を用い、焼成炉の排ガスを分析することにより確認した。
その後、同様の雰囲気下にて焼成温度を1750℃として5時間焼成した(焼成工程II)。焼成雰囲気中の調整及び窒素濃度及び一酸化炭素濃度の確認方法は、焼成工程Iと同様である。次いで、空気流通下680℃で8時間酸化処理を行って球状窒化アルミニウム系粒子を得た。
得られた球状窒化アルミニウム系粒子を前述の方法にて評価した結果を表2に示す。
比較例1の球状窒化アルミニウム系粒子は、焼成工程IIにて窒化アルミニウム含有率が100質量%となるまで焼成したため、焼結が進行しにくくなり、得られた球状窒化アルミニウム系粒子の相対密度が低下した。
また、図4に、得られた球状窒化アルミニウム系粒子を充填して作製した窒化アルミニウム含有放熱材料の断面を観察した走査型電子顕微鏡写真を示す。比較例1の球状窒化アルミニウム系粒子は、粒子内部に大きな空隙が複数存在することが分かる。
比較例2
実施例1において、焼成工程Iの雰囲気を、窒素20体積%、一酸化炭素80体積%とした以外は実施例1と同様にして、球状窒化アルミニウム系粒子を得た。得られた粒子を実施例1と同様に評価した結果を表2に示す。比較例2は、焼成工程Iの雰囲気の窒素割合が少なく、十分な窒化アルミニウム含有量に至らない段階で顆粒表面が焼結して気孔が閉気孔となり、その後の還元窒化反応が粒子内部から外部への物質移動を伴って進行するため、空隙が残ってしまい、得られた球状窒化アルミニウム系粒子の相対密度が低下する。
比較例3
実施例1において、焼成工程Iの温度を1500℃、焼成工程IIの温度を1500℃とした以外は実施例1と同様にして、球状窒化アルミニウム系粒子を得た。得られた粒子を実施例1と同様に評価した結果を表2に示す。比較例3は、焼成温度が低いため、焼結反応が進行し難く、得られた球状窒化アルミニウム系粒子の相対密度が低下する。
比較例4
実施例4において、焼成工程I及び焼成工程IIを通して、窒素90体積%、一酸化炭素10体積%、焼成温度を1800℃として10時間焼成した以外は実施例4と同様にして、球状窒化アルミニウム系粒子を得た。得られた粒子を実施例1と同様に評価した結果を表2に示す。比較例4では、雰囲気の窒素濃度が高く、還元窒化反応が進行し易いため、反応初期においてアルミナ顆粒の多孔質構造を保持した窒化アルミニウム層が形成される。そのため、酸化アルミニウム及び酸窒化アルミニウムを含有した状態であっても焼結反応が進行し難く、得られた球状窒化アルミニウム系粒子の相対密度が低下する。
比較例5
実施例1において、原料アルミナを平均粒径30μm、比表面積0.15m/gの中実アルミナとした以外は実施例1同様にして、球状窒化アルミニウム系粒子を得た。得られた粒子を実施例1と同様に評価した結果を表2に示す。比較例5は、原料に多孔質アルミナ顆粒ではなく、中実アルミナを用いた。その結果、粒子内部までガスが拡散せず、窒化が進行しないため、得られた球状窒化アルミニウム系粒子の窒化アルミニウム含有率が低い。また、相対密度も不十分である。
Figure 2016037438

Claims (9)

  1. 平均粒径が10〜200μm、粒子の真球度が0.80以上である球状窒化アルミニウム系粒子であって、
    酸窒化アルミニウムを含むコアと、
    前記コアの表面に形成された厚さ2μm以上の窒化アルミニウムからなる表面層と、からなり、
    粒子中の窒化アルミニウム含有率が、75〜99質量%、相対密度が85%以上であることを特徴とする球状窒化アルミニウム系粒子。
  2. 前記窒化アルミニウムからなる表面層における窒化アルミニウムの結晶粒子径が1μm以上である、請求項1に記載の球状窒化アルミニウム系粒子。
  3. BET比表面積0.05〜0.50m/gである、請求項1又は2に記載の球状窒化アルミニウム系粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の球状窒化アルミニウム系粒子を含む高熱伝導フィラー。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の球状窒化アルミニウム系粒子を含む高熱伝導フィラーを充填させた、窒化アルミニウム含有放熱材料。
  6. 多孔質アルミナ顆粒を、1450℃〜1900℃の温度で焼成し、窒化アルミニウム含有量が50〜90質量%となるまで窒化させる焼成工程Iと、上記焼成工程Iにおいて得られた粒子を、焼成工程Iよりも還元性ガスの濃度が高い雰囲気下で、1580℃〜1900℃の温度で焼成し、窒化アルミニウム含有量が75〜99質量%となるまで窒化させる焼成工程IIとを含むことを特徴とする、
    平均粒径が10〜200μm、粒子の真球度が0.80以上である球状窒化アルミニウム系粒子であって、
    酸窒化アルミニウムを含むコアと、
    前記コアの表面に形成された厚さ2μm以上の窒化アルミニウムからなる表面層と、からなり、
    粒子中の窒化アルミニウム含有率が、75〜99質量%、相対密度が85%以上である
    球状窒化アルミニウム系粒子の製造方法。
  7. 焼成工程Iの雰囲気を、窒素85〜100体積%、一酸化炭素0〜15体積%とし、焼成工程IIの雰囲気を窒素40〜80体積%、一酸化炭素20〜60体積%とする、請求項6に記載の球状窒化アルミニウム系粒子の製造方法。
  8. 焼成工程Iと焼成工程IIを連続して行う、請求項6又は7に記載の球状窒化アルミニウム系粒子の製造方法。
  9. 前記多孔質アルミナ顆粒の平均粒径が10〜200μm、BET比表面積が2〜250m/gであることを特徴とする請求項5〜7に記載の球状窒化アルミニウム系粒子の製造方法。
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