JP2014198645A - 複合酸化バナジウム粒子の製造方法 - Google Patents

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直之 永谷
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孫  仁徳
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Abstract

【課題】高い結晶性を有し、相転移エネルギーが高く、所望の転移温度を持つ複合酸化バナジウム粒子を製造することが可能な複合酸化バナジウム粒子の製造方法を提供する。【解決手段】ドーパント元素がドープされた酸化バナジウム(IV)を含有する複合酸化バナジウム粒子を製造する方法であって、4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物の溶液と、前記バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質及びドーパント元素の溶液とを反応させる工程、反応物を固液分離する工程、固形物を乾燥する工程、及び、乾燥体を不活性ガス中で550〜850℃で焼成する工程を有する複合酸化バナジウム粒子の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、高い結晶性を有し、相転移エネルギーが高く、所望の転移温度を持つ複合酸化バナジウム粒子を製造することが可能な複合酸化バナジウム粒子の製造方法に関する。
酸化バナジウム(IV)には、様々な結晶相が存在するが、ルチル型酸化バナジウム(IV)は単斜晶と正方晶(ルチル型)が可逆的に相転移する。相転移温度以下では半導体相を示すが、相転移温度以上では金属相の結晶構造を形成する。その結果、赤外線の透過率や反射率等の光学的特性、抵抗率等の電気特性及び蓄熱等の熱的特性が可逆的に変化する。
一方、相転移温度は約67℃であるため、用途によってはそのまま使えることもあるが、例えば建築物や自動車等の窓に使用することを考えた場合、対象物における快適な温度と不快な温度との境界領域に転移温度を設定することが望まれ、この点を考慮すると、相転移温度を下げることが好ましい。
相転移温度を下げる方法としては、バナジウム原子の一部を他の金属原子等で置換する方法が行われている。バナジウム原子と置換される原子をドーパント(元素)と呼ぶ。一般的には、置換転移温度を下げていくと、つまりドーパント量が増えると相転移エネルギーが小さくなる傾向を示し、上述の光学的特性、電気的特性、熱的特性等の温度変化による変化幅が小さくなる可能性が高い。
このようなドーパントで置換されたルチル型酸化バナジウム粒子としては、例えば、特許文献1に、バナジウムを含む物質と、ヒドラジンと水とを含む溶液を水熱反応させることにより、ルチル相の二酸化バナジウムを製造する方法、及び、タングステンやモリブデン等の元素を添加して複合化する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、結晶化のために高いエネルギーを付与することが困難であるため、結晶性の高い複合酸化バナジウム粒子を作製することは困難であった。
また、特許文献2には、バナジウムアルコキシドとタングステンアルコキシドとをゾルゲル法で反応させ前駆体を生成し、得られた前駆体を還元処理及び焼成処理することで製造する方法が記載されている。
しかしながら、この方法で得られた複合酸化バナジウム(IV)粒子は、純度が低いため、結晶性の高い粒子を作製することは困難であった。
特開2011−178825号公報 特開2004−346260号公報
本発明は、高い結晶性を有し、相転移エネルギーが高く、所望の転移温度を持つ複合酸化バナジウム粒子を製造することが可能な複合酸化バナジウム粒子の製造方法に関する。
本発明は、ドーパント元素がドープされた酸化バナジウム(IV)を含有する複合酸化バナジウム粒子を製造する方法であって、4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物の溶液と、前記バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質及びドーパント元素の溶液とを反応させる工程、反応物を固液分離する工程、固形物を乾燥する工程、及び、乾燥体を不活性ガス中で550〜850℃で焼成する工程を有する複合酸化バナジウム粒子の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物の溶液と、上記バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質及びドーパント元素の溶液とを反応させる工程を行うことで、反応において錯体が形成され、小さなエネルギーで熱分解と結晶化が可能となることから、高い結晶性を有し、相転移エネルギーが高く、所望の転移温度を持つ複合酸化バナジウム粒子が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の複合酸化バナジウム粒子の製造方法は、4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物の溶液と、上記バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質及びドーパント元素の溶液とを反応させる工程を行う。
上記工程では、4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物を用いることで、4価ではないバナジウムを含有するバナジウム化合物を用いる場合と比較して、バナジウムの価数制御が容易であり、純度の高いルチル型酸化バナジウム(IV)を得ることが可能となる。
上記4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物としては、例えば、オキシ二塩化バナジウム(IV)、オキシシュウ酸バナジウム(IV)、上記オキシシュウ酸バナジウム(IV)の水和物、酸化硫酸バナジウム(IV)、上記酸化硫酸バナジウム(IV)の水和物等が挙げられる。
上記4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物の溶液は、上記4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物を溶媒中に溶解させたものである。
上記溶媒としては、例えば、水、アルコール、酸(塩酸、硫酸)、過酸化水素等が挙げられる。
上記4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物の溶液中の上記4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物の含有量は、1〜50重量%が好ましい。
上記範囲内とすることで、バナジウムが4価で安定して存在することが可能となる。
上記バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質としては、例えば、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
上記反応工程における上記バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質の添加量は、上記4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物に対して0.1〜10モル%であることが好ましい。
上記ドーパント元素としては、例えば、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタン、スズ、レニウム、イリジウム、ルテニウム、ゲルマニウム、クロム、鉄、ガリウム、アルミニウム、フッ素、リン等が挙げられる。このようなドーパント元素の添加により、相転移温度を制御することが可能となる。
上記バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質及びドーパント元素の溶液を作製する場合は、ドーパント元素自体を添加してもよいが、ドーパント元素を含むドーパント元素化合物を添加することが好ましい。
上記ドーパント元素化合物としては、例えば、タングステン酸、パラタングステン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウムまたはその水和物、酸化タングステン、ペンタエトキシタングステン等が挙げられる。
上記反応工程における上記ドーパント元素の添加量は、上記4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物に対して0.05〜10.0モル%であることが好ましい。
上記バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質及びドーパント元素の溶液は、上記バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質及びドーパント元素を溶媒中に溶解させたものである。
上記溶媒としては、例えば、水、アルコール、過酸化水素等が挙げられドーパント元素の溶解性を促進させるため、溶液のpHを調整しても良く、水酸化ナトリウム、酢酸、塩酸、硫酸等を含んでいてもよい。
上記バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質及びドーパント元素の溶液では、溶解性を促進させるため、溶液のpHを調整しても良く、塩酸、酢酸、アンモニア、水酸化ナトリウムを添加してもよい。
上記反応工程における反応温度は10〜80℃が好ましい。また、上記反応工程における反応時間は、1時間〜7日が好ましい。
なお、上記反応工程は、必ずしもバッチ式で実施する必要がなく、連続式に実施してもよい。
本発明の複合酸化バナジウム粒子の製造方法では、次いで、反応物を固液分離する工程を行う。
上記固液分離の具体的な方法としては、吸引濾過、加圧濾過、ベルトプレス、スクリュープレス、ローラープレス、ベルトスクリーン、遠心分離(濃縮脱)、多重円板脱水、湿式ふるい、振動ふるい、多重板波動フィルター等が挙げられる。
本発明の複合酸化バナジウム粒子の製造方法では、次いで、得られた固形物を乾燥する工程を行う。上記乾燥工程における乾燥温度としては、100℃以上であることが好ましく、150〜200℃が好ましい。
また、上記乾燥工程は、例えば、真空、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で乾燥を行ってもよい。特に、真空雰囲気が好ましい。
また、上記乾燥工程における乾燥時間は、0.5〜5時間とすることが好ましい。
本発明では、次いで、得られた乾燥体を不活性ガス中で焼成する工程を行う。
上記焼成工程における、焼成温度は、550〜850℃である。
上記範囲内とすることでルチル型の酸化バナジウム(IV)を単相で得ることが可能となる。上記焼成温度は、600〜800℃が好ましい。また、上記焼成工程は、不活性ガス中で行う。上記不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドン等が挙げられる。また、上記焼成工程における焼成時間は、0.5〜5時間とすることが好ましい。
上記焼成工程は、酸素欠損を制御する観点から、複数回に分けて行うことが好ましい。これにより、Vの価数が4価未満の酸化バナジウムが生じることを防止することができる。
特に、2回に分けて焼成工程を行う場合、1回目は、550〜800℃で、30〜300分間の条件で行うことが好ましく、2回目は、550〜800℃で、30〜300分間の条件で行うことが好ましい。
上記ドーパント元素がタングステンである場合、バナジウム(IV)とタングステンの合計量に対するタングステンの含有量が、0.05〜10.0原子%であることが好ましい。
上記範囲内とすることで、高い結晶性を維持したまま転移温度を低下することが可能となる。更に好ましくは、0.1〜5.0原子%である。
本発明で得られた複合酸化バナジウム粒子は、ルチル型構造であることが好ましい。上記ルチル型構造を有することで、温度に応じて相転移し、転移温度以下では単斜晶構造になり半導体特性を示し、転移温度以上では正方晶構造になり金属特性に変わる。その結果、温度変化に応じて光学的特性、電気的特性、熱的特性が可逆的に変化する。この可逆的変化を利用して、例えば環境温度の変化のみで自動的に調光するなどの利点がある。
本発明で得られた複合酸化バナジウム粒子は、下記式(1)に示すドーパント置換量Zが0.05〜10.0モル%であることが好ましい。これにより、高い結晶性を維持でき、つまり相転移エネルギーと所望の転移温度を両立することが可能となる。
Z=(A/(V+A))×100 (1)

式(1)中、Vはバナジウム(IV)の含有量(モル)、Aはドーパント元素の含有量(モル)を表す。
本発明によれば、高い結晶性を有し、相転移エネルギーが高く、所望の転移温度を持つ複合酸化バナジウム粒子の製造方法を提供することができる。
なお、本発明で得られた複合酸化バナジウム粒子は、サーモクロミック性フィルム、合わせガラス用中間膜、合わせガラス、貼り付け用フィルム等の光学系用途や、赤外センサー、温度センサー、感熱センサー等の電気的用途及び蓄熱等の熱的用途に使用することができる。
本発明によれば、高い結晶性を有する複合酸化バナジウム粒子を製造できる。結晶性が高い複合酸化バナジウム粒子は、高い相転移エネルギーを実現することができる。加えて、高結晶化によって相転移がシャープになるため、相転移の感度がよくなり、金属特性、半導体特性の切替えを即座に実現できるという利点も有する。
また、本発明によれば、相転移エネルギーが高い複合酸化バナジウム粒子を製造できる。これにより、温度変化に伴う光学的特性、電気的特性、熱的特性等の変化幅を大きくすることが可能となる。
その結果、高い結晶性を有し、相転移エネルギーが高く、所望の転移温度を持つ複合酸化バナジウム粒子を製造することが可能な複合酸化バナジウム粒子の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
純水2000重量部に炭酸水素アンモニム750重量部とタングステン酸7.5重量部を添加し、Wドーパントを溶解させた炭酸水素アンモニウム水溶液を得た。この炭酸水素アンモニウム水溶液に二塩化酸化バナジウム(IV)塩酸液1140重量部(VOCl含有率:36.1重量%)を30分かけて滴下した。その後、30℃で1時間反応させることで、前駆体沈澱物を得た。前駆体沈殿物を固液分離した後、真空下において200℃で1時間乾燥させた。得られた酸化バナジウム乾燥体を窒素気流中、昇温速度10℃/minで室温から800℃まで昇温し、800℃到達後2時間保持し、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(実施例2)
タングステン酸の添加量を15重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(実施例3)
タングステン酸の添加量を30重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(実施例4)
純水1200重量部に25%アンモニア水800重量部、炭酸水素アンモニム750重量部、タングステン酸3.7重量部を添加し、Wドーパントを溶解させた炭酸水素アンモニウム水溶液を得た。この炭酸水素アンモニウム水溶液に二塩化酸化バナジウム(IV)塩酸液1140重量部(VOCl含有率:36.1重量%)を30分かけて滴下した。その後、30℃で1時間反応させることで、前駆体沈澱物を得た。
前駆体沈殿物を固液分離した後、真空下において200℃で1時間乾燥させた。得られた酸化バナジウム乾燥体を窒素気流中、昇温速度10℃/minで室温から800℃まで昇温し、800℃到達後2時間保持し、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(実施例5)
タングステン酸の添加量を5.6重量部に変更した以外は、実施例4と同様にして、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(実施例6)
タングステン酸の添加量を7.4重量部に変更した以外は、実施例4と同様にして、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(実施例7)
乾燥温度を150℃に変更した以外は、実施例4と同様にして、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(実施例8)
焼成温度を600℃に変更した以外は、実施例4と同様にして、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(実施例9)
焼成温度を700℃に変更した以外は、実施例4と同様にして、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(実施例10)
120℃で1時間乾燥した以外は、実施例4と同様にして、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(比較例1)
純水10mlに、バナジン酸アンモニウム(NHVO)0.433gと、タングステン酸アンモニウムパラ五水和物0.00957gとを混合した溶液を得た。得られた溶液に、ヒドラジン水和物の5重量%水溶液をゆっくり滴下し、pH値が9.0〜9.5の溶液を調製した。調製した溶液を、オートクレーブ内に入れ、100℃で8時間、引続き270℃で24時間、水熱反応処理を行った。得られた反応生成物を濾過し、これを水およびエタノールで洗浄した。さらに、この反応生成物を、定温乾燥機を用いて、60℃で10時間乾燥させた。これによりドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(比較例2)
バナジウム(V)トリ−i−プロポキシドオキシド(株式会社高純度化学研究所製)13.7g、タングステンペンタイソポロポキシド0.54gをイソプロパノール(和光純薬工業社製)500mlに溶解した。この溶液にイオン交換水15mlを添加し、室温で72時間撹拌後、溶媒を除去した。その後400℃で2時間焼成し、引続き水素気流中で450℃、2時間焼成することによりドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(比較例3)
乾燥工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
(比較例4)
大気で焼成した以外は、実施例1と同様にして、ドープされたルチル型酸化バナジウム(IV)粒子を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた粒子について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(相転移性能)
得られた粒子の相転移時のエネルギーΔH(mJ/mg)及び転移温度Tcを、示差走査熱量計DSC(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、「DSC6220」)を用い0℃〜100℃までの温度範囲、昇温速度5℃/min、窒素雰囲気下にて測定した。
なお、相転移エネルギーを以下の基準で評価した。
○ 相転移エネルギー(mJ/mg)が30以上
△ 相転移エネルギー(mJ/mg)が20以上、30未満
× 相転移エネルギー(mJ/mg)が20未満
(結晶性)
得られた粒子について、X線回折法(XRD)により結晶性を評価した。
具体的には、X線回折装置(リガク社製、「Smart lab」)を用いて、電圧40KV、電流30mA、スキャン速度4°/min、回折角2θ=10〜60°の条件下で測定した。得られたXRDパターンデータについて解析ソフト(リガク社製PDXL)を用いて平均結晶子径を算出した。なお、得られた平均結晶子径を以下の基準で評価した。
○ 平均結晶子径(nm)が40以上
△ 平均結晶子径(nm)が25以上、40未満
× 平均結晶子径(nm)が25未満
Figure 2014198645
本発明によれば、高い結晶性を有し、相転移エネルギーが高く、所望の転移温度を持つ複合酸化バナジウム粒子を製造することが可能な複合酸化バナジウム粒子の製造方法を提供することができる。

Claims (8)

  1. ドーパント元素がドープされた酸化バナジウム(IV)を含有する複合酸化バナジウム粒子を製造する方法であって、
    4価のバナジウムを含有するバナジウム(IV)化合物の溶液と、前記バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質及びドーパント元素の溶液とを反応させる工程、
    反応物を固液分離する工程、
    固形物を乾燥する工程、及び、
    乾燥体を不活性ガス中で550〜850℃で焼成する工程を有する
    ことを特徴とする複合酸化バナジウム粒子の製造方法。
  2. バナジウム(IV)化合物は、オキシ二塩化バナジウム(IV)、オキシシュウ酸バナジウム(IV)、前記オキシシュウ酸バナジウム(IV)の水和物、酸化硫酸バナジウム(IV)、及び、前記酸化硫酸バナジウム(IV)の水和物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の複合酸化バナジウム粒子の製造方法。
  3. バナジウム(IV)化合物と錯形成する物質は、炭酸水素アンモニウムであることを特徴とする請求項1又は2記載の複合酸化バナジウム粒子の製造方法。
  4. ドーパント元素は、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタン、スズ、レニウム、イリジウム、ルテニウム、ゲルマニウム、クロム、鉄、ガリウム、アルミニウム、フッ素及びリンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の複合酸化バナジウム粒子の製造方法。
  5. ドーパント元素はタングステン、モリブデン及びニオブからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載の複合酸化バナジウム粒子の製造方法。
  6. 固形物を乾燥する工程における乾燥温度が100〜200℃であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の複合酸化バナジウム粒子の製造方法。
  7. 乾燥体を不活性ガス中で焼成する工程における焼成温度が600〜800℃であことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の複合酸化バナジウム粒子の製造方法。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の複合酸化バナジウム粒子の製造方法を用いて得られる複合酸化バナジウム粒子であって、
    下記式(1)に示すドーパント置換量Zが0.05〜10.0モル%である
    ことを特徴とする複合酸化バナジウム粒子。

    Z=(A/(V+A))×100 (1)

    式(1)中、Vはバナジウム(IV)の含有量(モル)、Aはドーパント元素の含有量(モル)を表す。
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