JP2014198406A - 流路ユニット、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、流路ユニットの製造方法 - Google Patents

流路ユニット、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、流路ユニットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動板の液の染み出しを抑制することが可能な技術を提供することにある。【解決手段】液体吐出ヘッドは、壁となる振動板を変形させて圧力室内の液体を吐出させる。このような液体吐出ヘッドにおいて、振動板中の第1層と、第1層の圧力室側に隣接する第2層とは、互いに結晶構造の異なるセラミックス製である。【選択図】図1

Description

本発明は、流路ユニット、液体吐出ヘッド、液体吐出装置に関する。
インクジェットヘッド等の液体を吐出する液体吐出ヘッドとして、例えば、液体流路用の空所を形成したグリーンシートと振動板用のグリーンシートとを一体焼成したものが知られている(特許文献1、2参照。)。
液体流路には、例えば、壁の一部である振動板の変形によりインク等の液体に圧力が加わる圧力室、この圧力室への液体の供給路、及び、圧力室からノズルに連通する連通路が含まれる。液体吐出ヘッドは、前述の流路基板とノズルプレート等の接合基板とを接合することにより形成される。
特許第5084942号公報 特開2012−201025号公報
近年のノズルは、印刷物等の出力物の高画質化及び高速化に向けて高密度化が進んでいることを鑑み、本発明の目的の一つは、ノズルの高密度化の要求に対応することが可能な技術を提供することにある。
本発明の態様の一つとして、本発明は、壁となる振動板を変形させて圧力室内の液体を吐出させる流路ユニットであって、前記振動板中の第1層と、第1層の圧力室側に隣接する第2層とは、互いに結晶構造の異なるセラミックス製である、態様を有する。
また、本発明は、壁となる振動板を変形させて圧力室内の液体を吐出させる流路ユニットであって、前記振動板中の第1層と、第1層の圧力室側に隣接する第2層とは、セラミックス製であって、含まれる希土類元素及び第2族元素の少なくともいずれかの割合が異なる、態様を有する。
更に、本発明は、前記流路ユニットを備える液体吐出ヘッドの態様を有する。
また、本発明は、前記液体吐出ヘッドを搭載した、インクジェットプリンター等の液体吐出装置の態様を有する。
上述した態様において、ジルコニアを主原料とする振動板を薄膜化していくと、結晶間に隙間が生じ、この隙間から液が染み出す場合がある。なお、染み出る液は、圧力室内の液体そのものに限られず、溶媒など液体の成分の一部を含む。
そこで、このような液の染み出しを抑制することを目的として、振動板を結晶構造が異なる少なくとも2層以上のセラミックス層により構成している。
薄膜を構成する結晶配列の規則性が高いと、結晶間に生じる隙間が連続しやすく、この連続した隙間を通って液の染み出しが発生し易くなると考えられる。逆に、結晶配列の規則性が低ければ、隙間が連続せず、液の染み出しも容易とはならない。
ここで、第1層と第2層とを構成する結晶構造を異ならせると、2つの層の間の結晶配列も近いものとはならない。即ち、第1層と第2層とを1つの層として観察した場合に、隙間の連続性が遮断される境界が振動板内に生じることとなる。その結果、振動板の染み出しを抑制することができる。
また、ジルコニアの結晶においては、結晶構造が立方晶と正方晶とでは、立方晶の結晶成長が早く結晶サイズも正方晶と比べても大きくなる傾向がある。そのため、ジルコニアの結晶においては、立方晶のジルコニアの量を2つの層の間で変化させるにより液の染み出しを抑制することができる。
加えて、2つの層に含まれる結晶サイズが異なる場合、振動板内に内部応力が生じ、この内部応力が振動板の撓みを生じさせる。周知のように振動板は振動することで圧力室に圧力変化を生じさせるが、振動は撓み変形が連続したものである。そのため、第1層と第2層の結晶構造を異ならせることで、振動板の撓み方向を制御することが可能となる。
具体的には、層間の結晶構造を変化させることで振動板の密度等を変化させ、内部応力の向きを制御する。例えば、振動板を圧力室側に撓ませることで、振動板の振動が同方向の変位の連続となる。ここで、圧力室側に撓ませるとは、振動板が圧力室側に向けて凸状に変形している状態である。そのため、振動板は撓み方向が変化することなく変位するため、振動板の耐久性を高めることができる。
一方で、振動板の内部応力を結晶構造により制御し、振動板を圧力室側と反対側に撓ませることで、振動板の振動が異なる方向の変位の連続となる。そのため、振動番は、撓み方向が変化しつつ変位するため、変位量を増加させることができる。
また、ジルコニアの結晶構造(単斜晶、正方結晶、立方晶)は、希土類元素及び第2族元素の含有量によっても決まる。そのため、第1層と第2層のそれぞれに含まれる、希土類元素及び第2族元素の割合を制御することによっても、同様な効果を奏することができる。
ここで、希土類元素としては、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)等を用いることができる。また、第2族元素としては、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)等を用いることができる。
振動板の結晶構造(立方晶、正方晶)を観察する手法として、例えば、周知の透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope; TEM)を用いた解析により観察することができる。
また、結晶に含まれる希土類又は第2族元素の含有量の解析方法としては、例えば、ICP発光分光(ICP-OES Optical Emission Spectrometry)、(ICP-MS(ICP - Mass Spectrometry;ICP-MS)、エネルギー分散型X線分析(Energy dispersive X-ray spectrometry,EDX)、X線光電子分光分析法(X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)を用いることができる。
さらに、本発明はこのような流路ユニットを製造するための製造方法としても適用することができる。
圧電素子3を設けた使用前後の流路ユニットU0を模式的に例示する断面図。 液体吐出ヘッド1の構成を模式的に例示する分解斜視図。 (a)は図2のA1−A1の位置における液体吐出ヘッド1の断面図、(b)は図2のA2−A2の位置における液体吐出ヘッド1の断面図。 振動板11に生じる内部応力を説明する図である。 液体吐出ヘッドの製造方法を示す工程図である。 添加される希土類元素と、ジルコニアの結晶構造との関係を示す図である。 第2の実施形態に係る流路ユニットUOを示す断面図である。 液体吐出ヘッドの製造方法を示す工程図である。 液体吐出装置200の構成の概略を例示する図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
1.第1の実施形態:
まず、流路ユニット及び液体吐出ヘッドの例を説明する。図1は、圧電素子3を設けた使用前後の流路ユニットU0を模式的に例示する断面図であり、使用前後のそれぞれについて振動板11の要部を拡大して下側に示している。分かり易く示すため、セラミック結晶粒子13を振動板11の厚みと比べて大きくし、隙間CL1を粒子13と比べて大きくしている。むろん、振動板の厚みに対するセラミック結晶粒子の大きさは特に限定されず、粒子に対する隙間の大きさも特に限定されず、粒子の形状も特に限定されない。図2は、流路ユニットU0を含む液体吐出ヘッド1の構成の概略を例示している。図3(a)は、液体吐出ヘッド1を図2のA1−A1の位置での断面図を示している。図3(b)は、液体吐出ヘッド1を図2のA2−A2の位置での断面図を示している。
上述した図中、符号D1は振動板11及び流路ユニットU0の厚み方向を示している。符号D3は、流路ユニットU0の長手方向を示し、例えば、長尺状の圧力室21の併設方向であり、圧力室21の幅方向とされる。符号D4は、流路ユニットU0の短手方向を示し、例えば、圧力室21の長手方向とされる。各方向D1,D3,D4は、互いに直交するものとするが、互いに交わっていれば直交していなくてもよい。分かり易く示すため、各方向D1,D3,D4の拡大率は異なることがあり、圧電素子3の面積率も異なることがあり、各図は整合していないことがある。
なお、本明細書で説明する位置関係は、発明を説明するための例示に過ぎず、発明を限定するものではない。従って、圧力室の上以外の位置、例えば、下、左、右、等に振動板が配置されることも、本発明に含まれる。また、方向や位置等の同一、直交、等は、厳密な同一、直交、等のみを意味するのではなく、製造時等に生じる誤差も含む意味である。更に、接すること、及び、接合することは、間に接着剤等の介在するものが有ることと、間に介在するものが無いこととの両方を含む。
図1等に示す流路ユニットU0は、変形可能な振動板11と、壁の一部である振動板11の変形により液体Fに圧力が加わる圧力室21を備えるスペーサー部20と、を備える。振動板11とそれ以外の圧力室21の壁(即ちスペーサー部20)は、例えば、ジルコニア(ZrO2)を主とするセラミックスにより構成されている。無論、振動板11の原料はジルコニア以外であってもよい。
また、振動板11は結晶構造が異なる複数の層により構成されている。図1(b)に示すように、圧電素子3側に位置する第1層11aと、圧力室21側に位置する第2層11bとは、ジルコニアの結晶構造が異なっている。ここで、結晶構造が異なっているとは、結晶成長の過程が異なる時系列であるため、結晶サイズが層間で異なる場合や、結晶配置が異なる場合を意味する。なお、この第1の実施形態では、焼成後は第1層11aと第2層11bとは、一体となるため、図に示したように、結晶のサイズが明確に変化する境界が存在するものではない。
図3(b)等を参照して、高画質化及び高速化に向けたノズルの高密度化と低コスト化との両立と液漏れについて説明する。ノズル62を高密度化するには、ノズル62のピッチPを狭くする必要がある。ノズルピッチPを狭くするには、圧力室21の幅Wを狭くする必要がある。圧力室の幅Wが狭くなるだけだと、液滴を吐出するための振動板の変位量が低下する。この変位量の低下を抑えるためには、振動板厚Tを例えば1〜3μm程度と薄くしなければならない。しかし、セラミック製の振動板を薄くすると、振動板から液の染み出しが発生する。
振動板11はセラミックスを結晶成長させたものであるため、結晶と結晶との間には隙間CL1が存在する。また、振動板11を薄膜化していくと、振動板11の厚み方向D1での結晶数が少なくなる。そのため、振動板11を構成する結晶配列の規則性が高いと、結晶と結晶の間に生じる隙間CL1が連続しやすく、この連続した隙間CL1を通って液の染み出しが発生し易くなると考えられる。
このような隙間CL1による「液漏れ」は振動板が厚い場合には、途中で液が止まり、顕在化していなかったので、液漏れは振動板の厚みについて薄く極限を追求するようになって顕在化した問題と言える。
また、振動板を薄くしても液漏れが生じないようにするためSiウエハーを使うと、高価な半導体製造装置を用いる必要があり、液体吐出ヘッドのコストアップとなる。また、圧力室に面した振動板の表面をパラキシリレン系のポリマーでコーティングする方法は、使用中にコーティングが剥がれるという耐久性の問題と、パラキシリレン系のポリマーの付着により接合基板との接着強度が低下するという問題とがある。
さらに、染み出た液体は溶液の一部であり、原液と濃度が大きく異なる。これは、粒子がフィルタリングされた為である。故に染み出しが生じる隙間は微小であり制御が難しく、一部制御できてもばらつきによる歩留まりの低下を招く。
そこで、振動板11に結晶構造が異なる層を形成することで、隙間CL1が連続することに起因する液の染み出しを抑制することとした。即ち、第1層11aと第2層11bとを構成する結晶構造を異ならせると、2つの層の間の結晶配列も近いものとはならない。即ち、図1(b)に示すように、第1層11aと第2層11bとを1つの層として観察した場合に、振動板11内に生じている隙間CL1の連続性が遮断される。その結果、振動板11から液の染み出しを抑制することができる。
図2に例示する液体吐出ヘッド1は、符号10,20,30の各部を有する流路ユニットU0と、圧力室21に連通するノズル62と、を備え、インク(液体)を噴射(吐出)するインクジェット式記録ヘッドである。図9に例示する液体吐出装置200は、前述のような液体吐出ヘッドを搭載したインクジェットプリンター(記録装置)である。
なお、液体吐出ヘッド1は、封止プレート40やリザーバープレート50を必ずしも備える必要は無い。例えば、封止プレートが無い場合にはリザーバープレートを接合基板にすることができ、リザーバープレートも無い場合にはノズルプレートを接合基板にすることができる。また、液体吐出ヘッドはいわゆるコンプライアンスプレート等の他のプレートを備えていてもよく、例えば、コンプライアンスプレートがリザーバープレートとノズルプレートとの間に配置されてもよい。更に、これらのプレートが複数のプレートで構成されてもよいし、複数のプレートの機能を一枚のプレートが備えていてもよい。
振動板部10は、振動板11、圧電素子3、リード電極84、等を有する圧電アクチュエーターである。振動板部10は、駆動信号SG1に応じて変形して圧力室21内の液体に圧力を加える。
振動板11は、スペーサー部20の一方の面(表面20a)を封止し、該スペーサー部20と接する裏面11bとは反対側の表面11aに圧電素子3(少なくとも一対の電極と、一対の電極に挟まれた圧電体とで構成される)、リード電極84、等が設けられている。振動板の裏面11bは、圧力室21の壁面の一部を構成する。すなわち、圧力室21の壁の一部である振動板11は、圧電素子3により駆動信号SG1に応じた変形をする。振動板11は、矩形板状でもよいし、矩形板状でなくてもよい。
この第1の実施形態では、振動板11は、第1層11aと第2層11bとの間でジルコニアの結晶サイズが異なる。第1層11aを構成する成分は、結晶構造が正方晶のジルコニアを主成分となっている。また、第2層11bを構成する成分は、立方晶である安定化ジルコニアとなっている。立方晶は正方晶に比べて結晶の成長速度が早いため、第2層11bは、第1層11aと比べて、結晶サイズが大きい結晶を多く含んで構成されている。そのため、第1層11aと第2層11bとで結晶サイズが異なることで、振動板11内での結晶配列の規則性が乱れ、液の染み出しを遮断することができる。
また、ジルコニアの結晶構造(単斜晶、正方結晶、立方晶)は、希土類元素及び第2族元素の含有量によっても決まる。具体的には、ジルコニアに希土類元素や第2族元素等を混入することで結晶構造が立方晶である安定化ジルコニアを作ることができる。そのため、振動板11は、第1層11aと第2層11bのそれぞれに含まれる、希土類元素及び第2族元素の割合が異なる。
ここで、希土類元素としては、例えば、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)等を用いることができる。また、第2族元素としては、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)等を用いることができる。このように作成することで、結果として第2層11aは第1層11bと比べて、希土類元素又は第2族元素等の割り合いが高くなる。
なお、振動板11は、立方晶である安定化ジルコニアが主成分となっている2層以上の層を含む複数層からなっていてもよい。例えば、圧電素子3の一つの電極が振動板11の一つの層を兼ねていてもよいし、圧力室21の壁面の一部となる領域に保護膜の層を振動板11の層の一つとして有していてもよい。
なお、振動板11を構成するジルコニアが立方晶を主とするか否かは、周知の透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope; TEM)を用いて観察することができる。
また、結晶に含まれる希土類又は第2族元素の含有量の解析方法としては、ICP発光分光(ICP-OES Optical Emission Spectrometry)、(ICP-MS(ICP - Mass Spectrometry;ICP-MS)、エネルギー分散型X線分析(Energy dispersive X-ray spectrometry,EDX)、X線光電子分光分析法(X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)を用いることができる。
また、振動板11は、圧力室21とは反対方向に撓みを生じさせている。図4は、振動板11に生じる内部応力を説明する図である。上記のように、振動板11の第2層11bは第1層11aと比べて、結晶サイズが大きく振動板11の密度が高い。そのため、図4(a)に示すように、振動板11には、マイナス方向の曲げモーメントが作用し、圧力室21側と反対側に撓んでいる。(振動板11は上に凸となるよう曲がっている。)。
ここで、振動板11が圧力室21側と反対側に撓んでいると、圧力室21の駆動時において振動板11の撓み方向が変化し、変位量を稼ぐことができる。
一方、図4(b)に示すように、振動板11の第2層11bが第1層11aと比べて、結晶サイズが小さい場合、振動板11の密度が第2層11b側で低くなり、振動板11には、プラス方向の曲げモーメントが作用する。その結果、振動板11は、圧力室21側に撓んでいる。(振動板11は下に凸となるよう曲がっている。)。
ここで、振動板11が圧力室21側に撓んでいると、圧力室21の駆動時において振動板11の撓み方向が変化せず、振動板11の耐久性を高めることができる。
圧電素子3は、圧電体層82と、該圧電体層の圧力室21側に設けられた下電極81と、圧電体層82の他方側に設けられた上電極83とを有する圧力発生部である。図2に示す各圧電素子3は、各圧力室21に対応した位置にある。圧電素子3を駆動制御するための制御回路基板91は、例えば、上電極83に対してフレキシブル基板等といったケーブル類92を介して接続される。電極81,83の一方は、共通電極にされてもよい。上下電極の構成金属には、例えば、Pt(白金)、Au(金)、Ir(イリジウム)、Ti(チタン)、等の一種以上を用いることができる。圧電体層82には、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛、Pb(Zrx,Ti1-x)O3)といった強誘電体、非鉛系ペロブスカイト型酸化物、といったペロブスカイト構造を有する材料等を用いることができる。リード電極84は、下電極81に接続されてもよいし、上電極83に接続されてもよい。リード電極の構成金属には、Au、Pt、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Ti、等の一種以上を用いることができる。
スペーサー部20には、厚み方向D1へ貫通した圧力室21が形成されている。このスペーサー部20が振動板11と接続部30とに挟まれることにより、圧力室21が流路ユニットU0の内部に設けられる。スペーサー部20は、矩形板状でもよいし、矩形板状でなくてもよい。
各圧力室21は、長手方向を流路基板の短手方向D4に向けた長尺状に形成され、流路基板の長手方向D3へ複数並べられている。圧力室21同士の間は、隔壁22とされる。圧力室21内の液体には、壁の一部である振動板11の変形により圧力が加わる。圧力室21の形状は、この形状に限定されるものではなく任意な形状とすることができる。例えば、圧力室21の幅や長さは、裏面20b側の長さが表面20a側の長さよりも短くされてもよい。流路基板の長手方向D3へ並んだ圧力室21の列は、流路基板の短手方向D4へ複数並べられてもよい。
接続部30には、各圧力室21に連通する位置で厚み方向D1へ貫通した液体の供給孔31及びノズル連通孔32が形成されている。すなわち、接続部30は、孔31,32を除いてスペーサー部20における表面20aとは反対側の他方の面(裏面20b)を封止する。接続部30は、矩形板状でもよいし、矩形板状でなくてもよい。各供給孔31は各圧力室21の長手方向(D4)の一端に対応する位置に設けられ、各ノズル連通孔32は各圧力室21の長手方向(D4)の他端に対応する位置に設けられている。孔31,32及び圧力室21は、流路ユニットU0の液体流路F1となる。
なお、振動板11、スペーサー部20及び接続部30は、一体焼成をすることで一体の流路ユニットU0となっている。なお、流路ユニットといった場合には、接続部30が無く手もよい。
接続部30の裏面30bに接合される封止プレート40には、厚み方向D1へ貫通した液体の共通供給孔41、ノズル連通孔42、及び、リザーバー51への液体導入孔43(図3(a)参照)が形成されている。共通供給孔41は、長手方向を封止プレート40の長手方向D3に向けた長尺状に形成され、接続部の複数の供給孔31に連通する位置に設けられている。各ノズル連通孔42は、接続部の各ノズル連通孔32に連通する位置に設けられている。液体導入孔43は、流路ユニットU0に接しない位置に設けられている。封止プレートの裏面40bは、リザーバー51の壁面の一部を構成する。
リザーバープレート50には、厚み方向D1へ貫通したリザーバー51及びノズル連通孔52が形成されている。リザーバー51は、共通供給孔41と液体導入孔43とに連通した共通インク室である。各ノズル連通孔52は、封止プレートの各ノズル連通孔42に連通する位置に設けられている。
ノズルプレート60には、各ノズル連通孔52に連通する位置で厚み方向D1へ貫通したノズル62が形成されている。ノズルプレート60の裏面は、ノズル62から液滴を噴射するノズル面60bとされる。図2に示すノズルプレート60は、各圧力室21に連通するノズル62が所定方向(D3)へ所定間隔で並べられたノズル列を有している。複数のノズルは、千鳥状に配置されてもよい。
なお、上記プレート40,50,60を含む種々のプレートの材料には、例えば、ステンレスやニッケルといった金属、合成樹脂、セラミックス、等の一種以上を用いることができる。
上述した液体吐出ヘッド1において、インク等の液体は、液体導入孔43から導入されてリザーバー51内を満たし、共通供給孔41及び個別の供給孔31を通って圧力室21内を満たす。制御回路基板91からの駆動電圧(駆動信号SG1)に応じて振動板11を圧力室21側へ膨らませるように圧電素子3が変形すると、それに応じて振動板11も変形し、振動板11の変形により圧力室21内の液体の圧力が高まり、ノズル連通孔32,42,52を介してノズル62から液滴が噴射される。
次に、図1〜3とともに図5を参照して、液体吐出ヘッドの製造方法を例示する。図5は、液体吐出ヘッドの製造方法を示す工程図である。
まず、振動板11とスペーサー部20のセラミック製の基材を少なくとも含む前駆体100を形成する(第1の工程S1)。ここでは、ジルコニア(ZrOx)に希土類酸化物又は第2族元素を異なるモル比でそれぞれ添加した粉体をバインダー等に分散したペーストをシート状に成形して組成比の異なる2種類の振動板11用のグリーンシートを形成する。
第2層11bのもととなる前駆体110b用のグリーンシートは、ジルコニア(ZrOx)に、希土類酸化物として酸化イットリウム(YOx)をモル比で8%以上、及び二酸化ケイ素(SiO2)をモル比で2%〜3%添加して作成する。また、第1層11aのもととなる前駆体110a、及びスペーサー部20を含む前駆体120,130用のグリーンシートは、ジルコニア(ZrOx)に酸化イットリウム(YOx)をモル比で2%〜3%、及び二酸化ケイ素(SiO2)をモル比で2%〜3%添加して作成する。
グリーンシートの成形には、ドクターブレード装置やリバースロールコーター装置等といった一般的な装置を用いることができる。スペーサー部20用のグリーンシート120、及び、接続部30用のグリーンシート130には、切断や切削や打ち抜き等といった機械加工やレーザー加工を施す。これにより、圧力室21を有するシート状のスペーサー部前駆体120が得られ、孔31,32を有するシート状の接続部前駆体130が得られる。振動板11用のグリーンシート110a、110bは、必要無ければ加工は不要である。得られる振動板前駆体110a、110bとスペーサー部前駆体120と接続部前駆体130とを積層すると、図5(a)に示すような前駆体100となる。
希土類酸化物として酸化イットリウム(YOx)を用いることは一例であり、酸化セリウム(YOx)であってもよい。また、第2族元素として酸化カルシウム(CaOx)、酸化マグネシュウム(MgOx)を同モルだけ添加するものであってもよい。
前駆体100はシート状に形成する以外にも、型を用いた転写により形成してもよい。
また、二酸化ケイ素(SiO2)を添加したのは、バインダー等に含まれる炭素を除去することを目的としたものであり、二酸化ケイ素(SiO2)が添加されていなくともよい。
次いで、上記前駆体100を一体焼成し、図5(b)に示すようにセラミック製の基材12を含む流路ユニット本体101を形成する(第2の工程S2)。焼成温度は、一体化されたセラミック製流路ユニット本体が形成される温度であれば特に限定されず、例えば、1300〜1500℃程度とすることができる。焼成前に、焼成温度よりも低い脱脂温度で加熱して前駆体100を脱脂してもよい。更に、脱脂前に、脱脂温度よりも低い乾燥温度で加熱して前駆体を乾燥させてもよい。得られる流路ユニット本体101は、特別な接着処理等を加える必要が無く、各部11,20,30の重ね合わせ面のシール性が得られる。
なお、流路ユニット本体は、セラミック粉体とバインダーと溶媒を含むスラリーを用いるゲルキャスト法等により形成してもよい。
図6は、添加される希土類元素と、ジルコニアの結晶構造との関係を示す図である。図6の各グラフは、横軸を焼成温度とし、縦軸を結晶中の各結晶構造の割合を示す。なお、図6(a)は、立方晶に、図6(b)は、正方晶に、そして、図6(c)は、単斜晶にそれぞれ対応している。また、□は希土類元素が8モル比(%)の場合を、○は希土類元素が2モル比(%)の場合を、△は希土類元素が3モル比(%)の場合をそれぞれ示す。
上記のように、振動板11の第2層11bは、希土類元素又は第2族元素を8モル%以上(□で繋がる線分)含んだグリーンシートを焼成して形成されるため、図6(a)に示すように、ジルコニアの結晶構造が主に立方晶となる。
一方で、振動板11の第1層11aは、希土類元素を約3モル%含んだグリーンシートを焼成して形成されるため、図6(b)に示すように、ジルコニアの結晶構造が主に正方晶となる。
振動板11を含む流路ユニットU0を形成した後、図5(c)に示すように、振動板11上に下電極81、リード電極84(図3(a)参照)、圧電体層82、及び、上電極83を形成する(S3)。電極81,83,84は、スパッター法等といった気相法で形成してもよいし、スピンコート法等といった液相法で形成した塗布膜を加熱する方法等で形成してもよい。スピンコート法等といった液相法によって圧電体層を形成する場合、例えば、PZTを構成する金属の有機物を分散媒に分散した前駆体溶液の塗布工程、例えば170〜180℃程度の乾燥工程、例えば300〜400℃程度の脱脂工程、及び、例えば550〜800℃程度の焼成工程の組合せを複数回行えばよい。不要箇所の電極や圧電体層は、パターニングにより除去してもよい。また、レジストパターンを振動板上に形成し、振動板全面上に電極や圧電体層を形成した後にレジストパターンとともに電極や圧電体層を除去してもよい。
その後、流路ユニットU0、封止プレート40、リザーバープレート50、及び、ノズルプレート60を接合し、制御回路基板91をケーブル類92で圧電素子3に接続する。部材U0,40,50,60間の接合は、プレートと略同じ孔を形成した熱圧着用接着シートを部材間に挟んだ状態で部材同士を熱圧着する方法、液状の接着剤を部材間に塗布する方法、熱圧着性(自己圧着性)を有する部材を用いて部材同士を熱圧着する方法、等が可能である。制御回路基板91の接続は、部材U0,40,50,60間の一部又は全部を接合する前に行ってもよい。
以上により、図3(a),(b)で示したような液体吐出ヘッド1が製造される。
以上、説明したようにこの第1の実施形態では、振動板を異なる結晶構造の層から成る多層構造とすることで、振動板の薄膜化に伴って生じる液の染み出を抑制することができる。そのため、液体吐出ヘッドにおけるノズルの高密度化の要求に沿うことが可能となる。
また、振動板を多層化することで、振動板の内部応力の調整が可能となる。
そして、振動板の結晶構造及び多層化により、流路ユニットUOのヤング率Eや、ポアゾン比νの調整も可能となる。ここで、ヤング率Eやポアゾン比νは、振動板11の変位し易さを示すコンプライアンスCに影響を与える値である。そのため、求めるヤング率Eやポアゾン比νに応じて、本発明に示す結晶構造及び振動板の層数を組み合わせることで、コンプライアンスCの調整が可能となる。
2.第2の実施形態:
図7は、第2の実施形態に係る流路ユニットUOを示す断面図である。この第2の実施形態においても、振動板11の第1層11aと第2層11bとはジルコニアの結晶構造が異なる。特に、この第2の実施形態の液体吐出ヘッド1では、第2層11bのジルコニアの結晶サイズが第1層11aのジルコニアの結晶サイズに比べて大きい。
図8は、液体吐出ヘッド1の製造方法を示す工程図である。
この第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法では、第2層11bの上方に溶液法を用いて第1層11aを形成する。
まず、ジルコニア(ZrOx)に酸化イットリウム(YOx)をモル比で3%、二酸化ケイ素をモル比で2%添加した粉体をバインダー等に分散したペーストをシート状に成形してグリーンシートを形成する。
そして、グリーンシートを必要に応じて加工し、積層する。そしてこれらグリーンシートを焼成することで、図8(a)に示す、第2層11b、スペーサー20、接続部30をそれぞれ形成する(第3の工程)。
なお、第2層11bの製造方法としては、これ以外の製造方法を用いるものであってもよい。
次に、酢酸ジルコニウム(ZrO(C2H3O2)2)と酢酸イットリウム(又は、酢酸イットリウム4水和物:Y(CH3COO)3・4H2O)を混合した前駆体溶液を作成する。次に、前駆体溶液を第2層11b上にスピンコートして均一に塗布し第1層11aの前駆体層を形成する(第4の工程)。ここで、塗布される前駆体溶液は、第2層11bの厚みと比べて薄くなるようその量が調整される。なお、塗布量の調整は、スピンコーターの回転数をもとに調整を行う。
次に、図8(b)に示すように、第2層11bの上方に塗布された前駆体層を脱脂し、600度から700度付近で焼成を行い第1層11aを形成する(第5の工程)。
溶液法を用いることで、第1層11aの焼結温度を粉体から焼成する場合に比べて低い温度とすることができ、第1層11aの結晶成長を抑えることができる。また、第1層11aの結晶は、重ねられた膜厚に応じた結晶サイズとなる。そのため、第1層のジルコニアの結晶サイズは、第2層11bと比べて小さくなる。
また、振動板11の層数を2層以上とする場合は、上記した塗布、脱脂、焼成の工程を振動板の数に応じて繰返す。
以下、図8(c)に示すように、第一の例と同様に、圧電体3を振動板11に形成する。そして、流路ユニットU0、封止プレート40、リザーバープレート50、及び、ノズルプレート60を接合し、制御回路基板91をケーブル類92で圧電素子3に接続する。
この第2の実施形態では、第1の実施形態が奏する効果に加えて、以下の効果を奏する。第2層11b以上を溶液法により成膜するため、振動板11上面の平坦化が促進される。上記のように振動板11の上方には圧電体3が形成されるが、振動板11の上面が平坦化されていることで、圧電体3の形成工程を有効に進めることができる。
3.第3の実施形態:
この第3の実施形態では、上記した第2の実施形態において、振動板11の第1層11aの製造をスパッター法により行う構成が異なる。なお、この第3の実施形態で示す製造方法で製造される、流路ユニットUOは、図4(b)に示すように、振動板11における第1層11aの結晶サイズが、第2層11bの結晶サイズと比べて大きくなる。その結果、振動板11が圧力室21側に撓むこととなり圧縮応力を付与することができる。
まず、第2層11b、スペーサー20、接続部30をそれぞれ形成する。なお、各部の製造方法は、第2に実施形態で示す内容を流用して用いることができる。
次に、第2層11b上に、スパッター法により、ジルコニウムの第1層11aの前駆体を形成する。前駆体を形成する材料としてジルコニウム以外にも、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)が含まれるものであってもよい。これらを用いることで、第2層11bの成分と同属の成分が含まれることとなり、第1層11aと第2層11bとの結合をより強固にすることが可能となる。
次に、前駆体を酸素雰囲気中で600度から700度付近で加熱し、第1層11aを結晶成長させる。
スパッター法により第1層11aを形成することで、緻密な膜を得ることができる。その結果、第2層11bに対する被覆効果を高めることができる。
また、600度から700度付近で熱酸化して、第1層11aを結晶成長させることで、他の実施形態同様、第1層11aと第2層11bとの密度が異なり、振動板11の内部応力の調整を行うことができる。
以下、第一の例と同様に、圧電体3を振動板11に形成する。そして、流路ユニットU0、封止プレート40、リザーバープレート50、及び、ノズルプレート60を接合し、制御回路基板91をケーブル類92で圧電素子3に接続する。
この第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
また、第2の実施形態同様、振動板11の表面の平坦化を向上させることができる。
4.その他の実施形態:
図9は、液体吐出ヘッド1を記録ヘッドとして有するインクジェット式の記録装置である液体吐出装置200の外観を示している。液体吐出ヘッド1を記録ヘッドユニット211,212に組み込むと、液体吐出装置200を製造することができる。図9に示す液体吐出装置200は、記録ヘッドユニット211,212のそれぞれに、液体吐出ヘッド1が設けられ、外部インク供給手段であるインクカートリッジ221,222が着脱可能に設けられている。記録ヘッドユニット211,212を搭載したキャリッジ203は、装置本体204に取り付けられたキャリッジ軸205に沿って往復移動可能に設けられている。駆動モーター206の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト207を介してキャリッジ203に伝達されると、キャリッジ203がキャリッジ軸205に沿って移動する。図示しない給紙ローラー等により給紙される記録シート290は、プラテン208上に搬送され、インクカートリッジ221,222から供給され液体吐出ヘッド1から噴射されるインク滴により印刷がなされる。
本発明は、種々の変形例が考えられる。
第1の実施形態において、第1層11aと第2層11bのグリーンシートの粉体の粒径をそれぞれ異ならせる構成としてもよい。
また、上述した第2及び第3の実施形態において、振動板の第2層をCVD法、レーザーアブレーション法により形成するものであってもよい。
例えば、スペーサー部にもスペーサー部に行う微細加工の程度に応じて希土類元素や、第2族元素等を混ぜ、立方晶である安定化ジルコニアを混ぜることで、スペーサー部の安定性を高めても良い。
液体吐出装置は、印刷中に液体吐出ヘッドが移動しないように固定されて、記録シートを移動させるだけで印刷を行ういわゆるラインヘッド型のプリンターでもよい。
液体吐出ヘッドから吐出される液体は、液体吐出ヘッドから吐出可能な材料であればよく、染料等が溶媒に溶解した溶液、顔料や金属粒子といった固形粒子が分散媒に分散したゾル、等の流体が含まれる。このような流体には、インク、液晶、等が含まれる。液体吐出ヘッドは、プリンターといった画像記録装置の他、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造装置、有機ELディスプレーやFED(電解放出ディスプレー)等の電極の製造装置、バイオチップ製造装置、等に搭載可能である。
圧力室に圧力を与えるための圧電素子は、薄膜型に限定されず、圧電材料と電極材料とを交互に積層させた積層型、縦振動させて各圧力室に圧力変化を与える縦振動型、等でもよい。また、圧電アクチュエーターは、発熱素子の発熱で生じる気泡によってノズルから液滴を噴射させるアクチュエーター、振動板と電極との間に発生させた静電気によって振動板を変形させてノズルから液滴を噴射させるいわゆる静電式アクチュエーター、等でもよい。更には、そのほかの様々な流路ユニットに適用することができる。
振動板は、液体流路を形成するスペーサー部や接続部とは別に焼成されて形成されてからスペーサー部に接合されてもよい。スペーサー部や接続部は、金属、合成樹脂、等、セラミック製でなくてもよい。また、振動板がセラミック製でなくても、本発明を適用可能である。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…液体吐出ヘッド、3…圧電素子、10…振動板部、11…振動板、11a…第1の層、11b…第2の層、20…スペーサー部、21…圧力室、30…接続部、31…供給孔、32…ノズル連通孔、40…封止プレート、50…リザーバープレート、51…リザーバー、60…ノズルプレート、62…ノズル、100…前駆体、110…振動板前駆体、120…スペーサー部前駆体、130…接続部前駆体、200…液体吐出装置、U0…流路ユニット。

Claims (11)

  1. 壁となる振動板を変形させて圧力室内の液体を吐出させる流路ユニットであって、
    前記振動板中の第1層と、第1層の圧力室側に隣接する第2層とは、互いに結晶構造の異なるセラミックス製である、流路ユニット。
  2. 前記第1層を構成する結晶は立方晶を主とし、前記第2層を構成する結晶は正方晶を主とし、前記振動板は圧力室側に撓んでいる、請求項1に記載の流路ユニット。
  3. 前記第1層を構成する結晶は正方晶を主とし、前記第2層を構成する結晶は立方晶を主とし、前記振動板は圧力室側と反対側に撓んでいる、請求項1に記載の流路ユニット。
  4. 壁となる振動板を変形させて圧力室内の液体を吐出させる流路ユニットであって、
    前記振動板中の第1層と、第1層の圧力室側に隣接する第2層とは、セラミックス製であって、含まれる希土類元素及び第2族元素の少なくともいずれかの割合が異なる、流路ユニット。
  5. 前記第1層と前記第2層とはジルコニアを主成分とし、前記第1層は前記第2層と比べて前記含まれる希土類元素及び第2族元素の割合が多く、前記振動板は前記圧力室側に撓んでいる、請求項4に記載の流路ユニット。
  6. 前記第1層と前記第2層とはジルコニアを主成分とし、前記第1層は前記第2層と比べて前記含まれる希土類元素及び第2族元素の割合が少なく、前記振動板は前記圧力室側と反対側に撓んでいる、請求項4に記載の流路ユニット。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の流路ユニットと、ノズルと、を有する液体吐出ヘッド。
  8. 請求項7に記載の液体吐出ヘッドを搭載した、液体吐出装置。
  9. 壁となるセラミックス製の振動板を変形させて圧力室内の液体を吐出させる流路ユニットの製造方法であって、
    積層された少なくとも2以上の前記振動板の基材を含む前駆体を構成する第1の工程と、
    前記前駆体を焼成して複数層から成る振動板を含んだ流路部材を形成する第2の工程と、を有し、
    前記第1の工程で用いられる前記2以上の基材は、含まれる希土類元素及び第2族元素の少なくともいずれかの割合が異なる、流路ユニットの製造方法。
  10. 壁となるセラミックス製の振動板を変形させて圧力室内の液体を吐出させる流路ユニットの製造方法であって、
    前記振動板の一部となる基材を含む前駆体を焼成して前記基材を形成する第3の工程と、
    前記基材と隣接する位置に前駆体層を形成する第4の工程と、
    前記形成された前駆体層を焼成して、前記振動板を形成する第5の工程と、を有する流路ユニットの製造方法。
  11. 前記前駆体層は、少なくとも希土類元素及び第2族元素のいずれかを含んでいる、請求項10に記載の流路ユニットの製造方法。
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