JP6311217B2 - 流路ユニットの製造方法および液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

流路ユニットの製造方法および液体噴射ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、流路ユニットの製造方法および液体噴射ヘッドの製造方法に関する。
液体噴射ヘッドの構成として、インクを噴射するための噴射孔(ノズル)に連通する圧力室と、圧力室の一部の壁面を構成する振動板とを有し、振動板を変形させて圧力室内のインクをノズルから噴射させるものが知られている。
なお、基板の上方に第1電極を形成し、第1電極の上方に前駆体溶液を塗布し、前駆体溶液を乾燥および脱脂して前駆体層を形成し、前駆体にマイクロ波を照射して前駆体層を結晶化し、圧電体層を形成し、圧電体層の上方に第2電極を形成する、圧電素子の製造方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2012‐69622号公報
近年の液体噴射ヘッドにおいて、印刷物等の出力物の高画質化および高速記録化に向けて、ノズルの高密度化(一定距離あたりのノズル数を増やすこと)が進んでいることに鑑み、本発明は少なくとも、ノズルの高密度化の要求に的確に対応することが可能な技術を提供する。
本発明の態様の一つは、振動板を変形させて圧力室内の液体を噴射させる流路ユニットの製造方法であって、上記振動板の前駆体を内部発熱させて焼成し、セラミックス製の上記振動板を形成する焼成工程を含む構成としてある。
本発明によれば、振動板の前駆体を内部発熱させて焼成することにより、セラミックス製の振動板を形成する。このような内部発熱によれば、前駆体に含まれる粒子が発熱することにより、前駆体内で均一的に分散しかつ等方性を持った結晶成長が生じる。これにより、微小な結晶が得られやすい。微小な結晶により形成されたセラミックス製の振動板においては、水分が振動板の一方の面側から他方の面側へ漏れ出ることが困難化し、振動板を介する液漏れが抑制される。すなわち本発明によれば、ノズルの高密度化の実現に必要な振動板の薄膜化を促進しつつ、液漏れの発生を抑制することができる。また本発明は、液漏れを保護膜等によって防止するのではなく、振動板自体の結晶構造により防止するものであるから、保護膜等の形成に要する手間やコストを省くことができる。
本発明の態様の一つは、上記焼成工程では、上記前駆体内の粒子を振動させる電磁波を上記前駆体に照射することによって内部発熱させるとしてもよい。
当該構成によれば、電磁波の照射による誘電加熱により、振動板の前駆体を内部発熱させて焼成することができる。
本発明の態様の一つは、流路ユニットの製造方法は、上記圧力室の少なくとも一部の壁を有する基体の前駆体と、上記振動板の前駆体と、を積層する積層工程を含み、上記焼成工程では、上記積層工程の後に、上記振動板の前駆体とともに上記基体の前駆体を内部発熱させて焼成し、上記振動板と上記基体とを含むセラミックス製の流路ユニットを形成するとしてもよい。
当該構成によれば、振動板の前駆体と基体の前駆体とが内部発熱により一体焼成され、振動板と基体とを含むセラミックス製の流路ユニットが形成される。つまり、基体も振動板とともに微小な結晶により形成されることとなり、反り、歪み、厚みのばらつき、圧力室の形成間隔のばらつき、等といった形状誤差が殆ど無い基体(基体を含む流路ユニット)が得られる。また、振動板の前駆体と基体の前駆体とを内部発熱により一体焼成するという簡素なプロセスにより流路部材が得られるため、少ない手間にて(低いコストで)流路ユニットを製造することができる。
本発明の態様の一つは、上記焼成工程より先に、上記焼成の温度よりも低い温度によって上記振動板の前駆体を加熱する前加熱工程を開始するとしてもよい。
当該構成によれば、焼成工程より先に前加熱工程を開始するため、焼成工程による内部発熱の効率向上や、前駆体の形状維持に資する。
本発明の態様の一つは、上記振動板の前駆体は、ジルコニアを主成分とし、希土類元素および第2族元素の少なくともいずれかの元素を含むとしてもよい。
当該構成によれば、前駆体は、ジルコニアを主成分としつつ希土類元素及び又は第2族元素が添加されていることにより、結晶の安定や誘電率の向上等につながり、焼成後において高品質な製品が得られる。
本発明にかかる技術的思想は、流路ユニットの製造方法という形態のみで実現されるものではない。例えば、流路ユニットを構成として含む液体噴射ヘッドの製造方法や、これら製造方法によって製造された物(液体噴射ヘッドや流路ユニット)も、それぞれ一つの発明として捉えることができる。また、液体噴射ヘッドを搭載した装置(液体噴射装置)や、当該装置を製造する方法も、それぞれ一つの発明として捉えることが可能である。
液体噴射ヘッドの構成を模式的に例示する分解斜視図。 (a)は図1のA1‐A1の位置における液体噴射ヘッドの断面図、(b)は図1のA2‐A2の位置における液体噴射ヘッドの断面図。 液体噴射ヘッドの製造方法における各工程を例示する図。 液体噴射ヘッドの製造方法の一部の工程に対応する状態を例示する断面図。 加熱装置を簡易的に例示する図。 内部発熱による焼成で得られた振動板の一部範囲を模式的に例示する図。 液漏れに関する実験結果を示す図。 画質評価の結果を示す図。 液体噴射装置の構成の概略を例示する図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
1.流路ユニット及び液体噴射ヘッドの概要の例示
図1は、流路ユニットU0を含む液体噴射ヘッド1の構成の概略を例示している。
図2(a)は、液体噴射ヘッド1を、図1のA1‐A1の位置での断面図により示している。
図2(b)は、液体噴射ヘッド1を、図1のA2−A2の位置での断面図により示している。
上述した図中、符号D1は流路ユニット(流路部材)U0の厚み方向を示している。符号D3は、流路ユニットU0の長手方向を示し、符号D4は、流路ユニットU0の短手方向を示している。各方向D1,D3,D4は、互いに直交するものとするが、互いに交わっていれば直交していなくてもよい。分かり易く示すため、各方向D1,D3,D4の拡大率は異なることがあり、圧電素子3の面積率も異なることがあり、各図は整合していないことがある。
本明細書で説明する位置関係は、発明を説明するための例示に過ぎず、発明を限定するものではない。従って、圧力室の上以外の位置、例えば、下、左、右、等に振動板が配置されることも、本発明に含まれる。また、方向や位置等の同一、直交、等は、厳密な同一、直交、等のみを意味するのではなく、製造時等に生じる誤差も含む意味である。更に、接すること、及び、接合することは、間に接着剤等の介在するものが有ることと、間に介在するものが無いこととの両方を含む。
図1に例示する液体噴射ヘッド1は、符号10,20,30の各部を有する流路ユニットU0と、圧力室21に連通するノズル62と、を備え、インク(液体)を噴射(吐出)するインクジェット式記録ヘッドである。図9に例示する液体噴射装置200は、前述のような液体噴射ヘッドを搭載したインクジェットプリンター(記録装置)である。
振動板部10は、振動板11、圧電素子3、リード電極84、等を有する圧電アクチュエーターである。振動板部10は、駆動信号SG1に応じて変形して圧力室21内の液体に圧力を加える。
振動板11は、セラミックス製であり、スペーサー部20の一方の面(表面20a)を封止する。振動板11の、スペーサー部20と接する裏面11bとは反対側の表面11aに圧電素子3、リード電極84、等が設けられている。振動板11の裏面11bは、圧力室21の壁面の一部を構成する。すなわち、圧力室21の壁の一部である振動板11は、圧電素子3により駆動信号SG1に応じた変形をする。振動板11は、矩形板状でもよいし、矩形板状でなくてもよい。
圧電素子3は、圧電体層82と、該圧電体層の圧力室21側に設けられた下電極(第一電極)81と、圧電体層82の他方側に設けられた上電極(第二電極)83とを有する圧力発生部である。図1に示す各圧電素子3は、各圧力室21に対応した位置にある。圧電素子3を駆動制御するための制御回路基板91は、例えば、上電極83に対してフレキシブル基板等といったケーブル類92を介して接続される。電極81,83の一方は、共通電極にされてもよい。上下電極の構成金属には、例えば、Pt(白金)、Au(金)、Ir(イリジウム)、Ti(チタン)、等の一種以上を用いることができる。圧電体層82には、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)といった強誘電体、非鉛系ペロブスカイト型酸化物といったペロブスカイト構造を有する材料等を用いることができる。リード電極84は、下電極81に接続されてもよいし、上電極83に接続されてもよい。
スペーサー部20には、厚み方向D1へ貫通した圧力室21が形成されている。このスペーサー部20が振動板11と接続部30とに挟まれることにより、圧力室21が流路ユニットU0の内部に設けられる。スペーサー部20は、矩形板状でもよいし、矩形板状でなくてもよい。各圧力室21は、長手方向を流路ユニットU0の短手方向D4に向けた長尺状に形成され、流路ユニットU0の長手方向D3へ複数並べられている。圧力室21同士の間は、隔壁22とされる。圧力室21内の液体には、壁の一部である振動板11の変形により圧力が加わる。流路ユニットU0の長手方向D3へ並んだ圧力室21の列は、流路ユニットU0の短手方向D4へ複数並べられてもよい。
接続部30には、各圧力室21に連通する位置で厚み方向D1へ貫通した液体の供給孔31及び連通孔32が形成されている。すなわち、接続部30は、孔31,32を除いてスペーサー部20における表面20aとは反対側の他方の面(裏面20b)を封止する。接続部30は、矩形板状でもよいし、矩形板状でなくてもよい。各供給孔31は各圧力室21の長手方向(D4)の一端に対応する位置に設けられ、各連通孔32は各圧力室21の長手方向(D4)の他端に対応する位置に設けられている。孔31,32及び圧力室21は、流路ユニットU0の流路F1となる。本実施形態においては、流路ユニットU0の構成のうち、少なくともスペーサー部20は、特許請求の範囲における「基体」に該当する。流路ユニットU0は、少なくとも振動板11と基体とを含む構成である。また以下では、スペーサー部20と接続部30(接続部30の一部)とが基体に該当するものとして説明を続ける。
接続部30の裏面30bに接合される封止プレート40には、厚み方向D1へ貫通した液体の共通供給孔41、連通孔42、及び、リザーバー51への液体導入孔43(図2(a)参照)が形成されている。共通供給孔41は、長手方向を封止プレート40の長手方向D3に向けた長尺状に形成され、接続部30の複数の供給孔31に連通する位置に設けられている。各連通孔42は、接続部30の各連通孔32に連通する位置に設けられている。液体導入孔43は、流路ユニットU0に接しない位置に設けられている。封止プレートの裏面40bは、リザーバー51の壁面の一部を構成する。
リザーバープレート50には、厚み方向D1へ貫通したリザーバー51及び連通孔52が形成されている。リザーバー51は、共通供給孔41と液体導入孔43とに連通した共通液室(共通インク室)である。各連通孔52は、封止プレートの各連通孔42に連通する位置に設けられている。
ノズルプレート60には、各連通孔52に連通する位置で厚み方向D1へ貫通したノズル62が形成されている。ノズルプレート60の裏面は、ノズル62から液滴を噴射するノズル面60bとされる。図1に示すノズルプレート60は、各圧力室21に連通するノズル62が所定方向(D3)へ所定間隔(ノズルピッチP)で並べられたノズル列を有している。複数のノズル62は、いわゆる千鳥状に配置されてもよい。
液体噴射ヘッド1は、封止プレート40やリザーバープレート50を必ずしも備える必要は無い。例えば、封止プレート40が無い場合にはリザーバープレート50を流路ユニットU0へ接合することができ、リザーバープレート50も無い場合にはノズルプレート60を流路ユニットU0へ接合することができる。封止プレート40やリザーバープレート50を設けない場合は、これらプレートの機能を他のプレートに担わせる。また、液体噴射ヘッド1はいわゆるコンプライアンスプレート等の他のプレートを備えていてもよく、例えば、コンプライアンスプレートがリザーバープレート50とノズルプレート60との間に配置されてもよい。更に、上述したプレートのいずれかが複数のプレートで構成されてもよいし、逆に、複数のプレートの機能を一枚のプレートが備えるとしてもよい。
上述した液体噴射ヘッド1において、インク等の液体は、液体導入孔43から導入されてリザーバー51内を満たし、共通供給孔41及び個別の供給孔31を通って圧力室21内を満たす。制御回路基板91からの駆動電圧(駆動信号SG1)に応じて振動板11を圧力室21側へ撓ませるように圧電素子3が変形すると、それに応じて振動板11も変形する。振動板11の変形により圧力室21内の液体の圧力が高まり、連通孔32,42,52を介してノズル62から液滴が噴射される。
図2(b)等を参照して、本実施形態が想定する課題(課題の一部)を説明する。ノズル62を高密度化するには、ノズル62のピッチPを狭くする必要がある。ノズルピッチPを狭くするには、圧力室21の幅Wを狭くする必要がある。圧力室の幅Wが狭くなると、振動板が一つの圧力室に対して臨む部分の面積も狭くなり、振動板の変位量(振動板が1回の変形によって圧力室から排除できる液体量)が低下してしまう。この変位量の低下を抑えるためには、振動板厚Tを例えば1〜3μm程度と薄くしなければならない。しかし、セラミック製の振動板を薄くすると、振動板から液漏れが発生する。セラミック製の振動板の前駆体は、グリーンシート、スラリー、といったものであり、粉体の形状を留めるためにバインダーが多く含まれている。また、粉体を焼成することにより振動板が形成されるため、焼成後の結晶粒界部に隙間が発生し易い。このような隙間による「液漏れ」は振動板が厚い場合には、途中で液が止まり、顕在化していなかった。したがって、液漏れは振動板の厚みについて薄く極限を追求するようになって顕在化した問題と言える。
また、振動板を薄くしても液漏れが生じないようにするため、圧力室に面した振動板の表面をパラキシリレン系のポリマー等でコーティングする(保護膜を形成する)方法も考えられる。しかし、当該コーティングに要する手間や部材による液体噴射ヘッドのコストアップの他、使用中にコーティングが剥がれるという耐久性の問題、パラキシリレン系のポリマーの付着により接合相手の基板やプレートとの接着強度が低下するという問題等が考えられる。更に、漏れ出る液は、原液インクと染料又は顔料濃度が大きく異なる場合がある。これは、インク中の粒子がフィルタリングされるためである。故に、液漏れはインク濃度のばらつきを生み、液漏れを抑制しなければ液体噴射ヘッドの歩留まり低下を招く。
2.液体噴射ヘッド製造方法の例示
次に、図1,2とともに図3,4を参照して、液体噴射ヘッドの製造方法を例示する。液体噴射ヘッドの製造方法は、流路ユニットの製造方法を含んでいる。
図3は、液体噴射ヘッドの製造方法における各工程をフローチャート形式で示している。
図4は、液体噴射ヘッドの製造方法の一部の工程に対応する状態を、流路ユニットU0の長手方向D3に沿った垂直断面により例示している。
前駆体形成工程(ステップS1)では、まず、振動板11の前駆体111と、基体(スペーサー部20、接続部30)の前駆体120,130を形成する。例えば、ジルコニア(ZrO)に、モル比で、酸化イットリウム(Y)を6%程度、酸化カルシウム(CaO)を2%程度、酸化アルミニウム(Al)を2%程度、二酸化ケイ素(SiO)を2%程、添加したセラミックス粉体をバインダー等に分散したペーストをシート状にした、グリーンシートを形成する。必要に応じて当該グリーンシートを加工して、前駆体111とする。
また、ジルコニアに、モル比で、酸化イットリウムを3%程度、酸化カルシウムを2%程度、酸化アルミニウムを2%程度、二酸化ケイ素を2%程、添加したセラミックス粉体をバインダー等に分散したペーストをシート状にした、グリーンシートを形成する。当該グリーンシートは、スペーサー部20用のグリーンシート及び接続部30用のグリーンシートであり、切断や切削や打ち抜き等といった機械加工やレーザー加工を施す。これにより、圧力室21を有するシート状の前駆体120が得られ、かつ、孔31,32を有するシート状の前駆体130が得られる。
そして、前駆体111,120,130は、図4(a)に示すように積層されて(積層工程)、前駆体100となる。なお、前駆体120,130は、それぞれが別のシートではなく、まとめて一枚状に形成されたシートであってもよい。また、これら前駆体111,120,130は、セラミックス粉体とバインダーと溶媒を含むスラリーを用いるゲルキャスト法等により形成してもよい。以上が、前駆体形成工程である。
上記各添加物の添加量(モル比)は、上述の数値に限定されるものではない。酸化イットリウムや酸化カルシウムは、後述の焼成工程(ステップS3)において結晶を安定化させる目的で添加されるものである。同様の目的で、上記添加物の少なくとも一部に替えてあるいは上記添加物に加えて、酸化マグネシウム(MgO)、酸化バリウム(BaO)、酸化セリウム(CeO)の一部あるいは組み合わせを、ジルコニアに添加してもよい。また、二酸化ケイ素は、上記安定化に寄与するだけでなく、前駆体111,120,130からの炭素の除去効果を上げる役割も果たす。さらに、これらの添加物は、後述の焼成工程(ステップS3)において粉体の誘電率を向上させる効果も有する。イットリウムやセリウムは、希土類元素の一種である。また、カルシウムやマグネシウムやバリウムは、第2族元素の一種である。したがって、前駆体111,120,130は、例えば、ジルコニアを主成分とし、希土類元素および第2族元素の少なくともいずれかの元素を含むものであるとも言える。
次に、図5に例示するような加熱装置300の筺体内の試料台301に、前駆体100を置く。そして、加熱装置300が備えるヒーター(不図示)により、例えば、100℃〜300℃程度の低温で前駆体100を加熱し、前駆体111,120,130を一体的に脱脂する脱脂工程を行う(ステップS2)。
次に、加熱装置300内において、導波管302から、例えば2.45GHz程度のマイクロ波を所定時間照射することにより、前駆体100(前駆体111,120,130)を一体焼成する焼成工程を行う(ステップS3)。マイクロ波が照射されることで、いわゆる誘電加熱の原理により誘電体(前駆体100)内の粒子が振動し、前駆体100が内部発熱する。すなわち、前駆体100を構成する粉体自体が発熱する。内部発熱による焼成温度は、例えば、1300℃以上である。かかる焼成により、振動板11とスペーサー部20と接続部30とが一体的に接合したセラミックス焼成物としての流路ユニットU0が得られる(図4(b))。
なお、焼成工程は、脱脂工程を終えてから開始するのではなく、脱脂工程の途中から開始する。つまり、脱脂工程と焼成工程とは、一部並行して行われる。したがって、脱脂工程は、焼成工程より先に焼成温度よりも低い温度によって振動板の前駆体(および基体の前駆体)を加熱する前加熱工程の一例に該当する。
次に、加熱装置300から流路ユニットU0を取り出した後、図4(c)に示すように、振動板11上に下電極81、リード電極84(図2(a)参照)、圧電体層82、及び、上電極83を形成する(圧電素子形成工程、ステップS4)。電極81,83,84は、スパッタ法等といった気相法で形成してもよいし、スピンコート法等といった液相法で形成した塗布膜を加熱する方法等で形成してもよい。スピンコート法等といった液相法によって圧電体層を形成する場合、例えば、PZTを構成する金属の有機物を分散媒に分散した前駆体溶液の塗布工程、例えば170〜180℃程度の乾燥工程、例えば300〜400℃程度の脱脂工程、及び、例えば550〜800℃程度の焼成工程の組合せを複数回行えばよい。不要箇所の電極や圧電体層は、パターニングにより除去してもよい。また、レジストパターンを振動板上に形成し、振動板全面上に電極や圧電体層を形成した後にレジストパターンとともに電極や圧電体層を除去してもよい。
その後、流路ユニットU0、封止プレート40、リザーバープレート50、及び、ノズルプレート60を接合し(接合工程、ステップS5)、制御回路基板91をケーブル類92で圧電素子3に接続する(基板接続工程、ステップS6)。部材U0,40,50,60間の接合は、プレートと略同じ孔を形成した熱圧着用接着シートを部材間に挟んだ状態で部材同士を熱圧着する方法、液状の接着剤を部材間に塗布する方法、熱圧着性(自己圧着性)を有する部材を用いて部材同士を熱圧着する方法、等が可能である。なお、上記プレート40,50,60の材料には、例えば、ステンレスやニッケルといった金属、合成樹脂、セラミックス、等の一種以上を用いることができる。制御回路基板91の接続は、部材U0,40,50,60間の一部又は全部を接合する前に行ってもよい。
以上により、図2(a),(b)で示したような液体噴射ヘッド1が製造される。
3.液体噴射ヘッド製造方法による効果
次に、上述したような製造方法を採用したことによる効果を説明する。
マイクロ波の照射を受けた誘電体が吸収するエネルギーPは、次式(1)により示される。
Figure 0006311217
εは真空の誘電率、εは誘電体の比誘電率、δは誘電損失角、ωは角周波数、Eは電界強度、Vsは誘電体の体積、を示す。
式(1)から判るように、エネルギーPは、誘電体の誘電率(比誘電率)に応じて高くなる。また、誘電率は、温度の上昇に伴って上昇することも知られている。本実施形態では、上述したように前加熱(脱脂工程)の一部と並行してマイクロ波による焼成を実行する。つまり、当該前加熱を行うこと、および、前駆体がジルコニアを主成分としつつ結晶安定化および誘電率向上のための上記添加物を含むこと、による効果で、誘電体において高い誘電率が得られ誘電体が吸収するエネルギーPが増大する。これにより、効率的に誘電体(前駆体)の焼成(内部発熱)が行われ、結晶が安定した焼成物としての流路ユニットU0が得られる。また、前加熱(脱脂工程)の一部と並行してマイクロ波による焼成を実行することにより、前駆体はバインダーによって形状を精度良く維持した状態から形状を崩すことなく焼成される、という効果も生じる。
本実施形態のようにマイクロ波の照射によって前駆体を内部発熱させる手法によれば、前駆体に含まれる各粒子が発熱することにより、前駆体内において、均一的に分散しかつ等方性を持った結晶成長が生じる。これは、電気炉等によって前駆体を表面から加熱する場合の結晶成長の特徴と大きく異なる。前駆体を表面から加熱する場合、前駆体内において表面に近い部分と遠い部分との間に温度傾斜が生じる。温度傾斜が生じると、結晶は温度傾斜の方向に沿って柱状的に成長する傾向が見られる。一方、本実施形態のような内部発熱によれば、上述したような温度傾斜は殆ど無く、故に、結晶は柱状的な成長ではなく、上述したように均一的に分散した各位置で等方性を持って成長する。このような結晶成長によれば、柱状的な成長が起きた場合と比較して微細な結晶が得られやすい。
図6は、本実施形態にかかるマイクロ波による内部発熱を用いた焼成工程により得られた振動板11の一部範囲を、模式的に例示している。また図6では、右側の括弧内に、電気炉によって前駆体を表面から加熱することにより焼成された振動板11の一部範囲を比較例として例示している。(比較例よりも)多数の微細で等方的な結晶により形成されたセラミックス製の振動板11においては、水分が圧力室21の一部の壁を構成する面側(裏面11b側)から他方の面側(表面11a側)へ漏れ出るまでに通過すべき結晶の隙間の経路が複雑化かつ長距離化している。また、各結晶が微細であるため、粒界に欠陥が生じにくい。そのため、裏面11b側から表面11a側への水分の通過が途中で止まりやすく、液漏れが抑制される。一方、比較例のように柱状的に成長した結晶構造では、水分が裏面11b側から表面11a側へ漏れ出るまでに通過すべき結晶の隙間の経路が単純化かつ短距離化しており、かつ、結晶が微細でないために粒界に欠陥が多く発生している。そのため、比較例の方が、液漏れが発生し易い。
図7は、本実施形態にかかるマイクロ波による内部発熱を用いた焼成工程によって得られた流路ユニットU0と、電気炉によって前駆体を表面から加熱する焼成工程によって得られた流路ユニット(図7における比較例)とについて行った液漏れ実験の結果を示している。当該実験では、本実施形態にかかる流路ユニットU0、比較例にかかる流路ユニットそれぞれについて、振動板の板厚が異なる複数のサンプルを製造し、各サンプルで、インク滴を繰り返し噴射させ、10回、10回、10回、10回、および、1010回噴射させた時点の液漏れの状態を調べた。図中において、丸(○)、三角(△)、バツ印(×)は、それぞれ、顕微鏡観察の結果、液漏れが見られないこと、顕微鏡観察で液漏れの痕跡は見られるが止まっておりインク滴が正常に噴射されること、液漏れが継続的に見られる(製品として使用不可である)こと、を表す。
図7によれば、振動板が4μmというある程度の厚みを有する場合は、本実施形態と比較例ともに、液漏れは見られない。また、噴射回数がある程度少ない段階(10回以下)においては、本実施形態と比較例ともに、液漏れは見られない。しかしながら、振動板の板厚が3.5μm以下に薄膜化されると効果に差が表れ、10回あるいは1010回の噴射回数の時点で、本実施形態では使用不可となる程の液漏れは生じない一方、比較例では使用不可となる程の液漏れが生じる。すなわち本実施形態によれば、振動板の薄膜化と、液漏れ抑制(液体噴射ヘッド1の歩留まり向上)とを両立することができる。また、このような液漏れを、保護膜によって防止するのではなく、振動板11自体の結晶構造により防止するものである。そのため、保護膜の形成に要する手間やコストを省き(液体噴射ヘッドのコストダウン)、かつ、保護膜の存在に起因する耐久性低下の問題や接着強度低下の問題も同時に解決することができる。
また本実形態によれば、上記マイクロ波による内部発熱を用いた焼成工程により、振動板と同様、多数の微細で等方的な結晶により形成された基体が得られる。つまり、電気炉等によって前駆体を表面から加熱して焼成する方法よりも温度傾斜が少ない分、焼成時のセラミックス粉体の収縮に異方性が少ないため、収縮のばらつきに起因して発生し得る基体の反り、歪み、厚みのばらつき、圧力室21の形成間隔のばらつき、等といった形状誤差が殆ど無い。このような形状誤差は、記録媒体に対する液滴の着弾位置のずれや、噴射される液体のサイズの誤差などを生み、画質劣化に通じる。本実施形態によれば、ノズルの高密度化の要請に応じて圧力室21を高密度化した構成において、このような形状誤差が極めて少ない理想的な形状の基本(基体を含む流路ユニットU0)が得られるため、高画質かつ高速な印刷の要請に確実に応える基本(基体を含む流路ユニットU0)を提供することができる。
図8は、本実施形態にかかるマイクロ波による内部発熱を用いた焼成工程によって得られた流路ユニットU0と、電気炉によって前駆体を表面から加熱する焼成工程によって得られた流路ユニット(図8における比較例)とについて行った画質評価の結果を示している。当該評価では、本実施形態にかかる流路ユニットU0、比較例にかかる流路ユニットそれぞれについて、ノズル密度(1インチあたりのノズル数;npi)およびノズル列を構成するノズル数が異なる複数のサンプルを製造し、各サンプルでインク滴を10回噴射させた時点の印刷結果の画質(印刷濃度のムラ)を、目視により所定基準の下で評価した。ノズル列を構成するノズル数とは、流路ユニットU0の短手方向D4における位置は同じであり且つ長手方向D3にノズルピッチPで並ぶノズルの数を指す。図中において、丸(○)、バツ印(×)は、それぞれ、上記ムラが見られないこと、上記ムラが見られる(画質劣化有りである)こと、を表す。図8によれば、比較例にかかる流路ユニットでは、ノズル列のノズル数が300以上であるかノズル密度が300npi以上である構成において画質劣化が認められる(図8(b))。一方、本実施形態にかかる流路ユニットU0では、600npiかつノズル数600という高密度かつ多数のノズルを備える構成においても、画質劣化は認められなかった(図8(a))。
このように本実施形態によれば、振動板の薄膜化、振動板における液漏れの的確な抑制、従来と比較して簡素なプロセスによるコストダウン、耐久性および強度の向上、歩留まり向上、ノズルの高密度化による高画質かつ高速な印刷の実現、といった複数の効果を奏する製品および製品の製造方法が提供される。さらに本実施形態によれば、焼成時のセラミックス粉体の収縮にばらつきが少ないため、多数の流路ユニットU0に相当する焼成物を生成し、かかる焼成物を切り分けて多数の流路ユニットU0を得る、いわゆる多数個取りを行う際にも、それぞれに形状誤差が少ない高品質な流路ユニットU0を得ることができる。
なお本実施形態では、振動板11の前駆体111については、一例として、酸化イットリウムの添加量をジルコニアに対してモル比で6%程度としているが、これにより、焼成されたときに立方晶を比較的多く含む、完全安定化ジルコニアに近い組成が得られる。振動板11は基体の部分と比較して薄膜であるため、強度および結晶の安定性を優先してこのような組成としているのである。一方、基体の前駆体120,130については、一例として、酸化イットリウムの添加量をジルコニアに対してモル比で3%程度としているが、これは、焼成されたときに立方晶と正方晶との混晶である、部分安定化ジルコニアに近い組成が得られる。一般に、立方晶は正方晶よりも大きく結晶成長する傾向にあることが知られている。そこで、緻密な形状が求められる基体に関しては、結晶が比較的小さな正方晶の割合を多くすることにより、焼成時の収縮による形状のばらつき等を抑えて形状誤差の少ない部品を得ようとしているのである。本実施形態では、このような状況において、マイクロ波の照射によって前駆体を内部発熱させることにより、一般には大きく結晶成長する傾向にある立方晶についても、より微結晶化を促進することができる。そのため、上述した組成の振動板11についても、電気炉等で前駆体を表面から加熱する焼成方法で形成された場合と比較して微結晶化が進んでおり、結果、焼成時の収縮による形状のばらつき等が抑制された形状誤差の少ない部品が得られる。
さらに、立方晶についてより微結晶化を促進することができるという見地に立てば、振動板11および基体のいずれについても、立方晶を主とした組成、つまり完全安定化ジルコニアによって構成してもよい。すなわち本実施形態によれば、立方晶であっても、緻密な形状が求められる基体を構成する結晶として求められる程度の十分微細な結晶とすることができるため、基体も完全安定化ジルコニアによって構成し、結晶の安定化と形状誤差の無い緻密な形状との両立を図ることができる。
4.変形例
以下に、本実施形態にかかる変形例を示す。
変形例1:
焼成工程(ステップS3)においては、マイクロ波の照射による前駆体の温度上昇を、上述の実施形態よりも低くし(例えば、1000℃〜1200℃程度とし)、仮焼成状態の焼成物(振動板と基体とが一体的に接合した焼成物)を得るとしてもよい。その後、当該焼成物を電気炉において、1300℃〜1400℃程度の温度で加熱し本焼成を行う。かかる変形例1においては、上記仮焼成を行うことでセラミックス粉体の柱状的な成長が抑制されるため、上述の実施形態と同様に、振動板における液漏れの抑制効果に優れ、かつ、形状誤差が少ない高品質な流路ユニットU0が得られる。
変形例2:
焼成工程(ステップS3)においては、図5に示した試料台301を金属製とすることにより、誘電加熱(内部発熱)と誘導加熱とを併用して、前駆体に対する加熱を行うとしてもよい。つまり、マイクロ波が試料台301(金属)にも当ることで試料台301内に磁界が発生し、当該磁界の発生に応じて、試料台301にうず電流が流れる。この結果、うず電流と金属の電気抵抗でジュール熱が発生し前駆体が加熱される。かかる変形例2によれば、誘導加熱により前駆体の加熱が促進されることにより前駆体の誘電率が向上する。また、振動板の前駆体は、試料台301から遠い側に在るため、振動板の前駆体内において温度傾斜が生じることが抑制され(振動板の前駆体において柱状的な結晶成長が抑制され)、上述の実施形態と同様に、液漏れの抑制効果に優れた振動板を有する流路ユニットU0が得られる。
5.液体噴射装置の例
図9は、上述した液体噴射ヘッド1を記録ヘッドとして有するインクジェット式の記録装置である液体噴射装置200の外観を示している。液体噴射ヘッド1を記録ヘッドユニット211,212に組み込むと、液体噴射装置200を製造することができる。図9に示す液体噴射装置200は、記録ヘッドユニット211,212のそれぞれに、液体噴射ヘッド1が設けられ、外部インク供給手段であるインクカートリッジ221,222が着脱可能に設けられている。記録ヘッドユニット211,212を搭載したキャリッジ203は、装置本体204に取り付けられたキャリッジ軸205に沿って往復移動可能に設けられている。駆動モーター206の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト207を介してキャリッジ203に伝達されると、キャリッジ203がキャリッジ軸205に沿って移動する。図示しない給紙ローラー等により給紙される記録媒体290は、プラテン208上に搬送され、インクカートリッジ221,222から供給され液体噴射ヘッド1から噴射されるインク滴により印刷がなされる。
6.応用、その他
上記焼成工程において前駆体に照射する電磁波はマイクロ波以外の周波数帯の電磁波でもよい。つまり、セラミックス粉体の前駆体を所定温度で焼成できる電磁波であればよい。
また、振動板は、液体流路を形成するスペーサー部や接続部とは別に電磁波の照射により焼成されて形成されてから、スペーサー部に接合されてもよい。
また、記録装置は、印刷中に液体噴射ヘッドが移動しないように固定されて、記録シートを移動させるだけで印刷を行ういわゆるラインヘッド型のプリンターでもよい。
流体噴射ヘッドから吐出される液体は、液体噴射ヘッドから吐出可能な材料であればよく、染料等が溶媒に溶解した溶液、顔料や金属粒子といった固形粒子が分散媒に分散したゾル、等の流体が含まれる。このような流体には、インク、液晶、等が含まれる。液体噴射ヘッドは、プリンターといった画像記録装置の他、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造装置、有機ELディスプレーやFED(電解放出ディスプレー)等の電極の製造装置、バイオチップ製造装置、等に搭載可能である。
圧力室に圧力を与えるための圧電素子は、図2(a),(b)で示したような薄膜型に限定されず、圧電材料と電極材料とを交互に積層させた積層型、縦振動させて各圧力室に圧力変化を与える縦振動型、等でもよい。また、圧電アクチュエーターは、発熱素子の発熱で生じる気泡によってノズルから液滴を噴射させるアクチュエーター、振動板と電極との間に発生させた静電気によって振動板を変形させてノズルから液滴を噴射させるいわゆる静電式アクチュエーター、等でもよい。更には、そのほかの様々な流路ユニットに適用することができる。
また、上述した実施形態や変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…液体噴射ヘッド、3…圧電素子、10…振動板部、11…振動板、11a…表面、11b…裏面、20…スペーサー部、21…圧力室、30…接続部、31…供給孔、32…連通孔、40…封止プレート、50…リザーバープレート、51…リザーバー、60…ノズルプレート、62…ノズル、100,111,120,130…前駆体、200…液体噴射装置、300…加熱装置、301…試料台、302…導波管、U0…流路ユニット

Claims (5)

  1. 振動板を変形させて圧力室内の液体を噴射させる流路ユニットの製造方法であって、
    上記振動板の前駆体を内部発熱させて焼成し、セラミックス製の上記振動板を形成する焼成工程と、
    上記焼成工程より先に開始され、上記焼成の温度よりも低い温度によって上記振動板の前駆体を加熱する前加熱工程と、を含み、
    上記前加熱工程の途中から上記焼成工程を開始することにより上記前加熱工程と上記焼成工程との一部を並行して実行することを特徴とする流路ユニットの製造方法。
  2. 上記焼成工程では、上記前駆体内の粒子を振動させる電磁波を上記前駆体に照射することによって内部発熱させることを特徴とする請求項1に記載の流路ユニットの製造方法。
  3. 上記圧力室の少なくとも一部の壁を有する基体の前駆体と、上記振動板の前駆体と、を積層する積層工程を含み、
    上記焼成工程では、上記積層工程の後に、上記振動板の前駆体とともに上記基体の前駆体を内部発熱させて焼成し、上記振動板と上記基体とを含むセラミックス製の流路ユニットを形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流路ユニットの製造方法。
  4. 上記振動板の前駆体は、ジルコニアを主成分とし、希土類元素および第2族元素の少なくともいずれかの元素を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の流路ユニットの製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の流路ユニットの製造方法を含む、液体噴射ヘッドの製造方法。
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