JP6311217B2 - 流路ユニットの製造方法および液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Description
当該構成によれば、電磁波の照射による誘電加熱により、振動板の前駆体を内部発熱させて焼成することができる。
当該構成によれば、振動板の前駆体と基体の前駆体とが内部発熱により一体焼成され、振動板と基体とを含むセラミックス製の流路ユニットが形成される。つまり、基体も振動板とともに微小な結晶により形成されることとなり、反り、歪み、厚みのばらつき、圧力室の形成間隔のばらつき、等といった形状誤差が殆ど無い基体(基体を含む流路ユニット)が得られる。また、振動板の前駆体と基体の前駆体とを内部発熱により一体焼成するという簡素なプロセスにより流路部材が得られるため、少ない手間にて(低いコストで)流路ユニットを製造することができる。
当該構成によれば、焼成工程より先に前加熱工程を開始するため、焼成工程による内部発熱の効率向上や、前駆体の形状維持に資する。
当該構成によれば、前駆体は、ジルコニアを主成分としつつ希土類元素及び又は第2族元素が添加されていることにより、結晶の安定や誘電率の向上等につながり、焼成後において高品質な製品が得られる。
図1は、流路ユニットU0を含む液体噴射ヘッド1の構成の概略を例示している。
図2(a)は、液体噴射ヘッド1を、図1のA1‐A1の位置での断面図により示している。
図2(b)は、液体噴射ヘッド1を、図1のA2−A2の位置での断面図により示している。
上述した図中、符号D1は流路ユニット(流路部材)U0の厚み方向を示している。符号D3は、流路ユニットU0の長手方向を示し、符号D4は、流路ユニットU0の短手方向を示している。各方向D1,D3,D4は、互いに直交するものとするが、互いに交わっていれば直交していなくてもよい。分かり易く示すため、各方向D1,D3,D4の拡大率は異なることがあり、圧電素子3の面積率も異なることがあり、各図は整合していないことがある。
振動板部10は、振動板11、圧電素子3、リード電極84、等を有する圧電アクチュエーターである。振動板部10は、駆動信号SG1に応じて変形して圧力室21内の液体に圧力を加える。
リザーバープレート50には、厚み方向D1へ貫通したリザーバー51及び連通孔52が形成されている。リザーバー51は、共通供給孔41と液体導入孔43とに連通した共通液室(共通インク室)である。各連通孔52は、封止プレートの各連通孔42に連通する位置に設けられている。
液体噴射ヘッド1は、封止プレート40やリザーバープレート50を必ずしも備える必要は無い。例えば、封止プレート40が無い場合にはリザーバープレート50を流路ユニットU0へ接合することができ、リザーバープレート50も無い場合にはノズルプレート60を流路ユニットU0へ接合することができる。封止プレート40やリザーバープレート50を設けない場合は、これらプレートの機能を他のプレートに担わせる。また、液体噴射ヘッド1はいわゆるコンプライアンスプレート等の他のプレートを備えていてもよく、例えば、コンプライアンスプレートがリザーバープレート50とノズルプレート60との間に配置されてもよい。更に、上述したプレートのいずれかが複数のプレートで構成されてもよいし、逆に、複数のプレートの機能を一枚のプレートが備えるとしてもよい。
次に、図1,2とともに図3,4を参照して、液体噴射ヘッドの製造方法を例示する。液体噴射ヘッドの製造方法は、流路ユニットの製造方法を含んでいる。
図3は、液体噴射ヘッドの製造方法における各工程をフローチャート形式で示している。
図4は、液体噴射ヘッドの製造方法の一部の工程に対応する状態を、流路ユニットU0の長手方向D3に沿った垂直断面により例示している。
以上により、図2(a),(b)で示したような液体噴射ヘッド1が製造される。
式(1)から判るように、エネルギーPは、誘電体の誘電率(比誘電率)に応じて高くなる。また、誘電率は、温度の上昇に伴って上昇することも知られている。本実施形態では、上述したように前加熱(脱脂工程)の一部と並行してマイクロ波による焼成を実行する。つまり、当該前加熱を行うこと、および、前駆体がジルコニアを主成分としつつ結晶安定化および誘電率向上のための上記添加物を含むこと、による効果で、誘電体において高い誘電率が得られ誘電体が吸収するエネルギーPが増大する。これにより、効率的に誘電体(前駆体)の焼成(内部発熱)が行われ、結晶が安定した焼成物としての流路ユニットU0が得られる。また、前加熱(脱脂工程)の一部と並行してマイクロ波による焼成を実行することにより、前駆体はバインダーによって形状を精度良く維持した状態から形状を崩すことなく焼成される、という効果も生じる。
以下に、本実施形態にかかる変形例を示す。
変形例1:
焼成工程(ステップS3)においては、マイクロ波の照射による前駆体の温度上昇を、上述の実施形態よりも低くし(例えば、1000℃〜1200℃程度とし)、仮焼成状態の焼成物(振動板と基体とが一体的に接合した焼成物)を得るとしてもよい。その後、当該焼成物を電気炉において、1300℃〜1400℃程度の温度で加熱し本焼成を行う。かかる変形例1においては、上記仮焼成を行うことでセラミックス粉体の柱状的な成長が抑制されるため、上述の実施形態と同様に、振動板における液漏れの抑制効果に優れ、かつ、形状誤差が少ない高品質な流路ユニットU0が得られる。
焼成工程(ステップS3)においては、図5に示した試料台301を金属製とすることにより、誘電加熱(内部発熱)と誘導加熱とを併用して、前駆体に対する加熱を行うとしてもよい。つまり、マイクロ波が試料台301(金属)にも当ることで試料台301内に磁界が発生し、当該磁界の発生に応じて、試料台301にうず電流が流れる。この結果、うず電流と金属の電気抵抗でジュール熱が発生し前駆体が加熱される。かかる変形例2によれば、誘導加熱により前駆体の加熱が促進されることにより前駆体の誘電率が向上する。また、振動板の前駆体は、試料台301から遠い側に在るため、振動板の前駆体内において温度傾斜が生じることが抑制され(振動板の前駆体において柱状的な結晶成長が抑制され)、上述の実施形態と同様に、液漏れの抑制効果に優れた振動板を有する流路ユニットU0が得られる。
図9は、上述した液体噴射ヘッド1を記録ヘッドとして有するインクジェット式の記録装置である液体噴射装置200の外観を示している。液体噴射ヘッド1を記録ヘッドユニット211,212に組み込むと、液体噴射装置200を製造することができる。図9に示す液体噴射装置200は、記録ヘッドユニット211,212のそれぞれに、液体噴射ヘッド1が設けられ、外部インク供給手段であるインクカートリッジ221,222が着脱可能に設けられている。記録ヘッドユニット211,212を搭載したキャリッジ203は、装置本体204に取り付けられたキャリッジ軸205に沿って往復移動可能に設けられている。駆動モーター206の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト207を介してキャリッジ203に伝達されると、キャリッジ203がキャリッジ軸205に沿って移動する。図示しない給紙ローラー等により給紙される記録媒体290は、プラテン208上に搬送され、インクカートリッジ221,222から供給され液体噴射ヘッド1から噴射されるインク滴により印刷がなされる。
上記焼成工程において前駆体に照射する電磁波はマイクロ波以外の周波数帯の電磁波でもよい。つまり、セラミックス粉体の前駆体を所定温度で焼成できる電磁波であればよい。
また、振動板は、液体流路を形成するスペーサー部や接続部とは別に電磁波の照射により焼成されて形成されてから、スペーサー部に接合されてもよい。
また、記録装置は、印刷中に液体噴射ヘッドが移動しないように固定されて、記録シートを移動させるだけで印刷を行ういわゆるラインヘッド型のプリンターでもよい。
Claims (5)
- 振動板を変形させて圧力室内の液体を噴射させる流路ユニットの製造方法であって、
上記振動板の前駆体を内部発熱させて焼成し、セラミックス製の上記振動板を形成する焼成工程と、
上記焼成工程より先に開始され、上記焼成の温度よりも低い温度によって上記振動板の前駆体を加熱する前加熱工程と、を含み、
上記前加熱工程の途中から上記焼成工程を開始することにより上記前加熱工程と上記焼成工程との一部を並行して実行することを特徴とする流路ユニットの製造方法。 - 上記焼成工程では、上記前駆体内の粒子を振動させる電磁波を上記前駆体に照射することによって内部発熱させることを特徴とする請求項1に記載の流路ユニットの製造方法。
- 上記圧力室の少なくとも一部の壁を有する基体の前駆体と、上記振動板の前駆体と、を積層する積層工程を含み、
上記焼成工程では、上記積層工程の後に、上記振動板の前駆体とともに上記基体の前駆体を内部発熱させて焼成し、上記振動板と上記基体とを含むセラミックス製の流路ユニットを形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流路ユニットの製造方法。 - 上記振動板の前駆体は、ジルコニアを主成分とし、希土類元素および第2族元素の少なくともいずれかの元素を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の流路ユニットの製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の流路ユニットの製造方法を含む、液体噴射ヘッドの製造方法。
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