JP2010143084A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びにアクチュエータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】セラミック振動板の破壊を低減して耐久性及び信頼性を向上することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びにアクチュエータ装置を提供する。
【解決手段】ノズル開口に連通する圧力発生室12と、該圧力発生室12の一方面側に設けられたシリコン酸化膜50と、該シリコン酸化膜50の前記圧力発生室12とは反対側に設けられたセラミック振動板55と、前記セラミック振動板55の上方に設けられて、前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生素子300と、を具備し、前記シリコン酸化膜50と前記セラミック振動板55との間には、貴金属材料からなる金属膜56を有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びにアクチュエータ装置に関する。
ノズル開口に連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、例えば、下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子のたわみ変形を用いたものが実用化されている。
また、振動板として、圧力発生室側に設けられた酸化シリコンと、圧電素子側に設けられた酸化ジルコニウム等のセラミック振動板とを積層したものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2005−260003号公報 特許第3379538号公報
しかしながら、酸化ジルコニウム等のセラミック振動板は、圧電素子等の圧力発生素子により変形された際にクラックが発生するという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッドに限定されず、他のデバイスに用いられるアクチュエータ装置においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、セラミック振動板の破壊を低減して耐久性及び信頼性を向上することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びにアクチュエータ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室の一方面側に設けられたシリコン酸化膜と、該シリコン酸化膜の前記圧力発生室とは反対側に設けられたセラミック振動板と、前記セラミック振動板の上方に設けられて、前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生素子と、を具備し、前記シリコン酸化膜と前記セラミック振動板との間には、貴金属材料からなる金属膜を有することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、延性を有する金属膜を設けることで、セラミック振動板に引っ張り応力が印加された際の破壊を低減することができる。また、貴金属からなる金属膜とすることで、金属膜が酸化するのを低減して、セラミック振動板を確実に補強することができる。なお、ここで言う上方とは、直上も、間に他の部材が介在した状態も含むものである。
ここで、前記金属膜が、前記圧力発生素子を構成すると共に、前記セラミック振動板上に設けられた電極材料の少なくとも一部と同一材料からなることが好ましい。これによれば、金属膜を圧力発生素子の電極材料の少なくとも一部と同一材料で形成することで、コストを低減することができる。
また本発明の他の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室の一方面側に設けられたシリコン酸化膜と、該シリコン酸化膜の前記圧力発生室とは反対側に設けられたセラミック振動板と、前記シリコン酸化膜と前記セラミック振動板との間に設けられて、当該シリコン酸化膜の上方に設けられた金属膜と、該金属膜の上方に設けられて前記セラミック振動板よりも酸素透過率が低い材料からなる酸素透過低減層と、を具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、延性を有する金属膜を設けることで、セラミック振動板に引っ張り応力が印加された際の破壊を低減することができる。また、酸素透過低減層を設けることで、金属膜が酸化するのを低減して、金属膜によってセラミック振動板を確実に補強することができる。
ここで、前記酸素透過低減層が、酸化アルミニウムを主成分とする材料で形成されていることが好ましい。これによれば、金属膜の酸化を確実に抑制できる。
また、前記セラミック振動板を、酸化ジルコニウム系材料で形成することもできる。
さらに本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。かかる態様では、耐久性及び信頼性を向上した液体噴射装置を実現できる。
また、本発明の他の態様は、基板の一方面側に設けられたシリコン酸化膜と、該シリコン酸化膜の前記圧力発生室とは反対側に設けられたセラミック振動板と、前記セラミック振動板の上方に設けられて、前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生素子と、を具備し、前記シリコン酸化膜と前記セラミック振動板との間には、貴金属材料からなる金属膜を有することを特徴とするアクチュエータ装置にある。
かかる態様では、延性を有する金属膜を設けることで、セラミック振動板に引っ張り応力が印加された際の破壊を低減することができる。また、貴金属からなる金属膜とすることで、金属膜が酸化するのを低減して、セラミック振動板を確実に補強することができる。
さらに本発明の他の態様は、基板の一方面側に設けられたシリコン酸化膜と、該シリコン酸化膜の前記圧力発生室とは反対側に設けられたセラミック振動板と、前記シリコン酸化膜と前記セラミック振動板との間に設けられて、当該シリコン酸化膜の上方に設けられた金属膜と、該金属膜の上方に設けられて前記セラミック振動板よりも酸素透過率が低い材料からなる酸素透過低減層と、を具備することを特徴とするアクチュエータ装置にある。
かかる態様では、延性を有する金属膜を設けることで、セラミック振動板に引っ張り応力が印加された際の破壊を低減することができる。また、酸素透過低減層を設けることで、金属膜が酸化するのを低減して、金属膜によってセラミック振動板を確実に補強することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図である。
本実施形態の流路形成基板10は、シリコン単結晶基板からなり、その一方の面には酸化シリコンを主成分とするシリコン酸化膜として弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14及び連通路15を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板のリザーバ部31と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。
なお、本実施形態では、流路形成基板10には、圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15からなる液体流路が設けられていることになる。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、貴金属からなる金属膜56が設けられている。また、金属膜56上には、酸化ジルコニウムを主成分とするセラミック振動板として絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、第1電極60と、圧電体層70と、第2電極80と、が積層形成されて圧電素子300(本実施形態の圧力発生素子)を構成している。ここで、圧電素子300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。本実施形態では、第1電極60を圧電素子300の共通電極とし、第2電極80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエータ装置と称する。なお、上述した例では、弾性膜50、金属膜56、絶縁体膜55及び第1電極60が振動板として作用するが、さらに他の層が介在していてもよい。
弾性膜50は、上述のように、酸化シリコンを主成分とし、流路形成基板10の一方面側に設けられて圧力発生室12の一方面を画成している。
金属膜56は、貴金属からなる。金属膜56を構成する貴金属は、白金(Pt)、パラジウム(Pb)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、金(Au)、銀(Ag)等の単一材料であっても、複数の材料が混合した複数材料であってもよい。金属膜56として酸化され難い貴金属を用いることで、金属膜56が酸化するのを低減している。すなわち、金属膜56は、金属酸化物以外の金属である。このように、金属酸化物ではなく、延性を有する金属(酸化しにくい貴金属)からなる金属膜56を設けることによって、詳しくは後述するが、金属膜56によって絶縁体膜55の破壊を防止することができる。ここで「酸化しにくい」というのは、膜厚方向全体に亘って酸化しにくいという意味であり、金属膜56の表面が酸化する現象があったとしても、表面のみが酸化する場合、本実施形態では酸化しにくいものとする。金属膜56の厚さは、絶縁体膜55の厚さや振動板の変位量などに応じて適宜規定すればよいが、本実施形態では、金属膜56が数十nm以上の厚さであれば、絶縁体膜55の補強を行うことができる。
なお、金属膜56の材料として、圧電体層70を構成する電極材料(例えば、第1電極60)と同じ材料を用いることで、異なる複数の材料を用いるのに比べて、コストを低減することができる。
絶縁体膜55は、金属膜56上に設けられて、上述のように酸化ジルコニウムを主成分とするセラミック振動板である。本実施形態では、セラミック振動板として、厚さが0.4μmの酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55を設けた。
そして、本実施形態では、上述のように絶縁体膜55の直上に第1電極60が設けられており、セラミック振動板である絶縁体膜55は、貴金属からなる金属膜56と金属からなる第1電極60とで挟まれている。
このように、シリコン酸化膜である弾性膜50と、セラミック振動板である絶縁体膜55との間に金属膜56を設けることによって、圧電素子300の変位に伴い絶縁体膜55に引っ張り応力が印加された際に、絶縁体膜55の破壊を抑制することができる。
すなわち、図3に示すように、圧電素子300が、圧力発生室12側に凸となるように変形した際に、例えば、絶縁体膜55よりも上(圧電素子300側)に中立面が存在すると、中立面よりも下(圧力発生室12側)で内部応力が引っ張りとなるため、絶縁体膜55には引っ張り応力がかかる。セラミック振動板からなる絶縁体膜55は、圧縮応力には耐久性があるものの、引っ張り応力に対して脆弱であるため、図3に示すような変形によって、クラック等の破壊が発生してしまう虞がある。本実施形態では、上述のように、延性を有する金属(酸化し難い貴金属)からなる金属膜56を絶縁体膜55の下(弾性膜50側)に設けたため、図3に示すような変形によって絶縁体膜55に引っ張り応力が印加されたとしても、金属膜56が絶縁体膜55を補強し、絶縁体膜55にクラック等の破壊が発生するのを抑制することができる。
ちなみに、中立面が同じ条件(中立面が絶縁体膜55よりも上)に位置する場合、圧電素子300が圧力発生室12側が凹となるように変形しても、絶縁体膜55には圧縮応力が印加されるだけであり、絶縁体膜55にクラック等の破壊は発生し難い。また、中立面が絶縁体膜55よりも下(圧力発生室12側)に位置する場合には、上述したものとは逆に、圧力発生室12側が凹となるように変形した際に、絶縁体膜55に引っ張り応力が印加されるものの、絶縁体膜55の凸となる側には延性に優れた金属からなる第1電極60が設けられているため、第1電極60が絶縁体膜55を補強し、絶縁体膜55にクラック等の破壊が発生するのを抑制することができる。
このように、絶縁体膜55のクラック等の破壊を抑制することにより、耐久性及び信頼性に優れたアクチュエータ装置とすることができる。また、絶縁体膜55と第1電極60との剥離を抑制することができ、耐電圧を高くすることができる。
第1電極60は、圧電体層70としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いる場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少ない材料であることが望ましい。このため、第1電極60の材料としては白金、イリジウム等が好適に用いられる。第1電極60として、金属膜56と同一材料を使用することで、使用する材料の種類を増やすことなく、コストを低減することができる。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される電気機械変換作用を示す圧電材料、特に圧電材料の中でも一般式ABOで示されるペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる。圧電体層70としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電体材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等が好適である。具体的には、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、ジルコニウム酸鉛(PbZrO)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O)等を用いることができる。
圧電体層70の厚さについては、製造工程でクラックが発生しない程度に厚さを抑え、且つ十分な変位特性を呈する程度に厚く形成する。例えば、本実施形態では、圧電体層70を1〜5μm前後の厚さで形成した。
なお、圧電体層70の形成方法は、例えば、金属有機物を溶媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成することができる。また、圧電体層70の形成方法は、特にこれに限定されず、例えば、MOD(Metal-Organic Decomposition)法、スパッタリング法又はレーザーアブレーション法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法等を用いてもよい。
このように圧電体層70を流路形成基板10上に直接積層形成する場合、必ず加熱焼成する工程が含まれる。このとき、金属膜56として貴金属からなる金属を用いることで、金属膜56が酸化するのを低減できる。ちなみに、金属膜56が酸化してしまうと、所望の延性を得ることができず、金属膜56によって絶縁体膜55の補強を行うことができない。これに対して、金属膜56として酸化し難い貴金属を用いることで、圧電体層70を焼成後にも金属膜56が所望の延性を保持した状態にすることができる。なお、圧電体層70の焼成時に金属膜56の表面(第1電極60側)が一部酸化していても、同様の効果を得ることができる。
圧電素子300の個別電極である各第2電極80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、絶縁体膜55上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、第1電極60、絶縁体膜55及びリード電極90上には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このリザーバ部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。また、流路形成基板10の連通部13を圧力発生室12毎に複数に分割して、リザーバ部31のみをリザーバとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、絶縁体膜55等)にリザーバと各圧力発生室12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路120が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、比較的硬質の材料で形成されている。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部のインク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加し、弾性膜50、金属膜56、絶縁体膜55、第1電極60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの断面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図4に示すように、流路形成基板10の一方面側には、弾性膜50と絶縁体膜55とが設けられている。そして、本実施形態では、弾性膜50と絶縁体膜55との間に金属膜56Aと、酸素透過低減層57とが設けられている。
金属膜56Aは、上述した実施形態1と同様の貴金属を含む金属からなる。金属膜56Aは、酸素透過低減層57を設けることによって、比較的に酸化し易い金属材料を用いるようにしてもよい。なお、金属膜56Aは、金属酸化物以外の金属である。
酸素透過低減層57は、セラミック振動板である絶縁体膜55よりも酸素透過率が低い材料からなる。このような酸素透過低減層57としては、例えば、酸化アルミニウムが挙げられる。なお、酸素透過低減層57は、酸素を完全に遮断しなくても、絶縁体膜55よりも酸素透過率が低ければ、その材料は特にこれに限定されない。
このように酸素透過低減層57を設けることによって、酸素透過低減層57より上(圧力発生室12とは反対側)にその他の膜を形成する際の加熱によって、金属膜56Aが酸化されるのを低減することができる。したがって、上述のように金属膜56Aは、比較的酸化し易い貴金属以外の金属材料を用いることができる。
そして、金属膜56Aを設けることによって、圧電素子300の変形によって絶縁体膜55に引っ張り応力が印加されたとしても、金属膜56Aが絶縁体膜55を補強し、絶縁体膜55にクラック等の破壊が発生するのを抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1及び2では、セラミック振動板として、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55を例示したが、セラミック振動板は特にこれに限定されるものではなく、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムや、酸化セリウム、酸化イットリウム等の希土類酸化物などを添加した安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニアなどを用いてもよい。
また、例えば、上述した実施形態1及び2では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生素子として、薄膜型の圧電素子300を有するアクチュエータ装置を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型のアクチュエータ装置や、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のアクチュエータ装置などを使用することができる。また、圧力発生素子として、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエータなどを使用することができる。
また、上述した実施形態1及び2では、絶縁体膜55上に圧力発生素子として圧電素子300を設けるようにしたが、圧力発生素子は、絶縁体膜55の上方に形成されていればよいため、圧力発生素子は、絶縁体膜55の直上であっても、他の部材が間に介在した状態で積層されていてもよい。
また、例えば、上述した実施形態1及び2では、流路形成基板10としてシリコン単結晶基板を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、結晶面方位が(100)面、(110)面等のシリコン単結晶基板を用いるようにしてもよく、また、SOI基板、ガラス等の材料を用いるようにしてもよい。
また、これらのインクジェット式記録ヘッドIは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図5は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図5に示すインクジェット式記録装置IIにおいて、インクジェット式記録ヘッドIを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、上述した実施形態1では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
さらに、本発明は、インクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッドに搭載されるアクチュエータ装置に限られず、他の装置に搭載されるアクチュエータ装置にも適用することができる。
実施形態1に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る圧電素子の駆動状態を示す断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの断面図である。 一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 10 流路形成基板(基板)、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 15 連通路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板(結晶基板)、 31 リザーバ部、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜(シリコン酸化膜)、 55 絶縁体膜(セラミック振動板)、 56、56A 金属膜、 57 酸素透過低減層、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極、 100 リザーバ、 120 駆動回路、 300 圧電素子(圧力発生素子)

Claims (8)

  1. ノズル開口に連通する圧力発生室と、
    該圧力発生室の一方面側に設けられたシリコン酸化膜と、該シリコン酸化膜の前記圧力発生室とは反対側に設けられたセラミック振動板と、
    前記セラミック振動板の上方に設けられて、前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生素子と、を具備し、
    前記シリコン酸化膜と前記セラミック振動板との間には、貴金属材料からなる金属膜を有することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記金属膜が、前記圧力発生素子を構成すると共に、前記セラミック振動板上に設けられた電極材料の少なくとも一部と同一材料からなることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. ノズル開口に連通する圧力発生室と、
    該圧力発生室の一方面側に設けられたシリコン酸化膜と、該シリコン酸化膜の前記圧力発生室とは反対側に設けられたセラミック振動板と、
    前記シリコン酸化膜と前記セラミック振動板との間に設けられて、当該シリコン酸化膜の上方に設けられた金属膜と、該金属膜の上方に設けられて前記セラミック振動板よりも酸素透過率が低い材料からなる酸素透過低減層と、を具備することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 前記酸素透過低減層が、酸化アルミニウムを主成分とする材料で形成されていることを特徴とする請求項3記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記セラミック振動板が、酸化ジルコニウム系材料であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  7. 基板の一方面側に設けられたシリコン酸化膜と、該シリコン酸化膜の前記圧力発生室とは反対側に設けられたセラミック振動板と、
    前記セラミック振動板の上方に設けられて、前記圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生素子と、を具備し、
    前記シリコン酸化膜と前記セラミック振動板との間には、貴金属材料からなる金属膜を有することを特徴とするアクチュエータ装置。
  8. 基板の一方面側に設けられたシリコン酸化膜と、該シリコン酸化膜の前記圧力発生室とは反対側に設けられたセラミック振動板と、
    前記シリコン酸化膜と前記セラミック振動板との間に設けられて、当該シリコン酸化膜の上方に設けられた金属膜と、該金属膜の上方に設けられて前記セラミック振動板よりも酸素透過率が低い材料からなる酸素透過低減層と、を具備することを特徴とするアクチュエータ装置。
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