JP2014190451A - 偏心揺動型の減速機構を備えた減速装置 - Google Patents

偏心揺動型の減速機構を備えた減速装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より冷却効率を高めた偏心揺動型の減速機構を有する減速装置を得る。
【解決手段】内歯歯車12の軸心O1からオフセットした位置に複数の偏心体軸18を備え、各偏心体軸18が同期して回転することによって第1、第2外歯歯車14、16を揺動させながら内歯歯車12に噛合させる偏心揺動型の減速機構8を備えた減速装置10において、相手機械を連結するためのタップ穴38Bと、径方向中央にあって減速機構8の内部と連通する中央貫通孔38Cと、偏心体軸18を支持する偏心体軸軸受44の配置される軸受孔38Fと、を有する第1キャリヤ(キャリヤフランジ)38を、第1外歯歯車14の軸方向側部に備え、第1キャリヤ38のタップ穴38Bの径方向内側の領域がえぐられて油溜り凹部64が形成され、中央貫通孔38Cおよび軸受孔38Fが、第1キャリヤ38を貫通して油溜り凹部64と連通している。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏心揺動型の減速機構を備えた減速装置に関する。
特許文献1に、偏心揺動型の減速機構を備えた減速装置が開示されている。この減速装置は、内歯歯車の軸心からオフセットした位置に複数の偏心体軸を備えている。この減速装置では、各偏心体軸が同期して回転することによって、外歯歯車を揺動させながら内歯歯車に噛合させている。
外歯歯車の軸方向側部には、キャリヤフランジが設けられている。キャリヤフランジは、前記偏心体軸を支持する軸受の配置される軸受孔を有しており、軸方向反外歯歯車側に相手機械を連結するためのタップ穴を備えている。また、キャリヤフランジの径方向中央には、該減速機構の内部と連通している中央貫通孔が形成されている。
特開2008−267570号公報
しかしながら、このような構造の減速装置にあっては、減速機構が収容された空間内に潤滑剤の封入される空間が少なく、また潤滑剤の循環が上手くなされないことから冷却効率が低く、熱容量的に厳しくなり易いという問題があった。
本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであって、より冷却効率を高めた偏心揺動型の減速機構を有する減速装置を提供することをその課題としている。
本発明は、内歯歯車の軸心からオフセットした位置に複数の偏心体軸を備え、各偏心体軸が同期して回転することによって外歯歯車を揺動させながら前記内歯歯車に噛合させる偏心揺動型の減速機構を備えた減速装置において、相手機械を連結するためのタップ穴と、径方向中央にあって前記減速機構の内部と連通する中央貫通孔と、前記偏心体軸を支持する軸受の配置される軸受孔と、を有するキャリヤフランジを、前記外歯歯車の軸方向側部に備え、該キャリヤフランジの前記タップ穴の径方向内側の領域がえぐられて油溜り凹部が形成され、前記中央貫通孔および前記軸受孔が、前記キャリヤフランジを貫通して前記油溜り凹部と連通している構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
本発明においては、タップ穴の径方向内側の領域がえぐられて油溜り凹部が形成される。そして、キャリヤフランジの径方向中央に形成された中央貫通孔と、偏心体軸を支持する軸受の配置される軸受孔を、この油溜り凹部に連通させる。
これにより、該油溜り凹部に潤滑剤を封入することができるようになると共に、減速機構の内部、中央貫通孔、油溜り凹部、軸受孔、減速機構の内部という潤滑剤の循環経路を形成することができ、当該油溜り凹部の潤滑剤を含めて多量の潤滑剤を循環させることができるようになるため、減速装置の冷却効率を大きく向上させることができる。
本発明によれば、より冷却効率を高めた偏心揺動型の減速機構を有する減速装置を得ることができる。
本発明の実施形態の一例を示す偏心揺動型の減速機構を有する減速装置の断面図 図1の矢視II方向から見た側面図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例を示す偏心揺動型の減速機構を有する減速装置の断面図、図2は、図1の矢視II方向から見た側面図である。
この減速装置10は、いわゆる振り分けタイプと称される偏心揺動型の減速機構8を有し、図示せぬロボットの関節を駆動するために使用される減速装置である。
減速装置10は、内歯歯車12と、該内歯歯車12に内接噛合する第1、第2外歯歯車14、16と、を備えるとともに、該内歯歯車12の軸心O1からR1だけオフセットした位置に、第1、第2外歯歯車14、16を揺動させるための複数の偏心体軸18を備えている。
以下、減速装置10の全体構成から説明する。
この実施形態に係る減速装置10では、モータ(図示略)の動力は、継軸(入力軸)26を介して入力される。継軸26の反モータ側の端部には、入力ピニオン(入力側の歯車)32が直切り形成されている。
入力ピニオン32は、複数の振り分け歯車30と同時に噛合している。各振り分け歯車30は、この実施形態では3個(1個のみ図示)設けられ、それぞれ偏心体軸18に連結されている。
各偏心体軸18は、この実施形態では3本(1本のみ図示)設けられ、内歯歯車12の軸心O1からR1だけオフセットした位置に、円周方向に120度の間隔で配置されている。各偏心体軸18には、それぞれの軸方向同位置に第1偏心体20が形成され、該第1偏心体20と隣接してそれぞれの軸方向同位置に第2偏心体22が形成されている。各偏心体軸18の第1偏心体20同士および第2偏心体22同士は、偏心位相が揃えられている。第1偏心体20と第2偏心体22の偏心位相差は180度である(互いに離反する方向に偏心している)。
各偏心体軸18の第1偏心体20の外周には、ころで構成された第1偏心体軸受34を介して第1外歯歯車14が組み込まれている。各偏心体軸18の第2偏心体22の外周には、やはりころで構成された第2偏心体軸受36を介して第2外歯歯車16が組み込まれている。これにより、3本の偏心体軸18上の第1偏心体20が同期して回転することで第1外歯歯車14を揺動させ、同様に、3本の偏心体軸18上の第2偏心体22が同期して回転することで第2外歯歯車16を揺動させることができる。第1外歯歯車14と第2外歯歯車16の偏心位相差は、(第1偏心体20と第2偏心体22の偏心位相差を受けて)180度である。
第1、第2外歯歯車14、16の軸方向両側には、第1、第2キャリヤ(キャリヤフランジ)38、40が配置されており、各偏心体軸18は、この第1、第2キャリヤ38、40に正面合わせの一対の円錐ころ軸受で構成された偏心体軸軸受44、46(偏心体軸18を支持する軸受)を介して支持されている。第1、第2キャリヤ38、40は、背面合わせの一対のアンギュラ玉軸受48、50を介してケーシング52に支持されている。なお、第1、第2キャリヤ38、40は、第1キャリヤ38から一体的に突出され、第1、第2外歯歯車14、16を貫通するキャリヤピン38Pを介してボルト53等により連結・一体化されている。
第1、第2外歯歯車14、16は、内歯歯車12に内接噛合している。内歯歯車12は、この実施形態ではケーシング52と一体化された内歯歯車本体12Aと、該内歯歯車本体12Aに回転自在に組み込まれ、該内歯歯車12の内歯を構成する外ピン12Bとで構成されている。内歯歯車12の歯数(外ピン12Bの本数)は、第1、第2外歯歯車14、16の歯数よりも僅かだけ(この例では1だけ)多い。
本実施形態では、ケーシング52にはボルト(ボルト孔52Aのみ図示)を介してロボットの第1アーム(図示略)が連結され、第1キャリヤ38には、ボルト(タップ穴38Bのみ図示)を介してロボットの第2アーム(相手機械:図示略)がそれぞれ連結される。
なお、この実施形態では、減速機構8の潤滑は、グリースによって行われている(オイル潤滑であってもよい)。第1キャリヤ38の軸方向端面38Eとロボットの第2アーム(相手機械)との連結に当たっては、この実施形態では、該第1キャリヤ38の軸方向端面38Eと第2アームとの間に、液状ガスケットを塗布することによって封止するようにしている。また、ケーシング52と第1アームとの連結部についても、液状ガスケット等でシールされており、振り分け歯車30、入力ピニオン32の配置空間が、減速機構8の内部と連通した状態で封止されている。なお、符号61は、オイルシールである。
ここで、本実施形態に係る減速装置10の冷却系の構造について詳細に説明する。
この実施形態に係る第1キャリヤ(キャリヤフランジ)38は、既に述べたように、第1外歯歯車14の軸方向側部に配置されている。第1キャリヤ38は、ロボットの第2アーム(相手機械)を連結するためのタップ穴38Bと、径方向中央にあって減速機構8の内部と連通する中央貫通孔38Cと、偏心体軸18を支持する偏心体軸軸受44の配置される軸受孔38Fを有している。第1キャリヤ38のタップ穴38Bの径方向内側の領域は、反外歯歯車側からえぐられて油溜り凹部64を構成している。
具体的には、油溜り凹部64の開口径D1は、軸受孔38Fの外接円径d1よりも大きい(D1>d1)。油溜り凹部64の深さH1は、偏心体軸軸受44の軸方向端面44Eを規制している止め輪66には至らない大きさである。すなわち、油溜り凹部64は、第1キャリヤ38の軸受孔38Fに組み込まれている偏心体軸軸受44の止め輪66より、軸方向反外歯歯車側に形成されている(偏心体軸軸受44の支持とは干渉していない)。
第1キャリヤ38は、当該減速装置10のケーシング52と軸方向に対向する位置まで径方向外側に延在されており、該延在部38Gにタップ穴38Bが形成されている。見方を変えるならば、この延在部38Gが存在するゆえに、結果として偏心体軸軸受44の軸受孔38Fの外接円径d1を上回るような大きな内径D1の油溜り凹部64を、第1キャリヤ38の径方向内側の領域に形成する(えぐる)ことができている、と捉えることもできる。なお、タップ穴38Bのピッチ円径はd3である。
この実施形態では、第1キャリヤ38の油溜り凹部64に減速機構8の内部と連通する中央貫通孔38Cが連続して形成されている。また、軸受孔38Fも、該第1キャリヤ38を貫通しており、当該油溜り凹部64と連続して形成されている。つまり、中央貫通孔38Cは、油溜り凹部64および減速機構8の内部と連通しており、軸受孔38Fも油溜り凹部64および減速機構8の内部と連通している。このため、結局、この油溜り凹部64が存在することで、減速機構8の内部、中央貫通孔38C、油溜り凹部64、軸受孔38F、そして、該軸受孔38Fと連通している減速機構8の内部は、相互に連通しており、潤滑剤が循環し得る循環経路を構成している。
また、この実施形態では、第1キャリヤ38から第1、第2外歯歯車14、16を貫通するキャリヤピン38Pが一体的に形成されているが、軸方向から見て該キャリヤピン38Pと重なる位置に、油溜り凹部64から更にえぐられた第2の凹部70が(この例ではキャリヤピン38Pが3本であることから)3個形成されている。この第2の凹部70は、開口部70Aが長円形の有底凹部であって、これ自体は、油溜り凹部64以外の部分とは特に連通はしていない。
油溜り凹部64の側壁64Wは、第1キャリヤ38の軸心(内歯歯車12の軸心と同じ)O1と平行ではなく、軸方向外側(第2アーム側、すなわち相手機械側)に向けて拡開するように傾斜している。この傾斜は、周方向に一様な傾斜角とはなっておらず、偏心体軸18の軸受孔38Fの径方向外側位置の側壁64W1の方が、第2の凹部70の径方向外側位置の側壁64W2よりも「急」となるように(すなわち、軸心O1とより平行に近い角度となるように)形成されている。
次に、この偏心揺動型の減速装置10の作用を説明する。
図示せぬモータが回転すると、継軸26の先端に形成された入力ピニオン32が回転する。入力ピニオン32は、3個の振り分け歯車30と同時に噛合しているため、該入力ピニオン32と振り分け歯車30の噛合により、3本の偏心体軸18が入力ピニオン32と振り分け歯車30との歯数比に減速された状態で同一の方向に同一の回転速度で同期して回転する。
この結果、各偏心体軸18の軸方向同位置にそれぞれ形成された3個の第1偏心体20が同期して回転して第1外歯歯車14を揺動させると共に、偏心体軸18の軸方向同位置にそれぞれ形成された3個の第2偏心体22が同期して回転して第2外歯歯車16を揺動させる。
第1、第2外歯歯車14、16は、それぞれ内歯歯車12に内接噛合しているため、第1、第2外歯歯車14、16が1回揺動する毎に、該第1、第2外歯歯車14、16は、内歯歯車12に対して歯数差分(この実施形態では1歯分)円周方向の位相がずれる(自転する)。この自転成分は、各偏心体軸18の内歯歯車12の軸心O1周りの公転として第1、第2キャリヤ38、40に伝達される。第1、第2キャリヤ38、40は第1キャリヤ38と一体化されたキャリヤピン38Pおよびボルト53等を介して互いに連結されているため、結局、継軸(入力軸)26の回転によって、ケーシング52に対して、第1キャリヤ38に連結された第2アームを相対的に回転させることができる。
なお、ケーシング52に対する第1キャリヤ38の回転は相対的なものである。例えば、本実施形態のように、ケーシング52にロボットの第1アームが連結され、第1キャリヤ38に相手機械としてロボットの第2アームが連結される場合などでは、第2アームに対して第1アームが回転すると捉えることもできる。したがって、第1キャリヤ38は、必ずしも「出力部材」ではなく、あくまでケーシング52に対して相対回転する部材である。
ここで、本減速装置10の冷却系の作用について説明する。
従来、振り分けタイプと称されるこの種の偏心揺動型の減速機構8を有する減速装置10にあっては、潤滑剤の封入空間が小さく、適正な量の潤滑剤を確保しにくい上に、循環も良好に行われないことから、冷却性能が低くなり易いという問題があった。その結果、減速装置10の温度が上がり易く、特に近年の高速・長時間作動の要求に応えられない、という問題があった。また、潤滑剤は、量が少ない上に、容易に温度が上がってしまうことから、劣化し易く、潤滑剤の寿命(交換の間隔)が短くなるという問題もあった。
本実施形態によれば、第1キャリヤ(キャリヤフランジ)38のタップ穴38Bの径方向内側の領域がえぐられて油溜り凹部64が形成され、かつ、この油溜り凹部64に減速機構8の内部に連通する中央貫通孔38Cが連続して形成されると共に、偏心体軸18を支持する偏心体軸軸受44の配置される軸受孔38Fも第1キャリヤ38を貫通して当該油溜り凹部64と連続して形成されている。そのため、減速装置10内に封入可能な潤滑剤の総量をより増大させることができると共に、減速機構8の内部、中央貫通孔38C、油溜り凹部64、軸受孔38F、そして減速機構8の内部という潤滑剤の循環経路を形成することができる。
振り分けタイプの偏心揺動型の減速機構8では、複数の偏心体軸18が同期して自転することによって第1、第2外歯歯車14、16が揺動し、かつ、第1、第2外歯歯車14、16はゆっくりと回転(自転)する。その際、該複数の偏心体軸18が同じ方向に公転する。そのため、この封入された潤滑剤を、専用のポンプ等を設けることなく良好に循環させることができ、冷却効率を大きく向上させることができる。
また、多量の潤滑剤が封入されることになる油溜り凹部64は、第1キャリヤ38の軸方向反外歯歯車側に位置しており、タップ穴38Bを介して連結された第2アーム(相手機械)側の部材と接することになるため、減速装置10と比較してより質量(熱容量)の大きな第2アームを介して熱を積極的に伝導させることができる。このため、熱交換によって温度の上昇した潤滑剤をより効率的に冷却することができる。
また、潤滑剤の封入量を確保するために、例えば、単純に第1、第2キャリヤ38、40の間隔を大きくしたりする手法と比べて、第1、第2キャリヤ38、40間の間隔L3は、従来と同等の短い長さに維持できるため、高剛性が要求される偏心体軸18の剛性を高く維持することができる。
さらには、第1キャリヤ38を、従来型のえぐりのないタイプと、本実施形態のようなえぐりのあるタイプとの2種類を用意することで、軸方向長さのコンパクト性と対熱負荷特性とを比較して、用途に応じて選択できるシリーズを構築することもできる。
そして、本実施形態では、特に、第1キャリヤ38から第1、第2外歯歯車14、16を貫通するキャリヤピン38Pが一体的に形成され、軸方向から見て該キャリヤピン38Pと重なる位置に油溜り凹部64から更にえぐられた第2の凹部70が形成されている。そのため、減速装置10全体の軸方向長さを長くすることなく、油溜り凹部64の容積をさらに拡大することができ、また、より軽量化を実現することもできる。この第2の凹部70は、第1キャリヤ38から一体的に形成されたキャリヤピン38Pと重なる位置に設けられているため、該第2の凹部70を形成したとしても、第1キャリヤ38〜キャリヤピン38Pの強度が損なわれることは殆どなく、該第1キャリヤ38〜キャリヤピン38Pの強度を高く維持することができる。
また、油溜り凹部64は、偏心体軸18の軸受孔38Fの径方向外側位置の側壁64W1の方が、第2の凹部70の径方向外側位置の側壁64W2よりも傾斜が急に形成されている。そのため(側壁64Wが単純な均一傾斜でないため)、第1キャリヤ38の回転に伴って、油溜り凹部64の側壁64Wは、該油溜り凹部64内の潤滑剤に対して進退動するような態様で回転する。その結果、油溜り凹部64内の潤滑剤は、緩く攪拌・回転されることになり、循環性がより促進される。
また、第1キャリヤ38を減速装置10のケーシング52と軸方向に対向する位置まで径方向外側に延在させ、該延在部38Gに第2アーム(相手機械)を連結するためのタップ穴38Bを形成するようにしている。このため、油溜り凹部64を形成したにも拘らず軸方向長さの増大を最小限に抑えることができ、かつ、ピッチ円径d3の大きなタップ穴38Bを用いて第2アーム(第2の相手機械)を連結できるため、相手機械側との連結力を高めることもできる。
なお、上記実施形態においては、潤滑剤としてグリースを採用していたが、本発明は潤滑剤としてオイルを使用する場合にも適用でき、同様な作用効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、振り分け歯車30が第2キャリヤ40の軸方向外側に位置している構成が採用されていたが、本発明は、振り分け歯車30の配置位置を含め、偏心揺動型の減速機構8の具体的な構成については、特に、上記構成例に限定されない。例えば、偏心体軸18を支持している偏心体軸軸受44として、上記実施形態では正面合わせで組み込んだ円錐ころ軸受が採用されていたが、本発明に係る偏心体軸を支持している軸受は、これに限定されず、例えばアンギュラ玉軸受であってもよいし、ニードル軸受であってもよい。背面合わせで組み込まれた軸受対であってもよい。いずれの場合でも、転動体の隙間を介して油溜り凹部、軸受孔、および減速機構内は連通しており、潤滑剤は油溜り凹部と減速機構の内部との間を行き来することができる。また、キャリヤフランジをケーシングに支持している軸受についても、軸受の種類は、アンギュラ玉軸受に限定されず、また、(背面合わせではなく)正面合わせとされた軸受対であってもよい。
10…減速装置
12…内歯歯車
14…第1外歯歯車
18…偏心体軸
30…振り分け歯車
38…第1キャリヤ(キャリヤフランジ)
38B…タップ穴
38C…中央貫通孔
38F…軸受孔
38G…延在部
38P…キャリヤピン
44…偏心体軸軸受
52…ケーシング
64…油溜り凹部
70…第2の凹部

Claims (4)

  1. 内歯歯車の軸心からオフセットした位置に複数の偏心体軸を備え、各偏心体軸が同期して回転することによって外歯歯車を揺動させながら前記内歯歯車に噛合させる偏心揺動型の減速機構を備えた減速装置において、
    相手機械を連結するためのタップ穴と、径方向中央にあって前記減速機構の内部と連通する中央貫通孔と、前記偏心体軸を支持する軸受の配置される軸受孔と、を有するキャリヤフランジを、前記外歯歯車の軸方向側部に備え、
    該キャリヤフランジの前記タップ穴の径方向内側の領域がえぐられて油溜り凹部が形成され、
    前記中央貫通孔および前記軸受孔が、前記キャリヤフランジを貫通して前記油溜り凹部と連通している
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速機構を備えた減速装置。
  2. 請求項1において、
    前記キャリヤフランジに前記外歯歯車を貫通するキャリヤピンが一体的に形成され、軸方向から見て該キャリヤピンと重なる位置に、前記油溜り凹部から更にえぐられた第2の凹部が形成されている
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速機構を備えた減速装置。
  3. 請求項2において、
    前記油溜り凹部は、前記偏心体軸を支持する軸受の軸受孔の径方向外側位置の側壁の方が、前記第2の凹部の径方向外側位置の側壁よりも傾斜が急である
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速機構を備えた減速装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記キャリヤフランジを当該減速装置のケーシングと軸方向に対向する位置まで径方向外側に延在させ、該延在部に相手機械を連結するための前記タップ穴を形成した
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速機構を備えた減速装置。
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