JP2017201194A - 減速装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊星歯車の内周面とキャリヤ軸部材との間に配置されるニードル軸受の耐久性を向上させることができる減速装置を提供すること。
【解決手段】減速装置1は、潤滑油が充填されたハウジング10と、第二太陽歯車40と、太陽歯車に噛合する遊星歯車30と、遊星歯車30に挿入されるキャリヤ軸部材50と、遊星歯車30に対してキャリヤ軸部材50を回転可能に支持するニードル軸受60と、キャリヤ軸部材50の軸方向両端を支持するキャリヤ支持部材70と、を備える。遊星歯車30は、軸方向一方側を向く端面に放射状に形成される第一溝部34と、軸方向他方側を向く端面に放射状に形成される第二溝部36と、を備え、遊星歯車30の回転軸線A2から第一溝部34の径方向外側端部までの距離r1は、遊星歯車30の回転軸線A2から第二溝部36の径方向外側端部までの距離r2よりも大きい。
【選択図】図2
【解決手段】減速装置1は、潤滑油が充填されたハウジング10と、第二太陽歯車40と、太陽歯車に噛合する遊星歯車30と、遊星歯車30に挿入されるキャリヤ軸部材50と、遊星歯車30に対してキャリヤ軸部材50を回転可能に支持するニードル軸受60と、キャリヤ軸部材50の軸方向両端を支持するキャリヤ支持部材70と、を備える。遊星歯車30は、軸方向一方側を向く端面に放射状に形成される第一溝部34と、軸方向他方側を向く端面に放射状に形成される第二溝部36と、を備え、遊星歯車30の回転軸線A2から第一溝部34の径方向外側端部までの距離r1は、遊星歯車30の回転軸線A2から第二溝部36の径方向外側端部までの距離r2よりも大きい。
【選択図】図2
Description
本発明は、減速装置に関する。
キャリヤ軸部材の外周面と遊星歯車の内周面との間にニードル軸受が配置された減速装置が知られている。特許文献1には、ケーシング内に潤滑油を充填した状態で使用する遊星歯車装置において、遊星歯車の軸方向を向く端面に案内溝を形成し、遊星ピン(キャリヤ軸部材)と円筒ころ(ニードル軸受)との接触面に潤滑油を案内する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、遊星ピン(キャリヤ軸部材)と円筒ころ(ニードル軸受)との接触面に供給される潤滑油が循環しにくく、劣化した潤滑油が遊星ピンと円筒ころとの接触面に滞留しやすい。従って、潤滑油の供給によるニードル軸受の耐久性向上効果を十分に得ることができない。
本発明は、遊星歯車の内周面とキャリヤ軸部材との間に配置されるニードル軸受の耐久性を向上させることができる減速装置を提供することを目的とする。
本発明の減速装置は、潤滑油が充填されたハウジングと、前記ハウジングに収容される内歯車又は外歯車である太陽歯車と、前記太陽歯車に噛合する外歯車である遊星歯車と、前記遊星歯車に挿入されるキャリヤ軸部材と、前記遊星歯車の内周面に対し、前記キャリヤ軸部材の外周面を回転可能に支持するニードル軸受と、前記キャリヤ軸部材の軸方向両端を支持し、前記遊星歯車が軸方向へ変位することを規制するキャリヤ支持部材と、を備える。前記遊星歯車は、軸方向一方側を向く端面に放射状に形成される第一溝部と、軸方向他方側を向く端面に放射状に形成される第二溝部と、を備える。前記遊星歯車の回転軸線から前記第一溝部の径方向外側端部までの距離は、前記遊星歯車の回転軸線から前記第二溝部の径方向外側端部までの距離よりも大きい。
本発明の減速装置によれば、遊星歯車の回転軸線から第一溝部の径方向外側端部までの距離は、遊星歯車の回転軸線から第二溝部の径方向外側端部までの距離よりも大きい。従って、遊星歯車が遊星歯車の回転軸線まわりを自転するとき、第一溝部の径方向外側端部における圧力は、第二溝部の径方向外側端部における圧力よりも低くなる。よって、遊星歯車の内周面とキャリヤ軸部材の外周面との間に形成されたニードル軸受の配置領域に取り込まれた潤滑油は、第一溝部から強制的に排出され、それと同時にニードル軸受の配置領域には第一溝部から潤滑油が新たに取り込まれる。
このように、遊星歯車の回転により発生する第一溝部の径方向外側端部と第二溝部の径方向外側端部との圧力差を利用して、ニードル軸受の配置領域に供給される潤滑油の循環を促すことができる。即ち、ニードル軸受の配置領域に劣化した潤滑油が滞留することを回避できるので、ニードル軸受の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明に係る減速装置を適用した実施形態である減速装置1について、図面を参照しながら説明する。
(1.減速装置1の全体構成)
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態における減速装置1の全体構成について説明する。図1に示すように、減速装置1は、ハウジング10と、第一太陽歯車20と、遊星歯車30と、第二太陽歯車40と、キャリヤ軸部材50と、ニードル軸受60と、キャリヤ支持部材70と、を主に備える。第一太陽歯車20、遊星歯車30、第二太陽歯車40、キャリヤ軸部材50、ニードル軸受60及びキャリヤ支持部材70は、潤滑油が充填されたハウジング10の内部に収容される。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態における減速装置1の全体構成について説明する。図1に示すように、減速装置1は、ハウジング10と、第一太陽歯車20と、遊星歯車30と、第二太陽歯車40と、キャリヤ軸部材50と、ニードル軸受60と、キャリヤ支持部材70と、を主に備える。第一太陽歯車20、遊星歯車30、第二太陽歯車40、キャリヤ軸部材50、ニードル軸受60及びキャリヤ支持部材70は、潤滑油が充填されたハウジング10の内部に収容される。
第一太陽歯車20は、入力軸部材2に一体形成された外歯車である。遊星歯車30は、入力軸部材2の中心軸線A1に対して偏心した位置に配置される外歯車である。なお、遊星歯車30の詳細な構成については後述する。第二太陽歯車40は、入力軸部材2の中心軸線A1と同軸に配置された内歯車であり、ハウジング10に一体形成される。
キャリヤ軸部材50は、遊星歯車30に挿入された状態で、遊星歯車30に対して相対回転可能に配置される。ニードル軸受60は、遊星歯車30の内周面とキャリヤ軸部材50の外周面との間に配置され、遊星歯車30は、ニードル軸受60を介してキャリヤ軸部材50に回転可能に支持される。ハウジング10の内部には、3つの遊星歯車30及び3つのキャリヤ軸部材50が第一太陽歯車20のまわりに周方向等間隔に配置される。
キャリヤ支持部材70は、3つのキャリヤ軸部材50の軸方向両端を固定支持し、遊星歯車30が軸方向へ変位することを規制する。なお、遊星歯車30の軸方向両側を向く端面とキャリヤ支持部材70との間には、円環状に形成された一対のプレート71が配置され、第一凸部33及び第二凸部35とキャリヤ支持部材70とが一対のプレート71に密接し、又は、微小隙間を空けて設けてあり、その微小隙間は、後述する第一溝部34及び第二溝部36(図2参照)の深さに対して十分に小さい。
また、キャリヤ支持部材70は、第一太陽歯車20を挟んだ軸方向両側に配置された玉軸受81を介して、入力軸部材2を回転可能に支持する一方、遊星歯車30の軸方向両側に配置された玉軸受82を介して、ハウジング10の内周面に回転可能に支持される。
(2.遊星歯車30の構成)
次に、主として図2、図3A及び図3Bを参照して、遊星歯車30の構成について具体的に説明する。遊星歯車30は、第一太陽歯車20に噛合する第一遊星歯車31と、第二太陽歯車40に噛合する第二遊星歯車32とが一体回転可能に形成された段付歯車であって、第二遊星歯車32の歯数は、第一遊星歯車31の歯数よりも少ない。第二遊星歯車32は、第一遊星歯車31と同軸に配置され、第二遊星歯車32の軸方向一方側(図1左側)を向く端面が、第一遊星歯車31の軸方向他方側(図1右側)を向く端面に連結されている。
次に、主として図2、図3A及び図3Bを参照して、遊星歯車30の構成について具体的に説明する。遊星歯車30は、第一太陽歯車20に噛合する第一遊星歯車31と、第二太陽歯車40に噛合する第二遊星歯車32とが一体回転可能に形成された段付歯車であって、第二遊星歯車32の歯数は、第一遊星歯車31の歯数よりも少ない。第二遊星歯車32は、第一遊星歯車31と同軸に配置され、第二遊星歯車32の軸方向一方側(図1左側)を向く端面が、第一遊星歯車31の軸方向他方側(図1右側)を向く端面に連結されている。
図2、図3A及び図3Bに示すように、第一遊星歯車31の軸方向一方側(図2左側)を向く端面には、第一遊星歯車31の外歯よりも軸方向一方側へ突出する円環状の第一凸部33が形成される。第一凸部33には、放射状に延びる複数の第一溝部34が形成される。また、第二遊星歯車32の軸方向他方側を向く端面には、第二遊星歯車32の外歯よりも軸方向他方側へ突出する円環状の第二凸部35が形成される。第二凸部35には、放射状に延びる複数の第二溝部36が形成される。
第一凸部33の外径は、第二凸部35の外径よりも大きい。つまり、遊星歯車30の回転軸線A2から第一溝部34の径方向外側端部までの距離r1は、回転軸線A2から第二溝部36の径方向外側端部までの距離r2よりも大きい。なお、第一凸部33及び第二凸部35の内径は、遊星歯車30の内径と同一である。
(3.減速装置1の動作)
次に、図1及び図2を参照して、減速装置1の動作について説明する。入力軸部材2に回転が入力されると、第一太陽歯車20が入力軸部材2と一体的に回転する。第一太陽歯車20に噛合する3つの遊星歯車30は、第一太陽歯車20の回転に伴い、回転軸線A2まわりを自転する。これと同時に、3つの遊星歯車30は、ハウジング10に固定された第二太陽歯車40に噛合しながら中心軸線A1まわりを公転する。これにより、3つのキャリヤ軸部材50が中心軸線A1まわりを公転し、3つのキャリヤ軸部材50を支持するキャリヤ支持部材70が中心軸線A1まわりを自転する。このように、減速装置1では、入力軸部材2に入力された回転が、減速されてキャリヤ支持部材70から出力される。
次に、図1及び図2を参照して、減速装置1の動作について説明する。入力軸部材2に回転が入力されると、第一太陽歯車20が入力軸部材2と一体的に回転する。第一太陽歯車20に噛合する3つの遊星歯車30は、第一太陽歯車20の回転に伴い、回転軸線A2まわりを自転する。これと同時に、3つの遊星歯車30は、ハウジング10に固定された第二太陽歯車40に噛合しながら中心軸線A1まわりを公転する。これにより、3つのキャリヤ軸部材50が中心軸線A1まわりを公転し、3つのキャリヤ軸部材50を支持するキャリヤ支持部材70が中心軸線A1まわりを自転する。このように、減速装置1では、入力軸部材2に入力された回転が、減速されてキャリヤ支持部材70から出力される。
ここで、遊星歯車30の軸方向両側を向く端面には第一溝部34及び第二溝部36が形成され、遊星歯車30の回転軸線A2から第一溝部34の軸方向外側端部までの距離r1は、回転軸線A2から第二溝部36の軸方向外側端部までの距離r2よりも大きい。従って、遊星歯車30が回転軸線A2まわりを自転している状態では、第一溝部34の径方向外側端部と第二溝部36の径方向外側端部とで、潤滑油の流速に差が生じ、第一溝部34の径方向外側端部における圧力は、第二溝部36の径方向外側端部における圧力よりも低くなる。
よって、キャリヤ軸部材50の外周面と遊星歯車30の内周面との間に形成されたニードル軸受60の配置領域に取り込まれた潤滑油は、図2の矢印F1で示すように、第一溝部34から強制的に排出される。それと同時に、潤滑油は、図2の矢印F2で示すように、ニードル軸受60の配置領域には第二溝部36から潤滑油が新たに取り込まれる。
このように、遊星歯車30の自転により発生する第一溝部34の径方向外側端部と第二溝部36の径方向外側端部との圧力差を利用して、ニードル軸受60の配置領域に供給される潤滑油の循環を促すことができる。即ち、ニードル軸受60の配置領域に劣化した潤滑油が滞留することを回避できるので、ニードル軸受60の耐久性を向上させることができる。
また、第二遊星歯車32は、第一遊星歯車31と比べて外歯が少なく、第一遊星歯車31よりも外径が小さい。そのため、第二太陽歯車40との噛合により第二遊星歯車32に加わる反力は、第一太陽歯車20との噛合により第一遊星歯車31に加わる反力よりも大きくなる。即ち、第二遊星歯車32を支持するニードル軸受60に加わる負荷は、第一遊星歯車31を支持するニードル軸受60に加わる負荷よりも大きく、第二遊星歯車32を支持するニードル軸受60には、第一遊星歯車31を支持するニードル軸受60よりも高い耐久性が要求される。
この点に関し、第二溝部36は、第二遊星歯車32の軸方向他方側を向く端面に、第一溝部34は、第一遊星歯車31の軸方向一方側を向く端面にそれぞれ形成される。これにより、第二溝部36からニードル軸受60の配置領域に取り込まれた潤滑油は、第二遊星歯車32側から第一遊星歯車31側へ循環する。即ち、ニードル軸受60の配置領域に取り込まれた潤滑油は、先に第二遊星歯車32を支持するニードル軸受60に供給され、その後に第一遊星歯車31を支持するニードル軸受60へ供給される。第二遊星歯車32の内周面を支持するニードル軸受60には、第一遊星歯車31の内周面を支持するニードル軸受60と比べて、異物の含有量が少ない潤滑油が供給される。よって、第二遊星歯車32の内周面を支持するニードル軸受60に対する耐久性向上効果を高めることができる。
また、遊星歯車30の軸方向両側を向く端面に形成される第一凸部33及び第二凸部35とキャリヤ支持部材70との間にはプレート71が配置され、そのプレート71が第一凸部33及び第二凸部35とキャリヤ支持部材70とに密接し、又は、微小隙間を空けて設けられている。これにより、ニードル軸受60の配置領域に対して潤滑油が流出入可能な流路を第一溝部34及び第二溝部36に限定することができる。その結果、第一溝部34の径方向外側端部と第二溝部36の径方向外側端部とに圧力差が発生している状態を確実に作り出すことができるので、ニードル軸受60に供給される潤滑油の循環を円滑に行うことができる。
さらに、第一遊星歯車31の軸方向一方側を向く端面には第一凸部33が、第二遊星歯車32の軸方向他方側を向く端面には第二凸部35がそれぞれ形成され、それら第一凸部33及び第二凸部35に対してプレート71で塞がれている。よって、遊星歯車30とプレート71との接触面積を小さくすることができるので、キャリヤ支持部材70に対して遊星歯車30を相対回転させる際に必要となる力の低減を図ることができる。
また、第一凸部33及び第二凸部35は、第一遊星歯車31又は第二遊星歯車32の外歯よりも軸方向へ突出し、その突出する第一凸部33及び第二凸部35に第一溝部34又は第二溝部36を形成することにより、第一溝部34及び第二溝部36を容易に形成することができる。また、第一溝部34及び第二溝部36が外歯に形成されることを回避できるので、第一溝部34及び第二溝部36の形成により外歯の強度が低下することを防止できる。さらに、第一溝部34及び第二溝部36は直線状なので、容易に形成できる。
(4.その他)
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。また、上記各実施形態に挙げた数値は一例であり、他の数値を適用することは当然に可能である。例えば、ハウジング10に収容される遊星歯車30の数や遊星歯車30の軸方向を向く端面に形成される第一溝部34及び第二溝部36の数は一例であり、必要に応じて数を増減させてもよい。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。また、上記各実施形態に挙げた数値は一例であり、他の数値を適用することは当然に可能である。例えば、ハウジング10に収容される遊星歯車30の数や遊星歯車30の軸方向を向く端面に形成される第一溝部34及び第二溝部36の数は一例であり、必要に応じて数を増減させてもよい。
上記実施形態では、遊星歯車30が第一遊星歯車31及び第二遊星歯車32を有する段付歯車である場合について説明したが、段付きでない遊星歯車であってもよい。また、上記実施形態では、第一太陽歯車20が外歯車である場合について説明したが、第一太陽歯車20が内歯車であってもよい。
(5.効果)
以上説明したように、本発明における減速装置1は、潤滑油が充填されたハウジング10と、ハウジング10に収容される内歯車としての第二太陽歯車40又は外歯車としての第一太陽歯車20である太陽歯車と、太陽歯車に噛合する外歯車である遊星歯車30と、遊星歯車30に挿入されるキャリヤ軸部材50と、遊星歯車30の内周面に対し、キャリヤ軸部材50の外周面を回転可能に支持するニードル軸受60と、キャリヤ軸部材50の軸方向両端を支持し、遊星歯車30が軸方向へ変位することを規制するキャリヤ支持部材70と、を備える。これに加え、遊星歯車30は、軸方向一方側を向く端面に放射状に形成される第一溝部34と、軸方向他方側を向く端面に放射状に形成される第二溝部36と、を備え、遊星歯車30の回転軸線A2から第一溝部34の径方向外側端部までの距離r1は、遊星歯車30の回転軸線A2から第二溝部36の径方向外側端部までの距離r2よりも大きい。
以上説明したように、本発明における減速装置1は、潤滑油が充填されたハウジング10と、ハウジング10に収容される内歯車としての第二太陽歯車40又は外歯車としての第一太陽歯車20である太陽歯車と、太陽歯車に噛合する外歯車である遊星歯車30と、遊星歯車30に挿入されるキャリヤ軸部材50と、遊星歯車30の内周面に対し、キャリヤ軸部材50の外周面を回転可能に支持するニードル軸受60と、キャリヤ軸部材50の軸方向両端を支持し、遊星歯車30が軸方向へ変位することを規制するキャリヤ支持部材70と、を備える。これに加え、遊星歯車30は、軸方向一方側を向く端面に放射状に形成される第一溝部34と、軸方向他方側を向く端面に放射状に形成される第二溝部36と、を備え、遊星歯車30の回転軸線A2から第一溝部34の径方向外側端部までの距離r1は、遊星歯車30の回転軸線A2から第二溝部36の径方向外側端部までの距離r2よりも大きい。
この減速装置1によれば、遊星歯車30の回転軸線A2から第一溝部34の径方向外側端部までの距離r1は、遊星歯車30の回転軸線A2から第二溝部36の径方向外側端部までの距離r2よりも大きい。従って、遊星歯車30が回転軸線A2まわりを自転するとき、第一溝部34の径方向外側端部における圧力は、第二溝部36の径方向外側端部における圧力よりも低くなる。よって、遊星歯車30の内周面とキャリヤ軸部材50の外周面との間に形成されたニードル軸受60の配置領域に取り込まれた潤滑油は、第一溝部34から強制的に排出され、それと同時にニードル軸受60の配置領域には第二溝部36から潤滑油が新たに取り込まれる。
このように、遊星歯車30の回転により発生する第一溝部34の径方向外側端部と第二溝部36の径方向外側端部との圧力差を利用して、ニードル軸受60の配置領域に供給される潤滑油の循環を促すことができる。即ち、ニードル軸受60の配置領域に劣化した潤滑油が滞留することを回避できるので、ニードル軸受60の耐久性を向上させることができる。
上記した減速装置1において、遊星歯車30の軸方向一方側を向く端面には、遊星歯車30の外歯よりも軸方向一方側へ突出する第一凸部33が形成され、遊星歯車30の軸方向他方側を向く端面には、遊星歯車30の外歯よりも軸方向他方側へ突出する第二凸部35が形成され、第一溝部34は、第一凸部33に形成されると共に、第二溝部36は、第二凸部35に形成される。
この減速装置1によれば、遊星歯車30の軸方向を向く端面に第一凸部33及び第二凸部35が形成され、第一凸部33には第一溝部34が、第二凸部35には第二溝部36がそれぞれ形成される。よって、第一溝部34及び第二溝部36を容易に形成することができる。また、第一溝部34及び第二溝部36が外歯に形成されることを回避できるので、第一溝部34及び第二溝部36の形成により外歯の強度が低下することを防止できる。
上記した減速装置1において、遊星歯車30は、軸方向一方側を向く端面に第一溝部34が形成された外歯車である第一遊星歯車31と、第一遊星歯車31よりも歯数の少ない外歯車であって、軸方向一方側を向く端面が第一遊星歯車31の軸方向他方側を向く端面に連結される一方、軸方向他方側を向く端面に第二溝部36が形成された第二遊星歯車32と、を備える。これに加え、太陽歯車は、第一遊星歯車31に噛合する内歯車又は外歯車である第一太陽歯車20と、第二遊星歯車32に噛合する内歯車である第二太陽歯車40と、を備える。
この減速装置1によれば、第一溝部34は、第一遊星歯車31の軸方向一方側を向く端面に形成され、第二溝部36は、第二遊星歯車32の軸方向他方側を向く端面に形成される。よって、ニードル軸受60の配置領域に取り込まれた潤滑油は、第二遊星歯車32側から第一遊星歯車31側へ循環する。
ここで、第二遊星歯車32は、第一遊星歯車31よりも歯数が少なく、第一遊星歯車31よりも外径が小さくなるので、第二太陽歯車40との噛合により第二遊星歯車32に加わる反力は、第一太陽歯車20との噛合により第一遊星歯車31に加わる反力よりも大きい。従って、第二遊星歯車32の内周面を支持するニードル軸受60には、第一遊星歯車31の内周面を支持するニードル軸受60と比べて、高い耐久性が要求される。
この点に関し、上記したように、ニードル軸受60の配置領域に取り込まれた潤滑油は、第二遊星歯車32側から第一遊星歯車31側へ循環するので、第二遊星歯車32の内周面を支持するニードル軸受60には、第一遊星歯車31の内周面を支持するニードル軸受60と比べて、異物の含有量が少ない潤滑油が供給される。よって、第二遊星歯車32の内周面を支持するニードル軸受60に対する耐久性向上効果を高めることができる。
1:減速装置、 10:ハウジング、 20:第一太陽歯車(太陽歯車)、 30:遊星歯車、 31:第一遊星歯車、 32:第二遊星歯車、 33:第一凸部、 34:第一溝部、 35:第二凸部、 36:第二溝部、 40:第二太陽歯車(太陽歯車)、 50:キャリヤ軸部材、 60:ニードル軸受、 70:キャリヤ支持部材、 A2:(遊星歯車の)回転軸線、 r1:(遊星歯車の回転軸線から第一溝部の径方向外側端部までの)距離、 r2:(遊星歯車の回転軸線から第二溝部の径方向外側端部までの)距離
Claims (3)
- 潤滑油が充填されたハウジングと、
前記ハウジングに収容される内歯車又は外歯車である太陽歯車と、
前記太陽歯車に噛合する外歯車である遊星歯車と、
前記遊星歯車に挿入されるキャリヤ軸部材と、
前記遊星歯車の内周面に対し、前記キャリヤ軸部材の外周面を回転可能に支持するニードル軸受と、
前記キャリヤ軸部材の軸方向両端を支持し、前記遊星歯車が軸方向へ変位することを規制するキャリヤ支持部材と、
を備え、
前記遊星歯車は、
軸方向一方側を向く端面に放射状に形成される第一溝部と、
軸方向他方側を向く端面に放射状に形成される第二溝部と、を備え、
前記遊星歯車の回転軸線から前記第一溝部の径方向外側端部までの距離は、前記遊星歯車の回転軸線から前記第二溝部の径方向外側端部までの距離よりも大きい、減速装置。 - 前記遊星歯車の軸方向一方側を向く端面には、前記遊星歯車の外歯よりも軸方向一方側へ突出する第一凸部が形成され、
前記遊星歯車の軸方向他方側を向く端面には、前記遊星歯車の外歯よりも軸方向他方側へ突出する第二凸部が形成され、
前記第一溝部は、前記第一凸部に形成されると共に、前記第二溝部は、前記第二凸部に形成される、請求項1に記載の減速装置。 - 前記遊星歯車は、
軸方向一方側を向く端面に前記第一溝部が形成された外歯車である第一遊星歯車と、
前記第一遊星歯車よりも歯数の少ない外歯車であって、軸方向一方側を向く端面が前記第一遊星歯車の軸方向他方側を向く端面に連結される一方、軸方向他方側を向く他面に前記第二溝部が形成された第二遊星歯車と、を備え、
前記太陽歯車は、
前記第一遊星歯車に噛合する内歯車又は外歯車である第一太陽歯車と、
前記第二遊星歯車に噛合する内歯車である第二太陽歯車と、を備える、請求項1又は2に記載の減速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016093156A JP2017201194A (ja) | 2016-05-06 | 2016-05-06 | 減速装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2022118594A1 (ja) * | 2020-12-02 | 2022-06-09 | 株式会社リケン | 遊星減速機 |
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-
2016
- 2016-05-06 JP JP2016093156A patent/JP2017201194A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7174523B2 (ja) | 2018-03-14 | 2022-11-17 | ヤンマーパワーテクノロジー株式会社 | 駆動装置 |
JP2020133818A (ja) * | 2019-02-22 | 2020-08-31 | 株式会社デンソー | 偏心揺動型減速装置 |
JP7275635B2 (ja) | 2019-02-22 | 2023-05-18 | 株式会社デンソー | 偏心揺動型減速装置 |
WO2022118594A1 (ja) * | 2020-12-02 | 2022-06-09 | 株式会社リケン | 遊星減速機 |
JP2022088151A (ja) * | 2020-12-02 | 2022-06-14 | 株式会社リケン | 遊星減速機 |
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