JP6021694B2 - 車輪駆動装置のシリーズ - Google Patents

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Description

本発明は、車輪駆動装置のシリーズに関する。
フォークリフト等の作業車両の車輪を駆動する車輪駆動装置において、車輪のホイールの内側に減速機およびモータを収めたものが知られている(例えば、特許文献1)。この車輪駆動装置は、固定部材と、回転部材と、前記固定部材と前記回転部材との間に配置される車体側軸受および反車体側軸受と、を備え、前記回転部材の回転を車輪に伝達するものである。一般に、このような車輪駆動装置では、減速機の内部空間が外部に対して封止され、減速機内の回転部品による攪拌損失を低減させるために低粘度の潤滑剤が封入されている。
特開2012−182917号公報
ここで、車両によっては、駆動する車輪の荷重点と反車体側軸受との位置関係が異なる複数の車輪駆動装置が必要となる場合がある。例えば、フォークリフトにおいては、シングルタイヤを駆動する車輪駆動装置とダブルタイヤを駆動する車輪駆動装置が必要となる場合がある。このような場合に、各車輪駆動装置を個別に専用設計したのでは、部品点数や組み立て工数の増加、在庫管理の煩雑化という問題が生じる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動する車輪の荷重点と反車体側軸受との位置関係が異なる複数の車輪駆動装置を、部品の大部分を共用しつつ実現できる車輪駆動装置のシリーズを提供することにある。
本発明のある態様は、固定部材と、回転部材と、固定部材と回転部材との間に配置される車体側軸受および反車体側軸受と、を備え、回転部材の回転が車輪に伝達される車輪駆動装置のシリーズである。このシリーズは、第1の車輪駆動装置と、第1の車輪駆動装置が駆動する車輪よりも反車体側軸受に対して荷重点が車体外側となる車輪を駆動する第2の車輪駆動装置と、を含む。第1の車輪駆動装置と第2の車輪駆動装置は、共通の固定部材、回転部材、車体側軸受および反車体側軸受を有する。第1の車輪駆動装置は、車体側軸受および反車体側軸受が同一空間内で同一の潤滑剤で潤滑される。第2の車輪駆動装置は、車体側軸受の配置される車体側空間と反車体側軸受の配置される反車体側空間とがシール部材により仕切られ、反車体側空間には、車体側空間内の潤滑剤よりも高粘度の潤滑剤が封入される。
この態様によると、第2の車輪駆動装置ではシール部材を追加することにより、車体側軸受と反車体側軸受の配置空間でそれぞれ粘度の異なる最適な潤滑剤を使用することができる。したがって、駆動する車輪の荷重点と反車体側軸受との位置関係が異なる複数の車輪駆動装置を、部品の大部分を共用しつつ実現できる。なお、車輪の荷重点とは、車輪の幅方向(車幅方向)の中心点のことを言う。
以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、駆動する車輪の荷重点と反車体側軸受との位置関係が異なる複数の車輪駆動装置を、部品の大部分を共用しつつ実現できる。
シングルタイヤが装着された、本発明の一実施形態に係る車輪駆動装置の構成を示す断面図である。 ダブルタイヤが装着された、本発明の一実施形態に係る車輪駆動装置の構成を示す断面図である。 ワイドタイヤが装着された、本発明の一実施形態に係る車輪駆動装置の構成を示す断面図である。
図1および図2は、それぞれ車輪70、170と締結された本発明の一実施形態に係る車輪駆動装置100、100’を中心軸を含む鉛直面で切断したときの断面図である。車輪駆動装置100は、例えばフォークリフト等の作業車両に使用される。
図1に示す車輪70は、ホイール48に一本のタイヤ50が装着されるいわゆるシングルタイヤであり、図2に示す車輪170は、ホイール148に二本のタイヤ150A、150Bが装着される、いわゆるダブルタイヤと呼ばれるものである。
便宜上、シングルタイヤの車輪70を駆動する方を第1車輪駆動装置100、ダブルタイヤの車輪170を駆動する方を第2車輪駆動装置100’と称する。以下では、図1に示す第1車輪駆動装置100について説明を行うが、特に言及する点を除き、第2車輪駆動装置100’も同様の構成を備えている。
車輪駆動装置100は、偏心揺動噛合型と呼ばれる遊星歯車機構の一種である減速機10と、図1の左側すなわち車体側で減速機10に連結される図示しないモータとを備える。
モータの出力軸は、スプライン(図示せず)を介して減速機10の入力軸16と連結される。入力軸16は、後述する外歯歯車24、26の半径方向中央に配置されている。入力軸16には、入力軸16と軸心のずれた二つの偏心体18、20が一体に形成されている。二つの偏心体18、20は、互いに180度の位相差を有して偏心している。入力軸16には、ころ軸受21、23に潤滑油を供給する通路18A、20Aが形成されている。なお、偏心体18、20は、入力軸16と別体で構成された上で、キー等によって入力軸に固定されたものであってもよい。
各偏心体18、20の外周には、ころ軸受21、23を介して二枚の外歯歯車24、26が揺動可能に外嵌されている。外歯歯車24、26は、それぞれ内歯歯車28に内接噛合している。
内歯歯車28は、内歯を構成する円筒状の摺動促進部材である内歯ピン(外ローラとも言う)28A、28Bと、内歯ピン28A、28Bを貫通してこれを回転自在に保持する外ピン(保持ピンとも言う)28Cと、外ピン28Cを回転自在に支持するとともにケーシング30の内周面に嵌合された内歯歯車本体28Dとで、主に構成されている。なお、外ピンは回転不能にケーシング30に支持されてもよい。
内歯歯車28の内歯の歯数、すなわち内歯ピン28A、28Bの数は、外歯歯車24、26の外歯の歯数よりも僅かに(この実施形態では1だけ)多い。
外歯歯車24、26の軸方向車体側(車体内側)には車体フレーム(図示せず)に固定される第1キャリア体34が配置され、軸方向反車体側(車体外側)にはキャリアボルト36およびキャリアピン42を介して第1キャリア体34と一体化された第2キャリア体38が配置されている。第2キャリア体38には、内ピン40が圧入されている。第1およびキャリア体34、38を合わせて「固定部材」とも称する。
外歯歯車24には、その軸心からオフセットされた位置に12個の同径の貫通孔が等間隔に形成されている。そのうち、120度の等間隔で配置された3つの孔にはキャリアピン42が挿通され、残りの9つの孔には内ピン40が挿通される。そのため、前者をキャリアピン孔24Bと呼び、後者を内ピン孔24Aと呼ぶが、その形状および半径方向位置に相違はない。外歯歯車24の外周には波形の歯が形成されており、この歯が内歯歯車28の内歯ピン28A上を接触しつつ移動することで、中心軸を法線とする面内で外歯歯車24が揺動できるようになっている。図示しないが、外歯歯車24に対して180度の位相差がある点以外は、外歯歯車26も同様の構成を有する。
内ピン40は、外歯歯車24、26に貫通形成された内ピン孔24A、26Aに隙間を有した状態で挿通され、その先端が第1キャリア体34の凹部34Aに圧入されている。内ピン40は、外歯歯車24、26に形成された内ピン孔24A、26Aの一部と摺動促進部材44を介して当接しており、外歯歯車24、26の自転を拘束しその揺動のみを許容している。
内ピン40は、凹部34Aに圧入されているだけであり、ボルト等による固定はなされていない。内ピン40は、第1および第2キャリア体34、38と外歯歯車24、26との間の動力の伝達に寄与する連結部材であると言える。
キャリアピン42は、外歯歯車24、26に貫通形成されたキャリアピン孔24B、26Bに隙間を有した状態で挿通され、拡径した当接部42Cが第1キャリア体34の車体外側面に当接している。キャリアピン42と第1キャリア体34とは、キャリアボルト36によって締結されている。第1キャリア体34にはキャリアボルト36を挿通するための貫通孔34Cおよび座ぐり部34Bが形成されており、キャリアピン42の軸方向端面には、キャリアボルト36をねじ込むためのねじ穴42Eが形成されている。また、第2キャリア体38には雌ねじ穴38Cが形成されており、キャリアピン42の反車体側先端の雄ねじと締結されて、キャリアピン42と第2キャリア体38とが連結される。
キャリアピン42は、外歯歯車24、26のキャリアピン孔24B、26Bとは接しておらず、外歯歯車24、26の自転の拘束には寄与していない。キャリアピン42は、第1キャリア体34と第2キャリア体38の間の連結のみに寄与している連結部材であると言える。
減速機10のケーシング(「回転部材」とも称する)30は略円筒形をなしており、第1主軸受(「車体側軸受」とも称する)46を介して第1キャリア体34の外周にケーシング30が回転自在に支持される。また、ケーシング30の(外歯歯車24、26よりも)車体外側すなわち反車体側には径方向内側に延びるフランジが形成されている。このフランジの内周に形成された凹部30Cに第2主軸受(「反車体側軸受」とも称する)47が嵌入されており、第2主軸受47を介して第2キャリア体38の外周にケーシング30が回転自在に支持される。なお、第1および第2主軸受46、47は、ケーシング30に対して圧入されていてもよいし、隙間嵌めされた後に図示しない止め輪でケーシング30に固定されてもよい。つまり、ケーシング30に対して軸方向に固定されていればよい。
ケーシング30の車体外側の端面には、ボルト49によって作業車両の車輪70のホイール48が締結され、このホイール48にタイヤ50が装着される。図2の第2車輪駆動装置100’でも同様に、ケーシング30の車体外側の端面に、ボルト49によって車輪170のホイール148が締結され、このホイール148にタイヤ150A、150Bが装着される。
第2キャリア体38の外周面に形成されたねじ部にはベアリングナット56が螺合されている。反車体側軸受47の内輪47Cがベアリングナット56の左端面と接触し、反車体側軸受47の外輪47Bはケーシング30の凹部30Cと接触している。また、車体側軸受46の外輪46Bがケーシング30の凹部30Aと接触し、車体側軸受46の内輪46Cが第1キャリア体34に形成された肩部34Eと接触している。この結果、主軸受46、47が嵌入されたケーシング30の軸方向の移動が、ベアリングナット56によって規制されている。
ベアリングナット56の車体外側には、該ベアリングナットを外部から覆うカバー60がボルト62によってケーシング30の端面に取り付けられる。
車体側軸受46よりも車体内側には、ケーシング30の内周と第1キャリア体34の外周面との間を封止するオイルシール72も設けられている。オイルシール72は、ケーシング30の内周に形成された凹部30Bに嵌入(圧入)され、リップが第1キャリア体34の外周面に接するように配置される。このシールにより、ケーシング30の内側の空間80が外部から封止される。空間80には潤滑剤が封入される。
減速機10の入力部材たる入力軸16は、正面合わせで配置された一対のアンギュラ玉軸受52、54を介して、第1キャリア体34および第2キャリア体38に回転自在に支持されている。アンギュラ玉軸受52、54は、それぞれ転動体52A、54A、および外輪52B、54Bを有しているが、内輪は有していない。代わりに、入力軸16に転動面52C、54Cが形成されており、これらがアンギュラ玉軸受の内輪として機能している。なお、この構成に限られず、別体の内輪を配置してもよい。
続いて、車輪駆動装置100の作用を説明する。
図示しないモータの出力軸の回転が、スプラインを介して減速機10の入力軸16に伝達される。入力軸16が回転すると、偏心体18、20の外周が偏心運動を行い、ころ軸受21、23を介して外歯歯車24、26が揺動する。この揺動により、外歯歯車24、26の外歯と内歯歯車28の内歯ピン28A、28Bとの噛合位置が順次ずれてゆく現象が生じる。
外歯歯車24、26と内歯歯車28との歯数差は、1に設定されており、また、各外歯歯車24、26の自転は、車体フレームに固定された第1キャリア体34に固定された内ピン40によって拘束されている。このため、入力軸16が一回転する毎に、自転の拘束されている外歯歯車24、26に対して内歯歯車28が歯数差に相当する分だけ自転(回転)することになる。この結果、入力軸16の回転により、1/(内歯歯車の歯数)に減速された回転速度にて内歯歯車本体28Dと一体化されているケーシング30が回転する。ケーシング30の回転により、ケーシング30にボルト49によって固定されているホイール48を介してフォークリフトのタイヤ50が回転する。
続いて、図1および2を参照して、第1車輪駆動装置100と第2車輪駆動装置100’の相違点について説明する。
図1に示すシングルタイヤの車輪70の荷重点は、車体側軸受46と反車体側軸受47の間の線G1上に位置するのに対し、図2に示すダブルタイヤの車輪170の荷重点は、反車体側軸受47よりもさらに車体外側になる図2中の線G2上に位置する。つまり、第2車輪駆動装置100’においては、第1車輪駆動装置100よりも、車輪の荷重点が反車体側軸受47に対して車体外側に位置する。このため、シングルタイヤ用とダブルタイヤ用とで同一の車輪駆動装置を使用すると、ダブルタイヤの装着時には反車体側軸受47にかかる負荷がシングルタイヤの装着時よりも増大し、耐久性が低下する。なお、車輪の荷重点とは、車輪の幅方向(車幅方向)の中心点のことを言う。
したがって、ダブルタイヤの装着時には、ケーシング30の内側の空間80内により高粘度の潤滑剤を封入して、作動中の転動面の油膜を確保することが望ましい。しかしながら、高粘度の潤滑剤は攪拌損失を増大させるので、車体側軸受46の配置される空間(外歯歯車24、26、内歯歯車28やころ軸受21、23の配置される空間)では従来通りの低粘度の潤滑剤を使用することが望ましい。
そこで、本実施形態に係る車輪駆動装置は、車体側軸受46が配置される空間と反車体側軸受47が配置される空間とを仕切るシール部材を追加配置できるように設計されている。具体的には、ケーシング30の内周面に、シール部材が配置される配置面88が予め形成されている。第1車輪駆動装置100では、配置面88に配置されるシール部材のリップが接触する第2キャリア体38の外周の接触面89は研磨されていない。
図2には、背中合わせに配置された一組のシール部材90A、90Bが示されている。シール部材90A、90Bの嵌合部が配置面88A上に配置され、シール部材のリップは第2キャリア体38の外周の接触面89に接触する。これらのシール部材によって、ケーシング30の内部の空間は、車体側軸受46が配置される車体側空間80Aと、反車体側軸受47が配置される反車体側空間80Bとに仕切られる。
そして、反車体側空間80B内には、車体側空間80A内に封入される潤滑剤よりも高粘度の潤滑剤を封入する。こうすることで、ダブルタイヤの装着により負荷条件が厳しくなる反車体側軸受とそれ以外の軸受とで異なる潤滑剤を使用することができるので、反車体側軸受の耐久性向上による作業車両の長期稼働化と、車体側空間(外歯歯車24、26や内歯歯車28といった減速機構部が配置される空間)内での低攪拌損失とを両立することが可能になる。
第1車輪駆動装置の場合は、配置面88上にシール部材を配置せずに、車体側軸受46と反車体側軸受47とを同一空間内で同一の潤滑剤で潤滑すればよい。
図1および2から分かるように、シングルタイヤが装着される第1車輪駆動装置100と、ダブルタイヤが装着される第2車輪駆動装置100’とは、シール部材90A、90Bの配置と高粘度の潤滑剤の封入以外は共通の構成を有している。つまり、車輪駆動装置に予めシール部材の配置面を設けておくだけで、同一の車輪駆動装置を荷重点の異なるタイヤに適合させることが可能になる。したがって、例えば反車体側軸受として高負荷に耐えられる特殊な軸受を採用したり、車体側または反車体側軸受の配置を変えた別の設計にするなどの複数種類の車輪駆動装置を開発、製造することなく、シール部材の有無により車輪駆動装置のシリーズを提供することが可能になる。
なお、反車体側空間80B内に、潤滑剤としてオイルではなくグリースを封入してもよい。この場合、反車体側を向くシール部材90Bは不要であり、車体側を向く一つのシール部材90Aがあれば十分である。
第2車輪駆動装置100’では、シール部材90A、90Bのリップが接触する、第2キャリア体38の外周の接触面89を研磨するようにしてもよい。第1車輪駆動装置100の第2キャリア体38と、第2車輪駆動装置100’の第2キャリア体38とでは、接触面89が研磨されていないか研磨されているという点での差があるが、このような場合にも第2キャリア体38自体は共用されていることになる。または、第2キャリア体38の接触面89を予め研磨しておき、第1車輪駆動装置100であるか第2車輪駆動装置100’であるかに関わらず接触面89が研磨された第2キャリア体38を使用できるようにしてもよい。
第2キャリア体38が、車体側空間80Aに開口する開口部38Aと、反車体側空間80Bに開口する開口部38Bとを有する中空軸である場合は、図2に示すように、中空軸の開口部38Aまたは38Bを塞ぐキャップ部材94を取り付けて、車体側空間80Aと反車体側空間80Bとを分離する必要がある。
また、第2車輪駆動装置100’では、車輪外部から反車体側空間80Bに連通する給脂孔92をケーシング30に形成するようにしてもよい。この給脂孔92により、反車体側空間80Bへの潤滑剤の供給を容易に行うことが可能になる。この給脂孔92は、潤滑剤を抜くときの排脂孔と兼用することもできる。第2車輪駆動装置100’では、車輪駆動装置外部から車体側空間80Aに連通する別の給脂孔(図示せず)をケーシング30に形成するようにしてもよい。この場合、第2車輪駆動装置100’のケーシング30には、第1車輪駆動装置100のケーシング30には存在しない給脂孔が追加されることになるが、ケーシング30自体は共用されていることになる。
第1車輪駆動装置100には、このような給脂孔を形成しなくてもよい。または第1および第2車輪駆動装置で共通して予め車体側空間80Aおよび/または反車体側空間80Bに連通する給脂孔を設けておき、第1車輪駆動装置の場合には不要な給脂孔を塞ぐ部材を別に取り付けるようにしてもよい。
上記では、車輪駆動装置に装着されるタイヤとしてシングルタイヤとダブルタイヤを説明したが、装着可能なタイヤはこれらに限られない。図3は、図1に示す車輪70よりも幅広のホイール248およびタイヤ250からなる車輪270(いわゆるワイドタイヤ)が装着された第3車輪駆動装置100”を示す。車輪270の荷重点は、線G3で示されている。
図3の車輪270の荷重点は、図2の車輪170のように反車体側軸受よりもさらに外側にまではなっていないが、図1の車輪70の荷重点に比べると反車体側軸受47に対して車体外側寄りになっている。したがって、第3車輪駆動装置100”でも、シール部材90A、90Bを配置して、反車体側空間80Bに車体側空間80Aよりも高粘度の適切な潤滑剤を封入することで、反車体側軸受47の負荷増大に対処することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車輪駆動装置では、シール部材を追加することにより、車体側軸受と反車体側軸受の配置空間でそれぞれ粘度の異なる最適な潤滑剤を使用して、反車体側軸受の耐久性向上とそれ以外の軸受および減速機構部の低攪拌損失とを両立することが可能になる。したがって、駆動する車輪の荷重点と反車体側軸受との位置関係が異なる複数の車輪駆動装置を、部品の大部分を共用しつつ実現できる。
本実施形態の回転部材(ケーシング30)や固定部材(第1、第2キャリア体34、38)は、そのベースとなる部材を共用しつつ、第1車輪駆動装置100と第2車輪駆動装置100’とで、一方のみが研磨されたり、一方のみに給脂孔が形成されたりすることがある。このように、ベースとなる部材に追加で加工が施される場合にも、ベースとなる部材が共用されている場合には、回転部材や固定部材(あるいは軸受)を共用していることになる。
このような車輪駆動装置のシリーズ化によって、設計の共通化による開発および製造の低コスト化を図れるとともに、車輪駆動装置の納期短縮や在庫圧縮にも貢献する。
以上、本発明の実施の形態について説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、ケーシングの回転を車輪に伝達する構造の車輪駆動装置について説明した。しかしながら、ケーシングを固定部材とし、外歯歯車の自転を取り出すフランジを回転部材とした構造の車輪駆動装置についても、本発明を適用することができる。
実施の形態では、車輪駆動装置として、入力軸(偏心体軸)16が内歯歯車28の中心に配置されるタイプの偏心揺動噛合型の遊星歯車減速機を例に説明した。しかしながら、このタイプの減速機に限らず、例えば、内歯歯車の中心からオフセットした位置に複数本の偏心体軸が配置されるタイプの偏心揺動型の遊星歯車減速機、単純遊星タイプの遊星歯車減速機を含む、任意のタイプの遊星歯車減速機構を有する車輪駆動装置に対しても本発明を適用することができる。さらには、遊星歯車減速機構以外の減速機構を有する車輪駆動装置にも本発明を適用することができる。
実施の形態では、車輪駆動装置が駆動する車両としてフォークリフトを例にとり説明したが、本発明は任意の車両に適用することができる。
10 減速機、 16 入力軸、 30 ケーシング(回転部材)、 34 第1キャリア体(固定部材)、 38 第2キャリア体(固定部材)、 46 第1主軸受(車体側軸受)、 47 第2主軸受(反車体側軸受)、 48、148、248 ホイール、 50、150A、150B、250 タイヤ、 70、170、270 車輪、 80A 車体側空間、 80B 反車体側空間、 90A、90B シール部材、 92 給脂孔、 94 キャップ部材、 100 第1車輪駆動装置、 100’ 第2車輪駆動装置。

Claims (6)

  1. 固定部材と、回転部材と、前記固定部材と前記回転部材との間に配置される車体側軸受および反車体側軸受と、を備え、前記回転部材の回転を車輪に伝達する車輪駆動装置のシリーズであって、
    第1の車輪駆動装置と、第1の車輪駆動装置が駆動する車輪よりも反車体側軸受に対して荷重点が車体外側となる車輪を駆動する第2の車輪駆動装置と、を含み、
    前記第1の車輪駆動装置と前記第2の車輪駆動装置は、共通の固定部材、回転部材、車体側軸受および反車体側軸受を有し、
    前記第1の車輪駆動装置は、前記車体側軸受および前記反車体側軸受が同一空間内で同一の潤滑剤で潤滑され、
    前記第2の車輪駆動装置は、前記車体側軸受の配置される車体側空間と前記反車体側軸受の配置される反車体側空間とがシール部材により仕切られ、前記反車体側空間には、前記車体側空間内の潤滑剤よりも高粘度の潤滑剤が封入される
    ことを特徴とする車輪駆動装置のシリーズ。
  2. 前記第1および第2の車輪駆動装置は中空軸を有し、該中空軸の一端は前記車体側空間に開口し、他端は反車体側空間に開口し、
    前記第2の車輪駆動装置には、前記中空軸の開口を塞ぐキャップ部材が配置されることを特徴とする請求項1に記載の車輪駆動装置のシリーズ。
  3. 前記シール部材の嵌合部が配置される配置面が、前記第1および第2の車輪駆動装置に共通して設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の車輪駆動装置のシリーズ。
  4. 前記第2の車輪駆動装置では、前記シール部材のリップが接触する接触面が研磨されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車輪駆動装置のシリーズ。
  5. 前記第2の車輪駆動装置には、前記反車体側空間に潤滑剤を給脂する給脂孔が設けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車輪駆動装置のシリーズ。
  6. 前記給脂孔が前記回転部材に設けられ、該給脂孔が排脂孔を兼ねることを特徴とする請求項5に記載の車輪駆動装置のシリーズ。
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