JP2014172858A - 晶癖を有する結晶及び該結晶を有効成分として含有する医薬組成物 - Google Patents

晶癖を有する結晶及び該結晶を有効成分として含有する医薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ルリコナゾールの溶解性を改善する手段の提供。
【解決手段】以下に示すルリコナゾールの結晶であって、(011)面を特異的成長面とする晶癖を有することを特徴とする結晶を提供する。当該結晶は、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面などに相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)などの総和に対するI(011)が25%以上であることを特徴とする。

【選択図】なし

Description

本発明は、医薬用原体として有用なルリコナゾールの晶癖を有する結晶、及び、該結晶を医薬用原体とする医薬組成物に関する。
ルリコナゾールは、真菌に対する作用に優れる抗真菌剤であり、現在足白癬、体部白癬に対する医薬として広く使われ、爪白癬に対する作用にも応用されようとしている。ルリコナゾールの製剤には、SE体あるいはZ体等への立体異性化、塗布直後における結晶析出などが解決されるべき問題として知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3,特許文献4、特許文献5、特許文献6を参照)。前記塗布直後の結晶析出問題の背景には、ルリコナゾールの持っている溶解特性の問題が存し、多くの製剤化研究が為されているが、製剤系の長期保存時の結晶析出の問題で脱落した処方が少なくない。系における結晶析出は有効濃度にかかわる話であるので重要な問題の一つと言える。
又、ルリコナゾールは、抗真菌作用の強さから、白癬菌にとどまらず、肺炎や膣炎への応用も期待される。特に、これらの疾患に対しては、共存する蓋然性の高いトリコモナスに対しても抗原虫効果を奏するために、他の抗真菌剤に比してその応用が望まれていると言える。この様な疾患に対しては、通常その投与経路は、経口投与乃至は注射による投与が採用される。注射による投与においては、可溶化(溶解性)の問題が厳然と存在する。言い換えれば、ルリコナゾールの溶解性を改善する手段の開発が望まれていたと言える。
国際公開第2007/102241号パンフレット 国際公開第2007/102242号パンフレット 国際公開第2007/102243号パンフレット 国際公開第2009/031642号パンフレット 国際公開第2009/031643号パンフレット 国際公開第2009/031644号パンフレット
本発明は、この様な状況下為されたものであり、ルリコナゾールの溶解性を改善する手段を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者等は、ルリコナゾールの溶解性を改善する手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、水を含有してもよい、エタノールなどのアルコール中でルリコナゾールを緩やかな攪拌下再結晶させることにより、(011)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶が得られ、この結晶が優れた溶媒親和性を有し、この結晶を用いて溶液を調製することにより、ルリコナゾールの溶解性が向上することを見出し、発明を完成させるに至った。尚、本発明に言う「溶解性に優れる」とは、肉眼では可溶化状態に見えるのに、肉眼で検知できない微細な結晶が分散して存在する状態ではなく、0.2〜0.4μmのポアサイズのフィルターで濾過しても、濾過によって失われる結晶が存しない状態を意味する。
本発明は具体的には以下に示す通りである。
(1) 以下に示すルリコナゾールの結晶であって、(011)面を特異的成長面とする晶癖を有することを特徴とする、結晶。
(2) CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、及びI(221)の総和に対するI(011)が25%以上である、(1)に記載の結晶。
(3) 前記結晶は、単斜晶であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の結晶。(4) 前記結晶は、水を含んでいてもよいアルコールから再結晶されたものであることを特徴とする、(1)〜(3)の何れかに記載の結晶。
(5) 特異的成長面に硫黄原子を配してなる晶癖を有することを特徴とする、ルリコナゾールの結晶。
(6) (1)〜(5)の何れかに記載の結晶を含むことを特徴とする、医薬用原体。
(7) (1)〜(5)の何れかに記載の結晶、又は、(6)に記載の医薬用原体を、溶媒で溶解させた後、滅菌フィルターで濾過する工程を含むことを特徴とする、医薬組成物の製造方法。
(8) 前記滅菌フィルターは0.2μm〜0.5μmのポアサイズのフィルターであることを特徴とする、(7)に記載の製造方法。
(9) (7)又は(8)に記載の製造方法で製造されることを特徴とする、医薬組成物。
(10) 前記医薬組成物は、膣炎又は肺炎用の医薬組成物であることを特徴とする、(9)に記載の医薬組成物。
本発明によれば、ルリコナゾールの溶解性を改善する手段を提供することができる。
実施例1の結晶1、実施例2の結晶2及び(11−1)面を特異的成長面とする晶癖の結晶の粉末X線回折測定の結果を示す図である。 実施例1の結晶1のX線結晶構造解析図を示す図面である。記号Sを付した原子が硫黄原子である。
(1)本発明のルリコナゾールの結晶
本発明のルリコナゾールの結晶は、(011)面を特異的成長面とする晶癖を有することを特徴とする。この様な晶癖を有する結晶は、ルリコナゾールをエタノールなどの低級アルコールに加熱下溶解せしめ(溶解温度60〜70℃)、緩和な攪拌を加えながら冷却し、水などの貧溶媒を加え、結晶を析出せしめ、結晶を濾別し、30〜40℃の低温で送風乾燥することにより、調製することが出来る。ここで、加える貧溶媒の量は、低級アルコールに対して、10〜40%の容量であることが好ましい。貧溶媒の量が多くても、少なくても(011)面が特異的成長面とならない場合が存するからである。又、低級アルコールとしては、炭素数2〜4のアルコールが好ましく、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどが好適に例示でき、適宜、ジエチルエーテルやジイソプロピルエーテルを添加して、溶解度を調節することも出来る。これらのアルコールから選ばれる2種以上を混合して再結晶溶媒として用いることも出来る。かかるアルコールは使用時に水とともに用いても、或いは、予め含水させた状態で用いてもよい。好ましくは、水を貧溶媒として結晶の溶解後に加える形態である。
再結晶化は、通常の再結晶化手法に従って行うことができる。
ルリコナゾールの結晶においては、晶癖を有するものは知られていない。しかしながら、結晶の製造工程、例えば、再結晶溶媒と再結晶方法の違いにより、種々の特性の異なる結晶が得られることを本発明者らは把握している。この原因を探るために本発明者らは、再結晶溶媒と再結晶方法とを変えて再結晶を行い、粉末X線回折測定を行った。これらの内で、(011)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶の粉末X線回折測定の結果を図1に示すが、(011)面に相当する回折ピークの回折角2θの値は、13.5°付近であることを認めた。これまでの発明者等による、ルリコナゾール結晶の検討においては、この位置に回折ピークが存在することは認めているが、この回折ピークが大きく現れることはなく、新規の晶癖と判断した。
なお、上記(011)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶は、結晶系は単斜晶である。他方、ルリコナゾールを酢酸エチルとノルマルヘキサンの等量混合溶媒から再結晶し得られる、(11−1)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶も、結晶系は単斜晶であり、粉末X線回折測定の結果における回折角は(011)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶と一致するが、両者の間で回折強度が異なる。すなわち、これら2つの結晶は、同じ結晶系で晶癖が異なるものと考えられる。
ここで、結晶の特異的成長面とは、他の面に比して成長しやすい面を意味し、粉末X線回折測定を行った場合、測定回折角範囲内において他の回折ピークの積分強度に比較して有意に回折強度が大きいピークに帰属する面である。結晶の特異的成長面は、例えば、結晶の粉末X線回折測定における特異的に回折強度が高いピークとして検出することができる。
ここで、2θの値が13.5°付近とは、例えば13.5°±0.7°、好ましくは13.5°±0.5°の範囲である。
本発明の結晶は、2θ=13.5°付近の回折ピークが特異的に大きいことにより特徴づけられ、2θ=13.5°付近の回折ピークが特異的に大きいとは、「粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、積分強度比において、13.5°付近の回折ピークの積分強度が全回折ピークの積分強度の総和の1/4以上、即ち25%以上」であることを意味する。後記実施例における結晶の効果を参照しての数字である。
あるいは、2θ=13.5°付近の回折ピークが特異的に大きいとは、「2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面
、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)
及びI(221)の総和に対するI(011)が1/4以上」であってよい。
この様な晶癖を有する結晶の調製に使用されるルリコナゾールは、その純度が90%以上、より好ましくは95%以上であれば、その晶系にかかわらず、用いることが出来る。かかるルリコナゾールは、例えば、特開昭60−218387号に記載されている方法に従って合成することができる。即ち、1−シアノメチルイミダゾールと二硫化炭素とを反応させ、(III)の化合物を得、これと脱離基を有する一般式(II)の化合物と反応させることにより、かかる一般式(1)に表される化合物を得ることができる。この一般式(1)に表される化合物の内、R=X=Clに相当するものがルリコナゾールである。かかる脱離基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基又はハロゲン原子等が好適に例示できる。
(2)本発明の医薬用原体
かくして得られた、本発明の結晶である、(011)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶は、アルコール、特にエタノールに対する溶解性に優れ、通常は微細な、肉眼で検知できない結晶が残るのを防ぐ作用に優れる。この為、ポアサイズの小さい、滅菌用の濾紙を用いて濾過しても、これによるわずかな有効成分の減少も認めない。この為、滅菌濾過工程を有する製造方法で製造される、製剤用の原体として好ましい。この様な製剤としては、例えば、膣炎や肺炎を対象とした注射剤などが好ましく例示できる。勿論、この様な特性は他の製剤においても不利益が生じにくいことから、白癬症治療薬などへの本発明の結晶の使用は可能である。更に説明するならば、0.2〜0.5μmのポアサイズで微少な不要物を取り除くことは、経時安定性を向上させるためにも有利である。この様なことから、本発明の結晶は医薬用原体として用いることが出来る。これが本発明の医薬用原体である。
本発明の医薬用原体は、ルリコナゾールの結晶以外に、医薬用原体として許容される範囲内の物質、不純物、類縁体を含有することができるが、実質的にルリコナゾールの結晶からなる形態が特に好ましい。
<粉末X線回折パターンにおける2θ=13.5°付近の回折ピーク>
本発明の結晶の晶癖は、粉末X線回折パターンにおける2θ=13.5°付近の回折ピークにより特徴付けられる。その単結晶X線構造解析データより、粉末X線回折パターンにおける2θ=13.5°の回折ピークを理論的に計算したところ、(011)面を表す。この面においては、2つの硫黄原子が配されている。これに対して、従来知られている結晶である、n−ヘキサン・酢酸エチルから再結晶される結晶においては、(11−1)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶であり、この面においてはフェニル基が配されている。この面は、粉末X線回折パターンにおける2θ=16°付近の回折ピークに示される面である。
(3)本発明の医薬組成物
本発明の医薬組成物は、前記本発明の結晶又は本発明の医薬用原体を含有することを特徴とする。かかる結晶はエタノールなどの低級アルコールへの溶解性に優れ、溶解工程において、肉眼で検知しにくい微細結晶が残りにくい。従って、濾過、取り分け、0.2μm〜0.5μmのポアサイズの滅菌濾過を行う工程において、この様な微細結晶は取り除かれるが、本発明の結晶を用いる場合ではこの様な微細結晶が残らないので、その分、活性を損なうことを防ぐことが出来る。この様な過程で損なわれる活性は、実質的には、MIC等のデータには影響を及ぼさないが、医薬の効き目の閾値には微妙な影響を与えるので、医薬品の主旨からは少ない方が好ましい。また、微結晶が残存することにより経時での結晶化を誘発することもあり得るので、その意味からも取り除いた方が好ましい。従って、この様な活性の損失の出る可能性のある製剤、言い換えれば、製造の工程に滅菌濾過を行う工程を含んだ製剤の原体として、本発明の結晶或いは、本発明の医薬用原体は有用であるといえる。本発明の医薬組成物のルリコナゾールの好ましい含有量は、医薬組成物全量に対して0.1〜30質量%であり、0.5〜15質量%がより好ましい。
本発明の製剤には、(011)面を特異的成長面とする晶癖を有するルリコナゾール結晶以外に、溶剤、着色剤、抗酸化剤、キレート剤、乳化・分散剤、可溶化剤、崩壊剤、賦形剤、結合剤、被覆剤、矯味矯臭剤等を適宜加えて、常法に従って処理することにより製造できる。
本発明の医薬組成物は、ルリコナゾールの特性を利用し、真菌による疾病の治療又は悪化の予防に用いることが好ましい。真菌による疾病としては、水虫のような足部白癬症、カンジダ、デンプウのような体部白癬症、爪白癬のようなハードケラチン部分の白癬症が例示でき、その効果が顕著なことから、爪白癬のようなハードケラチン部分の処置に用いることが特に好ましい。本発明の医薬組成物の効果は爪に特に好適に発現されるが、通常の皮膚真菌症にも及ぶので、本発明の構成を充足する皮膚真菌症に対する医薬組成物も本発明の技術的範囲に属する。この様な皮膚真菌症としては、足白癬症や足白癬症の内、かかとなどに現れる角質増殖型の白癬症などが例示できる。上記皮膚真菌症においては、通常の薬剤が効果を奏しにくい角質増殖型の白癬症への適用が本発明の効果が著しく現れるので好ましい。また、カンジダ、トリコモナスなどによる膣炎、肺炎用への適用、外陰唇への経皮投与、膣内投与、経口投与、注射による投与なども好適に例示でき、これらのカンジダ、トリコモナスに対する投与では外陰唇への投与が特に好適に例示できる。
その使用態様は、患者の体重、年令、性別、症状等を考慮して適宜選択できるが、通常成人の場合、ルリコナゾールを1日当たり0.01〜5g投与するのが好ましい。また、真菌による疾病に通常使用されているルリコナゾールの使用量を参考にすることができる。トリコモナスなどによる疾病の場合もこれに準ずる。
例えば外用剤であれば、一日に一回又は数回、疾病の箇所に適量を塗布することが例示
でき、かかる処置は連日行われることが好ましい。また、内服剤であれば500mg〜2000mgを1日1回乃至数回投与することが好ましい。膣錠であれば、ルリコナゾールの量が500〜1500mgになるように調整し、1日乃至は数日に1回膣内に投与することが好ましい。ルリコナゾールの膣投与においては、トリコモナスのような原虫とカンジダのような真菌を同時に処置できるので好ましい。特に複合感染の場合には1剤で処置できるので好適である。又、トリコモナスの単純感染による膣炎の場合には、治療と共に、カンジダなどの真菌感染を予防的に防ぐことが出来るので好ましい。又、本発明の効果は対象微生物が真菌であっても及ぶので、この様な原虫との同時感染処置又は予防のための抗真菌剤としての使用に対しても本発明の晶癖を有する結晶及び当該結晶を有効成分として含む医薬組成物の権利は及ぶ。
本発明の医薬組成物を、症状鎮静後1〜2週間投与することにより、この様な再発や再感染を防ぐことができる。この様な形態で本発明の医薬組成物は予防効果を奏する。
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
ルリコナゾール5gに150mLのエタノールを加え、還流して可溶化し、攪拌しながらゆっくり65℃まで冷却し、この温度で10分保持した後、これに水20mLを加え、攪拌冷却し、析出した結晶を濾取して、30℃で送風しながら48時間乾燥させて、本発明の結晶1を得た。このものの粉末X線回折パターンを図1に示す。粉末X線回折測定は、次の条件;装置:XRD‐DSCII、リガク製、条件:X線源:CuKα、測定温度:室温、管電圧:40kV、管電流:40mA、2θ:5〜35°、ステップ角:0.05°にて行った。このデータを元に、単結晶X線構造解析のデータと照らし合わせて、このチャートの2θ=13.5°の回折ピークが(011)面であることが分析された。単結晶X線構造解析による示性値は下記の<単結晶X線構造解析データ>の通りであった。単結晶X線構造解析は、次の条件;装置:RU−H2R、リガク製、条件:X線源:CuKα、測定温度:26℃、管電圧:50kV、管電流:180mA、2θmax:150.0°構造解析法:直接法(SHELX86)にて行った。又、単結晶X線構造解析の諸データ及び粉末X線回折パターンにおける(11−1)面のピーク面積比、(011)面のピーク面積比は下記の<粉末X線回折測定における積分強度比>に示す。単結晶X線構造解析から得られた解析値から、計算(ソフトウェア名:Mercury)により求めた、結晶構造と特異的成長面を示す図を図2に示す。
比較例の(11−1)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶は、ルリコナゾールを酢酸エチルとノルマルヘキサンの等量混合溶媒から再結晶し得た。このものの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、及びI(221)の総和に対するI(11-1)は61%であり、同総和に対するI(011)がは2%であった。
<単結晶X線構造解析データ>
結晶系:単斜晶
空間群:P21
格子定数
a=9.0171(9)Å
b=8.167(1)Å
c=10.878(1)Å
β=95.917(9) Å
R因子
R=0.046
Rw=0.047
<粉末X線回折測定における積分強度比>
2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、及びI(221)の総和に対するI(011)は54%であり、同総和に対するI(11-1)は2%であった。
<実施例2>
ルリコナゾール5gに150mLのエタノールを加え、還流して、可溶化し、攪拌しながらゆっくり70℃まで冷却し、この温度で10分間保持し、これに水15mLを加え、攪拌冷却し、析出した結晶を濾取して、30℃で送風しながら48時間乾燥させて、本発明の結晶2を得た。このものの粉末X線回折パターンを図1に示す。
単結晶X線構造解析による示性値は下記の通りであった。又、単結晶X線構造解析の諸データ及び粉末X線回折パターンにおける(11−1)面のピーク面積比、(011)面のピーク面積比は下記に示す。
粉末X線回折測定及び単結晶X線構造解析は、実施例1と同様に行った。
<単結晶X線構造解析データ>
結晶系:単斜晶
空間群:P21
格子定数
a=9.0171(9)Å
b=8.167(1)Å
c=10.878(1)Å
β=95.917(9)°
R因子
R=0.046
Rw=0.047
<粉末X線回折測定における積分強度比>
2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、及びI(221)の総和に対するI(011)は26%であり、同総和に対するI(11-1)は5%であった。
<実施例3>
トリコモナス・バージナリス(臨床分離株)に対する効果を、(11−1)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶と比較して調べた。コントロールとしては、10%エタノール生理食塩水溶液を用いた。
(11−1)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶としては、上記比較例の結晶を用いた。(011)面を特異的成長面とする晶癖を有する結晶としては、結晶2を用いた。
これらのルリコナゾールの結晶は、それぞれ7.02mgを秤量し、これに10mLのエタノールを加えて溶かし、目視で結晶が存在していないことを確認した後、この100μLを取り、これに900μLの生理食塩水を加え、これを0.22μmのポアサイズのフィルターで滅菌濾過し、5.02μg/mL(終濃度)のサンプルとした。このものから250μLを取り、これに10%エタノール生理食塩水250μLを加え2.51μg/mL(終濃度)のサンプルとした。
これらのサンプルは、0.5mLを「トリコモナス培地F」(富士製薬製)に加え、これにトリコモナス培養液100μL(トリコモナス5×103個)を加え96時間培養し
、氷水中で10分間冷却した後、培地を攪拌し、これを血球計測板に広げ、生存トリコモナスを計数した。コントロールはサンプルに代えて10%エタノール生理食塩水0.5mLを加えた。結果を表1に示す。これより、MICはほとんど変わらないが、MIC近辺では有意に結晶2が(11−1)面を特異的成長面とする晶癖の結晶よりもトリコモナスの生育の抑制に優れることが判る。また、(011)面のピーク面積比が26%であったことより、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、及びI(221)の総和に対するI(011)が25%以上あればこの様な効果を奏することが推認できる。
<実施例4>
実施例3と同様に、結晶1及び結晶2を3.45mgを正確に秤量し、これを10mLのエタノールに溶かし、目視で結晶が存在していないことを確認した後、この100μLを取り、これに900μLの生理食塩水を加え、これを0.22μmのポアサイズのフィルターで滅菌濾過して検体とした。この検体0.5mLを「トリコモナス培地F」(富士製薬株式会社製)に加え、更に、前培養し、培地を加えて2.7×105個/mLに調製
したトリコモナス培養液100μLを加え、72時間37℃で培養した(終濃度2.4μg/mL)。培養終了後、血球計測板で生存しているトリコモナスを計数した。結果を表
2に示す。(011)面に相当する回折ピークの積分強度比が54%の結晶1の方が、(011)面に相当する回折ピークの積分強度比26%の結晶2よりも優れた抗トリコモナス効果を奏していることが判る。故に、本発明の効果は(011)面に相当する回折ピークの積分強度比が25%以上のものにおいて、その面構成比が大きいほど大きな効果が発揮されるものと推認される。
<実施例5>
下記処方に従って、皮膚外用剤を作製した。即ち、処方成分イ、ロを加熱、攪拌し、可溶化した後、イにロを加え中和し、攪拌冷却し、0.32μmのポアサイズのフィルターで滅菌濾過し、このものは、足白癬、外陰唇カンジダ症、外陰唇トリコモナス症の治療に有益である。
本発明は、医薬に応用できる。
本発明は、医薬用原体として有用なルリコナゾールの晶癖を有する結晶、及び、該結晶を医薬用原体とする医薬組成物に関する。
ルリコナゾールは、真菌に対する作用に優れる抗真菌剤であり、現在足白癬、体部白癬に対する医薬として広く使われ、爪白癬に対する作用にも応用されようとしている。ルリコナゾールの製剤には、SE体あるいはZ体等への立体異性化、塗布直後における結晶析出などが解決されるべき問題として知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3,特許文献4、特許文献5、特許文献6を参照)。前記塗布直後の結晶析出問題の背景には、ルリコナゾールの持っている溶解特性の問題が存し、多くの製剤化研究が為されているが、製剤系の長期保存時の結晶析出の問題で脱落した処方が少なくない。系における結晶析出は有効濃度にかかわる話であるので重要な問題の一つと言える。
又、ルリコナゾールは、抗真菌作用の強さから、白癬菌にとどまらず、肺炎や膣炎への応用も期待される。特に、これらの疾患に対しては、共存する蓋然性の高いトリコモナスに対しても抗原虫効果を奏するために、他の抗真菌剤に比してその応用が望まれていると言える。この様な疾患に対しては、通常その投与経路は、経口投与乃至は注射による投与が採用される。注射による投与においては、可溶化(溶解性)の問題が厳然と存在する。言い換えれば、ルリコナゾールの溶解性を改善する手段の開発が望まれていたと言える。
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本発明は、この様な状況下為されたものであり、ルリコナゾールの溶解性を改善する手段を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者等は、ルリコナゾールの溶解性を改善する手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、水を含有してもよい、エタノールなどのアルコール中でルリコナゾールを緩やかな攪拌下再結晶させることにより、(011)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有する結晶が得られ、この結晶が優れた溶媒親和性を有し、この結晶を用いて溶液を調製することにより、ルリコナゾールの溶解性が向上することを見出し、発明を完成させるに至った。尚、本発明に言う「溶解性に優れる」とは、肉眼では可溶化状態に見えるのに、肉眼で検知できない微細な結晶が分散して存在する状態ではなく、0.2〜0.4μmのポアサイズのフィルターで濾過しても、濾過によって失われる結晶が存しない状態を意味する。
本発明は具体的には以下に示す通りである。
(1) 以下に示すルリコナゾールの結晶であって、(011)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有することを特徴とする、結晶。
(2) CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、及びI(221)の総和に対するI(011)が25%以上である、(1)に記載の結晶。
(3) 前記結晶は、単斜晶であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の結晶。(4) 前記結晶は、水を含んでいてもよいアルコールから再結晶されたものであることを特徴とする、(1)〜(3)の何れかに記載の結晶。
(5) 特異的結晶成長面に硫黄原子を配してなる晶癖を有することを特徴とする、ルリコナゾールの結晶。
(6) (1)〜(5)の何れかに記載の結晶を含むことを特徴とする、医薬用原体。
(7) (1)〜(5)の何れかに記載の結晶、又は、(6)に記載の医薬用原体を、溶媒で溶解させた後、滅菌フィルターで濾過する工程を含むことを特徴とする、医薬組成物の製造方法。
(8) 前記滅菌フィルターは0.2μm〜0.5μmのポアサイズのフィルターであることを特徴とする、(7)に記載の製造方法。
(9) (7)又は(8)に記載の製造方法で製造されることを特徴とする、医薬組成物。
(10) 前記医薬組成物は、膣炎又は肺炎用の医薬組成物であることを特徴とする、(9)に記載の医薬組成物。
本発明によれば、ルリコナゾールの溶解性を改善する手段を提供することができる。
実施例1の結晶1、実施例2の結晶2及び(11−1)面を特異的結晶成長面とする晶癖の結晶の粉末X線回折測定の結果を示す図である。 実施例1の結晶1の単結晶X線結晶構造解析から得られた解析値から求めた、結晶構造と特異的結晶成長面を示す図面である。記号Sを付した原子が硫黄原子である。
(1)本発明のルリコナゾールの結晶
本発明のルリコナゾールの結晶は、(011)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有することを特徴とする。この様な晶癖を有する結晶は、ルリコナゾールをエタノールなどの低級アルコールに加熱下溶解せしめ(溶解温度60〜70℃)、緩和な攪拌を加えながら冷却し、水などの貧溶媒を加え、結晶を析出せしめ、結晶を濾別し、30〜40℃の低温で送風乾燥することにより、調製することが出来る。ここで、加える貧溶媒の量は、低級アルコールに対して、10〜40%の容量であることが好ましい。貧溶媒の量が多くても、少なくても(011)面が特異的結晶成長面とならない場合が存するからである。又、低級アルコールとしては、炭素数2〜4のアルコールが好ましく、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどが好適に例示でき、適宜、ジエチルエーテルやジイソプロピルエーテルを添加して、溶解度を調節することも出来る。これらのアルコールから選ばれる2種以上を混合して再結晶溶媒として用いることも出来る。かかるアルコールは使用時に水とともに用いても、或いは、予め含水させた状態で用いてもよい。好ましくは、水を貧溶媒として結晶の溶解後に加える形態である。
再結晶化は、通常の再結晶化手法に従って行うことができる。
ルリコナゾールの結晶においては、晶癖を有するものは知られていない。しかしながら、結晶の製造工程、例えば、再結晶溶媒と再結晶方法の違いにより、種々の特性の異なる結晶が得られることを本発明者らは把握している。この原因を探るために本発明者らは、再結晶溶媒と再結晶方法とを変えて再結晶を行い、粉末X線回折測定を行った。これらの内で、(011)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有する結晶の粉末X線回折測定の結果を図1に示すが、(011)面に相当する回折ピークの回折角2θの値は、13.5°付近であることを認めた。これまでの発明者等による、ルリコナゾール結晶の検討においては、この位置に回折ピークが存在することは認めているが、この回折ピークが大きく現れることはなく、新規の晶癖と判断した。
なお、上記(011)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有する結晶は、結晶系は単斜晶である。他方、ルリコナゾールを酢酸エチルとノルマルヘキサンの等量混合溶媒から再結晶し得られる、(11−1)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有する結晶も、結晶系
は単斜晶であり、粉末X線回折測定の結果における回折角は(011)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有する結晶と一致するが、両者の間で回折強度が異なる。すなわち、これら2つの結晶は、同じ結晶で晶癖が異なるものと考えられる。
ここで、結晶の特異的結晶成長面とは、他の面に比して成長しやすい面を意味し、粉末X線回折測定を行った場合、測定回折角範囲内において他の回折ピークの積分強度に比較して有意に回折強度が大きいピークに帰属する面である。結晶の特異的結晶成長面は、例えば、結晶の粉末X線回折測定における特異的に回折強度が高いピークとして検出することができる。
ここで、2θの値が13.5°付近とは、例えば13.5°±0.7°、好ましくは13.5°±0.5°の範囲である。
本発明の結晶は、2θ=13.5°付近の回折ピークが特異的に大きいことにより特徴づけられ、2θ=13.5°付近の回折ピークが特異的に大きいとは、「粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、積分強度比において、13.5°付近の回折ピークの積分強度が全回折ピークの積分強度の総和の1/4以上、即ち25%以上」であることを意味する。後記実施例における結晶の効果を参照しての数字である。
あるいは、2θ=13.5°付近の回折ピークが特異的に大きいとは、「2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)
及びI(221)の総和に対するI(011)が1/4以上」であってよい。
この様な晶癖を有する結晶の調製に使用されるルリコナゾールは、その純度が90%以上、より好ましくは95%以上であれば、その晶系にかかわらず、用いることが出来る。かかるルリコナゾールは、例えば、特開昭60−218387号に記載されている方法に従って合成することができる。即ち、1−シアノメチルイミダゾールと二硫化炭素とを反応させ、(III)の化合物を得、これと脱離基を有する一般式(II)の化合物と反応させることにより、かかる一般式(1)に表される化合物を得ることができる。この一般式(1)に表される化合物の内、R=X=Clに相当するものがルリコナゾールである。かかる脱離基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基又はハロゲン原子等が好適に例示できる。
(2)本発明の医薬用原体
かくして得られた、本発明の結晶である、(011)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有する結晶は、アルコール、特にエタノールに対する溶解性に優れ、通常は微細な、肉眼で検知できない結晶が残るのを防ぐ作用に優れる。この為、ポアサイズの小さい、滅菌用の濾紙を用いて濾過しても、これによるわずかな有効成分の減少も認めない。この為、滅菌濾過工程を有する製造方法で製造される、製剤用の原体として好ましい。この様な製剤としては、例えば、膣炎や肺炎を対象とした注射剤などが好ましく例示できる。勿論、この様な特性は他の製剤においても不利益が生じにくいことから、白癬症治療薬などへの本発明の結晶の使用は可能である。更に説明するならば、0.2〜0.5μmのポアサイズで微少な不物を取り除くことは、経時安定性を向上させるためにも有利である。この様なことから、本発明の結晶は医薬用原体として用いることが出来る。これが本発明の医薬用原体である。
本発明の医薬用原体は、ルリコナゾールの結晶以外に、医薬用原体として許容される範囲内の物質、不純物、類縁体を含有することができるが、実質的にルリコナゾールの結晶からなる形態が特に好ましい。
<粉末X線回折パターンにおける2θ=13.5°付近の回折ピーク>
本発明の結晶の晶癖は、粉末X線回折パターンにおける2θ=13.5°付近の回折ピークにより特徴付けられる。その単結晶X線構造解析データより、粉末X線回折パターンにおける2θ=13.5°の回折ピークを理論的に計算したところ、(011)面を表す。この面においては、2つの硫黄原子が配されている。これに対して、従来知られている結晶である、n−ヘキサン・酢酸エチルから再結晶される結晶においては、(11−1)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有する結晶であり、この面においてはフェニル基が配されている。この面は、粉末X線回折パターンにおける2θ=16°付近の回折ピークに示される面である。
(3)本発明の医薬組成物
本発明の医薬組成物は、前記本発明の結晶又は本発明の医薬用原体を含有することを特徴とする。かかる結晶はエタノールなどの低級アルコールへの溶解性に優れ、溶解工程において、肉眼で検知しにくい微細結晶が残りにくい。従って、濾過、とりわけ、0.2μm〜0.5μmのポアサイズの滅菌濾過を行う工程において、この様な微細結晶は取り除かれるが、本発明の結晶を用いる場合ではこの様な微細結晶が残らないので、その分、活
性を損なうことを防ぐことが出来る。この様な過程で損なわれる活性は、実質的には、MIC等のデータには影響を及ぼさないが、医薬の効き目の閾値には微妙な影響を与えるので、医薬品の主旨からは少ない方が好ましい。また、微結晶が残存することにより経時での結晶化を誘発することもあり得るので、その意味からも取り除いた方が好ましい。従って、この様な活性の損失の出る可能性のある製剤、言い換えれば、製造の工程に滅菌濾過を行う工程を含んだ製剤の原体として、本発明の結晶或いは、本発明の医薬用原体は有用であるといえる。本発明の医薬組成物のルリコナゾールの好ましい含有量は、医薬組成物全量に対して0.1〜30質量%であり、0.5〜15質量%がより好ましい。
本発明の製剤には、(011)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有するルリコナゾール結晶以外に、溶剤、着色剤、抗酸化剤、キレート剤、乳化・分散剤、可溶化剤、崩壊剤、賦形剤、結合剤、被覆剤、矯味矯臭剤等を適宜加えて、常法に従って処理することにより製造できる。
本発明の医薬組成物は、ルリコナゾールの特性を利用し、真菌による疾病の治療又は悪化の予防に用いることが好ましい。真菌による疾病としては、水虫のような足部白癬症、カンジダ、デンプウのような体部白癬症、爪白癬のようなハードケラチン部分の白癬症が例示でき、その効果が顕著なことから、爪白癬のようなハードケラチン部分の処置に用いることが特に好ましい。本発明の医薬組成物の効果は爪に特に好適に発現されるが、通常の皮膚真菌症にも及ぶので、本発明の構成を充足する皮膚真菌症に対する医薬組成物も本発明の技術的範囲に属する。この様な皮膚真菌症としては、足白癬症や足白癬症の内、かかとなどに現れる角質増殖型の白癬症などが例示できる。上記皮膚真菌症においては、通常の薬剤が効果を奏しにくい角質増殖型の白癬症への適用が本発明の効果が著しく現れるので好ましい。また、カンジダ、トリコモナスなどによる膣炎、肺炎用への適用、外陰唇への経皮投与、膣内投与、経口投与、注射による投与なども好適に例示でき、これらのカンジダ、トリコモナスに対する投与では外陰唇への投与が特に好適に例示できる。
その使用態様は、患者の体重、年令、性別、症状等を考慮して適宜選択できるが、通常成人の場合、ルリコナゾールを1日当たり0.01〜5g投与するのが好ましい。また、真菌による疾病に通常使用されているルリコナゾールの使用量を参考にすることができる。トリコモナスなどによる疾病の場合もこれに準ずる。
例えば外用剤であれば、一日に一回又は数回、疾病の箇所に適量を塗布することが例示でき、かかる処置は連日行われることが好ましい。また、内服剤であれば500mg〜2000mgを1日1回乃至数回投与することが好ましい。膣錠であれば、ルリコナゾールの量が500〜1500mgになるように調整し、1日乃至は数日に1回膣内に投与することが好ましい。ルリコナゾールの膣投与においては、トリコモナスのような原虫とカンジダのような真菌を同時に処置できるので好ましい。特に複合感染の場合には1剤で処置できるので好適である。又、トリコモナスの単純感染による膣炎の場合には、治療と共に、カンジダなどの真菌感染を予防的に防ぐことが出来るので好ましい。又、本発明の効果は対象微生物が真菌であっても及ぶので、この様な原虫との同時感染処置又は予防のための抗真菌剤としての使用に対しても本発明の晶癖を有する結晶及び当該結晶を有効成分として含む医薬組成物の権利は及ぶ。
本発明の医薬組成物を、症状鎮静後1〜2週間投与することにより、この様な再発や再感染を防ぐことができる。この様な形態で本発明の医薬組成物は予防効果を奏する。
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
ルリコナゾール5gに150mLのエタノールを加え、還流して可溶化し、攪拌しながらゆっくり65℃まで冷却し、この温度で10分保持した後、これに水20mLを加え、攪拌冷却し、析出した結晶を濾取して、30℃で送風しながら48時間乾燥させて、本発明の結晶1を得た。このものの粉末X線回折パターンを図1に示す。粉末X線回折測定は、次の条件;装置:XRD‐DSCII、リガク製、条件:X線源:CuKα、測定温度:室温、管電圧:40kV、管電流:40mA、2θ:5〜35°、ステップ角:0.05°にて行った。このデータを元に、単結晶X線構造解析のデータと照らし合わせて、このチャートの2θ=13.5°の回折ピークが(011)面であることが分析された。単結晶X線構造解析による示性値は下記の<単結晶X線構造解析データ>の通りであった。単結晶X線構造解析は、次の条件;装置:RU−H2R、リガク製、条件:X線源:CuKα、測定温度:26℃、管電圧:50kV、管電流:180mA、2θmax:150.0°構造解析法:直接法(SHELX86)にて行った。又、単結晶X線構造解析の諸データ及び粉末X線回折パターンにおける(11−1)面のピーク面積比、(011)面のピーク面積比は下記の<粉末X線回折測定における積分強度比>に示す。単結晶X線構造解析から得られた解析値から、計算(ソフトウェア名:Mercury)により求めた、結晶構造と特異的結晶成長面を示す図を図2に示す。
比較例の(11−1)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有する結晶は、ルリコナゾールを酢酸エチルとノルマルヘキサンの等量混合溶媒から再結晶し得た。このものの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、及びI(221)の総和に対するI(11-1)は61%であり、同総和に対するI(011) 2%であった。
<単結晶X線構造解析データ>
結晶系:単斜晶
空間群:P2 1
格子定数
a=9.0171(9)Å
b=8.167(1)Å
c=10.878(1)Å
β=95.917(9)°
R因子
R=0.046
R w =0.047
<粉末X線回折測定における積分強度比>
2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、及びI(221)の総和に対するI(011)は54%であり、同総和に対するI(11-1)
2%であった。
<実施例2>
ルリコナゾール5gに150mLのエタノールを加え、還流して、可溶化し、攪拌しながらゆっくり70℃まで冷却し、この温度で10分間保持し、これに水15mLを加え、攪拌冷却し、析出した結晶を濾取して、30℃で送風しながら48時間乾燥させて、本発明の結晶2を得た。このものの粉末X線回折パターンを図1に示す。
単結晶X線構造解析による示性値は下記の通りであった。又、単結晶X線構造解析の諸データ及び粉末X線回折パターンにおける(11−1)面のピーク面積比、(011)面のピーク面積比は下記に示す。
粉末X線回折測定及び単結晶X線構造解析は、実施例1と同様に行った。
<単結晶X線構造解析データ>
結晶系:単斜晶
空間群:P2 1
格子定数
a=9.0171(9)Å
b=8.167(1)Å
c=10.878(1)Å
β=95.917(9)°
R因子
R=0.046
R w =0.047
<粉末X線回折測定における積分強度比>
2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、及びI(221)の総和に対するI(011)は26%であり、同総和に対するI(11-1)は5%であった。
<実施例3>
トリコモナス・バージナリス(臨床分離株)に対する効果を、(11−1)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有する結晶と比較して調べた。コントロールとしては、10%エタノール生理食塩水溶液を用いた。
(11−1)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有する結晶としては、上記比較例の結晶を用いた。(011)面を特異的結晶成長面とする晶癖を有する結晶としては、結晶2を用いた。
これらのルリコナゾールの結晶は、それぞれ7.02mgを秤量し、これに10mLのエタノールを加えて溶かし、目視で結晶が存在していないことを確認した後、この100μLを取り、これに900μLの生理食塩水を加え、これを0.22μmのポアサイズのフィルターで滅菌濾過し、5.02μg/mL(終濃度)のサンプルとした。このものから250μLを取り、これに10%エタノール生理食塩水250μLを加え2.51μg/mL(終濃度)のサンプルとした。
これらのサンプルは、0.5mLを「トリコモナス培地F」(富士製薬製)に加え、これにトリコモナス培養液100μL(トリコモナス5×103個)を加え96時間培養し
、氷水中で10分間冷却した後、培地を攪拌し、これを血球計測板に広げ、生存トリコモ
ナスを計数した。コントロールはサンプルに代えて10%エタノール生理食塩水0.5mLを加えた。結果を表1に示す。これより、MICはほとんど変わらないが、MIC近辺では有意に結晶2が(11−1)面を特異的結晶成長面とする晶癖の結晶よりもトリコモナスの生育の抑制に優れることが判る。また、(011)面のピーク面積比が26%であったことより、CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、及びI(221)の総和に対するI(011)が25%以上あればこの様な効果を奏することが推認できる。
<実施例4>
実施例3と同様に、結晶1及び結晶2を3.45mgを正確に秤量し、これを10mLのエタノールに溶かし、目視で結晶が存在していないことを確認した後、この100μLを取り、これに900μLの生理食塩水を加え、これを0.22μmのポアサイズのフィルターで滅菌濾過して検体とした。この検体0.5mLを「トリコモナス培地F」(富士製薬株式会社製)に加え、更に、前培養し、培地を加えて2.7×105個/mLに調製
したトリコモナス培養液100μLを加え、72時間37℃で培養した(終濃度2.4μg/mL)。培養終了後、血球計測板で生存しているトリコモナスを計数した。結果を表2に示す。(011)面に相当する回折ピークの積分強度比が54%の結晶1の方が、(011)面に相当する回折ピークの積分強度比26%の結晶2よりも優れた抗トリコモナス効果を奏していることが判る。故に、本発明の効果は(011)面に相当する回折ピークの積分強度比が25%以上のものにおいて、その面構成比が大きいほど大きな効果が発揮されるものと推認される。
<実施例5>
下記処方に従って、皮膚外用剤を作製した。即ち、処方成分イ、ロを加熱、攪拌し、可溶化した後、イにロを加え中和し、攪拌冷却し、0.32μmのポアサイズのフィルターで滅菌濾過し、このものは、足白癬、外陰唇カンジダ症、外陰唇トリコモナス症の治療に有益である。
本発明は、医薬に応用できる。

Claims (10)

  1. 以下に示すルリコナゾールの結晶であって、(011)面を特異的成長面とする晶癖を有することを特徴とする、結晶。
  2. CuKαを線源とする粉末X線回折パターンの2θ=5〜35°の範囲に検出される回折ピークにおいて、(001)面、(100)面、(10−1)面、(011)面、(110)面、(11−1)面、(10−2)面、(11−2)面、(020)面、(021)面、(20−2)面、(121)面、(013)面、(11−3)面、(221)面に相当する回折ピークの積分強度をそれぞれI(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、I(221)としたときに、I(001)、I(100)、I(10-1)、I(011)、I(110)、I(11-1)、I(10-2)、I(11-2)、I(020)、I(021)、I(20-2)、I(121)、I(013)、I(11-3)、及びI(221)の総和に対するI(011)が25%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の結晶。
  3. 前記結晶は、単斜晶であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の結晶。
  4. 前記結晶は、水を含んでいてもよいアルコールから再結晶されたものであることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の結晶。
  5. 特異的成長面に硫黄原子を配してなる晶癖を有することを特徴とする、ルリコナゾールの結晶。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の結晶を含むことを特徴とする、医薬用原体。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載の結晶、又は、請求項6に記載の医薬用原体を、溶媒で溶解させた後、滅菌フィルターで濾過する工程を含むことを特徴とする、医薬組成物の製造方法。
  8. 前記滅菌フィルターは0.2μm〜0.5μmのポアサイズのフィルターであることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載の製造方法で製造されることを特徴とする、医薬組成物。
  10. 前記医薬組成物は、膣炎又は肺炎用の医薬組成物であることを特徴とする、請求項9に記載の医薬組成物。
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