JP2014170011A - ビーズまたは他の捕捉物を用いた分子または粒子の超高感度検出 - Google Patents

ビーズまたは他の捕捉物を用いた分子または粒子の超高感度検出 Download PDF

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Abstract

【課題】流体試料中のアナライト分子または粒子を検出するための、いくつかの場合においては流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】複数のアナライト分子または粒子を複数の捕捉物に対して固定化することを含むことができる。複数の捕捉物の少なくとも一部は、複数の区画に空間的に分離することができる。流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度は、捕捉物に対して固定化されたアナライト分子を含む反応器の数に、少なくとも部分的に基づいて決定することができる。いくつかの場合、アッセイはさらに、結合リガンド、前駆標識剤および/または酵素成分を含むステップを含むことができる。
【選択図】なし

Description

発明分野
流体試料中のアナライト分子または粒子を検出するための、およびいくつかの場合においては流体試料中の分子または粒子の濃度の測度(measure)を決定するための、システムおよび方法が記載される。
関連出願
この出願は、2010年3月24日に出願された米国特許出願第12/731,130号:Duffyらによる名称「ビーズまたは他の捕捉物を用いた分子または粒子の超高感度検出」の一部継続出願であり、これは2010年3月1日出願の米国暫定特許出願第61/309,141号:Duffyらによる名称「ビーズまたは他の捕捉物を用いた分子または粒子の超高感度検出」の利益を主張するものである。上記出願の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
発明の背景
試料中の標的アナライト分子を迅速かつ正確に検出でき、ある場合には定量することができる方法およびシステムは、現代の分析的測定の礎である。かかるシステムおよび/または方法は、学術および産業研究、環境アセスメント、食品安全、医療診断、ならびに化学的、生物学的、および/または放射線学的な戦争剤(warfare agent)の検出などの多くの分野で用いられる。かかる技術の有利な特性としては、特異性、スピード、および感度を挙げることができる。
試料中の低レベルのアナライト分子を定量するための現在の技術の多くは、測定可能なシグナルを提供できるようにするために、増幅手段を用いてレポーター分子の数を増加させる。例えば、これらの既知のプロセスとしては、抗体ベースのアッセイにおいてシグナルを増幅するための酵素免疫吸着法(ELISA)、およびDNAベースのアッセイにおいて標的DNA鎖を増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が挙げられる。より高感度だが間接的なタンパク質標的増幅技術である、免疫PCRと呼ばれる技術(Sano, T.; Smith, C. L.; Cantor, C. R. Science 1992, 258, 120-122参照)は、オリゴヌクレオチドマーカーを利用し、これは続いてPCRを用いて増幅でき、DNAハイブリダイゼーションアッセイにより検出される(Nam, J. M.; Thaxton, C. S.; Mirkin, C. A. Science 2003; 301, 1884-1886;Niemeyer, C. M.; Adler, M.; Pignataro, B.; Lenhert, S.; Gao, S.; Chi, L. F.; Fuchs, H.; Blohm, D. Nucleic Acids Research 1999, 27,4553-4561;およびZhou, H.; Fisher, R. J.; Papas, T. S. Nucleic Acids Research 1993, 21, 6038-6039参照)。免疫PCR法は超低レベルタンパク質検出を可能とするが、これは複雑なアッセイ手順であり、偽陽性シグナルを生成しがちである(Niemeyer, C. M.; Adler, M.; Wacker, R. Trends in Biotechnology 2005, 23,208-216参照)。
溶液中の低濃度の特定のアナライトを検出または定量するための典型的な既知の方法および/またはシステムの1つの特徴は、これらが、多数のアナライト分子が測定シグナルを生じさせる、アンサンブル応答に基づくことである。多くの検出スキームは、検出閾値を超える集団シグナルを得るために、多数の分子がアンサンブルで存在することを必要とする。この要件は、多くの検出技術の感度およびダイナミックレンジ(すなわち検出可能な濃度の範囲)を制限する。多くの既知の方法および技術はさらに非特異的結合の問題に悩まされ、これは、検出すべきアナライト分子または粒子、またはレポーター種が、予想された以外の部位に非特異的に結合するという問題である。これはバックグラウンドシグナルの増加をもたらし、したがって、正確にまたは再現可能に検出することができる最低濃度を制限する。
しがたって流体試料中のアナライト分子または粒子を検出し、任意に定量するための、改善された方法が必要であり、特に、かかる分子または粒子が非常に低濃度で存在する試料中において必要である。
発明の概要
本明細書に記載されるのは、流体試料中のアナライト分子または粒子を検出するための、およびいくつかの場合においては流体試料中の分子または粒子の濃度の測度を決定するための、システムおよび方法である。本発明の対象には、いくつかの場合において、相互に関係する産物、特定の問題に対する代替的溶液、および/または1または2以上のシステムおよび/または物品の複数の異なる使用が関与する。
いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するための方法は、以下を含む:少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を各々が含む複数の捕捉物を、前記少なくとも1種のアナライト分子または粒子を含有するかまたは含有する疑いのある溶液に暴露すること;アナライト分子または粒子を、前記複数の捕捉物に対して、少なくともいくつかの捕捉物は少なくとも1つのアナライト分子または粒子に結びつき、かつ捕捉物の統計的に有意な割合はいかなるアナライト分子または粒子にも結びつかないような様式で固定化すること;固定化ステップを経た捕捉物の少なくとも一部を、複数の別々の区画(location)に空間的に分別すること;空間的分別ステップを経た複数の区画の少なくとも一部にアドレス(address)し、アナライト分子または粒子を含む前記区画の数を決定すること;および流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、アナライト分子または粒子を含むと決定された区画の数に少なくとも部分的に基づいて決定すること。
いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するための方法は、以下を含む:少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を各々が含む複数の捕捉物を、前記少なくとも1種のアナライト分子または粒子を含有するかまたは含有する疑いのある溶液に暴露して、少なくとも1つの固定化されたアナライト分子または粒子を含む捕捉物を形成すること;暴露ステップで調製された捕捉物を、複数の結合リガンドと、少なくともいくつかの捕捉物は1つの結合リガンドに結びつき、かつ捕捉物の統計的に有意な割合はいかなる結合リガンドにも結びつかないような様式で混合すること;混合ステップを経た捕捉物の少なくとも一部を、複数の区画に空間的に分別すること;空間的分別ステップを経た複数の区画の少なくとも一部にアドレスし、結合リガンドを含む区画の数を決定すること;および流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、結合リガンドを含むと決定された区画の数に少なくとも部分的に基づいて決定すること。
いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するための方法は、以下を含む:少なくともその一部がビーズを含んでいる複数の区画を含む基板であって、基板上に存在するビーズの総数に関して、少なくとも1つのアナライト分子または粒子を含むビーズの、アナライト分子または粒子を含まないビーズに対する比率が約8:1から約1:10,000,000の間である、前記基板を供給すること;複数の区画の少なくとも一部にアドレスすること、ここで、アドレスするステップの間に、複数の区画の少なくとも2つに、少なくとも部分的に同時にアドレスすること;アドレスした各区画において、ビーズの有無および、もし存在する場合は該ビーズが任意のアナライト分子または粒子を含むかどうかを検出すること;および流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、少なくとも1種のアナライト分子または粒子を含むビーズを含むアドレスした区画の数を決定することにより、少なくとも部分的に決定すること。
いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するための方法は、以下を含む:少なくともその一部がビーズを含んでいる複数の区画を含む基板であって、基板上に存在するビーズの総数に関して、結合リガンドに結びついた少なくとも1つのアナライト分子または粒子を含むビーズの、結合リガンドに結びついたアナライト分子または粒子を含まないビーズに対する比率が、約8:1から約1:10,000,000の間である、前記基板を供給すること;複数の区画の少なくとも一部にアドレスすること、ここで、アドレスするステップの間に、複数の区画の少なくとも2つに、少なくとも部分的に同時にアドレスすること;アドレスした各区画において、ビーズの有無および、もし存在する場合は該ビーズが結合リガンドに結びついた任意のアナライト分子または粒子を含むかどうかを検出すること;および流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、結合リガンドに結びついた少なくとも1つのアナライト分子または粒子を含むビーズを含むアドレスした区画の数を決定することにより、少なくとも部分的に決定すること。
いくつかの態様において、物品またはキットは、約0.1μmから約100μmの間の平均直径を有する複数のビーズ;および、複数の反応器を含む基板であって、反応器の平均深さがビーズの平均直径の約1.0倍から約1.5倍の間であり、反応器の平均直径がビーズの平均直径の約1.0倍から約1.9倍の間である、前記基板を含む。
いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するための方法は、以下を含む:少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を各々が含む複数の捕捉物を、前記少なくとも1種のアナライト分子または粒子を含有するかまたは含有する疑いのある溶液に暴露すること、ここで少なくともいくつかの捕捉物は、少なくとも1つのアナライト分子または粒子と結びつき;暴露ステップで調製された複数の捕捉物を、酵素成分を含む複数の結合リガンドと、少なくとも1つのアナライト分子または粒子と結びついた捕捉物の統計的に有意な割合が1つの結合リガンドと結びつくような様式で、混合すること;混合ステップを経た捕捉物の少なくとも一部を、複数の別々の区画に空間的に分別すること;および流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、空間的分別のステップを経た複数の区画の少なくとも一部にアドレスして酵素成分または酵素成分が関与する反応の産物の存在を決定することに、少なくとも部分的に基づいて決定すること。
いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するための方法は、以下を含む:複数のアナライト分子または粒子を複数ビーズに対して固定化すること;および複数ビーズの少なくとも一部を、複数の別々の区画に空間的に分別すること;および複数の区画の少なくともいくつかにアドレスし、ビーズを含む区画の数を決定すること;およびビーズおよびアナライト分子または粒子を含む前記区画の数をさらに決定すること;および流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、ビーズおよびアナライト分子および粒子を含む区画の数の、ビーズを含む区画の数に対する比率に少なくとも部分的に基づいて決定すること。
いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するための方法は、以下を含む:アナライト分子または粒子を複数ビーズに対して固定化すること;複数ビーズの少なくとも一部を、複数の別々の区画に空間的に分別すること;複数の区画の少なくともいくつかにアドレスし、ビーズを含む区画の数を決定すること;ビーズおよびアナライト分子または粒子を含む前記区画の数をさらに決定すること;および流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、ビーズおよびアナライト分子および粒子を含む区画の数の、ビーズを含むがいかなるアナライト分子または粒子も含まない区画の数に対する比率に少なくとも部分的に基づいて決定すること。
いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するための方法は、以下を含む:各々が、1つのアナライト分子または粒子と結びついたか、またはいかなるアナライト分子または粒子からもフリーである、複数の捕捉物を供給すること;捕捉物の少なくとも一部に個別にアドレスし、アナライト分子または粒子と結びついた前記捕捉物の数を決定すること;および流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、アドレスするステップを経てアナライト分子または粒子と結びついたと決定された捕捉物の数に少なくとも部分的に基づいて決定すること。
本発明の他の側面、態様、および特徴は、添付の図面と併せて考えた場合に以下の詳細な説明から明らかとなるだろう。添付の図面は概略図であり、一定の縮尺で描くことを意図していない。明確さのために、全ての図において全ての要素にラベル付けはしておらず、また、当業者が本発明を理解するために図解が必要でない場合には、本発明の各態様の全ての要素が示されてもいない。テキストで言及した全ての特許出願および特許は、その全体が参照により組み込まれる。本明細書に含まれている記載と参照により組み込まれた文書の間に不一致がある場合は、定義を含む本明細書が支配するものとする。
図1は、本発明の例示の方法を実施するためのステップ(A〜D)の一態様を描いた概略フロー図である; 図2は、本発明の例示の方法を実施するためのステップ(A〜D)の一態様を描いた概略フロー図である; 図3は、本発明の方法の一部の一態様を描いた概略図である; 図4Aは、本発明の例示の方法を実施するためのステップ(A〜C)の一態様を描いた概略フロー図である; 図4Bは、本発明の例示の方法を実施するためのステップ(A〜D)の一態様を描いた概略フロー図である; 図4Cは、本発明の例示の方法を実施するための一態様を描いた概略図である;
図5は、本発明の例示の方法を実施するためのステップ(A〜C)の一態様を描いた概略フロー図である; 図6は、基板と封着要素を合わせることにより複数の反応器を形成するための方法(ステップA〜D)の一態様を描いた、および基板に対する封着要素のサイズ(E、F)の例を描いた、概略フロー図である; 図7は、本発明の一態様による、光を用いた検出のための実験のセットアップを描いた図である; 図8は、一態様による、封着要素で密封された光ファイバーアレイを示す; 図9Aは、いくつかの態様による、捕捉物と結びついたアナライト分子を間接的に検出する方法を描いた概略図である;図9Bは、いくつかの態様による、結合リガンドを用いて捕捉物に対して固定化されたアナライト分子を間接的に検出する方法を描いた概略図である;
図10Aおよび図10Bは、本発明のいくつかの方法による、結合リガンドとアナライト分子を架橋するためのステップのいくつかの態様を描いた概略図である; 図11Aは、いくつかの態様による、本発明の光検出システムを用いたシステムの非限定的例を示す図である; 図11Bは、いくつかの態様による、本発明の光検出システムを用いたシステムの非限定的例を示す図である; 図12は、本発明の一態様による、光検出システムと光ファイバーアセンブリーを用いたシステムを示す、概略ブロック図である; 図13は、本発明のいくつかの方法による、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度を決定するために用いることができる、概略校正曲線のグラフを示す; 図14は、例示の態様による、流体試料中のアナライト分子の濃度に対して、A)PSA、B)TNF−α、またはC)DNAを含むアナライト分子と結びついていると決定された捕捉物の割合をプロットした図である;
図15は、例示の態様による、流体試料中のアナライト分子の濃度のlogに対して、アナライト分子と結びついていると決定された捕捉物の割合のlogをプロットした図である; 図16は、非限定的態様による、反応器に供給されたビーズの総数に対する、ビーズを含む反応容器の数のグラフを示す; 図17A−Cは、複数の反応器を含むアレイに含まれたビーズの非限定的な画像を示す; 図18Aは、ビーズを含むアレイの非限定的な蛍光画像を示す;図18Bは、図18Aの画像の拡大を示す; 図19Aおよび19Bは、ある態様による、流体試料中のアナライト分子の濃度に対する、アナライト分子を含むと決定された反応器の数のグラフである; 図19Cは、例示の態様による、流体試料中のアナライト分子の濃度に対する、全蛍光読み取りのグラフである;
図20は、図19Bに示す実験データからの3つの測定にわたる実験的分散に対する、ポアソンノイズ%のプロットを示す; 図21は、例示の態様による、アナライト分子の2つの濃度における、供給された結合リガンドの濃度に対する、アナライト分子に結びついていると決定された捕捉物の割合のプロットを示す;
図22は、例示の態様による、アナライト分子の2つの濃度における、供給された捕捉物当たりの結合リガンドの濃度に対する、アナライト分子に結びついていると決定された捕捉物の割合のプロットを示す; 図23は、例示の態様による、アナライト分子の2つの濃度における、供給された結合リガンドの濃度に対する、アナライト分子に結びついていると決定された捕捉物の割合のプロットを示す; 図24は、例示の態様による、供給された結合リガンドの濃度に対する、全化学発光のプロットを示す; 図25Aおよび25Bは、本発明の1方法を実施するためのステップの一態様を描いた概略図である; 図25Cは、例示の態様による、複数の反応器に含まれたビーズの画像である; 図25Dは、例示の態様による、複数のビーズを含むアレイの蛍光画像であり、これらビーズのいくつかは、本発明の方法の実施後にアナライト分子と結びついている; 図26は、例示の態様による、TNF−αの濃度に対する、光学密度のプロットである; 図27は、複数のヒト対象について決定されたPSA濃度のプロットである; 図28は、本発明の一態様による、アッセイ方法における反応器の平均蛍光強度のヒストグラムである;
図29Aは、ビーズを含む反応器のアレイの一部の、第一波長において得た蛍光画像である;図29Bは、ビーズを含む反応器のアレイの一部の、第一波長において得た蛍光画像であり、ここでビーズは、蛍光実体と結びついている;図29Cは、第2波長において得た、図29Bからのアレイの一部の蛍光画像である; 図29Dは、アナライト分子の様々な濃度における(i)ビーズおよび(ii)蛍光実体と結びついているビーズのプロットである; 図30Aは、いくつかの態様による、時間経過における免疫複合体の解離のプロットである; 図30Bは、いくつかの態様による、時間経過における免疫複合体の解離のプロットである; 図31は、いくつかの態様による、ビーズ当たりの平均アナライト分子のアナライト分子の濃度に対するプロットである。
詳細な説明
本明細書に記載されるのは、ある態様において、試料中のアナライト分子、粒子(例えば細胞、細胞小器官およびその他の生物学的または非生物学的微粒子)等の検出および/または定量のために用いることのできるシステムおよび方法である。本発明の対象には、いくつかの場合において、相互に関係する産物、特定の問題に対する代替的溶液、および/または1または2以上のシステムおよび/または物品の複数の異なる使用が関与する。以下の議論の多くはアナライト分子に向けられているが、これはほんの一例であり、その他の物質、例えば粒子形態のアナライトなども検出および/または定量することができる。いくつかの例示のアナライト分子および粒子は本明細書に記載される。
ある場合における本発明のシステムおよび方法は、類似のアッセイを行うための典型的な従来システムおよび方法に比べて、検出感度に対する非特異的結合の負の効果を低減する支援となることができる。非特異的結合は、アッセイの1成分の、これとの相互反応が望ましくない該アッセイの別の成分への、非特異的様式での結合または結びつきである。例えば、結合リガンドの、これが結合特異性を持つアナライト分子または粒子とは対照的な基板またはアッセイ物質との結びつき、結合、または固定化である。非特異的結合は、偽陽性シグナルをもたらし得る。非特異的結合は、アッセイ測定の精度に影響するだけでなく、検出の最低レベルを制限し得る。したがって、非特異的結合のレベルの改善を提供する本発明のある方法および/またはシステムは、典型的な従来技術と比べて、より低い検出限界での試料中のアナライト分子の検出および/または定量を許容する。さらに、本発明の方法および/またはシステムのある態様はまた、非常に低い濃度で存在するためにこれまで非検出および/または非定量であった試料中のアナライト分子の、検出および/または定量も許容する。
本発明のある方法は、試料中のアナライト分子の特徴付けに有用となり得る。いくつかの場合、該方法は、少なくとも1種のアナライト分子を含有する疑いのある流体試料中のアナライト分子を検出および/または定量するために有用となり得るが、これは、以下にさらに詳細に説明するように、本発明のアッセイが、アナライト分子を含む捕捉物(例えば、捕捉表面を提供するビーズ、表面等)を含むインタロゲート(interrogate)した区画(例えばウェル、反応部位、表面上の領域等)の数(または同等に、その割合)、――またはより一般的には、アナライト分子を含むインタロゲートした全集団中の、インタロゲートした捕捉物の数または割合――を、流体試料中のアナライト分子の濃度に相関させることができるように、設計可能だからである。本発明のある態様はしたがって、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を、アナライト分子と結びついた捕捉物を含む、例えば基板上の、区画の数または割合に少なくとも部分的に基づいて提供することができる。いくつかの場合、この数/割合は、捕捉物(例えば、結びついているアナライト分子または標識剤が存在または不在である)を含む区画の総数および/またはインタロゲートした区画の総数に関連させることができる。本発明の態様を用いた、流体試料中のアナライト分子をいかに定量するかの具体的な方法および計算は、以下にさらに議論される。
ある態様において、試料中のアナライト分子(または粒子)を検出および/または定量するための方法は、複数のアナライト分子を、少なくとも1種のアナライト分子(または粒子)に対して親和性を有する結合表面を各々が含んでいる複数の捕捉物に対して、固定化することを含む。例えば、捕捉物は、複数の捕捉成分(例えば、興味あるアナライト分子に対して特異的親和性を有する抗体)を含む複数のビーズを含んでよい。少なくともいくつかの捕捉物(例えば、少なくとも1つのアナライト分子に結びついたいくつか)は、複数の区画に空間的に分離および/または分別することができ、該区画の少なくともいくつかは、アドレスおよび/またはインタロゲートすることができる。流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、区画にアドレスしたときに受け取る情報に基づいて決定することができる。いくつかの場合、濃度の測度は、少なくとも1つのアナライト分子に結びついているかまたは結びついていた捕捉物を含むと決定された区画の数に、少なくとも部分的に基づいてよい。他の場合および/または異なる条件下では、濃度の測度は、1または2以上のアドレスされた区画における、複数のアナライト分子および/またはアナライト分子と結びついた捕捉物の存在を示す少なくとも1つのシグナルの強度レベルに、少なくとも部分的に基づいてよい。
いくつかの態様において、捕捉物を含むが、アナライト分子を含まない区画の数/割合も決定することができ、および/またはいかなる捕捉物を含まない区画の数/割合もまた決定することができる。かかる態様において、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、アナライト分子と結びついている捕捉物を含むと決定された区画の数の、アナライト分子と結びついていない捕捉物を含むと決定された区画の総数に対する比率に、少なくとも部分的に基づくことができ、および/または、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、アナライト分子と結びついている捕捉物を含むと決定された区画の数の、いかなる捕捉物も含まないと決定された区画の数に対する比率に、少なくとも部分的に基づくことができる。さらに別の態様において、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、捕捉物およびアナライト分子を含むと決定された区画の数の、アドレスおよび/または分析された区画の総数に対する比率に、少なくとも部分的に基づくことができる。
ある態様において、複数捕捉物の少なくともいくつか(例えば、少なくとも1つのアナライト分子と結びついている少なくともいくつか)を、複数の区画へ、例えばアレイ様式の複数の反応器へ、空間的に分離する。複数の反応器は、任意の好適な材料中、材料上に、および/または材料で形成してよく、いくつかの場合においては、反応器は密封することができ、または、以下により詳細に議論するように、基板と封着要素を合わせることにより形成することができる。ある態様において、特に、少なくとも1つのアナライト分子と結びついている捕捉物の定量が望まれる場合、捕捉物の区分は、反応器の少なくともいくつか(例えば、統計的に有意な割合)は少なくとも1つの、またはある場合においてはただ1つの捕捉物であって、少なくとも1つのアナライト分子と結びついている該捕捉物を含み、反応器の少なくともいくつか(例えば、統計的に有意な割合)は、いかなるアナライト分子とも結びついていない捕捉物を含むように行うことができる。少なくとも1つのアナライト分子と結びついている捕捉物は、ある態様において定量することができ、これにより、流体試料中のアナライト分子の、本明細書により詳細に記載された技術による、検出および/または定量が許容される。
本発明のアッセイ法の例示の態様を、図1に示す。複数の捕捉物2が供給される(ステップ(A))。この特定の例において、複数の捕捉物は複数のビーズを含む。ビーズは、複数のアナライト分子3を含有する流体試料に暴露される(例えば、ビーズ2はアナライト分子3とインキュベートされる)。アナライト分子の少なくともいくつかを、ビーズに対して固定化する。この例において、アナライト分子は、ビーズの統計的に有意な割合は1つのアナライト分子と結びつき、ビーズの統計的に有意な割合はいかなるアナライト分子とも結びつかないような様式で(例えば、濃度で)、供給される。例えば、ステップ(B)に示すように、アナライト分子4はビーズ5に対して固定化され、これにより複合体6を形成し、一方いくつかのビーズ7はいかなるアナライト分子とも結びついていない。いくつかの態様において、1つより多くのアナライト分子が、本明細書に記載されるように少なくともいくつかのビーズと結びついてよいことが、理解されるべきである。
複数ビーズの少なくともいくつか(例えば、1つのアナライト分子に結びつくか、またはいかなるアナライト分子にも結びつかないもの)は、次に、複数の区画に空間的に分離および/または分別することができる。ステップ(C)に示すように、複数の区画は、複数のウェル/反応器9を含む基板8として描かれる。この例において、各反応器は0個または1個のビーズを含む。反応器の少なくともいくつかに、次にアドレスすることができ(例えば、光学的またはその他の検出手段)、アナライト分子を含む区画の数を決定する。例えばステップ(D)に示すように、複数反応器を光源15を用いて光学的にインタロゲートし、ここで各反応器は、光源15からの電磁気放射に暴露される(矢印10で示す)。各反応器から発せられる光(矢印11で示す)を、検出器15(この例においては光源15と同一システム内に収納されている)により決定する(および/または記録する)。アナライト分子を含む反応器(例えば反応器12)の数を、反応器から検出された光に基づき決定する。いくつかの場合、アナライト分子と結びついていないビーズを含む反応器(例えば反応器13)の数、ビーズを含まないウェルの数(例えば反応器14)、および/またはアドレスしたウェルの総数も、決定することができる。かかる決定を次に、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度の決定に用いることができる。
少なくとも1つのアナライト分子を含む(またはアナライト分子を含まない)捕捉物の統計的に有意な割合は、典型的には、特定の検出用システムを用いて再現可能に検出および定量され、これは、いかなるアナライト分子も含まない試料でアッセイを実施して決定したバックグラウンドノイズ(例えば非特異的結合)を、アドレスした物体(または区画)の総数で割り算したものより通常は高い。本明細書において本態様について用いる「統計的に有意な割合」とは、式1:
に従って推定可能であり、ここでnは、選択されたカテゴリーの事象について決定された事象の数である。すなわち統計的に有意な割合は、事象の数が、事象の数の平方根の3倍より大である場合に生じる。例えば、いかなるアナライト分子または粒子とも結びついていない捕捉物の統計的に有意な割合を決定するには、nは、いかなるアナライト分子または粒子とも結びついていない、検出された捕捉物の数である。別の例として、少なくとも1つのアナライト分子と結びついている捕捉物の統計的に有意な割合を決定するためには、nは、アナライト分子と結びついていると決定された、検出された捕捉物の数である。
いくつかの態様において、少なくとも1つのアナライト分子(または、捕捉物をアナライト分子に混合する比率により、統計的に0個または1個のアナライト分子のみが各捕捉物に結びつくようになっているいくつかの場合においては、1つのアナライト分子)と結びついている捕捉物(例えばビーズ)の、捕捉物(例えばビーズ)の総数に対する統計的に有意な割合は、約1:2未満、約1:3未満、約1:4未満、約2:5未満、約1:5未満、約1:10未満、約1:20未満、約1:100未満、約1:200未満、または約1:500未満である。したがって、かかる態様において、いかなるアナライト分子とも結びついていない捕捉物(例えばビーズ)の、捕捉物(例えばビーズ)の総数に対する割合は、少なくとも約1:100、約1:50、約1:20、約1:10、約1:5、約1:4、約1:3、約1:2、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約10:1、約20:1、約50:1、約100:1などである。
いくつかの態様において、少なくとも1つのアナライト分子(または、捕捉物をアナライト分子に混合する比率により、統計的に0個または1個のアナライト分子のみが各捕捉物に結びつくようになっているいくつかの場合においては、1つのアナライト分子)と結びついている捕捉物(例えばビーズ)の、捕捉物(例えばビーズ)の総数に対するパーセンテージは、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.01%未満等である。いくつかの態様において、アナライト分子と結びついていない捕捉物(例えばビーズ)の、捕捉物の総数に対するパーセンテージは、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%等である、
いくつかの態様において、複数の捕捉物を空間的に分離する前に、捕捉物を、少なくとも1種のアナライト分子(または粒子)に対して親和性を有する複数の結合リガンドに暴露することができる。本明細書において「結合リガンド」とは、アナライト分子と特異的に結合またはその他で特異的に結びついて、アナライト分子の検出を支援する、任意の分子、粒子等である。結合リガンドは、少なくともいくつかの捕捉物が1より多くのアナライト分子(例えば、2、3、4、5、またはそれ以上のアナライト分子)と結びついた態様において、特に有用となり得る。いくつかの態様において、結合リガンドは、少なくとも1つのアナライト分子を含む捕捉物の統計的に有意な割合が、少なくとも1つの結合リガンド(またはいくつかの場合においては、1つの結合リガンド)と結びつき、捕捉物の統計的に有意な割合(例えば、少なくとも1つのアナライト分子と結びついたか、またはいかなるアナライト分子とも結びついていない捕捉物)が、いかなる結合リガンドとも結びつかないような様式(例えば濃度レベル)で、供給されてよい。
少なくとも1つのアナライト分子および1つの結合リガンドと結びついた捕捉物(例えばビーズ)を含む区画の統計的に有意な割合は、特定の検出システム(すなわち、アナライト分子および/または結合リガンドと結びついた捕捉物を含んでいる、本質的に同一の複数の流体試料について、実質的に同様の結果を得る)によって1つの結合リガンドに結びついた捕捉物(例えばビーズ)を含んでいることが再現可能に決定できる区画の最小数以上であり、いかなるアナライト分子および/または結合リガンドも含まない試料を用いてアッセイを実施した場合に決定されたバックグラウンドノイズ(例えば非特異的結合)を、区画の総数で割り算した値より大きい。少なくとも1つのアナライト分子および1つの結合リガンドと結びついた捕捉物を含む区画の、統計的に有意な割合は、式1により決定可能である。実質的に全ての捕捉物が0または1つのアナライト分子と結びつくようにして供給され得る捕捉物の数の、アナライト分子および/または結合リガンドに対する比率は、本明細書に記載のように、ポアソン分布調整を用いて計算することができる。
いくつかの態様において、少なくとも1つのアナライト分子および1つの結合リガンドと結びついた捕捉物(例えばビーズ)の、捕捉物(例えばビーズ)の総数に対する統計的に有意な割合は、約1:2未満、約1:3未満、約1:4未満、約2:5未満、約1:5未満、約1:10未満、約1:20未満、約1:100未満、約1:200未満、または約1:500未満である。いくつかの場合において、いかなる結合リガンドとも結びついていない捕捉物(例えばビーズ)の、捕捉物の総数に対する統計的に有意な割合は、少なくとも約1:100、約1:50、約1:20、約1:10、約1:5、約1:4、約1:3、約1:2、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約10:1、約20:1、約50:1、約100:1などである。
いくつかの態様において、少なくとも1つのアナライト分子および少なくとも1つの結合リガンドと結びついた捕捉物(例えばビーズ)の、捕捉物(例えばビーズ)の総数に対するパーセンテージは、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.01%未満またはそれ以下である。いくつかの態様において、いかなる結合リガンドとも結びついていない捕捉物(例えばビーズ)の、捕捉物の総数に対するパーセンテージは、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、またはそれ以上である。
捕捉物が1つより多くのアナライト分子と結びついた態様の非限定的例を、図2に示す。複数の捕捉物20を供給する(ステップ(A))。この例において、複数の捕捉物は複数のビーズを含む。複数のビーズは複数のアナライト分子21を含有する流体試料に暴露される(例えばビーズ20をアナライト分子21でインキュベートする)。アナライト分子の少なくともいくつかは、ビーズ24に対して固定化される。例えば、ステップ(B)に示すように、アナライト分子22はビーズ24に対して固定化され、これにより複合体26が形成される。さらに描かれているのは、3つのアナライト分子に対して固定化されたビーズを含む複合体30および、2つのアナライト分子に対して固定化されたビーズを含む複合体32である。さらに、いくつかの場合において、いくつかのビーズはいかなるアナライト分子とも結びつかなくてよい(例えば、ビーズ28)。ステップ(B)からの複数のビーズは、複数の結合リガンド31に暴露される。
ステップ(C)に示すように、結合リガンドは、ビーズに対して固定化されたアナライト分子のいくつかに結びつく。例えば、複合体40はビーズ34、アナライト分子36、および結合リガンド38を含む。結合リガンドは、少なくとも1つのアナライト分子を含むビーズの統計的に有意な割合が少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、3つなど)の結合リガンドと結びつき、および少なくとも1つのアナライト分子を含むビーズの統計的に有意な割合(すなわち、上記式1で決定されたような)がいかなる結合リガンドとも結びつかないような様式で、供給される。ステップ(C)からの複数ビーズの少なくとも一部を次に、複数の区画に空間的に分離する。ステップ(D)に示すように、この例において、区画は複数の反応器41を基板42上に含む。複数の反応器は、ステップ(C)からの複数ビーズに、各反応器が0または1つのビーズを含むように、暴露することができる。基板を次に分析して、結合リガンド(例えば反応器43)を含む反応器の数を決定し、ここで、この数は流体試料中のアナライト分子の濃度の測度に関連させることができる。いくつかの場合において、ビーズを含むが結合リガンドを含まない反応器の数(例えば反応器44)、ビーズを含まない反応器の数(例えば、反応器45)、および/またはアドレス/分析した反応器の総数も、決定することができる。かかる決定を用いて、次に、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を決定することができる。
前述の例示の方法は、本発明の異なる態様において、多数の異なるアッセイフォーマット、異なる反応条件、および/または検出システムを用いて実施してよく、これらのいくつかの例は以下に記載される。追加の要素および/または方法ステップを、本発明の範囲内で本明細書に記載された例示の方法および要素の代替として、および/またはこれと組み合わせて利用してよい。本明細書のある議論は、基板の複数のウェル/反応器を含む複数の区画に焦点を当てているが、これは決して限定的ではなく、他の材料を用いて捕捉物/分子を複数の空間的に異なる区画(例えば、ヒドロゲル内/上の領域、平らな基板の表面の点/領域など)に分別することができることが理解されるべきである。他の例として、本明細書の多くの議論は、複数ビーズを含む複数捕捉物に焦点を当てているが、これは決して限定的ではなく、他の態様においては、捕捉物は他の物理的形状(例えばナノチューブ、円盤、リング、マイクロ流体液滴等)をとってもよい。
例示のアッセイフォーマット
本発明のアッセイは、広い範囲の基本プロトコルおよびフォーマットに従って実施することができる。選択した特定のフォーマットは、アナライト分子の性質、アナライト分子を含有する流体試料の性質、およびアナライトの結合パートナーの利用可能性および特性ならびにその他の要因に基づくことができる。いくつかの例示の基本フォーマットは、図1〜2の議論の文脈において既に議論されている。本開示が提供する教示の利益と共に当業者に明らかなように、本発明は代替的に、この詳細な説明に記された特定の例示の態様に具体的に記載されてはいないが、しかし実施のために過度な負荷または実験は必要としないプロトコル/フォーマットに従って実施することもできる。
上述のように、例示の基本のアッセイフォーマット/プロトコルは、アナライト分子または粒子を捕捉するよう構成された複数の捕捉物(例えばビーズ)を、かかるアナライト分子(または粒子)を含有するかまたは含有する疑いのある溶液に暴露することを含む。アナライト分子の少なくともいくつかは、捕捉物に対して固定化されることができる。複数の捕捉物はそれぞれが、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含んでよい。捕捉物の少なくとも一部を次に、複数の区画(例えば反応器/ウェル)に空間的に分別することができる。少なくとも1つのアナライト分子を含む捕捉物を含む区画の数の決定に少なくとも部分的に基づいて、アナライト分子の濃度の測度を決定することができる。この基本アッセイフォーマットの種々の他の側面を、材料、濃度、溶液、ステップなどに関する多くの考慮も含んで、ここで議論する。
ある態様において、複数の捕捉物を、少なくとも1種のアナライト分子を含有するかまたは含有する疑いのある試料に暴露し、ここで、複数の捕捉物は、少なくとも1種のアナライト分子に対して親和性を有する結合表面を含む。いくつかの場合において、結合表面は、複数の捕捉成分を含んでよい。本明細書において「捕捉成分」とは、任意の分子、他の化学的/生物学的実体、または固体支持体上に配置された固体支持体修飾物(solid support modification)であって、標的分子または粒子(例えばアナライト分子)を、標的分子/粒子が捕捉成分および支持体に対して固定化されるような様式で特異的に付着させる、結合させる、またはその他で捕捉できる、前記固体支持体修飾物である。本明細書に記載される固定化は、アナライト分子の、捕捉物の表面上の捕捉成分との結びつきにより生じてよい。本明細書において「固定化される」とは、捕捉、付着、結合、または固定されて標的分子/粒子の解離または損失を防ぐこと意味するが、しかし、捕捉成分または捕捉物のどちらかについての絶対的な固定化を必要とするものではない。
捕捉物に対して固定化されるアナライト分子の数は、試料中のアナライト分子の総数の、供給される捕捉物の捕捉成分の総数、サイズ、および/または表面密度の少なくとも1つに対する比率に依存してよい。いくつかの態様において、1つの捕捉物に対して固定化されるアナライト分子または粒子の数は、標準ポアソン分布に従ってよい。いくつかの場合において、捕捉物の統計的に有意な数は1つのアナライト分子と結びつき、および捕捉物の統計的に有意な数はいかなるアナライト分子とも結びつかない。提供される捕捉物の総数は、約10,000から約10,000,000の間、約50,000から約5,000,000の間、または約100,000から約1,000,000の間であってよい。いくつかの場合、提供される捕捉物の総数は、少なくとも約10,000、少なくとも約50,000、少なくとも約100,000、少なくとも約1,000,000、少なくとも約5,000,000、または少なくとも約10,000,000である。いくつかの場合、流体試料中のアナライト分子の数の、提供される捕捉物に対する比率は、約10:1から約1:10,000,000の間、約8:1から約1:10,000,000の間、約10:1から約2:1の間、約2:1から約1:10の間、または約1:10未満(例えば約1:20、約1:30など)である。流体試料中のアナライト分子の数の、提供される捕捉物に対する比率は、定量化の節で述べるように、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を決定するために行うアッセイステップおよび/または分析に影響を及ぼし得る。
いくつかの場合において、試料中に提供される実質的に全てのアナライト分子が、捕捉物に対して固定化されてよい。すなわち、試料中のアナライト分子の約90%より大、約95%より大、約97%より大、約98%より大、または約99%より大が、捕捉物に対して固定化されてよい。しかしいくつかの場合においては、試料中のアナライト分子の一部のみが、捕捉物に対して固定化されることもできる。すなわち、いくつかの場合においては、試料中に提供されるアナライト分子の約1%から約90%の間、約10%から約90%の間、約20%から約80%の間、または約30%から約70%の間が、捕捉物に対して固定化される。いくつかの場合において、アナライト分子の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%、または約95%が、捕捉物に対して固定化される。
アッセイのいくつかのフォーマットにおいて、固定化に続き、複数の捕捉物(例えば、その少なくともいくつかは、少なくとも1つのアナライト分子に結びついている)は、複数の結合リガンドに暴露されてよい。捕捉物に対して固定化されたアナライト分子の少なくともいくつかは、結合リガンドと結びつくことができる。捕捉物と結びつく(例えば、アナライト分子を介して)結合リガンドの数は、1つの捕捉物に対して固定化されたアナライト分子の総数の、捕捉物に暴露された結合リガンドの総数に対する比率に依存してよい。例えば、実質的に全ての捕捉物が0または1つのアナライト分子と結びつく態様において、実質的に全てのアナライト分子が1つの結合リガンドと結びつくように条件を選択してよく、したがって、1つのアナライト分子と結びついた各捕捉物は、1つの結合リガンドと結びつくようになる(例えば、アナライト分子を介して)。したがって、1つのアナライト分子を含む区画(例えば反応器)の数は、結合リガンドを含む区画(例えば反応器)の数を決定することにより、決定することができる。かかる態様(例えば、0または少なくとも1つのアナライト分子が各捕捉物と結びついている)において、供給された(例えば、混合ステップにおいて)結合リガンドの、捕捉物に対して固定化されたアナライト分子の総数に対する比率は、約20:1、約10:1、約5:1、約2:1、または約1:1であってよい。
しかしいくつかの態様においては、1つの捕捉物は、0、1、または1より多くの(例えば、2、3、4等)のアナライト分子と結びついてよい。かかる態様において、結合リガンドは、少なくとも1つのアナライト分子を含む捕捉物の統計的に有意な割合がただ1つの結合リガンドと結びつき、少なくとも1つのアナライト分子を含む捕捉物の統計的に有意な割合がいかなる結合リガンドとも結びつかないような濃度で提供されてよい。しかし他の態様において、結合リガンドは、少なくとも1つのアナライト分子を含む捕捉物の統計的に有意な割合が少なくとも1つの(例えば、1、2、3等)結合リガンドと結びつき、少なくとも1つのアナライト分子を含む捕捉物の統計的に有意な割合がいかなる結合リガンドとも結びつかないような濃度で提供されてよい。流体試料中のアナライト分子の濃度を次に、結合リガンドと結びついた捕捉物を含む区画の数に少なくとも部分的に基づく分析により(例えば、流体試料中のアナライト分子の濃度を、結合リガンドを含む区画の数に関連付けることにより)、および/または、アドレスした区画における結合リガンドの数を示すシグナルの、強度読み取りに少なくとも部分的に基づく分析により(例えば、本明細書に記載されるように、捕捉物の少なくともいくつかが1より多くのアナライト分子および/または1より多くの結合リガンドを含む態様において)、決定することができる。
かかる態様において(例えば、1より多くのアナライト分子を各捕捉物に対して固定化できる場合)、溶液中に供給された結合リガンドの数の、捕捉物に対して固定化されたアナライト分子の数に対する比率は、約1:50、約1:40、約1:30、約1:20、約1:10、約1:5、約1:3、約1:2、約1:1などであってよい。いくつかの場合、溶液中に供給された結合リガンドの数の比率は、供給された捕捉物の数に基づき計算することができる。いくつかの場合、提供された結合リガンドの、捕捉物の数に対する比率は、約1:50、約1:40、約1:30、約1:20、約1:10、約1:5、約1:3、約1:2、約1:1などである。他の場合、捕捉物の数の、供給された結合リガンドの数に対する比率は、約1:50、約1:40、約1:30、約1:20、約1:10、約1:5、約1:3、約1:2などである。いくつかの態様において、定量決定は、本明細書に記載のようにポアソン分布調整を含んでよい。
いくつかの態様において、アッセイで用いる結合リガンドの濃度は、過剰な結合リガンドが存在する場合に起こる可能性のある一定の事象、例えば、結合リガンドの非特異的結合を、最小化するように選択することができる。いくつかの場合、結合リガンドの濃度が高すぎるときは、非特異的相互作用(例えば、捕捉物、反応器などとの)によりバックグラウンド読み取り値の増加が起こる可能性がある。いくつかの場合、結合リガンドの濃度は、捕捉物に対して固定化されたアナライト分子の一部のみが、結合リガンドと結びつくように選択してよい(または、アナライト分子の濃度が未知の場合には、推定してよい)(例えば、約0.1%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、またはそれ以上)。これは、少なくとも1つのアナライト分子に結びついた捕捉物のパーセンテージが比較的高い(例えば、約20%より大、約30%より大、約40%より大、約50%より大、約60%より大、約70%より大、約80%より大、約90%より大、またはそれ以上)態様において、特に有用となり得る。
低い濃度で結合リガンドを供給することにより、いくつかの場合には、捕捉物に対して固定化されたアナライト分子の全てが結合リガンドと結びつくことはなく、これは、例えば結合リガンドの存在が検出に必要である場合、および特に、デジタル/バイナリ読み取り技術を用いる場合に、定量化に有利となり得る。例えば、アナライト分子と結びつく捕捉物のパーセンテージが約50%以上の場合、固定化された全アナライト分子より少ない数が結合リガンドと結びつくように、少ない数の結合リガンドを供給してもよい。他の場合、アナライト分子に結びつく結合リガンドのパーセンテージは、アナライト分子とのインキュベーション時間を短縮することにより、低減することができる(例えば、暴露時間を、固定化されたアナライト分子の一部のみがアナライト分子と結びつくように、制限する)。
溶液中の、アナライト分子/結合リガンド/捕捉物/等の総数は、溶液中のアナライト分子/結合リガンド/捕捉物/等の濃度の知見を用いる計算を用いて決定してよい。例えば、溶液中の結合リガンドの総数は、式2に従って決定してよい:
式中、Nはアボガドロ数(6.022×1023mol−1)、[結合リガンド]は溶液中1リットル当たりのモル数での結合リガンドの濃度、および容積は、用いた溶液のリットルでの総容積である。同様の計算を、他の成分(例えばアナライト分子(例えば校正試料中の)、捕捉物など)について行うことができる。
複数捕捉物に対する複数アナライト分子の固定化および、いくつかの場合は、結合リガンドの、少なくともいくつかの固定化されたアナライト分子との結びつきに続いて、捕捉物の少なくとも一部を、複数の区画に空間的に分別することができる。複数の区画に空間的に分別される捕捉物のパーセンテージは、限定はしないが以下を含む多くの要因に依存して変化し得る:捕捉物の数の区画の総数に対する比率、捕捉物を空間的に分別する方法、および/または捕捉物が区画に暴露される時間の長さ。いくつかの場合、捕捉物の少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上が、複数の区画に空間的に分別される。いくつかの場合、捕捉物の約0.1%から約50%の間、約0.1%から約30%の間、約0.5%から約20%の間、約0.5%から約10%の間、約0.5%から約5%の間、約1%から約10%の間、または約0.5%、約1%、約2%、約4%、約5%、約10%、約20%、約30%、約50%、約70%、または約90%が、複数の区画に空間的に分別される。捕捉物の少なくとも一部を複数の区画に空間的分別することに続いて、区画の少なくとも一部にアドレスすることができる。アドレスする区画の数は、区画の総数の0.5%、約1%、約2%、約3%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%またはそれ以上であってよい。
区画の一部にアドレスして、アナライト分子、またはいくつかの場合は結合リガンドを含む区画の数を決定することができる。いくつかの場合には、アナライト分子(または結合リガンド)と結びついていない捕捉物を含む区画の数、捕捉物を含むおよび/または含まない区画の数、および/または分析/決定する区画の総数もまた決定することができる。流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、アナライト分子(または結合リガンド)を含むと決定された区画の数に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。いくつかの場合において、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、アナライト分子と結びついた捕捉物を含む区画の数の、アドレスされた区画の総数またはアドレスされ捕捉物を含む区画の総数に対する比率に、少なくとも部分的に基づいてよい。他の場合においては、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、アナライト分子と結びついた捕捉物を含む区画の数の、アナライト分子に結びついていない捕捉物を含む区画の数に対する比率に、少なくとも部分的に基づいてよい。流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を決定するために用いることができる具体的な方法および計算は、以下にさらに詳細に議論される。
第2成分に対する第1成分(例えばアナライト分子/捕捉物、結合リガンド/捕捉物、結合リガンド/アナライト分子、捕捉物/区画、前駆標識剤/結合リガンドなど)の量/数量/比率に関して本明細書で記載される、比率、パーセンテージ、およびその他のパラメータは、1捕捉物当たり捕捉されるアナライト分子/結合リガンドの所望の比率を生み出すように調節してよく、および/または、本明細書により提供される教示および指導のもとで、ルーチンの実験、計算(いくつかの場合には、ポアソン分布を説明するものを含む)、スクリーニング試験等を越えないものを用いて制御または決定することができる。例えば、供給された捕捉物の数が既知の(例えば、式1で与えられたものと類似の式を用いて決定した)場合、供給すべき結合リガンドの数は、捕捉物の結合リガンドに対する所望の比率に基づき決定することができ、したがって、供給すべき結合リガンドのモル数の量が決定できる。別の例として、未知の濃度のアナライト分子の場合、最初のアッセイ法で顕著な数の捕捉物が1つより多くのアナライト分子を含むと示された(例えば全てまたはほとんどの区画がアナライト分子を含むと決定されるか、または統計的に有意な数より少ないビーズが、アナライト分子からフリーであると決定された)場合、流体試料は希釈するか、および/または捕捉物の数を増加させて、少なくとも1つのアナライト分子を含む捕捉物の数を減少させることができる。
アッセイの別の側面をここで詳細に議論する。以下のステップのいずれか、一部、または全てを、本明細書に記載のある例示のアッセイフォーマットの間に少なくとも1度は実施することができる。記載されていないが実施可能な追加のステップの非限定的例は、洗浄および/または、追加の結合リガンド、前駆標識剤、および/または標識剤等への暴露を含むが、これに限定はしない。
いくつかの態様において、複数の捕捉物(例えば、それらの少なくともいくつかは、少なくとも1つのアナライト分子と結びついている)は、少なくとも1つの追加の反応成分に、複数捕捉物の少なくともいくつかを複数の区画へと空間的に分離することに先だって、これと同時に、および/またはこれに続いて、暴露してもよい。いくつかの場合、捕捉物は複数の結合リガンドに暴露してよい。ある態様において、結合リガンドは、以下にさらに議論するように直接検出するように適合されてよく(例えば、結合リガンドが検出可能な分子または部分を含む)、または、間接的に検出するように適合されてよい(例えば、前駆標識剤を標識剤へと変換できる成分を含む)。1つより多くの種類の結合を任意の所与のアッセイ法に用いてよく、例えば、第1種の結合リガンドと第2種の結合リガンドである。1つの例において、第1種の結合リガンドは第1種のアナライト分子と結びつくことができ、第2種の結合リガンドは第1の結合リガンドと結びつくことができる。他の例において、第1種の結合リガンドおよび第2種の結合リガンドの両方は、以下に記載するように、1つのアナライト分子の同一または異なるエピトープに結びつくことができる。
ある結合リガンドは、直接的または間接的に検出を促進可能な成分を含み得る。成分は、成分が測定可能な特性(例えば、蛍光発光、色など)を含む態様において、直接検出されるように適合されてよい。成分は、間接的検出を促進してよく、例えば、前駆標識剤を標識剤(例えば、アッセイにおいて検出される剤)へと変換することによる。「前駆標識剤」とは、好適な変換剤(例えば酵素成分)に暴露されると標識剤に変換できる、任意の分子、粒子などである。「標識剤」は、選択された検出技術を用いて、検出される実体として作用することにより、検出を促進する任意の分子、粒子などである。
いくつかの態様において、少なくとも1つの結合リガンドは酵素成分を含む。いくつかの態様において、アナライト分子は酵素成分を含んでよい。酵素成分は、前駆標識剤(例えば酵素基質)を標識剤(例えば検出可能産物)へと変換することができる。流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を次に、標識剤を含む区画の数を決定することに少なくとも部分的に基づいて決定することができる(例えば、標識剤を含む区画の数を、アナライト分子を含む区画の数に関連づけることにより)。酵素または酵素成分の非限定的例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、およびアルカリホスファターゼが挙げられる。検出のためのシステムまたは方法の他の非限定的例としては、核酸前駆体が複数コピーに複製されるか、容易に検出可能な核酸に変換される態様、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ローリングサークル増幅(RCA)、リゲーション、ループ媒介性等温増幅(LAMP)などが挙げられる。かかるシステムおよび方法は、例えば「DNA Amplification: Current Technologies and Applications,” Vadim Demidov et al., 2004」に記載されているように、当業者に知られている。
前駆標識剤の使用を含むアッセイ法の例としては、図3に示すように、複数の区画を含む基板100を提供し、ここで、区画は反応器を含む。反応器101(例えば区画)において、アナライト分子102は、ビーズ103(例えば捕捉物)に対して固定化される。結合リガンド104はアナライト分子102と結びついている。結合リガンド104は酵素成分(示されず)を含む。前駆標識剤106は標識剤108に変換される(酵素成分に暴露されて)。標識剤108は、本明細書に記載の方法を用いて検出される。対照的に反応器111は、ビーズ110に対して固定化されたアナライト分子112を含む。この反応器において、アナライト分子112は酵素成分を含む結合リガンドと結びついていない。したがって、前駆標識剤114は、反応器内で標識剤に変換されない。したがって、この反応器は、前駆標識剤が標識剤に変換された反応器101と比べて、異なるシグナルを与えるだろう。いくつかの場合において、アナライト分子と結びついていないビーズを含む反応器も存在し、例えば、反応器121はビーズ116を含む。さらに、いくつかの反応器は、いかなるビーズも含まなくてよく、例えば反応器123である。反応器121および123は、反応器101とは異なるシグナルを与え得るが、それは、標識剤が存在しないためである。しかし、反応器121および123は前駆標識剤117を含むことができる。1より多くの前駆標識剤が、任意の与えられた反応器に存在してよい。
ある態様において、溶解されたかまたは懸濁された前駆標識剤を用いることができ、ここで前駆標識剤は、液体に不溶性であるかおよび/または区画の内部/近く(例えば、標識剤が形成される反応器内)で固定化される標識剤に、変換される。かかる前駆標識剤および標識剤およびそれらの使用は、共同所有の米国特許出願第12/236,484号:2008年9月23日出願のDuffyらによる名称「流体試料中のアナライト分子の濃度の高感度決定」に記載されており、これは本明細書に参照により組み込まれる。
いくつかの態様において、アッセイの間、少なくとも1つの洗浄ステップを行ってもよい。一例において、複数の捕捉物を、捕捉物をアナライト分子、結合リガンド、前駆標識剤などを含む1または2以上の溶液に暴露した後に、洗浄してよい。例えば、アナライト分子を複数捕捉物に対して固定化した後、複数の捕捉物に洗浄ステップを行い、これにより捕捉物に対して特異的に固定化されなかった任意のアナライト分子を除去する。ある態様において、洗浄液は、これが捕捉物および/またはアナライト分子の構成に感知できる変化を生じさせないよう、および/またはアッセイの少なくとも2つの成分(例えば捕捉成分とアナライト分子)の間の任意の特異的結合相互反応を妨害しないように選択する。別の場合において、洗浄液は、1または2以上のアッセイ成分と化学的に相互作用するように選択してもよい。当業者が理解するように、洗浄ステップは、本発明の方法の間の、任意の適当な時点において実施することができる。
いくつかの態様において、少なくとも1種のアナライト分子に対する結合表面を含む複数の捕捉物の、および/または捕捉物を空間的に分離できる複数の区画の使用を含まない、アッセイ法を実施することができる。例えば、ある態様による本発明のアッセイは、単一のアナライト分子を、および/または1または2以上のアナライト分子に結びついている捕捉物を、これらが検出用に個別にアドレスできるように分離することができる、任意の好適な方法を用いてよい。例えば、アッセイ法は、各々が1つのアナライト分子と結びついたか、またはいかなるアナライト分子からもフリーである、複数捕捉物を供給することを含んでよい。捕捉物の少なくとも一部に個別にアドレスして、アナライト分子または粒子と結びついた捕捉物の数を決定することができる。アナライト分子と結びついていると決定された捕捉物の数に少なくとも部分的に基づき、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定することができる。
図4Aは、単独のアナライト分子が複数の液滴に空間的に分別されている、非限定的態様を示す。図4Aにおいて、複数のアナライト分子70を、ステップ(A)に示すように供給する。この例において、アナライト分子70は光学的に検出可能である(例えば、アナライト分子は光学インタロゲーション(optical interrogation)を用いて直接検出できる)。複数アナライト分子70の少なくともいくつかは、ステップ(B)に示すように、流体71を含む液滴72内に含まれる(例えば、マイクロ流体技術を用いて)。さらに、いかなるアナライト分子も含まないいくつかの液滴(例えば、流体71を含む液滴74)も存在してよい、複数の液滴75は流体73によって実質的に囲まれており、流体73は流体71と非混合である。複数の液滴75は、ステップ(C)に示すように、各液滴が光検出システム(例えば光源76および検出器78を含む)単一ファイルを通過するように液滴をカラム74に供給することにより、光学的にインタロゲート可能である。各液滴は、光学シングル(optical single)の変化(例えば、液滴内にアナライト分子が存在することによる光学シグナルの変化)がある場合に、アナライト分子を含むと決定することができる。
他の例としては、図4Bに示すように、複数のアナライト分子80を、ステップ(A)に示すように供給する。この例において、アナライト分子70は光学的に検出されることができず、間接的に検出されねばならない(本明細書に記載のように)。ステップ(B)に示すように、複数アナライト分子80を複数の結合リガンド82に暴露して、少なくとも1つの結合リガンドがアナライト分子の大部分と結びつくようにし、ステップ(B)に示すように複合体83を形成する。この例において、各結合リガンド82は、酵素成分84を含む。複合体83の少なくとも一部は、ステップ(C)に示すように液滴85内に含まれ(例えば、マイクロ流体技術を用いて)、これは液体79を含む。さらに、いくつかの液滴は、いかなる複合体も含まないで存在してよい(例えば流体79を含む液滴86)。複数の液滴91は流体87によって実質的に囲まれており、流体87は流体79と非混合である。液滴85および86はさらに、前駆標識剤86を含んでよく、これは矢印87で示すように、酵素成分84に暴露されると標識剤88に変換される。複数の液滴91は、ステップ(D)に示すように、液滴をカラム89に供給して各液滴が光検出システム(例えば光源90および検出器92を含む)の単一ファイルを通過するようにすることにより、光学的にインタロゲート可能である。各液滴は、光学シングルの変化(例えば、液滴内に標識剤が存在することによる光学シグナルの変化)がある場合に、アナライト分子を含むと決定することができる。
さらに別の例として、図4Cは、単独のアナライト分子282が物体280に対して、捕捉成分274を介して結びついている態様を示す。さらにこの例において、固定化されたアナライト分子は、結合リガンド284と結びつく。液滴は、液滴をカラム287に供給して、各液滴が光検出システム(例えば光源286および検出器288を含む)の単一ファイルを通過するようにすることにより、光学的にインタロゲート可能である。各液滴は、光学シングルの変化(例えば、液滴内に結合リガンドが存在することによる光学シグナルの変化)がある場合に、結合リガンドを含むと決定することができる。
以下の節は、上述のアッセイ法の実施に用いることができる方法ステップ、材料、およびパラメータに関する追加の情報を提供する。
捕捉物および捕捉物分別のための空間的な区画
いくつかの態様において、本発明の方法およびシステムは、それぞれが少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む複数の捕捉物を利用する。複数の捕捉物は、お互いに空間的に分別できるように構成されてよく、すなわち、捕捉物は、それらが複数の区画へと空間的に分離され得るような形態で供給されてよい。例えば、複数の捕捉物は、複数のビーズ(これは任意の形状をとることができ、例えば球状様、円盤、リング、立方体様など)、微粒子の分散物または懸濁物(例えば、流体中に懸濁する複数の粒子)、ナノチューブなどを含んでよい。いくつかの態様において、複数の捕捉物は、アッセイに用いる溶媒(単数または複数)または溶液(単数または複数)中で不溶性または実質的に不溶性である。いくつかの場合、捕捉物は固体または実質的に固体であるが(例えば、本質的に孔がない)、しかしいくつかの場合には、複数の捕捉物は多孔質または実質的に多孔質、中空、部分的に中空などであってよい。複数の捕捉物は非吸収性、実質的に非吸収性、実質的に吸収性、または吸収性であってよい。いくつかの場合、捕捉物は磁性物質を含んでよく、これは本明細書に記載のように、アッセイの一定の側面を促進し得る(例えば洗浄ステップ)。いくつかの場合、捕捉物表面はまた、非特異的結合事象(例えばアナライト分子、結合リガンド等)を低減するかまたは最小化できる、防御層(protective layer)または保護層(passivating layer)も含んでよい。
いくつかの態様において、捕捉物は、各々が少なくとも1種の興味あるアナライト分子に対して親和性を有する結合表面を含む。捕捉物の結合表面を含む部分は、捕捉物の物理的形状/特徴および特性(例えば、サイズ、形状)、およびアッセイのフォーマットに基づき選択または構成してよい。いくつかの態様において、捕捉物の実質的に全ての外表面が、結合表面を形成する。少なくとも1種のアナライト分子に対して親和性を有する結合表面は、複数の捕捉成分の、捕捉物との結びつきを介して形成されてよい。いくつかの場合、アナライト分子は捕捉成分と、少なくとも1つの化学的結合の形成および/または物理的吸収、またはこれらの組み合わせを介して結びついてよい(例えばこれに対して固定化される)。化学的結合の非限定的例としては、イオン性結合、共有結合(例えば炭素−炭素、炭素−酸素、酸素−シリコン、硫黄−硫黄、リン−窒素、炭素−窒素、金属−酸素、またはその他の共有結合)、水素結合(例えば、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、チオール、および/または類似の官能基の間)、配位結合(例えば、金属イオンと単座配位子または多座配位子との間の錯体形成またはキレート化)、ファンデルワールス相互作用などが挙げられる。本発明のある側面および態様を実施するのに有用であるか、潜在的に有用である捕捉成分については、以下にさらに詳細に議論する。アナライト分子の少なくともいくつかは、複数の捕捉成分を含む複数の捕捉物に暴露されると、捕捉成分に対して固定化される。ある態様において、試験する流体試料中の実質的に全ての複数アナライト分子は、捕捉成分(したがって捕捉物)に対して固定化されてよい。
いかなる理論にも拘束されることを望むことなく、結合用の大きな表面積を有する複数の捕捉物が、アナライト分子/粒子が捕捉物に対して固定化されるような様式でアナライト分子または粒子を含有する流体試料に暴露される本発明のある態様における、捕捉ステップの使用は、アナライト分子それ自体が捕捉物に暴露されてこれに対して固定化されることなく、検出のために分別されるアッセイと比較して、試料中のアナライトの濃度の検出および定量のためのアッセイのスピードおよび/または効率の増加を促進することができる。この結合スピードおよび効率の増加は、複数のアナライト分子および捕捉物が捕捉のためにインキュベートされる溶液をかきまぜて(例えば撹拌して)、複数捕捉物(例えば複数ビーズ)とアナライト分子の間の衝突頻度および質量移動速度を増加させると(例えば、静止表面を含む基板(例えばマイクロタイタープレート)と対照的に)、さらに強化することができる。
アナライト捕捉用の複数の捕捉物は、任意の好適なサイズまたは形状であってよい。好適な形状の非限定的例としては、球体、立方体、楕円体、チューブ、シートなどが挙げられる。ある態様において捕捉物の平均直径(実質的に球状の場合)または平均最大断面寸法(その他の形状)は、約0.1μmより大、約1μmより大、約10μmより大、約100μmより大、約1mmより大、などであってよい。他の態様において、捕捉物の平均直径または1次元における捕捉物の最大寸法は、約0.1μmから約100μmの間、約1μmから約100μmの間、約10μmから約100μmの間、約0.1μmから約1mmの間、約1μmから約10mmの間、約0.1μmから約10μmの間などであってよい。本明細書において、複数捕捉物の「平均直径」または「平均最大断面寸法」は、捕捉物の直径/最大断面寸法の算術平均である。当業者は、捕捉物の集団の平均の直径/最大断面寸法を、例えばレーザー光散乱、顕微鏡法、ふるい分析、または他の既知の技術を用いて決定することができる。例えばいくつかの場合、コールターカウンターを用いて、複数ビーズの平均直径を決定することができる。
アナライト捕捉用の捕捉物は、1または2以上の好適な材料から、例えば、プラスチックまたは合成ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、フェノール系ポリマー、またはニトロセルロース等)、天然由来のポリマー(ラテックスゴム、多糖類、ポリペプチドなど)、複合材料、セラミックス、シリカまたはシリカーベースの材料、カーボン、金属または金属化合物(例えば、金、銀、鋼、アルミニウム、銅などを含むもの)、無機ガラス、シリカ、および種々のその他の好適な材料から製造することができる。潜在的に好適な構成の非限定的例としては、ビーズ(例えば磁気ビーズ)、チューブ(例えばナノチューブ)、プレート、円盤、計深棒などが挙げられる。
いくつかの場合、捕捉物は、捕捉物それ自体がシステムにより検出可能であるように選択することができる。これは、アナライト分子と結びついた捕捉物の割合またはパーセンテージを決定する態様において有用である(例えば、インタロゲートされ検出された捕捉物の総数を用いて、アナライト分子と結びついた捕捉物の割合を決定する場合)。例えば、捕捉物は、検出のために探索可能な発光または吸収スペクトルを有することを特徴としてよく、これにより、捕捉物をインタロゲートして、どの空間的区画が捕捉物を含むかを決定することができる。発光スペクトル(例えば1または2以上の波長、強度等)の特性は、捕捉物により生成された発光が、アッセイで用いる成分からの任意のその他の発光(例えばアナライト分子の有無を決定するために用いることができる任意の標識の発光)を実質的に変化させるかおよび/または干渉しないように、選択することができる。いくつかの場合において、染料分子を、捕捉物の表面上に存在する結合リガンドを用いて、捕捉物に結びつけることができる(例えば、染料分子は、結合または相互作用を介して捕捉物に結びつくことができる)。
いくつかの場合、約1から約50,000の間、または約1000から約50.000の間、または約1000から約20.000の間、または約10,000から約20,000の間、または約1,000から約10,000の間、または約10,000から約30,000の間、または約1から約10,000の間の染料分子(例えば蛍光染料分子)が、各捕捉物に結びつく。例えば例21を参照のこと。いくつかの場合、染料分子は、結合リガンドが捕捉物に付着する前に、最初に捕捉物に結びつく場合もある。このアプローチは、結合リガンドの親和性が染料分子の付着によって低減されるチャンスを低下させる。いくつかの場合、染料分子は不活性な「ブロッキング」タンパク質(例えばウシ血清アルブミン)に付着され、染料標識された不活性タンパク質を用いて、結合リガンドが捕捉物に付着した後にビーズをブロックする。いくつかの場合、捕捉物は白色光を用いて(例えば、本明細書に記載のように、例えば明視野、暗視野および/または位相差画像法を用いて)、検出および定量可能であることが理解されるべきである。
いくつかの態様において、アナライト捕捉用に1種より多くの捕捉物を用いることができる。いくつかの場合、各種類の捕捉物は、異なる結合特異性の表面を含むことができる。これらの態様において、1種より多くのアナライト分子を、1つの多重アッセイ法において定量および/または検出することができる。例えば、アナライト捕捉用の複数捕捉物は、第1種のアナライト分子に対して親和性を有する結合表面を含む複数の第1種の捕捉物および、第2種のアナライト分子に対して親和性を有する結合表面を含む複数の第2種の捕捉物を含むことができる。第1種のアナライト分子および第2種のアナライト分子を含有する試料に暴露されると、第1種のアナライト分子は第1種の捕捉物に対して固定化され、第2種のアナライト分子は第2種の捕捉物に対して固定化される。第1種の捕捉物および第2種の捕捉物は、異なる検出特性を含むことにより、コード化されて互いに識別可能にすることができる(例えば、検出での識別を促進するため)。
例えば、各種の捕捉物は異なる蛍光発光、スペクトル反射性、形状、スペクトル吸収、またはFTIR発光もしくは吸収を有することができる。特定の態様において、各種の捕捉物は、1または2以上の染料化合物(例えば蛍光染料)を、種々の濃度レベルで含むことができ、こうして、各種の捕捉物は特徴的なシグナル(例えば、蛍光発光強度に基づき)を有する。捕捉ステップの後に、捕捉物を検出用に複数の区画に空間的に分別すると、第1種のアナライト分子に結びついた第1種の捕捉物を含む区画を、第2種のアナライト分子に結びついた第2種の捕捉物を含む区画から、異なる特性の検出を介して識別することができる。各種の捕捉物を含む区画の数および/またはアナライト分子に結びついた捕捉物の数を決定することができ、流体試料中の第1種のアナライト分子および第2種のアナライト分子の両方の濃度の測度を、これらの数に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。
例えば、図5に示すように、ステップ(A)で第1種の捕捉成分134を含む複数の第1種の捕捉物132および第2種の捕捉成分138を含む複数の第2種の捕捉物136を供給する。複数の捕捉物は、複数の第1種のアナライト分子140および第2種のアナライト分子142を含む流体試料に暴露される。ステップ(B)に示すように、少なくともいくつかの第1種のアナライト分子140は、第1種の捕捉物132に捕捉成分134を介して結びつくことができ、少なくともいくつかの第2種のアナライト分子142は、第2種の捕捉物136に捕捉成分138を介して結びつくことができる。第1種の捕捉物および第2種の捕捉物の少なくともいくつかは、いかなる第1種または第2種のアナライト分子にも結びつくことができない。ステップ(B)からの複数の捕捉物の少なくともいくつかは、ステップ(C)に示すように、複数の区画(基板146に形成された反応器142により表す)に空間的に分別することができる。反応器のいくつかはいかなる捕捉物も含まない。複数の反応器を次に分析して(例えば図1、ステップ(D)に示すように)、第1種のアナライト分子に結びついた第1種の捕捉物を含む反応器(例えば反応器144)の数および、第2種のアナライト分子に結びついた第2種の捕捉物を含む反応器(例えば反応器145)の数を決定することができる。
さらに、いかなるアナライト分子にも結びついていない第1種の捕捉物または第2種の捕捉物を含む区画の数も決定することができる。第1種(または第2種)のアナライト分子の濃度の測度は、検出された第1種(または第2種)のアナライト分子の数に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。代替的に、流体試料中の第1種(または第2種)のアナライト分子どちらかの濃度の測度は、第1種(または第2種)のアナライト分子に結びついた第1種(または第2種)の捕捉物を含む反応器の数の、アナライト分子に結びついていない第1種(または第2種)の捕捉物を含む反応器の数に対する比率に基づいてもよい。流体試料中の第1および/または第2種のアナライト分子の濃度を決定するための追加の方法は、1種類のアナライト分子を含む試料について本明細書に記載されたものと同様の方法を用いて実施してよい。光検出を用いて、第1種の捕捉物は第1波長において最大波長の発光を有することができ、第2種の捕捉物は第2波長において最大波長の発光を有することができ、したがって、第1種の捕捉物を含む反応器を、第2種の捕捉物を含む反応器から識別することが可能となる。
上述したように、多重化のためにコード化された捕捉物の使用の代替として、またはこれと組み合わせて、いくつかの多重アッセイにおいて、ある場合においては、それぞれが多種類のアナライトに特異的な捕捉成分を含む、類似の種類の捕捉物を用いてもよい。ある種のかかるアッセイおいて、例えば第1種のアナライト分子に親和性を有する第1種の結合リガンドと、互いに識別可能に検出できるように(例えば異なる検出可能マーカー、酵素成分および/または標識剤等の使用を介して)構成された、それぞれ第2種、第3種等のアナライト分子に親和性を有する第2種、第3種等の結合リガンドを、アッセイに併せて用いることができ、異なる種類の結合リガンドの検出/定量化を、流体試料中の異なる種類のアナライト分子の存在/濃度と相関させることができる。
特定の態様において、アナライト捕捉用の複数の捕捉物は複数のビーズを含む。ビーズは、各々が複数の捕捉成分を含み、これを介して複数のアナライト分子を固定化することができる。複数の捕捉成分は、ビーズの表面に存在してよい。いくつかの態様において、ビーズは磁気ビーズであってよい。ビーズの磁気特性は、ビーズを溶液(例えば、複数の非結合アナライト分子を含む)から分離することを、および/または洗浄ステップ(単数または複数)の間(例えば、過剰な流体試料、標識剤等を除去するため)、支援することができる。磁気ビーズを含む、潜在的に好適なビーズは、多数の商業的供給者から入手可能である。上述したように、アナライト捕捉用の潜在的に好適な捕捉物の多くの他の例があり、これにはナノチューブ、(例えば、カーボンナノチューブ)、マイクロ流体液滴(例えば第2流体に実質的に囲まれている第1流体の液滴)などを含む。
当業者は、複数の捕捉物を、最初のアナライト捕捉用にアナライト分子または粒子を含有するかまたは含有することが疑われる流体試料に暴露するための、方法および技術について知っている。例えば、複数の捕捉物を、流体試料に直接加えることができる(例えば、固体として、溶液として)。他の例として、流体試料を複数の捕捉物に加えてもよい(例えば溶液中に固体として)。いくつかの例では、溶液はかきまぜてもよい(例えば、攪拌、振とうなど)。
アナライト分子を複数の捕捉物に対して固定化した後、捕捉物を少なくとも1つの洗浄ステップに供してもよい。洗浄ステップは、任意の非結合分子(例えばアナライト分子、またはその他の反応成分)を溶液から除去することを支援できる。例えば、図1を参照すると、ステップ(B)に示すように、アナライト分子4をビーズ6に対して固定化した後、洗浄ステップを実施してアナライト分子に対して固定化されていない任意の非結合アナライト分子を除去する。他の例として、図2を参照すると、ステップ(C)に示すように、結合リガンド31がアナライト分子36と結びついた後、洗浄ステップを実施して任意の非結合の結合リガンドを除去する。洗浄ステップは、当業者に知られている任意の好適な技術を用いて実施することができ、例えば、捕捉物の洗浄溶液によるインキュベーションと、続いて捕捉物を含む溶液の遠心分離および液体の上澄みを移すこと、または濾過技術を用いることによる。複数の捕捉物が複数の磁気ビーズを含む態様において、ビーズは磁石の支援により、バルク溶液から分離することができる。
捕捉ステップ後の複数の捕捉物(例えば少なくともいくつかは、少なくとも1つのアナライト分子と結びついている)は、1または2以上の追加の試薬に、検出のために複数の捕捉物を複数の区画に空間的に分別するのに先立って、暴露することができる。例えば、前に記したように、捕捉物は複数の結合リガンドに暴露することができ、結合リガンドの少なくともいくつかは固定化されたアナライト分子と結びついている。捕捉物は、上述のように、2種以上の結合リガンド(例えば第1種の結合リガンドおよび、第2種、第3種等の結合リガンド)に暴露されてよい。結合リガンドと固定化アナライト分子の結びつきは、本明細書に記載したように、アナライト分子の検出を支援することができる。
いくつかの態様において、アナライト捕捉用の複数の捕捉物に加えて、複数の対照物も供給および/または使用することができる。1または2以上の対照物は種々の目的に有用となることができ、これには、限定することなく、以下に記載するように、複数の区画の配置の同定(例えば、複数の区画が反応部位、反応器等のアレイとして形成されている場合)、アッセイの質の決定を補助するため、および/または検出システム(例えば光学インタロゲーションシステム)の校正を補助するためなどが挙げられる。2種以上の対照物が任意のアッセイフォーマットに存在してよいこと(例えば、アッセイの質の決定のための第1種の対照物および、区画のマーカーとして作用するための第2種の対照物)、または、1種類の対照物が2つ以上の上記機能を有してもよいことを理解すべきである。
いくつかの場合、対照物を、アレイ上の複数の区画(例えば反応器、部位等)の配置を同定するために用いる(例えばアレイ用の区画のマーカー(単数または複数)としての機能)。例えば、対照物はアレイ上にランダムに、または特異的に分散されてよく、アレイの配置/位置を決定するための1または2以上の参照区画を提供することができる。かかる性質は、アレイの一部の複数の画像を、異なる時間間隔で比較する場合に有用となり得る。すなわち、対照物のアレイ内における位置を用いて画像を登録することができる。いくつかの場合、対照物は、小さなオーバーラップする領域の複数画像を組み合わせてより大きな画像を形成する態様において、参照区画の提供のために用いることができる。
アッセイにおいて対照物の存在は、アッセイの質に関する情報を提供することができる。例えば、区画が、酵素成分を含むが標識剤(例えば、酵素成分を含む対照物を前駆対標識剤に暴露すると存在する産物)は存在しない対照物を含むことが見いだされた場合、これは、アッセイのいくつかの側面が適切に機能していないことを示す。例えば、試薬の質が信頼できないか(例えば前駆標識剤の濃度が低すぎる、前駆標識剤の分解、等)、および/またはすべての区画が前駆標識剤に暴露されていない可能性がある。
いくつかの態様において、対照物は検出システムの校正に用いることができる。例えば、対照物は光検出システムの校正に用いることができる、光学シグナルを出力可能である。いくつかの態様において、対照物を特定の特徴でドーピングして特徴付けることができ(例えば蛍光、色、吸収など)、これは検出システムの性能の品質コントロール検査として作用することができる。
いくつかの場合、対照物を用いてシステムを標準化または正規化することができ、試験で用いるアレイの異なる部分の間の、および/または2つの異なるアレイの間の、時間経過による、異なるアッセイにおける異なるシステム要素(例えば検出システム、アレイ、試薬等)の性能および/または特徴の変化を説明する。例えば、実験設定、パラメータおよび/または変動は、異なる時点で1つのアレイから生成されたか、または同一もしくは異なる時点における少なくとも2つのアレイの間で生成されたシグナル(例えば蛍光シグナル)に、強度の変化をもたらし得る。
さらに、1つのアレイにおいて、アレイの異なる部分は異なるバックグラウンドシグナルを生成し得る。かかる変化は、アレイ間、アレイの部分の間、または複数時点で、校正シグナルに変化をもたらし得て(例えば平均ビーズシグナルの決定)、これは、いくつかの場合には不正確な決定をもたらし得る。変化を生じさせるパラメータの非限定的例としては、標識剤濃度、温度、焦点、検出光の強度、アレイにおける深さおよび/またはサイズ等が挙げられる。かかる変化のいくつかまたは全ての効果を説明するために、いくつかの態様において、複数の対照物を用いることができる。ある例において、かかる対照物は、アナライト分子または粒子とは本質的に結びつかない。ある態様において、対照物の約20%未満、約10%、約5%、約1%未満等が、アナライト分子または粒子と結びつく。対照物は捕捉物から識別可能であり(例えば各々が識別可能なシグナルを生成することができる)、システムは、対照物に結びついたいかなるアナライト分子も、アナライト分子の濃度決定には含まれないような様式で、構成することができる。対照物からのシグナルは、異なるアレイの間または1つのアレイの領域の間で、インタロゲート値の正規化に用いることができる。例えば、対照物からのシグナルは、アレイ間で、および/またはおよそ1つのアレイで、ほぼ同じであるべきであるため、対照物シグナルは適切な値に正規化することができ、非対照物(例えばアナライト分子に結びついた捕捉物)のシグナルは、それに応じて調整することができる。
対照物は、アナライト分子を含有する流体試料に暴露する前に、アナライト捕捉用の複数捕捉物と共に供給することができ、またはアッセイの別の時点で加えることができる(例えば、複数のアナライト分子および/または結合リガンドへの暴露に続いて、および/または複数の捕捉物を複数の区画に空間的に分別する前に)。対照物は、当業者に知られた技術を用いて、捕捉物から識別可能である。例えば、いくつかの態様において、対照物はアナライト分子に対する結合表面を含む捕捉物と比較して、ユニークな特性を含むことができる(例えば、コード化されている)。例えば、対照物は、捕捉物と比較して異なる蛍光発光、スペクトル反射性、形状、スペクトル吸収、またはFTIR発光もしくは吸収を有してよい。アッセイにおける物体(例えば捕捉物および対照物)の総数に対する対照物のパーセンテージは、約0.0001%、約0.0005%、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約5%などであってよい。
いくつかの態様において、対照物は陰性結合対照として構成され、アナライト分子を固定化するための捕捉物と同様の形状およびサイズであってよいが、しかし、対照物はアナライト分子(例えば複数の捕捉成分)に対する結合表面を欠いている(例えば複数の捕捉成分)。例えば、対照物は複数のビーズを含むことができ、アナライト分子を固定化するための捕捉物は、同一または類似のビーズを含むことができ、さらに、複数の捕捉成分を含む少なくとも1つの表面を含む。
1つの態様において、対照物は陽性対照を含むことができ、酵素成分を含む。前駆標識剤は、酵素成分への暴露により標識剤に変換することができる。いくつかの場合、酵素成分は、流体試料中のアナライト分子を検出するために用いる酵素成分と同一であってよい(例えばアッセイの別の成分中に含まれている、例えば、結合リガンド、アナライト分子等に含まれる酵素成分)。かかる態様において、対照物を捕捉物から識別可能にするには、正のシグナルを有する反応器を分析して、反応器が対照物を含むかどうか(例えば第1検出シグナルを有する)、または捕捉物を含むかどうか(例えば第1検出シグナルから識別可能な第2検出シグナルを有する)を決定することによる。他の場合、酵素成分は、流体試料中のアナライト分子を検出するために用いる酵素成分とは異なってよい(例えばアッセイの別の成分中に含まれている、例えば、結合リガンド、アナライト分子等に含まれる酵素成分)。
この態様において、対照物は捕捉物から識別可能であっても、なくてもよい。第1種および第2種の前駆標識剤の両方を反応器に供給して、第1種の前駆標識剤を、対照ビーズに結びついた酵素成分に暴露して第1種の標識剤に変換し、第2種の前駆標識剤を、別の酵素成分(例えば、結合リガンド/アナライト分子/等に含まれる)に暴露して第2種の標識剤に変換することができる。第1種の標識剤を含む反応器は、対照物を含む反応器に対応し、第2種の標識剤を含む反応器は、結合リガンド/アナライト分子/等を含む反応器に対応する。対照ビーズを含む複数の区画を観察して、例えば酵素変換反応の有効性を分析することができる。
種々の方法を用いて対照物を調製することができ、例えば、捕捉物(例えば複数の捕捉成分を含むビーズ)について本明細書に記載されたものと類似の方法である。いくつかの場合、対照物のいくつかは酵素成分を含んでよい。対照物は、次のようにして調製することができる:1)対照物の大部分が、各々が少なくとも1つの酵素成分を含む(例えば1、2、3、4個等)、または2)いくつかの対照物は1つの酵素成分を含み、残りの対照物はいかなる酵素成分も含まない。最初のケースでは、対照物の形成の間、溶液中に供給される酵素成分の物体に対する比率は、1:1より大、約2:1より大、約5:1より大、約10:1より大などであってよい。かかるケースにおいて、対照物を基板上で区分した後、対照物を含む各区画は前駆標識剤への暴露により正のシグナルを与えることが予想される。第2のケースでは、対照物の形成の間、溶液中に供給される酵素成分の物体に対する比率は、約1:5未満、約1:10未満、約1:20未満、約1:50未満などであってよい。かかるケースにおいて、対照物を含み正のシグナルを与える区画の数の、対照物を含むが正のシグナルを与えない区画の数に対する比率は、対照物の形成の間の、酵素成分の物体に対する比率とほぼ同じであることが予想され、および/またはポアソン分布に従うであろう。
上記のように、アナライト捕捉ステップにおいて、複数アナライト分子を複数の捕捉物に対して固定化した後、捕捉物の少なくとも一部を、例えば基板上で、複数の区画に空間的に分別することができる。例えば、空間的に分別された捕捉物の一部の各捕捉物は、区画の中に位置するか、および/または区画(例えば、基板の表面および/またはボディ内のスポット、領域、ウェル等)に結びつくことができ、ここで区画とは、他の捕捉物の各々が配置された区画から空間的に区別され、捕捉物と区画とが、区画にアドレスするために用いられる分析検出システムにより個別に分解できるようになっているものである。一例として、捕捉物の一部の各々は、基板上の反応器のアレイに空間的に分別されて、統計的に0または1つのみの捕捉物が少なくともいくつかの反応器に、ある場合においては本質的にそれぞれの反応器に、存在するようにされる。各区画は、他の区画に対して個別にアドレスすることができる。さらに、区画は、本明細書に記載されるように、一方で個々の区画および捕捉物を分解する能力を保有しつつ、複数の区画が実質的に同時にアドレスできるように、配置することができる。
本明細書の議論の多くは1つの捕捉物を含む区画に焦点を当てているが、これは決して限定するものではなく、いくつかの態様においては、1つの区画に1つより多くの捕捉物が含まれることを理解すべきである。かかる態様において、捕捉物のアナライト分子に対する比率は、複数捕捉物を複数区画に空間的に分別した後、区画の統計的に優位な割合がいかなるアナライト分子も含まず、かつ区画の統計的に優位な割合が少なくとも1つのアナライト分子を含むようにすることができる。すなわち、1つの区画は複数の捕捉物を含むことができるが、いくつかの場合、捕捉物のどれもがいかなるアナライト分子とも結びつかず、アドレスされた区画において捕捉物の1つのみが、少なくとも1つのアナライト分子と結びついている。
上述のように、いくつかの態様において、複数の区画は、基板上の複数の反応器/ウェルを含む。ある態様において反応器は、アナライト捕捉に用いる1つの捕捉物のみを受領し含むように構成してよい。複数の捕捉物を、複数のかかる反応器(例えば、基板上の反応器のアレイとして構成された)にわたって区分することができ、いくつかの場合、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度の決定を、以下および実施例にさらに詳細に議論される手段により、促進することができる。
本発明のいくつかの態様において、複数の反応器を、例えばアナライト捕捉用に用いる捕捉物の導入の後に、例えば第2基板と封着要素を合わせることにより密封してよい。反応器の密封は、各反応容器の内容物が、残りのアッセイの間に反応器から逃れないようにする。いくつかの場合反応器は、捕捉物の、および任意にアナライト分子の検出を促進するための前駆標識剤の添加の後に、密封することができる。前駆標識剤を用いる態様について、いくつかのまたは各反応器の内容物を密封することにより、検出可能な標識剤を生成する反応が密封された反応器内で進行し、これにより、検出可能な量の標識剤が生成され検出目的のために反応器内に保持される。
複数の反応器を含む複数の区画は、種々の方法および/または材料を用いて形成することができる。いくつかの場合、複数の反応器は、第1表面上のくぼみのアレイとして形成される。しかし他の場合において、複数の反応器は、複数のくぼみを含む封着要素を、特徴のない表面を有するか、または封着要素のそれと揃っているくぼみを含む基板と合わせることにより、形成することができる。任意の装置要素、例えば基板または封着要素は、伸展性(compliant)材料、例えば弾性ポリマー材料から製造して、密封を支援することができる。表面は疎水性であってよく、または疎水性に作製し、または疎水性領域を含むように作製して、マイクロウェルからの水性試料の漏出を最小化することができる。
いくつかの場合、封着要素はマイクロウェルのアレイの外側表面(例えば、以下により詳細に記載するように、光ファイバー束のクラッディング)に接触することができ、こうして、各反応器が、各反応器の内容物が反応器から漏れ出ないように密封または隔離される。一態様によれば、封着要素は、基板全体にわたって実質的に均一な圧力を適用して、マイクロウェルのアレイに対して配置することができる、シリコーンエラストマーガスケットであってよい。いくつかの場合、反応器は、アナライト捕捉に用いる複数の捕捉物を、および任意に、アナライト分子の検出を促進するために用いることができる前駆標識剤分子を添加した後に密封することができる。
基板の上部/内部のアッセイ溶液を含む複数反応器の形成の非限定的例を、図6に示す。図6において、パネル(A)は複数のマイクロウェル139を含む表面を示し、これはアレイ溶液141(例えば、アナライト捕捉に用いた捕捉物、および/またはアナライト捕捉ステップ(単数または複数)および任意の洗浄ステップ(単数または複数)の実施後に得られる対照物を含有する溶液)、および封着要素143に暴露されている。この例の封着要素143は、実質的に平らな底表面を含む。基板139を封着要素143と合わせることにより、複数の密封反応器145が形成される。反応器の間の領域148は、反応器間の堅い密封の形成を支援するよう、改変することができる。
第2の態様を図6のパネル(B)に示し、ここで複数のマイクロウェル163を含む封着要素162は、アッセイ溶液162に暴露された実質的に平らな表面と合わされて、これにより複数の反応器164が形成される。
第3の態様において、図6のパネル(C)に示すように、複数のマイクロウェル167を含む基板表面166を、これも複数のマイクロウェル171を含む封着要素170と合わせる。この態様において、基板のマイクロウェルおよび封着要素のマイクロウェルは実質的に揃っており、形成された各反応器172は、封着要素からのマイクロウェルの一部と、基板からのマイクロウェルの一部を含む。図6のパネル(D)で、マイクロウェルは揃っておらず、各反応器は封着要素173からのマイクロウェルまたは基板175からのマイクロウェルのどちらかを含むようになっている。
封着要素は基板と本質的に同一のサイズであってよく、または異なるサイズであってもよい。いくつかの場合、封着要素は基板とほぼ同一のサイズで、実質的に基板の表面全体と合わされる。他の場合、図6のパネル(E)に示すように、封着要素176は基板174より小さく、封着要素は基板の一部178のみと合わされる。さらに別の態様において、図6のパネル(F)に示すように、封着要素182は基板180より大きく、封着要素の一部184のみが、基板180と合わされる。
いくつかの態様において、反応器は全てほぼ同一の容積を有してよい。別の態様において、反応器は異なる容積を有してよい。各個々の反応器の容積は、任意の特定のアッセイプロトコルを促進するのに適切であるよう、選択することができる。例えば、各容器に含まれるアナライト捕捉に用いる捕捉物の数を、小さな数に限定することが望ましい1セットの態様において、反応器の容積は、用いる捕捉物、検出技術および装置の性質、基板上のウェルの数および密度、およびウェルを含む基板に適用される流体中の捕捉物の予想される濃度に応じて、アトリットル以下からナノリットル以上の範囲であることができる。1つの態様において、反応器のサイズは、アナライト捕捉に用いる1つの捕捉物のみの全体が、反応器内に含まれるように、選択することができる。本発明の一態様によれば、反応器は、約1フェムトリットルから約1ピコリットルの間、約1フェムトリットルから約100フェムトリットルの間、約10アトリットルから約100ピコリットルの間、約1ピコリットルから約100ピコリットルの間、約1フェムトリットルから約1ピコリットルの間、または約30フェムトリットルから約60フェムトリットルの間の容積を有してよい。いくつかの場合、反応器は、約1ピコリットル未満、約500フェムトリットル未満、約100フェムトリットル未満、約50フェムトリットル未満、または約1フェムトリットル未満の容積を有する。いくつかの場合、反応器は、約10フェムトリットル、約20フェムトリットル、約30フェムトリットル、約40フェムトリットル、約50フェムトリットル、約60フェムトリットル、約70フェムトリットル、約80フェムトリットル、約90フェムトリットル、または約100フェムトリットルの容積を有する。
アナライト捕捉に用いる複数捕捉物が複数のビーズを含み、複数の区画が本質的に円柱の形状を有する複数の反応器を含む態様において、反応器のサイズはビーズのサイズに基づくことができ、また1より多くのビーズを含むウェルの数を最小化することを確実にするよう、設計することができる。いくつかの場合、ウェルの最大許容直径は、式3:
に従って計算でき、および/または、ウェルの最大許容深さは、式4:
に従って計算できる。
1つのビーズがウェルに含まれることを保証する最小許容ウェル深さおよび最小許容ウェル直径は、ほとんどの態様において、ビーズの平均直径より小さくない。1つより多くのビーズが反応器に存在することを許容しないような適性なサイズの反応器を有することは、個々のビーズを分解するより優れた能力を提供することができ、以下および実施例にさらに詳細に記載される手段によって流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を決定することに関して、さらなる精度を可能とする。例えば、反応器が大きすぎる場合、1つより多くのビーズが反応器内に入ることができ、これは複数アナライト分子を含む反応器の数の増加をもたらし得て、これは単一分子の検出に基づくアルゴリズム/統計モデルを用いた濃度決定に不正確さをもたらし得る(以下参照)。しかしいくつかの場合には、1より多いビーズが反応器に入ることが望ましいこともある。一方、反応器が小さすぎると、ビーズは反応器に入ることができず、これにより反応器の適切な密封が妨害され(例えば、反応器が密封される態様において)、および/または個々の区画にアドレスするのに困難が生じる可能性がある(例えば、標識剤が検出用に生成される態様においては、標識剤が生成された反応器から消失する可能性がある)。かかる場合には、偽陽性(例えば、アナライト分子を含まない反応器が、生成された区画から拡散した標識剤に基づいて、アナライト分子を含むと決定され得る)の可能性があり、これは流体試料中のアナライト分子の濃度の測度の不正確な決定につながる。
いくつかの態様において、反応器の平均深さは、ビーズの平均直径の約1.0倍から1.7倍の間、約1.0倍から1.5倍の間、約1.0倍から1.3倍の間、または約1.1倍から1.4倍の間である。いくつかの態様において、反応器の平均直径は、ビーズの平均直径の約1.0倍から1.9倍の間、約1.2倍から1.7倍の間、約1.0倍から1.5倍の間、または約1.3倍から1.6倍の間である。特定の態様において、反応器の平均深さはビーズの平均直径の約1.0倍から1.5倍の間であり、反応器の平均直径はビーズの平均直径の約1.0倍から1.9倍の間である。
アッセイに用いる区画の総数および/または区画の密度(例えば、アレイ内の反応器の数/密度)は、アレイの組成および最終使用に依存し得る。例えば、用いる反応器の数は、用いる捕捉物の数、アッセイの予想濃度範囲、検出方法、捕捉物のサイズ、検出実体の種類(例えば、溶液中の遊離の標識剤、沈殿する標識剤等)に依存してよい。約2個から何十億個の反応器を含むアレイ(または反応器の総数)は、種々の技術および材料を用いて作製可能である。アレイ中の反応器の数の増加は、アレイのダイナミックレンジを増加させ、または複数の試料もしくは複数種類のアナライト分子を並行してアッセイすることを可能とする。アレイは、分析する1試料当たり千から百万個の反応器を含むことができる。いくつかの場合、アレイは、百万個より多くの反応器を含む。いくつかの場合、アレイは、約1,000から約50,000、約1,000から約1,000,000、約1,000から約10,000、約10,000から約100,000、約100,000から約1,000,000、約100,000から約500,000、約1,000から約100,000、約50,000から約100,000、約20,000から約80,000、約30,000から約70,000、約40,000から約60,000などの反応器を含む。いくつかの場合、アレイは、約10,000、約20,000、約50,000、約100,000、約150,000、約200,000、約300,000、約500,000、約1,000,000、またはそれ以上の反応器を含む。
反応器のアレイは実質的に平らな表面上に、または平らでない3次元配置に配置することができる。反応器は、均一なパターンに並べてよく、またはランダムに分配してもよい。特定の態様において、アレイは、実質的に平らな表面上の部位の均一なパターンであり、該部位はX−Y座標面でアドレス可能である。
いくつかの態様において、反応器は固体材料中に形成される。当業者が理解するように、反応器を形成可能な潜在的に好適な材料の数は非常に多く、これには限定することなく、ガラス(改変および/または機能化ガラスを含む)、プラスチック(アクリル、ポリスチレン、およびスチレンと他の物質とのコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、環式オレフィンコポリマー(COC)、環式オレフィンポリマー(COP)、テフロン(登録商標)、多糖類、ナイロンまたはニトロセルロース等)、エラストマー(例えばポリ(ジメチルシロキサン)およびポリウレタン)、複合材料、セラミックス、シリカまたはシリカベースの材料(シリコンおよび変性シリコンを含む)、カーボン、金属、光ファイバー束などが挙げられる。一般に基板材料は、感知できる自己蛍光なしでの光検出が可能であるように選択してよい。ある態様において、反応器は柔軟な材料に形成することができる。
表面(例えば基板または封着要素)における反応器は、当分野に知られている種々の技術を用いて形成することができ、これには限定することなく、フォトリソグラフィ、スタンピング技術、成形技術、エッチング技術等が含まれる。当業者が理解するように、用いる技術は支持材料の組成および形状、および反応器のサイズおよび数に依存し得る。
特定の態様において、反応器のアレイは、光ファイバー束の1つの端部にマイクロウェルを作製し、平らで柔軟な表面を封着要素として用いることにより形成される。かかる一定の態様において、光ファイバー束の端部の反応器のアレイは次のようにして形成することができる。まず、マイクロウェルのアレイを研磨された光ファイバー束の端部にエッチングする。光ファイバー束を形成しエッチングする技術および材料は当業者に知られている。例えば、光ファイバーの直径、ファイバーのコアおよびクラッド領域の存在、サイズおよび組成、ならびにエッチングの深度および特異性は、選択したエッチング技術により変化し、これにより、所望の容積のマイクロウェルを形成することができる。ある態様において、エッチングプロセスによるマイクロウェルの作製は、束の個々のガラスファイバーのコア材料を選択的にエッチングして、各ウェルが1つのファイバーとほぼ整列し、隣接するウェルからはクラッド材料により分離されるようにすることにより行われる。光ファイバーアレイの様式の潜在的な利点は、これが複雑なマイクロファブリケーション手順なしに何千から何百万もの反応器を作製可能であり、これが、多くの反応器を同時に光学的に観察しアドレスする能力を提供できるからである。
各マイクロウェルは、束の中の1つの光ファイバーと整列することができ、こうして、光ファイバー束が励起光および発光の両方をウェルへと、またはウェルから、運ぶことができ、ウェルの内容物の遠隔インタロゲーションを可能とする。さらに、光ファイバーのアレイは、隣接する容器の分子を同時または非同時に励起する能力を、ファイバー間のシグナル「クロストーク」なしに提供することができる。すなわち1つのファイバーに伝送された励起光は、隣接するファイバーに漏れることはない。
代替的に、複数の反応器の等価な構造を、光ファイバー束の端部を基板として用いない、他の方法および材料を用いて作製してもよい。例えば、アレイは当分野に知られた技術を用いてスポッティング、プリントまたはフォトリソグラフィにより作製された基板であってよい;例えばWO95/25116;WO95/35505;PCT US98/09163;米国特許第5,700,637号、第5,807,522号、第5,445,934号、第6,406,845号、および第6,482,593号を参照。いくつかの場合、当業者に知られているように、アレイは成形、型押し、および/またはエッチング技術を用いて作製することができる。
ある態様において、本発明は、封着要素を基板に適用する機械式プラットフォームを備えたシステムを提供する。プラットフォームは、システムのステージの下に位置することができる。選択した反応成分を反応器のアレイに加えた後、封着要素をアレイに合わせる。例えば、封着要素は平らな表面(例えば、顕微鏡スライド)と反応器のアレイの間に、機械式プラットフォームにより適用される均一な圧力を用いて挟むことができる。
非限定的な態様を図7に示す。封着要素300は機械式プラットフォーム302の上に置く。アッセイ溶液304は、封着要素300の上に置く。機械式プラットフォームをアレイ306(例えば光ファイバーアレイ)の方向に上向きに動かし、均一な圧力を適用する。図8に示すように、封着要素300はアレイ306と緊密な密封を形成する。別の例において、変化する圧力を封着要素に適用して、封着要素とアレイの間に緊密な密封を形成することができる。システムはまた、本明細書にさらに議論されるように、アレイの分析に用いることができる追加の要素312(例えば顕微鏡、コンピュータなど)を含んでよい。
アナライト捕捉に用いる複数の捕捉物は、複数の反応器に、当業者に知られた広範囲の任意の技術を用いて、空間的に分離することができる。いくつかの場合、複数の反応器は複数の捕捉物を含有する溶液に暴露することができる。いくつかの場合、溶液および/または捕捉物に対して力を適用し、これにより捕捉物を流体相から空間的に分離すること、および/または容器中に捕捉物を沈殿させることを、支援する。例えば、捕捉物を含有するアッセイ溶液を、反応器を含む基板に適用した後、基板と溶液を遠心分離して、捕捉物の反応器内での沈殿を支援することができる。捕捉物(例えばビーズ)が磁性である態様において、磁石を用いて、捕捉物を反応器内に含めることを支援することができる。いくつかの場合、複数の反応器を光ファイバー束の端部(または他の平らな表面)に形成するとき、複数反応器を含むアレイの表面の端の周りに材料(例えば管類)を設置して容器を形成し、捕捉物が反応器に落ち着くか、または反応器内に入る間(例えば遠心分離中)、溶液をその区画に保つことができる。捕捉物を少なくともいくつかの反応器に入れた後に、周りの材料を除去し、アレイの表面を洗浄および/または掃除して、いかなる過剰な溶液/捕捉物を除去することができる。
いくつかの態様において、基板は複数の反応器を形成するウェルまたは反応器を含まず、しかし、その他の手段を用いて/提供して、アナライト捕捉に用いる複数捕捉物を空間的に分別する。いくつかの場合、パターン化された実質的に平らな表面を用いることができ、ここでパターン化された領域は、複数の区画を形成する。いくつかの場合、パターン化された領域は、実質的に疎水性の表面に実質的に囲まれた、実質的に親水性の表面を含むことができる。複数の捕捉物(例えばビーズ)を、実質的に親水性の媒体(例えば水を含む)で実質的に囲むことができ、ビーズをパターン化表面に暴露して、ビーズがパターン化表面(例えば区画)に結びつくようにすることができ、これにより、複数ビーズを空間的に分別する。例えば、1つのかかる態様において、基板は、物質移行に対する十分なバリア(例えば、対流および/または拡散バリア)を提供可能なゲルまたは他の材料であるかまたはこれを含んでよく、このバリアは、アナライト捕捉に用いる捕捉物および/または前駆標識剤および/または標識剤が、材料上または材料中の1つの区画から他の区画へと移動して、これにより、区画にアドレスしてアッセイを完了するのに必要な時間枠の間、異なる捕捉物を含む空間的区画の間の干渉またはクロストークを生じさせるのを防ぐ。
例えば、1つの態様において、複数の捕捉物は、捕捉物をヒドロゲル材料上および/またはこの中に分散させることにより、空間的に分離される。いくつかの場合、前駆標識剤はヒドロゲルに予め存在してよく、これにより標識剤の局所的濃度の発達を促進する(例えば、酵素成分を有する結合リガンドまたはアナライト分子への暴露により)。さらに他の態様として、捕捉物は1または2以上の毛細管に閉じ込めてもよい。いくつかの場合、複数の捕捉物は、例えばろ紙などの多孔性または線維性の基質上に吸収または局在化させてもよい。いくつかの態様において、捕捉物は均一な表面上(例えば平らな表面)で空間的に分別してよく、捕捉物は、対応する捕捉物が局在化している区画においてまたはその近くで局在化して残留する、実質的に不溶性または沈殿性の標識剤に変換される前駆標識剤を用いて、検出することができる。かかる実質的に不溶性または沈殿性の標識剤は、本明細書に記載されている。
物品およびキット
本発明のいくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するための、物品またはキットが提供される。物品またはキットは、複数のビーズおよび、複数の反応器を含む基板を含むことができる。反応器は、捕捉物を受領して含有するように、構成することができる。ある態様における複数のビーズは、約0.1μmから約100μmの間の平均直径を有し、反応器のサイズは、単一の反応器に0または1個のビーズのみが含有されるように選択することができる。いくつかの場合、反応器の平均深さは、ビーズの平均直径の約1.0倍から約1.5倍の間であり、反応器の平均直径は、ビーズの平均直径の約1.0倍から約1.9倍の間である。ある態様において、ビーズは、約1μmから約10μmの間、約1μmから約5μmの間、または本発明に記載された任意の範囲のサイズの平均直径を有してよい。
供給される複数のビーズは、本明細書に記載のように、種々の特性およびパラメータを有することができる。例えば、ビーズは磁性であってよい。複数のビーズは、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面(例えば複数の捕捉成分)を含むことができる。
複数の反応器は、本明細書に記載のように、任意の好適な基板に形成してよい。特定の態様において、複数の反応器は、光ファイバー束の端部に形成される。光ファイバー束は当業者に知られた方法および/または本明細書に記載の方法により調製(例えばエッチング)する事ができる。他の態様において、複数の反応器は、プレートまたは同様に実質的に平らな材料に形成される(例えば、リソグラフィまたは他の既知の技術を用いて)。例示の好適な材料は、本明細書に記載されている。
複数の反応器の平均深さは、ビーズの平均直径の約1.0倍から1.5倍の間、約1.1倍から1.3倍の間、または本明細書に記載の任意の範囲であってよい。複数の反応器の平均直径は、ビーズの平均直径の約1.0倍から1.9倍の間、または約1.3倍から1.8倍の間、または本明細書に記載の任意の範囲であってよい。複数の反応器の平均深さおよび/または平均直径は、反応器に最大1個のビーズが含有されるように選択してよい。1つのビーズのローディング(loading)を促進するための最大深さおよび最大直径を計算する方法は、本明細書に記載されている。複数の反応器の平均容積は、約10アトリットルから約100ピコリットルの間、約1フェムトリットルから約1ピコリットルの間、または任意の所望の範囲であってよい。基板は、任意数の反応器を含むことができ、例えば、約1,000から約1,000,000の反応器、約10,000から約100,000の反応器、または約100,000から約300,000の反応器、または任意のその他の所望の範囲である。
物品またはキットは、任意数の追加の要素を含んでよく、これらのいくつかは本明細書に詳細に記載されている。いくつかの場合、物品またはキットはさらに、複数の反応器を密封するために構成される封着要素を含んでよい。ある態様において複数の反応器は、図7A〜7Fに示しまた本明細書にさらに詳細に議論されるように、封着要素の少なくとも一部を第2基板の少なくとも一部と合わせることにより形成される。他の例として、キットはまた、本明細書に記載のアッセイ法を実施するための溶液も提供する。溶液の非限定的例としては、1または2種以上の結合リガンドおよび前駆標識剤を含有する溶液を含む。いくつかの場合、物品またはキットは、少なくとも1種の対照ビーズを含むことができる。
いくつかの態様において、キットは任意に、複数ビーズおよび複数の反応器(および提供される任意の追加の要素)の使用についての指示書を含むことができる。すなわち、キットは、ビーズおよび反応器の使用の説明を含むことができ、例えば、流体試料中のアナライト分子(または粒子)の濃度の測度を決定するシステムと共に用いるための説明である。本明細書において、「指示書」は、指示および/またはプロモーションの要素を規定することができ、典型的には、本発明のパッケージ上またはこれに付随する、文書による指示を含む。指示書はまた、キットのユーザーが指示書がキットに関連すると明確に認識できるような、任意の様式で提供される口頭または電子的な指示を含む。さらにキットは、本明細書に記載されるように、特定の用途に依存するその他の要素も含んでよい。本明細書において「プロモーションされる」とは、ビジネスを行う全ての方法を含み、本発明に関連する、教育や病院および他の臨床的指示、科学的調査、薬物発見または開発、学問的研究、薬品販売を含む製薬産業活動、および任意の広告またはその他のプロモーション活動を含み、書面、口頭または任意の形態の電子的コミュニケーションを含む。
捕捉成分
本発明のいくつかの態様において、捕捉物の表面は、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を提供することができる。いくつかの態様において、結合表面は、少なくとも1種の捕捉成分を含んでよい。一般に捕捉成分は、分子、粒子または複合体が、固体支持体(すなわち捕捉物の表面)に、分子、粒子もしくは複合体の固定化、検出、定量、および/または他の分析目的で付着することを可能とする。捕捉成分は本発明において、いくつかの場合、アナライト分子を捕捉物(例えばビーズ)に対して固定化するために用いられる。
当業者が理解するように、捕捉成分の組成は、アナライト分子の組成に依存する。広い範囲の標的分子に対する捕捉成分は知られており、既知の技術を用いて容易に見い出し、もしくは開発することができる。例えば、標的分子がタンパク質の場合、捕捉成分はタンパク質、特に抗体またはその断片(例えば抗原結合断片(Fab)、Fab’断片、ペプシン断片、F(Ab’)断片、全長ポリクローナルまたはモノクローナル抗体、抗体様断片など)、その他のタンパク質、例えば受容体タンパク質、タンパク質A,タンパク質Cなど、または小分子を含むことができる。
いくつかの場合、タンパク質に対する捕捉成分はペプチドを含む。例えば、標的分子が酵素の場合、好適な捕捉成分は酵素基質および/または酵素阻害剤を含むことができる。いくつかの場合、標的アナライトがリン酸化種の場合、捕捉成分はリン酸結合剤を含むことができる。例えば、リン酸結合剤は、金属イオン親和性媒体、例えば米国特許第7,070,921号および米国特許出願第20060121544号に記載されたものなどを、含むことができる。さらに、標的分子が1本鎖核酸の場合、捕捉成分は相補的核酸であってよい。同様に、標的分子は核酸結合タンパク質であってよく、捕捉成分は1本鎖または2本鎖核酸であってよい;代替的に、捕捉成分は、標的分子が1本鎖または2本鎖核酸の場合、核酸結合タンパク質であってよい。代替的に、米国特許第5,270,163号、第5,475,096号、第5,567,588号、第5,595,877号、第5,637,459号、第5,683,867, 5,705,337号および関連特許に一般的に記載されているように、実質的に任意の標的分子を捕捉するために、核酸「アプタマー」を開発することができる。また例えば、標的分子が炭水化物である場合、潜在的に好適な捕捉成分には、例えば、抗体、レクチン、およびセレクチンが含まれる。当業者が理解するように、興味ある標的分子と特異的に結びつくことができる任意の分子は、捕捉成分として用いられる可能性がある。
ある態様に対して、好適な標的アナライト分子/捕捉成分の対としては、限定することなく、抗体/抗原、受容体/リガンド、タンパク質/核酸、核酸/核酸、酵素/基質および/または阻害剤、炭水化物(糖タンパク質および糖脂質を含む)/レクチンおよび/またはセレクチン、タンパク質/タンパク質、タンパク質/小分子、小分子/小分子等があげられる。一態様によれば、捕捉成分は、多量体化することが知られている細胞表面受容体の部分(特に細胞外部分)であり、例えば成長ホルモン受容体、グルコーストランスポーター(特にGLUT4受容体)、およびT細胞受容体であり、標的アナライト分子は1または2以上の受容体標的リガンドである。
特定の態様において、捕捉成分は結合を介して捕捉物の表面に付着することができ、結合には、捕捉成分の表面への付着を促進する結合表面および/または捕捉成分の任意の部分、機能化、または変性を含むことができる。捕捉成分と表面の間の結合には、1または2以上の化学的または物理的結合(例えばファンデルワールス力を介した非特異的付着、水素結合、静電相互作用、疎水性/親水性相互作用等)および/またはかかる結合(単数または複数)を提供する化学的リンカーを含むことができる。ある態様において、捕捉成分は捕捉強化成分を含む。かかる態様において、捕捉成分は、アナライト分子に結合する第1部分および、結合表面への付着に用いることができる第2部分を含む。
ある態様において、捕捉物表面はまた、検出の間に偽陽性シグナルまたはシグナルの損失をもたらし得る、非捕捉成分(例えばアナライト分子、結合リガンド等)の、アッセイ中の結合表面への非特異的付着を低減するかまたは最小化できる、防御層(protective layer)または保護層(passivating layer)も含んでよい。保護層(passivating layer)を形成するための、ある態様において用いることができる材料の例としては、限定することなく、以下を含む:タンパク質の非特異的結合を防ぐポリマー、例えばポリ(エチレングリコール);この特性を有する天然のタンパク質、例えばアルブミンおよびカゼイン;界面活性剤、例えば両性イオン界面活性剤、例えばスルホベタイン;天然の長鎖脂質;および核酸、例えばサケ精子DNA。
捕捉成分を捕捉物表面に付着させる方法は、用いる結合の種類に依存し、当業者に知られている広範囲の好適なカプリング化学/技術により達成可能である。選択される特定の付着手段は、捕捉物表面の材料特性および捕捉成分の性質に依存する。ある態様において、捕捉成分を捕捉物表面に、反応性官能基をそれぞれに用いることにより、付着させることができる。一態様によれば、官能基は化学官能性である。すなわち、結合表面は、化学官能性が結合表面に提示されるように誘導体化され、これが捕捉成分上の化学官能性に作用して付着がもたらされる。付着に有用となり得る官能基の例としては、限定はしないが、アミノ基、カルボキシ基、エポキシド基、マレイミド基、オキソ基、およびチオール基を含む。官能基は、直接またはリンカーを用いて付着させることができ、これらの組み合わせは時に本明細書において「架橋剤」と呼ぶ。架橋剤は当分野で知られている;例えば、ホモ−またはヘテロ−二官能性架橋剤はよく知られている(例えば、1994 Pierce Chemical Company catalog, technical section on crosslinkers, pages 155-200、または“Bioconjugate Techniques” by Greg T. Hermanson, Academic Press, 1996を参照)。架橋剤の非限定的例としては、アルキル基(置換アルキル基およびヘテロ原子部分を含有するアルキル基を含む)、エステル、アミド、アミン、エポキシ基およびエチレングリコールおよび誘導体が挙げられる。架橋剤はまたスルホン基を含むことができ、スルホンアミドを形成する。
一態様によれば、官能基は光活性化官能基である。すなわち、官能基は光によって活性化されて、捕捉成分を捕捉物表面に付着させる。1つの例は、SurModics, Inc. in Eden Prairie, MNから利用可能なPhotoLink(商標)技術である。
いくつかの場合、捕捉物はストレプトアビジン被覆表面を含み、捕捉成分はビオチン化されている。捕捉成分のストレプトアビジン被覆表面への暴露により、捕捉成分の表面への結びつきが、ビオチン成分とストレプトアビジンの間の相互作用によって引き起こされる。
ある態様において、捕捉成分の結合表面への付着は、捕捉物の結合表面を共有的に修飾することなしで有効となり得る。例えば、捕捉成分に対して反応性である官能基および、結合表面への結合親和性を有する基の両方を有するリンカーを用いて、付着官能性を結合表面に加えることができる。ある態様において、リンカーは、結合表面に結合または粘着可能なタンパク質を含む;例えば、1つのかかる態様において、リンカーはその表面に遊離のアミン基を有する血清アルブミンである。第2のリンカー(架橋剤)を次に加えて、アルブミンのアミン基を捕捉成分(例えばカルボキシ基)に付着させることができる。
化学的架橋剤を用いて捕捉成分を捕捉物に付着させる一態様によれば、アナライト分子を、化学的架橋を介して次の様式で付着した捕捉成分を用いて、捕捉物の結合表面に捕捉することができる。まず、結合表面を例えばアミン基などの官能基で誘導体化する。次に、架橋剤および捕捉成分を、架橋剤の1つの端部がアミン基に付着し、捕捉成分が架橋剤の別の端部に付着するように、結合表面と接触させて配置する。この方法により、タンパク質、レクチン、核酸、小有機分子、炭水化物を含む捕捉成分を付着させることができる。
1つの態様は、タンパク質様捕捉成分を利用する。当分野で知られているように、任意の数の技術を用いて、タンパク質様捕捉成分を広範囲の個体表面に付着させることができる。この文脈における「タンパク質」または「タンパク質様」は、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドを含み、これは例えば酵素および抗体を含む。広範囲の技術が、反応性部分をタンパク質に加えることが知られており、例えば、米国特許第5,620,850号に概説されている方法である。タンパク質の表面への付着も知られており、例えばHeller, Acc. Chem. Res. 23:128 (1990)および多数のその他類似の参考文献を参照のこと。
いくつかの態様において、捕捉成分(または結合リガンド)は、Fab’断片を含んでよい。全抗体に対してFab’断片の使用は、捕捉成分と結合リガンドの間の非特異的結合の低減を支援することができる。いくつかの場合、捕捉成分(または結合リガンド)のFc領域は除去してよい(例えばタンパク質分解性に)。いくつかの場合、酵素を用いてFc領域を除去することができる(例えば、F(ab’)断片を産生可能なペプシン、およびFab断片を産生可能なパパイン)。いくつかの例において、捕捉成分はアミンを用いて結合表面に付着させることができ、またはビオチン(例えば、NHS−ビオチン)で修飾して、アビジンまたはストレプトアビジン被覆の捕捉物表面への結合を促進することができる。F(ab’)断片に化学的還元処理を施して(例えば2−メルカプトエチルアミンへの暴露により)、いくつか場合には2つのチオール含有Fab’断片を形成することができる。これらのチオール含有断片を次に、マレイミドなどのミカエルアクセプター(Michael acceptor)との反応を介して付着させることができる。例えば、Fab’断片を次に試薬(例えばマレイミド−ビオチン)で処理して、少なくとも1つのビオチン部分を付着させ(すなわちビオチニル化)、ストレプトアビジン被覆表面への付着を上述のように促進することができる。
当分野で知られているように、例えばアナライト分子が核酸または核酸結合タンパク質である場合、または捕捉成分がタンパク質の結合のアプタマーとして機能することが望ましい場合、ある態様は核酸を捕捉成分として用いる。
一態様によれば、捕捉物の各結合表面は、複数の捕捉成分を含む。複数の捕捉成分は、いくつかの場合、結合表面上に「芝生」のようにランダムに分配されていてよい。代替的に、捕捉成分は1または2以上の個々の領域に空間的に分別され、任意の所望の様式で分配されていてもよい。
捕捉成分とアナライト分子の間の結合は、ある態様において、例えば捕捉成分とアナライト分子が結合対の相補的部分である場合には、特異的である。一定のかかる態様において、捕捉成分はアナライト分子に、特異的かつ直接的に結合する。「特異的結合」または「結合特異性」により、捕捉成分がアナライト分子に、アナライト分子を他の成分または試験試料の汚染物質から識別するのに十分な特異性で結合することを意味する。例えば、捕捉成分は、一態様によれば、アナライト分子(例えば抗原)のいくつかの部分に特異的に結合する抗体であってよい。抗体は、一態様によれば、興味あるアナライト分子に特異的に結合可能な任意の抗体であることができる。例えば、適切な抗体としては以下を含むが、これに限定はしない:モノクローナル抗体、二重特異性抗体、ミニボディ(minibody)、ドメイン抗体、合成抗体(時には抗体模倣体とも呼ばれる)、キメラ抗体、ヒト化抗体、抗体融合(「抗体抱合体」と呼ばれることもある)、およびそれぞれの断片。他の例としては、アナライト分子は抗体であり、捕捉成分は抗原であってよい。
アナライト粒子が生物学的細胞(哺乳類、鳥類、爬虫類、他の脊椎動物、昆虫、酵母、細菌、細胞等)である一態様において、捕捉成分は、細胞表面抗原(例えば細胞表面受容体)に対して特異的親和性を有するリガンドであることができる。一態様において、捕捉成分は接着分子受容体またはその一部であり、これは、標的細胞種の表面で発現される細胞接着分子に対して結合特異性を有する。使用において、接着分子受容体は、標的細胞の細胞外表面で接着分子と結合し、これにより細胞を固定化または捕捉する。アナライト粒子が細胞である一態様において、捕捉成分はフィブロネクチンであり、これは、例えば神経細胞を含むアナライト粒子に対して特異性を有する。
いくつかの態様において、当業者が理解するように、アナライト分子を、アナライト分子への結合が高度に特異的ではない捕捉成分を用いて検出することも可能である。例えば、かかるシステム/方法は、例えば異なる結合リガンドのパネルなどの異なる捕捉成分を用い、任意の特定のアナライト分子の検出は、「電子鼻」が働くのと同じ様式で、この結合リガンドのパネルへの結合の「サイン」を介して決定される。これは、一定の小分子アナライトの検出において特に有用性が見出され得る。いくつかの態様において、アナライト分子と捕捉成分の間の結合親和性は、非特異的に結合した分子または粒子を除去するための洗浄ステップを含むアッセイ条件下で、結合が残るほどに十分でなければならない。いくつかの場合、例えばある生体分子の検出において、アナライト分子のその相補的捕捉成分に対する結合定数は、少なくとも約10から約10−1の間、少なくとも約10から約10−1の間、少なくとも約10から約10−1の間、約10−1より大などであることができる。例えば、IgG抗体のそれらの抗原への典型的な親和性は、10〜10−1の範囲である。ビオチンのストレプトアビジンに対する親和性は1015−1である。
ある態様において、捕捉成分は、アナライト分子に結びついているか付着している対応する結合パートナーに結合できるように、選択する。例えば、一態様による捕捉成分は、上述のような化学的架橋剤であり、一般にタンパク質に結合可能である。一態様によれば、流体試料中の全てのタンパク質分子は、かかる化学的架橋剤に付着するアナライト分子を含む。他の例において、捕捉成分はストレプトアビジンを含み、これは高い親和性でビオチンに結合し、したがってビオチンが付着した任意のアナライト分子を捕捉する。代替的に、捕捉成分がビオチンであってよく、ストレプトアビジンは、アナライト分子がビオチンによって捕捉可能であるように、アナライト分子に付着またはこれと結びついてよい。
一態様によれば、捕捉物の結合表面は次のような様式で捕捉成分と機能化することができる。まず、捕捉物の表面を、捕捉成分を形成するかこれと直接結合するように修飾することにより、捕捉成分(単数または複数)の付着用に調製する;あるいは、捕捉物の結合表面にリンカーを付加して、捕捉成分(単数または複数)が捕捉物の結合表面にリンカーを介して付着するようにする。一態様において、捕捉物の結合表面は、上述のように化学官能性により誘導体化する。次に、捕捉成分を加えることができ、これは化学官能性により結合して固定化される。
標的アナライトの例
当業者に理解されるように、本発明の方法およびシステムを用いて、多数のアナライト分子および粒子が検出でき、任意に定量される;基本的に、捕捉物に対して固定化できる(例えば複数の捕捉成分を含む結合表面を介して)任意のアナライト分子を、潜在的に本発明を用いて調査することができる。アナライト分子を含むことができる、一定のより具体的な潜在的興味ある標的は、以下に記されている。下記のリストは例示であり、非限定的である。
いくつかの態様において、アナライト分子は酵素であってよい。酵素の非限定的例は、オキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、キナーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼなどを含む。酵素の追加の例としては、これに限定はしないが、ポリメラーゼ、カテプシン、カルパイン、アミノトランスフェラーゼ、例えばASTおよびALT、プロテアーゼ、例えばカスパーゼ、ヌクレオチドシクラーゼ、トランスフェラーゼ、リパーゼ、心発作に関連する酵素などを含む。本発明のシステム/方法を用いてウイルス性因子または細菌性因子を検出する場合、適切な標的酵素としては、ウイルスまたは細菌ポリメラーゼおよびその他のかかる酵素を含み、これはウイルスまたは細菌プロテアーゼなどを含む。
他の態様において、アナライト分子は酵素成分を含むことができる。例えば、アナライト粒子は、その細胞外表面に酵素または酵素成分有する細胞であることができる。代替的に、アナライト粒子は、その表面に酵素成分を有さない細胞である。かかる細胞は典型的には、以下に記載される間接アッセイ法を用いて同定される。酵素成分の非限定的例は、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、およびアルカリホスファターゼである。
さらに他の態様において、アナライト分子は生体分子であってよい。生体分子の非限定的例には、ホルモン、抗体、サイトカイン、タンパク質、核酸、脂質、炭水化物、脂質細胞膜抗原および受容体(神経、ホルモン、栄養および細胞表面受容体)またはそれらのリガンド、またはこれらの組み合わせを含む。タンパク質の非限定的例には、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質断片、タンパク質複合体、融合タンパク質、組み換えタンパク質、リンタンパク質、糖たんぱく質、リポタンパク質などを含む。当業者が理解するように、本発明を用いて結合パートナーについて検出または評価することができる多数の可能性のあるタンパク質性アナライト分子が存在する。上述した酵素に加えて、好適なタンパク質アナライト分子としては、免疫グロブリン、ホルモン、成長因子、サイトカイン(これらの多くは細胞受容体のリガンドとして機能する)、癌マーカーなどを含むが、これに限定はされない。生体分子の非限定的例は、PSAおよびTNF−αを含む。
ある態様において、アナライト分子は翻訳後修飾されたタンパク質(例えば、リン酸化、メチル化、グリコシル化)であってよく、捕捉成分は、翻訳後修飾に特異的な抗体であってよい。修飾タンパク質は、多重特異性抗体を含む捕捉成分で捕捉でき、次に捕捉されたタンパク質は、翻訳後修飾に特異性を有する2次抗体を含む結合リガンドにさらに結合することができる。代替的に、修飾タンパク質は、翻訳後修飾に特異的な抗体を含む捕捉成分で捕捉でき、次に捕捉されたタンパク質は、各修飾タンパク質に特異的な抗体を含む結合リガンドにさらに結合する。
他の態様において、アナライト分子は核酸である。核酸は、相補的核酸断片(例えばオリゴヌクレオチド)で捕捉され、次に任意に、異なる相補的オリゴヌクレオチドを含む結合リガンドで続いて標識される。
好適なアナライト分子および粒子としては、限定することなく、小分子(有機化合物および無機化合物を含む)、環境汚染物質(農薬、殺虫剤、毒素などを含む)、治療用分子(治療用および乱用薬物、抗生物質等を含む)、生体分子(ホルモン、サイトカイン、タンパク質、核酸、脂質、炭水化物、細胞膜抗原および受容体(神経、ホルモン、栄養および細胞表面受容体)またはそれらのリガンド等を含む)、全細胞(原核生物(例えば、病原性細菌)および哺乳動物の腫瘍細胞を含む真核細胞を含む)、ウイルス(レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、レンチウイルス等を含む)、胞子などが挙げられる。
アナライト分子を含有するかまたは含有する疑いのある流体試料は、任意の好適な源に由来してよい。いくつかの場合、試料は、液体、流動性粒子状固体、固体粒子の流体懸濁物、超臨界流体、および/または気体を含んでよい。いくつかの場合、アナライト分子は、決定の前にその源から分離または精製することができる;しかしある態様においては、アナライト分子を含有する未処理の試料を直接試験することもできる。アナライト分子の源は、合成(例えば実験室で生成された)、環境(例えば空気、土壌等)、哺乳類、動物、植物、またはこれらの任意の組み合わせであってよい。特定の例において、アナライト分子の源は、ヒトの身体の物質(例えば血液、血清、血漿、尿、唾液、組織、器官など)である。分析する流体試料は潜在的に、例えば用いる/利用可能な捕捉物の数、用いる/利用可能な区画の数などの多数の因子に依存する、広範囲の容積における任意の量であってよい。2、3の特定の例示態様において、試料の容積は、約0.01μL、約0.1μL、約1μL、約5μL、約10μL、約100μL、約1mL、約5mL、約10mLなどである。いくつかの場合、流体試料の容積は、約0.01μLから約10mLの間、約0.01μLから約1mLの間、約0.01μLから約100μLの間、または約0.1μLから約10μLの間である。
いくつかの場合、流体試料はアッセイに用いる前に希釈してもよい。例えば、アナライト分子の源がヒト体液(例えば血液、血清)である態様において、流体は適切な溶媒(例えばPBS緩衝液などの緩衝液)で希釈してよい。流体試料は、使用の前に、約1倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約10倍、またはそれ以上に、希釈してよい。試料は、複数の捕捉物を含む溶液に加えることができ、または、複数の捕捉物を、試料に直接または溶液として加えてもよい。
結合リガンドおよび前駆標識剤/標識剤
結合リガンドは、以下にさらに記載するように、アナライト分子と結びつくことができる、および/または他の結合リガンドと結びつくことができる、任意の好適な分子、粒子などから選択してよい。ある結合リガンドは検出を直接的(例えば検出可能部分を介して)または間接的に促進することができる実体を含むことができる。成分は、例えば前駆標識剤分子を標識剤分子(例えば、アッセイにおいて検出される剤)に変換することにより、間接検出を促進することができる。いくつかの態様において、結合リガンドは酵素成分(西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)を含んでよい。第1種の結合剤は、追加の結合リガンド(例えば第2種など)と組み合わせて用いても用いなくてもよい。
いくつかの態様において、その少なくともいくつかが少なくとも1つのアナライト分子を含む複数の捕捉物は、結合リガンドが複数アナライト分子の少なくともいくつかと結びつくように、複数の結合リガンドに暴露することができる。捕捉物の統計的に有意な割合が1つのアナライト分子に結びつき、捕捉物の統計的に有意な割合がいかなるアナライト分子にも結びついていない(例えばアナライト分子の数が捕捉物の総数より少ない場合)態様において、結合リガンドは、捕捉物に対して固定化されたアナライト分子の実質的に全てと結びつくことができる。いくつかの場合、アナライト分子の約80%より多く、約85%より多く、約90%より多く、約95%より多く、約97%より多く、約98%より多く、約99%より多く、またはそれ以上が、結合リガンドと結びつくようになってよい。
実質的に全ての捕捉物が少なくとも1つのアナライト分子を含む別の態様において(例えば、アナライト分子の数が、供給された捕捉物の数とほぼ同じかまたはこれより多い態様)、捕捉物は結合リガンドに、捕捉物の統計的に有意な割合が少なくとも1つの結合リガンドに(または、ある態様においては、実質的に1つのみの結合リガンドに)結びつき、捕捉物の統計的に有意な割合はいかなる結合リガンドにも結びつかないように、暴露されてよい。いくつかの場合、捕捉物は結合リガンドに、捕捉物の少なくともいくつかは少なくとも1つの結合リガンドに結びつき、捕捉物の統計的に有意な割合はいかなる結合リガンドにも結びつかないように、暴露されてよい。所望の程度の結合リガンドをロード(load)するために用いる結合リガンドの適切な量を決定するスクリーニング試験(例えば、特定の状況に対して用いる結合リガンドの適切な量の選択を促進するため)を、既知の濃度のアナライト分子を含む校正標準および可変量の結合リガンドと、ポアソン解析を用いて実施することができる。ある態様において、アナライトが結合リガンドで本質的に完全に標識されているか、または部分的にのみ標識されているかを決定する。検出される活性アナライト分子(すなわち、結合リガンドと結びついたもの)のパーセンテージは、本明細書の他の所に記載されているように、ポアソン分布調整を用いて0、1、2個等の結合リガンドに結びついたアナライト分子のパーセンテージに変換することができる。
いくつかの態様において、1種以上の結合リガンドを用いてよい。いくつかの態様において、第1種の結合リガンドおよび第2種の結合リガンドを供給することができる。いくつかの例において、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも8種、少なくとも10種、またはそれ以上の結合リガンドを供給することができる。いくつかが少なくとも1つのアナライト分子と結びついている複数の捕捉物を、複数種類の結合リガンドに暴露する場合、複数の固定化されたアナライト分子の少なくともいくつかは、少なくとも1つの各種結合リガンドと結びつくことができる。結合リガンドは、これらが互いに、種々の異なる様式で相互作用するように、選択することができる。第1の例では、第1種の結合リガンドは1アナライト分子と結びつくことができ、第2種の結合リガンドは、第1種の結合リガンドと結びつくことができる。かかる態様において、第1種の結合リガンドは、アナライト分子との結びつきを支援する第1成分および、第2種の結合リガンドの第1種の結合リガンドとの結びつきを支援する第2成分を含むことができる。特定の態様において、第2成分はビオチンであり、第2種の結合リガンドはビオチンと結びつく酵素または酵素成分を含む。
別の態様において、第1種の結合リガンドおよび第2種の結合リガンドは、直接アナライト分子と結びつくことができる。理論または任意の特定のメカニズムに束縛されることなく、第1種および第2種両方の結合リガンドの結びつきは、アッセイの実施に対して、第1種の結合リガンドおよび/または第2種の結合リガンド両方を含むと決定された区画のみを、アナライト分子を含むとして同定することにより(例えば、直接または間接検出を通して)、追加の特異性および信頼性を提供することができる。かかるアッセイ法は、非特異的結合により生じる偽陽性の数を低減することができ、何故ならば、1つの種類の結合リガンドのみ(例えば、第1種の標識剤または第2種の標識剤のみ)を有すると見出された区画は、アナライト分子を含む区画として考慮または計測されないだろうからである。第1種の結合リガンドは第1種の酵素成分を含むことができ、第2種の結合リガンドは第1種の酵素成分とは異なる第2種の酵素成分を含むことができる。
アナライト分子、第1種の結合リガンド、および第2種の結合リガンドを含む捕捉物を、第1種の酵素成分に暴露されると第1種の標識剤に変換される第1種の前駆標識剤(例えば第1測定可能特性を含む)および、第2種の酵素成分に暴露されると第2種の標識剤に変換される第2種の前駆標識剤(例えば、第1測定可能特性から識別可能な第2測定可能特性を含む)に暴露することができる。したがって、第1種の標識剤および第2種の標識剤を含むと決定された区画のみが、アナライト分子を含むと決定される。別の例として、第1種の結合リガンドおよび第2種の結合リガンドはそれぞれ1つの成分(例えばDNA標識)を組み込み、第3種の結合リガンドは、第1種および第2種の結合リガンドの成分に相補的な2つの成分(例えば、2種類の相補的DNA標識)を含むことができ、ここで、第3種の結合リガンドはまた、直接または間接検出のための分子または部分も含む(例えば、反応容器における第3種の結合リガンドの存在は、区画でのアナライト分子の有無を決定するのに必要である)。
第1種の結合リガンドおよび第2種の結合リガンドの両方が互いに実質的に近接して存在する場合(例えば、アナライト分子との結びつきを介して)、第3種の結合リガンドとの結びつきが生じる可能性があり、したがって、アナライト分子の検出が可能となる。非特異的結合に関連する一定の負の効果を低減し得る様式での、1つより多数種類の結合リガンドの使用についてのさらなる情報は、共同所有の米国特許出願第12/731,135号:2010年3月24日出願のDuffyらによる名称「二重検出法を用いた分子の超高感度検出」、および国際特許出願(番号は未決定):2011年3月1日出願のDuffyらによる名称「二重検出法を用いた分子の超高感度検出」(代理人整理番号Q0052.70012WO00)に記載されており、これらは本明細書に参照により組み込まれる。
検出
複数の捕捉物であって、これらのいくつかは少なくとも1つのアナライト分子および/または少なくとも1つの結合リガンドを含むものは、検出および/または定量することができ、検出および/または定量は、試験される試料中のアナライト分子/粒子の存在、および任意に量および/または濃度に関連させることができる。いくつかの態様において、複数の捕捉物は、複数の捕捉物を複数の区画に空間的に分別することにより、検出および/または定量することができる。いくつかの態様において、複数の区画は複数の反応器を含む(例えばアレイ中)。いくつかの場合、検出器は、複数区画内かまたは区画(例えば反応器のアレイ)における捕捉物を検出するように、構成することができる。いくつかの態様において、捕捉物は、例えば蛍光発光などの検出可能なシグナルを生成することができ、または生成するよう作製することができ、これは、捕捉物の検出を支援することができる。いくつかの場合、本明細書に記載されるように、捕捉物は散乱技術を用いて検出することができる。
いくつかの態様において、空間的に分別された捕捉物の数は、アナライト分子を含有するか含有することが疑われる流体試料に暴露された捕捉物の数と、実質的に等しくなり得る。いくつかの態様において、しかし、複数の区画に空間的に分別された捕捉物の数は、アナライト分子を含有するか含有することが疑われる流体試料に暴露された捕捉物の数よりも、実質的に少なくなることもある。いくつかの場合、流体試料に暴露された捕捉物の約1%、約2%、約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、またはそれ以上が、複数の区画に空間的に分別される。いくつかの例では、流体試料に暴露された捕捉物の約1%から約99%の間、約10%から約90%の間、約20%から約80%の間、約30%から約70%の間、約50%から約90%の間、約1%から約50%の間、約5%から約40%の間、または約10%から約30%の間の数が、複数の区画に空間的に分別される。
空間的に分別されたアナライト分子(または結合リガンド)は、直接または間接的に検出および/または定量することができる。直接検出の場合、アナライト分子は、直接的にインタロゲートおよび/または検出できる分子または部分を含むことができ、例えば、蛍光実体(例えば蛍光部分、蛍光ビーズ、蛍光抗体等)、金属ナノ粒子またはナノクラスター(例えば金のナノクラスターまたはナノ粒子、銀のナノクラスターまたはナノ粒子)、量子ドット(例えばCdSe量子ドット、CdTe量子ドットなど)、および放射性アイソトープなどである。アッセイが1または2種以上の結合リガンドの使用を含む場合、結合リガンドは、直接的にインタロゲートおよび/または検出できる分子(単数または複数)または部分(単数または複数)を含むことができる。直接的にインタロゲートおよび/または検出できる部分を含むかかるアナライト分子または結合リガンドを含む区画は、区画をインタロゲートするとシグナルを発生するように作製することができる。
いくつかの態様において、非酵素的検出法を用いることができる。非酵素的検出法は、当業者に知られている。非限定的例としては以下を含む:ラマン散乱、電磁放射線共振法(electromagnetic radiation resonance method)(例えば、ウィスパリングギャラリモード)、分光法(例えば、赤外線、原子分光法)、吸光度、圧電変換(例えば、水晶振動子マイクロバランス(QCM))、円偏光二色性、電子顕微鏡法(例えば、走査型電子顕微鏡法(SEM)、X線光電子顕微鏡法(XPS)、走査型プローブ顕微鏡法(例えば原子間力顕微鏡法(AFM)、走査型トンネル顕微鏡法(STM))、光散乱;表面プラズモン共鳴(SPR)、エバネッセント波検出、光学干渉分光法および屈折率の変化の測定に基づくその他の方法、伝導およびキャパシタンスなどの電気的変換法;磁気変換作用(例えば、磁気抵抗効果)、熱量測定(例えば、示差走査熱量測定(DSC))、回折;核磁気共鳴(NMR)、電子常磁性共鳴(EPR)、質量分析(例えば、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI))、蛍光技術(例えば、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、時間分解蛍光(TRF)、蛍光偏光(FP))、および発光酸素チャネリング(LOCI)。
いくつかの態様において、複数のアナライト分子(または結合リガンド)は間接的に検出される。間接的アプローチは、例えば、アナライト分子またはアナライト分子に結びついた結合リガンドを、前駆標識剤に暴露することを含むことができ、ここで前駆標識剤は、アナライト分子またはアナライト分子に結びついた結合リガンドに暴露されると標識剤に変換される。標識剤は、インタロゲートおよび/または検出可能な分子または部分を含むことができる。アナライト分子または結合リガンドが、区画に存在するか不在であるかを次に、区画における/の中での標識剤の有無を決定することにより、決定することができる。例えば、アナライト分子は酵素成分を含んでよく、前駆標識剤分子は、変換剤に暴露されると色原、蛍光、または化学発光の産物(各々は標識剤の例)に変換される、色原、蛍光、または化学発光の酵素前駆標識剤分子である。この例において、前駆標識剤は酵素標識であってよく、例えば、色原、蛍光、または化学発光の酵素前駆標識剤であり、これは酵素成分と接触すると、検出可能な標識剤に変換される。いくつかの場合、色原、蛍光、または化学発光の酵素前駆標識剤は、全ての区画に接触するのに十分な量で供給される。いくつかの場合、電気化学発光前駆標識剤は、電気化学発光標識剤に変換される。いくつかの場合、酵素成分は、β−ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、またはアルカリホスファターゼを含んでよい。
当業者に理解されるように、種々の適切な色原、蛍光、または化学発光の酵素前駆標識剤を、多くの異なる酵素による変換用に選択することができる。したがって、特定の酵素との反応により標識剤を産生可能な任意の既知の色原、蛍光、または化学発光の酵素前駆標識剤を、アナライト分子またはアナライト分子に結びついた結合リガンドが酵素成分を含む態様において、本発明において前駆標識剤として潜在的に用いることができる。例えば、酵素前駆標識剤分子として用いるのに好適な多くの色原、蛍光、または化学発光の前駆標識剤は、The Handbook -A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies, Tenth Ed., Chapter 10に開示されている。
別の態様において、アナライト分子はタンパク質であり、結合リガンドはアナライト分子と酵素成分の両方に結合可能な成分を含むことができる。前駆標識剤分子の、結合リガンドに結合した酵素成分への暴露により、前駆標識剤分子は、検出可能な色原、蛍光、または化学発光の標識剤分子に変換可能である。
アナライト分子の間接的検出の2つの非限定的例を、図9Aおよび9Bに示す。図9Aにおいて、区画150(この態様において、反応器として表される)が供給され、これは捕捉物152(この態様において、ビーズとして表される)を含む。アナライト分子154は、捕捉物152に対して捕捉成分156を介して固定化されている。反応器は前駆標識剤158に暴露され、これはアナライト分子154に暴露されると、矢印159で示すように標識剤分子160に変換される。他の例として、図9Bにおいて、区画170(この態様において、反応器として表される)が供給され、これは捕捉物172(この態様において、ビーズとして表される)を含む。アナライト分子174は、捕捉物172に対して捕捉成分176を介して固定化され、結合リガンド177はアナライト分子174に結びついている。反応器は前駆標識剤158に暴露され、これはアナライト分子177に暴露されると、矢印179で示すように標識剤分子180に変換される。
いくつかの態様において、複数の区画にアドレスすることができ、および/または、複数の捕捉物および/または興味ある種/分子/粒子を実質的に同時に検出することができる。この文脈で用いる「実質的に同時に」とは、興味ある区画/捕捉物/種/分子/粒子に対してほぼ同時にアドレスすること/検出することであって、少なくとも2つの興味ある区画/捕捉物/種/分子/粒子を重複してアドレスすること/検出することを指し、そうではなく順番にアドレスすること/検出することに対照的である。同時のアドレス/検出は、光学技術(例えばCCD検出器)を含む種々の技術を用いて実現することができる。いくつかの態様により、捕捉物/種/分子/粒子を複数の個別の分解可能な区画に空間的に分別することは、複数の区画を実質的に同時にアドレス可能にすることにより、実質的に同時の検出を促進する。
例えば、個々の種/分子/粒子が、検出の間に複数の個別の独立して分解可能な区画に他の捕捉物に対して空間的に分別された捕捉物と結びついている態様において、複数の個別の独立して分解可能な区画に実質的に同時にアドレスすることは、個々の捕捉物を、従って個々の種/分子/粒子(例えばアナライト分子)を分解することを可能とする。例えば、ある態様において、複数の分子/粒子の個々の種/分子/粒子は、複数の反応器にわたって各反応器が0または1つのみの種/分子/粒子を含むように区分される。いくつかの態様において、全ての種/分子/粒子の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%が、検出の間に他の種/分子/粒子に対して空間的に分離される。
複数の種/分子/粒子は、約1秒未満、約500ms未満、約100ms未満、約50ms未満、約10ms未満、約1ms未満、約500μs未満、約100μs未満、約50μs未満、約10μs未満、約1μs未満、約0.5μs未満、約0.1μs未満、約0.01μs未満、約0.001μs未満、またはそれより短い時間内に、実質的に同時に検出可能である。いくつかの態様において、複数の種/分子/粒子は、約100μsから約0.001μsの間、約10μsから約0.01μsの間、またはそれより短い時間内に、実質的に同時に検出可能である。
いくつかの態様において、アナライト分子の、捕捉成分および/または捕捉物からの解離を予防または低減するため、および/または結合リガンドの、アナライト分子および/または他の結合リガンドからの解離を予防または低減するために、技術を用いることができる。当業者に知られているように、選択されたアナライト分子、捕捉成分、および/または結合リガンドの間(例えば、抗体と抗原の間)のいくつかの可逆的親和性相互作用は、熱力学によって制御される。したがって、あるアッセイ法の間のある時点において、アナライト分子と捕捉成分および/または結合リガンドの間、および/または結合リガンドとアナライト分子および/または他の結合リガンドの間に、いくつかの解離が生じることがある。これにより、実際に存在するより少ない数のアナライト分子(例えば免疫複合体)が検出される。成分の特定の対(例えば、抗体−抗原対)の解離定数、洗浄および/または流体暴露、暴露とインタロゲーションの間の時間、および/またはその他の要因が、解離事象がアナライト分子および/または粒子の決定を変化させる程度に対して影響を及ぼし得る。したがって、一定の技術を用いて、解離プロセスの影響を低減することができる。
第1の態様において、解離は、複数アナライト分子(例えば、捕捉物と捕捉成分を介して結びついている、および/または少なくとも1つの結合リガンドと結びついている)の空間的分別に続いて、流体をアッセイの区画(例えばウェル)から除去することにより、低減または除外することができる。すなわち、区画を囲んでいるかまたは実質的にこれに含まれている、またはここにおける、全ての、または実質的に全ての流体を、除去することができる。例えば、流体は、空気および/または真空乾燥により除去可能である。流体の除去により、解離を低減または除外することができる。区画のインタロゲーションの直前に、流体を区画に加え、これにより複合体を再水和して、検出器を用いたインタロゲーションを促進することができる。
特定の例において、複数のアナライト分子は、(例えば捕捉物を介して)ビーズ(捕捉物の一態様)と結びつく。ビーズ、およびしたがってアナライト分子は任意に、少なくとも1つの結合リガンドと結びつき、および/または物質(例えば緩衝液)に暴露されて、アナライト分子および/または結合リガンドを水和状態に維持する(例えば、免疫複合体をある炭水化物を含有する緩衝液に暴露することができる)。ビーズを複数のウェル(例えば区画)にロードした後、過剰な溶液(例えば緩衝液)を空気および/または真空乾燥により除去する。この態様において、ビーズのバルク溶液との接触を除外することにより、アナライト分子および/または結合リガンドの解離を、流体が除去されない類似のシステムと比較して、本質的に除外または実質的に低減する。この場合、ビーズを含むウェルは、解離したアナライト分子(および/または結合リガンド)が全くないか、実質的にない(例えば、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.3%未満、約0.1%未満、約0.01%未満、またはそれ以下の)状態で、保存することができる(例えば、1分、2分、5分、10分、20分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、10時間、またはそれ以上)。ウェルのインタロゲーションの直前またはこの時間近くにおいて(例えば、約1秒、約5秒、約10秒、約30秒、約1分、約2分、約5分前)、溶液をウェルに供給し、任意に密封する(例えばインタロゲーションの前に)。例えば例22を参照のこと。
第2の態様において、解離は、アナライト分子を捕捉成分と架橋することにより、および/または結合リガンドをアナライト分子および/または第2の結合リガンドと架橋することにより、低減または除外することができる。例えば、抗体を含むアナライト分子を、抗体を含む結合リガンドおよび/または捕捉成分に架橋することができる。用いることのできる架橋の方法および技術は、当業者に知られている。いくつかの場合、アナライト分子の捕捉成分(例えば捕捉物と結びついた)との結びつきに、および/または結合リガンドのアナライト分子および/または第2の結合リガンドとの結びつきに続いて、複合体は架橋試薬(例えば1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド(すなわちEDC)、グルタールアルデヒド等)に暴露することができ、これにより所望の架橋反応を促進する。架橋試薬は、アッセイに用いる試薬の特性に従って選択することができ、当業者が理解するように、架橋剤を選択する場合、架橋試薬の長さおよび/または必要な官能基など、種々の因子を考慮することができる。過剰な架橋試薬は任意に除去することができ、および/または未反応の架橋基は、インタロゲーションの前に、および/または標識剤前駆体または他の試薬への暴露の前に、クエンチすることができる。アッセイを次に、本明細書に記載の方法に従って実施することができる。例えば例23を参照。
架橋反応の非限定的例を図10Aに示す。この例において、捕捉成分504(例えば捕捉抗体)を含むビーズ502は、アナライト分子506と結びついている。アナライト分子506はまた、結合リガンド508とも結びついている。複合体507は、架橋試薬510に暴露され、矢印511が示すように反応が起こる。第1架橋試薬512は、アナライト分子506と捕捉成分504の間の架橋を形成し、架橋試薬514は、アナライト分子506と捕捉成分508の間の架橋を形成する。
別の例として、図10Bに示すように、結合リガンドは2つの成分(例えばアナライト分子と結合リガンド、または捕捉成分とアナライト分子、または第1結合リガンドと第2結合リガンド)の間の架橋を形成できる架橋成分を含んでよい。この図において、捕捉成分524(例えば捕捉抗体)を含むビーズ522は、アナライト分子526と結びついている。アナライト分子526はまた、架橋成分530を含む結合リガンド528とも結びついている。外部刺激(例えばUV光、化学的刺激等)に暴露されると、矢印531が示すように、アナライト分子526と結合リガンド524の間に架橋532が形成される。この目的に有用な架橋成分の非限定的例には、N−スクシンイミジル−6−[4’−アジド−2’−ニトロフェニルアミノ])ヘキサノアート(すなわちSANPAH)およびスクシンイミジル6−(4,4’−アジペンタンアミド)ヘキサノアート(すなわちLC−SDA)が含まれる。
捕捉物/アナライト分子が分別された区画をアドレスする方法のステップの間に、種々のパラメータの任意のものを決定することができる。いくつかの態様において、捕捉物およびアナライト分子(または結合リガンド)を含む区画の数を決定する。捕捉物を含むがアナライト分子(または結合リガンド)を含まない区画の数も、決定することができる。いくつかの場合、アドレスされ、捕捉物を含まない区画の数も決定することができる。さらに他の場合、アドレスされた区画の総数も決定可能である。最終的にアドレスされる区画の任意のサブセットまたは全てに対する1回のインタロゲーションまたは複数回のインタロゲーションを、任意の与えられた時間に行って、上記決定の1つまたは全てを促進することができる。例えば、第1の決定を、第1範囲の波長(例えば白色光)で完了して、捕捉物を含む区画の数を決定し、ここで、区画はアナライト分子(または結合リガンド)が捕捉物と結びついているかどうかについては識別されず、同一の区画またはそのいくつかのサブセットの第2の決定を、第2範囲の波長(例えば蛍光)で完了して、アナライト分子(または結合リガンド)と結びついている捕捉物を含む区画の数を決定する。例示の検出方法は以下に記載される。
検出方法
いくつかの態様において、検出すべき種が複数の区画にわたって区分されているシステム/方法において、区画は、当業者に知られている技術を含む種々の技術を用いてインタロゲートすることができる。
本発明の特定の態様において、区画は光学的にインタロゲートされる。光学的サインの変化を示す区画は、従来の光列(optical train)および光検出システムにより同定することができる。検出する種(例えば標識剤分子、粒子等)および操作波長に依存して、特定波長用に設計された光学フィルターを区画の光学的インタロゲーションに用いることができる。
光学的インタロゲーションを用いる態様において、システムは1つより多くの光源、および/または光源の波長および/もしくは強度を調節する複数のフィルターを含んでよい。例えばいくつかの場合、区画の第1インタロゲーションは、第1範囲の波長の光(例えば、捕捉物が蛍光性でない態様においては白色光、または捕捉物が蛍光を発する波長範囲)を用いて実施でき、一方第2インタロゲーションは、複数の検出可能な分子が蛍光を発する第2の異なる波長範囲の光で実施する。例示のシステム構成を以下に提供する(図11参照)。
いくつかの態様において、複数の区画からの光学シグナルをCCDカメラを用いて捕捉する。画像を捕捉するために用いることのできるカメラ画像の種類の他の非限定的例は、当業者に知られているように、電荷注入装置(CID)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイス、サイエンティフィックCMOS(sCMOS)デバイス、および時間遅延積分(TDI)デバイスを含む。カメラは市販のものから得ることができる。CIDは、CCDと類似した固体2次元マルチピクセル画像装置であるが、画像をいかにして捕捉し読み取るかが異なる。CIDの例については、米国特許第3,521,244号および第4,016,550号を参照のこと。CMOSデバイスも2次元固体撮像装置であるが、標準CCDアレイとは、いかにして電荷を収集して読み取るかにおいて異なる。ピクセルはCMOSトランジスタを製造する半導体技術プラットフォームに作製され、デバイスに構築された実質的読み取りエレクトロニクスおよび重要な修正エレクトロニクスからのシグナルの顕著な増加を可能とする。例えば、米国特許第5,883,830号を参照。sCMOSデバイスは、優れた感度およびダイナミックレンジを可能とする一定の技術的改善を施したCMOS画像技術を含む。TDIデバイスは、ピクセルのカラムを隣接するカラムにシフトさせて光の収集を継続可能なCCDデバイスを用いる。この種類のデバイスは典型的には、ピクセルのカラムのシフトを収集する画像の動きに同期させて用い、こうして動画をかなりの時間統合して、カメラ上の画像の相対的な動きによってぶれないようにする。いくつかの態様において、フォトダイオードまたは光電子倍増管(PMT)を組み込んだ走査ミラーを、画像化に用いることができる。
一態様において、複数の区画は、光ファイバー束の端部に複数の反応器として直接形成される。一態様によれば、本発明の反応器のアレイは、米国特許出願第2003/0027126号に記載されたシステムなどの光検出システムと組み合わせて、用いることができる。例えば、一態様によれば、本発明の反応器のアレイは、クラッドファイバーで構成された光ファイバー束を含む光ファイバーアセンブリーの1端に形成されて、光がファイバー間で混ざり合わないようにする。
図11Aおよび11Bは、いくつかの態様による本発明のシステムの非限定的例を示す。システムは、光源452、励起フィルター454、二色性ミラー458、発光フィルター460、対物レンズ470、およびアレイ472を含む。光源452からの光453は、励起フィルター454を通りぬける。光は二色性ミラー458で反射され、対物レンズ470を通りぬけ、アレイ472上を照らす。いくつかの場合、迷光464は、絞りや開口などの迷光減少機能468によって低減することができる。アレイから発された光471は対物レンズ470および発光フィルター460を通る。光462が観察される。システムは、当業者に理解されるように、特定用途に必要な追加の要素(例えば追加のフィルター、ミラー、拡大デバイス等)を含んでよい。
図11Aに示すシステムは、さらに、捕捉物を含む反応器の数の決定(例えば、白色光を用いた)を支援する要素を含むことができる。代替的に、追加の要素は、区画の総数を決定するため、および/または区画の位置についての空間的情報(例えば、捕捉物を含むか含まないか)を提供するために用いることができ、これは、異なる光の型(例えば蛍光、白色光)のもとで観察されるシグナルを区画の位置と対応して確認する支援となる(例えばマスクを作製することができる)。
図11Aおよび11Bにおいて、励起光は源452から発され、ビーム453に集束される。励起フィルター454を、フルオロフォアを励起する波長帯のみを透過するように構成することができる(例えばレソルフィンに対して575nm+/−10nm)。励起光は二色フィルター458により下向きに反射され、試料を含む基板472を対物レンズ470を通して励起する。画像の光は、対物レンズ470により収集され、ビーム471に集束され、二色フィルター458を透過する。蛍光波長帯に対応する画像光のみ(例えばレソルフィンに対して670nm+/−30nm)が、発光フィルター460を透過する。残りの集束ビーム462は発光された蛍光波長のみを含み、これはカメラシステムを通して実質的に画像化される。
同じシステムを用いて、試料を含む区画(例えば反応器)の位置を決定することができる。捕捉物を含む反応器を含むアレイは、「明視野」白色光照明で照らすことができる。アレイは、収集対物レンズの開口数の丁度外側の角度(例えば図11Aのθは、約20度、約25度、約30度、約35度、約40度またはそれ以上)から擬集束白色光(例えば白色LED)をアレイ表面に向けることにより、照らすことができる(例えば、図11Aに示す光源475を用いて)。アレイ472に当たった光(例えば光476)は、表面で反射され(および散乱され)、集束されて471、対物レンズ(470)により収集される。集束ビームは続いて、カメラシステムを介して画像化される。
同じシステムを、どの区画が捕捉物(例えばビーズ)を含むかを決定するのにも用いることができる。任意の特定のビーズは、アナライト分子および/または結合リガンドと結びついていても、いなくてもよい。アレイは、「暗視野」白色光照明で照らすことができる(例えば、図11Aに示すような光源473を用いて)。アレイは、収集対物レンズの開口数の実質的に外側の角度(例えば図11Aのθは、約65度、約70度、約75度、約80度、約85度)から擬集束白色光(例えば白色LED473)をアレイ表面に向けることにより、照らすことができる。アレイ472の表面に当たった光(例えば光474)は、表面で反射され(および散乱され)、集束されて471、対物レンズ(470)により収集される。集束ビームはカメラシステムにより実質的に画像化される。
いくつかの態様において、光検出システムを、例えば米国公開第2003/0027126号に記載のようにして用いることができる。例示のシステムにおいて、光ファイバー束の遠端に形成された反応器のアレイから戻った光を、倍率変換装置の使用を介して変化させて、ファイバーの近または遠端の画像サイズの調節を可能とする。拡大画像を次に、シャッターホイール(shutter wheel)でシャッターしてフィルタリングする。次に画像を、電荷結合素子(CCD)カメラにより捕捉する。画像処理ソフトウェアを含みこれを実行するコンピュータを提供して、CCDカメラからの情報を処理し、また任意にシャッターおよびフィルターホイールを制御するよう構成してもよい。米国公開第2003/0027126号に示すように、束の近端は、z−翻訳ステージおよびx−yマイクロポジショナーにより受領される。
例えば、図12は、光検出システムを有する光ファイバーアセンブリー400を用いるシステムの概略ブロック図である。クラッドファイバーから構成された光ファイバー束またはアレイ402を含む光ファイバーアセンブリー400では、光はファイバー間で混合されない。反応器のアレイ401は、束の遠端412において/これに付着して形成され、近端414はz−翻訳ステージ416およびx−yマイクロポジショナー418に操作可能に接続されている。これらの2つの要素は協調して作用して、束402の近端414を顕微鏡対物レンズ420に対して正しく位置させる。対物レンズ420で収集された光は、3つのポインターキューブスライダーを有する反射光蛍光アタッチメント422に渡される。アタッチメント422は、75ワットXeランプ424からの光を対物レンズ420を通してファイバー束402に結合させる。
源424からの光は、集光レンズ426により集光され、次にフィルターおよびシャッターホイール428によりフィルタリングおよび/またはシャッターされ、続いてNDフィルタースライド430を透過する。束402の遠端412から戻った光は、アタッチメント422を通って倍率変換装置432にわたり、これはファイバーの近端または遠端の画像サイズの調節を可能とする。倍率変換装置432を透過した光は次に、第2ホイール434によりシャッターおよびフィルタリングされる。光は電荷結合素子(CCD)カメラ436により収集される。コンピュータ438は、画像処理ソフトウェアを実行してCCDカメラ436からの情報を処理し、また任意に、第1および第2シャッターおよびフィルターホイール428、434を含むがこれに限定されない、システムのその他の要素を制御する。
本発明のいくつかの態様を実施するのに用いる反応器のアレイは、種々の適合可能なプロセスを用いて、光ファイバー束の遠端に一体化するか、これに付着させることができる。いくつかの場合、マイクロウェルを光ファイバー束の各個々のファイバーの中心に形成し、マイクロウェルは密封してもしなくてもよい。光ファイバー束の各光ファイバーは、ファイバーの遠端の中心に形成された1つのマイクロウェルからの光を運ぶことができる。この性質は、個々の反応器の光学サインをインタロゲートして、各マイクロウェルの反応/内容物を同定することを可能とする。その結果、束の端部の画像をCCDアレイで収集することにより、反応器の光学サインを実質的に同時に個別にインタロゲートおよび/または画像化することができる。
定量化
本発明のいくつかの態様により、方法、システム、および/またはデバイスを用いて、流体試料中のアナライト分子(または粒子)の存在またはその濃度の測度の決定を、アナライト分子(および任意に、少なくとも1つの結合リガンド)を捕捉するために用いる複数の捕捉物の少なくともいくつかを検出および/または定量することに少なくとも部分的に基づいて実施する。濃度を決定するある態様においては、少なくとも1つのアナライト分子(および/または少なくとも1つの結合リガンド)を含む捕捉物を含む区画の数(または割合/パーセンテージ)を、流体試料中のアナライト分子の量/濃度に関連させる相関および/または校正を用いる。いくつかの場合、流体試料中のアナライト分子の濃度は、少なくとも1つのアナライト分子(および/または少なくとも1つの結合リガンド)を含む捕捉物を含む区画の数/割合に線形比例することができる。他の場合において、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、非線形の関係によって、少なくとも1つのアナライト分子(および/または少なくとも1つの結合リガンド)と結びついた捕捉物を含む区画の数/割合に関連させることができる。いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、既知の濃度の標的アナライト分子を含有する試料を用いて作製した校正曲線を少なくとも部分的に用いて、決定することができる。流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を決定する方法は、以下にさらに議論される。
本発明のある態様は、少なくとも1つのアナライト分子(および/または少なくとも1つの結合リガンド)を含む捕捉物の小さな数/濃度を検出および/または定量する能力により識別され、非常に低濃度のアナライト分子を含有する流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を決定するのに適している。この能力は、ある態様において、いくつかが少なくとも1つのアナライト分子(および/または少なくとも1つの結合リガンド)を含んでいるものを含む個々の捕捉物を空間的に区分することにより、例えば複数のかかる捕捉物を区画(例えば反応器)のアレイにわたって分離すること、および次に反応器でのそれらの存在を検出することにより、少なくとも部分的に促進することができる。いくつかの態様において、反応器中の、少なくとも1つのアナライト分子(および/または少なくとも1つの結合リガンド)を含む捕捉物の存在が決定でき、バイナリ様式でかかる反応器の数を計測する。すなわち、区画(例えば反応器)が、少なくとも1つのアナライト分子(および/または少なくとも1つの結合リガンド)と結びついた少なくとも1つの捕捉物を含むことが見出された態様において、区画は1と計測される。区画(例えば反応器)が、捕捉物を含むことが見出された態様において、区画は0と計測される。例えば、「1」と計測されたウェルは、上述のようにウェル内に少なくとも1つのアナライト分子(および/または少なくとも1つの結合リガンド)を含む捕捉物の存在を示す反応器中に、検出可能な分子または粒子の存在を検出することにより、決定することができる。
含有するか含有することが疑われる流体試料を、複数の捕捉物に以下の様式で接触させる態様において、すなわち、試料中に存在する任意のアナライト分子が、複数の捕捉物に対して、捕捉物の統計的に有意な割合(例えば上述のように)が1つのアナライト分子と結びつき、捕捉物の統計的に有意な割合がいかなるアナライト分子とも結びつかないような様式で(例えば図1、ステップ(B)に示すように)固定化される様式での前記態様において、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度の決定は次のようにして行うことができる。まず、捕捉物の少なくとも一部(捕捉物の少なくともいくつかは固定化されたアナライト分子を有する)は、複数の区画に空間的に分別される(例えば図1、ステップ(C)に示すように)。捕捉物に対して固定化されたアナライト分子を含む区画の数を、直接的に(例えばアナライト分子それ自体を検出することにより(例えば図1、ステップ(D)参照))、または間接的に(例えば、アナライト分子と結びついた結合リガンドの検出により、標識剤(例えば、前駆標識剤をアナライト分子に暴露して変換することにより形成される、図4Aを参照)の検出により、等)決定する。いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、アナライト分子を含む複数区画(例えば図1、ステップ(D)の反応器12)の数の決定に少なくとも部分的に基づいて決定される。一定のかかる態様において、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、この測定されたパラメータを校正標準と比較することにより、および/またはアナライト分子を含むかことが予想される区画の数のポアソンおよび/またはガウス分布解析に少なくとも部分的に基づいて決定する。
いくつかの態様において、アナライト分子に結びついていない捕捉物を含む区画の数も決定することができる(例えば図1、ステップ(D)の反応器13)。かかる場合、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、捕捉物に対して固定化されたアナライト分子を含む区画の、アナライト分子に結びついていない捕捉物を含む区画の数に対する比率に、少なくとも部分的に基づいて決定することができる。いくつかの場合、捕捉物を含まない区画の数もまた決定することができる(例えば図1、ステップ(D)の反応器14)。かかる場合、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、捕捉物に対して固定化されたアナライト分子を含む区画の、捕捉物を含まない区画の数および/またはアナライト分子を含まない区画の数――かかる区画が捕捉物を含むかどうかに関わらず(上記または他の所でのどちらの場合においても、比率/割合の分母は、正(「オン」または「1」)の区画を、ゼロ(「オフ」または「0」)の区画に、選好に応じて加えても加えなくてもよい)――に対する比率に、少なくとも部分的に基づいて決定することができる。さらに他の場合、アドレス/分析した区画の総数を決定することができ(例えば図1、ステップ(D)の反応器12、13および14)、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、捕捉物に対して固定化されたアナライト分子を含む区画の、アドレス/分析した区画の総数に対する比率に基づくことができる。
いくつかのアッセイ法において、流体試料中のアナライト分子の濃度の測定は、1種以上の分析を用いて行ってよいことが理解される(例えば、第1の分析は、捕捉物に対して固定化されたアナライト分子を含む区画の数に基づき、第2の分析は、捕捉成分に対して固定化されたアナライト分子を含む区画の、捕捉物を含む区画の総数に対する比率/割合に基づく、など)。かかる態様において、第2の分析は品質管理手段として用い(例えば、第1の分析が妥当な結果を提供したことを確認するため)、および/または2つの分析結果を平均してもよい。
いくつかの態様において、試験する流体試料中のアナライト分子の濃度の測度の決定は、上述と同様の分析を用いて、しかし、捕捉物に対して固定化されたアナライト分子を含む反応器の数とは違って、結合リガンドを含む反応器の数を決定することにより、行うことができる。本明細書に記載されているように、いくつかの場合、複数のアナライト分子を複数の捕捉物に対して固定化した後に、複数の捕捉物を少なくとも1種の結合リガンドに対して、少なくともいくつかの固定化されたアナライト分子が少なくとも1つの結合リガンドと結びつくように、暴露することができる(例えば図2、ステップ(B)参照)。このアッセイ法は、1つより多くのアナライト分子が各捕捉物と結びつくことが予想される態様において特に有用であるが、しかしバイナリ定量化はそれでも望まれる。いくつかの場合、結合リガンドは、少なくとも1つのアナライト分子を含む少なくともいくつかの捕捉物が、いかなる結合リガンドとも結びつかないような濃度において、供給されてもよい(例えば図2、ステップ(C)参照)。かかる態様において、結合リガンドに結びついた(例えば、アナライト分子を介して)捕捉物を含む区画の数を、上記の分析および方法において、アナライト分子と結びついた捕捉物を含む区画の数と置き換えることができる。
流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度は、種々の校正技術を用いて決定することができ、最大の精度および信頼性をもたらす特定の技術は、試料に暴露された捕捉物の数/濃度(およびまたは、結合リガンドを用いる態様については、アナライト分子の捕捉物による捕捉の間/後に互いに暴露される捕捉物の数/濃度に対する、結合リガンドの相対的な数/濃度)に対する、試料中のアナライト分子の相対的な数/濃度に依存し得る。特定のアナライト濃度範囲において有用となり得る濃度決定方法の非限定的例には、上述のバイナリ読み取り法(binary read-out method)、および/または区画について測定された相対的な正のシグナル強度を用いる方法(「強度読み取り法(intensity read-out method)」)が含まれる。上記のどちらかまたは両方――または代替的方法――はさらに、測定パラメータの校正曲線との比較を用いることができる。
最も正確な決定法は、流体試料に含まれるアナライト分子の濃度に少なくとも部分的に基づくことができると、現在は考えられている。例えば、試験する試料中のアナライト分子の濃度が、捕捉物が区分されている区画であって、1つのアナライト分子または結合リガンドを含む区画の統計的に有意な割合と、いかなるアナライト分子または結合リガンドも含まない区画の統計的に有意な割合とをもたらす態様において(例えば、本質的にどの区画も1より多くのアナライト分子または結合リガンドを含まないレジームにおけるか、またはこれに近い場合)、バイナリ読み取り法は特に有用であり、いくつかの場合、校正曲線と組み合わせて用いることができる。他の態様において、より多くの区画が1より多くのアナライト分子および/または1より多くの結合リガンドを含む場合、強度の読み取りに少なくとも部分的に基づく決定は、流体試料中のアナライト分子の濃度のより正確な測度を提供することができる。かかる決定もまた、校正曲線と組み合わせて用いることができる。
ある態様において、アナライト分子および/または結合リガンドに結びついている少なくとも1つの捕捉物を含む区画の割合(例えば統計的に有意な割合)は、捕捉物を含む区画の総数の約50%未満、約40%未満、約25%未満、約10%未満、約5%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満である。かかる態様において、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、バイナリ読み取り法を用いて決定することができる。いくつかの場合、アナライト分子および/または結合リガンドに結びついている捕捉物を含まない区画のパーセンテージは、区画の総数の少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.9%、またはそれ以上である。
以下の議論は主に、超低レベル検出能力について、バイナリ読み取りシステム(例えば「オン」または「オフ」の区画の数の計測に基づく)の使用に焦点を当てているが、これは決して限定的ではなく、本発明の方法およびアッセイはまた、ある態様において、バイナリ定量化プロトコルの代わりに、またはこれに加えて、強度の測定に基づくもの(すなわち、強度読み取り法)(例えば、ダイナミックレンジを拡張するため)も用いることができる。指摘したように、いくつかの場合、検出システムおよび定量法は、システムがバイナリ読み取り決定および強度読み取り決定のどちらかまたは両方を、アッセイフォーマットおよび/または流体試料中のアナライト分子の濃度に依存して用いることができるように構成可能である。例えば、方法および/またはシステムは、第1測定からのベースパラメータを決定することができ、第1決定の結果に依存して、バイナリ読み取り決定および強度読み取り決定のどちらを使用するかを決定する;これは以下にさらに詳細に記載され、また共同所有の米国特許出願第12/731,136号:2010年3月24日出願のRissinらによる名称「分子または粒子の検出のためのアッセイにおけるダイナミックレンジを拡張するための方法およびシステム」、および国際特許出願(番号は未定):2011年3月1日出願のRissinらによる名称「分子または粒子の検出のためのアッセイにおけるダイナミックレンジを拡張するための方法およびシステム」(代理人整理番号Q0052.70013WO00)に記載されている通りであり、これらの各々は本明細書に参照により組み込まれる。
一態様によれば、本発明の定量化方法は、次のように実施することができる。興味あるアナライト分子を含有するか含有することが疑われる流体試料を、複数の捕捉物と、および任意に1または2以上の結合リガンドと接触させ、捕捉物を、反応器/ウェル(前に記載)などの区画のアレイにわたって区分する。いくつかの態様において、バイナリ読み取り法を決定に用いることが望ましい場合、流体試料を捕捉物と接触させるステップにおいて、流体試料と溶液を含む捕捉物との相対的な量/濃度を選択して(例えば、試料中のアナライト分子のおよその濃度範囲の既知のまたは推定/疑われる値に基づき)、流体試料中のアナライト分子の、溶液に供給された捕捉物の総数に対する比率が、約1:5未満、約1:10未満、約1:12未満、約1:15未満、約1:20未満、約1:50未満、約1:100未満またはそれ以下となるようにする。かかる比率により、少なくともいくつかの捕捉物は統計的に1つのアナライト分子と結びつくことが予想され、残りの捕捉物の多くは、いかなるアナライト分子とも結びつかない。
かかる条件下で複数のアナライト分子と結びつく捕捉物の数は、無視できるほど少ないため、アナライト分子を含むと決定された捕捉物は、1つのアナライト分子を含むと仮定できる。かかる条件下で、バイナリ読み取り定量化を実施するように構成された分析システムを用いて、アナライト分子に結びついた捕捉物を含む区画の数を、本明細書に記載された任意の検出法により決定することができる。アナライト分子に結びついた捕捉物を含む区画の数を次に計測し(例えば図1、ステップ(D)、アナライト分子を含む反応器の総数は2であり、例えば反応器12)、および、いくつかの場合、アナライト分子に結びついた捕捉物を含む、捕捉物を含む区画の総数の割合を計算する(例えば図1において、捕捉物を含む反応器の総数は3、反応器12および13;したがって、アナライト分子に結びついた捕捉物を含む区画の総数の割合は2:3)。
0(アナライト分子は検出されない)または1(1アナライト分子を検出)の応答の、多数の区画のアレイと組み合わせての使用は、試料中のアナライト分子のバルク濃度の決定を、区画に含まれて区分された試料の容積中に含まれた分子の実際の数を計測することにより、可能とする。いくつかの場合、アナライト分子は間接的に検出することができる(例えば、読み取りは、少なくとも1つの標識剤分子を含む区画の数を計測することにより実施され、ここで標識剤は、アナライト分子への暴露により前駆標識剤から変換されたもの)。多数の区画(例えば少なくとも約10,000の区画)が実質的に同時にインタロゲートされる例において、捕捉物に結びついたアナライト分子を含む区画の、決定される区画の総数(例えば、いくつかの場合、任意のアナライト分子と結びついた、または結びついていない捕捉物を含む区画)に対する比率は、少なくとも約1:100、少なくとも約1:1000、少なくとも約1:10,000またはそれ以下であることができる。多数の区画を有するアレイを用いること(例えば、少なくとも約10,000、少なくとも約50,000、少なくとも約100,000、少なくとも約500,000、など)により、この低い比率においても、統計的に有意なシグナルを提供することができる。
いくつかのアッセイにおいて、ポアソン分布調整をバイナリ読み取り法により決定される数および/または比率に適用して、流体試料中のアナライト分子の濃度の決定を促進および/またはその精度を改善することができる。例えば、流体試料中のアナライト分子の、流体試料と接触する捕捉物の総数に対する比率は、約1:10より大、約1:5より大、約1:4より大、約1:3より大、または約1:2より大、または約1:10と約1:2の間、約1:5と約1:2の間であり、捕捉当たり固定化されたアナライト分子の数は、0または1であり、1より多くを含む割合は、上の段落に記載された方式についてのものより大である。いくつかのかかる場合、濃度決定の性能および精度は、全ての正の区画が1つのみのアナライト分子を含むとの仮定を使用するよりも(上の段落に記載されたように)、ポアソン分布調整を用いて捕捉物当たり0、1、2、3、4個等のアナライト分子を含むと予想される区画の数を推定することにより、改善することができる。
ポアソン分布は、事象の平均の数が既知の場合に、起こる事象の数の尤度を記述する。予想される発生数がμの場合、正確にν(νは非負の整数であり、ν=0、1、2...)の発生が生じる確率(Pμ(ν))は、式5:
により決定することができる。本発明のいくつかの態様において、μは、アナライトと結びついたアナライト分子を含むと決定された区画の数の、検出された捕捉物(例えば任意のアナライト分子に結びついたか、または結びついていない)の総数に対する割合に等しく、νは、一定数のアナライト分子に結びついた捕捉物の数である(例えば、0、1、2、3個等のアナライト分子と結びついた捕捉物の数)。μを、アッセイ中に区画のアレイをインタロゲートして決定することにより、試料中のアナライト分子の濃度を、ポアソン分布調整を用いて決定することができる。
例えばバイナリモードの測定を用いたアッセイにおいて、0、1、2、3、4個等のアナライト分子に結びついた捕捉物が互いに識別されず(例えば、ν=1、2、3、4は互いに識別されない)、およびウェル(例えば区画、反応器)は単純に「オン」のウェルと特徴づけられる場合、ν=0の発生は、「オフ」ウェルの数として限定的に決定可能である。(Pμ(0))は、式6:
により計算することができ、予想される発生であるμは、式5を書き直した式7に基づき決定することができる。
アナライト分子(または結合リガンド)に結びついていない捕捉物の発生数、Pμ(0)は、1からその他の捕捉物の発生(例えば、少なくとも1つのアナライト分子または結合リガンドに結びついた捕捉物)の総数を差し引いたものに等しく、したがってμは式8により与えられる:
式8を書き直して、捕捉物を含有しインタロゲートされた区画に含まれる流体試料中のアナライト分子の総数は、式(9)を用いて決定することができる。
したがって、分子の総数は、捕捉物を含むウェルの与えられた数に対する、「オン」のウェルの割合から決定でき、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、この数(および、例えばアッセイ中の任意の希釈、インタロゲートされる捕捉物を含むウェルの数および容積など)に少なくとも部分的に基づくことができる。1、2、3、4個等の結びついたアナライト分子を有する捕捉物の数も、決定されたμおよび式5からPμ(1)、Pμ(2)、Pμ(3)等を計算することにより決定可能である。
ポアソン分布調整の使用の非限定的例としては、インタロゲートされた50,000の捕捉物の26%が「オン」(すなわち、1または2個以上のアナライト分子および/または結合リガンドを含む)であるアッセイにおいて、存在するアナライト分子の総数は、−ln(1−0.26)×50,000=15,056分子と計算される。この15,056個の分子のうち、式5でμ=−ln(1−0.26)=0.3011を用いて、ν=1,11,141個の捕捉物が1つのアナライト分子を有すると計算され、1,677個の捕捉物が2つのアナライト分子、168個の捕捉物が3つのアナライト分子、13個の捕捉物が4つのアナライト分子、および1個の捕捉物が5つのアナライト分子を有すると計算される。空間的に分離された捕捉物の統計的に有意な割合が少なくとも1つの結合リガンドと結びつき、空間的に分離された捕捉物の統計的に有意な割合がいかなる結合リガンドとも結びつかない態様において、同様の分析を適用することができる。
いくつかの態様において、少なくとも1つのアナライト分子および/または結合リガンドと結びついた捕捉物を含む区画の、いかなるアナライト分子/結合リガンドからもフリーである捕捉物を含む区画に対する比率が高い場合(例えば、約1:2より大、約1:1より大、約2:1より大、約4:1より大、約8:1より大、またはそれ以上)、流体試料中のアナライト分子の濃度の決定は、強度読み取り決定に少なくとも部分的に基づいてよい。かかる態様において、アレイの総強度(例えば全蛍光)を決定でき、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、この決定に少なくとも部分的に基づく。
いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度は、測定されたパラメータの校正標準との比較に少なくとも部分的に基づいて決定してよい。いくつかの場合、本明細書に記載のように、校正曲線を用いることができ、ここで総強度は、既知の濃度でアナライト分子を含む複数の試料に対し実質的に同様のアッセイフォーマットを用いて決定される。例えば、アナライト分子と結びついた捕捉物を含む区画の数および/または割合(例えばバイナリ読み取りに基づく)、または代替的に、アレイの総強度を、校正曲線と比較して、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を決定することができる。校正曲線は、既知の濃度の複数標準試料を用いて、未知の濃度の試験試料の分析に用いるのと同様の条件下でアッセイを完了させることにより、作成することができる。校正曲線は、アナライト分子および/または結合リガンドに結びついたと決定された捕捉物の割合を、アナライト分子の既知の濃度と関連させることができる。アッセイは次に、未知の濃度のアナライト分子を含有する試料について完了され、アナライト分子および/または結合リガンドに結びついたと決定された捕捉物の数/割合を、校正曲線(またはこれに適合する数式)と比較して、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を決定することができる。
校正を行う1つ例示の態様において、種々の濃度(w、x、y、およびz)のアナライト分子を含む4つの標準流体試料を用いる。アッセイ(例えば、アナライト分子を複数の捕捉物に対して固定化し、任意に、捕捉物を少なくとも1種の結合リガンドに暴露し、捕捉物の少なくとも一部を、複数の個別の独立してアドレス可能な区画に区分し、捕捉物の少なくとも一部を検出する、など)を、各校正試料について実施し、アナライト分子および/または結合リガンド(b、c、d、およびe)を含む捕捉物の数/割合を決定する。プロット/式/参照テーブルなどを作成して、図13に示すように、値b、c、d、およびeをそれぞれ濃度w、x、y、およびzに関連させる。次にアッセイを、未知の濃度のアナライト分子を含有する流体試料に対して実質的に同一の条件下で実施し、ここで、捕捉物の検出が決定されたアナライト分子および/または結合リガンドを含む捕捉物の数/割合の得られた値は、fである。この値(f)をグラフ上にプロットし、流体試料中の標的アナライトの未知の濃度の測度(t)を決定することができる。
いくつかの場合、校正曲線は検出限界を有し、ここで検出限界は、正確に決定できる流体試料中の最小のアナライト濃度である。いくつかの場合、校正曲線のr値は約0.5より大、約0.75より大、約0.8より大、約0.9より大、約0.95より大、約0.97より大、約0.98より大、約0.99より大、約0.999より大、または約1であることができる。値b、c、dおよびeは以下に基づくことができる:アナライト分子(または結合リガンド)と結びついている、測定された区画/捕捉物の絶対値、または、アナライト分子(または結合リガンド)と結びついた捕捉物を含む区画の数の、いかなるアナライト分子とも結びついていない捕捉物を含む区画の数に対する比率、または、アナライト分子(または結合リガンド)と結びついた捕捉物を含む区画の数の、捕捉物を含む区画の数に対する比率、または、アナライト分子(または結合リガンド)と結びついた捕捉物を含む区画の数の、アドレスした区画の総数に対する比率など。校正曲線の開発のために、任意数の校正標準を用いてよい(例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の校正標準)。
いくつかの態様において、流体試料中のアナライト分子の濃度は、コンピュータを用いるアッセイシステムを用いて、校正曲線の使用を通して決定することができる。コンピュータは、校正曲線を作成するため、および/またはかかる校正曲線から試験流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を決定するために収集されたデータを用いる、ソフトウェアを実行することができる。例えば、アレイにわたって区分された複数の捕捉物を含むアレイの蛍光画像を収集して、画像解析ソフトウェア(例えば、IP Lab, BD Biosciences)により解析することができる。解析ソフトウェアは、バックグラウンド強度を上回る蛍光強度を有する区画の数(例えば、アナライト分子を含む区画の数に相関する数)を自動的に計算できる。バックグラウンド強度を上回る蛍光強度を有する区画の数をアドレスした区画の総数で割り算し、例えばアナライト分子を含む区画の割合を決定する。活性な区画の割合を校正曲線と比較して、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度を決定することができる。
ある態様において、アッセイのダイナミックレンジおよび感度の両方を、捕捉物をその中に区分する区画の数を増やすこと、および/または最初の捕捉ステップにおける捕捉物(例えばビーズ)のアナライト分子に対する比率を調整することにより、増加させることができる。ある場合、アナライト対ビーズの比率を減少または増加させることは、より大きなダイナミックレンジをもたらし得る。いくつかの場合、試料の容量が増加すると、少数のアナライト分子の正確な検出が、例えば装置の制限、時間制約などによって、いくつかの場合よりチャレンジングとなる。例えば、より大きな試料容量(例えば1mL、10mL)でより小さな試料容量(例えば100μL)で実現したのと同じ効率を実現するには、より多くのビーズ(例えばそれぞれ10および100倍のビーズ)が必要となり、したがって、ビーズはより多数の区画に空間的に分別する必要があり、ここで多数の区画は画像面積の増加を必要とする。
捕捉ステップについて、ビーズ濃度の選択はいくつかの競合する要因に依存し得る。例えば、熱力学および動力学的視点からは、標的アナライトのほとんどを捕捉するのに十分なビーズが存在することが有利となり得る。例として、熱力学的に、100μL中の200,000個のビーズであって各々が約80,000個の捕捉成分(例えば抗体)を結合すると、約0.3nMの抗体濃度に相関し、この濃度での抗体−タンパク質平衡は、ある場合には標的アナライト分子の比較的高い捕捉効率をもたらし得る(例えば>70%)。動力学的には、100μL中に分散された200,000個のビーズについて、ビーズ間の平均距離は約80μmと推定される。例示のアナライト分子として、TNF−αおよびPSA(それぞれ17.3および30kDa)のサイズのタンパク質は、例えば、80μmに1分以内に拡散する傾向があり、こうして、2時間にわたるインキュベーションで、かかるアナライト分子の捕捉は動力学的に制限されない傾向にある。さらに、ポアソンノイズを所望のまたは許容可能な量に制限するために、十分なビーズをアレイにロードすることも有利となり得る。10μL容積中に200,000個のビーズがアレイにロードされる状況を例として考えると、典型的に約20,000〜30,000個のビーズが、アレイのフェムトリットルサイズのウェルに捕捉され得る。
1%活性ビーズの典型的バックグラウンドシグナル(例えば非特異的結合等による)に対し、このローディングは、6〜7%のポアソンノイズからの変動係数(CV)に対応して、検出される200〜300個の活性ビーズのバックグラウンドシグナルをもたらすと予想され、これは典型的態様において許容可能である。しかし一定濃度を超えるビーズ濃度は、これが以下をもたらし得るためにある場合には望ましくない:a)シグナル対バックグラウンドを低減させる、非特異的結合の増加;および/またはb)望ましくないほど低いアナライト対ビーズの比率、これにより、活性ビーズの割合が低すぎるとポアソンノイズからの高いCVがもたらされる。ある態様において、上述のような要因のバランスを考慮すると、100μLの試験試料当たり約200,000〜1,000,000個のビーズを供給することが望ましく、またはある場合には本発明のあるアッセイの実施に最適である。
捕捉されたアナライト分子の標識のために1または2以上の結合リガンドを用いる、本発明のアッセイの態様に対して、ある例においては、用いる濃度を調節して、所望のまたは最適な性能を生じさせることが有利となり得る。例えば、タンパク質(捕捉されたタンパク質)であるアナライト分子が関与し、検出抗体を含む第1の結合リガンドおよび酵素抱合体(例えばSβG)を含む第2結合リガンドを用いる態様を考えると、捕捉されたタンパク質を標識するのに用いる検出抗体および酵素抱合体(例えばSβG)は、いくつかの場合、許容し得るバックグラウンドシグナル(例えば1%以下)およびポアソンノイズを生成するように制限または最小化することができる。捕捉されたタンパク質を標識するのに用いる検出抗体および酵素抱合体(例えばSβG)の濃度の選択は、ある本発明のアッセイ法の性能を改善し、またはこれを最適化するための要因となることができる。ある場合には、捕捉タンパク質の一部のみが標識されて、アッセイにより生成されるシグナルの飽和を避けることが望ましい場合もある。
例えば、観察されるバックグラウンドレベルが標的タンパク質の〜1−2fMに等しい特定のアッセイに対して、全てのタンパク質が酵素で標識される場合、アナライトのビーズに対する比率は約0.3〜0.6であってよく、活性ビーズの数は約25〜40%の範囲であってよく、これはいくつかの場合に、望ましいものより高い可能性がある。デジタル検出アッセイのためにダイナミックレンジの最小値に近いバックグラウンドシグナルを生成するため、――例えばある場合、本発明のデジタル検出アッセイにおいて1%の活性ビーズがバックグラウンドの合理的なノイズフロアを提供できることを考えると――捕捉されたタンパク質の適切な標識化は、両方の標識試薬の濃度を制限または最小化すること、またはより短いインキュベーション時間を用いることのどちらかによって、標識ステップを動力学的に制御することにより実現できる可能性がある。例えば標識濃度を最小化した態様において、標準ELISAインキュベーション時間は、許容し得る結果をもたらし得る;例えば、〜6時間の総アッセイ時間である。この時間の長さは、試料の1日のターンアラウンドタイムを耐容する試験について許容し得るものである。より短いターンアラウンドタイム、例えば<1時間(例えば、ポイント・オブ・ケア適用について)に対して、アッセイはより高い標識の濃度とより短いインキュベーションで実施可能である。
いくつかの態様において、本発明のアッセイによる濃度決定の特定の方法の精度は、特定の方法のダイナミックレンジの閾値の上および下において、妥協して解決することができる。例えば、アナライト分子に結びついた捕捉物の濃度が下がるにしたがって、最終的にダイナミックレンジの下限を下回ると、アナライト分子に結びついた捕捉物の数は、信頼性および再現性のある測定を得るために十分な数の占領された区画を観察するには、低すぎる可能性がある。かかる状況においては、区画の数を減少させて、少なくともそのいくつか(例えば、統計的に有意な数)がアナライト分子に結びついた捕捉物で確実に占められるようにすることができ、および/または試験試料を濃縮し、および/または試料でインキュベートする捕捉物の数を低減して、検出される正の捕捉物の数/割合を増加させることができる。一方、バイナリ読み取りシステム/方法は、例えば、ロードすることにより「オン」の捕捉物が飽和に近づき、実質的に100%の区画が、アナライト分子に結びついた少なくとも1つの捕捉物を含むようになる場合、その精度および/または有用性の上限値を超え得る。この限界において、濃度がこの範囲に入る2つの試料の間の識別は、バイナリ読み取りシステム/方法を用いては不可能となる場合がある。かかる状況において、より正確な結果を提供するために、より多くの数の区画を用い、例えば連続希釈により試料の濃度を低下させ、試料でインキュベートする捕捉物の数を増加する等によって、検出する正の捕捉物の数/割合を減少させることができ、および/または強度読み取りシステム/方法を用いることができる。
いくつかの態様において、実質的に正確に決定できる流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度は、約5000fM未満、約3000fM未満、約2000fM未満、約1000fM未満、約500fM未満、約300fM未満、約200fM未満、約100fM未満、約50fM未満、約25fM未満、約10fM未満、約5fM未満、約2fM未満、約1fM未満、約500aM(アトモル)未満、約100aM未満、約10aM未満、約5aM未満、約1aM未満、約0.1aM未満、約500zM(ゼプトモル)未満、約100zM未満、約10zM未満、約5zM未満、約1zM未満、約0.1zM未満、またはそれ未満である。いくつかの場合、検出限界(例えば溶液中実質的に正確に決定できるアナライト分子の最小濃度)は、約100fM、約50fM、約25fM、約10fM、約5fM、約2fM、約1fM、約500aM(アトモル)、約100aM、約50aM、約10aM、約5aM、約1aM、約0.1aM、約500zM(ゼプトモル)、約100zM、約50zM、約10zM、約5zM、約1zM、約0.1zM、またはそれ未満である。
いくつかの態様において、実質的に正確に決定できる流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度は、約5000fMから約0.1fMの間、約3000fMから約0.1fMの間、約1000fMから約0.1fMの間、約1000fMから約0.1zMの間、約100fMから約1zMの間、約100aMから約0.1zMの間である。流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度は、流体試料中のアナライト分子または粒子の測定された濃度が、流体試料中のアナライト分子または粒子の実際の(例えば真の)濃度の約10%以内であれば、実質的に正確に決定されたと考えられる。ある態様において、流体試料中のアナライト分子または粒子の測定された濃度は、流体試料中のアナライト分子または粒子の実際の濃度の約5%以内、約4%以内、約3%以内、約2%以内、約1%以内、約0.5%以内、約0.4%以内、約0.3%以内、約0.2%以内、約0.1%以内であることができる。いくつかの場合、決定された濃度の測度は、真の(例えば実際の)濃度から、約20%以内、約15%以内、約10%以内、約5%以内、約4%以内、約3%以内、約2%以内、約1%以内、または約0.5%以内の違いである。アッセイ法の精度は、いくつかの態様において、選択されたアッセイ法を用いて、既知の濃度の流体試料におけるアナライト分子の濃度を決定することにより、決定可能である。
いくつかの態様において、1より多くの上述の種類の分析および定量化の方法を、1つのアッセイで同一のシステムと共に用いることができる。例えば、アナライト分子が低い濃度範囲で存在する態様において、単一のアナライト分子を検出することができ、データをデジタル解析法(バイナリ定量化)を用いて解析することができる。バイナリ定量化を用いるいくつかの場合、前に記載したように、データはポアソン分布調整を用いて処理することができる。より高い濃度範囲において(例えばバイナリ定量化の実施がチャレンジとなるか、または不正確となり得る場合)、データはアナログ解析法を用いて、例えば測定された相対的シグナル強度に基づいて(強度読み取り決定)解析できる。ある態様において、2つの解析方法(デジタルおよびアナログ)の結果の両方を、2つの方法を1つの校正曲線で連結することにより、本発明の1つのアッセイシステム/プロトコルで利用することができる。例えば、いくつかの態様において、低い濃度レベルで(例えばデジタル/バイナリ濃度範囲)、流体試料中のアナライト分子の濃度の測度は、「オン」(例えば、反応器がアナライト分子に結びついたビーズを含むかどうかを決定することによる)または「オフ」(例えば、反応器がどのアナライト分子にも結びついていないビーズを含むかどうかを決定することによる)どちらかのビーズを計測することにより、少なくとも部分的に決定できる。アナライト分子のビーズに対する低い比率において(例えば、約1:5未満、約1:10未満、約1:20未満など)、実質的に全てのビーズが0または1つのアナライト分子と結びつく。この範囲で、活性ビーズ(例えば「オン」の反応器)のパーセンテージは、アナライト濃度の増加とともに線形に増加し、デジタル解析法は最適となることができる。
しかしアナライト濃度が増加するにつれて、より多くのビーズが1より多くのアナライト分子と結びつく。したがって、アナライト濃度が増加するにつれて(しかしまだデジタル範囲)、集団における活性ビーズのパーセンテージは一般には、バルクのアナライト濃度に線形に関連せず、これは、ビーズのいくつかが1より多くのアナライト分子と結びつくことができるためである。これらの濃度範囲において、データは、上述のポアソン分布調整を用いるデジタル解析法を用いて有利に分析することができる。上記の非線形効果は、試料中のアナライト分子または粒子と結びついていないビーズの統計的に有意な割合が残っている実質的な濃度範囲にわたって、ポアソン分布調整を用いて説明することができる。例えば、デジタル解析法が濃度の測度を正確に決定できる活性ビーズのパーセンテージの範囲(すなわち「オン」のビーズを総ビーズで割り、100%をかける)は、約20%までの活性ビーズ、約30%までの活性ビーズ、約35%までの活性ビーズ、約40%までの活性ビーズ、約45%までの活性ビーズ、約50%までの活性ビーズ、約60%までの活性ビーズ、約70%までの活性ビーズ、約80%までの活性ビーズ、またはそれ以上を含む。上記の範囲で操作する多くの場合、ポアソン分布調整を用いると精度が改善される。
一定の活性ビーズのパーセンテージを超えると(すなわち、いかなるアナライト分子または粒子とも結びついていないビーズの統計的に有意な割合が集団に存在しない場合、または潜在的に有利には、いかなるアナライト分子または粒子とも結びついていないビーズの統計的に有意な割合が集団に存在するが、しかしこれが一定レベルを超える活性ビーズのパーセンテージをもたらす場合――例えば、約40%より大、または実質的にこれより大)(またはビーズが用いられない態様においては、活性な区画のパーセンテージ)、アナライト分子濃度の決定における精度および/または信頼性の改善は、前に記載したように、デジタル/バイナリ計測/ポアソン分布調整よりも、またはこれに加えて、強度測定に基づくアナログ決定および解析を用いることにより、潜在的に実現可能である。
より高い活性ビーズのパーセンテージにおいて、活性ビーズ(例えば正の反応器)が他の活性ビーズ(例えば正の反応器)に囲まれている確率はより高く、あるアッセイの設定においては、デジタル/バイナリ決定法を独占的に用いることに対して一定の実際的なチャレンジとなる。例えばある態様において、検出可能な成分が、反応器内に隣接する反応器から漏出することが一定程度生じる可能性がある。アナログの強度レベルに基づく技術をかかる状況に用いると、よりよい性能をもたらす可能性がある。ある強度測定に基づくアナログ決定および解析において、比較的高い濃度での複数のアナライト分子の単一のビーズとの結びつきを定量化する。少なくとも1つのアナライト分子を含む複数反応器からの、少なくとも1つのシグナルの強度を決定することができる。いくつかの場合、強度は、少なくとも1つのアナライト分子を含む反応器についての全体総合強度として決定される(例えば、全体としての反応器の強度を決定)。他の場合、シグナルを有する各反応器の強度を決定して平均し、平均ビーズシグナル(ABS)を得る。
ある態様により、本発明のアッセイシステムは、2つの解析法/システム(すなわちデジタルおよびアナログ)の結果/パラメータの間のリンクを、例えば校正曲線の支援により含むことができ、これにより、システムは、検出された「オン」ビーズの数/割合に関連するシグナルに依存して、定量化の複数モードで実行することができる。かかるシステムは、ある場合に実質的に拡大されたダイナミックレンジを有することができる。1つのアッセイに対して1より多くの定量化方法を組み合わせて用いることができるかかるシステムのさらなる説明は、共同所有の米国特許出願第12/731,136号:2010年3月24日出願のRissinらによる名称「分子または粒子の検出のためのアッセイにおけるダイナミックレンジを拡張するための方法およびシステム」、および国際特許出願(番号は未決定):2011年3月1日出願のRissinらによる名称「分子または粒子の検出のためのアッセイにおけるダイナミックレンジを拡張するための方法およびシステム」(代理人整理番号Q0052.70013WO00)に記載されており、これらの各々は本明細書に参照により組み込まれる。
以下の例は、本発明の種々の特徴を実証するために含まれる。当業者は、本開示に照らして、添付のクレームにより規定される本発明の範囲から逸脱することなく、類似または同様の結果を得つつ、開示された特定の態様に多くの変更を行うことができることを理解する。したがって、以下の例は本発明のある特徴を説明することのみを意図し、必ずしも本発明の全範囲を例示するものではない。
例1
次の例には、例2〜19で用いる材料について記載する。光ファイバー束はSchott North America(Southbridge, MA)から購入した。非強化光沢シリコーンシート(non-reinforced gloss silicone sheeting)は、Specialty Manufacturing (Saginaw, MI)から入手した。塩酸、無水エタノール、および分子生物学グレードのTween-20はSigma-Aldrich (Saint Louis, MO)から購入した。直径2.8μmのトシル活性化磁気ビーズはInvitrogen (Carlsbad, CA)から購入した。直径2.7μmのカルボキシ末端磁気ビーズはVarian, Inc. (Lake Forest, CA)から購入した。モノクローナル抗ヒトTNF−α捕捉抗体、ポリクローナル抗ヒトTNF−α検出抗体、および組み換えヒトTNF−αはR&D systems (Minneapolis, MN)から購入した。モノクローナル抗PSA捕捉抗体およびモノクローナル検出抗体はBiosPacific (Emeryville, CA)から購入した;検出抗体は標準法でビオチニル化した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド(EDC)、N−ヒドロキシスルホスクシンイミド(NHS)、およびSuperBlock(登録商標)T-20ブロッキング緩衝液はThermo Scientific (Rockford, IL) から購入した。DNAはIntegrated DNA Technologies (Coralville, IA) から購入するか、および/または精製DNAをDNA Technologies (Coralville, IA)に注文した。ストレプトアビジン−β−ガラクトシダーゼ(SβG)はInvitrogenから購入するか、または標準プロトコルを用いて社内で抱合させた。レソルフィン−β−D−ガラクトピラノシド(RGP)はInvitrogen (Carlsbad, CA) から購入した。ファイバー研磨剤および研磨消耗品はAllied High Tech Products (Rancho Dominguez, CA)から購入した。
例2
以下は、タンパク質捕捉抗体で機能化した直径2.8μmの磁気ビーズの調製の非限定的例について記載する。直径2.8μmのトシル活性化磁気ビーズストック(1.2×10ビーズ)600μLを、0.1Mのホウ酸ナトリウムコーティング緩衝液pH9.5で3回洗浄した。1000μgの捕捉抗体を、600μLのホウ酸ナトリウムコーティング緩衝液に溶解した。300μLの3M硫酸アンモニウムを抗体溶液に加えた。600μLのビーズ溶液を、磁気選別機を用いてペレット化し、上清を除去した。抗体溶液をビーズに加え、溶液を37℃で24時間混合させた。インキュベーションの後、上清を除去し、0.5%ウシ血清および0.05%のTween-20を含有するPBS緩衝液1000μLをビーズに加えた。ビーズを37℃で一晩(〜8時間)ブロックした。機能化されブロックされたビーズを、0.1%のウシ血清および0.05%のTween-20を含有するPBS緩衝液1mlで3回洗浄した。最後に、0.1%のウシ血清、0.05%のTween-20および0.02%のアジ化ナトリウムを含有するPBS緩衝液1mLを、機能化およびブロックしたビーズに加えた。50μLのアリコートを後の使用のために4℃で保存した。
例3
以下は、タンパク質捕捉抗体で機能化した直径2.7μmの磁気ビーズの調製の非限定的例について記載する。直径2.7μmのカルボキシ末端磁気ビーズストック(1.15×10ビーズ)500μLを、0.01Mの水酸化ナトリウムで2回洗浄し、続いて脱イオン水で3回洗浄した。最後の洗浄の後、ビーズ溶液をペレット化し、洗浄溶液を除去した。25mMのMES中に新しく調製した50mg/mLのNHSの溶液500μL、pH6.0を、ビーズペレットに加えて混合した。直ちに、25mMのMES中に新しく調製した50mg/mLのEDCの溶液500μL、pH6.0を、ビーズ溶液に加えて混合した。溶液を次に30分間、室温で混合させた。活性化の後、ビーズを2回、25mMのMES、pH5.0で洗浄した。一方、25mMのMES1000μL、pH5.0を用いて1000μgの捕捉抗体を溶解した。抗体溶液を次に活性化ビーズに加え、カップリング反応を室温で3時間進行させた。インキュベーションの後、上清を磁気選別機で除去し、100mMのトリスHCl(pH7.4)1000μLを加え、室温で1時間混合させて、残りの全ての反応部位をブロックした。最後に機能化ビーズを1mLのSuperBlockブロッキング緩衝液中に保存し、0.02%アジ化ナトリウムを機能化およびブロックしたビーズに加えた。50μLのアリコートを後の使用のために4℃で保存した。
例4
以下は、DNAで機能化した直径2.7μmの磁気ビーズの調製の非限定的例について記載する。直径2.7μmのカルボキシ末端磁気ビーズ120μLを、0.01MのNaOHで3回洗浄し、続いて脱イオン水でさらに3回洗浄した。冷却した25mMのMES中に新しく調製した50mg/mLのNHS500μL(pH6)を、ビーズのペレットに最終洗浄の後に加え、ビーズを短時間ボルテックスして再度懸濁させた。冷却した25mMのMES中に新しく調製した50mg/mLのEDCの溶液500μL(pH6)を直ちにこのビーズ懸濁液に加えて、30分間混合した。活性化の後、ビーズを3回、冷却した25mMのMES(pH5.0)で洗浄した。5’末端にアミン修飾を有するDNA捕捉プローブ(5’-NH2/C12-GTT GTC AAG ATG CTA CCG TTC AGA G-3’(配列番号1))を、ヌクレアーゼ非含有水に溶解して、2.6mMの原液を作製した。60μLのDNAストックを、0.1Mのリン酸ナトリウムおよび0.5MのNaClを含んだ600μLのカップリング緩衝液、pH8に加えた。得られたDNA溶液を、洗浄されたビーズに加え室温で3時間混合した。ビーズ懸濁液を、反応の間30分毎にボルテックスした。インキュベーションの後、DNA上清を除去し、100mMトリスHCl(pH7.4)1mLをペレットに加え、1時間混合して、ビーズ上の残りの結合部位を不活性化した。最後にビーズをトリス−EDTA(TE)緩衝液および0.05%のTween-20で3回洗浄し、0.05%Tween-20および0.02%のアジ化ナトリウムを含むTE緩衝液中に4℃で保存した。
例5
以下は、磁気ビーズ上でのタンパク質の捕捉と酵素標識免疫複合体の形成の非限定的例について記載する。興味あるタンパク質を含有する試験溶液は、捕捉抗体で機能化した磁気ビーズの懸濁液(例えば例2参照)と共に37℃で1時間インキュベートした。次にビーズを分離し、PBS中で3回洗浄した。ビーズを再懸濁し、検出抗体を含有する溶液で37℃で30分インキュベートした。次にビーズを分離し、PBS中で3回洗浄した。ビーズをSβG(例えば標的アナライト)を含有する溶液で37℃で30分インキュベートし、分離し、PBSおよび0.1%Tween-20で6回洗浄した。ビーズを次に、ファイバー束アレイのウェルにロードするために、10μLのPBSに再懸濁した。
例6
以下は、磁気ビーズ上でのDNAの捕捉と、酵素標識複合体の形成の非限定的例について記載する(図14)。興味ある相補的標的DNAに特異的なDNA捕捉プローブで機能化したビーズ(例えば例4参照)を、標的DNA(5’-TT GAC GGC GAA GAC CTG GAT GTA TTG CTC C TCT GAA CGG TAG CAT CTT GAC AAC-3’(配列番号2))(例えば標的アナライト)を含有する溶液で2時間インキュベートした。インキュベーション後、DNA標的溶液を除去し、ビーズを0.1%Tween-20を含有する0.2×SSC緩衝液で3回洗浄した。ビーズを次に、これも標的DNAに特異的な10nMのビオチニル化シグナルプローブ(5’-TAC ATC CAG GTC TTC GCC GTC AA/Biotin/-3’(配列番号3))(例えば第1種の結合リガンド)に再懸濁して1時間混合した。ビーズを次に、シグナルプローブを除去した後、0.1%Tween-20を含有する0.2×SSC緩衝液で3回洗浄した。SβG(例えば酵素成分を含む第2種の結合リガンド)を含有する10pMの溶液を次にビーズペレットに加え、再懸濁し、1時間混合した。次にビーズを分離し、0.1%Tween-20を含有する5×PBS緩衝液で6回洗浄した。ビーズを次に、10μLのPBSに再懸濁し、フェムトリットルのウェルアレイにロードした。
例7
以下の例は、非限定的態様による、磁気ビーズ上でのビオチン標識DNAの捕捉と、酵素標識複合体の形成について記載する(図15参照)。興味あるDNAに特異的なDNA捕捉プローブで機能化したビーズを、1μMの標的DNA−ビオチン(5’-biotin-C TCT GAA CGG TAG CAT CTT GAC AAC-3’(配列番号4))で一晩(16時間)、0.5MのNaClおよび0.1%Tween-20を含有するTE緩衝液中でインキュベートした。インキュベーションの後、DNA標的溶液を除去し、ビーズを0.1%Tween-20を含有するPBS緩衝液で3回洗浄した。ビーズストックをマイクロタイタープレートに分散させ、100μL中ウェル当たり400,000個のビーズを与えた。緩衝液をマイクロタイタープレートウェルから吸引し、ビーズを0.05%Tween-20を含有するSuperblock中の種々のSβG濃度に再懸濁して5時間インキュベートした。いくつかの場合、インキュベーション中、ビーズを30分毎に再懸濁した。次にビーズを分離し、0.1%Tween-20を含有する5×PBS緩衝液で6回洗浄した。最後に、ビーズを0.1%Tween-20を含有するPBS10μLに再懸濁した。いくつかの態様において、ビーズを次に分離し、0.1%Tween-20を含有する5×PBS緩衝液で6回洗浄した。酵素検出のために、ビーズをa)0.1%Tween-20を含有する20μLのPBSに再懸濁し、10μLのアリコートを検出用に2つのフェムトリットルのウェルアレイにロードするか、またはb)PBS中の100μMのRGP、100μL中に再懸濁し、室温で1時間インキュベートし、蛍光プレートリーダー(Infinite M200, Tecan)上で読み取った。
例8
以下には、マイクロウェルアレイの調製の非限定的例について記載する。約5cm長さの光ファイバー束を、研磨機上で30、9および1ミクロンのダイアモンドラッピングフィルムを用いて順番に研磨した。研磨したファイバー束を0.025MのHCl溶液で130秒間化学的にエッチングし、次に直ちに水中に入れて反応をクエンチさせた。エッチングから不純物を除去するために、エッチングしたファイバーを5秒間超音波処理し、水中で5分間洗浄した。ファイバーを次に真空下で乾燥し、エアプラズマに5分間暴露して、ガラス表面を洗浄および活性化した。アレイを2%のシラン溶液で30分間シラン処理し、表面を疎水性にした。
例9
以下には、ビーズのマイクロウェルへのローディングの非限定的例について記載する。ビーズの溶液をファイバー束のエッチングされたウェルに適用するために、清浄なPVCチューブ(1/16”I.D.1/8”O.D.)および清浄な熱収縮物(heat shrink)(3/16”ID)を、約1cm長に切断した。PVCチューブの1片をまずファイバー束のエッチングされた機能化端部に置き、ビーズ溶液を保持するレザバーを作製し、続いてPBCチューブとファイバー束の間のインターフェースの周りに熱収縮物を適用して、緊密な密封を提供する。20μLの濃縮ビーズ溶液を、PVCチューブにより作製したレザバー内にピペットで入れた。ファイバー束を次に、3000rpm(〜1333g)で10分間遠心分離して、ビーズを強制的にエッチングされたウェル内に入れた。PVCチューブ/熱収縮物アセンブリーを遠心分離後に取り除いた。ファイバー束の遠端をPBS溶液に漬けて、過剰なビーズ溶液を洗い流し、続いて脱イオン水を表面に塗った。
例10
以下には、マイクロウェルアレイのビーズおよび酵素標識ビーズの検出の非限定的例について記載する。水銀光源、フィルターキューブ、対物レンズおよびCCDカメラを含むカスタム作製された画像システムを、蛍光画像の取得に用いた。ファイバー束アレイを、顕微鏡ステージ上にカスタム取付器具を用いて載せた。β−ガラクトシダーゼ基質の液滴(100μMのRPG)をシリコーンガスケット材料上に載せ、ファイバーアレイの遠端に接触させた。精密メカニカルプラットフォームは、シリコーンシートをエッチングされた光ファイバーアレイの遠端に接触するように移動させ、分離されたフェムトリットルの反応器のアレイを作製する。蛍光画像は露光時間1011msで577nmにて取得した。5つのフレーム(フレーム当たり30秒)を各ファイバー束アレイについて撮った。蛍光画像は画像解析ソフトウェアで解析して、マイクロウェルアレイの各ウェル内の酵素活性の有無を決定した。データは、開発した画像処理ソフトウェアにより、MathWorks MATLABおよびMathWorks Image Processingツールボックスを用いて解析した。ソフトウェアにより、取得した画像フレームを整列させ、反応器位置を同定し、ビーズを有する反応器の位置を示し、所定時間にわたり反応器の強度の変化を測定した。十分な強度成長を全データフレームにわたって有するビーズを含む反応器を計測し、活性な反応器の最終数を、同定された反応器の総数のパーセンテージとして報告した。
蛍光と共に、アレイを白色光で画像化し、ビーズを含むウェルを同定した。蛍光画像を取得したのち、ファイバー束アレイの遠(密封)端を白色光で照らして、CCDカメラで画像化した。ビーズによる光の散乱のために、ビーズを含むウェルはビーズなしのウェルよりも画像中明るく見えた。ビーズ付きウェルをこの方法を用いてソフトウェアにより同定した。
例11
以下には、ビーズをマイクロウェルのアレイにロードする非限定的例について記載する(図16)。50,000個のマイクロウェルのアレイを上記のように調製した。2.8μmのビーズを上記のように調製した。異なる数のビーズ(80,000から200万個のビーズ)を含有する10μLの溶液を、上記のように調製した。ビーズをマイクロウェルのアレイに上記のようにしてロードした。200万個のビーズを含む溶液をロードしたアレイを、走査型電子顕微鏡法(SEM)を用いて画像化した。SEMにより、50,000個のウェルの>99%がビーズを含み、これらのウェルの各々は1つのみのビーズを含むことが示された。80,000から200万個のビーズをロードしたアレイを白色光顕微鏡法で画像化し、画像解析を用いてビーズを含むウェルを同定した。アレイ当たりのビーズ数を3つのアレイにわたって決定し、溶液中のビーズの数の関数としてプロットした(図16B)。図16Bから、この態様においては、ロードされたビーズ数は溶液に供給されたものの一部であり、全てのウェルが、このアッセイに関するビーズローディング濃度でビーズを含むのではない。いくつかの場合、ウェルにおけるビーズの存在(白色光画像を用いて)は、酵素活性を含むウェルに相関させることができる。かかる場合、読み取りはレシオメトリック(活性ビーズ%)であることができ、ビーズローディングの変化について正規化することができる。
例12
以下には、ウェルの深さの関数としての、ビーズの充填の非限定的例について記載する(図17)。いくつかの態様において、単一のアナライト分子を含有する1つのビーズをマイクロウェルに送達することができ、こうしてこれらを空間的に分離して密封することができる。この状況を達成するために、ウェルの深さおよび幅を、所与のビーズ直径に対して最適化したパラメータに注意して制御することができる。図17A〜17Cは、マイクロウェルのアレイに上記のようにしてロードされたビーズのSEM画像を示し、ここでウェルの深さは異なる時間エッチングすることにより制御した。平均的に、ウェルは約1.5〜1.7μm/分の速度でエッチングされる。したがって、3.25μmの深さのウェルが約115〜130s内に作製される。2.5μmのウェル深さに対して(図17A)、これらが非常に浅いために非常に少数のビーズがマイクロウェル内に保持され、単一アナライトの検出は劣っている。3μm深さにおいて(図17B)、SEM画像は、1つのビーズの1つのウェルへの良好な充填と、1つのウェルに2つのビーズが生じる率の低さを示す;このアレイは良好に密封され、1つのアナライトの存在について、多数の単一ビーズのインタロゲートを可能とする。3.5μm深さのウェルにおいて(図17C)、多くのウェルは2つのビーズを含み、また1つを含むものもある。アレイ面の上の第2のビーズの存在は、上述のようにアレイの密封を劣化させ得て、単一ビーズの分離の質を落とす可能性がある。これらの実験は、2.8μm直径のビーズについての最適ウェル深さは、この態様において約3から約3.25μmの間であることを示す。この範囲が最適であるが、3.6μmのウェル深さ、すなわち、式(4)で示されるように上限値を用いる本発明の測定もまた実施することができる。
例13
以下の例は、酵素検出について本発明の非限定的方法と、従来のプレートリーダーの比較について記載する(図18A、18B、および19参照)。ビオチン−DNAビーズを上記のようにして調製した。これらのビーズを次に、ビーズが0または1ついずれかの酵素を統計的に含むように、低濃度のSβGでインキュベートした。これらのビーズをマイクロウェルにロードし、密封し、上記のようにして画像化した;図18Aおよび18Bは代表的な画像を示す。いくつかの場合、単一ビーズの分離からもたらされる酵素標識の感度の増加が、伝統的なバルク測定と比較して観察された。DNAで被覆したビーズを調製し、ビオチニル化したDNAでインキュベートし、次に上記のようにして種々の濃度のSβG(350aMから320fM)でインキュベートした。これらのビーズ上の酵素を次に2つの方法で測定した。まず、上記のようにして、ビーズをマイクロウェルのアレイにロードし、密封して画像化した。活性ウェルの割合を上記のように決定し、図19AにSβGの濃度の関数としてプロットし、低い範囲を図19Bに拡大する。次に、ビーズをマイクロタイタープレートの100μLのRPGで1時間インキュベートし、蛍光プレートリーダー上で読み取る。SβGの濃度の関数としての蛍光シグナルを図19Cにプロットする。この実験における本発明の方法の検出の下限値(LOD)(シグナルがバックグラウンドの3標準偏差の上に達する濃度として定義)は、384zMであった。プレートリーダー上のバルク測定のLODは14.5fMであった。本発明の単一分子アレイのアプローチは、したがって、酵素標識に対してプレートリーダーと比較して37,760倍の感度の増加を提供した。試験した濃度において、統計的に0または1つのアナライトのみが、ビーズ上で検出されることを指摘する;例えば、350aMでのビーズに対する酵素の比率は、21,070/400,000=0.053であった。
例14
以下の例は、非限定的態様における、本明細書に記載の方法の検出の精度について記載する。単一の分子の検出は、高い精度を可能とする。理論的には、測定における最小の分散(lowest variance)は、少数の事象の計測に付随するポアソンノイズである。この非限定的例において、ポアソンノイズの%は√N/Nにより与えられ、式中Nは活性な(酵素に結びついた)ビーズの数である。図20には、ポアソンノイズの%の、図19Bの実験データからの測定における実験分散(%CV)に対するプロットを示す。示されるように、測定(%CV)の不正確さはポアソンノイズに密接に従い、ポアゾンノイズがいくつかの場合の方法の精度を限定し得ることを示唆している。
例15
以下の非限定的例は、血清中のPSAの検出について記載する(図21)。抗PSA抗体で被覆された直径2.8μmのビーズを上記のように調製した。これらのビーズを、25%ウシ血清または10fMのPSAでスパイクした25%のウシ血清でインキュベートした。ビーズを次に、抗PSA検出抗体および3種の異なる濃度のSβG(1、10または100pM)で標識した。ビーズを次にマイクロウェルアレイにロードし、密封して上記のように画像化した。画像解析を用いて、酵素を含むビーズの割合を決定した。これらのデータは、本発明を用いて、ELISAを単一のビーズに実行し、単一の酵素標識を検出することにより、血清中の低濃度のタンパク質を検出できることを示す。この発明におけるビーズを用いたアナライト捕捉の高い効率により、用いる酵素標識の濃度を変化させてビーズに捕捉されるアナライトの一部のみを標識し、シグナル対バックグラウンドおよび測定のダイナミックレンジを最適化することができる。このデータセットにおいて、1pMの酵素標識が、最適なシグナル対バックグラウンド比率を与えた。
例16
以下の非限定的例は、TNF−αの検出について記載する(図22)。抗TNF−α抗体で被覆された直径2.8μmのビーズを上記のように調製した。これらのビーズを、25%ウシ血清または100fMのTNF−αでスパイクした25%のウシ血清でインキュベートした。ビーズを次に、抗TNF−α検出抗体(例えば第1の結合リガンド)および2種の異なる濃度のSβG(1または100pM)(例えば酵素成分を含む第2の結合リガンド)で標識した。ビーズを次にマイクロウェルアレイにロードし、密封して上記のように画像化した。画像解析を用いて、酵素を含むビーズの割合を決定した。これらのデータは、本発明を用いて、ELISAを単一のビーズに実行し、1つの酵素標識を検出することにより、血清中の低濃度のTNF−αを検出できることを示す。前の例と同様に、酵素標識の量を変化させることにより、測定によってビーズ上の単一の酵素標識のみを検出することを保証し、シグナル対バックグラウンド比率を最適化することができる。この特定の例においてバックグラウンドは非常に低く、したがってシグナル対バックグラウンド比率は、1pMの酵素標識濃度および100,000個のビーズにおいて最適である。
例17
以下の非限定的例は、緩衝液中のDNAの検出について記載する(図23)。DNAの捕捉配列で機能化された直径2.7μmのビーズを上記のように調製した。これらのビーズを次に、種々の濃度の標的DNAでインキュベートし、次いでビオチニル化シグナルプローブDNA配列で上述のようにして標識した。ビーズを次に、種々の濃度のSβG(1、10または100pM)でインキュベートすることにより標識した。次にビーズをマイクロウェルアレイにロードし、密封して上記のように画像化した。画像解析を用いて、酵素を含むビーズの割合を決定した。これらのデータは、本発明を用いて、サンドイッチ様の複合体を単一のビーズ上に形成し、単一の酵素標識を検出することにより、低濃度のDNAを検出できることを示す。タンパク質検出の場合と同様に、酵素標識の量を変化させることにより、1つより多くの標的DNA分子が捕捉された場合においてさえも、ビーズ当たり統計的に1または0個の酵素が存在することを、保証することができる。これにより、単一分子の測定のダイナミックレンジおよびシグナル対バックグラウンドを最適化することが可能となる。この場合、10pMのSβGが最適なシグナル対バックグラウンドを与えた。
比較例18
以下の非限定的例は、アルカリホスファターゼからの化学発光を含む検出を用いた方法について記載する(図24)。異なる濃度の10μLのアルカリホスファターゼを、マイクロタイタープレート中、利用可能な最も感度のよい化学発光基質(APS−5;Lumigen Inc.)を含有する溶液90μLに混合し、5分間インキュベートした。マイクロタイタープレートを次に、プレートリーダーの化学発光モードで読み取った。図24は、アルカリホスファターゼの濃度の関数としての、化学発光のプロットを示す。バックグラウンドを越えて検出可能な酵素の最小濃度は100aMであり、検出限界の計算値は50aMで、報告された値の30aMに近かった。本発明におけるビーズ上のβガラクトシダーゼの単一分子の検出(LOD=220zM)は、したがって、市販されている最も感度の高い酵素標識であるアルカリホスファターゼの化学発光検出より、100倍も感度が高い。
例19
健康と病気の状態の識別のため、および疾患の進行のモニタリングのためのタンパク質バイオマーカーの臨床的使用には、複合試料中の低濃度のタンパク質の測定が必要である。ある現在の免疫アッセイは10−12Mを超える濃度でタンパク質を測定可能であり、一方癌、神経疾患、および感染症の初期に重要な主要なタンパク質の濃度は10−16から10−12Mの範囲を循環すると考えられている。例えば、百万個の細胞からなる1mmの癌で、各細胞が5000個のタンパク質を5Lの循環血液に分泌すると、〜2×10−15M(または2フェムトリットル、fM)となる;初期のHIV感染で血清が2〜3000個のビリオンを含む場合、60×10−18M(50アトモル、aM)から15×10−15M(15フェムトモル)の範囲のp24抗原の濃度に等しい。これらの濃度を検出可能なタンパク質ベースの検出法を開発する試みは、タンパク質上での核酸標識の複製に、または標識されたタンパク質分子のバルクのアンサンブル特性を測定することに、焦点を当てていた。タンパク質を検出する感度のよい方法はしかし、核酸のための方法、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などに遅れをとっており、血液中に検出されたプロテオーム中のタンパク質の数を制限する。単一のタンパク質分子の分離および検出は、非常に低い濃度のタンパク質を測定するための最も直接的な方法を提供するが、しかし、1つのタンパク質分子の高感度で正確な検出は、チャレンジであることが証明されている。以下には、タンパク質検出のゴールドスタンダードである酵素免疫測定法(ELISA)と同じ試薬を用いた、何千もの単一タンパク質分子を同時に検出するための非限定的例示の方法を記載する。この方法は、血清中のタンパク質をアトモル濃度で検出可能であり、血液中の1つの分子の測定を可能とする。
この方法は、単一酵素分子を分離および検出できる、フェムトリットルサイズの反応チャンバーのアレイを用いる(図25)。第1のステップにおいて、サンドイッチ抗体複合体を顕微鏡サイズのビーズ上に形成し、従来のビーズベースのELISAと同様に、結合複合体を酵素受容体分子で標識する。非常に低い濃度のタンパク質を含有する試料をアッセイする場合、タンパク質分子(および得られる酵素標識複合体)のビーズに対する比率は小さく(典型的には1:1未満)、したがって、標識免疫複合体を含むビーズのパーセンテージはポアソン分布に従い、個々のビーズ上に単一の免疫複合体がもたらされる。例えば、0.1mL(3000分子)中の50aMのタンパク質を200,000個のビーズに捕捉した場合、ビーズの1.5%が1つのタンパク質分子を有し、98.5%が0個のタンパク質分子を有するであろう(図25B)。
これらの小さな数のタンパク質を従来の検出技術(例えばプレートリーダー)で検出することは不可能であり、その理由は、各酵素が生成するフルオロフォアが大きなアッセイ容積中(典型的には0.1〜1mL)に拡散するためであり、バックグラウンドを超える蛍光シグナルを生成するには、何百万もの酵素標識が必要である(図15A)。この例の方法は、非常に低濃度の酵素標識の検出を、個々の酵素により生成されたフルオロフォアを非常に小さな容積(〜50fL)に閉じ込め、蛍光産物分子の高い局所濃度をもたらすことによって可能とする。免疫アッセイにおいてこの局所化を達成するため、方法の第2ステップにおいて、免疫アッセイビーズをフェムトリットルサイズのウェルのアレイ中にロードする(図25B)。ロードされたアレイを次に、蛍光性酵素基質の液滴の存在のもとでゴム製ガスケットに対して密封し、各ビーズをフェムトリットル反応チャンバー内に分離する。1つの酵素標識免疫複合体を有するビーズは、50fLの反応チャンバーに局所的に高い濃度の蛍光産物を生成する。顕微鏡上の標準の蛍光イメージングを用いて、単一の酵素分子の検出が可能であり、1万から10万個の免疫複合体を実質的に同時に画像化できる。各免疫複合体と結びついた酵素を分離することにより、各複合体は測定可能な高いシグナルを与えることができ、バルク測定に比べて実質的に改善された感度をもたらし得る。試験試料中のタンパク質濃度は、いくつかの場合、ビーズと蛍光産物両方を含有するウェルの数を、ビーズを含有するウェルの総数に相対的に単純に計測することにより決定される(図25D)。濃度を次に、総アナログシグナルを用いるのでなく、デジタル的に決定する。
図25Aは、標準ELISA試薬を用いた、ビーズ上の単一タンパク質分子の捕捉および標識を示す。図25Bは、単一分子の分離および検出のための、ビーズのフェムトリットルマイクロウェルアレイへのロードを示す。図25Cは、ビーズローディング後の、フェムトリットルウェルアレイの小部分のSEM画像である。直径2.7μmのビーズを、直径4.5μm、深さ3.25μmのウェルのアレイ内にロードした。図25Dは、単一分子からシグナルが生成された後の、フェムトリットルウェルアレイの小部分の蛍光画像を示す。フェムトリットルチャンバーの大部分はアッセイからのビーズを含むが、これらのビーズの一部分のみが、1つの結合タンパク質を指し示す触媒酵素活性を有する。バルク溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質分子を結合したビーズのパーセンテージまたは数に相関させることができる。例示のアッセイは、50,000個のビーズに対して〜4.5logにわたって線形性を提供可能であった。
図15は、酵素結合複合体のデジタル化が、バルクのアンサンブル測定に比べて、実質的に感度を増加可能であることを示す。図15は、SβG濃度の関数としての、シグナル出力のlog−logプロット(捕捉物の使用を含むアッセイについては活性ビーズ%;プレートリーダーについては相対的蛍光単位(r.f.u.))を示す。アンサンブル読み取りについてのSβG濃度は3fMから300fMの範囲であり、検出限界は15×10−15M(15fM;ライン(i))である。本発明による例示のアッセイについて、SβG濃度は350zMから7fMであり、4.5logにわたって線形応答を実証し、検出限界は220×10−21M(220zM;ライン(ii))であった。エラーバーは、両方の技術について、3回の反復にわたる標準偏差に基づく。LODはバックグラウンドを超える3標準偏差におけるシグナルから決定した。表1は、単一事象の計測のポアソンノイズに関連する、本発明による例示のアッセイの不正確さに関する情報を提供する。単一活性ビーズの計測における固有の変動(ポアソンノイズ)は、√nにより与えられる。ポアソンノイズ関連の変動係数(CV%)を3回の測定にわたる本発明の例示のアッセイについてのCV%と比較すると、アッセイの不正確さはエラーの計測によってのみ決定されることがわかる。この観察は、本発明によるこのアッセイが、いくつかの場合、少なくとも25個の活性ビーズが検出される限り<20%の不正確さを有し得ることを示唆し、これは4.5aMの酵素濃度に等しい。
従来のアンサンブル測定と比較して、酵素標識分子を単一化することにより達成可能な潜在的感度を定量化するために、ビーズ上に酵素分子を捕捉するためのモデルサンドイッチアッセイを開発した;ビーズの集団は本発明の方法を用いて単一化して読み取るか、または従来のプレートリーダー上でアンサンブル集団として読み取った。ビーズをDNA捕捉分子で機能化し、続いてワンステップハイブリダイゼーションにおいてビオチニル化相補的DNA標的分子で飽和した(以下の方法の節を参照)。これらのビーズを用いて、種々の濃度の酵素抱合体、すなわちELISAにおいて標識として一般に用いられるストレプトアビジンβカラクトシダーゼ(SβG)を捕捉した。本発明による例示のアッセイおよび従来のアッセイインキュベーションを実質的に同じ条件下で実施したが、これらの例においてアッセイは、ビーズの読み取りステップにおいて分岐した。
比較の従来アッセイについては、βガラクトシダーゼの蛍光性基質であるレソルフィン−β−D−ガラクトピラノシド(RGP)100μMで1時間インキュベーションした後、ビーズを蛍光プレートリーダー上100μL中で読み取った。マイクロタイタープレートリーダー上での捕捉アッセイの検出限界は、SβGについて15fMであった(図15)。本発明による単一分子検出については、ビーズをフェムトリットルアレイにロードし、RGP溶液をアレイのウェルに密封後、単一の酵素から生成されるシグナルを反応チャンバーに2.5分間蓄積し、蛍光画像は30秒ごとに取得した。アレイの白色光画像を実験の最後に取得した。これらの画像を解析して、ビーズを含むウェルを同定し(白色光画像より)、これらのビーズのどれが、結びついた酵素分子の結合を有するかを決定した(時間経過蛍光画像から)。図15は、バルクSβG濃度の関数としての、酵素を含むビーズのパーセンテージのlog−logプロットを示す。本発明によるアッセイの検出限界(LOD)は、220ゼプトモル(100μL中13分子、または22ヨクトモル)であり、プレートリーダーよりも感度において68,000倍の改善に相当し、従来のアンサンブル測定に対して単一化が顕著な感度の増加をもたらすことを示す。本発明のアッセイを用いて検出したSβGの濃度は、現在最も感度の高いELISAシステムであるアルカリホスファターゼの化学発光検出(30aM)よりも140倍低かった。本プロセスで達成可能な高い熱力学的および動力学的効率は(表2)、非常に低い数の酵素標識の検出を可能とし、血液からの単一の標識分子の測定が可能であることを示す。
表2.本発明により実施したアッセイについて0.35aMから7000aMの酵素標識の捕捉効率の計算(図15)。
表2において、実験について、酵素の溶液でインキュベートした400,000個のうち、平均50,000個のビーズ(〜12.5%)がインタロゲートされた。検出されたビーズの低い割合は、この例で用いた反応器の数(50,000ウェル)により制限された。ビーズ損失を説明することにより、実験で観察された活性ビーズの数(カラムA)を用いて、使われた400,000個のビーズのうちの、活性ビーズの総数を推定することができる(カラムB)。バックグラウンドを差し引き(カラムC)、ビーズ当たりの0、1、2、3、4個等の酵素分子の分散に基づくポアソン分布調整を適用した後、ビーズ上に捕捉された分子の総数を決定することができる(カラムD)。実験開始時の、この数の100μL中の酵素の総数に対する比率(カラムE;容積×濃度×アボガドロ数)は、捕捉効率(カラムF)を生成する。本アッセイを用いた酵素の捕捉および検出の全体効率は高く(65〜85%)、いくつかの態様では、大きなSβG抱合体(MW〜515kDa)のゆっくりした拡散により、この実験において最小限に制限することができる。
サンドイッチベースのアッセイが、2つの臨床的に関連するタンパク質バイオマーカー、すなわち、前立腺特異的抗体(PSA)および腫瘍壊死因子α(TNF−α)について開発された。これらのアッセイは、この例のアッセイの高い酵素標識感度が、血液中のタンパク質を検出するのに好適な高い感度のアッセイ(<1fM)に翻訳されることを示す。DNAについてのアッセイも開発され、本例のアッセイが、標的の複製を必要とすることなく、単一の核酸分子を直接検出するために用いることができることを示した。全てのアッセイは図25Aおよび図25Bに概要を示したようにして実施され、ただしDNAアッセイでは、捕捉配列およびビオチニル化シグナル配列を、それぞれ捕捉および検出抗体の代わりに用いた。図14A〜14Cは、A)PSA、B)TNF−α、およびC)DNAからのデータを示す。タンパク質のヒト型を25%ウシ血清にスパイクして、臨床試験試料の代表とし、4倍の希釈を用いて、免疫アッセイにおけるマトリックス効果を低減することができる。
DNAを緩衝液中で検出して、精製核酸調製技術の代表例とした。25%血清中のPSA検出にデジタル検出を用いて46aMのLOD(1.5fg/mL)を得、これは全血清中の184aMに等価である。主要な市販のPSAアッセイ(ADVIA Centaur, Siemens)は、ヒト血清中3pMのLOD(0.1ng/mL)を報告しており、超高感度アッセイでは、10〜30fM範囲のLODが報告されている。したがって、本例の単一分子のアッセイは、市販のアッセイより15,000倍感度が高く、また他の超高感度アッセイより少なくとも50倍、感度が高かった。TNF−α決定における検出限界は148aM(2.5fg/mL)であり、全血清中590aMに対応する。TNF−αに対する市販のELISAの最高感度は、血清中21fMのLOD(0.34pg/mL)である(表1)。本例のアッセイはしたがって、最も感度のよいTNF−αアッセイに対して、35倍の改善をもたらした。デジタルDNAサンドイッチアッセイのLODは135aMであり、約8000コピーに対応する。本発明の一定のアッセイの、従来技術と比べて大幅に低い濃度のタンパク質を測定できる能力は、非常に低いバックグラウンドシグナルによるものであり、これは、タンパク質の検出をデジタル化することにより達成することができる。
図14A〜14Cは、デジタル検出を用いた血清中のタンパク質および緩衝液中のDNAのアトモル検出を示す。次の物質のアナライト濃度に対する、活性ビーズ%のプロットである:(図14A)25%血清中にスパイクされたヒトPSA、(図14B)25%血清中にスパイクされたヒトTNF−α、および(図14C)緩衝液中のDNA。プロットの下の列は、濃度の下限範囲を示す。アッセイは、特異的捕捉ビーズを標的溶液、ビオチニル化検出器、およびSβG抱合体と順番にインキュベートして行った。アッセイ完了後、ビーズをフェムトリットルウェルアレイにロードし、単一の免疫複合体の存在についてインタロゲートした。
本発明のデジタル検出免疫アッセイのバックグラウンドは、検出抗体および酵素抱合体の、捕捉ビーズ表面への非特異的結合(NSB)によって、少なくとも部分的に生じる可能性がある(表3)。本発明のアッセイは従来アッセイに比べて改善された標識感度を提供できるため(図15)、従来アッセイ(標識試薬濃度〜10nM)に比べて、顕著に少ない検出抗体(〜1nM)および酵素抱合体(1〜50pM)を用いて結合事象を検出することができる。標識濃度の低下は、捕捉表面に対して実質的に低減されたNSBをもたらし得、非常に低いバックグラウンドシグナルおよび低いLODをもたらす。例えば、上記のようなTNF−αおよびPSA決定において、NSBレベルは、それぞれ1.8fMおよび1.2fMの標的タンパク質により生成されたシグナルに等しかった。最高感度の市販のTNF−αアッセイは、85fMのTNF−αに等しいNSBレベルを有し(図26)、これは50倍高い。本発明のあるアッセイの、標的試薬の濃度を低下することによりバックグラウンドを低減する能力は、従来アッセイに対して改善された感度の免疫アッセイに翻訳することができる。
表3は、PSAデジタルアッセイにおいてNSBの源を単離する、ドロップアウト実験である。「検出抗体なしのNSB」(dAbなし)および「SβGなしのNSB」(SβGなし)を、総NSB(NSB)と比較することにより、検出抗体およびSβGのアッセイのNSBに対する寄与が決定できた。
ヒト臨床試料中のタンパク質の単一分子を検出することにより得られる、ユニークな診断測定を実証するために、前立腺全摘出術(RP)を受けた患者の血清試料中のPSAを測定した。PSAは、前立腺全摘出術を受けた患者のスクリーニングツールとしての、および生化学的再発をモニターするために用いる、前立腺癌の血清バイオマーカーである。前立腺全摘出術の後、PSAのほとんどは消失し、レベルは標準の市販アッセイの検出限界を下回る(3pMまたは0.1ng/mL)。これらの患者のPSAの戻りについての定期的モニタリングは、前立腺癌の再発を検出できるが、しかし、現在の免疫分析器により生化学的再発を検出するには、術後数年の経過が必要である。前立腺全摘出術後の患者のPSAレベルを非常に低い濃度(<3fMまたは100fg/mL)で正確に定量する能力は、PSAレベルが増加した場合に再発の初期の兆候を提供することができる。図27は、この例のアッセイを用いて、前立腺全摘出術を受け、その血液を手術後少なくとも6週間たって収集した30人の患者(年齢60〜89才)の血清のPSAレベルを示す。全30人の患者の血清におけるPSAレベルは市販のアッセイの検出限界を下回っていた。ここで、全血清試料は緩衝液で1:4に希釈し、この例のPSAデジタルアッセイを用いて測定した(図14A)。PSAは、全30人の患者の血清から本アッセイを用いて成功して検出された。30試料中の9試料は、前の最大PSA感度のLODより下であった。これらのデータは、本発明のあるアッセイの、現在の技術の能力より大幅に低い濃度で血清中のタンパク質を測定する、潜在的な臨床的有用性を実証する。表4は、患者の結果の概要である。
図27は、前立腺全摘出術を受けた患者の血清試料中のPSAのデジタル検出を示す。PSAの濃度は本例のアッセイを用いて、RP患者(丸印(iv))、健康な対照試料(丸印(ii))、およびBio-RadPSA対照試料(丸印(i))からの血清試料において決定した。RP患者の試料はSeraCare Life Sciences (Milford, MA)から入手し、全てが、主要な臨床診断アッセイ(ADVIA Centaur)による測定で非検出のPSAレベルを有していた;ライン(iv)は、ADVIA CentaurPSAアッセイの検出限界(100pg/mLまたは3pM)を示す。全30人の患者の試料は、本発明のPSAデジタルアッセイの検出限界より上であり、これはライン(v)(0.00584pg/mLまたは184aM)により示され、患者の最低のPSA濃度は本アッセイを用いて0.014pg/mL(420aM)において測定された。最低のPSAレベルを有する患者試料は検出可能であったが、アッセイのLODに近づいたために高い容量CV%をもたらした。本アッセイのPSAに対する特異性の確認は、ADVIA CentaurPSAアッセイによりアッセイされた対照標準(Bio-Rad)および健康な個人からの血清(ProMedDx)を用いて行った(表5参照)。
表5は、本アッセイの特異性を、市販の免疫分析器(ADVIA Centaur, Siemens)上で前もって試験されたBio-Rad(対照)およびProMedDx(健康な個人の血清)からのPSA試料を用いて確認したものを示す。例示の方法を用いて決定した健康な血清試料のPSA濃度は、ADVIA Centaur上で前に決定されたものより(24±12)%低かった。2つの技術間のこの系統的なバイアスについては、2つの可能性のある説明が存在する。第1に、ADVIA Centaur値は新鮮な血清から得て、一方、本発明のアッセイの値は、血清を長い時間凍結し、凍結融解サイクルを経た後に得た。第2に、校正曲線を作成するために用いたPSA校正装置の間に差がある可能性があり、これが決定されたPSA濃度の差をもたらし得る。世界保健機構(WHO)からの複合体PSAを、校正装置として用いた;ADVIA Centaur校正PSAは未知である。
ELISAで形成された単一の免疫複合体を分離および検出することにより、本発明のあるアッセイは、標準読み取り法および他の既知の超高感度アプローチに対して、感度、精度およびダイナミックレンジの改善をもたらすことができる。本発明のあるアッセイは、標準および超高感度読み取りフォーマットの検出限界を下回る感度を血清中で提供できるが、酵素標識LODに基づき潜在的に2以上のlogの感度が可能である(図15)。本発明のある態様による、個々のビーズ上で単一の分子を分離およびインタロゲートする能力は、真の抗体−抗原結合事象の、非特異的結合複合体からの識別を容易にする。これらの2つの集団を同定して識別することにより、ヒト血清試料中の単一バイオマーカー分子の検出が許容される。
磁気ビーズ上のタンパク質の捕捉および酵素標識免疫複合体の形成(図17および27)。
標的タンパク質に対して抗体で機能化されたビーズを、製造業者の指示に従って調製した。興味あるタンパク質を含有する試験溶液を、200,000個のビーズの懸濁液と共に室温で2時間インキュベートした。ビーズを次に分離して、PBSおよび0.1%Tween-20で3回洗浄した。ビーズを再懸濁し、検出抗体を含有する溶液(典型的には1〜3nM)で室温で45分間インキュベートした。ビーズを次に分離して、PBSおよび0.1%Tween-20で3回洗浄した。ビーズを、SβGを含有する溶液(典型的には1〜50pM)と共に室温で30分間インキュベートし、PBSおよび0.1%Tween-20で6回洗浄した。次にビーズを10μLのPBSに再懸濁し、フェムトリットルウェルのアレイにロードした。
例20
図28は、本発明の実験における反応器の平均蛍光強度のヒストグラムである。実験の代表的画像セットを解析して、次のような反応器の集団を決定した:(i)ビーズを含まないもの;(ii)ビーズを含むが(白色光散乱から)、酵素を含まない(蛍光強度の増加なし);および(iii)ビーズ(白色光散乱から)および酵素を含む(4つの連続画像にわたり蛍光強度が増加、および全体の蛍光の少なくとも20%の増加)。具体的には、ライン(i)は、空の反応器からのデータを表し、ライン(ii)は、ビーズはあるが酵素はない反応器を表し(「オフ」ビーズ)、ライン(iii)は、ビーズおよび酵素活性両方がある反応器を表す(「オン」ビーズ)。
例21
以下の例は、蛍光性の捕捉物(例えばビーズ)を用いた、捕捉物を含むアッセイ区画の決定について記載する。
いくつかの場合、暗視野検出法以外の方法を用いて、区画(例えばこの例ではウェル)におけるビーズの有無を決定することが有利となる場合がある。いくつかの場合、暗視野検出法は、以下の理由により理想的ではない可能性がある:1)散乱光源は、光の非均一な視野をビーズ付きアレイの表面に送り、したがってビーズを含むウェルにより生成される散乱光の強度の分布は広くなり、分布の極度に高いか極度に低い強度領域にあるビーズ付きアレイは、ビーズを含むと正しく決定されない可能性がある;2)ビーズ付きおよび空のウェルからの散乱における小さな差は、局所的なウェルとウェルの間の散乱の差に基づく検出アルゴリズムにおいて、高いビーズ占領での所望の精度を欠く可能性があり、これは、ウェルとウェルの間の差が、一貫して検出するには小さすぎるためである;および3)ビーズ検出における暗視野散乱の使用は、多重目的のための、同一アレイにおける異なる種類のビーズの使用を排除する可能性がある。
多くの異なる色および蛍光発光波長のミクロスフェアが市販されており、いくつかを、本明細書に記載のようにアッセイで用いた。発光波長を選択して、本例において検出される実体として用いた単一の酵素分子触媒(570/590の励起/発光)により生成されるレソルフィン染料を検出するための読み取り波長に、スペクトルが重ならないようにした。市販の蛍光ビーズ(例えば、FITC標識およびQdot525標識ビーズ)を調べる実験では、ビーズにロードした蛍光染料の量は、いくつかの場合に非常に高く、そのためビーズの蛍光がレソルフィンチャネル(570/590)に混ざった(bled)。いくつかの態様において、低いバックグラウンド蛍光をアナライト分子の検出波長にわたって有することが重要であり、これは、ウェルの蛍光産物の量(例えばアナライト分子からの)が相対的に少ないからである。
したがってこの例では、ビーズは種々の量の染料と共にロードされ(例えば下に記載のように)、こうして、ビーズが容易に画像システムにより計測され、同時に染料の量を十分低く保って、システムの現在のバックグラウンドレベルに干渉しないようにした。この例で、各ビーズ表面は約100,000個の抗体分子(例えば捕捉成分)を含み、これらの抗体の非常に小さな割合のみを次に用いて、アナライト分子または粒子と結びつかせる。例えば約10個のアナライト分子が平均して1個のビーズと結びついた場合、10個のみの捕捉抗体分子(捕捉成分の0.01%のみ)が標的分子に結合し、これは次にシステムにより検出される。ビーズ表面で利用可能な未使用抗体の割合が大きいので、この例の染料標識アプローチでは、染料分子の直接的な、ビーズ表面の抗体への共有結合的付加を用いた。
Alexa Fluor(登録商標)488スルホジクロロフェノールエステル(AF-488 SDPエステル)は、Invitrogenから購入したアミン反応性染料分子であり、これを本例で用いた。抗体被覆ビーズを、種々のモル比のAF-488 SDPエステルでインキュベートした。抗体:AF-488 SDPエステルのモル比として1:27から1:800を試験し、これらは全て、Alexa 488チャネルにおいて明るいシグナルを与えた。図29Aは、1:27の比率で修飾した抗体ビーズを示す。ビーズはAlexa 488チャネル内に見られ、一方、AF-488修飾ビーズのバックグラウンドのレソルフィンチャネル蛍光は、標準の非修飾抗体ビーズと同程度であるように見える。特に図29Aは、レソルフィンチャネルを用いた、標準アレイの一部の画像を示す;図29Bは、レソルフィンチャネルを用いた、1:27モル比のAlexa 488修飾ビーズの一部の画像を示す;および図29Cは、Alexa 488チャネルを用いた、1:27モル比のAlexa 488修飾ビーズの一部の画像を示す。
表6は、Alexa 488修飾ビーズおよび標準の非修飾ビーズの、両方の蛍光チャネルにおける相対的強度を示す。標準ビーズは両チャネルで類似したバックグラウンド蛍光を与え、Alexa 488ビーズはAlexaチャネルにおいて明るいシグナルを与え(〜400カウント)、一方でレソルフィンバックグラウンドを、標準ビーズと同程度に維持した。
修飾ビーズの強度をAlexa 488校正曲線と比較することにより、各ビーズは約5,000個のAlexa 488染料分子を結合して有すると計算された。ビーズ表面上のかかる少数の染料分子を用いて、Alexa 488標識手順が、タンパク質検出アッセイにおいて抗体ビーズに負の影響を与えるかどうかを評価するための実験を行った。Alexa 488染料で標識した抗体ビーズは、アルツハイマー病に関連するタンパク質であるタウタンパク質に特異的に結合する。対照ビーズおよびタウ特異的捕捉抗体を有するAlexa 488ビーズを、上記例3、5、8、9および10の記載と同様のアッセイにおいて、ただし抗タウ抗体を用いて、比較した。図29Dに示す結果は、Alexa 488との結合が、アッセイにおいてビーズの性能にほとんどまたは全く負の効果を及ぼさないことを示唆する。特に図29Dは、タウアッセイについて、対照ビーズからのシグナルをAlexa 488標識ビーズと比較した結果を示す。
初めのアッセイ結果は、Alexa 488結合がアッセイで用いるビーズの性能にほとんどまたは全く負の効果を及ぼさないことを示すが、Alexa 488標識が、非標識のアッセイビーズに比べて、ビーズ計測に利点をもたらすかどうかも決定した。この決定結果の概略を表7に示す。この結果は、タウアッセイにおいてAlexa 488抱合ビーズを用い、1つのストリップについて2つの解析モードを用いて決定された。このストリップは、標準の暗視野法および、Alexa 488検出法を用いて解析した。暗視野法と蛍光検出法をビーズ計測について比較した結果は、Alexa 488検出法が、暗視野法より改善されていることを示す。アレイにわたって、1300から6500個の間のいかなるビーズも、暗視野画像化を用いては計測されなかった。
例22
本発明のアッセイ法のある態様において、検出抗体の添加から、一定のアレイまたはアレイ領域のインタロゲーションまでと、その他のアレイまたは領域のインタロゲーションまでの間の時間経過に変化が生じる場合がある。ある場合には、かかる時間間隔の間に起こり得る乖離は、アナライト分子濃度決定の、後でなされたものと初期のものとの間に不正確さをもたらし得る。この例では、アッセイ決定の時間変化する精度に対する、乖離を低減する手段の効果について調べた。この例において、アッセイは次のステップを含む:
1.酵素標識PSA分子(捕捉抗PSA、血清中PSA、ビオチニル化検出抗PSA、およびSβG)の免疫複合体を、磁気ビーズ上に形成し、例3および5に記載のもと同様の方法を用いて洗浄した。免疫複合体を提示する磁気ビーズを、一定の炭水化物(例えばスクロース、トレハロース等)またはタンパク質の水和状態の維持を助ける任意の他の分子種を含有する緩衝液中で交換した。
2.ビーズをファイバー束アレイのマイクロウェル中に、例9に記載の方法と同様にしてロードした後、過剰な緩衝液を空気/真空乾燥により除去した。
3.ビーズをロードしたファイバー束を様々な時間の間保存した。
4.シグナル生成/アレイの読み取りの直前に、乾燥したファイバー束をPBS緩衝液に浸漬し、スワブで拭い、再度PBS緩衝液に浸漬し、次に100μMのRGPを含有する溶液中に浸漬した。アレイを次に密封し、上記例10で用いたものと同様の方法で読み取った。
ビオチニル化検出抗体の捕捉アナライト分子からの乖離は、特に、時間と共に継続的なシグナルの低下を引き起こし得る。ある場合、乖離は、アッセイの実施の間に、1つのアレイまたはアレイのシリーズのインタロゲーションの間にわたって、50%を超えるシグナル低下の主な原因となり得る(例えば図30A参照)。図30Aは、異なる4日の日にわたって実施された類似の実験からのデータを示す。これらの実験において、酵素標識PSAの免疫複合体は、8ウェルのカラム内に配置された96ウェルプレートの64のウェルのビーズ上に同時に調製した。各カラムからのビーズを次に、増加する時間において(x軸上に示す)、単一分子検出(例10)を用いて8アレイのストリップ上で試験した。各データ点は、最初のカラムを試験する前に得た校正曲線との比較による、8ウェルのカラムから決定されたPSAの濃度の平均である。この時間によるシグナルの低下(決定するPSA濃度における低下として表出される)は、核酸(例えばDNA)が関与するアッセイにおけるよりも、タンパク質を試薬/標的として用いるアッセイにおいてより顕著となり得る。シグナルの減少は、ある場合において乖離モデルに適合する。
本例において、ウェルの乾燥を行うことにより、乖離の効果を90%まで除去または低減した(例えば図30B参照)。
当業者は、伝統的な免疫アッセイ(例えばELISA)が検出実体の乖離によるシグナルの損失に悩まされることを知っているが、一般にこれらは、免疫複合体の乖離に対する特別な処置を要求せず、その理由は、プレートを非常に素早く読み取るためである。例えば、1分間程度のうちに、マイクロプレートリーダーは全96ウェルプレートに対するシグナルを生成することができる。この時間枠内でのウェル1とウェル96の間の乖離における違いは無視できる。しかし、本明細書に記載の方法のような、ある場合においてアッセイ部位のインタロゲーションにより長い時間がかかるアッセイについては、乖離は方法の正確さおよび/または精度に影響を及ぼし得る。したがって、アッセイ部位の乾燥プロセスは、アナライト分子および/または結合リガンドの損失を防ぎ、乖離の効果を低減することができる。
いくつかの態様において、マイクロウェル内でアナライト分子(例えばタンパク質)の天然の構造および/または生物学的活性を維持し、乾燥/再水和プロセスにおいて免疫複合体および/または標識剤(単数または複数)(例えば酵素)を保護することができる、追加の成分を供給してもよい。例えば、ルーチンのスクリーニング試験を用いて、抗体/抗原/酵素複合体を完全なままで維持することができる、および/または酵素活性を乾燥/再水和後に維持できる剤を、同定することができる。かかる剤なしでは、乾燥により酵素またはアッセイのその他の成分を変性および/または不活性化する可能性がある。例えば既知の非イオン性の強親水性物(kosmotorope)のスクリーニングは、炭水化物が、乾燥/再水和処理の後に免疫複合体シグナルの90〜100%を維持する助けとなることが明らかにされた。炭水化物およびその他の分子は、タンパク質アレイアッセイの脱水の間に抗体を活性に保つために、および/または脱水/凍結乾燥の間にタンパク質の活性を保つために、用いることができる。
例23
以下の例は、結合リガンドをアナライト分子に架橋して、結合リガンドのアナライト分子からの乖離の防止を支援することについて記載する。このアッセイにおいて、酵素標識PSA免疫複合体は、例3、5、および22に記載したものと同様の方法を用い、血清中にスパイクするPSAの濃度:0、0.1、および1pg/mLを用いて、ビーズ上に形成した。1セットのビーズを10mg/mLのEDCと10分間反応させて、検出抗体を、ビーズに結びついた他のタンパク質、例えばPSA、捕捉抗体およびブロッキングタンパク質と架橋させた。対照ビーズはEDCと反応しなかった。対照ビーズを次に、上記の例10に記載したものと同様の方法を用いて、t=0および2時間後に読み取った。架橋ビーズも、例10に記載したものと同様の方法で、架橋の約2時間後に読み取った。結果は、2時間後に、対照ビーズのビーズ当たりの平均酵素数が、検出抗体の乖離のために減少したことを示した。架橋ビーズはしかし、2時間後にも高いAFBを維持した。これらのデータは、検出抗体のタンパク質への架橋はビーズと逆相関し、実質的に乖離の効果を排除することを示唆する。さらに、図31(EDAC処理;(ii))に示すように、おそらく対照ビーズが読み取りの前に経る余分の乖離時間のために、架橋は0時間の待機(i)に比べてシグナルを増加させた。
本発明のいくつかの態様を本明細書に記載し説明したが、当業者は容易に、本明細書に記載の機能を実施するため、および/または結果および/または1もしくは2以上の利点を得るための、種々のその他の手段および/または構造を想定することができ、かかる改変および/また変更は、本発明の範囲内と見なされる。さらに一般的に、当業者は、本明細書に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、および構造は例示を意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構造は、本発明の教示を用いる1または2以上の具体的な用途に依存することを、容易に理解する。当業者は、ルーチンの実験以上のものを用いることなく、本明細書に記載された発明の特定の態様に対する多くの等価物を、認識し、または確認することができる。したがって、前述の態様は例としてのみ提示されており、添付のクレームおよびその等価物の範囲内で、本発明は、具体的に記載およびクレームされているものと異なって実践可能であることが、理解されるべきである。本発明は本明細書に記載された各個々の特性、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。さらに、2または3以上のかかる特性、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせも、かかる特性、システム、物品、材料、キット、および/または方法が互いに矛盾しなければ、本発明の範囲内に含まれる。
不定冠詞「a」および「an」は、本明細書およびクレームにおいて、明確に逆の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解される。
クレームにおいて、また上記の明細書において、全ての移行句「含む(comprising)」、「含む(including)」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」等は、制限のないこと、すなわち、これらを含むがそれに限定はされないことを意味すると理解されるべきである。「〜からなる」および「本質的に〜からなる」の移行句のみが、それぞれ、限定的または半限定的な移行句とされる。

Claims (58)

  1. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するための方法であって、
    少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を各々が含む複数の捕捉物を、前記少なくとも1種のアナライト分子または粒子を含有するかまたは含有する疑いのある溶液に暴露すること;
    アナライト分子または粒子を、前記複数の捕捉物に対して、少なくともいくつかの捕捉物は少なくとも1つのアナライト分子または粒子に結びつき、かつ捕捉物の統計的に有意な割合はいかなるアナライト分子または粒子にも結びつかないような様式で固定化すること;
    固定化ステップを経た捕捉物の少なくとも一部を、複数の別々の区画に空間的に分別すること;
    空間的分別ステップを経た複数の区画の少なくとも一部にアドレスし、少なくとも1つのアナライト分子または粒子を含む前記区画の数を決定すること;および
    流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、少なくとも1つのアナライト分子または粒子を含むと決定された区画の数に少なくとも部分的に基づいて決定すること;
    を含む、前記方法。
  2. 少なくとも1つのアナライト分子または粒子と結びついた捕捉物のパーセンテージが、捕捉物総数の約50%未満である、請求項1に記載の方法。
  3. いかなるアナライト分子または粒子とも結びつかない捕捉物のパーセンテージが、捕捉物総数の少なくとも約20%である、請求項1に記載の方法。
  4. アドレスするステップにおいて、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含み、かつアナライト分子もしくは粒子を含まない捕捉物を含む区画の数を決定する、請求項1に記載の方法。
  5. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度が、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含みかつ少なくとも1つのアナライト分子もしくは粒子を含有する捕捉物を含むと決定された区画の数の、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む捕捉物を含むと決定された区画の総数に対する比率に少なくとも部分的に基づく、請求項4に記載の方法。
  6. アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含みかつ少なくとも1つのアナライト分子もしくは粒子を含有する捕捉物を含むと決定された区画のパーセンテージが、約50%未満である、請求項5に記載の方法。
  7. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度が、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含みかつ少なくとも1つのアナライト分子もしくは粒子を含有する捕捉物を含むと決定された区画の数の、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む捕捉物を含むが、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含みかつ少なくとも1つのアナライト分子もしくは粒子を含有するいかなる捕捉物も含まないと決定された区画の数に対する比率に少なくとも部分的に基づく、請求項4に記載の方法。
  8. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度が、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含みかつ少なくとも1つのアナライト分子もしくは粒子を含有する捕捉物を含むと決定された区画の数の、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む捕捉物を含まない区画の数に対する比率に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
  9. 少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む複数の捕捉物が、複数のビーズを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 複数のビーズの平均直径が、約0.1μmから約100μmの間である、請求項9に記載の方法。
  11. 複数のビーズの平均直径が、約1μmから約10μmの間である、請求項9に記載の方法。
  12. 複数の区画が、複数の反応器を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 複数の反応器が、光ファイバー束の端部に形成されている、請求項12に記載の方法。
  14. アドレスするステップにおいてアドレスされる反応器の数が、反応器の総数の少なくとも約5%である、請求項12に記載の方法。
  15. 複数の反応器が、封着要素の少なくとも一部を基板の少なくとも一部と合わせることにより形成される、請求項12に記載の方法。
  16. 複数の反応器が、平らな基板に形成される、請求項12に記載の方法。
  17. 複数の反応器の平均容積が、約10アトリットルから約100ピコリットルの間である、請求項12に記載の方法。
  18. 複数の反応器の平均容積が、約1フェムトリットルから約1ピコリットルの間である、請求項12に記載の方法。
  19. 複数の反応器を密封することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  20. アナライト分子または粒子の少なくとも一部が、少なくとも1つの結合リガンドに結びついている、請求項1に記載の方法。
  21. 結合リガンドが酵素成分を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 区画を前駆標識剤に暴露することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  23. 空間的分別のステップに続いて、区画を前駆標識剤に暴露する、請求項22に記載の方法。
  24. 前駆標識剤が、結合リガンドに暴露されると標識剤に変換される、請求項22に記載の方法。
  25. 少なくとも1つのアナライト分子もしくは粒子を含有する捕捉物を含む区画の数を、標識剤を含む区画の数を決定することにより決定する、請求項24に記載の方法。
  26. 標識剤が色原体、蛍光体、または化学発光体である、請求項24に記載の方法。
  27. アナライト分子または粒子が酵素成分を含む、請求項1に記載の方法。
  28. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度が、約50×10−15M未満である、請求項1に記載の方法。
  29. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、測定されたパラメータと校正標準の比較により少なくとも部分的に決定する、請求項1に記載の方法。
  30. 固定化ステップの間に、アナライト分子または粒子の少なくとも約10%が、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む捕捉物に対して固定化される、請求項1に記載の方法。
  31. 空間的分別ステップの間に、固定化ステップを経た捕捉物の少なくとも約0.5%が、複数の区画に空間的に分離される、請求項1に記載の方法。
  32. 少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む捕捉物の一部が、複数の区画を複数の捕捉物を含む溶液に暴露することにより、空間的に分離される、請求項1に記載の方法。
  33. アナライト分子または粒子がタンパク質である、請求項1に記載の方法。
  34. アナライト分子または粒子が核酸である、請求項1に記載の方法。
  35. 少なくとも1つの洗浄ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  36. 複数の区画を、光学技術を用いてアドレスする、請求項1に記載の方法。
  37. 結合表面が複数の捕捉成分を含む、請求項1に記載の方法。
  38. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を決定するための方法であって、
    少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を各々が含む複数の捕捉物を、前記少なくとも1種のアナライト分子または粒子を含有するかまたは含有する疑いのある溶液に暴露して、少なくとも1つの固定化されたアナライト分子または粒子を含む捕捉物を形成すること;
    暴露ステップで調製された捕捉物を、複数の結合リガンドと、少なくともいくつかの捕捉物は1つの結合リガンドに結びつき、かつ捕捉物の統計的に有意な割合はいかなる結合リガンドにも結びつかないような様式で混合すること;
    混合ステップを経た捕捉物の少なくとも一部を、複数の区画に空間的に分別すること;
    空間的分別ステップを経た複数の区画の少なくとも一部にアドレスし、結合リガンドを含む区画の数を決定すること;および
    流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、結合リガンドを含むと決定された区画の数に少なくとも部分的に基づいて決定すること;
    を含む、前記方法。
  39. アドレスするステップにおいて、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含み、かつ結合リガンドを含まない捕捉物を含む区画の数を決定する、請求項38に記載の方法。
  40. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度が、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含みかつ結合リガンドを含有する捕捉物を含むと決定された区画の数の、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む捕捉物を含むと決定された区画の総数に対する比率に少なくとも部分的に基づく、請求項39に記載の方法。
  41. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度が、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含みかつ結合リガンドを含有する捕捉物を含むと決定された区画の数の、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む捕捉物を含むが、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含みかつ結合リガンドを含有するいかなる捕捉物も含まないと決定された区画の数に対する比率に少なくとも部分的に基づく、請求項39に記載の方法。
  42. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度が、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含みかつ結合リガンドを含有する捕捉物を含むと決定された区画の数の、アドレスするステップにおいてアドレスされ、少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む捕捉物を含まない区画の数に対する比率に少なくとも部分的に基づく、請求項38に記載の方法。
  43. 少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む複数の捕捉物が、複数のビーズを含む、請求項38に記載の方法。
  44. 複数の区画が、複数の反応器を含む、請求項38に記載の方法。
  45. 複数の反応器が、光ファイバー束の端部に形成されている、請求項44に記載の方法。
  46. アドレスするステップにおいてアドレスされる反応器の数が、反応器の総数の少なくとも約5%である、請求項44に記載の方法。
  47. 複数の反応器の平均容積が、約10アトリットルから約100ピコリットルの間である、請求項44に記載の方法。
  48. 複数の反応器の平均容積が、約1フェムトリットルから約1ピコリットルの間である、請求項44に記載の方法。
  49. 結合リガンドが酵素成分を含む、請求項38に記載の方法。
  50. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度が、約50×10−15M未満である、請求項38に記載の方法。
  51. 流体試料中のアナライト分子または粒子の濃度の測度を、測定されたパラメータと校正標準の比較により少なくとも部分的に決定する、請求項38に記載の方法。
  52. 混合ステップの間に、固定化されたアナライト分子または粒子の少なくとも約10%が、結合リガンドに結びつく、請求項38に記載の方法。
  53. 空間的分別ステップの間に、固定化ステップを経た捕捉物の少なくとも約0.5%が、複数の区画に空間的に分離される、請求項38に記載の方法。
  54. 少なくとも1種のアナライト分子または粒子に対して親和性を有する結合表面を含む捕捉物の一部が、複数の区画を複数の捕捉物を含む溶液に暴露することにより、空間的に分離される、請求項38に記載の方法。
  55. 区画を前駆標識剤に暴露することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
  56. 前駆標識剤が、結合リガンドに暴露されると標識剤に変換される、請求項55に記載の方法。
  57. 少なくとも1つのアナライト分子もしくは粒子または標識剤を含有する捕捉物を含む区画の数を、標識剤を含む区画の数を決定することにより決定する、請求項56に記載の方法。
  58. 標識剤が色原体、蛍光体、または化学発光体である、請求項56に記載の方法。
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