JP2016038360A - 微小粒子検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検体中の微小粒子を高速に且つ効率よく検出する。【解決手段】微小粒子検出装置は、微小粒子を含む検体が注入される検体注入部を有する検体チップ(7)と、光源(8)と、上記光源(8)からの光を上記検体に照射する照射光学系(1)と、上記光の照射により上記微小粒子から発せられた光を検出する光検出光学系と、上記微小粒子からの光の強度に基づいて上記微小粒子を検出する検出部とを備え、上記光検出光学系は、上記光源(8)からの光を上記検体に向けて透過させる一方、上記微小粒子から発せられた光を集光する対物レンズ素子(2)を含み、上記対物レンズ素子(2)は、上記光源(8)からの光を上記検体に向かって集光する形状を有するビーム光透過部を含み、上記検体注入部の厚みをD、上記光源(8)からの照射光の波長をλ、上記ビーム光透過部での照射光のビーム半径の減少率をRとした場合に、関係式D≦λ/R2を満たすようになっている。【選択図】図1

Description

この発明は、微小粒子検出装置に関する。
従来より、微小粒子検出装置として、液体中あるいはメンブレンやスライドガラス上に展開された微小粒子に光を照射し、上記微小粒子から発生する蛍光あるいは散乱光を検出して、粒子の計数あるいは性状検査を行うものがある。ここで、上記微小粒子としては、無機粒子、微生物、細胞、血液中の赤血球、白血球、血小板、血管内皮細胞、上記組織の微小細胞片等が含まれる。そして、上記微小粒子は、液体中にある場合には微小粒子懸濁液となる。
上記微小粒子の検出方法としては、幾つかの検出方式が知られている。
フローサイトメーターにおいては、上記微小粒子の懸濁液を毛細管にシース液と共に流す。そして、上記毛細管の一部にレーザー光を照射し、上記微小粒子に光が当たった時に生ずる散乱光あるいは蛍光を検出することによって、粒子の種類や粒子の大きさを分類する。例えば、特定の粒子と結合する蛍光試薬で粒子を標識することによって、蛍光を発する粒子の数を計数して上記特定の粒子のみを計数することができる。
このフローサイトメーターを用いることにより、微小粒子の懸濁液を高速にフローしながら測定することが可能であるので、大量の検体を短時間で処理し、微小粒子から発せられる蛍光や散乱光等の強度を定量的に計測することができる。
しかしながら、上記サブミクロンの粒子から発せられる散乱光の強度を定量的にまで測定可能なフローサイトメーターは、装置が大型であって高価なシステムとなっている。
また、一般的に、上記フローサイトメーターにおいては、フロー機構等の複雑な機構が必要であり、メンテナンス性の悪化やコスト上昇の原因となっている。
上記フローサイトメーター以外の粒子の検出方法として、上記フロー機構を用いずに、微小粒子が二次元的に分布する所定の範囲を撮像して、撮像画像の情報から微小粒子の数を係数し、さらには種類や大きさを判定する方法がある。この方法では、撮像画像を用いて粒子の検出や分析を行うことから、上記フローサイトメーターに対してイメージサイトメーターと呼ばれる。
上記イメージサイトメーターにおける画像化方法としては、ある程度の視野範囲を有する顕微鏡とデジタルカメラとから成る撮像装置を用いて、光源および上記撮像装置を固定した状態で視野範囲の二次元領域を撮像する方法と、レーザー光を二次元的にスキャンしながら散乱光または蛍光を検出して、スキャン領域の粒子を画像化する方法とがある。
上記顕微鏡とデジタルカメラとによる撮像の場合には、1μm以上の粒子では高精度な画像測定が可能であるが、サブミクロンの粒子を測定する場合には、高倍率な対物レンズを有する顕微鏡と高感度な(つまり、低ノイズでダイナミックレンジの幅が広い)デジタルカメラとが必要になるので、非常に高価なシステムとなる。また、サブミクロン粒子の場合、光の波長と粒子のサイズとが同等になるので回折限界によって結像性能が低下し、粒子サイズの正確な判定が困難になる。
さらに、上記顕微鏡として蛍光顕微鏡システムを用いれば、容易に粒子を検出することが可能である。ところが、同様に、サブミクロン粒子の場合に光の波長と粒子のサイズとが同等になるので、粒子サイズの正確な判定ができない。また、微小粒子を測定する場合には高倍率の対物レンズを使用しなければならず、必然的に視野が小さくなるので測定回数が増える。つまり、高倍率な顕微鏡では、測定時間が膨大になることと定量性とが問題になるのである。
一方、上記レーザー光をスキャンしながら散乱光または蛍光を検出するシステムにおいては、レーザー光を粒子に集光して照射し、粒子から発生する散乱光または蛍光を検出しながら、上記レーザー光を搭載した光学ヘッドを二次元的に走査して画像化する。この場合、レーザー光を粒子に集光して照射し、粒子から発生する散乱光または蛍光を検出しながら、上記光学ヘッドを二次元的に走査して画像化する。
このように、上記光学ヘッドを上記サンプルに対して相対的にスキャンしながら光を検出するシステムにおいては、サブミクロンの粒子を検出する場合、レーザー光の照射スポット径は、粒子サイズと同等かそれ以上に大きくなる。そのために、二次元スキャンの結果得られる画像は、粒子の一つ一つが解像された画像になってはいないので、画像から直接粒子の大きさを計測することは困難である。ところが、上記レーザー光の照射スポットが粒子サイズよりも大きくても、粒子サイズによって粒子から生じる散乱光強度が異なるので、散乱光の強さから粒子径を判定することは可能である。その理由は、粒子径と散乱光強度とに相関があるためである。
その場合、散乱光を高感度に検出する検出器(低ノイズで広ダイナミックレンジな検出器)とレーザー光源とが必要になるが、高倍率な対物レンズを有する顕微鏡と高感度なデジタルカメラとを用いるシステムに比較して、安価なシステム構成が可能である。
上記光学ヘッドを上記サンプルに対して相対的にスキャンしながら光を検出するシステムとして、特開2012‐83621号公報(特許文献1)に開示された走査型レーザ顕微鏡がある。この走査型レーザ顕微鏡においては、標本上においてレーザー光を二次元走査する走査部と、この走査部によって走査されたレーザー光を上記標本に集光する対物レンズと、上記標本からの光を検出する光検出部とを有している。そして、拡大部分画像生成部によって、上記光検出部で検出された光の強度と上記走査部の走査位置情報とに基づいて、相互に重複せずに隣接する上記標本の部分画像を含み、且つ、この分画像よりも大きな拡大部分画像を、上記部分画像と同じ画素分解能で生成する。さらに、拡大部分画像蓄積部によって、上記拡大部分画像生成部で生成された複数の上記拡大部分画像を蓄積し、画像合成部によって、上記拡大部分画像蓄積部に蓄積された複数の上記拡大部分画像を互いに一部重複するように合成して、上記標本の全体画像を生成するようにしている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の走査型レーザ顕微鏡においては、以下のような問題がある。すなわち、レーザー光を二次元的に走査しながら微小粒子から発せられる散乱光または蛍光を検出する場合には、走査面積が広くなるとそれに応じて測定時間が長くなる。そこで、同じ量の検体を検出する場合に測定時間を短くするためには、単位走査面積当たりのサンプル量(微小粒子量)を増やすことが有効である。
しかしながら、上記従来の走査型レーザ顕微鏡においては、単位走査面積当たりのサンプル量を増やすことを実現するための考慮は何ら行われてはいない。したがって、上記従来の走査型レーザ顕微鏡を、微小粒子の検出に用いた場合には、走査面積が広くなると測定時間が長くなるという問題がある。
特開2012‐83621号公報
そこで、この発明の課題は、検体中の微小粒子を高速に且つ効率よく検出可能な微小粒子検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の微小粒子検出装置は、
微小粒子を含む検体が注入される検体注入部を有する検体チップと、
光源と、
上記光源から出射された光を、上記検体チップにおける上記検体に対して照射する照射光学系と、
上記光の照射によって上記検体中の上記微小粒子から発せられた光を検出する光検出光学系と、
上記光検出光学系によって検出された上記微小粒子からの光の強度に基づいて、上記微小粒子を検出する検出部と
を備え、
上記光検出光学系は、上記光源から出射された光を上記検体に向けて透過させる一方、上記光の照射によって上記検体中の上記微小粒子から発せられた光を集光する対物レンズ素子を含み、
上記対物レンズ素子は、上記光源からの光を透過させると共に、透過後の光を上記検体に向かって集光させる形状を有するビーム光透過部を含んでおり、
上記検体チップの上記検体注入部における光照射方向への厚みをD、上記光源からの照射光の波長をλ、上記ビーム光透過部における上記集光による照射光のビーム半径の減少率をRとした場合に、関係式
D≦λ/R2
を満たすようになっている
ことを特徴としている。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
下記の関係式
D≦λ/R2≦3D
を満たすようになっている。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記対物レンズ素子における上記ビーム光透過部の表面は、光を屈折によって集光させる曲率を有しており、
上記検体チップの上記検体注入部における光照射方向への厚みをD、上記光源からの照射光の波長をλ、上記ビーム光透過部を透過する照射光のビーム半径をr0、上記ビーム光透過部を透過後の光の焦点距離をfとした場合に、関係式
D≦λ(f/r0)2
を満たすようになっている。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記対物レンズ素子における上記ビーム光透過部は、光軸に沿った領域であって、透過後の光の屈折角が上記ビーム光透過部を除く他の領域よりも小さくなるような形状を有して、上記光源からの照射光を上記検体に向かって絞る機能を有しており、
上記対物レンズ素子における上記ビーム光透過部を除く他の領域は、透過後の上記微小粒子からの光の屈折角が上記ビーム光透過部側から外周縁側に向かって大きくなるような形状を有して、上記微小粒子から広角に発せられた光を集光する機能を有している。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記対物レンズ素子と上記検出部との間に設けられると共に、上記対物レンズ素子を透過した上記微小粒子からの光を透過させる穴を有するアパーチャを備え、
上記アパーチャにおける上記穴の径を、上記検体注入部における厚みDの範囲に分布する上記微小粒子からの光を全て取り込むと共に、上記検体注入部の厚みDの範囲内に存在する上記微小粒子から発せられる光の上記検出部による光検出効率の変動率が10%以下になるように設定している。
尚、ここで言う、光検出効率の変動率が10%以内とは、同程度の光強度の点光源が厚みDの範囲に分布している状態を想定した場合に、検出強度のバラツキが10%未満であることを意味している。
以上より明らかなように、この発明の微小粒子検出装置は、上記検体チップの上記検体注入部における光照射方向への厚みDは、関係式「D≦λ/R2」を満たすようになっている。また、上記対物レンズ素子の上記ビーム光透過部における照射光のビーム半径の減少率Rは、概ねF値の逆数の2分の1と同義であって、R=1/(2F)=NAの関係にある。したがって、上記関係式「D≦λ/R2」は、次のように変形することができる。
D≦λ/R2=λ/NA2
そして、焦点深度d=λ/NA2を用いて上記関係式は、さらに次のように変形することができる。
D≦λ/R2=d
すなわち、この発明においては、上記対物レンズ素子における上記照射光の焦点深度dは、上記検体注入部における光照射方向への厚みD以上になるように設定されている。したがって、上記検体注入部に注入されて厚みを有する検体領域に対して、上記照射光を均一に照射することができる。換言すれば、上記検体領域の厚み方向で異なる位置に微小粒子が存在していても、上記微小粒子を検出することが可能になる。
さらに、上記検査チップを回転または一方向に走査した際に、上記検査チップが光照射方向に面ブレを起こした場合でも、上記焦点深度dが上記検体注入部の厚みD以上であるので、上記焦点深度dが上記厚みDより大きい分だけ上記面ブレの影響を低減することができる。
さらに、厚みDを有する上記検体を一度に測定可能になるので、上記検体中の微小粒子を高速に且つ効率よく検出することが可能になり、測定時間の短縮を図ることが可能になる。
この発明の微小粒子検出装置における概略構成を示す図である。 図1における検査チップの概略構成を示す斜視図および断面図である。 図2における検体注入層の中心に被検出微小粒子が存在する図である。 上記検体注入層の上部に被検出粒子が存在する図である。 上記検査チップの表面で散乱光が発生すると想定した場合の図である。 図1とは異なる微小粒子検出装置の概略構成を示す図である。 図1および図6とは異なる微小粒子検出装置の概略構成を示す図である。 図7における光学モジュールによる検体のスキャン状態を示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態の微小粒子検出装置の概略構成を示す図である。この微小粒子検出装置は、検体が注入されたディスク状の検査チップと、検査チップを回転させる回転駆動系と、散乱光および蛍光を検出する光検出光学系と、上記検出光学系を半径方向に駆動させる駆動機構とから、概略構成されている。
図1において、1は光源装置、2は対物レンズ、3〜5は第1〜第3検出装置である。光源装置1と対物レンズ2と第1〜第3検出装置3〜5とは、枠体内に収納されて光学モジュール6を構成している。そして、光学モジュール6の上方には対物レンズ2に対向して円形のディスク状の検査チップ7が配置され、検査チップ7内には例えば蛍光物質によって標識された微小粒子が分布する懸濁液やゲル支持体やメンブレン等の転写支持体が検体として注入されている。
上記光学モジュール6の光源装置1には、光源としての半導体レーザー8が設けられており、半導体レーザー8の光軸上には、コリメータレンズ9,第1バンドパスフィルタ10,第1ND(減光)フィルタ11および第1アパーチャ12をこの順で配置している。ここで、半導体レーザー8,コリメータレンズ9,第1バンドパスフィルタ10,第1NDフィルタ11および第1アパーチャ12は、一つのケース内に収納されて上記照射光学系の一例である光源装置1を構成している。
さらに、上記半導体レーザー8の光軸上には、第1アパーチャ12を透過した光を、対物レンズ2側に向かうように反射させるプリズムミラー13を配置している。また、対物レンズ2の光軸上におけるプリズムミラー13の図1中下方には、プリズムミラー13側から順に、対物レンズ2からの蛍光を透過する一方、散乱光を反射する第1ダイクロイックミラー14と、第1ダイクロイックミラー14を透過した蛍光のうち、第1波長を有する第1の蛍光を透過する一方、上記第1波長よりも波長が短い第2波長を有する第2の蛍光を反射する第2ダイクロイックミラー15とを配置している。
尚、この発明で言うところの「散乱光」とは、上記半導体レーザー8から出射された光が、上記検体の照射箇所から周囲に等方的あるいは異方的に散乱された光であり、出射光と同じ波長の光である。これに対し、「蛍光」とは、半導体レーザー8から出射された光が上記検体を照射して微小粒子を標識している蛍光物質を励起し、上記検体の照射箇所から周囲に等方的に散乱された蛍光であり、出射光とは異なる波長の光である。
ここで、詳述はしないが、上記対物レンズ2はレンズホルダ(図示せず)に格納されており、ステッピングモータ等の駆動部(図示せず)によって光軸方向に移動されて、焦点位置を変更可能になっている。
また、図1において、上記対物レンズ2の光軸上における第2ダイクロイックミラー15の図1中下方には、第2ダイクロイックミラー15側から順に、対物レンズ2によって集光されて平行光に変換された上記検体からの光(上記第1波長とは異なる波長の光)を減光する第2バンドパスフィルタ16、第2バンドパスフィルタ16を通過した第1波長の第1の蛍光を集光する第1レンズ17、および、第1レンズ17を通過した第1の蛍光の迷光をカットする第2アパーチャ18が配置されている。さらに、対物レンズ2の光軸上における第2アパーチャ18の上記下方には、第2アパーチャ18を通過した第1の蛍光を検出する光電子増倍管(PMT)等の検出素子を含む第1検出器19が配置されている。ここで、第2アパーチャ18と第1検出器19とは、一つのケース内に収納されて上記光検出光学系の一例である第1検出装置3を構成している。
上記第2ダイクロイックミラー15の図1中左方には、第2ダイクロイックミラー15側から順に、第3バンドパスフィルタ20,第2レンズ21,第3アパーチャ22および第2検出器23が配置されており、第3アパーチャ22と第2検出器23とは、一つのケース内に収納されて上記光検出光学系の一例である第2検出装置4を構成している。尚、上記第3バンドパスフィルタ20,第2レンズ21,第3アパーチャ22および第2検出器23は、基本的には、第2バンドパスフィルタ16,第1レンズ17,第2アパーチャ18および第1検出器19と同じ構成を有している。但し、上記第2波長の第2の蛍光に対する処理を行う点において異なる。
また、上記第1ダイクロイックミラー14の図1中右方には、第1ダイクロイックミラー14側から順に、第2NDフィルタ24,第3レンズ25,第4アパーチャ26および第3検出器27が配置されており、第4アパーチャ26および第3検出器27は、一つのケース内に収納されて上記光検出光学系の一例である第3検出装置5を構成している。尚、第2NDフィルタ24,第3レンズ25,第4アパーチャ26および第3検出器27は、基本的には第2バンドパスフィルタ16,第1レンズ17,第2アパーチャ18および第1検出器19と同じ構成を有している。但し、上記検体からの散乱光に対する処理を行う点において異なる。
すなわち、本実施の形態においては、上記光検出光学系を、対物レンズ2、各ダイクロイックミラー14,15、各フィルタ16,20,24、各レンズ17,21,25、各アパーチャ18,22,26、および、各検出器19,23,27で構成するのである。
上記検査チップ7は、透明に且つ円形に構成されており、中心軸28に固定された透明且つ円形なテーブル29に載置されて、中心軸28に対して固定されている。中心軸28は、上記回転駆動系の一例としてのモータ30で回転可能になっている。これに対し、光学モジュール6は、検査チップ7が成す円板の半径方向に、上記駆動機構によって移動可能になっている。尚、光学モジュール6の上記駆動機構については特に限定するものではない。例えば、光学モジュール6の枠体を、ステッピングモータ等で上記半径方向に往復動されるタイミングベルト等により、上記半径方向に配設されたガイドレールで案内されて、移行可能に構成する。
図2に、上記検査チップ7の概略構成を示す。但し、図2(a)は外観斜視図であり、図2(b)は図2(a)におけるA‐A’矢視断面図である。検査チップ7は、中心に固定用のセンターホール33が設けられた2枚の透明な基板31,32を、中心に固定用のセンターホール35が設けられたスペーサ34を介して貼り合わせた構造を有している。
上記スペーサ34には、上記センターホール35と同心円状の円形溝36が形成されている。そして、スペーサ34の両側面を2枚の基板31,32で塞ぐことによって、円形溝36はドーナツ状の空間と成り、上記検体が注入される検体注入層となる。検体注入層36はスペーサ34の厚さに相当する厚みDを有している。尚、検体注入層36の厚みDとしては、数十マイクロメートル程度が望ましい。また、一方の(例えば、図2中上側に位置する)基板31には、検体注入層36に上記検体を注入するための検体注入口37が形成されている。この検体注入口37は、周方向に複数箇所(図2(a)では4箇所)、径方向に複数箇所(図2(a)では2箇所)設けられ、上記検体が注入された後に封止される。
こうして上記検体が注入された検査チップ7をテーブル29に載置し、モータ30によって回転させながら、光学モジュール6を半径方向に移動させて、上記検体中の微小粒子からの蛍光および散乱光の検出が行われる。
以下、一例として、上記2種類の蛍光と上記散乱光とを同時に検出する場合を例に挙げて、本微小粒子検出装置の動作および機能について説明する。
上記光源装置1の半導体レーザー8からレーザー光を出射させる。出射されたレーザー光はコリメータレンズ9で平行光にされ、第1バンドパスフィルタ10を透過する。第1バンドパスフィルタ10では不要な波長の光がカットされる。次に、レーザー光は、第1NDフィルタ11を透過して照射光強度の一部が減光され、入射光ビーム径成形用の第1アパーチャ12を透過し、プリズムミラー13に導かれる。そして、レーザー光は、プリズムミラー13によって反射され、対物レンズ2およびテーブル29を通過して、検査チップ7の検体注入層36に集光される。
その場合、上記プリズムミラー13の長手方向(水平方向)の長さは短く、上記長手方向に直交する方向の幅は狭くなっており、半導体レーザー8からのレーザー光は対物レンズ2の光軸付近(ビーム光透過部)のみを通過するようになっている。こうして、検体注入層36中の微小粒子に集束光が照射されると、上記集束光が照射された部分から周囲に等方的に散乱された蛍光および散乱光が生ずる。
このとき、上記対物レンズ2の開口径に対して、第1アパーチャ12を透過したレーザー光のビーム径を小さくている。すなわち、対物レンズ2のNA(numerical aperture:開口数)に対して、上記レーザー光の実効NAを小さくしている。したがって、上記レーザー光の焦点深度が深くなり、厚みを有する検体注入層36に注入されて厚みのある検体領域に対して、上記レーザー光を均一に照射することができる。これにより、上記検体領域の厚み方向で異なる位置に微小粒子が存在していても、微小粒子を検出することができるのである。
また、上記検査チップ7を回転させた際に中心軸28の延在方向に面ブレが生じても、焦点深度が検体注入層36の厚みDより大きければ、その分だけ上記面ブレの影響を低減させることができる。さらに、厚みのある上記検体を一度に測定可能になるので、大量の検体を高速に測定および処理することが可能になり、測定時間を短縮することが可能になる。尚、上記焦点深度は、焦点位置でのスポット径のルート2倍の位置までの距離と定義するのが一般的である。また、スポット径は、スポットの中心位置での光強度に対して1/e2の強度となる位置での直径とするのが一般的である。
また、上記焦点深度を、照射光の波長/(照射光の実効NA)2で定め、その値を検査チップ7における検体注入層36の厚み以上に、且つ検体注入層36の厚みの3倍以下に設定している。したがって、照射光のスポット径を一定の大きさに収め、必要な焦点深度を確保することができる。
尚、上記実効NAは、検査チップ7のタンジェンシャル方向とラジアル方向とで異なっていても良い。例えば、タンジェンシャル方向の実効NAが、ラジアル方向の実効NAよりも大きくても良い。その場合には、焦点位置近傍ではラジアル方向のビーム径がタンジェンシャル方向に比べて大きくなる。こうすることによって、ディスク状の検査チップ7を回転させた際に、回転非同期の偏心が生じた場合であっても、ラジアル方向へのビームの広がりの分だけ余裕があり、微小粒子を読み飛ばすことを防ぐことができる。また、タンジェンシャル方向とラジアル方向とで実効NAが同一である場合に比較して、タンジェンシャル方向の分解能を高めることができる。また、焦点位置近傍での単位面積当たりの照射光強度を高めることができる。
上記対物レンズ2で集光されたレーザー光が、検査チップ7内の微小粒子に照射されると、微小粒子によって散乱された散乱光と蛍光とが発生する(以下、散乱光と蛍光とをまとめて信号光と言う)。発生した上記信号光を、第1〜第3レンズ17,21,25で集束光にする。ここで、第1〜第3レンズ17,21,25は、上記レーザー光を集光する際に用いた対物レンズ2と同一のレンズを用いてもよい。その場合には、同一のレンズを用いることによって、本微小粒子検出装置の小型化を図ることが可能になる。さらに、散乱光の検出において対物レンズ2と同一のレンズを用いた場合には、微小粒子で散乱された光のうち所謂後方散乱光を検出することとなり、散乱光による微小粒子系の分別が容易になる。
上記信号光のうちの散乱光は、第1ダイクロイックミラー14で反射され、第2NDフィルタ24で減光された後、第3レンズ25で収束されて第3検出器27に導かれる。第3レンズ25の焦点位置には第4アパーチャ26が配置されており、迷光が除去される。
上記第4アパーチャ26の径は、レーザ光(照射光)の焦点深度内に位置する物質からの光は十分に通過可能であるが、合焦位置以外からの散乱光や迷光を除去可能な径に、設定されている。例えば、検査チップ7における基板32の面やレンズ2,25の面で発生した反射光は対物レンズ2の焦点位置から大きくずれているので、対物レンズ2の後段に続く光学系によって第4アパーチャ26の位置では広がった光となる。そのため、効率よく第4アパーチャ26を透過することができずにカットされるのである。
ここで、上記第4アパーチャ26のアパーチャ径の決定方法は、以下のとおりである。
・アパーチャ径決定方法A
(1)図3に示すように、上記検体注入層36における厚み方向の中心に被検出微小粒子38が存在する場合、散乱光が対物レンズ2および第3レンズ25で集光され、第4アパーチャ26を透過して第3検出器27で検出される光強度を100とする。
(2)図4に示すように、上記検体注入層36における厚み方向の上部または下部に被検出粒子38が存在する場合、散乱光が対物レンズ2および第3レンズ25で集光され、第4アパーチャ26を透過して第3検出器27で検出される光強度が90以上になる。
上記A‐(1)およびA‐(2)が成立するようにアパーチャ径を決定することによって、検体注入層36内において厚み方向の異なる位置に微小粒子が存在したとしても、第4アパーチャ26を透過して第3検出器27によって検出される光強度の変動率は10%以内であり、散乱光検出時における微小粒子径の誤差も10%以内にすることができる。
・アパーチャ径決定方法B
(1)図3に示すように、上記検体注入層36における厚み方向の中心に被検出微小粒子38が存在する場合、散乱光が対物レンズ2および第3レンズ25で集光され、第4アパーチャ26を透過して第3検出器27で検出される光強度を100とする。
(2)上記検体注入層36における厚み方向の上部または下部であって厚みの2倍の位置で散乱光が発生すると想定した場合、散乱光が対物レンズ2および第3レンズ25で集光され、第4アパーチャ26を透過して第3検出器27で検出される光強度が70以上になる。
上記B‐(1)およびB‐(2)が成立するようにアパーチャ径を決定することによって、中心軸28方向(つまり光照射方向)への面ブレによって検査チップ7が厚み方向に移動したとしても、第4アパーチャ26を透過して第3検出器27によって検出される光強度の変動率は30%以内であり、散乱光検出時における微小粒子径の誤差も30%以内にすることができる。
・アパーチャ径決定方法C
(1)図3に示すように、上記検体注入層36における厚み方向の中心に被検出微小粒子38が存在する場合、散乱光が対物レンズ2および第3レンズ25で集光され、第4アパーチャ26を透過して第3検出器27で検出される光強度を100とする。
(2)図5に示すように、上記検査チップ7の表面または裏面で散乱光が発生すると想定した場合、散乱光が対物レンズ2および第3検出レンズ25で集光され、第4アパーチャ26を透過して第3検出器27で検出される光強度が0.01以下になる。
上記C‐(1)およびC‐(2)が成立するようにアパーチャ径を決定することにより、検査チップ7の表面やテーブル29の面に存在するキズやゴミに起因して散乱光が発生したとしても、第4アパーチャ26を透過して第3検出器27によって検出される光強度は0.01%以下であり、不要な面からの散乱光の影響も0.01%以下にすることができる。
上記アパーチャ径決定方法A,B,Cの条件を総て満たすアパーチャ径が、最も第4アパーチャ26のアパーチャ径として適している。その理由は、キズやホコリ等の異物に起因して意図しない散乱光が混入することが想定され、散乱光検出時におけるアパーチャ径の設定が特に重要だからである。
上記第1ダイクロイックミラー14を透過した上記信号光のうち、波長がより短い上記第2波長を有する第2の蛍光は第2ダイクロイックミラー15で反射され、第3バンドパスフィルタ20を透過した後、第2レンズ21で収束されて第2検出器23に導かれる。第2レンズ21の焦点位置には第3アパーチャ22が配置されており、第3アパーチャ22によって迷光が除去される。
上記第2ダイクロイックミラー15を透過した波長がより長い上記第1波長を有する第1の蛍光も同様に、第2バンドパスフィルタ16を透過した後に、第1レンズ17で収束されて第1検出器19に導かれる。第1レンズ17の焦点位置には第2アパーチャ18が配置されており、迷光が除去される。
上記第1検出器19および第2検出器23による蛍光検出の場合には、傷によって蛍光が生ずる可能性は低いので、第2アパーチャ18および第3アパーチャ22のアパーチャ径は、必ずしも上記アパーチャ径決定方法A,B,Cの条件を総て満たす必要はない。上記アパーチャ径決定方法Aのみを満たしていればよい。
以上のようにして、上記第1の蛍光が第1検出器19に導かれ、上記第2の蛍光が第2検出器23に導かれ、上記散乱光が第3検出器27に導かれると、第1検出器19,第2検出器23および第3検出器27では、上記信号光に対して光電変換が行われ、得られた電気信号が信号処理部に導かれる。そして、上記信号処理部によって、アナログ信号である上記電気信号がAD変換されてデジタル信号に変換され、さらに上記デジタル信号が処理されて、上記検出部の一例であるパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に転送される。
そうすると、上記情報処理装置においては、処理された上記デジタル信号に基づいて、どのような蛍光または散乱光を発生する微小粒子が存在したかを定量的に分析して、分析結果を表示するのである。
以上のごとく、本実施の形態においては、上記検査チップ7の検体注入層36に注入された上記検体に対して、半導体レーザー8から出射されたレーザー光をコリメータレンズ9およびプリズムミラー13を介して照射する。そして、上記検査チップ7が載置されたテーブル29をモータ30によって回転する一方、光源装置1と対物レンズ2と第1〜第3検出装置3〜5とが収納された光学モジュール6を半径方向に移動させる。こうして、集束されたレーザー光が照射された上記検体中の微小粒子から周囲に等方的に散乱された蛍光および散乱光を、第1〜第3検出装置3〜5の第1〜第3検出器19,23,27によって検出する。
このように、レーザー光を二次元的に走査しながら微小粒子から発せられる散乱光または蛍光を検出する場合には、走査面積が広くなって測定時間が長くなるので測定時間を短くする必要がある。それには、単位走査面積当たりの微小粒子量を増やすことが有効である。
そして、そのために、上記検査チップ7の検体注入層36に厚みDを持たせると共に、それに合わせて光学系を以下のように最適化している。
先ず、微小粒子検出の精度を向上させるためには、照射光であるレーザーの径をできる限り絞った状態で、上記検体に照射することが望ましい。そこで、レーザー光を対物レンズ2で上記検体の位置に焦点が合うように絞って上記検体に照射する。レーザー光をレンズを用いて絞る場合には、回折の効果によってレーザー光の径を無限小にまで絞れない。レーザー光を絞る場合の径の最少値であるスポット半径rは、強度分布を持たない場合の円形フランフォーファ回折像を考慮した場合、r=0.61λ/NA(NA:開口数、λ:光の波長)で与えられることが一般的に知られている。したがって、ビーム半径を、上記検体が注入されている厚みDの範囲全体おいて、上記スポット半径rに近い値になる(例えば、ビーム半径がスポット半径rのルート2倍以下に納まる)ように設定することが望ましい。
ここで、ビーム半径がスポット半径rのルート2倍以下となるための条件は、焦点深度d=λ/NA2を用いて、D≦dで与えられる。また、対物レンズ2の集光によるレーザー光のビーム半径の減少率Rは、概ねF値の逆数の2分の1と同義であって、R=1/(2F)=NAの関係にある。したがって、上記条件は、以下のように変形できる。
D≦d=λ/NA2=λ/R2
尚、上記特許文献1においては、上述のような「ビーム半径がスポット半径rのルート2倍以下に納まるように設定する」や「上記検体が注入されている厚みDを焦点深度d以下にする」という配慮に関する記載がない。したがって、上記特許文献1において上記条件を満たしていない場合には、検体注入部に厚みDを持たせたとしても、厚みD内でレーザー光のビーム径が大きい箇所と小さい箇所とができてしまう。特に、ビーム径が大きい箇所ではレーザー光の光密度が小さいことから、微小粒子から発せられる光の強度が微弱となり、上記厚みDの領域に在る微小粒子は検出感度が低下してしまう。
そのため、上記厚みDの検体注入部内の全ての微小粒子の検出に有効に活用することができない。あるいは、上記厚みDの検体注入部内で微小粒子から発せられる光の強度に分布ができてしまうため、検出される微小粒子からの光の強度のばらつきが大きくなってしまうのである。
また、上記焦点深度d(=λ/R2)を、検体注入層36の厚みDの3倍以下に設定している。焦点深度d(=λ/R2)が大き過ぎると、以下のような問題が生ずる。
すなわち、上記レーザー光のスポット半径rは、ビーム半径の減少率Rに比例する(上述のごとくr=0.61λ/NA=0.61λ/R(NA:開口数、λ:光の波長))。そのために、上記減少率Rが小さい(つまり、レーザー光の集光率が小さい)場合には、上記検体に照射されるレーザー光のビーム半径が大きくなってしまい、微小粒子の検出精度が低下してしまう。
すなわち、上記減少率Rが小さいと、焦点深度dを大きくすることができる一方で、レーザー光のビーム半径を絞ることができないというトレードオフの関係にある。
そこで、D≦λ/R2(=d)の関係を満たしつつ、ビーム半径は可能な限り小さくするため、上述のように、焦点深度d(=λ/R2)を、検体注入層36の厚みDの3倍以下に設定するのである。ここで、上記焦点深度dの上限値である「3D」は、上記照射光学系および上記光検出光学系の精度や、光学モジュール6の径方向へのスキャン時における中心軸28の延在方向のブレ等を考慮して、第1検出器19,第2検出器23および第3検出器27によって最適な精度で光を検出可能なように設定されている。
また、本実施の形態においては、上記微小粒子から発せられる光は広い角度の範囲で発せられるため、その光を効率的に第1〜第3検出器19,23,27に導くため、開口の広い対物レンズ2を用いている。さらに、対物レンズ2は、光軸に沿った一部がレーザー光を透過できるようになっている。すなわち、本実施の形態においては、対物レンズ2は、レーザー光を透過させて上記検体に導くための機能と、上記微小粒子からの光を集光するための機能とを兼ね備えているのである。
そして、上記半導体レーザー8からのレーザー光は、対物レンズ2の光軸付近のごく狭い領域のみを透過し、対物レンズ2を透過後にD≦λ/R2の条件を満たして上記検体に照射されるようになっている。さらに、対物レンズ2全体の領域は、上記微小粒子から発せられた光を第1〜第3検出器19,23,27に導くようになっている。
本実施の形態においては、上述のこと実現するために、上記対物レンズ2の形状を以下のように設定している。
すなわち、上述したように、上記対物レンズ2の光軸近傍の一部であって、上記光源である半導体レーザー8からのレーザー光を透過するビーム光透過部は、緩やかな曲率を有して半導体レーザー8からのレーザービーム(以下、単にビームと言う)を検査チップ7に向かって絞る機能を有している。ここで、対物レンズ2に入射するビームの半径をr0、対物レンズ2透過後のビームの焦点距離をfとすると、焦点距離fを有効口径(2・r0)で割った値である実効F値を用いて、上記減少率Rの定義は、R=1/(2F)=1/2(f/(2・r0))=r0/fで与えられる。したがって、上述した「D≦λ/R2」の条件は、D≦λ/R2=λ(f/r0)2と変形することができる。尚、対物レンズ2の一部にしかレーザー光が入射しないので、r0の取り方をレンズ直径とする普通のF値ではなく、r0を入射するビームの直径とする実効的なF値となる。
上記対物レンズ2における光軸近傍の上記ビーム光透過部と、その他の周辺部分とを含む対物レンズ2全体は、上記検体から広角に出射された散乱光および蛍光を第1〜第3検出器19,23,27に向かって集光する検体光透過部となっている。そして、上記ビーム光透過部の領域から外側に向かって、徐々に透過後の散乱光および蛍光の屈折角が大きくなるような形状になっている。
すなわち、本実施の形態において、上記対物レンズ2における光軸に沿った上記ビーム光透過部は、レーザー光を緩く絞る(但し、絞り過ぎると焦点距離fが小さくなり過ぎるため、上記減少率Rが大きくなり、上述した「D≦λ/R2」の条件を満たさなくなってしまう)ために、対物レンズ2を透過後のレーザー光の屈折角が上記周辺部分よりも小さくなるような形状になっている。一方において、それ以外の領域は、上記検体から広角に出射されたレーザー光を集光するために、対物レンズ2を透過後の散乱光および蛍光の屈折角が上記ビーム光透過部側から外周縁側に向かって徐々に大きくなるような形状になっているのである。
また、本実施の形態においては、上記対物レンズ2で集光された蛍光および散乱光は第1〜第3レンズ17,21,25で収束され、第2〜第4アパーチャ18,22,26を介して第1〜第3検出器19,23,27に導かれる。その場合における各アパーチャ18,22,26のアパーチャ径の決定は、検体注入層36における厚みDの範囲に分布する微小粒子からの上記蛍光および上記散乱光を全て取り込めるように決定している。その場合、検体注入層36内において厚み方向の異なる位置に微小粒子が存在したとしても、各アパーチャ18,22,26を透過して各検出器19,23,27によって検出される光の検出効率の変動率は10%以内に在るようにしている。ここで言う、光検出効率の変動率が10%以内とは、同程度の光強度の点光源が厚みDの範囲に分布している状態を想定した場合に、検出強度のバラツキが10%未満であることを意味する。
通常、アパーチャは、目的の光のみを透過し、それ以外の光を遮蔽するように設計される。例えば、光軸方向における特定の深さから発せられた光は透過し、それ以外の深さからの光は遮光するように設計される。ここで、各アパーチャ18,22,26を透過する上記蛍光および上記散乱光が発せられる位置における深さの範囲が検体注入層36の厚みDよりも小さい場合には、厚みDの範囲に分布する微小粒子の全てを検出することができなくなってしまう。そこで、この発明においては、上述のごとくレーザー光の焦点深度dを検体注入層36の厚みDよりも大きく設定するだけではなく、各アパーチャ18,22,26を透過する光が発せられる位置の深さ範囲をも検体注入層36の厚みDよりも大きく設定している。
こうすることによって、上記検体注入層36内において厚み方向の異なる位置に微小粒子が存在したとしても、各アパーチャ18,22,26を透過して各検出器19,23,27によって検出される光強度の変動率を10%以内にし、蛍光および散乱光検出時における微小粒子径の誤差を10%以内にすることができるのである。
・第2実施の形態
本実施の形態は、上記第1実施の形態における上記照射光学系とは異なる照射光学系に関するものであり、照射レーザー光をダイクロイックミラーで反射させる構成を有している。
図6は、本実施の形態の微小粒子検出装置における概略構成を示す図である。41は光源装置、42は対物レンズ、43は第1検出装置、44は第2検出装置である。光源装置41と対物レンズ42と第1検出装置43と第2検出装置44とは、枠体内に収納されて光学モジュール45を構成している。そして、光学モジュール45の上方には対物レンズ42に対向して円形のディスク状の検査チップ46が配置され、検査チップ46内には例えば蛍光物質によって標識された微小粒子が分布する懸濁液やゲル支持体やメンブレン等の転写支持体が検体として封入される検体注入層47が設けられている。
上記光学モジュール45の光源装置41には、光源としての第1半導体レーザー48が設けられており、第1半導体レーザー48の光軸上には、第1コリメータレンズ49,スポットサイズ調整レンズ50および第1アパーチャ51を、この順で配置している。さらに、第1半導体レーザー48に加えて、第1半導体レーザー48から出射されるレーザー光の第1波長とは異なる、第2波長のレーザー光を出射する第2半導体レーザー52を配置している。さらに、第2半導体レーザー52からのレーザー光を平行光化する第2コリメータレンズ53を配置している。そして、第1半導体レーザー48の光軸と第2半導体レーザー52の光軸との交差位置には、第1波長のレーザー光を透過する一方、第2波長のレーザー光を反射する第1ダイクロイックミラー54を配置している。ここで、第1半導体レーザー48,第1コリメータレンズ49,スポットサイズ調整レンズ50,第1アパーチャ51,第2半導体レーザー52,第2コリメータレンズ53および第1ダイクロイックミラー54は、一つのケース内に収納されて上記照射光学系の一例である光源装置41を構成している。
さらに、上記第1半導体レーザー48の光軸上には、上記第1ダイクロイックミラー54を透過した光を、対物レンズ42側に向かうように反射させるプリズム55を配置している。また、プリズム55によって反射された光と対物レンズ42の光軸との交差位置には、プリズム55からの光を対物レンズ42に入射するように反射させる第2ダイクロイックミラー56を配置している。ここで、第2ダイクロイックミラー56は、検体注入層47内の微小粒子からの蛍光を透過する一方、散乱光を反射する。
上記構成においては、第1半導体レーザー48および第2半導体レーザー52の複数の光源を搭載しているが、必ずしも複数の光源が必要ではない。
また、57はバンドパスフィルタ、58は第1レンズ、59は第2アパーチャ、60は第1検出器であり、蛍光の検出を行う。一方、61はNDフィルタ、62は第2レンズ、63は第3アパーチャ、64は第2検出器であり、散乱光の検出を行う。すなわち、本実施の形態においては、上記光検出光学系を、対物レンズ42、第2ダイクロイックミラー56、各フィルタ57,61、各レンズ58,62、各アパーチャ59,63、および、各検出器60,64で構成するのである。
上記検査チップ46は、透明に且つ円形に構成されており、中心軸65に固定された円形の皿状のホルダ66に収容されて、中心軸65に対して固定されている。上記中心軸65は、上記回転駆動系の一例としてのスピンドルモータ67で回転可能になっている。これに対し、光学モジュール45は、検査チップ46が成す円板の半径方向に、上記駆動機構によって移動可能になっている。尚、66aはエンコーダリングが設けられたホルダ66の外周面、68は上記エンコーダリングを検知するための一対の発光素子と受光素子とが搭載されたヘッドである。
以下、一例として、上記散乱光を検出する散乱光検出の場合を例に挙げて説明する。
上記光源装置41における第1半導体レーザー48および第2半導体レーザー52のうちの、第2ダイクロイックミラー56で反射される波長のレーザー光を出射する方の半導体レーザー、例えば第1半導体レーザー48から第1波長のレーザー光を出射させる。
上記第1半導体レーザー48から出射されたレーザー光は、第1コリメータレンズ49,スポットサイズ調整レンズ50および第1アパーチャ51で収束され、第1ダイクロイックミラー54を透過する。次いで、プリズム55および第2ダイクロイックミラー56によって反射され、対物レンズ42および検査チップ46を通過して、検体注入層47に集光される。その場合、プリズム55の長手方向(水平方向)の長さは短く、上記長手方向に直交する方向の幅は狭くなっており、第1半導体レーザー48からのレーザー光は対物レンズ42の光軸付近(レーザー光透過部)のみを通過するようになっている。こうして、検体注入層47中の微小粒子に集束光が照射されると、上記集束光が照射された部分から周囲に等方的に散乱された散乱光が生ずる。
上記散乱光は、上記検体注入層47における上記集束光が照射された部分から周囲に等方的に出射される。そして、出射された散乱光のうちの検査チップ46を透過して対物レンズ42に入射した成分が、対物レンズ42を通過し、第2ダイクロイックミラー56によって反射され、NDフィルタ61,第2レンズ62および第3アパーチャ63を通過して、第2検出器64によって検出される。そして、第2検出器64で検出された信号は、内蔵されるAD変換器等によってAD変換等の処理が施された後に、上記検出部の一例であるパーソナルコンピュータ(PC)等へ送出される。こうして、検体注入層47上の各測定点での散乱光強度の分布が内部メモリ等に記録される。また、検出信号に基づいて粒子カウントを行った場合には、粒子カウントデータが上記内部メモリ等に記録される。
上記第3アパーチャ63は、空間的な迷光をカットするために配置されている。また、共焦点アパーチャとしても機能しており、検体注入層47が存在する面以外からの不必要な反射光や迷光を除去する。例えば、検査チップ46の面やレンズ面で発生した反射光は対物レンズ42の焦点位置からずれているので、対物レンズ42の後段に続く光学系によって第3アパーチャ63の位置で広がった光となり、効率よく第3アパーチャ63を透過することができない。
こうして、上記検査チップ46を回転させながら上述のような検出を行うことにより、各測定点での散乱光強度が上記PCの内部メモリ等に記録される。
尚、上述の説明は、上記第1半導体レーザー48からの第1波長のレーザー光による散乱光検出の場合を説明したが、第2半導体レーザー52からの第2波長のレーザー光による場合も、第1ダイクロイックミラー54で反射される以外は、全く同様である。また、上記蛍光を検出する蛍光検出の場合も、第2ダイクロイックミラー56を透過した蛍光を第1検出装置43で検出する以外は、全く同様である。
本実施の形態によれば、微小粒子で発生した蛍光がプリズム55およびその支持台(図示せず)で遮られることがなく、上記蛍光を高感度で検出することができるのである。
本実施の場合においても、上記対物レンズ42の焦点深度dを、照射光の波長λ/(照射光の実効NA)2で、つまり照射光の波長λ/(ビーム半径の減少率R)2で定め、その値を検査チップ46における検体注入層47の厚みD以上に、且つ検体注入層47の厚みDの3倍以下に設定している。こうして、照射光のビーム半径をスポット半径rのルート2倍以下に収めて、必要な焦点深度dを確保するようにしている。
また、上記各アパーチャ59,63を透過する光が発せられる位置の深さ範囲を検体注入層47の厚みDよりも大きく設定している。
また、上記対物レンズ42の形状を、光軸に沿った領域である上記ビーム光透過部は、透過後の光の屈折角が他の領域よりも小さくなるような形状を有して、各半導体レーザー48,52からの照射光を上記検体に向かって絞る機能を有するようにしている。一方、上記ビーム光透過部を除く他の領域は、透過後の上記微小粒子からの光の屈折角が上記ビーム光透過部側から外周縁側に向かって大きくなるような形状を有して、上記微小粒子から広角に発せられた光を集光する機能を有するようにしている。
こうすることによって、上記検体注入層47内において厚み方向の異なる位置に微小粒子が存在したとしても、各アパーチャ59,63を透過して各検出器60,64によって検出される光強度の変動率を10%以内にし、蛍光および散乱光検出時における微小粒子径の誤差を10%以内にすることができるのである。
・第3実施の形態
本実施の形態は、上記第1実施の形態および上記第2実施の形態における微小粒子の検出方法を、検査チップまたは光学モジュールを互いに直交する二方向への二次元走査する二次元スキャン方式に適用した微小粒子検出装置に関する。
図7は、一例として、上記検査チップを、Y方向に移動させながらX方向にスキャンする微小粒子検出装置を示す。
図7において、71は光源装置であり、72は対物レンズであり、73はバンドパスフィルタであり、74は検出装置である。上記照射光学系の一例である光源装置71と対物レンズ72とバンドパスフィルタ73と検出装置74とは、枠体内に収納されて上記光学モジュール75を構成している。そして、光学モジュール75の上方には対物レンズ72に対向してガラスステージ76が配置され、ガラスステージ76上には例えば蛍光物質によって標識された微小粒子が分布する懸濁液やゲル支持体やメンブレン等の転写支持体が検体として注入された検査チップ77がセットされている。
ここで、上記ガラスステージ76は矩形を成しており、長辺方向の第1走査方向と、第1走査方向に直交する短辺方向の第2走査方向との、二次元方向に走査するように構成されている。その場合における走査方法については、特に限定するものではない。要は、ガラスステージ76を上記第1走査方向に往復動作をさせる第1動作部と、上記第2走査方向に往復動作をさせる第2動作部とを備えていれば良いのである。あるいは、光学モジュール75側を二次元方向に走査してもよいし、ガラスステージ76を上記第2走査方向に移動させながら光学モジュール75を上記第1走査方向に往復動作をさせてもよい。
上記光源装置71は、上記第1実施の形態において図1に示す光源装置1または上記第2実施の形態において図6に示す光源装置41と同様に機能する構成を有している。
また、光検出光学系として、上記第1実施の形態において図1に示す上記光検出光学系または上記第2実施の形態において図6に示す上記光検出光学系と同様に機能する構成を有している。尚、バンドパスフィルタ73は、回転フォルダ79に配置されて、蛍光の波長に応じて他の波長のフィルタと交換可能になっている。
上述したように、本実施の形態の微小粒子検出装置においては、上記光学モジュール75または検査チップ77を載せたガラスステージ76を相対的に二次元方向に走査させることにより、散乱光または蛍光の強度の分布画像を読取る構成になっている。
例えば、図8に示すように、微小粒子検出装置は、上記第2走査方向であるY方向にガラスステージ76を移動させながら、上記第1走査方向であるX方向に光学モジュール75でスキャンする。こうして、散乱光または蛍光の強度の分布画像を生成する。
本実施の場合においても、上記対物レンズ72における焦点深度dを、照射光の波長λ/(照射光の実効NA)2で、つまり照射光の波長λ/(ビーム半径の減少率R)2で定め、その値を検査チップ77における検体注入層78の厚みD以上に、且つ検体注入層78の厚みDの3倍以下に設定している。こうして、照射光のビーム半径をスポット半径rのルート2倍以下に収め、必要な焦点深度dを確保するようにしている。
また、上記アパーチャを透過する光が発せられる位置の深さ範囲を検体注入層78の厚みDよりも大きく設定している。
また、上記対物レンズ72の形状を、光軸に沿った領域であるビーム光透過部は、透過後の光の屈折角が他の領域よりも小さくなるような形状を有して、半導体レーザー(光源)からの照射光を上記検体に向かって絞る機能を有するようにしている。一方、上記ビーム光透過部を除く他の領域は、透過後の上記微小粒子からの光の屈折角が上記ビーム光透過部側から外周縁側に向かって大きくなるような形状を有して、上記微小粒子から広角に発せられた光を集光する機能を有するようにしている。
こうすることによって、上記検体注入層78内において厚み方向の異なる位置に微小粒子が存在したとしても、アパーチャを透過して検出器によって検出される光強度の変動率を10%以内にし、蛍光および散乱光検出時における微小粒子径の誤差を10%以内にすることができるのである。
以上のごとく、この発明の微小粒子検出装置は、
微小粒子を含む検体が注入される検体注入部36,47,78を有する検査チップ7,46,77と、
光源8,48,52と、
上記光源8,48,52から出射された光を、上記検査チップ7,46,77における上記検体に対して照射する照射光学系1,41,71と、
上記光の照射によって上記検体中の上記微小粒子から発せられた光を検出する光検出光学系と、
上記光検出光学系によって検出された上記微小粒子からの光の強度に基づいて、上記微小粒子を検出する検出部と
を備え、
上記光検出光学系は、上記光源8,48,52から出射された光を上記検体に向けて透過させる一方、上記光の照射によって上記検体中の上記微小粒子から発せられた光を集光する対物レンズ素子2,42,72を含み、
上記対物レンズ素子2,42,72は、上記光源8,48,52からの光を透過させると共に、透過後の光を上記検体に向かって集光させる形状を有するビーム光透過部を含んでおり、
上記検査チップ7,46,77の上記検体注入部36,47,78における光照射方向への厚みをD、上記光源8,48,52からの照射光の波長をλ、上記ビーム光透過部における上記集光による照射光のビーム半径の減少率をRとした場合に、関係式
D≦λ/R2
を満たすようになっている
ことを特徴としている。
上記構成によれば、上記検査チップ7,46,77の上記検体注入部36,47,78における光照射方向への厚みDは、関係式「D≦λ/R2」を満たすようになっている。また、上記対物レンズ素子2,42,72の上記ビーム光透過部における集光による照射光のビーム半径の減少率Rは、概ねF値の逆数の2分の1と同義であり、開口数NAを用いてR=1/(2F)=NAの関係にある。
したがって、上記関係式「D≦λ/R2」は、次のように変形することができる。
D≦λ/R2=λ/NA2
そして、焦点深度d=λ/NA2を用いて上記関係式は、さらに次のように変形することができる。
D≦λ/R2=d
すなわち、この発明によれば、上記対物レンズ素子2,42,72における上記照射光の焦点深度dは、上記検体注入部36,47,78における光照射方向への厚みD以上になるように設定されている。したがって、上記検体注入部36,47,78に注入されて厚みを有する検体領域に対して、上記照射光を均一に照射することができる。換言すれば、上記検体領域の厚み方向で異なる位置に微小粒子が存在していても、上記微小粒子を検出することが可能になる。
さらに、上記検査チップ7,46,77を回転または一方向に走査した際に、上記検査チップ7,46,77が光照射方向に面ブレを起こした場合でも、上記焦点深度dが上記検体注入部36,47,78の厚みD以上であるので、上記焦点深度dが上記厚みDより大きい分だけ上記面ブレの影響を低減することができる。
さらに、厚みDを有する上記検体を一度に測定可能になるので、上記検体中の微小粒子を高速に且つ効率よく検出することが可能になり、測定時間の短縮を図ることが可能になる。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
下記の関係式
D≦λ/R2≦3D
を満たすようになっている。
上述のごとく、上記照射光の焦点深度dは光照射方向への厚みDよりも大きい方が望ましい。しかしながら、焦点深度d(=λ/R2)が大き過ぎると、上記ビーム光透過部による上記減少率Rが小さくなって照射光のビーム半径を絞ることができなくなってしまう。
この実施の形態によれば、さらに加えて、λ/R2で表される焦点深度dを検体注入部36,47,78における光照射方向の厚みDの3倍以下に設定している。したがって、上記照射光学系1,41,71および上記光検出光学系の精度や、上記検査チップ7,46,77の光照射方向に面ブレ等を考慮して、上記光検出光学系によって最適な精度で光検出を行うことが可能になる。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記対物レンズ素子2,42,72における上記ビーム光透過部の表面は、光を屈折によって集光させる曲率を有しており、
上記検査チップ7,46,77の上記検体注入部36,47,78における光照射方向への厚みをD、上記光源8,48,52からの照射光の波長をλ、上記ビーム光透過部を透過する照射光のビーム半径をr0、上記ビーム光透過部を透過後の光の焦点距離をfとした場合に、関係式
D≦λ(f/r0)2
を満たすようになっている。
この実施の形態によれば、上記ビーム光透過部の表面は光を屈折によって集光させる曲率を有しており、上記検体注入部36,47,78の厚みDは関係式「D≦λ(f/r0)2」を満たすようになっている。したがって、上記ビーム光透過部を透過する照射光のビーム半径r0は、上記関係式「D≦λ/R2」を満たす範囲内で、より小さい方が望ましい。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記対物レンズ素子2,42,72における上記ビーム光透過部は、光軸に沿った領域であって、透過後の光の屈折角が上記ビーム光透過部を除く他の領域よりも小さくなるような形状を有して、上記光源8,48,52からの照射光を上記検体に向かって絞る機能を有しており、
上記対物レンズ素子2,42,72における上記ビーム光透過部を除く他の領域は、透過後の上記微小粒子からの光の屈折角が上記ビーム光透過部側から外周縁側に向かって大きくなるような形状を有して、上記微小粒子から広角に発せられた光を集光する機能を有している。
この実施の形態によれば、表面が屈折により光を集光させる曲率を有すると共に、透過する照射光のビーム半径r0が小さい上記ビーム光透過部を、上記対物レンズ素子2,42,72における光軸に沿った領域とし、透過後の光の屈折角が他の領域よりも小さくなるような形状にしている。さらに、上記ビーム光透過部を除く他の領域(光軸に沿った領域の周囲の領域)を、透過後の上記微小粒子からの光の屈折角が外側に向かって大きくなるような形状にしている。
したがって、単一の上記対物レンズ素子2,42,72に、上記光源8,48,52からの照射光を上記検体に向かって絞る機能と、上記微小粒子から広角に発せられた光を集光する機能とを兼ね備えることが可能になる。
また、一実施の形態の微小粒子検出装置では、
上記対物レンズ素子2,42,72と上記検出部との間に設けられると共に、上記対物レンズ素子2,42,72を透過した上記微小粒子からの光を透過させる穴を有するアパーチャ18,22,26,59,63を備え、
上記アパーチャ18,22,26,59,63における穴の径を、上記検体注入部36,47,78における厚みDの範囲に分布する上記微小粒子からの光を全て取り込むと共に、上記検体注入部36,47,78の厚みDの範囲内に存在する上記微小粒子から発せられる光の上記検出部による光検出効率の変動率が10%以下になるように設定している。
この実施の形態によれば、上記対物レンズ素子2,42,72と上記検出部との間に上記アパーチャ18,22,26,59,63を設け、上記アパーチャ18,22,26,59,63の穴の径を、上記検体注入部36,47,78の厚みDの範囲内に存在する上記微小粒子から発せられる光の上記検出部による光検出効率の変動率が10%以下になるように設定している。したがって、上記検体注入部36,47,78内において厚み方向の異なる位置に微小粒子が存在したとしても、上記アパーチャ18,22,26,59,63の穴を透過する光強度の変動率を10%以内にすることができる。
1,41,71…光源装置
2,42,72…対物レンズ
3〜5,43,44,74…検出装置
6,45,75…光学モジュール
7,46,77…検査チップ
8,48,52…半導体レーザー
9,49,53…コリメータレンズ
10,16,20,57,73…バンドパスフィルタ
11,24,61…NDフィルタ
12,18,22,26,51,59,63…アパーチャ
13…プリズムミラー
14,15,54,56…ダイクロイックミラー
17,21,25,58,62…レンズ
19,23,27,60,64…検出器
28,65…中心軸
29…テーブル
30,67…モータ
31,32…基板
34…スペーサ
36,47,78…検体注入層
37…検体注入口
38…被検出微小粒子
50…スポットサイズ調整レンズ
55…プリズム
66…ホルダ
76…ガラスステージ

Claims (5)

  1. 微小粒子を含む検体が注入される検体注入部を有する検体チップと、
    光源と、
    上記光源から出射された光を、上記検体チップにおける上記検体に対して照射する照射光学系と、
    上記光の照射によって上記検体中の上記微小粒子から発せられた光を検出する光検出光学系と、
    上記光検出光学系によって検出された上記微小粒子からの光の強度に基づいて、上記微小粒子を検出する検出部と
    を備え、
    上記光検出光学系は、上記光源から出射された光を上記検体に向けて透過させる一方、上記光の照射によって上記検体中の上記微小粒子から発せられた光を集光する対物レンズ素子を含み、
    上記対物レンズ素子は、上記光源からの光を透過させると共に、透過後の光を上記検体に向かって集光させる形状を有するビーム光透過部を含んでおり、
    上記検体チップの上記検体注入部における光照射方向への厚みをD、上記光源からの照射光の波長をλ、上記ビーム光透過部における上記集光による照射光のビーム半径の減少率をRとした場合に、関係式
    D≦λ/R2
    を満たすようになっている
    ことを特徴とする微小粒子検出装置。
  2. 請求項1に記載の微小粒子検出装置において、
    下記の関係式
    D≦λ/R2≦3D
    を満たすようになっている
    ことを特徴とする微小粒子検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の微小粒子検出装置において、
    上記対物レンズ素子における上記ビーム光透過部の表面は、光を屈折によって集光させる曲率を有しており、
    上記検体チップの上記検体注入部における光照射方向への厚みをD、上記光源からの照射光の波長をλ、上記ビーム光透過部を透過する照射光のビーム半径をr0、上記ビーム光透過部を透過後の光の焦点距離をfとした場合に、関係式
    D≦λ(f/r0)2
    を満たすようになっている
    ことを特徴とする微小粒子検出装置。
  4. 請求項3に記載の微小粒子検出装置において、
    上記対物レンズ素子における上記ビーム光透過部は、光軸に沿った領域であって、透過後の光の屈折角が上記ビーム光透過部を除く他の領域よりも小さくなるような形状を有して、上記光源からの照射光を上記検体に向かって絞る機能を有しており、
    上記対物レンズ素子における上記ビーム光透過部を除く他の領域は、透過後の上記微小粒子からの光の屈折角が上記ビーム光透過部側から外周縁側に向かって大きくなるような形状を有して、上記微小粒子から広角に発せられた光を集光する機能を有している
    ことを特徴とする微小粒子検出装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか一つに記載の微小粒子検出装置において、
    上記対物レンズ素子と上記検出部との間に設けられると共に、上記対物レンズ素子を透過した上記微小粒子からの光を透過させる穴を有するアパーチャを備え、
    上記アパーチャにおける上記穴の径を、上記検体注入部における厚みDの範囲に分布する上記微小粒子からの光を全て取り込むと共に、上記検体注入部の厚みDの範囲内に存在する上記微小粒子から発せられる光の上記検出部による光検出効率の変動率が10%以下になるように設定した
    ことを特徴とする微小粒子検出装置。
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