JP2014159520A - インクジェットインキ、その製造方法、およびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のインクジェットインキは、いずれも、食品添加物または薬剤への使用が認可されている、色素と、セラック樹脂がエタノールに溶かされたセラック樹脂エタノール溶液と、セルロース系樹脂と、更なる希釈用のエタノールと、を含んで成るインクジェットインキであって、前記セラック樹脂エタノール溶液は、32重量%エタノール溶液において、酸価が80mg以上85mg以下、且つ、pHが0.5以上3.0以下に調整されていることを特徴とするものである。このインクジェットインキは、エタノール溶液中における酸価を下げることで、吐出が安定で、且つ、再溶解性が良好なインクジェットインキを実現できたのである。
【選択図】なし
Description
尚、本発明の対象は、口にいれて食しても問題のないものを食品として対象とするが、健康食品や薬事法で制約されるような錠剤等も口にいれるものであるため、本発明では食品と同様の記録対象物として取り扱う。
「色素」
本発明に係るインクジェットインキは記録対象物にインキを噴き付けて印刷記録するインクジェットプリンタ用のインキであり、全ての成分が食品添加物または、薬剤、医薬品添加物として認可されたもので構成されている。そして、このインキは、酸化チタン、炭末色素、三二酸化鉄、黄色酸化鉄、食用タール色素およびそのアルミニウムレーキを可食性の色素および不透明性の材料として用いている。
本発明で用いる色素は、食品添加物または薬剤への使用が認可されているものであれば特に限定されないが、例えば植物を炭化して得た炭素を主成分とするものが食品関連用途の観点から好ましい。このような植物由来の炭末色素としては、カカオ果実の殻を焙焼したものが一般的に知られている。そして、例えば、植物を水蒸気賦活法で高温に加熱して炭化させて得たもの、植物油脂を燃焼させて得たもの等も、食品添加物色素として認められている。また、竹の炭化物である竹炭や、広葉樹や針葉樹等の木炭等も植物炭末色素として挙げられる。
本発明で使用するセラック樹脂は、ラックカイガラ虫由来の樹脂状物質を精製して得た可食性樹脂であり、多種類の樹脂酸およびそのエステル化物、ワックス、色素等の混合物とされていて、エタノール可溶性タイプのものが特に好ましく用いられる。インクジェットインキにおいては、セラック樹脂のなかでも、ワックスや色素分が予め除去された精製セラックを用いることが好ましい。更に、漂白処理された白色セラックも好ましく用いられる。このセラック樹脂は、本発明にて使用する色素の分散および耐水性を有する定着に寄与し、エタノールに溶解してインキの粘度を上昇させる働きも有する。また、このセラック樹脂は、水/エタノール混合系の溶剤にも溶解する。このように水を一部混合した溶剤に使える点でも好ましいバインダーとして寄与する。
セラック樹脂は、エタノール溶液としたとき、一般的に酸価が89前後になっていることが多い。また、このエタノール溶液のpHが、3.6付近になっていることが多い。しかしながら、このような酸価のセラック樹脂溶液にてインクジェットインキを調製すると、長期での連続吐出において、インキの飛行曲がりや、インキ滴着弾位置異常(ドット落ち)という現象が生じやすい。そこで、酸価について検討したところ、酸価が80〜85、pHが0.5〜3.0のセラック樹脂エタノール溶液を用いることで、これらの問題が格段に少なくなることを確認した。
すなわち、本発明は、32重量%濃度のときの酸価が80〜85、pHが0.5〜3.0であるセラック樹脂エタノール溶液を用いることを特徴とする。このエタノール溶液の酸価の調整は、酸の添加や、エタノール溶液調整後の経過時間や処理温度にても行うことができるが、調整に非常な長期間を有するため、この方法は容易には採用しがたい。そこで、セラック樹脂エタノール溶液を、固体の酸触媒と混合して処理する方法が好ましい。また、この固体の酸触媒としては、H+型陽イオン交換樹脂であることが、比較的短時間にて行なえるために好ましい。ここで用いられる酸触媒としては、例えばオルガノ株式会社より市販されているXN−1004,XN−1005、アンバーリスト15DRY、アンバーリスト15WET、アンバーリスト15JWET、アンバーリスト31WET等が例示される。特に、強酸性タイプのものが好ましい。
常法により酸価を滴定し、酸価が80〜85、また、pHメーターにてpHを測定し、pHが0.5〜3.0であることを確認して、インクジェットインキの材料として使用する。
尚、酸価の調整に伴なうセラック溶液の特性の変化としては、固形分が約10%弱低下する。また、粘度は半分程度に低下する。再溶解性が格段に向上し(再溶解性のNGだったものが、OKレベルとなる)。また、エタノール溶液を乾燥させてフィルム形成した表面のエタノールによる拭き取りにおいても2倍程度のふき取り速さの向上が確認できる。
インキのpHを上記範囲内に調整するpH調整剤としては、食品添加物であって印字後に揮発していく成分であることが耐水性の観点より好ましく、例えば水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。なかでも、残留が問題にならない観点から、水酸化アンモニウムないし炭酸アンモニウムを用いてpHを調整することが好ましい。
本発明では、前記したセラック樹脂とともにセルロース系樹脂を併用することができる。このセルロース系樹脂は、水単独、あるいは水とエタノールの混合溶剤に溶解させて用いられる。
また、色素のセラック樹脂への分散の前に、予め色素をセルロース系樹脂の水溶液に分散させたのち、これをセラック樹脂溶液に分散させると、良好な分散安定性を維持することができる。この分散安定性を良好に維持させるには、水およびエタノールに対して溶解性を有するセルロース系樹脂が適しており、なかでも水およびエタノールのいずれにも溶解性の高いヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
このセルロース系樹脂は種々の分子量のものを用いることができるが、この分散および粘度の適性から低分子量のものを用いることが好ましい。特に、20℃における2重量%濃度の水溶液において、1〜7mPa・sの粘度を示す分子量のものを用いると、いっそう好ましい。
このように、セルロース系樹脂に予め色素を分散させるには、セルロース系樹脂を、水単独、あるいは水とエタノールとの混合溶剤)に溶解させた樹脂溶液に色素を分散させる。この際、セルロース系樹脂を溶解させる溶剤は、水を主体として含む水系溶剤である。ここで、「水を主体として含む」とは、水を50重量%以上含有していることであり、それ以外に例えばエタノールを50重量%未満含有していてもよい。この水系溶剤中のエタノール含有量が50重量%以上になると、溶剤中での色素の分散が安定しなくなる。特に、次の再分散工程におけるセラック樹脂溶液へ分散させたときの分散安定性が低下したり、更には導電剤を添加した際に分散の破壊を招きやすくする。
尚、色素10重量部に対して2〜5重量部のセルロース系樹脂を用いると、優れた分散性が得られる。セルロース系樹脂の含有量が2重量部よりも少ないと、色素の分散を十分に行なうことができない、また、セルロース系樹脂の含有量が5重量部を超えると、樹脂そのものの溶解性が不十分となり、分散時の粘度が高くなりすぎる等の問題を生じるおそれもある。
本発明のインクジェットインキは、1種類以上の溶剤を含むことができる。溶剤はインキ全体の50〜90重量%用いることができる。本発明では、乾燥性において優位なエタノールを多く用いる。本発明のインキは、エタノールをインキ全体の50重量%以上含むアルコール含有インキとすることが、乾燥性、耐水性のインキに適した処方になる。本発明において使用できるエタノールは、食品用の発酵エタノールが好適であるが、変性エタノールであっても使用できる。
また、本発明のインクジェットインキでは、他の成分の含有重量部と関連するが、水を3〜20重量部含有させる。この水は、色素の分散において、セルロース系樹脂を溶解し、色素の分散に供する。また、インキ化処方(再分散工程)において、プリンタの適性に応じた導電率を調整するための導電剤の溶解性を高め、所望の導電率を得るために用いられる。前記のような含有量にてインキ中に使用されるが、水の含有量が3重量部よりも少ないと、色素の分散の安定性が得られない。また、水の含有量が20重量部よりも多いと、乾燥性の低下を招き、エタノールインキとする目的の「早い乾燥性」の特性が得られなくなる。
また、溶剤としては、記録時の乾燥性を低下させない範囲において、さらにはノズルでの乾燥性を調整するため、プロピレングリコールのような湿潤剤を用いても構わない。このような湿潤剤は、インキの乾燥性の調整、インキ粘度の調整等の役目をなす。また、被記録物の下地によっては、浸透性を調整する必要もあり、このような効果への使用目的としても適している。このようなプロピレングリコールは、インキ全体の0〜10重量%の範囲で用いると、記録対象物への適度な浸透、乾燥の調整が可能となる。プロピレングリコールの含有量が10重量%を超えると、目的とする乾燥性の向上が果たせなくなる。
本発明において、インキ成分として、食品への添加が可能な乳化剤を更に含むことができる。このような乳化剤としては、例えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられる。これらの乳化剤は可食性で水系での安定性に優れるものであり、インキ中における色素の分散安定性に寄与する。
これらの乳化剤はエタノール溶剤への溶解性を考慮することが必要であり、インキ全体の5重量%以下で使用することが好ましく、その範囲内の使用により十分な効果が得られる。
これらの乳化剤のうち、非イオン活性剤は記録対象物の種類に応じてインキのHLBの適性があるため、記録対象物が包装用のフィルムである場合は、HLB8〜16が、また、油脂分の多い食材に対しては、HLB1〜2のようなインキ調整とすることが、記録時の適性を有する。
本発明のインクジェットインクは、コンティニュアスタイプのインクジェットプリンタとオンデマンドタイプのインクジェットプリンタのいずれにも使用できるが、コンティニュアスタイプのインクジェットプリンタに用いるインキの場合は、使用するプリンタに応じた導電率の調整が行われる。かかる導電率の調整には導電剤が使用される。
このような導電剤は食品添加物として認可されたものが用いられ、例えば乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、パントテンサンナトリウム等が挙げられる。なかでも、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウムは、エタノール含有溶剤によく溶解し、プリンタにおけるインキの液滴の導電率を適度に保つ役割を少量にて達成することができる。
導電剤の添加量は、他の成分の含有重量部と関連するが、0.2〜2.0重量部であることが好ましい。この範囲内の使用により、インキの導電率を適正な0.5m〜5mS/cm程度に調整することができる。前記の範囲内であっても少量使用での調整が好ましい。導電剤の添加量が2.0重量部を超えると、色素の凝集を招くおそれがある。
本発明のインキは、食品、健康食品、経口する薬剤等に直に、また、食品に接触する材料、食品用包装材料に対して、特に好ましく使用することができる。このような包装材料は、必要に応じて表面処理を施したポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料、または不織布、紙等が例示される。
[実施例1]
本実施例のインクジェットインキを調製するにあたり、セラック樹脂エタノール溶液の調製、分散体の調製、および、インキの調製を行なった。
「セラック樹脂エタノール溶液の調製」として、99度の発酵エタノールに白色セラック樹脂を加えて撹拌し、32重量%セラック樹脂を含むエタノール溶液を得た。
そして、「酸価の調整」として、前記の32重量%セラック樹脂エタノール溶液100重量部にH+型陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバーリスト15DRY)30重量部を加え、30℃の温度で浸漬して接触させながら7時間攪拌することにより、エタノール溶液の酸価を調整した。こののち、濾過してH+型陽イオン交換樹脂を除去した。濾別したセラック樹脂エタノール溶液の物性は、酸価が82.6mg(処理前の酸価は89.7mg)、粘度が22.6mPa・s(処理前の粘度は44.5mPa・s)、pHが1.0(処理前のpHは3.6)であった(酸価調整工程の酸触媒処理1、後出の表1参照)。この32重量%セラック樹脂エタノール溶液に、更なるエタノールを加えて希釈し25重量%のエタノール溶液に調製した。
続いて、「セルロース系樹脂溶液の調製」として、ヒドロキシプロピルセルロース(2重量%水溶液、20℃、2.5mPa・s)6重量部を水69重量部(水性溶剤)に溶解させて、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を得た(後出の表2参照)。
次に、「分散体の調製」として、前記のヒドロキシプロピルセルロース水溶液75重量部と、酸化チタン25重量部とを混合してミルベースを調製したのち、ジルコニアビーズを収容した横型ミルにて2時間分散させて、平均粒子径が0.34μmの酸化チタンが分散した分散体1を得た(分散体調製工程、後出の表2参照)。
そして、「インキの調製」として、40重量部の分散体1に、25重量%セラック樹脂エタノール溶液28重量部、グリセリン脂肪酸エステル0.5重量部、ソルビタン脂肪酸エステル0.5重量部、炭酸アンモニウム1.5重量部、50重量%乳酸ナトリウム水溶液0.1重量部、および、更なるエタノール29.4重量部を加えたのち、横型ミルにて混合して、分散体1中の酸化チタンを更に分散させた(再分散工程、後での表3および表4参照)。得られた分散液をNo.63(アドバンテック社製)のフィルターにて濾過した。次いで開目0.8μmのフィルターで濾過してインクジェットインキを得た。
分散体1の代わりに分散体2の10重量部を用い、酸触媒処理1のセラック樹脂エタノール溶液の代わりに酸触媒処理2のセラック樹脂エタノール溶液40重量部を用い、エタノールの含有率を高くし、グリセリン脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステルを使用しなかったこと以外(表3参照)、実施例1と同様に処理してインクジェットインキを調製した。
分散体1の代わりに分散体3を用い、酸触媒処理1のセラック樹脂エタノール溶液の代わりに酸触媒処理3のセラック樹脂エタノール溶液を使用したこと以外(表3参照)、実施例1と同様に処理してインクジェットインキを調製した。
下記の表1に示した酸触媒処理1〜3に係るセラック樹脂エタノール溶液を個々に使用するとともに、分散体1の代わりに分散体4〜8を用いたこと以外(表3参照)、それぞれ、実施例2と同様に処理してインクジェットインキを調製した。
酸触媒処理1に係るセラック樹脂エタノール溶液の代わりに、酸価調整処理を施されなかったセラック樹脂エタノール溶液(酸価調整処理なし1)を用いたこと以外は、下記の表3に示すように、実施例1と同様に処理してインクジェットインキを製造した。
酸触媒処理2に係るセラック樹脂エタノール溶液の代わりに、酸価調整処理を施されなかったセラック樹脂エタノール溶液(酸価調整処理なし2)を用いたこと以外は、下記の表3に示すように、実施例2と同様に処理してインクジェットインキを製造した。
酸触媒処理3に係るセラック樹脂エタノール溶液の代わりに、酸価調整処理を施されなかったセラック樹脂エタノール溶液(酸価調整処理なし2)を用いたこと以外は、下記の表3に示すように、実施例3と同様に処理してインクジェットインキを製造した。
尚、表中に示した物性項目のうち、
「再分散性」は、放置しておいたインキを20回振とうさせたのちに濾過し、そのときの分散状態で評価した。
「耐水性」は、印字した記録対象物の印字面を水で湿らせたときのインキの溶け出しの有無、水の着色および印字面を拭ったティッシュペーパへの着色により確認した。
「密着性」は、食品用ポリアミドフィルムにインキを塗布し、塗布部分を綿棒で擦ったときの剥離の有無により確認した。
「印字濃度」は、PPC用紙へインキを印字し、この印字部分の反射濃度をマクベス反射濃度計(GretagMacbeth社製の型式RD918)で測定した。
「連続吐出性」は、上記のように調製したインキを、連続式インクジェットプリンタ(紀州技研工業社製の型式KGK−JET CCS3000(ノズル孔の口径40μm))に装填し、連続して印字テストを行なったときのトラブル(ノズルの詰り、印字不良(異常フォント)、噴出圧力異常など)の有無で判定した。この連続式インクジェットプリンタにて、菓子、りんご、マンゴー、食品用ポリアミドフィルム、錠剤に印字し、白色、茶色、黒色、灰色、青色、赤色の良好な印字物を得た。
「高温環境での印字性能」は、室温を45℃に保持した環境室内でインクジェットプリンタにより印字テストを行なったときの印字結果の状態を評価した。
「低温環境での印字性能」は、室温を5℃に保持した環境室内でインクジェットプリンタにより印字テストを行なったときの印字結果の状態を評価した。
「連続吐出性(飛行曲がり)」は、連続印字試験中にノズルからインキ吐出の飛行方向を確認し、ふらふらと変動したり、初期状態から変化して安定しなかったりするか否かを評価した。
「連続吐出性(インキ滴着弾位置異常)」は、連続印字試験中に印字した結果を確認し、インキ液滴の着弾位置が正規の位置から外れているか否かを評価した。
「再溶解性」は、ガラスシャーレの中で乾燥させたインキに溶剤を滴下した際、溶け残ることなく完全に溶解するか否かを評価した。
「拭き取り性」は、インキタンクや筐体に見立てた樹脂や金属にインキを塗布乾燥し、溶剤(例えばエタノール)を染込ませたワイパーでふき取った際のふき取り容易性や洗浄性を評価した。
インキ中の色素の「平均粒子径」は日機装株式会社製の粒度分布計(UPA-150EX型)を用いメジアン径(d50)で測定した。
「酸価」は、試料中に含まれる酸性成分を中和するのに要した水酸化カリウムのmgで表わされ樹脂や油脂の精製度合いの尺度となる。食品添加物公定書(第8版、油脂試験法、3章.酸価)に則して測定した。日本工業規格ではJIS−K−2501に規定されている。
「固形分」は、試料中に含まれる加熱蒸発成分を除去して残った蒸発残分を示し、例えばJIS−K−5601に従って測定した。
尚、各表中で、処方を示す数値は重量部を表している。表2中で、ヒドロキシプロピルセルロース(*1)は平均分子量が4万であり、2重量%水溶液にしたときの粘度が2.5mPa・s(20℃)となるものを用いた。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(*2)は、2重量%水溶液にしたときの粘度が3mPa・s(20℃)となるものを用いている。
因みに、実施例1〜8のインキでは、セラック樹脂エタノール溶液をH+型陽イオン交換樹脂で酸価調整処理したことにより、インキ調製時の再溶解性の再現性が高まり、口径40μm以下という微細径のノズル孔を有するインクジェットプリンタに使用した場合でも、目詰まりやインク飛行曲がりなどを生じないという効果が認められた。
一方で、比較例1〜3のインクジェットインキは、実施例1〜8のインキによる洗浄性と比べると、ノズル孔周辺部を所定の洗浄度に到達させるまでに、2倍以上のふき取り回数を要した。
Claims (11)
- いずれも、食品添加物または薬剤への使用が認可されている、色素と、セラック樹脂がエタノールに溶かされたセラック樹脂エタノール溶液と、セルロース系樹脂と、更なる希釈用のエタノールと、を含んで成るインクジェットインキであって、前記セラック樹脂エタノール溶液は、32重量%エタノール溶液において、酸価が80mg以上85mg以下、且つ、pHが0.5以上3.0以下に調整されていることを特徴とするインクジェットインキ。
- 食品添加物または薬剤への使用が認可されている導電剤を更に含んでいる請求項1に記載のインクジェットインキ。
- いずれも、食品添加物または薬剤への使用が認可されている、色素0.1重量部以上20重量部以下、セラック樹脂0.1重量部以上20重量部以下、セルロース系樹脂0.1重量部以上10重量部以下、エタノール40重量部以上90重量部以下、水1重量部以上20重量部以下、および導電剤0.1重量部以上2重量部以下を含んで成る請求項2に記載のインクジェットインキ。
- セルロース系樹脂がヒドロキシプロピルセルロースである請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のインクジェットインキ。
- 色素が酸化チタンである請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインクジェットインキ。
- 色素が炭末色素である請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインクジェットインキ。
- 食品添加物または薬剤への使用が認可されているpH調整剤を更に含んでいる請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のインクジェットインキ。
- セラック樹脂エタノール溶液が、固体の酸触媒と接触処理されたものである請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のインクジェットインキ。
- 固体の酸触媒がH+型陽イオン交換樹脂である請求項8に記載のインクジェットインキ。
- 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のインクジェットインキを製造する方法であって、セラック樹脂をエタノールに溶解させて得られた32重量%セラック樹脂エタノール溶液の酸価を調整する酸価調整工程と、水を主体として含む水系溶剤にセルロース系樹脂を溶解させて得られたセルロース系樹脂溶液に、色素を分散させて分散体を得る分散体調製工程と、前記酸価調整工程で酸価を調整されたセラック樹脂エタノール溶液に、前記分散体調製工程で得られた分散体を混合して色素を更に分散させる再分散工程と、を備えていることを特徴とするインクジェットインキの製造方法。
- 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のインクジェットインキを用いてインクジェットプリンタで食品関連の記録対象物に記録するにあたり、エタノール、水、および炭酸アンモニウムを含んでなる希釈溶剤で前記インクジェットインキを希釈してインクジェットプリンタで用いることを特徴とするインクジェットインキの使用方法。
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