JP6237356B2 - 印字された卵殻の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は卵殻に好適に印字するインクジェットインキ、およびそれで印字された卵殻に関する。
未加工食品をはじめとする食品類には、生産地、生産者表示、生産履歴等の表示が、また、加工食品には、賞味期限等の表示が必要とされる。生産履歴や収穫年月日、賞味期限等を明確にすることは、品質の向上、安全性の確認、商品への信頼性、安心感がえられる方法として普及しつつある。
これらの表示は、未加工食品、加工食品をはじめとする対象物に対して直接、あるいは、包装材等を介して、あるいは、食品に接触する材料、あるいは、食品類を取り扱う環境を通過する材料に印字されるが、安全性を考慮されたインキで、それぞれの商品個々に印字されていることが好ましい。
従来、印刷機を用いた数値などの印字が行われているが、印刷機を用いる方法では迅速な可変情報のマーキングができない。
一方、従来、食品等の缶詰、パックに製造年月日やロット番号を記録するためにインクジェットプリンターや熱転写プリンターが使われている。これらのプリンターは、可変情報をダイレクトに記録できるため印刷の版を作成する必要がなく、コンピューターによる情報の変更が容易であり、生産現場において種々の用途展開がなされている。
特に、インクジェットプリンターは、高速での印字ができ、必要なインキを吐出させるだけでインキの量が少量で済むことから、極めて広い範囲において使用されている。また、非接触で印字できるため曲面あるいは柔らかな対象物へのマーキングにも適している。
インクジェットプリンターに用いられるインキとしては、食品添加物着色料である水溶性染料を水に溶解したものがあるが、耐水性が劣り、水に接触する対象物には使用できなかった。しかも、食品類、食品関連の材料、食品包装材等へのマーキングに使用されるインキは食品に準じたインキであることが衛生上からも好ましい。そのため、インキの溶剤としてエタノールが注目された。
耐水性に優れ、食品の表面に印字するのに適したインクジェットインキとして、特許文献1(特開昭53−127010号公報)に、バインダーがセラックであり、水およびエタノールから成る溶剤と鉄クロロフィリンナトリウムまたは(および)銅クロロフィリンナトリウムを着色剤として含む緑色インク組成物が開示されている。
特許文献2(特開2000−191969号公報)は、鉄クロロフィリンナトリウムおよび/または銅クロロフィリンナトリウムと、アルギン酸のアルカリ金属塩および/またはアルギン酸プロピレングリコールエステルと、プロピレングリコールおよび/またはグリセリンと、水とを含むインクジェットインキをインクジェット方式によりマーキングすることを特徴とする卵殻へのマーキング方法を提案している。
特許文献3(特開2006−291061号公報)は、エタノール70〜91重量%、エタノール可溶性コウリャン色素またはシタン色素である着色剤1〜13重量%、シェラック樹脂4〜8重量%、乳酸ナトリウム0.5〜3重量%、酢酸、プロピオン酸または乳酸0.5〜5重量%、プロピレングリコール0〜5重量%および水2〜10重量%よりなるインクジェットインキを用い、インクジェット方式にて卵の表面にマーキングを行う工程と、温風を卵表面に供給し、卵表面での温風の温度が25〜80℃となるような温風をマーキング面に当てる工程とを含む、マーキングを行った卵の製造方法が開示されている。
特開昭53−127010号公報 特開2000−191969号公報 特開2006−291061号公報
しかし、引用文献1記載の発明に使用されている銅クロロフィリン等の着色材は、エタノールに対して溶解性を十分有するものでなく水溶性の色素であり、インキの濃度を上げるためには、水の使用が不可欠である。したがって、このインキは本質的に水を主体とするもので、これに少量のエタノールを混合して用いるものである。また、シェラック樹脂も、水に対して溶解性のタイプのものを使用しており、溶解安定化を図るため、モルフォリンのような食品添加物でないものをインキ原料として用いるものであった。また、樹脂の溶解性を維持させるために、メチルセルソルブのような溶剤を併用していた。これは、食品添加物で許可されていない材料であった。
また、引用文献2記載のインクジェットインキは、卵殻表面に対して強固な親和性を示す水溶性色素である鉄クロロフィリンナトリウムおよび銅クロロフィリンナトリウムを色材として使用しており、本質的に水溶性色素を使用しており、エタノールへの溶解性を考慮したインキではなかった。
水を多量に含むインクジェットインキはエタノール系のインクジェットインキに比して、乾燥性に乏しく、印字した卵殻の生産性が劣る。特に赤玉の卵殻は白玉の場合に比してインキが浸透しにくいので、生産性の点から乾燥性に優れるインキの使用が重要である。
特許文献3記載のインクジェットインキは、エタノールを70〜91重量%を含有するので、乾燥性および耐水性において良好な印字物が期待できる。しかし、温風を卵表面に供給しないまま使用すると、卵殻表面でのインキの広がりが大きく、印字品質の観点からは、更なる改良が必要とされている。特に、赤玉卵殻への印字の視認性の改良は重要な課題となっている。
本発明は、温風を卵表面に供給してもしなくても、卵殻表面、特に赤玉卵殻表面でインキが広がりにくく視認性に優れる、印字された卵殻の提供を目的とする。
本発明者等は、上記従来の問題点を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、インキ組成中の溶剤濃度が、エタノール60〜69重量%、水15〜23重量%に調整され、かつ、食用色素が特定組成のエタノールと水との混合液抽出されたものを用いた場合に、特異的にすべての前記課題を解決しているインクジェットインキとなることを見出した。
すなわち、本発明は、溶媒全体に対して、エタノール75〜85重量%、および水15〜25重量%含む混合溶媒で、コウリャン色素、シタン色素、ウコン色素、ビキシン、またはアナトー色素を含む粗色素より、コウリャン色素、シタン色素、ウコン色素、ビキシン、またはアナトー色素を抽出する第1工程と、インキ全体に対して、エタノール60〜69重量%、水15〜23重量%、第1工程で得られた色素1〜9重量%、シェラック樹脂4〜8重量%からなるインクジェットインキを製造する第2工程、
第2工程で製造したインクジェットインキを、卵殻に印刷する第3工程を含む印字された卵殻の製造方法に関する。
また、本発明は、インキ全体に対して、エタノール60〜69重量%、水15〜23重量%、コウリャン色素、シタン色素、ウコン色素、ビキシン、およびアナトー色素からなる群より選ばれる1種類以上の色素1〜9重量%、シェラック樹脂4〜8重量%をからなる卵殻用インクジェットインキであって、
前記色素が、溶媒全体に対して、エタノール75〜85重量%、および水15〜25重量%含む混合溶媒で、コウリャン色素、シタン色素、ウコン色素、ビキシン、またはアナトー色素を含む粗色素より、コウリャン色素、シタン色素、ウコン色素、ビキシン、またはアナトー色素を抽出したものであることを特徴とする上記卵殻用インクジェットインキに関する。
また、本発明は、色素が、450nmのO.D.(光学濃度)値が1.5となるように希釈測定した際に、400〜487nmの極小値をバレーO.D.値とし、450〜520nmの極大値をピークO.D.値としたとき、ピークO.D.値/バレーO.D.値が1.03以上である上記卵殻用インクジェットインキに関する。
また、本発明は、上記卵殻用インクジェットインキで印字されてなる卵殻に関する。
本発明により、温風を卵表面に供給してもしなくても、卵殻表面、特に赤玉卵殻表面でインキが広がりにくく光学濃度も高く視認性に優れる、印字された卵殻を提供できるようになった。
実施例1のインキの印字卵 比較例3のインキの印字卵
本発明で用いられるインクジェットインキは、インキ全体に対して、エタノール60〜69重量%、水15〜23重量%、コウリャン色素、シタン色素、ウコン色素、ビキシン、およびアナトー色素からなる群より選ばれる1種類以上の色素1〜9重量%、シェラック樹脂4〜8重量%をからなる卵殻用インクジェットインキである。
本発明のインキ組成中の溶剤濃度が、エタノール60〜69重量%、水15〜23重量%が必須である理由は、インキの消泡、着弾インキ滴のドットゲイン、シェラック樹脂の溶解性を勘案し考慮したものである。
本発明インキ組成中のエタノール60重量%以上とすることによって、コンティニアスタイプのインクジェットプリンターに用いた場合、泡の発生を抑制・防止でき、安定した液滴の形成が可能となると共に、長時間の連続運転が可能となる。オンデマンドタイプのインクジェットプリンターの場合でも同様に泡の発生を抑制・防止できるので、吐出状態が安定する。
一方、エタノール濃度69%以下とすることによって、インキの表面張力を高くでき、卵殻表面と着弾インキ滴との接触角が大きくなる為、ドットにじみが起こりにくくなり、高濃度高精細印字が可能となる。
本発明インキ組成中の水15重量%以上の場合、同一固形分であれば相対的にエタノールが少なくなりドットにじみが抑制・防止できる。一方、水23重量%以下にすることによりシェラック樹脂の溶解性を良好とすることができ、吐出性が優れる。
本発明で使用する、食用色素は、植物、粉末または油性製剤などの粗色素中の食用色素を、エタノール75〜85重量%、水15〜25重量%からなるエタノールと水の混合溶剤にて抽出処理される色素である。コウリャン色素、シタン色素、ウコン色素、ビキシン、またはアナトー色素が含まれていればよく、粗色素が、合成着色料である食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号、ノルビキシンナトリウム、ノルビキシンカリウム、ビキシン、天然着色料である、コウリャン色素、シタン色素、ウコン色素、コチニール色素、ラック色素、アナトー色素などを含む混合物であってもよい。
本発明で使用する色素は、エタノールを主とする溶媒にて抽出されたものである為、水に対しては耐性を持った性質を備えている。色素は、インキ中にインキ全体の1〜9重量%の範囲で含まれることが好ましい。色素含有量が1重量%以上のインキを用いることにより印字濃度の大きい印字物を得ることができ、識別性(視認性)に優れる。一方、色素含有量を9重量%以下とすることにより、溶解性が良好で、粘度が上昇しにくく、連続吐出安定性に優れるインキを得ることができる。
合成タール系着色料は水に対しても溶解性の高いものが多く、主抽出溶媒をエタノールとしても水に対する耐性が低い事がある。昨今の天然着色料を好む傾向から、天然着色料のみを用いる事が望ましい。
天然着色料も種類によってエタノールと水の混合溶剤に対する溶解度が異なり、コウリャン色素、シタン色素などは溶解度が高い事で色材を高濃度にすることが可能な為より好適な色材である。
エタノール溶媒単独での抽出は、抽出される色素成分がエタノールと水の混合溶剤の成分とは若干異なり、色調、発色性、卵殻定着性に相違が生ずる。
特に、コウリャン色素では、エタノールと水の混合溶剤から抽出処理される赤味の高発色濃度を有する色素は分光吸収487nm付近に極大値(ピーク)、400nmから486nmの間に極小値(バレー)を持ち、ピークO.D.値/バレーO.D.値が1.03以上であり、赤玉卵殻への印字において、視認性の点で極めて、効果的な色相となる。
本発明で使用するシェラック樹脂は、エタノール可溶性タイプの樹脂を用いることが好ましい。このシェラック樹脂は、本発明にて使用する色素と相溶性を有する。また、エタノールに溶解してインキの粘度を上昇させる働きを有し、かつ、被印刷体である卵殻に対して良好なバインダーとして機能する。
本発明においてシェラック樹脂は、インキ中にインキ全体の4〜8重量%の範囲で含まれることが好ましい。含有量を4重量%以下とすることにより適度な粘度のインキを得ることができ、卵殻への密着性にも優れる。又、8重量%以下とすることによりインキの粘度が適度に下げることができ、低温でも安定して連続運転できる。
また、シェラック樹脂は水中で析出する性質を有している。インキ中のシェラック樹脂の濃度が上がると、シェラック樹脂を析出させてしまう水分濃度も低くなる。シェラック樹脂の析出を抑制・防止するという点からも、インキ中のシェラック樹脂の含有量は、4〜8重量%の範囲で含まれることが好ましい。
本発明で使用するインクジェットインキには、コンティニュアスタイプのプリンターにて好適に使用するための電導度調整剤として任意のイオン解離性がある食品添加物を選択する事ができる。好適には乳酸ナトリウムを用いる。乳酸ナトリウムは、エタノールに対して良好な溶解性と電導性を与えることで知られている。乳酸ナトリウムは、インキ中にインキ全体の0.5〜3重量%配合することが好ましい。0.5重量%以上で導電性がより良好となり、インキの交換等の際の洗浄性向上の点から含有量は3重量%以下が好ましい。
本発明で使用するインクジェットインキには、インキのノズルでの乾燥を防止するために、プロピレングリコール、グリセリンを適宜保湿剤として使用することができる。これら保湿剤は、インキ中にインキ全体の0〜5重量%の範囲で含有させることが好ましい。保湿剤の使用は、被印刷体である卵殻での乾燥性の低下を招くが、密着の向上、樹脂および色素、電解質の適度な溶解性の調整に効果を発揮する。ノズルでの乾燥抑制にも有効であるが、5重量%以下とすることにより、被印刷体である卵殻のマーキング面の乾燥が早くなり、生産スピードの向上が期待でき、印字時の搬送機の汚れ等を抑制・防止できる。
また、本発明で使用するインクジェットインキには、色の調整を行うために、食用色素をインキ中に複数種類で含有させることができる。これらの添加調整色素も主色素同様、エタノール75〜85重量%、水15〜25重量%からなるエタノールと水の混合溶剤にて抽出される色素を用いる。
本発明の使用するインクジェットインキは、例えば以下のようにして調整される。
食用の祖色素から、エタノール75〜85重量%、水15〜25重量%からなるエタノールと水の混合溶剤にて色素を抽出し、ろ過分離された色素溶液の形態にて用いる。また、シェラック樹脂も、あらかじめエタノールにて溶解した溶解液として用いる。また、伝導度調整剤はあらかじめ水に溶解した水溶液を用いる。色素溶液、シェラック樹脂液、伝導度調整剤、保湿剤、水等を加えて、混合攪拌した後、孔径10μ以下のフィルターで濾過することにより、本発明の使用するインクジェットインキを製造することができる。混合攪拌は、通常の羽根を具備した攪拌機のほか、高速の分散機、乳化機により行うこともできる。
本発明で使用するインクジェットインキの25℃における粘度は2〜10cpsの範囲に調整することが好ましい。粘度が低すぎると、被印刷体でのインキのドットの形成が不良となり、印字濃度が低くなる。一方、粘度が高すぎると、吐出の不良、乾燥不良に問題が出てくる。
粘度、吐出安定性の点から、インキ中の固形分は10〜20重量%であることが好ましい。
表面張力は、他添加剤の影響もあるが、エタノール、水の混合溶媒比から、20〜30mN/mの範囲に調整される。インキが概ね25mN/m未満の表面張力を示すとドットゲインが大きくなり、印字濃度が低下する傾向にある。また、コンティニュアスタイプのプリンターによりマーキングする場合には、インキの電導度は、0.5〜2mS/cmの範囲に調整することが好ましい。また、インクジェットインキのpHは5.0〜6.8が好ましい。
卵表面に本発明のインクジェットインキを用いて卵へマーキングする場合は、インクジェット方式によりマーキングすることにより行われ、マーキングした卵が得られる。インクジェット方式には、コンティニュアス方式(多値偏向、2値偏向)、ドロップオンデマンド方式(バブルジェット(登録商標)方式、ピエゾ方式、電磁弁方式等)等が挙げられるが、高速でのマーキングおよび卵のような曲面および柔軟な表面のマーキングは、コンティニュアス方式が適している。
なお、本発明では、印字の前後において風乾による印字面の乾燥をしてもよい。
この時の空気流の供給は、マーキングと同時ないし0.5秒以内に当たるよう調整することが望ましい。これより、印字ドットの広がり、乾燥速度を制御し、卵等の表面上の微小結露に対しても良好な印字が形成される。
マーキング対象となる卵は、鶏、ウズラなどに限らず、研究用の鳥類、は虫類の卵などにも応用できる。
マーキングするデータは、生産地、収穫日時、生産者、日付、特殊記号等もあわせて表記できる。
卵等では、大きさ、採卵情報等のデータを連動させてマーキングを行うと、消費者への品質提示ができ、高付加価値商品となる。
これらの表記は、経路の確実な表示方法として商品の流通形態への信頼性を付与する。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。例中、部および%は、重量部および重量%をそれぞれ示す。
(実施例1)
第1の工程で、コウリャン祖色素を25部、エタノール60部、水15部(エタノール:水=80:20)、合計100部を撹拌混合する。得られた混合液を孔径1μmのろ紙でろ過し、コウリャン色素抽出液Bを得る。この時、コウリャン色素抽出液の不揮発固形分濃度は15%であった。
続いて第2工程で、前記コウリャン色素抽出液Bを60部、シェラック樹脂溶液10部、乳酸ナトリウム溶液5部、エタノール15部、水10部を撹拌混合する。得られた混合液を孔径1μmのろ紙でろ過し、コウリャン色素:9重量%、シェラック樹脂:5重量%、乳酸ナトリウム:2.5重量%、エタノール:60.8重量%、水:22.7重量%のインクジェットインキを得た。
尚、前記シェラック樹脂溶液は50%エタノール溶液、乳酸ナトリウム溶液は50%水溶液である。
(実施例2〜7および比較例1〜5)
表1に示す原料を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェットインキを調製した。
Figure 0006237356
実施例および比較例で得られたインキについて、25℃における粘度(mPa・s)、表面張力(mN/m)および電導度(mS/cm)を測定した。
なお、粘度の測定は粘度計(東機産業社製「RB80L」)を用いて行い、表面張力の測定は表面張力計(KYOWA INTERFACE社製「サーフェイステンシオメーター」)を用いて行い、電導度の測定は導電率計(ミルウォーキージャパン社製「C66型導電率計」)を用いて行った。
さらに、25℃にて1ヶ月間保存したインキの経時安定性について沈殿を目視確認する事で評価した。○はインキ容器底に沈殿が見られなかったもの、×はインキ容器底に沈殿が見られたものである。
実施例および比較例で得られたインキをコンティニュアスタイプのインクジェットプリンターのインクタンクに入れて被印刷体である卵殻に温風は当てずにマーキングし、吐出安定性等を評価した。
<吐出安定性>
○:充填インク循環後印字可能
×:希釈ショックのタンク内凝集、循環フィルターの閉塞、吐出不良等で印字不可能
<印字濃度>(赤色鶏卵に印字した文字ドットの濃度を評価)
○:識別可能
×:識別不可
<ドットシャープ>(にじみ)(赤色鶏卵に印字した文字ドットの形態を評価)
○:ドット径がシャープ
×:ドット径がにじむ
<耐水性>(印字後、10分間ボイルした鶏卵の印字部を観察評価)
○:印字部の文字識別可能
×:印字部の文字識別不可
食用色素としてコウリャン色素を使用したインキ(実施例1〜3、比較例1〜5)について、99度醗酵エタノールを用い、450nmのO.D.値が1.5となるように希釈し、分光光度計で吸収波長を測定した。得られたODスペクトル(分光スペクトル)から、分光吸収487nm付近にピーク、400nmから486nmの間にバレーを検出、ピークO.D.値/バレーO.D.値を計算した。
Figure 0006237356
Figure 0006237356
本発明の卵殻用インクジェットインキは、実施例1〜7に示すように、経時・吐出安定性、耐水性に優れる。
一方、エタノール:水75:25の混合溶媒にて祖色素から色素を抽出し、インキ中の水が多い比較例1は、溶解・ろ過性が不良であり、吐出試験はできなかった。
また、実施例1に用いた色素抽出液と同じ抽出液を用いた場合であっても、インキ中の水が多い比較例2は比較例1と同様の結果となり、インキ中のエタノールが多いと比較例3に示すように、赤色鶏卵に印字した文字ドットがにじむ。実施例1の場合の印字物を添付図1に、比較例1の場合の印字物を添付図2に示す。添付図1の場合の方が明らかににじみの少ないドット形成が成され、高印字濃度で識別しやすいことが分かる。
比較例4、5は、いずれも色素抽出時のエタノールが多い場合であり、比較例3と同様に赤玉卵殻上で文字ドットがにじむ。

Claims (1)

  1. 溶媒全体に対して、エタノール75 〜85重量%、および水15 〜25重量% 含む混合溶媒で、コウリャン色素、シタン色素、ウコン色素、ビキシン、またはアナトー色素を含む粗色素より、コウリャン色素、シタン色素、ウコン色素、ビキシン、またはアナトー色素を抽出する第1工程と、インキ全体に対して、エタノール60 〜69重量% 、水15〜23重量% 、第1工程で得られた色素1〜9重量% 、シェラック樹脂4〜8重量% からなるインクジェットインキを製造する第2 工程、
    第2 工程で製造したインクジェットインキを、卵殻に印刷する第3 工程を含む印字された卵殻の製造方法。
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