JP2014154298A - 車両用灯具 - Google Patents

Abstract

【課題】灯具点灯時の見栄えを高めることができる車両用灯具を提供する。
【解決手段】光源と、該光源からの出射光を、一端面から入射させた後、内部で導光させ、側面に形成された複数の光制御部１６によって該導光を灯具前方へ向けて出射する、柱状の導光体１０と、該導光体１０の前方に配置されたレンズ４と、を備える車両用灯具において、前記レンズ４に、厚肉に形成した凸部４１を備え、該凸部４１を縦断面矩形に形成した。
【選択図】図３

Description

本発明は、導光により発光する導光体を備えた車両用灯具に関する。

従来より、発光ダイオード等の光源からの出射光を、導光体に対して、その一端面から入射させた後、その側面に形成された複数の内面反射ステップ（光制御部）で内面反射させて導光を拡散し、灯具前方へ向けて光出射させるように構成された車両用灯具が知られている。特許文献１では、アウターレンズとランプボディで画成された灯室内に、柱状の導光体を配置して、導光体前方に延在させた透光性の板状アウターレンズごしに発光させる車両用灯具が記載されている。

特開２０１２−１７４６４１号公報（図１等参照）

しかし、特許文献１のような車両用灯具では、この導光体の内面反射ステップに起因する光むらがそのまま灯具の発光見栄えとして顕れてしまうという問題があった。

本発明は、前記した従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、灯具点灯時の見栄えを高めることができる車両用灯具を提供することである。

前記目的を達成するために、請求項１では、光源と、該光源からの出射光を、一端面から入射させた後、内部で導光させ、側面に形成された複数の光制御部によって該導光を灯具前方へ向けて出射する、柱状の導光体と、該導光体の前方に配置されたレンズと、を備える車両用灯具において、前記レンズは、厚肉に形成した凸部を備え、該凸部は縦断面矩形に形成され、前記凸部は、前記導光体から出射した光を導光して灯具前方に出射することを特徴とする。

請求項２では、請求項１に記載の車両用灯具において、前記レンズの前方には、前記レンズとランプボディの接続部を隠蔽する前方部材が配置され、前記凸部は、前記前方部材から露出することを特徴とする。

請求項３では、請求項２に記載の車両用灯具において、前記凸部の延在形状は、前記前方部材の前面形状に沿って形成されることを特徴とする。

請求項４では、請求項２又は３に記載の車両用灯具において、前記光源及び前記導光体は、前記レンズと前記ランプボディで画成される灯室内に配置され、前記レンズと前記ボディの接続部間の幅は、前記凸部の幅よりも広く形成されることを特徴とする。

請求項１に係る発明によれば、レンズに厚肉の凸部を形成し、かつ凸部を縦断面矩形に形成したため、レンズには灯具前方に延出し且つ互いに対向する２つの側面が形成されることとなり、この凸部の側面において内面反射が生じ、レンズ凸部から帯状に均一発光が得られるため、導光体から出射する光の光むらは修正される。

さらに、凸部を縦断面矩形に形成したため、レンズ前面側に角となる部分が形成されることとなり、この角部に導光が集光して、灯具正面視に見ると該角部で形成されるラインが強調されエッジの利いたライン発光をするという斬新な発光見栄えが得られる。

また、凸部における光の屈折によって、非点灯時においても点灯時においても、レンズ内側は灯具正面視に視認しにくくなり、この点においても灯具見栄えが良い。

請求項２に係る発明によれば、灯具の周部に配置される、レンズとランプボディの接続部を隠蔽するカウルやカバー等の前方部材に対し、レンズの凸部がと前方部材の前面から露出する構成としたため、前方部材に阻害されることなく凸部から光が出射し、凸部からの光拡散が狙いやすい。また、前方部材から露出した凸部が新規な灯具意匠を形成する。

請求項３に係る発明によれば、前方部材から露出する凸部は、車両意匠に倣って三次元的に回り込む形状となる前方部材の前面形状にそって延在形成されるため、レンズ（凸部）が車両から突出することなく、安全性が確保されるとともに灯具としての見栄えもよい。

請求項４に係る発明によれば、レンズとボディの接続部は樹脂溶着するため、必然的にバリが生じ、外観不良部となりやすい。しかし、灯具の縦断面において、レンズとボディの接続部間の幅を凸部の幅よりも広く形成することで、レンズの凸部と前方部材との隙間からも、レンズの内側（特に接続部）は灯具正面視に視認されないこととなり、この点においてもさらに灯具見栄えを向上できる。

本実施例に係る車両用灯具の正面図である。 同灯具の横断面図であって、図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図である。 同灯具の縦断面図であって、図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面図である。

次に、本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら説明する。図１は本実施例に係る車両用灯具の正面図、図２は同灯具の横断面図であって、図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図、図３は、同灯具の縦断面図であって、図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面図である。本実施例では、一例として、本発明の灯具を自動二輪車のヘッドライトに適用している。なお、図２における矢印は同灯具における光線の一部を示している。

符号１Ｒ、１Ｌは、自動二輪車１の進行方向側を照射するランプユニットであり、自動二輪車１（図示せず）の前方に設けられている。灯具１Ｒは車両正面視右側、灯具１Ｌは車両正面視左側に設けられるものである。以下、灯具１Ｒを用いて詳しく説明する。灯具１Ｌは、車両正面視の車両中心に対して左右対称構造であるため、灯具１Ｒの説明を持って明細書及び図面での記載を割愛する。

灯具１Ｒは、透光性のある例えばアクリル樹脂により成形されたレンズ４と、ＡＢＳ樹脂等により成形されたランプボディ２とを樹脂溶着させて画成した灯室内に、光源であるＬＥＤ５と、導光体１０と、を備える。なお、係るレンズ４とランプボディ２は防水接合されている。

ＬＥＤ５は、電子基板に搭載され光源ユニットとして、灯室内右側に配置されている。なお、図面における符号Ｌ，Ｒは灯室内左右方向を、符号Ｕ，Ｄは灯室内上下方向を、符号Ｆ，Ｂは灯具前後方向を示す。

導光体１０は、例えばアクリル樹脂によって柱状に形成された合成樹脂製の光学部材であり、灯室内左右方向に沿って延在配置されている。該導光体１０の右側端面には、ＬＥＤ５が、その照射軸が導光体端面に直交するように正対配置されており、係る端面から入射したＬＥＤ５の光源光は、導光体１０の内面で全反射を繰り返しながら、他方の端面側へ向けて内部を導光するようになっている。

そして、導光体１０の後側側面（図３における断面円形の右に対応する位置）には、灯具前方へ向けて光を内面反射させる内面反射ステップ１６（光制御部）が、導光体１０の延在方向全域に形成されており、前記導光をレンズ４方向へ向けて出射するようになっている。

なお、本願における柱状とは、本実施例に示す円柱状以外に、角柱状のものも含む概念である。

レンズ４は、前面４ｆと側面４ｓとからなり、導光体１０の前方に配置されている。前面４ｆには、導光用の凸部４１が導光体１０の延在方向に沿って形成されており、側面４ｓには、灯具１Ｒを固定するための固定用凸部４５（図示せず）が形成されている。また、側面４ｓには、該側面４ｓの周縁部が灯具後方に延出されたレンズ側接続部４３が形成され、前方に開口する形状のランプボディ２の周縁部であるボディ側接続部２３と溶着されるようになっている。

そして、レンズ４の凸部４１は、厚肉に形成され、縦断面四角形状（図３参照）に形成されている。これにより、凸部４１は、前面４１ｆと、灯具前方に延出し且つ互いに対向する上側面４１ｕ及び下側面４１ｄが必然的に形成されることとなり、この上下側面４１ｕ、４１ｄにて内面反射が生じる。このことから、厚肉とする凸部４１の厚みは、上下側面４１ｕ、４１ｄにて少なくとも１回の内面反射（全反射）が生じる長さを有するのが好ましい。

さらに、凸部４１は、導光体１０の内面反射ステップ１６と対向（導光体中心を中心とした対称位置を含む）する位置に配置され、導光体１０から出射した光を導光して灯具前方に出射するようになっている。

また、レンズ側接続部４３には、バリ隠し部４３ａが灯室上下方向に延出形成されている。

一方、本実施例の自動二輪車１は、その車体フレームの前方側に、灯具１Ｒ，１Ｌのレンズ４とランプボディ２の接続部３を隠蔽する前方部材である、カウル５０が取り付けられている。なお、前方部材は、接続部３のみならず光源であるＬＥＤ５が車両正面視に見えないように隠す役割も備えるものであり、カウル５０はその一例であって、前記役割を有するものであればカバー等の他の部材であっても良い。

カウル５０は、車両意匠に倣って、車両中心から車両左右にかけて回りこむ三次元的な湾曲形状に形成されているとともに、灯具１Ｒ，１Ｌの一部を露出するための開口部５２Ｒ，５２Ｌが形成されている（図２参照）。また、カウル５０の後面、開口部５２Ｒ，５２Ｌの周部には、灯具１Ｒの固定用凸部４５と嵌合する固定用凹部５５（図示せず）が形成されている。

そして、灯具１Ｒは、このカウル５０の開口部５２Ｒから、レンズ４の凸部４１の前面４１ｆが露出するように、該カウル５０に嵌合固定されている。

レンズ４の凸部４１の延在形状は、このときのために、カウル５０の前面５１の形状と略同一の三次元湾曲形状に形成されている。

また、レンズ側接続部４３とボディ側接続部２３の樹脂溶着部となる接続部３，３間の幅ｄ４は、灯具１Ｒの縦断面において、レンズ４の凸部４１の幅ｄ３よりも広く形成されている（図３参照）。

上記の構成によって、本実施例によれば、レンズ４に厚肉の凸部４１を形成し、かつ凸部４１を縦断面四角形状（矩形）に形成したため、凸部４１に灯具前方に延出し且つ互いに対向する上側面４１ｕ及び下側面４１ｄが形成され、この凸部４１の上下側面４１ｕ，４１ｄにおいて内面反射が生じ、レンズ凸部４１が帯状に均一発光するため、導光体１０から出射する光の光むらは修正される。

さらに、凸部４１を縦断面四角形状に形成したため、凸部４１の前面４１ｆの上下に、縦断面に見て、角部４２ｕ，４２ｄが形成されている（図３参照）。これにより、ＬＥＤ５を点灯すれば、導光体１０の内部で導光及び内面反射が起こるとともに、この角部４２ｕ，４２ｄに導光が集光して、灯具正面視に見ると、該角部４２ｕで形成される凸部４１の上周縁部４４ｕ，及び角部４２ｄで形成される凸部４１の上周縁部４４ｄが強調されてライン発光する（図１参照）。このため、灯具正面視に、カウル５０から露出した灯具１Ｒ（凸部４１）の外周がエッジの利いたライン発光をするという斬新な発光見栄えが得られる。

また、レンズ４の凸部４１がカウル５０の前面５１から露出する構成としたため、カウル５０に阻害されることなく凸部４１の前面４１ｆから光が出射し、凸部４１からの光拡散が狙いやすい。

そして、カウル５０から露出した凸部４１は、非点灯時においても点灯時においても新規な灯具意匠を形成する。

また、カウル５０から露出する凸部４１は、自動二輪車１の車両意匠に倣って三次元的に回り込む形状となるカウル５０の前面５１の形状にそって延在形成されているため、レンズ凸部４１が車両から突出することなく、安全性が確保されるとともに灯具１Ｒ，１Ｌの見栄えもよい。

また、凸部４１における光の屈折によって、非点灯時においても点灯時においても、レンズ４の内側は灯具正面視に視認しにくくなり、この点においても灯具見栄えが良い。

さらに、レンズ４とランプボディ２の接続部３は樹脂溶着するため、必然的にバリが生じ、外観不良部となりやすい。しかし、灯具縦断面において、接続部３，３間の幅ｄ４を凸部４１の幅ｄ３よりも広く形成することで、レンズの凸部４１とカウル５０との隙間（開口部５２Ｒ，５２Ｌ）からも、レンズ４の内側（特に接続部３）は灯具正面視に視認されないこととなり、この点においてもさらに灯具見栄えを向上できる。

なお、上記実施例では、導光体１０及びレンズ４の凸部４１を灯室内左右方向に延在配置させた例で説明したが、この構成に限られるものではなく、例えば導光体１０及び凸部４１を灯室内上下方向へ延在配置させた構成とすることも可能であり、この構成においても上記実施例と同様の効果が得られる。

また、上記実施例では、カウル５０から露出するアウターレンズ４での例で説明したが、この構成に限られるものではなく、インナーレンズとして使用することも可能である。

また、本願における矩形とは、上記の四角形に限らない概念であり、三角、五角の多角形を含み、また、角部と角部の間を円弧上になめらかにつなぐような形状も含む概念である。

１Ｒ 灯具
２ ランプボディ
３ 接続部
４ レンズ
５ ＬＥＤ
１０ 導光体
１６ 内面反射ステップ（光制御部）
４１ レンズ凸部
４２ｕ ４２ｄ 角
４４ｕ ４４ｄ 周縁部
５０ カウル
５１ カウルの前面
ｄ３ 凸部の幅
ｄ４ レンズとボディの接続部間の幅

Claims (4)

1. 光源と、
   該光源からの出射光を、一端面から入射させた後、内部で導光させ、側面に形成された複数の光制御部によって該導光を灯具前方へ向けて出射する、柱状の導光体と、
   該導光体の前方に配置されたレンズと、
   を備える車両用灯具において、
   前記レンズは、厚肉に形成した凸部を備え、該凸部は縦断面矩形に形成され、
   前記凸部は、前記導光体から出射した光を導光して灯具前方に出射すること
   を特徴とする車両用灯具。
2. 前記レンズの前方には、前記レンズとランプボディの接続部を隠蔽する前方部材が配置され、前記凸部は、前記前方部材から露出することを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。
3. 前記凸部の延在形状は、前記前方部材の前面形状に沿って形成されることを特徴とする請求項２に記載の車両用灯具。
4. 前記光源及び前記導光体は、前記レンズと前記ランプボディで画成される灯室内に配置され、前記レンズと前記ボディの接続部間の幅は、前記凸部の幅よりも広く形成されることを特徴とする請求項２又は３に記載の車両用灯具。

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