JP2014153427A - 反射スクリーン、反射スクリーンユニット、映像表示システム、反射スクリーンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】平面性が高く、大画面化でき、良好な映像を表示できる反射スクリーン、反射スクリーンユニット、映像表示システム、反射スクリーンの製造方法を提供する。
【解決手段】反射スクリーン20は、レンズ面232及び非レンズ面233を備え、背面側に凸となる単位レンズ231が複数配列されたレンズ層23と、少なくともレンズ面232に形成され、光を反射する反射層22と、レンズ層23及び反射層22の背面側に形成され、反射層22を保護する保護層21とを備え、保護層21の背面側の面21aは、その表面に微細な凹凸形状が形成されているものとした。
【選択図】図2

Description

本発明は、投射された映像光を反射して映像を表示する反射スクリーン、反射スクリーンユニット、映像表示システムに関するものである。
従来、様々な構成を有する反射スクリーンが開発され、映像表示システムに用いられている。近年では、反射スクリーンに対して至近距離から比較的大きな入射角度で映像光を投写して大画面表示を実現する短焦点型の映像投射装置(プロジェクタ)等が広く利用されており、このような短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するための反射スクリーン等も開発されている。
短焦点型の映像投射装置は、反射スクリーンに対して、上方又は下方から従来の映像源よりも大きな入射角度となる映像光を投射することができ、映像投射装置と反射スクリーンとの奥行き方向の距離を短くすることができるので、反射スクリーンを用いた映像表示システムの省スペース化等に寄与できる。
そして、このような短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するために、単位レンズが複数配列されて形成されたリニアフレネルレンズ形状やサーキュラーフレネルレンズ形状を有するレンズ層の表面に反射層を形成した反射スクリーンや、表面に複数の半球状の凹部が形成された反射スクリーン等が様々に開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2008−76523号公報 特開2011−133608号公報
一般的に、反射スクリーン自体は、それ自体で平面性を維持できるほど剛性を有していない場合が多く、十分な剛性を有する支持板等に接着剤や粘着剤ならなる接合層を介して接合する等により、その平面性を維持している。
近年では、反射スクリーンの大画面化も進んでおり、大画面化によるスクリーン自体の重量の増加もあり、接合層と反射スクリーンとの密着性が不十分であると、反射型スクリーンの剥離が生じやすくなり、剥離による撓み等によって平面性が低下する等といった問題が生じやすくなっている。
反射スクリーンを支持板に接合し、さらに、反射スクリーンの外周部等を保持する枠部材(ベゼル)を設ける等の手法もあるが、大画面化のため、枠部材がスクリーンを被覆する幅が狭く、反射スクリーンの平面性を十分維持できないという問題がある。また、枠部材を設けることは、大画面化や軽量化等の観点や、反射スクリーンの外観の品位等の観点から好ましくない。
上述の特許文献1,2には、そのような支持板や接合層との密着性を向上させることに関しては、一切開示されていない。
本発明の課題は、平面性が高く、大画面化でき、良好な映像を表示できる反射スクリーン、反射スクリーンユニット、映像表示システムを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、映像源から投射された映像光を反射して画面に表示する反射スクリーンであって、レンズ面(232)及び非レンズ面(233)を備え、背面側に凸となる単位レンズ(231)が複数配列されたレンズ層(23)と、少なくとも前記レンズ面に形成され、光を反射する反射層(22)と、前記レンズ層及び前記反射層の背面側に形成され、前記反射層を保護する保護層(21)と、を備え、前記保護層の背面側表面(21a)は、微細な凹凸形状が形成されていること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、前記保護層(21)の背面側表面(21a)の表面粗さは、算術平均粗さRaが3.0μm以上、5.0μm以下、最大高さRmaxが30μm以上、50μm以下であること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、前記凹凸形状は、スクリーン面上の一方向を長手方向する複数の微細な筋により形成されること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記保護層(21)は、光吸収作用を有すること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層(22)は、金属膜であり、前記保護層(21)は、前記反射層の酸化を防止する機能を有すること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーン(20)と、前記反射スクリーンの背面側に配置され、前記反射スクリーンの画面の平面性を支持する支持板(30)と、前記反射スクリーンと前記支持板との間に設けられ、前記反射スクリーンと前記支持板とを接合する接合層(40)と、を備える反射スクリーンユニット(10)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の反射スクリーンユニット(10)と、前記反射スクリーン(20)に映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示システム(1)である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンの製造方法であって、前記反射層(22)が形成された前記レンズ層(23)の背面側となる面に、ロールコート法により保護層形成材料(21R)を塗布する塗布工程を備え、前記塗布工程において、コートロール(74)と前記保護層形成材料の塗膜(21A)との間で前記保護層形成材料を凝集破壊させること、を特徴とする反射スクリーンの製造方法である。
本発明によれば、平面性が高く、大画面化でき、良好な映像を表示できる反射スクリーン、反射スクリーンユニット、映像表示システムとすることができる。
実施形態の映像表示システム1を説明する図である。 実施形態の反射スクリーンユニット10及び反射スクリーン20の層構成を説明する図である。 実施形態のレンズ層23を説明する図である。 実施形態の保護層21を説明する図である。 実施形態の反射スクリーン20及び反射スクリーンユニット10の製造方法の一例を説明する図である。 実施形態の保護層21の形成方法の一例を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
(実施形態)
図1は、本実施形態の映像表示システム1を説明する図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
映像表示システム1は、反射スクリーン20を備える反射スクリーンユニット10と、映像源LS等とを有している。本実施形態の映像表示システム1は、映像源LSから投影された映像光Lを反射スクリーン20が反射して、その画面上に映像を表示する。
この映像表示システム1は、例えば、映像光Lを映像源LSから投射するフロントプロジェクションテレビシステム等として用いることも可能である。また、映像表示システム1は、反射スクリーン20と映像源LSと反射スクリーン20の観察画面上の入力部の位置を検出する位置検出部やパーソナルコンピュータ等を備えたインタラクティブボードシステムとしてもよい。
映像源LSは、映像光Lを反射スクリーン20へ投射する映像光投射装置である。本実施形態の映像源LSは、汎用の短焦点型プロジェクタである。映像源LSは、使用状態において、反射スクリーン20の画面を法線方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射スクリーン20の画面左右方向において中央であって、反射スクリーン20の画面(表示領域)よりも下方側となる位置に配置されている。
なお、スクリーン面とは、この反射スクリーン20全体として見たときにおける、反射スクリーン20の平面方向となる面を示すものである。
この映像源LSは、反射スクリーン20の画面に直交する方向(反射スクリーン20の厚み方向)における反射スクリーン20との距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光Lを投射できる。即ち、映像源LSは、従来の汎用プロジェクタに比べて、反射スクリーン20までの投射距離が短く、映像光Lの反射スクリーン20のスクリーン面に対する入射角度も大きい。
反射スクリーン20は、映像源LSが投射した映像光Lを観察者O側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンである。使用状態において、反射スクリーン20の観察画面は、観察者O側から見て、長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である。
以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射スクリーン20の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
この反射スクリーン20は、例えば、対角80インチや100インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
なお、本実施形態の映像表示システム1は、短焦点型のプロジェクタである映像源LSと、この映像源LSから投射された映像光を反射して映像を表示する反射スクリーン20とを備えるものとしたが、これに限らず、映像源LSを、投射距離が長く、映像光の投射角度(即ち、スクリーンへの映像光の入射角度)の小さい従来の汎用プロジェクタとし、反射スクリーン20をそのような映像源LSに対応するものとしてもよい。
図2は、本実施形態の反射スクリーンユニット10及び反射スクリーン20の層構成を説明する図である。
図2では、反射スクリーン20の観察画面(表示領域)の幾何学的中心(画面中央)となる点A(図1(a),(b)参照)を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に直交(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
反射スクリーンユニット10は、反射スクリーン20と、その背面側に配置される平板状の支持板30と、接合層40とを有している。反射スクリーン20と支持板30とは、接合層40を介して一体に接合されている。
この支持板30は、高い剛性を有する部材であれば、特にその材料等は限定しないが、例えば、アルミニウム等の金属製の板材や、アクリル系樹脂等の樹脂製の板材等が好適に用いられる。また、表裏面をアルミニウム等の薄板とし、内部の芯材としてアルミニウム等の薄板により形成されたハニカム構造を備えることにより、板材全体としての軽量化を図った金属製の板材(所謂、ハニカムパネル)等を用いてもよい。また、支持板30は、外光の映り込みや外光によるコントラスト低下等を防止する観点から、光透過性を有しない部材であることが好ましい。
支持板30の厚みは0.2〜5.0mmが好適であり、より好ましくは0.5〜2.0mmである。厚みが0.2mmよりも薄いと、平面性を支持できるだけの剛性の付与が不十分であり、5.0mmよりも厚くなると、支持板30の重量が重くなるという問題がある。
反射スクリーン20は、薄く、それ単独では平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、反射スクリーン20は、支持板30に一体に接合される形態とすることにより、その画面の平面性を維持している。
接合層40は、反射スクリーン20と支持板30とを一体に接合する機能を有する層である。接合層40は、粘着剤や接着剤等により形成してもよいし、基材の両面に粘着剤層が形成された両面テープ材等を用いてもよい。
両面テープとしては、例えば、日立マクセル社製の布両面テープNo,5300、No,5320、No,5325や、住友スリーエム社製のVHB構造用接合テープ、9500PC DoubleCoated Poly Ester Tape、Fast Bondシリーズが好適に使用できるが、これに限るものではなく、適宜選択してよい。
反射スクリーン20は、その厚み方向において、映像源側(観察者側)から順に、表面層25、基材層24、レンズ層23、反射層22、保護層21等を備えている。
基材層24は、レンズ層23を形成する基材となるシート状の部材である。この基材層24の映像源側には、表面層25が一体に形成され、背面側(裏面側)には、レンズ層23が一体に形成されている。
基材層24は、拡散材を含有する光拡散層241と、顔料や染料等の着色材を含有する着色層242とを有している。本実施形態の基材層24は、光拡散層241と着色層242とが共押出成形されることにより、一体に積層されて形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、基材層24において、光拡散層241が背面側であり、着色層242が映像源側に位置する例を示したが、これに限らず、光拡散層241が映像源側に位置し、着色層242が背面側に位置する形態としてもよい。
光拡散層241は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散材を含有する層である。光拡散層241は、視野角を広げたり、明るさの面内均一性を向上させたりする機能を有する。
光拡散層241の母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、アクリル系樹脂等が好適に用いられる。
光拡散層241に含まれる拡散材としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂等、シリコン系等の樹脂製の粒子や無機粒子等が好適に用いられる。なお、拡散材は、無機系拡散材と有機系拡散材とを組み合わせて用いてもよい。この拡散材は、略球形であり、平均粒径が約1〜50μmであるものを用いることが好ましい。
光拡散層241の厚さは、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、約100〜2000μmとすることが好ましい。
着色層242は、黒色等の暗色系の着色剤等により、所定の光透過率となるように着色が施された層である。着色層242は、反射スクリーン20に入射する照明光等の不要な外光を吸収したり、表示される映像の黒輝度を低減させたりして、映像のコントラストを向上させる機能を有する。
着色層242の着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が好適に用いられる。
着色層242の母材となる樹脂は、PET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
着色層242は、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、その厚さを約30〜3000μmとすることが好ましい。
図3は、本実施形態のレンズ層23を説明する図である。
図3(a)は、レンズ層23を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層22や保護層21等は省略して示している。図3(b)は、図2に示す断面の一部をさらに拡大して示し、理解を容易にするために、映像源側に位置する基材層24や表面層25は省略して示している。
レンズ層23は、基材層24の背面側に設けられた光透過性を有する層であり、図3(a)等に示すように、点Cを中心として単位レンズ231が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状をその背面側の面に有している。このサーキュラーフレネルレンズ形状は、その光学的中心(フレネルセンター)である点Cが、反射スクリーン20の画面(表示領域)の領域外であって、反射スクリーン20の下方に位置している。
本実施形態では、レンズ層23は、その背面側の面にサーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を上げて説明するが、これに限らず、単位レンズ231がスクリーン面に沿って画面上下方向等に配列されたリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
単位レンズ231は、図2や図3(b)に示すように、スクリーン面に直交する方向(反射スクリーン20の厚み方向)に平行であって、単位レンズ231の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
単位レンズ231は、背面側に凸であり、レンズ面232と、このレンズ面232と対向する非レンズ面233とを備えている。
本実施形態では、反射スクリーン20の使用状態において、単位レンズ231は、レンズ面232が頂点tを挟んで非レンズ面233よりも鉛直方向上側に位置している。
図3(b)に示すように、単位レンズ231のレンズ面232が、スクリーン面に平行な面となす角度は、αである。また、非レンズ面233がスクリーン面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。さらに、単位レンズ231の配列ピッチは、Pであり、単位レンズ231のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点tから単位レンズ231間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
理解を容易にするために、図2等では、単位レンズ231の配列ピッチP、角度α,βは、単位レンズ231の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ231は、実際には、配列ピッチP等が一定であるが、角度αが単位レンズ231の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。
なお、これに限らず、配列ピッチPは、単位レンズ231の配列方向に沿って次第に変化する形態等としてもよく、映像光Lを投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射スクリーン20のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射スクリーン20の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
レンズ層23は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により、基材層24の背面側の面(本実施形態では、光拡散層241側の面)に一体に形成されている。なお、レンズ層23は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
また、レンズ層23は、熱可塑性樹脂を用いてもよく、レンズ層23のフレネルレンズ形状に応じて、プレス成形法や射出成形法、押出成形法等により形成してもよい。このようなレンズ層23の場合には、不図示の接合層等を介して、その映像源側に基材層24(光拡散層241)等を積層する形態としてもよい。また、押出成形法が可能な場合には、レンズ層23と基材層24とを一体に積層した状態で成形してもよい。
反射層22は、光を反射する作用を有する層である。この反射層22は、光を反射するために十分な厚さを有し、単位レンズ231の少なくともレンズ面232に形成されている。
本実施形態の反射層22は、図2や図3(b)に示すように、レンズ面232に形成されているが、非レンズ面233には形成されていない。なお、反射層22は、光を反射しない程度の薄さであれば、非レンズ面233の少なくとも一部に形成された形態としてもよい。
反射層22は、レンズ面232上に、アルミニウムや銀、ニッケル等の光反射性の高い金属を蒸着することにより形成することができる。また、これに限らず、反射層22は、例えば、アルミニウムや銀、クロム等の光反射性の高い金属をスパッタリングする、金属箔を転写する等により形成してもよい。
反射層22は、光を反射するために十分な厚さであれば、その材料等に応じて厚さを自由に設定してよい。
図4は、本実施形態の保護層21を説明する図である。図4(a)は、保護層21を背面側から見た様子を模式的に示した図であり、図4(b)は、保護層21の背面側の面21aの表面を拡大した写真である。
保護層21は、レンズ層23及び反射層22の背面側に設けられる層である。本実施形態の保護層21は、反射層22及び非レンズ面233を被覆しており、非レンズ面233上には、保護層21が形成された形態となっている。
この保護層21は、反射スクリーン20の裏面を傷等から保護したり、反射層22を剥離や破損、酸化等の劣化から保護したりする機能を有している。また、保護層21は、光を吸収する作用を有しており、反射スクリーン20への背面側からの外光の入射を防止する機能を有する。さらに、保護層21は、耐熱性、耐寒性等の耐候性を有することがより好ましい。
保護層21は、ウレタン系樹脂やエポキシ系樹脂、これらの混合となる樹脂を母材とし、光吸収材である黒色等の暗色系の塗料等や、黒色等の暗色系の顔料や染料等を含有するビーズ等と、反射層22を酸化等の劣化から保護するための酸化防止剤や防湿剤等とが添加された材料により形成され、この材料をレンズ層23の背面側(フレネルレンズ形状側)にロールコート法等により塗布し、硬化させることにより、形成される。
本実施形態では、保護層21を形成する材料としては、例えば、酸化防止剤等が添加された黒色の水性インキ等を用いることができる。
保護層21は、レンズ層23の単位レンズ231の高さよりもその厚みが十分に厚く形成されており、その背面側は、略平面状となっており、単位レンズ231の凹凸に追従した凹凸形状を有していない。この保護層21は、例えば、単位レンズ231の頂点tからの厚み(厚さ方向における寸法)を約5〜50μmとすることができる。
また、この保護層21の背面側の面21aは粗面であり、微細凹凸形状が形成されている。この微細凹凸形状は、ある一方向を長手方向とし、幅や配列間隔等が、長手方向及び配列方向において不規則である微細な筋が複数形成されることにより形成されている。本実施形態では、微細な筋は、画面左右方向を長手方向として形成されているが、これに限らず、画面上下方向を長手方向として形成される形態としてもよい。
保護層21の背面側の面21aの表面粗さは、以下の範囲を満たすことが好ましい。
算術平均粗さ Ra:3.0μm以上、5.0μm以下
最大高さ Rmax:30μm以上、50μm以下
なお、上記の算術平均粗さRaは、JIS B0601−1994に準じ、最大高さRmaxは、JIS B0601−1982に準じている。
算術平均粗さRaが3.0μm未満であると、保護層21の背面側の面21aの表面が十分な表面積を確保できず、保護層21と接合層40との密着性が不十分となり、反射スクリーン20の剥離等を招いてしまう。また、算術平均粗さRaが5.0μmより大きいと、保護層21の微細凹凸形状の凹凸の奥まで十分に接合層40の粘着剤等が入りこまず、保護層21と接合層40との間に気泡を含み易くなり、密着性が低下し、反射スクリーン20の剥離や撓み等を招いてしまう。
最大高さRmaxに関しても同様に、Rmaxが30μm未満では、保護層21と接合層40との密着性を向上させる十分な表面積が確保できず、Rmaxが50μmより大きいと、気泡を含みやすくなって密着性が低下し、好ましくない。
保護層21が背面側の面21a(接合層40と接する面)に、上述のような好ましい表面粗さの範囲を満たす微細な凹凸形状を有することにより、反射スクリーン20と接合層40の粘着剤等との密着性が向上し、十分な接合強度を確保でき、反射スクリーン20の画面の平面性を高く維持することができる。
なお、保護層21の背面側の面21aの微細凹凸形状は、画面上下方向及び画面左右方向において不規則に形成される凹凸形状としてもよい。しかし、接合層40の粘着剤等の凹凸形状への入り込み(追従性)等を考慮する場合、本実施形態の複数の微細な筋により形成される凹凸形状のように、微細凹凸形状は、規則性を一部有するような形状とすることがより好ましい。
このような形状とすることにより、接合層40の粘着剤等が凹凸形状に十分入り込み、反射スクリーン20と接合層40との密着性をさらに向上させることができる。
表面層25は、基材層24の映像源側(観察者側)に設けられる層である。本実施形態の表面層25は、反射スクリーン20の映像源側の最表面を形成している。
本実施形態の表面層25は、ハードコート機能及び防眩機能を有しており、基材層24の映像源側の表面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート)等の電離放射線硬化型樹脂を塗膜の膜厚約10〜100μmとなるように塗布し、微細な凹凸形状(マット形状)をその樹脂膜表面に転写する等して硬化させ、表面に微細凹凸形状が賦形されて形成されている。
なお、表面層25は、上記の例に限らず、反射防止機能や防眩機能、ハードコート機能、紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等、適宜必要な機能を1つ又は複数選択して設けることができる。また、表面層25としてタッチパネル層等を設けてもよい。
また、表面層25は、反射防止機能や紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等を有する層を、表面層25と基材層24との間に、さらに別層として設けてもよい。
さらに、表面層25は、基材層24とは別層であって不図示の粘着材等により基材層24に接合される形態としてもよいし、基材層24のレンズ層23とは反対側(映像源側)の面に直接形成してもよい。
図2に戻り、本実施形態の反射スクリーン20へ入射する映像光及び外光の様子を説明する。図2では、理解を容易にするために、表面層25、着色層242、光拡散層241、レンズ層23の屈折率は等しいものとし、映像光L1及び外光G1,G2に対する光拡散層241の光拡散作用等は省略して示している。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン20の下方から入射し、表面層25及び基材層24を透過してレンズ層23の単位レンズ231へ入射する。
そして、映像光L1は、レンズ面232へ入射して反射層22によって反射され、観察者O側に向かい、略正面方向へ反射スクリーン20から出射する。従って、映像光L1は、効率よく反射されて観察者Oに届くので、明るい映像を表示できる。
なお、映像光L1が反射スクリーン20の下方から投射され、かつ、角度β(図3(b)参照)が反射スクリーン20の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面233に直接入射することはなく、非レンズ面233は、映像光L1の反射には影響しない。
一方、照明光等の不要な外光G1,G2は、図2に示すように、主として反射スクリーン20の上方から入射し、表面層25及び基材層24を透過してレンズ層23の単位レンズ231へ入射する。
そして、一部の外光G1は、非レンズ面233へ入射して、保護層21によって吸収される。また、一部の外光G2は、レンズ面232で反射して、主として反射スクリーン20の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。さらに、一部の外光は、反射スクリーン20に入射して、着色層242に吸収される。従って、反射スクリーン20では、外光G1,G2等による映像のコントラスト低下を抑制できる。
以上のことから、本実施形態の反射スクリーン20によれば、明室環境下であっても、コントラストが高く明るく良好な映像を表示できる。
ここで、本実施形態の反射スクリーン20及び反射スクリーンユニット10の製造方法の一例について説明する。
図5は、本実施形態の反射スクリーン20及び反射スクリーンユニット10の製造方法の一例を説明する図である。
図5(a)に示すように、拡散材を含有する樹脂と着色材を含有する樹脂とを、それぞれ所定の厚さで共押出成形することにより、光拡散層241及び着色層242を一体に成形し、基材層24を形成する。ここでは、基材層24は、ウェブ状であるとする。
次に、図5(b)に示すように、基材層24の映像源側となる面(本実施形態では、着色層242側の面)上に、ウレタンアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を塗布し、微細な凹凸形状(マット形状)をその樹脂膜表面に転写する等して硬化させ、表面に微細凹凸形状を有する表面層25を形成する。
なお、表面層25上に不図示のマスキング材を剥離可能に貼合して、次工程に流してもよい。このマスキング材としては、例えば、透明又は略透明なシート状の部材を用いることができ、以降の製造過程における表面層25表面の汚れや傷つきを防止する機能を有している。
次に、表面層25及び基材層24を、所定の大きさに裁断し、枚葉状とする。
そして、図5(c)に示すように、基材層24の背面側となる面(本実施形態では、光拡散層241側の面)に、紫外線成形法等により、レンズ層23を形成する。
レンズ層23は、基材層24の表面層25が積層された面とは反対側の面(本実施形態では、光拡散層241側の面)を、アクリル系の紫外線硬化型樹脂が充填されたサーキュラーフレネルレンズ形状を賦形する成形型に押圧し、紫外線を照射して硬化させた後に成形型から離型する等により、形成される。なお、レンズ層23の形成方法は、適宜選択してよく、この限りではない。
次に、図5(d)に示すように、レンズ層23のレンズ面232に、真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着して反射層22を形成する。
次に、図5(e)に示すように、反射層22が形成されたレンズ層23の背面側の面に、保護層21を形成する。
図6は、本実施形態の保護層21の形成方法の一例を説明する図である。
本実施形態では、保護層21は、保護層形成装置70により形成される。
保護層形成装置70は、搬送ベルト71、ダイ72、アプリケーターロール73、コートロール74、押圧ロール75等を有している。
表面層25、基材層24、レンズ層23、反射層22が一体に積層された積層体S(図5(d)参照)は、搬送ベルト71により、図6に示す矢印の方向に所定の速度で搬送される。そして、ダイ72から吐出された保護層21を形成する材料21Rが、アプリケーターロール73及びコートロール74を介して、積層体Sの反射層22側の面に所定の厚さで塗布され、塗膜21Aが形成される。
この材料21Rは、酸化防止剤や防湿剤等を含有した黒色インキ(黒色の水性インキ)であり、所定の粘度有している。そのため、コートロール74が塗膜21Aから離れる際に、材料21Rが凝集破壊される。即ち、コートロール74と塗膜21Aとの間で材料21Rが引っ張られて糸を引き(糸引き現象)、破断される。
これにより、塗膜21Aの表面に、搬送方向を長手方向とする微細な複数の筋による凹凸形状が形成される。そして、この塗膜21Aが乾燥される等して硬化され、表面に微細な複数の筋による凹凸形状を有する保護層21が形成される。
ここで、保護層21を形成する材料21Rの粘度は、2000〜100000Pa・s(ただし、測定時の材料21Rの温度は20℃)とすることが、前述の算術平均粗さRa及び最大高さRmaxの好ましい範囲を満たす良好な微細凹凸形状を形成する観点から好ましい。また、同様に、コートロール74のロールの径は、200〜800mmとすることが、良好な微細凹凸形状を形成する観点から好ましい。
粘度が2000Pa・s未満である場合には、コートロール74と塗膜21Aとの間で、糸引き現象が生じにくくなり、複数の筋による微細な凹凸形状が形成されにくい。また、粘度が100000Pa・sよりも大きい場合には、単位レンズ231の凹凸形状への材料21Rの入り込み(追従性)が低下し、レンズ層及び反射層22と保護層21との間に気泡が生じやすくなる。従って、材料21Rの粘度は、上記範囲とすることが好ましい。なお、この粘度は、例えば、B型粘度計(アナログT型 英弘精機株式会社製)により測定可能である。
ロール径に関しては、200mm未満であると筋が密になりすぎ、保護層21の表面の凹凸形状に対して、接合層40の粘着剤等の入り込み(追従性)が不十分となりやすい。また、径が800mmよりも大きくなると、筋の間隔があく等して、好ましいRa,Rmaxの範囲外となる。従って、ロール径は、上記範囲とすることが好ましい。
次に、表面層25からマスキング材等を剥離したり、更なる裁断工程等の後工程を行ったりする等して、反射スクリーン20が完成する。
次に、図5(f)に示すように、反射スクリーン20の裏面(保護層21の表面)と支持板30とを、接合層40を介して一体に接合する。これにより、反射スクリーンユニット10が完成する。なお、反射スクリーンユニット10の外周端面に、保護部材を接合する等の後処理を行ってもよい。
上述のような製造方法とすることにより、賦形用の成形型等を使用することなく、保護層21の背面側の面21aの微細な凹凸形状を、所望の表面粗さで容易に形成することができる。従って、生産コストを大幅に低減できる。
さらに、背面21aに好ましいRa,Rmaxの範囲を満たす微細凹凸形状を有するので、反射スクリーン20と接合層40の粘着剤等との密着性をさらに高めることができる。
なお、本実施形態では、レンズ層23の形成前に、ウェブ状の基材層24及び表面層25を枚葉状に裁断する例を挙げて説明したが、これに限らず、予め裁断された枚葉状の基材層24を用いてもよい。
また、本実施形態では、基材層24の片面に予め表面層25を形成し、その後にレンズ層23を形成する例を示したが、これに限らず、例えば、レンズ層23を形成した後等に、表面層25を形成してもよい。
(実施例と比較例の評価)
ここで、保護層21の表面粗さ(Ra,Rmax)が異なる測定例1〜12の反射スクリーン20を備える反射スクリーンユニット10を複数作製し、接合層40からの剥離等の発生状況を調べた。
各測定例の反射スクリーン20に共通する構成は、以下の通りである。
反射スクリーン20の画面サイズ:100インチ(2240mm×1260mm)
表面層25:エポキシアクリレート樹脂製、厚さ約20μm
着色層242:黒色顔料を着色剤として含有するMS樹脂製、厚さ200μm、透過率60%
光拡散層241:MS樹脂製のビーズ(平均粒径10μm)を拡散材として含有するMBS樹脂製、厚さ1.35mm
レンズ層23:エポキシアクリレート樹脂製、厚さ80μm
反射層22:アルミニウムの蒸着膜、厚さ約800Å
保護層21:黒色の水性インキ製、単位レンズ231の頂点tからの厚さ約10μm
これらの測定例1〜12の反射スクリーン20は、いずれも質量が約7kgである。
測定例1〜12の保護層21の表面粗さRa,Rmaxは、以下の通りである。
測定例1ではRa=3.0μm、Rmax=20μm
測定例2ではRa=3.0μm、Rmax=30μm
測定例3ではRa=3.0μm、Rmax=50μm
測定例4ではRa=3.0μm、Rmax=60μm
測定例5ではRa=5.0μm、Rmax=20μm
測定例6ではRa=5.0μm、Rmax=30μm
測定例7ではRa=5.0μm、Rmax=50μm
測定例8ではRa=5.0μm、Rmax=60μm
測定例9ではRa=6.0μm、Rmax=30μm
測定例10ではRa=6.0μm、Rmax=50μm
測定例11ではRa=2.0μm、Rmax=30μm
測定例12ではRa=2.0μm、Rmax=50μm
測定例2,3,6,7は、実施例に相当し、測定例1,4,5,8〜12は比較例に相当する。
これらの測定例1〜12の反射スクリーン20を、それぞれ、以下の接合層40を用いて支持板30に接合した。
接合層40:布製の基材の両面に粘着剤層が形成された両面テープ(日立マクセル社製、No,5320)を保護層21の全面に貼付し、支持板30と貼合(なお、オートクレーブを行ってもよい)。厚さ約0.5mm
支持板30:アルミニウム製のハニカムパネル(三菱樹脂社製Alpolic)、2240mm×1260mm、厚さ2mm、質量約12kg
各測定例の反射スクリーンユニット10を、室温60℃、相対湿度90%の環境下に配置し、150時間後、300時間後、500時間後の反射スクリーン20と接合層40との間での剥離の有無を調べた。剥離の有無は、目視により行った。
以下に示す表1が、その評価結果である。なお、経過時間の欄の○は剥離なし、×は剥離有りを示し、総合評価の欄の○は平面性が良好であることを示し、×は平面性が低く、使用に適さないことを示している。
表1に示すように、保護層21の背面21aの表面粗さが、算術平均粗さRaが3.0以上、5.0以下、最大高さRmaxが30μm以上、50μm以下という2つの条件のいずれか1つ、又は、双方を満たさない比較例の測定例1,4,5,8〜12の測定例の反射スクリーンは、その平面性が低く、使用に適さなかった。
一方、保護層21の背面21aの表面粗さが、算術平均粗さRaが3.0以上、5.0以下、かつ、最大高さRmaxが30μm以上、50μm以下という範囲を満たす実施例に相当する測定例2,3,6,7の反射スクリーンは、その平面性が良好であった。
本実施形態の保護層21の背面21aの表面粗さは、算術平均粗さRaが3.0以上、5.0以下、最大高さRmaxが30μm以上、50μm以下という範囲を満たしているので、本実施形態によれば、反射スクリーン20と接合層40との間に密着性が向上し、剥離や撓み等が大幅に抑制される。従って、本実施形態によれば、平面性が高く、良好な映像を表示できる。また、本実施形態によれば、反射スクリーン20と支持板30との密着性を向上できるので、平面性を高く維持したまま大画面化も可能である。
本実施形態によれば、保護層21を形成する材料21Rの粘度等を上述の好ましい範囲に設定することにより、コートロール74による塗布時に保護層21の表面に、搬送方向を長手方向とする微細な筋(所謂、ライン目、リブ)による微細な凹凸形状が形成され、好適な表面粗さとすることができるので、製造が容易であり、かつ、新たな生産設備や工程等が不要であり、生産コストを大幅に抑制できる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)保護層21は、黒色に限らず、光吸収性を有する他の色としてもよいし、外光の背面側からの入射や、反射層22の酸化等を抑制できるのであれば、透明又は半透明としてもよい。
また、保護層21は、ハードコート機能や、帯電防止機能、防汚機能、紫外線吸収機能等を有する形態としてもよい。
(2)本実施形態では、ロールコート法により保護層21を形成する例を示したが、これに限らず、例えば、酸化防止剤や防湿剤、黒色顔料等を含有する紫外線硬化型樹脂等を塗布し、微細凹凸形状を賦形可能なロール版等の成形型により、凹凸形状を転写して硬化させ、保護層21を形成してもよい。
このとき、保護層21の表面の微細凹凸形状は、好ましい表面粗さを有しているならば、例えば、シボ状であったり、ヘアライン状であったり、ディンプル状等であったりしてもよい。
(3)本実施形態では、反射スクリーンユニット10は、支持板30と反射スクリーン20と接合層40とを備える形態を示したが、これに限らず、例えば、これらに加えて、反射スクリーン20の観察者側外周縁部及び外周端面を保持する枠部材(ベゼル)を備える形態としてもよい。このような枠部材を備えることにより、さらに、反射スクリーン20と支持板30との端面や外周縁部を保護でき、破損や剥離を防止する効果を高めることができる。
なお、大画面化の観点から、このような枠部材の幅(画面を被覆する幅)は、より狭い方が好ましい。本実施形態では、反射スクリーン20と支持板30との密着性及び接合強度が十分確保されているので、枠部材の幅を極力狭くすることができ、大画面化を妨げず、かつ、外観の品位も高く保つことができる。
(4)本実施形態では、反射層22は、レンズ面232に形成される例を示したが、これに限らず、非レンズ面233にも、光を反射可能な厚みを有して形成されていてもよい。
また、本実施形態では、反射層22は、アルミニウム等の金属の蒸着膜等である例を示したが、これに限らず、例えば、高反射性を有する白色又は銀色系の顔料や、白色又は銀色系の塗料やビーズ等を含有する紫外線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂、銀やアルミニウム等の金属蒸着膜や金属箔等を粉砕した粒子や微小なフレークを含む塗料等を適宜選択して塗布又は印刷して硬化させて形成してもよい。反射層22をこれらの塗料等により形成する場合には、スプレー塗布や、グラビアリバースコート、スクリーン印刷、インクジェット方式等を用いることができる。
(5)本実施形態の反射スクリーン20は、画面の平面性を維持するために、ガラス製や樹脂製であり、剛性の高い透明基板層を備える形態としてもよい。
(6)本実施形態では、レンズ面232及び非レンズ面233は、図2等において直線状で示されるように平面状である例を示したが、これに限らず、レンズ面232や非レンズ面233の一部が曲面状となっていてもよい。
また、本実施形態では、単位レンズ231のレンズ面232及び非レンズ面233は、いずれも1つの面からなる例を示したが、これに限らず、例えば、少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
さらに、本実施形態では、単位レンズ231は、図2等に示す断面形状が略三角形形状である例を示したが、これに限らず、例えば、断面形状が略台形形状であり、レンズ面と非レンズ面とが、スクリーン面に平行な頂面を挟んで対向する形態としてもよい。このとき、頂面は、映像光の反射に寄与しない領域に形成されることが好ましい。頂面には、反射層を形成してもよいし、保護層で頂面が被覆される形態としてもよい。
(7)本実施形態では、基材層24は、着色層242と光拡散層241とを備える例を示したが、これに限らず、例えば、基材層24は、着色層242を備えず、光拡散層241のみを備える形態としてもよい。この場合、光拡散層241が拡散材に加えてさらに着色材をも含有する形態としてもよい。
また、基材層24は、着色層242と光拡散層241とを備え、着色層242が着色剤に加えてさらに光拡散材を含有する形態としてもよい。
さらに、光拡散層241と着色層242とは、別々に成形された光拡散層241と着色層242とを粘着剤等で接合して基材層24としてもよい。
(8)本実施形態では、反射スクリーン20は、接合層40を介して板状の支持板30と合されている例を示したが、これに限らず、壁面等を支持板30とし、接合層40により接合される形態としてもよい。
また、本実施形態において、反射型スクリーン20は、使用時及び不使用時に略平板状である例を示したが、これに限らず、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。このような形態の場合には、支持板30は、厚みが薄く、巻き取れる程の可撓性を有し、かつ、使用時には反射スクリーン20の平面性を維持可能であることが好ましい。
(9)本実施形態では、映像源LSは、鉛直方向において反射スクリーン20(反射スクリーンユニット10)より下方に位置し、映像光Lが反射スクリーン20の下方から斜めに投射される例を示したが、これに限らず、例えば、映像源LSが、鉛直方向において反射スクリーン20より上方に位置し、映像光Lが反射スクリーン20の上方から斜めに投射される形態としてもよい。
なお、上述の実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 映像表示システム
10 反射スクリーンユニット
20 反射スクリーン
21 保護層
22 反射層
23 レンズ層
231 単位レンズ
232 レンズ面
233 非レンズ面
24 基材層
25 表面層
30 支持板
40 接合層
LS 映像源
本発明は、投射された映像光を反射して映像を表示する反射スクリーン、反射スクリーンユニット、映像表示システム、反射スクリーンの製造方法に関するものである。
本発明の課題は、平面性が高く、大画面化でき、良好な映像を表示できる反射スクリーン、反射スクリーンユニット、映像表示システム、反射スクリーンの製造方法を提供することである。
本発明によれば、平面性が高く、大画面化でき、良好な映像を表示できる反射スクリーン、反射スクリーンユニット、映像表示システム、反射スクリーンの製造方法とすることができる。

Claims (8)

  1. 映像源から投射された映像光を反射して画面に表示する反射スクリーンであって、
    レンズ面及び非レンズ面を備え、背面側に凸となる単位レンズが複数配列されたレンズ層と、
    少なくとも前記レンズ面に形成され、光を反射する反射層と、
    前記レンズ層及び前記反射層の背面側に形成され、前記反射層を保護する保護層と、
    を備え、
    前記保護層の背面側表面は、微細な凹凸形状が形成されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  2. 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記保護層の背面側表面の表面粗さは、
    算術平均粗さRaが3.0μm以上、5.0μm以下
    最大高さRmaxが30μm以上、50μm以下
    であること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記凹凸形状は、スクリーン面上の一方向を長手方向する複数の微細な筋により形成されること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記保護層は、光吸収作用を有すること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記反射層は、金属膜であり、
    前記保護層は、前記反射層の酸化を防止する機能を有すること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
    前記反射スクリーンの背面側に配置され、前記反射スクリーンの画面の平面性を支持する支持板と、
    前記反射スクリーンと前記支持板との間に設けられ、前記反射スクリーンと前記支持板とを接合する接合層と、
    を備える反射スクリーンユニット。
  7. 請求項6に記載の反射スクリーンユニットと、
    前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
    を備える映像表示システム。
  8. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンの製造方法であって、
    前記反射層が形成された前記レンズ層の背面側となる面に、ロールコート法により保護層形成材料を塗布する塗布工程を備え、
    前記塗布工程において、コートロールと前記保護層形成材料の塗膜との間で前記保護層形成材料を凝集破壊させること、
    を特徴とする反射スクリーンの製造方法。
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