JP2011017972A - 透明体貼付用スクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】スクリーン正面から入射した光の後方散乱を抑制することができ、また、窓ガラス等に貼付する場合に、気泡の混入を防止しつつ現場施工することができ、かつ再剥離することのできる透明体貼付用スクリーンを提供する。
【解決手段】光拡散制御層2と、光拡散制御層2の一方の側(正面側;窓ガラスG側)に積層された着色粘着剤層3と、着色粘着剤層3に積層された紫外線吸収層4と、紫外線吸収層4に積層された透明基材5と、透明基材5に積層されたシリコーン粘着剤層6と、光拡散制御層2の他方の側(背面側;プロジェクタP側)に積層された反射防止フィルム7とから構成されてなる透明体貼付用スクリーン1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窓ガラスやアクリル板等の透明体に貼付され、プロジェクタからの映像が投影されるスクリーンに関するものである。
リアプロジェクションディスプレイに用いられる透過型のプロジェクションスクリーンとしては、従来より、フレネルレンズとレンチキュラレンズとを組み合わせたものが知られている。しかし、かかる従来のプロジェクションスクリーンにおいては、一般的に、画面が暗い、ピッチに起因するモアレ模様が画面に発生し易いなどの問題点を有している。
また、上記従来のプロジェクションスクリーンでは、レンチキュラレンズの焦点面にブラックストライプを配置し、集光したプロジェクタ光を減衰させることなく、ブラックストライプにより外光の一部を吸収し、外光によるコントラストの低下を抑制する手法が取られる(非特許文献1)。しかし、実際には、外光の一部がブラックストライプにて吸収されずに光学系内部に侵入するため、コントラストの低下は依然として問題となっている。
これに対し、従来のフレネルレンズやレンチキュラレンズを使わない新たなプロジェクションスクリーンとして、光制御膜を利用したものが提案されている。具体的には、曇価に角度依存性のある光制御膜を使用したプロジェクションスクリーンであり(特許文献1〜7)、当該プロジェクションスクリーンにおいては、複数枚の光制御膜を曇価の角度依存性の方向が直交するように積層したり(特許文献22,23)、曇価の角度依存性が異なる複数枚の光制御膜を積層したりして、視野角を広げることができる(特許文献10〜13)。
これらの発明によれば、拡散透過光が広い角度範囲に渡って高い均一性を示すプロジェクションスクリーンを得ることができ、上記光制御膜を複数枚積層することにより、画面の明るさとその均一性に優れる高視野角のプロジェクションスクリーンを構成することができる。
しかしながら、上記のように光制御膜を利用したプロジェクションスクリーンにおいても、室内照明や太陽光などの外光がスクリーンの正面側から入射し、透過した光の一部が光制御膜で後方散乱を起こすという問題がある。後方散乱とは、元の運動方向に対し、90゜を超える角度で散乱することをいう。この後方散乱光は、コントラストの低下を招き、特に黒表示時に視認の妨げとなる。
ところで、窓ガラス等に貼合されるプロジェクタ用スクリーンとしては、光散乱層を有する透過型スクリーン(特許文献14,15)が開発されているが、これらはある程度の柔軟性を有するスクリーンに関するものである。
これに対し、柔軟性のない硬いスクリーンが要求される場合がある。しかしながら、窓ガラスに硬いスクリーンを貼付する際に一般的な粘着剤を用いると、どうしても気泡が混入してしまうという問題がある。気泡混入を防止するために水貼りという技術はあるが、水貼りを行うには、スクリーンが柔軟性を持つ(フレキシブル)ことが必要である。
硬い材質のもの同士を貼合する方法としては、低粘度で透明な可視光硬化型接着剤を用いる技術が知られている(特許文献16)。しかしながら、かかる可視光硬化型接着剤を用いる場合、スクリーンのサイズが大きいと、均一に接着剤を塗布することが困難であり、現場で施工することができない。また、粘着とは異なる永久接着なので、一度貼ってしまったら剥がすことができない。そして、接着固定であるがゆえに、熱膨張係数の異なる材質を接着すると、温度変化により窓ガラスが破壊してしまうおそれがある。
特開昭63−309902号公報 特開昭64−40905号公報 特開昭64−77001号公報 特開平2−67501号公報 特開平2−54201号公報 特開平3−107901号公報 特開平3−107902号公報 特開平3−127039号公報 特開平3−127042号公報 特開平3−200949号公報 特開平4−77728号公報 特開2005−316354号公報 特開2005−31631号公報 特開2007−34324号公報 特表2004−533636号公報 特開2001−226641号公報
K.Ebina, "Optical System Architecures for Rear Projection Screen" SID02DIGEST, p1342-1345(2002)
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、スクリーン正面から入射した光の後方散乱を抑制することができ、また、窓ガラス等に貼付する場合に、気泡の混入を防止しつつ現場施工することができ、かつ再剥離することのできる透明体貼付用スクリーンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、透明体に貼付され、プロジェクタからの映像が投影されるスクリーンであって、光の拡散を制御する光拡散制御層と、着色粘着剤層と、紫外線吸収層と、前記透明体に接着される、シリコーン系の粘着剤を含有するシリコーン粘着剤層とを備えたことを特徴とする透明体貼付用スクリーンを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、着色粘着剤層によって、スクリーン正面から入射した光の後方散乱を抑制することができ、それと同時にプロジェクタ光の黒輝度を下げることができるため、コントラストを向上させることができる。また、シリコーン粘着剤層により、窓ガラス等に貼付するときに、気泡の混入を防止しつつ現場で施工することができ、かつ糊残りなく再剥離することができ、温度変化による破壊も防止される。さらに、紫外線吸収層により、耐光性に優れたものとなる。
上記発明(発明1)において、前記光拡散制御層は、屈折率に差がある少なくとも2種類以上の光重合可能な化合物を含有する組成物の膜に光を照射して硬化させた光制御膜を備えたことが好ましい(発明2)。
また、前記光拡散制御層は、前記光制御膜を、その光散乱角度域が互いにほぼ一致する向きに積層した積層体であることが好ましい。
上記発明(発明1,2)においては、前記着色粘着剤層による透過光の色調変化が、CIE1931色度図により規定される色相変化ΔxおよびΔyにおいて、共に±0.0030以内であり、かつ、前記着色粘着剤層の視感透過率Yが15〜90%であることが好ましい(発明3)。
前記着色粘着剤層は、金属錯塩染料によって着色されていることが好ましく、前記金属錯塩染料は、クロム錯塩染料であることが好ましい。
上記発明(発明1〜3)において、前記紫外線吸収層は、波長380nmの光線の透過率を1.5%以下に低下させることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)において、前記紫外線吸収層は、波長380nmの光線の透過率を7.0%以下に低下させ、かつ前記着色粘着剤層は、紫外線吸収剤を含有しており、波長380nmの光線の透過率を5.0%以下に低下させることが好ましい(発明5)。
前記紫外線吸収層は、紫外線吸収剤としてベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物を含有することが好ましい。また、前記着色粘着剤層は、紫外線吸収剤としてベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物を含有することが好ましい。
上記発明(発明1〜5)において、前記紫外線吸収層は、紫外線吸収剤を含有する粘着剤層であることが好ましいが(発明6)、紫外線吸収能を有するフィルムであってもよい。
上記発明(発明1〜6)において、前記紫外線吸収層と前記シリコーン粘着剤層との間には、さらに透明基材が介在していてもよい(発明7)。
上記発明(発明1〜7)においては、プロジェクタ側の最外層に反射防止層を備えたことが好ましい(発明8)。
上記発明(発明1〜8)においては、プロジェクタ側から順に、反射防止層と、前記光拡散制御層と、前記着色粘着剤層と、前記紫外線吸収層と、前記シリコーン粘着剤層とを積層してなるものであってもよいし(発明9)、プロジェクタ側から順に、反射防止層と、前記光拡散制御層と、前記着色粘着剤層と、前記紫外線吸収層と、透明基材と、前記シリコーン粘着剤層とを積層してなるものであってもよい(発明10)。
本発明に係る透明体貼付用スクリーンにおいては、着色粘着剤層によって、スクリーン正面から入射した光の後方散乱を抑制することができ、それと同時にプロジェクタ光の黒輝度を下げることができるため、コントラストを向上させることができる。また、シリコーン粘着剤層により、窓ガラス等に貼付するときに、気泡の混入を防止しつつ現場で施工することができ、かつ糊残りなく再剥離することができ、温度変化による破壊も防止される。さらに、紫外線吸収層により、耐光性に優れたものとなっている。
本発明の一実施形態に係る透明体貼付用スクリーンの層構成を示す図である。 同実施形態に係る透明体貼付用スクリーンにおける光拡散制御層の一製造例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る透明体貼付用スクリーンの層構成を示す図である。 試験例1における後方散乱の測定方法を示す図である。 波長380nmの光線透過率が異なる各紫外線吸収性層について、着色粘着剤層の波長380nmの光線透過率と、視感透過率の変化量ΔYとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る透明体貼付用スクリーンの層構成を示す図(プロジェクタおよび窓ガラスを含む全体を上から見た図)である。
図1に示すように、本実施形態に係る透明体貼付用スクリーン1は、光拡散制御層2と、光拡散制御層2の一方の側(正面側;窓ガラスG側)に積層された着色粘着剤層3と、着色粘着剤層3に積層された紫外線吸収層4と、紫外線吸収層4に積層された透明基材5と、透明基材5に積層されたシリコーン粘着剤層6と、光拡散制御層2の他方の側(背面側;プロジェクタP側)に積層された反射防止フィルム7とから構成されてなり、シリコーン粘着剤層6を介して、透明基体の一例である窓ガラスGに貼付される。
〔光拡散制御層〕
光拡散制御層2は、プロジェクタPから入射される光の拡散を制御する層であり、本実施形態では従来のフレネルレンズやレンチキュラレンズの代りに、光制御膜を用いて形成し、好ましくは光制御膜が積層された光制御膜積層体を用いて形成する。ここで、光拡散制御層とは、特定の角度範囲からの入射光のみを選択的に散乱し、それ以外の角度の入射光は透過させる機能を有する層をいい、光制御膜とは、曇価に角度依存性を有する膜であり、後述の光散乱角度域の幅が30°以上にわたるものをいう。
ここでいう曇価(ヘイズ)とは、積分球式光線透過率測定装置を用いて、光制御膜の全光線透過率及び拡散透過率を測定し、次式により求められる値である。
曇価(%)=拡散透過率(%)/全光線透過率(%)×100
(拡散透過率=全光線透過率−平行光線透過率)
また、光制御膜における曇価の角度依存性は、次のようにして測定される。すなわち、光制御膜の試験片への入射光の角度θを0〜180°の間で変化させて、それぞれの角度毎に上記の曇価を測定し、60%以上の曇価を示す角度範囲を光散乱角度域とする。ここで、角度θは、試験片の面と平行な方向を0°とし、試験片の法線方向を90°とする値であり、試験片の回転は、曇価の角度依存性が最大となる方向に行う。
上記光制御膜は、屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能な化合物を含有する組成物を膜状に形成し、そこに特定方向から光を照射して硬化させることにより、好適に製造できる。
光制御膜の製造に用いられる光重合可能な化合物は、分子内に、アクリロイル基〔CH=CHCO−〕、メタクリロイル基〔CH=C(CH)CO−〕、ビニル基〔CH=CH−〕、アリル基〔CH=CHCH−〕などの重合可能な基を少なくとも1個有する化合物であり、各種モノマーまたはオリゴマーが使用できる。
モノマーとしては、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、アクリロイルオキシエチルフタレート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレートや、これらの単官能性アクリレートに対応するメタクリレート、さらには、N−ビニルピロリドン、トリアリルイソシアヌレート、ジエチレングリコールジアリルカーボネート、ジアリリデンペンタエリスリトールなどが挙げられる。
また、オリゴマーとしては、例えば、ポリエステルアクリレート、ポリオールポリアクリレート、変性ポリオールポリアクリレート、イソシアヌル酸骨格のポリアクリレート、メラミンアクリレート、ヒダントイン骨格のポリアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートや、これらの多官能性アクリレートに対応するメタクリレートなどが挙げられる。
これらの光重合可能な化合物は、少なくとも2種類の混合物からなる組成物として用いられる。この際、屈折率に差があるものを選択する。屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能な化合物を混合した組成物に所定方向から光を照射して硬化させることで、光を散乱する領域、すなわち光散乱角度域が形成される。この組成物は、それを構成する複数の化合物相互の溶解性とそれぞれの屈折率差によって、曇価の角度依存性を発現するものであり、相溶性があまり良くない組合せで屈折率差が大きく、かつ反応速度が異なる場合に、光の散乱する度合い、すなわち曇価が大きくなる。この屈折率差は、0.01以上であるのが好ましい。
この組成物には、通常、硬化性を向上させるために光重合開始剤が混合されて、光重合に供される。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。
このような、屈折率に差がある少なくとも2種類の化合物を含有する光硬化性組成物を基板上に塗布するか、又はセル中に封入して膜状とし、棒状光源より光を照射しながら徐々に硬化させることで、入射光を選択的な角度域で散乱し、他の角度域では直進透過する光制御膜が得られる。
硬化に用いる光は、上記組成物を硬化させるものであればどのような波長を有していてもよく、例えば、可視光、紫外線などがよく用いられる。紫外線は、水銀ランプやメタルハライドランプなどから発せられる。ここで、光源として棒状のランプを用いた場合には、その照射条件を調節する(例えば、照射経路の所定箇所にスリット等を設ける)ことにより、生成した光硬化膜が異方性を示し、光源からの光の入射角度を変化させた場合に、特定角度の光を散乱するようになる。なお、ここでいう異方性とは、MD(Machine Direction)方向(製造のライン方向)で光の入射角度を変えたときにフィルム特有の拡散特性を発現し、CD(Cross Direction)方向(幅方向)で光の入射角度を変えたときに特徴的な拡散特性を発現しない(全角度域で拡散する)ことをいう。これは棒状ランプをMD方向に対して垂直に配置し、照射していることによる。
散乱の度合い及び選択的に散乱する入射光の角度は、使用する組成物及び照射条件によって調節することができ、特に硬化時に、膜状組成物試料面に対する照射光の入射角度を変えることによって、硬化したシートに入射する光がシートから出射する際に散乱又は直進透過するシート膜面との角度域が制御できる。
光硬化の際、光の照射方向を中心に光散乱角度域が発現する。例えば、光硬化性組成物から形成された膜面にほぼ垂直に光を照射すれば、当該垂直方向、すなわち、得られる光制御膜の法線方向を中心に、光散乱角度域が発現するし、法線方向に対して所定角度傾いた斜め方向から光を照射すれば、その傾いた方向を中心に、光散乱角度域が発現する。
60%以上の曇価を示す光散乱角度域の幅が30°以上にわたる光制御膜を複数枚積層して光制御膜積層体とする場合、光制御膜として、光散乱角度域が互いに実質的に同じであるものを複数枚使用することが好ましい。
ここで、光制御膜の光散乱角度域が互いに実質的に同じであるとは、基準とする任意の1枚の光制御膜の光散乱角度域をθ〜θ(ただしθ<θ)と表し、これに積層される別の1枚の光制御膜の光散乱角度域をθ’〜θ’(ただしθ’<θ’)と表したとき、θとθ’とのずれ(|θ−θ’|)及びθとθ’とのずれ(|θ−θ’|)が、それぞれ、基準とする上記光制御膜の光散乱角度域の幅(θ−θ)の5%程度までは許容されることを意味する。
光散乱角度域の中心が光制御膜の法線方向にほぼ一致している光制御膜を複数枚積層する場合は、光散乱角度域が延在する方向が互いにほぼ平行となるように積層することが好ましい。また、光散乱角度域が光制御膜の法線方向に対して偏った向きにある光制御膜を複数枚積層する場合は、光散乱角度域が延在する方向が互いにほぼ平行で、かつ、光散乱角度域が法線方向に対して互いに同じ向きになるように積層することが好ましい。なお、本明細書の「ほぼ一致」、「ほぼ平行」等の用語における「ほぼ」は、そこに記載の配置(一致又は平行)を中心に、±10°程度までは許容されることを意味する。
光制御膜を複数枚積層する一例について図2を参考にして説明する。
第一に、光散乱角度域の幅が光制御膜の法線方向に対して右側に偏った向きに角度γの範囲で60%以上の曇価を示す光制御膜22a及び22bを積層して、法線方向に対して右側に偏った向きに角度γ’の範囲で60%以上の曇価を示す第一の光制御膜積層体22を得る。角度γは、光制御膜22a,22bの光散乱角度域の幅に相当し、紙面に垂直な方向に延在している。そして、これら2枚の光制御膜22a,22bをこの向きのまま積層すれば、光制御膜の法線方向に対して右側に偏った向きに、角度γと同じか、角度γより若干広い角度γ’の範囲で60%以上の曇価を示す第一の光制御膜積層体22が得られる。すなわち、この角度γ’は、第一の光制御膜積層体22の光散乱角度域の幅に相当し、紙面に垂直な方向に延在している。
第二に、上記と同様にして、光散乱角度域の幅が光制御膜の法線方向に対して左側に偏った向きに角度γの範囲で60%以上の曇価を示す光制御膜23a及び23bを積層して、光制御膜の法線方向に対して左側に偏った向きに角度γ’の範囲で60%以上の曇価を示す第二の光制御膜積層体23を得る。この第二の光制御膜積層体23は、第一の光制御膜積層体22の向きを逆にした状態(この図では左右を反転させた状態)に相当する。
第三に、光散乱角度域の幅が光制御膜の法線方向を中心に角度βの範囲で60%以上の曇価を示す光制御膜21a及び21bを積層して、光制御膜の法線方向を中心に角度β’の範囲で60%以上の曇価を示す第三の光制御膜積層体21を得る。角度βは、光制御膜21a,21bの光散乱角度域の幅に相当し、紙面に垂直な方向に延在している。そして、これら2枚の光制御膜21a,21bをこの向きのまま積層すれば、光制御膜の法線方向を中心に、角度βと同じか、角度βより若干広い角度β’の範囲で60%以上の曇価を示す第三の光制御膜積層体21が得られる。すなわち、この角度β’は、第三の光制御膜積層体21の光散乱角度域の幅に相当し、紙面に垂直な方向に延在している。
光制御膜の積層は、例えば、光制御膜を適当な大きさに裁断し、枚葉で貼合することにより行ってもよいし、個別に作製した2枚以上の光制御膜を同時に貼合装置に供給し、連続的に貼合することにより行ってもよい。その際、光制御膜同士の貼合をより強固なものにするために、粘着剤や接着剤等を用いて貼合してもよい。
また、光制御膜そのものを基材として、その上に前記光硬化性組成物を塗布して硬化させ、もう一層の光制御膜を形成することによっても、光制御膜を積層することができる。かかる方法によれば、上記の如き貼合の操作ないし装置が不要となり、生産性良く、コスト的にも有利に光制御膜積層体を製造できる。光制御膜そのものを基材とする場合、まず、第一の工程として、先に述べた如く、光硬化性組成物膜に光を照射して硬化させることにより、基材となる所定の光制御膜を得、次いで、第二の工程として、第一の工程で得た光制御膜の上に、第一の工程で用いたものと実質的に同じ組成の光硬化性組成物膜を、第一の工程と実質的に同じ厚さで形成し、該組成物膜に対して、照射方向、光源からの距離、照射光量、照射光の波長などの条件を第一の工程と実質的に同じとして、光を照射して硬化させることにより、もう一層の光制御膜を形成し、さらに必要に応じて、この第二の工程を繰り返せばよい。
こうして得られる光制御膜積層体は、拡散透過光が広い角度範囲にわたって高い均一性を示すことから、これをプロジェクションスクリーンに適用することにより、画面の明るさとその均一性に優れるプロジェクションスクリーンを得ることができる。なお、光拡散制御層2は、単層から形成することも可能であるが、視野角を広げるためには、光制御膜複数枚を積層して得られる光制御膜積層体を使用して形成するのが望ましい。光制御膜積層体を積層することにより得られる光拡散制御層2は、光制御膜が、通常2〜20枚積層され、好ましくは4〜16枚積層され、特に好ましくは6〜12枚積層される。
光制御膜積層体を複数枚積層する際、各々の光制御膜積層体が示す光散乱性能やその積層方向は適宜選択されるが、プロジェクションスクリーンに有利な態様としては、光散乱角度域が光制御膜積層体の法線方向に対して偏った向きにある2枚の光制御膜積層体を、光散乱角度域が光制御膜積層体の法線方向を中心に互いに逆向きとなるように積層して、積層状態での光散乱角度域の幅が1枚のときよりも広がるようにするのがよい。こうすることで、左右又は上下方向の良視認領域、すなわち視野角を広げることができる。
また、光散乱角度域の中心線が法線方向にほぼ一致している光制御膜積層体を、先の2枚の光制御膜積層体に対して光散乱角度域の中心線がほぼ平行になるように積層するのも有効である。こうすることで、スクリーン正面でより明るい画像を得ることができる。
そこで、光散乱角度域が法線方向に対して偏った向きにある上記第一の光制御膜積層体22と第二の光制御膜積層体23とを、光散乱角度域がそれぞれの光制御膜積層体の法線方向を中心に互いに逆向きとなるように積層する。この積層体は、それぞれの光散乱角度域の幅γ’よりも広い角度δの範囲で60%以上の曇価を示すものとなる。
このとき、第一の光制御膜積層体22の光散乱角度域の幅γ’と第二の光制御膜積層体23の光散乱角度域の幅γ’とが、丁度接していると、各々の光制御膜積層体22,23の光散乱角度域を最大限に利用でき、最大の視野角拡大効果を得ることができて有利である。
また、第一の光制御膜積層体22の光散乱角度域の幅γ’と第二の光制御膜積層体23の光散乱角度域の幅γ’とが、好ましくは5°以上の重なりを有していると、スクリーン正面でさらに明るい画像を得ることができ、有利である。一方で、2枚の光散乱角度域が重なる角度をあまり大きくすると、視野角拡大効果を犠牲にすることになるので、重ねる前の光制御膜積層体22,23における光散乱角度域の広がり具合にもよるが、2枚重ねたときに光散乱角度域の重ならない領域が合計で40°以上、さらには50°以上存在するようにするのが好ましい。
さらに、第一の光制御膜積層体22の光散乱角度域の幅γ’と第二の光制御膜積層体23の光散乱角度域の幅γ’とが、法線方向を中心に互いに対称であると、スクリーンの右側と左側又は上側と下側で視認特性が同一となり、有利である。
最後に、上記2枚の光制御膜積層体22,23を積層したものに対し、さらに第三の光制御膜積層体21を、光散乱角度域の幅γ’及びβ’のそれぞれの中心線が互いに平行(各光制御膜積層体の法線方向)になるように積層する。これにより、スクリーン正面でより明るい画像を得ることができる。
なお、図2では、第一の光制御膜積層体22と第二の光制御膜積層体23の上に、第三の光制御膜積層体21を積層する場合を例に説明したが、それらの積層順序は任意であり、例えば、第一の光制御膜積層体22と第二の光制御膜積層体23の下に第三の光制御膜積層体21を積層してもよいし、第一の光制御膜積層体22と第二の光制御膜積層体23の間に第三の光制御膜積層体21を挿入してもよい。また、図2では、2枚の光制御膜積層体22,23が同じ種類のものであることを前提に説明したが、異なる種類のものを用いてもよい。
さらに、図2では、3枚の光制御膜積層体を積層する場合を例に説明したが、4枚以上積層することも可能である。例えば、図2に示した如き、3枚の光制御膜積層体21,22,23を積層した状態で、さらに第四の、又はそれより多くの光制御膜積層体を積層する場合は、第四の、又はそれ以降の光制御膜積層体は、その光散乱角度域が実質的に同じになるように積層してもよい。例えば、光制御膜積層体21,22,23の光散乱角度域が実質的に同じになるようにさらに積層してもよい。あるいは、光制御膜積層体22と23の積層のように光散乱角度域が積層体の法線方向から偏在した2枚を互いに逆向きにさらに積層してもよい。この場合の積層順序も任意に選ぶことができる。また、第四の、又はそれ以降の光制御膜積層体も、上記3枚の光制御膜積層体21,22,23同様、60%以上の曇価を示す光散乱角度域の幅が30°以上、特に40°以上、さらには45°以上であるのが、一層好ましい。なお、光制御膜積層体の光散乱角度域の幅は広いほど好ましいが、通常170°以下である。
光制御膜積層体は、光制御膜を複数枚積層した状態の平板で用いてもよいし、最外層をレンチキュラレンズ形状にしてもよい。レンズ曲面を形成する方法としては、レンズ曲面を有するフィルムに光制御膜積層体を積層する方法のほか、レンズ曲面を有する光制御膜を形成する方法がある。後者の方法を採用する場合、例えば、レンズ曲面を有する鋳型を使用して、そこに光硬化性樹脂組成物を塗布し、さらに光照射して、硬化物にレンズ曲面をもたせることができる。
また、本実施形態における光拡散制御層2は、スクリーンの薄型化の観点からできる限り薄いことが望まれるが、十分な光散乱特性を発揮するためには、ある程度の膜厚を必要とする。すなわち、光拡散制御層2の膜厚は、50〜3000μmであることが好ましく、150〜2000μmであることが更に好ましい。この範囲の膜厚とすることにより、光拡散角度、および波長に対する光拡散光の分布特性を均一化することができる。
光拡散制御層2を上記膜厚とするためには、光制御膜自体の厚みとしては、通常5〜300μmであり、15〜250μmであることが好ましく、50〜200μmであることが特に好ましい。なお、光拡散光の分布特性を均一化することについては、上述のとおり光制御膜の積層枚数による厚み制御によって行ってもよいし、1層あたりの膜厚制御で行ってもよい。
〔着色粘着剤層〕
本実施形態に係る透明体貼付用スクリーン1では、光拡散制御層2に積層した着色粘着剤層3により、スクリーン正面から入射した光(外光)の光拡散制御層2での後方散乱を抑制することができ、それと同時にプロジェクタ光の黒輝度を下げることができるため、コントラストを向上させることができる。フレネルレンズ及びレンチキュラレンズを使ったスクリーンでは、一般的にレンチキュラレンズにブラックマトリクスを設けるが、着色粘着剤層3はこれに代わる効果を持つものと考えることができる。
外光の後方散乱の抑制に関しては、例えば、透過率40%の着色粘着剤層3を設け、透過した光が光拡散制御層2の界面で100%後方散乱すると考えると、光は2度着色粘着剤層3を通過するため、100%×0.4×0.4=16%にまで後方散乱を抑制することができる。
なお、特開2005−274955号に記載の発明では、色素を用いて透過率を低下させることで外光の光学系内部への侵入を阻むことは、プロジェクタ光の利用効率低下を起こすという観点から否定し、偏光子を使用している。しかしながら、プロジェクタ光の偏光と配置する偏光子の透過軸とを一致させることは非常に難しく、それらが一致していない限り、偏光子の透過率分に合わせてプロジェクタ光は吸収されてしまうため、この点では、色素を用いて透過率を低下させても同じである。偏光子を用いるよりも、本実施形態のように着色粘着剤層3を設ける方が、外光の後方散乱を抑制するだけでなく、コントラストも向上させることができるため、視認性は増す。また、偏光子は反りの発生の問題があるとともに、高価であり、スクリーンとしての構成も複雑になるが、着色粘着剤層3を使用すれば、反りの発生の問題がなく、また、安価で製造することができ、構成を簡略化することができる。
着色粘着剤層3は、着色された粘着剤(着色粘着剤)から構成され、着色粘着剤は、主成分としての粘着性樹脂と、着色剤とを含有する。
粘着性樹脂としては、例えば、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等の粘着性樹脂が挙げられるが、中でもアクリル系共重合体が好ましい。アクリル系共重合体としては、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を挙げることができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、各種架橋方法によって架橋が可能な架橋点を有するものが好ましく用いられる。このような架橋点を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては特に制限はなく、従来粘着剤の樹脂成分として慣用されている(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の中から、任意のものを適宣選択して用いることができる。
このような架橋点を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、分子内に架橋性官能基を有する単量体と、所望により用いられる他の単量体との共重合体を好ましく挙げることができる。
ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分子内に架橋性官能基を有する単量体は、官能基として水酸基、カルボキシル基、およびアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステル;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノエステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体またはグラフト共重合体のいずれであってもよい。また、分子量としては、重量平均分子量で50万以上であるものが通常用いられる。この重量平均分子量が50万以上であると、密着性や接着耐久性が十分となり、浮きや剥がれなどが生じない。密着性及び接着耐久性などを考慮すると、この重量平均分子量は、60万〜220万のものが好ましく、特に70万〜200万のものが好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
着色粘着剤層3が含有する着色剤は、当該着色粘着剤層3を透過した光が、色調変化を起こさないものであることが好ましい。許容される色調変化の程度としては、人間の目によって色相変化を認識することが困難な程度であり、具体的には、着色粘着剤層3による透過光の色調変化が、国際照明委員会の規格であるCIE1931色度図により規定される色相変化ΔxおよびΔyにおいて、共に±0.0030以内であることが好ましく、特に±0.0020以内であることが好ましい。色相変化がかかる範囲内であれば、人間の目によって当該色調変化を認識することは困難である。
一方、着色粘着剤層3の視感透過率Yは、外光の後方散乱を有効に抑制するため、通常90%以下であることが好ましく、さらに好ましくは75%以下であり、特に好ましくは65%以下である。また、視感透過率Yが低い場合、プロジェクタ光の強度を上げる必要があり、さらに着色粘着剤層3の視感透過率Yが低すぎる場合、プロジェクタ光の強度を上げても鮮明な画像を得られない恐れがある。このような観点から、着色粘着剤層3の視感透過率Yは、15%以上であることが好ましく、20%以上であることがさらに好ましく、45%以上であることが特に好ましい。なお、視感透過率Yは、CIE1931色度図により算出される値である。
色調変化を抑えるために、着色剤は適宜組み合わせて使用することができ、組み合わせによってニュートラルグレー色を作り出すことが好ましい。ただし、本透明体貼付用スクリーン1の他の層2,4,5,6,7において色目が着いてしまう場合は、着色粘着剤層3の着色剤を適宜選択することにより、色調補正を行うこともできる。
着色剤としては、無機系顔料、有機系顔料、有機系染料など公知のものを使用することができる。
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、コバルト系色素、鉄系色素、クロム系色素、チタン系色素、バナジウム系色素、ジルコニウム系色素、モリブデン系色素、ルテニウム系色素、白金系色素、ITO(インジウムスズオキサイド)系色素、ATO(アンチモンスズオキサイド)系色素等が挙げられる。
有機系顔料及び有機系染料としては、例えばアミニウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、アズレニウム系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、ピリリウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ナフトラクタム系色素、アゾ系色素、縮合アゾ系色素、インジゴ系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、ジオキサジン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、ピロール系色素、チオインジゴ系色素、金属錯体系色素(金属錯塩染料)、ジチオール金属錯体系色素、インドールフェノール系色素、トリアリルメタン系色素、アントラキノン系色素、ジオキサジン系色素、ナフトール系色素、アゾメチン系色素、ベンズイミダゾロン系色素、ピランスロン系色素及びスレン系色等が挙げられる。これらの顔料又は染料は、目的とする色相に調整するため適宜混合して使用することができる。
着色剤の中には、粘着性樹脂の官能基や架橋剤などと反応し、粘着剤のゲル化や粘着剤層の曇価上昇を起こす組み合わせも十分あり得るため、その点注意が必要である。上記着色剤の中でも、金属錯塩染料、特にクロム錯塩染料は、粘着性樹脂の官能基の影響を受けにくく劣化し難いため、耐久性の高い着色粘着剤層3を得ることができるため好ましい。また、上記着色剤の中でも、カーボンブラックは、単独の添加で非常に高い耐候性を付与する効果がある。ただし、粘着性樹脂に対する分散性の観点では、顔料より染料の方が好ましい。
着色粘着剤中における着色剤の含有量の下限値は、所望の効果が得られる量であれば特に限定されないが、通常は0.01質量%程度である。一方、着色粘着剤中における着色剤の含有量の上限値は、15質量%以下であることが好ましく、それにより着色粘着剤層3の耐久性が確保される。このような観点から、着色粘着剤中における着色剤の含有量は、0.01〜15質量%であることが好ましく、0.1〜12質量%であることが特に好ましく、0.3〜10質量%であることがより好ましい。
着色粘着剤層3を構成する着色粘着剤には、所望により、架橋剤を含有させることができる。この架橋剤としては、特に制限はなく、従来アクリル系粘着剤において架橋剤として慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられるが、中でもポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。これらの架橋剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤の配合量は、架橋剤の種類にもよるが、粘着性樹脂(アクリル系共重合体)100質量部に対し、通常0.01〜20質量部、好ましくは、0.1〜10質量部である。
着色粘着剤には、本実施形態に係る透明体貼付用スクリーン1の目的が損なわれない範囲で、所望により、アクリル系粘着剤に通常使用される各種添加剤、例えば粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤などを添加することができる。着色粘着剤に紫外線吸収剤を添加する場合については後述する。
着色粘着剤層3の厚さは、10〜50μmであることが好ましく、特に15〜35μmであることが好ましい。着色粘着剤層3の厚さが10μm未満であると、耐久性能の付与あるいは透過率制御が困難となり、一方、着色粘着剤層3の厚さが50μmを超えると、製造上の問題や拡散特性の低下を引き起こす恐れがあり、また経済的にも好ましくない。
〔紫外線吸収層〕
紫外線吸収層4は、外光による上記着色粘着剤層3における着色粘着剤中の色素劣化や、本実施形態に係る透明体貼付用スクリーン1の性能劣化を抑制する。紫外線吸収層4は、着色粘着剤層3よりもスクリーン正面側(被着体となる窓ガラス等に近い側)に設けられていればよく、粘着剤層であってもよいし透明基材であってもよいが、本実施形態では、紫外線吸収剤を含有する粘着剤層(紫外線吸収粘着剤層)を例示して説明する。
本実施形態における紫外線吸収層4(紫外線吸収粘着剤層)は、紫外線吸収剤を含有する粘着剤(紫外線吸収粘着剤)から構成され、紫外線吸収粘着剤は、主成分としての粘着性樹脂と、紫外線吸収剤とを含有する。
粘着性樹脂としては、例えば、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等の粘着性樹脂が挙げられるが、中でもアクリル系共重合体が好ましく、上記着色粘着剤層3に関して説明したアクリル系共重合体と同様のものを使用することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾオキサジノン系、トリアジン系、フェニルサリシレート系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系等の化合物が挙げられ、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記紫外線吸収剤の中でも、ベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物を使用することが好ましい。これらの紫外線吸収剤は、粘着性樹脂、特にアクリル系共重合体との相溶性が良好であり、粘着剤から析出する等の問題が少なく、粘着剤中での耐久性に優れる。
紫外線吸収粘着剤中における紫外線吸収剤の含有量は、粘着剤の厚みを変えることでも紫外線吸収性能を制御することができるので、厚みを含めた調整が必要であるが、通常0.3〜5質量%であることが好ましく、特に1.2〜3質量%であることが好ましい。紫外線吸収剤の含有量が1質量%未満では、紫外線吸収効果が低く、上記劣化抑制効果が得られ難いため、粘着剤の厚みをより厚くする必要がある。一方、紫外線吸収剤の含有量が15質量%を超えると、経済的に無駄であるだけでなく、粘着剤中での濃度が高くなることで相溶性が低下し、温度変化などの影響で析出が生じるおそれがある。
透明体貼付用スクリーン1における他の層が紫外線吸収効果を実質的に有しない場合、紫外線吸収層4は、波長380nmの光線の透過率を1.5%以下に低下させることが好ましく、特に1.0%以下に低下させることが好ましい。
透明体貼付用スクリーン1における他の層、例えば着色粘着剤層3が紫外線吸収剤を含有しており、波長380nmの光線の透過率を5.0%以下に低下させる場合には、紫外線吸収層4は、波長380nmの光線の透過率を7.0%以下に低下させることが好ましい。着色粘着剤層3が紫外線吸収剤を含有する場合も、当該紫外線吸収剤としては、上記で列挙した紫外線吸収剤を使用することができ、中でもベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物を使用することが好ましい。なお、上記他の層は、透明基材5であってもよいし、シリコーン粘着剤層6であってもよい。
上記のように波長380nmの光線の透過率を低下させることにより、外光による上記着色粘着剤層3における着色粘着剤の色素劣化や、本実施形態に係る透明体貼付用スクリーン1の性能劣化を効果的に抑制することができる。
紫外線吸収層4の厚さは、紫外線吸収剤の含有量を変えることでも紫外線吸収性能を制御することができるので、紫外線吸収剤の含有量を含めた調整が必要であるが、通常10〜50μmであることが好ましく、特に15〜35μmであることが好ましい。紫外線吸収層4の厚さが10μm未満であると、紫外線吸収層4による上記効果が得られ難く、一方、紫外線吸収層4の厚さが50μmを超えると、経済的に無駄であり、また透明体貼付用スクリーン1の重量増加を招き、生産工程上も好ましくない。
〔透明基材〕
本実施形態における透明基材5は、その一方の面に紫外線吸収層4(紫外線吸収粘着剤層)を備え、他方の面にシリコーン粘着剤層6を備えた両面テープの基材として機能するものである。
透明基材5は、紫外線吸収層4(紫外線吸収粘着剤層)およびシリコーン粘着剤層6を支持し得る透明な基材であれば、特に限定されず、通常はプラスチックフィルムが使用される。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルぺンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、ノルボルネン系重合体フィルム、環状オレフィン系重合体フィルム、環状共役ジエン系重合体フィルム、ビニル脂環式炭化水素重合体フィルム等が挙げられる。
上記プラスチックフィルムにおいては、その表面に設けられる層(紫外線吸収層4,シリコーン粘着剤層6)との密着性を向上させる目的で、所望により片面または両面に、プライマー処理、酸化法、凹凸化法等により表面処理を施すことができる。酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
透明基材5の厚さは、通常は10〜200μm程度であり、好ましくは20〜100μm程度である。
なお、本実施形態に係る透明体貼付用スクリーン1は、透明基材5を備えるものであるが、これに限定されることなく、透明基材5は省略されてもよい。
〔シリコーン粘着剤層〕
シリコーン粘着剤層6は、透明体貼付用スクリーン1を透明体(図1では窓ガラスG)に貼付するためのものであり、シリコーン系の粘着剤(シリコーン粘着剤)を含有する粘着剤層である。
シリコーン粘着剤層6の場合、その自着性により、空気を押し出しながら被着体に貼り付くため、気泡混入による光学的欠陥が生じない。これは、透明体貼付用スクリーン1が硬いものであっても得られる効果である。すなわち、本透明体貼付用スクリーン1は、シリコーン粘着剤層6によって、気泡の混入を防止しつつ現場で施工することができる。また、シリコーン粘着剤層6は、被着体に密着して非常に強固に貼り付く一方、糊残りなく再剥離することができる。さらに、シリコーン粘着剤層6は柔軟性に優れるため、透明体貼付用スクリーン1と被着体である透明体との熱膨張係数が異なっても、シリコーン粘着剤層6が応力を緩和して、温度変化により窓ガラス等の被着体が破壊してしまうことを防止することができる。加えて、シリコーン粘着剤層6は、窓ガラス等の被着体に最も近い部分、すなわち外光に最も近い部分に使用される粘着剤層であるが、シリコーン粘着剤を使用することにより、耐光性にも優れたものとなる。
シリコーン系粘着剤としては、例えば、オルガノポリシロキサンおよび/またはその誘導体を主成分として含有するものを使用することができる。中でも特に、シロキサン結合を主骨格としアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンからなる付加型オルガノポリシロキサンと白金触媒とを構成成分として含むシリコーンゴムを主成分として使用することが好ましい。
このシロキサン結合を主骨格としアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンは、具体的には、次の平均単位式(1)で示される化合物であって、且つ分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する化合物である。
SiO(4−a)/2・・・(1)
(式中、Rは互いに同一又は異種の炭素数1〜12、好ましくは1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。)
上記Rで示される珪素原子に結合した非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。
なお、アルケニル基としては、ビニル基が硬化時間が短く、生産性の点から好ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中にSiH基を有しており、シロキサン結合を主骨格としアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンのアルケニル基との間で付加反応し、シリコーンゴムが硬化する。
白金触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフェン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等を例示することができる。
白金触媒は、上記付加型オルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.01〜3.0質量部の範囲で使用することが好ましく、特に0.05〜2.0質量部の範囲で使用することが好ましい。上記付加型オルガノポリシロキサン100質量部に対する白金触媒の使用量が0.01質量部未満では、硬化不足のため再剥離性が劣ることがあり、白金触媒の使用量が3.0質量部を超えると、貼付性が悪くなり、また、付加反応によるゲル化が速く、塗工が困難になることがある。
付加型オルガノポリシロキサンには、本発明の目的を損なわない範囲において粘着力を高めるため、シリコーン系粘着剤に使用されている各種のシリコーン樹脂、即ち、分子中に3官能性あるいは4官能性のシロキサン単位を含むポリオルガノシロキサンを含有させることができる。その含有量は、付加型オルガノポリシロキサン100質量部に対して、50質量部以下、特に5〜20質量部の範囲が好ましい。このシリコーン樹脂の含有量が50質量%を超えると、粘着力が上昇し、再剥離が困難となるおそれがある。
シリコーン粘着剤層6の厚さは、5〜100μmであることが好ましく、さらに15〜50μmであることが好ましく、特に30〜50μmであることが好ましい。シリコーン粘着剤層6の厚さが5μm未満であると、所望の粘着力や保持力が得られ難く、一方、シリコーン粘着剤層6の厚さが100μmを超えると、非常に長い硬化時間を要し、経済的にも無駄であり、光学的に悪影響を及ぼす恐れもある。
〔反射防止フィルム〕
反射防止フィルム7としては、反射制御層を有するフィルムを使用することができる。具体的には、反射防止層(AR)または低反射層(LR)がコーティングされたプラスチックフィルムを使用することが好ましく、従来公知のものを使用することができる。なお、反射防止フィルム7は、特定の角度範囲からの入射光のみを選択的に散乱しそれ以外の角度の入射光は透過させる機能を有するものではない点において、前述の光拡散制御層2とは異なるものである。
反射防止フィルム7に用いるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルぺンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、ノルボルネン系重合体フィルム、環状オレフィン系重合体フィルム、環状共役ジエン系重合体フィルム、ビニル脂環式炭化水素重合体フィルム等が挙げられる。
反射防止層または低反射層に関しては、従来公知の材料を上記基材としてのプラスチックフィルム上にコーティングすることにより形成すればよい。
反射防止フィルム7の厚さは、通常は10〜200μm程度であり、好ましくは20〜100μm程度である。
なお、本実施形態に係る透明体貼付用スクリーン1は、反射防止フィルム7を備えるものであるが、これに限定されることなく、反射防止フィルム7は省略されてもよい。
本実施形態に係る透明体貼付用スクリーン1においては、当該スクリーンにある程度の剛性を付与する目的で、いずれかの層の間又は隣に、透明基板の層を設けてもよい。透明基板としては、通常はプラスチック板またはガラス板が使用される。
プラスチック板の材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、アモルファスポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等の透明性および寸法安定性に優れた材料が使用される。なお、高温環境下でのプラスチック板からの水分などのアウトガス発生の防止を考慮すれば、両面にハードコート層が積層されたプラスチック板等も好ましく用いることができる。また、そのハードコート層が反射防止機能を有する場合には、透明体貼付用スクリーン1のプロジェクタ投影側に配置し、反射防止フィルムの代替として使用することもできる。
プラスチック板の厚さは、通常は0.5〜10mm程度であり、好ましくは2〜8mm程度である。0.5mm以上であればスクリーンとして使用する際の剛性を付与することができ、10mm以下であれば製造工程上問題なく使用することができる。
一方、ガラス板の厚さは、比重が高いため、通常は0.5〜5.0mm程度であり、好ましくは1.0〜3.0mm程度である。0.5mm以上であればスクリーンとして使用する際の剛性を付与することができ、5.0mm以下であれば製造工程上問題なく使用することができる。
〔製造方法〕
本実施形態に係る透明体貼付用スクリーン1は、上述の各種材料を用いて以下のようにして作製することができる。なお、以下の製造方法は一例であり、これにより制限されるものではない。
最初に、図2に示す通り、同一の光散乱角度域を有する2枚の光制御膜を光散乱角度域が一致するように積層し、光制御膜積層体21、22及び23をそれぞれ得る。
次に、反射防止フィルム7の反射防止層が設けられていない側の面に、上記光制御膜積層体23をラミネートする。さらに、光制御膜積層体23の光散乱角度域と該光制御膜積層体23の法線方向に対称となるように、光制御膜積層体22をラミネートする。その後、積層されている光制御膜積層体23,22の光散乱角度域の中心線(法線方向)と一致するように光制御膜積層体21をラミネートすることにより、反射防止フィルム7上に光拡散制御層2を形成する。
なお、反射防止フィルム7と光制御膜積層体23との間、あるいは光制御膜積層体21,22,23の間の密着は、ラミネートに換えて粘着剤や接着剤を使用してもよいし、また、ラミネートと併用してもよい。
ここで、剥離フィルムの剥離層上に前述の着色粘着剤を塗工・乾燥することにより、剥離フィルム上に着色粘着剤層3を形成する。得られた着色粘着剤層3の露出面側と上記工程により得られた「反射防止フィルム7/光拡散制御層2」の構成体の光拡散制御層2側とを貼合し、「反射防止フィルム7/光拡散制御層2/着色粘着剤層3」の構成体を得る。
一方、透明基材5の一方の面にシリコーン粘着剤を塗工・乾燥することにより、シリコーン粘着剤層6を形成する。得られたシリコーン粘着剤層6は工程シートで保護し、面を裏返し、透明基材5の他方の面に前述の紫外線吸収層を構成する組成物(紫外線吸収粘着剤)を塗工・乾燥して、紫外線吸収層4を形成する。これにより、「紫外線吸収層4/透明基材5/シリコーン粘着剤層6」の構成体を得る。
次いで、上記工程で得られた「反射防止フィルム7/光拡散制御層2/着色粘着剤層3」の構成体と「紫外線吸収層4/透明基材5/シリコーン粘着剤層6」の構成体とを、着色粘着剤層3と紫外線吸収層4が接するように貼合し、「反射防止フィルム7/光拡散制御層2/着色粘着剤層3/紫外線吸収層4/透明基材5/シリコーン粘着剤層6」からなる透明体貼付用スクリーン1を得る。
得られた透明体貼付用スクリーン1は、各層間の接合強度を向上させるために、オートクレーブ処理等の加圧処理を行うことが好ましい。例えば、オートクレーブ処理は、温度50〜70℃、圧力0.5〜2.0MPaで10〜100分間程度行うことが好ましい。なお、オートクレーブ処理に換えて、加圧ローラによる圧着処理等、他の各種加圧処理を行ってもよい。
ここで、前述の各種粘着剤層を形成するための各種粘着剤の塗工は、公知の塗工方法を使用することができ、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、粘着剤をコーティングして塗膜を形成させ、乾燥させる方法を用いることができる。乾燥条件は特に制限されないが、通常50〜150℃で10秒〜10分程度である。また、粘着剤をコーティングする際には、溶剤を使用することができる。溶剤としては、特に限定されず、例えば、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどが好ましく挙げられる。
以上説明した透明体貼付用スクリーン1においては、着色粘着剤層3によって、スクリーン正面から入射した光の後方散乱を抑制することができ、それと同時にプロジェクタ光の黒輝度を下げることができるため、コントラストを向上させることができる。また、シリコーン粘着剤層6により、窓ガラス等に貼付するときに、気泡の混入を防止しつつ現場施工することができ、かつ糊残りなく再剥離することができ、温度変化による破壊も防止される。さらに、紫外線吸収層4により、耐光性に優れたものとなっている。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、紫外線吸収層4は、紫外線吸収能を有するフィルムであってもよく、それに伴って透明基材5は省略されてもよい。かかる透明体貼付用スクリーン1Aを図3に示す。
図3に示すように、透明体貼付用スクリーン1Aは、光拡散制御層2と、光拡散制御層2の一方の側(正面側;窓ガラスG側)に積層された着色粘着剤層3と、着色粘着剤層3に積層された紫外線吸収層4Aと、紫外線吸収層4Aに積層されたシリコーン粘着剤層6と、光拡散制御層2の他方の側(背面側;プロジェクタP側)に積層された反射防止フィルム7とから構成されてなり、シリコーン粘着剤層6を介して、透明基体の一例である窓ガラスGに貼付される。
紫外線吸収層4Aは、紫外線吸収能を有するフィルムであり、紫外線吸収能を有する樹脂からなるフィルムであってもよいし、紫外線吸収剤を含有するプラスチックフィルムであってもよい。
紫外線吸収能を有する樹脂からなるフィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロースフィルム等が挙げられる。一方、紫外線吸収剤を含有するプラスチックフィルムとしては、紫外線吸収剤のフィルム中への練り込み、あるいは紫外線吸収剤のフィルム表面へのコーティングにより、紫外線吸収性能を有するものであれば、特に限定されずに使用することができる。かかるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルぺンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、ノルボルネン系重合体フィルム、環状オレフィン系重合体フィルム、環状共役ジエン系重合体フィルム、ビニル脂環式炭化水素重合体フィルム等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、上記紫外線吸収層4に関して説明した紫外線吸収剤と同様のものを使用することができ、紫外線吸収剤の含有量も、上記紫外線吸収層4の場合と同様である。
紫外線吸収層4Aの厚さは、40〜200μmであることが好ましく、特に80〜100μmであることが好ましい。紫外線吸収層4Aの厚さが40μm未満であると、紫外線吸収層4Aによる上記効果が得られ難く、一方、紫外線吸収層4Aの厚さが200μmを超えると、光学的な性能が低下し、また経済的にも無駄である。
ここで、紫外線吸収性能は、紫外線吸収層4Aだけが有していてもよいが、紫外線吸収層4Aと、他の層、例えば着色粘着剤層3、透明基材5、シリコーン粘着剤層6等とが有してもよいし、紫外線吸収層4Aが省略され、着色粘着剤層3、透明基材5、シリコーン粘着剤層6等が有していてもよい。
着色粘着剤層3の着色剤の劣化を防止する観点から、他の層が紫外線吸収性能を有さない場合は、紫外線吸収層4Aは波長380nmの光線の透過率を1.5%以下、さらには1.0%以下に低下させることが好ましい。また、他の層、例えば着色粘着剤層3が波長380nmの光線の透過率を5.0%以下に低下させる場合には、紫外線吸収層4Aは波長380nmの光線の透過率を7.0%以下にさせることが好ましい。
紫外線吸収性能を有するプラスチックフィルムからなる透明基材5を紫外線吸収層4Aとして使用する場合、前述の透明体貼付用スクリーン1の製造方法において紫外線吸収層4の形成を省略することができる。すなわち、「反射防止フィルム7/光拡散制御層2/着色粘着剤層3」の構成体の着色粘着剤層3と、「透明基材5/シリコーン粘着剤層6」の構成体の紫外線吸収層4Aとを貼合することにより、「反射防止フィルム7/光拡散制御層2/着色粘着剤層3/透明基材5/シリコーン粘着剤層6」からなる透明体貼付用スクリーン1を得ることができる。その他の工程は、前述の方法と同様である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜12,参考例1〜4〕
<光制御膜用の光硬化性組成物の調製>
重量平均分子量約3,000のポリプロピレングリコールと、当該ポリプロピレングリコール2モルあたり、0.3モルのトリレンジイソシアネート、2.7モルのヘキサメチレンジイソシアネート及び2モルの2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応によって得たポリエーテルウレタンアクリレート(屈折率1.460)40質量部に対して、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート(屈折率1.6以上)30質量部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(屈折率1.526)30質量部及び2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン1.5質量部を添加混合することにより、光制御膜用の光硬化性組成物を得た。
<光制御膜及び光制御膜積層体の作製>
上記光硬化性組成物を、フィルム状の透明ポリエチレンテレフタレート(以下「PETフィルム」という)上に、乾燥後の厚さが170μmとなるように塗布した。
その塗膜の上方80cmの位置に、80W/cmの棒状高圧水銀ランプを固定し、塗膜全面に光が垂直にあたるように、スリットをつけた遮光板を介して、1m/分の速度で塗膜付きPETフィルムを横方向へ移動させつつ光照射することにより、下記2種類の光制御膜を作製した。
(1)光散乱角度域85〜115°の光制御膜(幅:30°;図2の22a,b、および23a,bに相当):4枚作製
(2)光散乱角度域85〜135°の光制御膜(幅:50°;図2の21a,bに相当):2枚作製
なお、60%以上の曇価を示す光散乱角度域の測定は、コノスコープよって測定した。
得られた光制御膜は、上記PETフィルムから剥し、光散乱角度域が同一の光制御膜2枚をその光散乱角度域が一致するようにラミネートし、光制御膜積層体を得た。すなわち、図2の光制御膜積層体21、22及び23にそれぞれ相当する光制御膜積層体を得た。
<光拡散制御層の作製>
得られた光制御膜積層体23は、反射防止フィルム(凸版印刷社製,「LR−TAC」)の反射防止層が設けられていない側にラミネータを用いて積層した。次に、光制御膜積層体23と拡散角度域が該積層体の法線方向に対称となるように、光制御膜積層体23上に光制御膜積層体22をラミネートした。その後、光制御膜積層体22上に光制御膜積層体21を積層することにより、光拡散制御層2を得た。この光拡散制御層2は、法線方向から入射した点光源が上下方向65〜115°、左右方向45〜135°に拡散するものであった。
<着色粘着剤層の作製>
アクリル系共重合体(ブチルアクリレート:アクリル酸(質量比)=97:3,Mw=80万,固形分濃度28質量%)100質量部に対し、架橋剤としてポリイソシアネート化合物(東洋インキ社製,「オリバインBHS8515」,固形分濃度37.5質量%)を2質量部、液状染料(保土谷化学工業社製,「スピロンブラックMH」,固形分濃度30質量%)を0.65質量部、および紫外線吸収剤(サイテック社製,「サイアソーブUV−24」,固形分濃度100質量%)を表1に記載の所定量添加して混合し、これを着色粘着剤とした。
この着色粘着剤組成物を、剥離フィルム(リンテック社製,「SP−PLR38T103−1」)上に乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗工し、90℃で1分間乾燥することにより着色粘着剤層を形成した。得られた着色粘着剤層について、分光光度計(島津製作所社製,「MPC3100」)を用いてCIE1931色度図に基づき、視感透過率Y及び波長380nmの光線の透過率を測定した。結果を表1に示す。
<シリコーン粘着剤層の作製>
シロキサン結合を主骨格としビニル基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンからなる付加型オルガノポリシロキサン(信越化学工業社製,「KS−847H」)100質量部に白金触媒(信越化学工業社製,「PL−50T」)0.03質量部を加え、メチルエチルケトンにて固形分濃度約20質量%に希釈し、シリコーンゴム溶液を得た。
このシリコーンゴム溶液を、透明基材としてのPETフィルム(東洋紡社製,「コスモシャイン PET50 A4300」)の片面に、ナイフコーターによって30g/m(乾燥後)塗布し、130℃で2分間加熱し硬化させて、シリコーン粘着剤層を形成した。得られたシリコーン粘着剤層は、その表面を工程シートとしてのPETフィルム(東レ社製,「ルミラーT60」,厚さ:38μm)で保護した。
<紫外線吸収層の作製>
アクリル系共重合体(ブチルアクリレート:メチルアクリレート:2−ヒドロキシエチルアクリレート(質量比)=89:10:1,Mw=90万,固形分濃度29質量%)100質量部に対し、架橋剤としてポリイソシアネート化合物(綜研化学社製,「TD−75」,固形分濃度75質量%)を0.5質量部、および紫外線吸収剤(サイテック社製,「サイアソーブUV−24」,固形分濃度100質量%)を表1に記載の所定量添加して混合し、これを紫外線吸収粘着剤とした。
次に、剥離フィルム(リンテック社製,「SP−PET381031」,厚さ:38μm)の剥離処理面に、乾燥後の膜厚が25μmになるようナイフコーターで上記紫外線吸収粘着剤を塗布し、90℃で1分間乾燥して紫外線吸収層を形成した。得られた紫外線吸収層について、分光光度計(島津製作所社製,「MPC3100」)を用いてCIE1931色度図に基づき、視感透過率Y及び波長380nmの光線の透過率を測定した。結果を表1に示す。
<透明体貼付用スクリーンの作製>
得られた紫外線吸収層と、上記シリコーン粘着剤層を形成した透明基材の他方の面とを貼り合わせた。
得られた着色粘着剤層と、上記紫外線吸収層(紫外線吸収層上の剥離フィルムは剥離して)とを貼り合わせ、「剥離フィルム/着色粘着剤層/紫外線吸収層/透明基材/シリコーン粘着剤層/剥離フィルム」からなる積層体とした。
さらに、反射防止フィルム上に形成した光拡散制御層2の剥離フィルムを剥し、上記「剥離フィルム/着色粘着剤層/紫外線吸収層/透明基材/シリコーン粘着剤層/剥離フィルム」からなる積層体の着色粘着剤層側の剥離フィルムを剥離して、光拡散制御層2と着色粘着剤層とを貼合した。
最後に、層間密着性を向上させるため、オートクレーブ(栗原製作所社製)にて50℃、0.9MPaで1時間処理することにより、透明体貼付用スクリーン1を得た。
得られた透明体貼付用スクリーンを100mm×100mmに裁断し、窓ガラスに貼付したところ、気泡等が混入することなく貼付することができた。さらに、貼付後、窓ガラスから糊残りすることなく剥すことができた。
また、得られた透明体貼付用スクリーンについて、分光光度計(島津製作所社製,「MPC3100」)を用いてCIE1931色度図に基づき、視感透過率Y並びに色相変化Δx及びΔyを測定した。結果を表1に示す。なお、後述する耐光性試験後の視感透過率Y、耐光性試験による視感透過率Yの変化量ΔY、並びに色相変化Δx及びΔyの結果については、表2に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、シリコーン粘着剤の替わりに、着色粘着剤層に使用したアクリル粘着剤(アクリル系共重合体(ブチルアクリレート:メチルアクリレート:2−ヒドロキシエチルアクリレート(質量比)=89:10:1,Mw=90万,固形分濃度29質量%)100質量部に対し、架橋剤としてポリイソシアネート化合物(綜研化学社製,「TD−75」,固形分濃度75質量%)を0.5質量部添加したもの)を使用する以外、実施例1と同様にして透明体貼付用スクリーンを作製した。
得られたスクリーンを100mm×100mmに裁断し、窓ガラスに貼付して、気泡の状態を確認した。その結果、スクリーン内に気泡の残存が所々に観察された。また、窓ガラスから該スクリーンを剥したところ、窓ガラスに糊残りが見られた。
〔比較例2〕
実施例1において、着色粘着剤層から着色剤を除いた以外は同じ構成の透明体貼付用スクリーンを作製した。
得られたスクリーンについて、後述する後方散乱の測定を行った。その結果、白色プロジェクタ光の入射角15°,60°のそれぞれの画面輝度は、2.60(cd/m),0.50(cd/m)であり、後方散乱の大きいスクリーンであることが分かった。
〔試験例1〕(後方散乱の測定)
実施例および参考例で得られた透明体貼付用スクリーンを、50mm×100mmに裁断し、シリコーン粘着剤層上の剥離フィルムを剥離して、70mm×150mmサイズ、厚み1.1mmのソーダガラスにラミネートした。ソーダガラス表面での反射の影響を防ぐため、ガラス裏面に反射防止フィルム(凸版印刷社製,「LR−TAC」)を貼合して、これをサンプル10とした。
サンプル10のシリコーン粘着剤層が貼付された側を正面側とし、図4に示すようにサンプル10の背面側にブラックボックス11を配置し、反射光の影響を取り除いた。映像としてのプロジェクタ光がない状態で測定することで、純粋に後方散乱の影響のみを測定することができる。
上記サンプル10の正面側に、プロジェクタPから環境光を想定した白色プロジェクタ光(265lx:HIOKI社製「3423LUX HiTESTER」で測定)を15°,60°の方向から入射させ、サンプル10の画面輝度(cd/m)を0°の角度(サンプルの法線方向)から測定した(ミノルタ社製輝度計「LS−110」で測定)。結果を表1に示す。
ここで、表1における白色光入射角15°,60°の夫々における画面輝度の値が小さいほど、後方散乱が有効に抑えられていることを表し、少なくとも、着色粘着剤層を備えていない比較例2における画面輝度の値よりも有意に小さければ、後方散乱が抑えられていることが分かる。なお、後方散乱については、環境光の強度等に依存するので明確な基準を設けることはできないが、本試験例で白色光入射角15°において1.50cd/m以下、および白色光入射角60°において0.30cd/m以下の値に抑えられていれば、後方散乱が実用上問題とならないレベルと考えられる。
〔試験例2〕(耐光性試験)
PETフィルム(東洋紡績社製,「コスモシャイン PET100 A4300」)上に、実施例1〜12および参考例1〜4における、着色粘着剤層と、紫外線吸収層(参考例1〜4においては、紫外線吸収剤が入っていない)と、透明基材と、シリコーン粘着剤層とからなる積層体を、当該シリコーン粘着剤層を介して、70mm×150mmサイズ、厚み1.1mmのソーダガラスに貼付したものを試料とした。
上記試料を、フェードメータ(カーボンアーク,ブラックパネル温度63℃)に投入し、ガラス板側から200時間紫外線を照射した。得られた評価用サンプルについて、分光光度計(島津製作所社製,「MPC3100」)を用いてCIE1931色度図に基づき、視感透過率Y、並びに色相変化Δx及びΔyを測定するとともに、上記視感透過率Yから紫外線照射前における視感透過率を引いた変化量ΔYを算出した。結果を表2に示す。なお、ΔYが3%以下であれば、スクリーンの着色剤の劣化が非常に有効に防止されているといえる。
Figure 2011017972
Figure 2011017972
ここで、波長380nmの光線透過率が異なる各紫外線吸収性層について、着色粘着剤層の波長380nmの光線透過率と、視感透過率の変化量ΔYとの関係を図5に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜12の透明体貼付用スクリーンは後方散乱の低いものであった。また、表2及び図5より、実施例1〜12と参考例2〜4とを比較することにより、着色粘着剤層に紫外線吸収剤を添加するのみより、別途紫外線吸収層を設ける方が耐光性には効果があることが明らかとなった。
さらに、透明体貼付用スクリーンの耐光性試験後のΔYを3%以下とするには、着色粘着剤層にも紫外線吸収剤を添加する場合、紫外線吸収層の波長380nmの透過率を7%以下とし、かつ着色粘着剤層の波長380nmの透過率を4%以下とすることにより実現することができることが明らかとなった。一方、着色粘着剤層に紫外線吸収剤を添加しない場合、紫外線吸収層の波長380nmの透過率を1%以下とすることにより実現できることが明らかとなった。
本発明の透明体貼付用スクリーンは、窓ガラス等に貼付される透過型のプロジェクションスクリーンとして、視認性、耐光性、耐久性、再剥離性等の面から好適に用いられる。
P…プロジェクタ
G…窓ガラス(透明体)
1,1A…透明体貼付用スクリーン
2…光拡散制御層
3…着色粘着剤層
4,4A…紫外線吸収層
5…透明基材
6…シリコーン粘着剤層
7…反射防止フィルム
21,22,23…光制御膜積層体
21a,21b,22a,22b,23a,23b…光制御膜
10…サンプル
11…ブラックボックス

Claims (10)

  1. 透明体に貼付され、プロジェクタからの映像が投影されるスクリーンであって、
    光の拡散を制御する光拡散制御層と、
    着色粘着剤層と、
    紫外線吸収層と、
    前記透明体に接着される、シリコーン系の粘着剤を含有するシリコーン粘着剤層と
    を備えたことを特徴とする透明体貼付用スクリーン。
  2. 前記光拡散制御層は、屈折率に差がある少なくとも2種類以上の光重合可能な化合物を含有する組成物の膜に光を照射して硬化させた光制御膜を備えたことを特徴とする請求項1に記載の透明体貼付用スクリーン。
  3. 前記着色粘着剤層による透過光の色調変化が、CIE1931色度図により規定される色相変化ΔxおよびΔyにおいて、共に±0.0030以内であり、かつ、前記着色粘着剤層の視感透過率Yが15〜90%であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の透明体貼付用スクリーン。
  4. 前記紫外線吸収層は、波長380nmの光線の透過率を1.5%以下に低下させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明体貼付用スクリーン。
  5. 前記紫外線吸収層は、波長380nmの光線の透過率を7.0%以下に低下させ、かつ
    前記着色粘着剤層は、紫外線吸収剤を含有しており、波長380nmの光線の透過率を5.0%以下に低下させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明体貼付用スクリーン。
  6. 前記紫外線吸収層は、紫外線吸収剤を含有する粘着剤層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明体貼付用スクリーン。
  7. 前記紫外線吸収層と前記シリコーン粘着剤層との間には、さらに透明基材が介在していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の透明体貼付用スクリーン。
  8. プロジェクタ側の最外層に反射防止層を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の透明体貼付用スクリーン。
  9. プロジェクタ側から順に、反射防止層と、前記光拡散制御層と、前記着色粘着剤層と、前記紫外線吸収層と、前記シリコーン粘着剤層とを積層してなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の透明体貼付用スクリーン。
  10. プロジェクタ側から順に、反射防止層と、前記光拡散制御層と、前記着色粘着剤層と、前記紫外線吸収層と、透明基材と、前記シリコーン粘着剤層とを積層してなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の透明体貼付用スクリーン。
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