JP2020067624A - 液晶層積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】逆カールが抑制された光学積層体、この光学積層体の製造に用いる液晶層積層体、及びこれらの製造方法を提供する。【解決手段】液晶層積層体の製造方法は、第1基材層と、第1基材層上で重合性液晶化合物を重合して形成した第1液晶層とを有する基材層付き第1液晶層を準備する工程と、第2基材層と、第2基材層上で重合性液晶化合物を重合して形成した第2液晶層とを有する基材層付き第2液晶層を準備する工程と、第1接着層を介して、基材層付き第1液晶層の第1液晶層側に、第2基材層付き第2液晶層の第2液晶層側を積層する工程と、を含む。第1接着層は、硬化性接着剤の硬化物からなる接着剤硬化層であり、第1液晶層のカール量の絶対値は20mm以内であり、第2液晶層のカール量の絶対値は20mm以内である。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶層積層体に関し、光学積層体、及びこれらの製造方法にも関する。
有機発光ダイオード(OLED)を用いた有機EL表示装置は、液晶表示装置等に比べて軽量化や薄型化が可能であるだけでなく、幅広い視野角、速い応答速度、高いコントラスト等の高画質を実現できるため、スマートフォンやテレビ、デジタルカメラ等、様々な分野で用いられている。有機EL表示装置では、外光の反射による視認性の低下を抑制するために、円偏光板等を用いて反射防止性能を向上させることが知られている。
例えば特許文献1及び2には、有機EL表示装置等の画像表示パネルに適用される反射防止機能を有するフィルムとして、直線偏光板(光学フィルム)に、液晶化合物により形成され互いに接着層を介して積層された位相差層を2層有する積層体が開示されている。
特開2015−230386号公報 特開2015−79256号公報
上記のフィルムは光学表示素子に貼合して使用されるが、このようなフィルムに、光学表示素子に貼合する側が凹となるようにカールする、いわゆる逆カールが生じていると、フィルムと光学表示素子とを貼り合わせる際に気泡を噛み込むことがあり、また、シワが入ることもあり、これらが原因となってムラとして視認される等の不具合が生じやすくなる傾向にある。このような不具合は、画像表示パネルの不良の原因となるため、フィルムの逆カールを抑制することが望まれている。
本発明は、逆カールが抑制された光学積層体、この光学積層体の製造に用いる液晶層積層体、及びこれらの製造方法の提供を目的とする。
〔1〕 少なくとも第1液晶層、第1接着層、及び第2液晶層がこの順に積層された液晶層積層体の製造方法であって、
第1基材層と、前記第1基材層上で重合性液晶化合物を重合して形成した前記第1液晶層とを有する基材層付き第1液晶層を準備する工程と、
第2基材層と、前記第2基材層上で重合性液晶化合物を重合して形成した前記第2液晶層とを有する基材層付き第2液晶層を準備する工程と、
前記第1接着層を介して、前記基材層付き第1液晶層の前記第1液晶層側に、前記第2基材層付き第2液晶層の前記第2液晶層側を積層する工程と、を含み、
前記第1接着層は、硬化性接着剤の硬化物からなる接着剤硬化層であり、
前記第1液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内であり、
前記第2液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内である、液晶層積層体の製造方法。
〔2〕 前記第1接着層は、温度30℃における貯蔵弾性率をE[Pa]とし、厚みをt[m]とするとき、下記式(1):
3000≦E×t≦15000 (1)
の関係を満たす、〔1〕に記載の液晶層積層体の製造方法。
〔3〕 さらに、前記積層する工程の後に前記第1基材層を剥離する工程を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の液晶層積層体の製造方法。
〔4〕 少なくとも第1液晶層、第1接着層、及び第2液晶層がこの順に積層された液晶層積層体であって、
前記第1液晶層及び前記第2液晶層は、重合性液晶化合物の硬化層であり、
前記第1接着層は、硬化性接着剤の硬化物からなる接着剤硬化層であり、
前記第1液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内であり、
前記第2液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内である、液晶層積層体。
〔5〕 前記第1接着層は、温度30℃における貯蔵弾性率をE[Pa]とし、厚みをt[m]とするとき、下記式(1):
3000≦E×t≦15000 (1)
の関係を満たす、〔4〕に記載の液晶層積層体。
〔6〕 さらに、前記第2液晶層の前記第1接着層とは反対側に、第2基材層を有する、〔4〕又は〔5〕に記載の液晶層積層体。
〔7〕 さらに、前記第1液晶層の前記第1接着層とは反対側に、第1基材層を有する、〔6〕に記載の液晶層積層体。
〔8〕 少なくとも光学フィルム、第2接着層、第1液晶層、第1接着層、及び第2液晶層がこの順に積層された光学積層体の製造方法であって、
〔3〕に記載の液晶層積層体の製造方法で製造された液晶層積層体から前記第1基材層を剥離することによって露出した第1露出面側、〔7〕に記載の液晶層積層体から前記第1基材層を剥離することによって露出した第1露出面側、又は、〔6〕に記載の液晶層積層体の前記第1液晶層側に、第2接着層及び光学フィルムをこの順に積層する工程を含む、光学積層体の製造方法。
〔9〕 さらに、前記第2接着層及び光学フィルムをこの順に積層する工程の後に、前記第2基材層を剥離する工程を含む、〔8〕に記載の光学積層体の製造方法。
〔10〕 さらに、粘着剤層と剥離層とが積層された剥離層付き粘着剤層を準備する工程と、
前記第2基材層を剥離することによって露出した第2露出面側に、前記剥離層付き粘着剤層の前記粘着剤層側を積層する工程と、を含む、〔9〕に記載の光学積層体の製造方法。
〔11〕 さらに、前記剥離層付き粘着剤層の前記粘着剤層側を積層する工程の後に前記剥離層を剥離する工程を含む、〔10〕に記載の光学積層体の製造方法。
〔12〕 前記光学フィルムは、偏光板を含む、〔8〕〜〔11〕のいずれかに記載の光学積層体の製造方法。
〔13〕 少なくとも光学フィルム、第2接着層、第1液晶層、第1接着層、及び第2液晶層がこの順に積層された光学積層体であって、
前記第1液晶層及び前記第2液晶層は、重合性液晶化合物の硬化層であり、
前記第1接着層は、硬化性接着剤の硬化物からなる接着剤硬化層であり、
前記第1液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内であり、
前記第2液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内である、光学積層体。
〔14〕 前記第1接着層は、温度30℃における貯蔵弾性率をE[Pa]とし、厚みをt[m]とするとき、下記式(1):
3000≦E×t≦15000 (1)
の関係を満たす、〔13〕に記載の光学積層体。
〔15〕 さらに、前記第2液晶層の前記第1接着層とは反対側に、第2基材層を有する、〔13〕又は〔14〕に記載の光学積層体。
〔16〕 さらに、前記第2液晶層の前記第1接着層とは反対側に、粘着剤層を有する、〔13〕又は〔14〕に記載の光学積層体。
〔17〕 さらに、前記粘着剤層の前記第2液晶層とは反対側に、剥離層を有する、〔16〕に記載の光学積層体。
〔18〕 前記光学フィルムは、偏光板を含む、〔13〕〜〔17〕のいずれかに記載の光学積層体。
本発明によれば、逆カールが抑制された光学積層体を製造することができる。
(a)〜(d)は、本発明の液晶層積層体の製造工程の一例を模式的に示す概略断面図である。 (a)及び(b)は、図1に示す液晶層積層体の製造工程の続きを模式的に示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の光学積層体の製造工程の一例を模式的に示す概略断面図である。 (a)及び(b)は、図3に示す光学積層体の製造工程の続きを模式的に示す概略断面図である。 図4に示す光学積層体の製造工程の続きを模式的に示す概略断面図である。 (a)及び(b)は、図5に示す光学積層体の製造工程の続きを模式的に示す概略断面図である。
以下、図面を参照して本発明の光学積層体、液晶層積層体及びこれらの製造方法の好ましい実施形態について説明する。図1及び図2は、本実施形態の液晶層積層体の製造方法の製造工程の一例を模式的に示す概略断面図であり、図3〜図6は、本実施形態の光学積層体の製造方法の製造工程の一例を模式的に示す概略断面図である。図中、Wは幅方向を表す。
(光学積層体)
本実施形態の光学積層体は、図4及び図6に示すように、少なくとも光学フィルム60、第2接着層32、第1液晶層12、第1接着層31、及び第2液晶層22がこの順に積層されたものである。ここで、第1接着層は、硬化性接着剤の硬化物からなる接着剤硬化層である。また、第1液晶層12及び第2液晶層22は、重合性液晶化合物の硬化層であり、第1液晶層12は、第1基材層11上で重合性液晶化合物を重合して形成することができ、第2液晶層22は、第2基材層21上で重合性液晶化合物を重合して形成することができる。光学積層体において、第1液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内であり、第2液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内である。
本明細書において、第1液晶層12及び第2液晶層22のカール量は、長辺の長さが150mm、短辺の長さが50mmとなる長方形状となり、長辺が光学積層体のTD方向と45度の角度をなすように切り出した第1液晶層又は第2液晶層において、その対角線のうち、延在方向が光学積層体の上記TD方向に平行な方向に相対的に近い対角線上に発生するカールを評価するものであり、後述する実施例で説明する手順で算出される。
第1液晶層12及び第2液晶層22のカール量は、第1液晶層12及び第2液晶層22を形成するために用いる重合性液晶化合物の種類、重合性液晶化合物の重合度(硬化度)、液晶層形成用組成物に含まれる添加剤の種類等によって調整することができる。重合性液晶化合物の重合度は、液晶層形成用組成物に含まれる重合開始剤、反応性添加剤、重合禁止剤等の種類や添加量、重合性液晶化合物を重合して硬化させるときに照射する活性エネルギー線の照射強度や照射時間(照射量)等によって調整することができる。第1液晶層12及び第2液晶層22のカール量の絶対値は、それぞれ独立して、15mm以下であることが好ましく、12mm以下であることが好ましく、9mm以下であることが好ましく、0mmであってもよく、また、1mm以上であってもよく、3mm以上であってもよい。カール量の絶対値が小さいほど、第2液晶層22側を内側として弓なりに反る変形(以下、「逆カール」ということがある。)を抑制することができ、また、光学積層体をフラット(平坦)な状態にしやすい。
図6(b)に示すように、光学フィルム60、第2接着層32、第1液晶層12、第1接着層31、第2液晶層22、及び粘着剤層33をこの順に有する層構造の粘着剤層付き光学積層体73(光学積層体)は、粘着剤層33を光学表示素子に貼合して用いることがある。この場合、粘着剤層付き光学積層体73において逆カール(粘着剤層33側を内側として弓なりに反る変形)が生じていると、光学表示素子への貼合時に気泡が混入したりシワが発生すること等によるムラの発生等の不具合が生じやすい傾向にある。しかし、粘着剤層付き光学積層体73の第1液晶層12及び第2液晶層22のカール量の絶対値が20mm以下であることにより、逆カールの発生を抑制することができ、光学表示素子への貼合時に発生することがある上記した不具合を抑制することができる。
この理由は次のように推測される。粘着剤層付き光学積層体73が有する第1液晶層12及び第2液晶層22(以下、両者をまとめて「液晶層」ということがある。)は、それぞれ第1基材層11及び第2基材層21(以下、両者をまとめて「基材層」ということがある。)上に、重合性液晶化合物を含む液晶層形成用組成物を塗布して乾燥し、紫外線等の活性エネルギー線照射により重合性液晶化合物を重合させて硬化させることによって形成することができる。上記した塗布、乾燥、重合、硬化等の工程を経て形成された液晶層には、塗布された液晶層形成用組成物の乾燥や、重合性液晶化合物の重合に伴う硬化時に生じた収縮応力が残留していると推測される。液晶層が基材層上に存在している状態では、上記の収縮応力は基材層によって抑制されているが、基材層は通常、液晶層積層体や光学積層体を製造する工程において剥離される。そのため、基材層を剥離したときに液晶層の収縮応力が解放され、液晶層は、この解放された収縮応力の影響を受けて、粘着剤層付き光学積層体73にカールを発生させるように変形すると考えられる。
図6(b)に示す粘着剤層付き光学積層体73のように、比較的高い剛性を示す光学フィルム60の一方の面側にのみ、接着層を介して第1液晶層12及び第2液晶層22を積層した構成では、これら液晶層に残留する収縮応力が、粘着剤層付き光学積層体73を液晶層側が内側となるカールを生じさせるように働くため、逆カールが生じやすくなる傾向にある。
そこで、本実施形態の粘着剤層付き光学積層体73では、第1液晶層12及び第2液晶層22として、上記したカール量の絶対値が20mm以下であるものを用いている。これにより、第1基材層11や第2基材層21を剥離することにより第1液晶層12や第2液晶層22の収縮応力が解放されたときにも、これらの液晶層が変形することを抑制することができると推測される。その結果、粘着剤層付き光学積層体73に逆カールが発生することを抑制することができる。
第1接着層31は、温度30℃における貯蔵弾性率をE[Pa]とし、厚みをt[m]とするとき、下記式(1):
3000≦E×t≦15000 (1)
の関係を満たす剛性を有することが好ましい。
上記式(1)のE×tの値は、3500[Pa・m]以上であることがより好ましく、4000[Pa・m]以上であることがさらに好ましく、4300[Pa・m]以上であることがさらに好ましく、また、14000[Pa・m]以下であることがより好ましく、13000[Pa・m]以下であることがさらに好ましい。E×tの値が3000[Pa・s]未満であると、光学積層体の逆カールの発生を抑制しにくくなる傾向にあり、15000[Pa・s]を超えると、光学積層体が光学フィルム60側を内側として弓なりに反る変形(以下、「正カール」ということがある。)が進みすぎる傾向にあり、光学積層体がフラット(平坦)な状態となりにくくなるため、光学積層体が取り扱いづらくなることがある。
第1接着層31の30℃における貯蔵弾性率Eは、第1接着層31を形成するために用いる接着剤や粘着剤の種類によって調整することができる。第1接着層31の30℃における貯蔵弾性率Eは、100MPa以上であることが好ましく、1000MPa以上であることがより好ましく、1500MPa以上であってもよく、2000MPa以上であってもよい。また、第1接着層31の30℃における貯蔵弾性率Eは、通常、10000MPa以下であり、8000MPa以下であることが好ましく、5000MPa以下であることがより好ましい。
第1接着層31の厚みtは、第1接着層31の30℃における貯蔵弾性率Eに応じて調整すればよいが、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることがさらに好ましく、また、通常、2.5μm以上であり、3μm以上であってもよく、3.5μm以上であってもよい。
本実施形態の光学積層体は、図6(b)に示すように、光学フィルム60、第2接着層32、第1液晶層12、第1接着層31、第2液晶層22、及び粘着剤層33の層構造を有する粘着剤層付き光学積層体73であってもよく、図6(a)に示すように、粘着剤層付き光学積層体73の粘着剤層33の第2液晶層22とは反対側に、粘着剤層33を保護するための第2剥離層53を有する剥離層付き光学積層体72(光学積層体)であってもよい。また、本実施形態の光学積層体は、図4(a)に示すように、光学フィルム60、第2接着層32、第1液晶層12、第1接着層31、第2液晶層22、及び第2基材層21をこの順に有する基材層付き光学積層体70(光学積層体)であってもよく、図4(b)に示すように、基材層付き光学積層体70から第2基材層21を剥離した基材層剥離済み光学積層体71(光学積層体)であってもよい。これらの各光学積層体(以下、これらをまとめて「光学積層体」ということがある。)は、光学表示素子に貼合して用いる形態(例えば、粘着剤層付き光学積層体73)としたときに、逆カールの発生を抑制することができ、光学表示素子への貼合時に発生することがある上記した不具合を抑制することができる。
(液晶層積層体)
本実施形態の液晶層積層体は、光学積層体を製造するために用いることができるものであり、図2に示すように、少なくとも第1液晶層12、第1接着層31、及び第2液晶層22がこの順に積層されたものである。第1液晶層12及び第2液晶層22は、上記したように、重合性液晶化合物の硬化層であり、カール量の絶対値が20mm以下である。また、第1接着層31は、上記したように、硬化性接着剤の硬化物からなる接着剤硬化層であり、上記した式(1)の関係を満たすことが好ましい。第1液晶層12、第2液晶層22、及び第1接着層31の説明については、上記したとおりであるのでその説明を省略する。
本実施形態の液晶層積層体は、図2(a)に示すように、第1基材層11、第1液晶層12、第1接着層31、第2液晶層22、及び第2基材層21の層構造を有する両面基材層付き液晶層積層体40(液晶層積層体)であってもよく、両面基材層付き液晶層積層体40から第1基材層11を剥離した片面基材層付き液晶層積層体41(液晶層積層体)(図2(b))であってもよい。片面基材層付き液晶層積層体41は、図2(b)に示すように、第1液晶層12、第1接着層31、第2液晶層22、及び第2基材層21の層構造を有する。これらの各液晶層積層体(以下、これらをまとめて「液晶層積層体」ということがある。)を用いて光学積層体を製造することにより、逆カールの発生を抑制することができ、光学表示素子への貼合時に発生することがある上記した不具合を抑制することができる光学積層体を製造することができる。
(液晶層積層体の製造方法及び光学積層体の製造方法)
以下、本実施形態の液晶層積層体の製造方法及び光学積層体の製造方法について、図1〜図6に基づいて説明する。光学積層体の製造方法では、例えば、片面基材層付き液晶層積層体41を用いて光学積層体を製造することができる。以下では、図6(b)に示す粘着剤層付き光学積層体73において、第2接着層32が粘着剤で形成された粘着剤層である場合を例に挙げて説明する。
(液晶層積層体の製造方法)
図2(b)に示す片面基材層付き液晶層積層体41の製造方法は、図1(a)に示す基材層付き第1液晶層10と、図1(b)に示す基材層付き第2液晶層20とを準備する工程を含む。基材層付き第1液晶層10は、第1基材層11と、第1基材層11上で重合性液晶化合物を重合して形成した第1液晶層12とを有するものであり、第1基材層11が第1液晶層12に対して剥離可能に形成されている。基材層付き第2液晶層20は、第2基材層21と、第2基材層21上で重合性液晶化合物を重合して形成した第2液晶層22とを有するものであり、第2基材層21が第2液晶層22に対して剥離可能に形成されている。
基材層付き第1液晶層10を準備する工程は、第1基材層11上に、重合性液晶化合物を含む液晶層形成用組成物を塗布して乾燥し、紫外線等の活性エネルギー線照射により重合性液晶化合物を重合して硬化させた第1液晶層12を形成する工程を含んでいてもよい。同様に、基材層付き第2液晶層20を準備する工程は、第2基材層21上に、重合性液晶化合物を含む液晶層形成用組成物を塗布して乾燥し、紫外線等の活性エネルギー線照射により重合性液晶化合物を重合して硬化させた第2液晶層22を形成する工程を含んでいてもよい。
次に、基材層付き第2液晶層20の第2液晶層22側の表面に、接着剤硬化層である第1接着層31を形成するための接着剤組成物を含む接着剤組成物層31aを形成する工程を行う。この工程により、組成物層付き第2液晶層25を得ることができる(図1(c))。組成物層付き第2液晶層25は、図1(c)に示すように、接着剤組成物層31a、第2液晶層22、及び第2基材層21がこの順に積層されたものである。接着剤組成物層31aを形成する工程は、基材層付き第2液晶層20の第2液晶層22側の表面に、接着剤組成物を塗布する工程を含んでいてもよい。
得られた組成物層付き第2液晶層25の接着剤組成物層31a側に、基材層付き第1液晶層10の第1液晶層12側を積層した後(図1(d))、接着剤組成物層31aから第1接着層31を形成して、両面基材層付き液晶層積層体40を得る(図2(a))。接着剤組成物層31aを形成する方法は、接着剤組成物の種類等に応じて適宜選択することができるが、例えば、活性エネルギー線照射、加熱処理、硬化剤の添加等を挙げることができる。両面基材層付き液晶層積層体40は、図2(a)に示すように、第1基材層11、第1液晶層12、第1接着層31、第2液晶層22、及び第2基材層21がこの順に積層されたものである。
図2(a)に示す両面基材層付き液晶層積層体40から、第1基材層11を剥離して、第2基材層21を剥離しないことにより、図2(b)に示すように、第1液晶層12、第1接着層31、第2液晶層22、及び第2基材層21がこの順に積層された片面基材層付き液晶層積層体41が得られる。図2(a)に示す両面基材層付き液晶層積層体40、及び、図2(b)に示す片面基材層付き液晶層積層体41における第1接着層31は、硬化性接着剤の硬化物である接着剤硬化層であり、上記式(1)の関係を満たす剛性を有することが好ましい。また、第1液晶層12及び第2液晶層22は、いずれもカール量の絶対値が20mm以下である。
(光学積層体の製造方法)
図6(b)に示す粘着剤層付き光学積層体73の製造方法では、まず、第1剥離層51上に、粘着剤で形成された粘着剤層である第2接着層32が形成された剥離層付き第2接着層50を準備する工程を行う(図3(a))。剥離層付き第2接着層50を準備する工程は、第1剥離層51上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥等して第2接着層32を形成する工程を含んでいてもよい。また、必要に応じて、第2接着層32の第1剥離層51とは反対側の面を、他の剥離層で被覆する工程を設けてもよい。準備した剥離層付き第2接着層50の第2接着層32と光学フィルム60とを貼合し(図3(b))、第1剥離層51を剥離して、第2接着層付き光学フィルム61を得る(図3(c))。第2接着層付き光学フィルム61は、図3(c)に示すように、光学フィルム60と第2接着層32とが積層されたものである。
その後、第2接着層付き光学フィルム61の第2接着層32と、第1基材層11を剥離することによって露出した片面基材層付き液晶層積層体41(図2(b))の第1液晶層12(第1露出面)とを貼合して基材層付き光学積層体70(光学積層体)を得る(図4(a))。片面基材層付き液晶層積層体41は、図2(b)に示す構造を有するものであればよく、上記の液晶層積層体の製造方法によって製造されたものであってもよい。基材層付き光学積層体70は、図4(a)に示すように、光学フィルム60、第2接着層32、第1液晶層12、第1接着層31、第2液晶層22、及び第2基材層21がこの順に積層されたものである。この基材層付き光学積層体70から第2基材層21を剥離することにより、基材層剥離済み光学積層体71を得ることができる(図4(b))。
続いて、第2剥離層53と粘着剤層33とが積層された剥離層付き粘着剤層58を準備する工程を行う(図5)。剥離層付き粘着剤層58を準備する工程は、第2剥離層53上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥等して粘着剤層33を形成する工程を含んでいてもよい。また、必要に応じて、粘着剤層33の第2剥離層53とは反対側の面を、他の剥離層で被覆する工程を設けてもよい。
準備した剥離層付き粘着剤層58の粘着剤層33側と、第2基材層21を剥離することによって露出した基材層剥離済み光学積層体71の第2液晶層22(第2露出面)側とを貼合して、剥離層付き光学積層体72を得る(図6(a))。剥離層付き光学積層体72は、図6(a)に示すように、光学フィルム60、第2接着層32、第1液晶層12、第1接着層31、第2液晶層22、粘着剤層33、第2剥離層53がこの順に積層されたものである。この剥離層付き光学積層体72から第2剥離層53を剥離することにより、図6(b)に示す粘着剤層付き光学積層体73を得ることができる。得られた粘着剤層付き光学積層体73は、粘着剤層33と光学表示素子とを貼合して画像表示パネルとすることができる。
上記した液晶層積層体(図2)の製造方法及び光学積層体(図4及び図6)の製造方法では、第1基材層11上や第2基材層21上で重合性液晶化合物を重合して硬化させて、第1液晶層12や第2液晶層22を形成している。そのため、図2(a)に示す両面基材層付き液晶層積層体40から第1基材層11を剥離したとき、また、図4(a)に示す基材層付き光学積層体70から第2基材層21を剥離したときに、重合性液晶化合物の重合に伴う硬化時に生じ、第1液晶層12や第2液晶層22に残留している収縮応力が解放されると考えられる。本実施形態では、第1液晶層12及び第2液晶層22のカール量の絶対値が20mm以下であるため、第1基材層11や第2基材層21を剥離して収縮応力が解放されても、第1液晶層12及び第2液晶層22の変形量は小さいと考えられる。そのため、第1液晶層12や第2液晶層22の収縮応力が解放されても、基材層剥離済み光学積層体71(図4(b))は変形しにくい。これにより、基材層剥離済み光学積層体71や、図6(a)及び(b)に示す剥離層付き光学積層体72や粘着剤層付き光学積層体73において、逆カールが発生することを抑制することができる。
また、第1接着層31が接着剤硬化層であり、上記式(1)の関係にある剛性を有することにより、基材層剥離済み光学積層体71、剥離層付き光学積層体72、及び粘着剤層付き光学積層体73において、正カール化が進みすぎ、これらの光学積層体がフラット(平坦)な状態となりにくくなることを抑制することができる。
なお、本実施形態において液晶層積層体や光学積層体を製造するために用いられる、基材層付き第1液晶層10、基材層付き第2液晶層20、剥離層付き第2接着層50、剥離層付き粘着剤層58、光学フィルム60、第2接着層付き光学フィルム61等のフィルム状物は、いずれも長尺のフィルム状物であることが好ましく、これらを連続的に搬送しながら各工程を行うことが好ましい。幅方向Wは、通常、フィルム状物の長さ方向(搬送方向、MD方向)に直交する方向(TD方向)である。
(変形例)
本実施形態の液晶層積層体、光学積層体、及びこれらの製造方法は、以下に示す変形例のように変更されてもよい。また、上記した実施形態及び下記に示す変形例を任意に組み合わせてもよい。
(変形例1)
上記では、光学積層体が有する第2接着層32が粘着剤層である場合について説明したが、これに限定されない。例えば、第2接着層32は、硬化性接着剤の硬化物からなる接着剤硬化層であってもよい。この場合、第1剥離層51上に第2接着層を形成するのではなく、光学フィルム60上、及び、片面基材層付き液晶層積層体41の第1基材層11を剥離して露出した第1液晶層12(第1露出面)上のうちの少なくとも一方に、接着剤組成物を含む接着剤組成物層を形成すればよい。
(変形例2)
上記では、基材層付き第2液晶層20の第2液晶層22側に接着剤組成物層31aを設けた組成物層付き第2液晶層25を用い(図1(c))、この接着剤組成物層31a上に基材層付き第1液晶層10の第1液晶層12を積層する場合を例に挙げて説明したが、基材層付き第1液晶層10の第1液晶層12と、基材層付き第2液晶層20の第2液晶層22とを、第1接着層31を介して積層した両面基材層付き液晶層積層体40(図2(a))を得ることができれば、これに限定されない。例えば、基材層付き第1液晶層10の第1液晶層12側に接着剤組成物層31aを設け、この接着剤組成物層31a上に基材層付き第2液晶層20の第2液晶層22側を積層した後、接着剤組成物層31aを硬化して第1接着層31を形成してもよい。また、基材層付き第1液晶層10の第1液晶層12側、及び、基材層付き第2液晶層20の第2液晶層22側の双方に接着剤組成物層31aを形成するようにしてもよい。
(変形例3)
上記では、図3(a)に示す剥離層付き第2接着層50を用いて、光学フィルム60に第2接着層32を設けて第2接着層付き光学フィルム61を得(図3(c))、この第2接着層付き光学フィルム61の第2接着層32と、片面基材層付き液晶層積層体41の第1液晶層12とを貼合する場合を例に挙げて説明したが、第1基材層11を剥離することによって露出した片面基材層付き液晶層積層体41の露出面(第1液晶層12)に、第2接着層32を介して光学フィルム60を積層することができれば、これに限定されない。例えば、図3(a)に示す剥離層付き第2接着層50を用いて、片面基材層付き液晶層積層体41の露出面(第1液晶層12)上に第2接着層32を設けた第2接着層付き液晶層積層体を得、この第2接着層32上に光学フィルム60を積層してもよい。この場合、第2接着層付き液晶層積層体は、第2接着層32、第1液晶層12、第1接着層31、第2液晶層22、及び第2基材層21をこの順に有していればよく、第2接着層32の第1液晶層12とは反対側の面上に第1剥離層51を有していてもよい。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及びその変形例に限定されることはなく、例えば、上記実施形態及びその変形例の各工程を組み合わせて実施することもできる。以下、実施形態で用いた各部材の詳細について説明する。
(光学フィルム)
光学フィルムは、熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂フィルムを含むフィルムであって、光学機能を備えたフィルムであり、例えば偏光子、偏光子の少なくとも片面に保護層が形成された偏光板、偏光板の少なくとも片面にプロテクトフィルムが積層されたプロテクトフィルム付き偏光板、反射フィルム、半透過型反射フィルム、輝度向上フィルム、光学補償フィルム、防眩機能付きフィルム等であることができる。光学フィルムは1層構造であってもよく、2層以上の多層構造の積層光学フィルムであってもよい。
光学積層体に発生する逆カールは、光学積層体に含まれる光学フィルムの厚みや剛性が小さいほど、液晶層による収縮応力の解放の影響を受けやすいと考えられる。また、基材層の厚みや剛性が大きいほど、液晶層に残留する収縮応力が大きくなるため、基材層を剥離したときに解放される収縮応力の影響を受けやすいと考えられる。そのため、光学フィルムの厚みは2μm以上500μm以下であることが好ましい。光学フィルムの厚みは、10μm以上であってもよく、また、350μm以下であってもよく、200μm以下であってもよく、150μm以下であってもよい。
(偏光子)
偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。本明細書において「偏光子」とは、無偏光の光を入射させたとき、吸収軸に直交する振動面をもつ直線偏光を透過させる性質を有する直線偏光子をいう。例えば、偏光子を形成する樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層フィルムであってもよい。偏光子は、重合性液晶化合物に二色性色素を配向させ、重合性液晶化合物を重合させた硬化膜であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体的な例としては、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略すこともある。)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理、及び延伸処理が施されたもの、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。光学特性に優れることから、PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子を用いることが好ましい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体的な例としては、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略すこともある。)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理、及び延伸処理が施されたもの、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。光学特性に優れることから、PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子を用いることが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用可能である。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度であり、好ましくは1,500〜5,000程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用可能である。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度であり、好ましくは1,500〜5,000程度である。
その他の偏光子の製造方法としては、まず基材フィルムを用意し、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂等の樹脂の溶液を塗布し、溶媒を除去する乾燥等を行って基材フィルム上に樹脂層を形成する工程を含むものを挙げることができる。なお、基材フィルムの樹脂層が形成される面には、予めプライマー層を形成することができる。基材フィルムとしては、PET等の樹脂フィルムを使用できる。プライマー層の材料としては、偏光子に用いられる親水性樹脂を架橋した樹脂等を挙げることができる。
次いで、必要に応じて樹脂層の水分等の溶媒量を調整し、その後、基材フィルム及び樹脂層を一軸延伸し、続いて、樹脂層をヨウ素等の二色性色素で染色して二色性色素を樹脂層に吸着配向させる。続いて、必要に応じて二色性色素が吸着配向した樹脂層をホウ酸水溶液で処理し、ホウ酸水溶液を洗い落とす洗浄工程を行う。これにより、二色性色素が吸着配向された樹脂層、すなわち、偏光子のフィルムが製造される。各工程には公知の方法を採用できる。
基材フィルム及び樹脂層の一軸延伸は、染色の前に行ってもよいし、染色中に行ってもよいし、染色後のホウ酸処理中に行ってもよく、これら複数の段階においてそれぞれ一軸延伸を行ってもよい。基材フィルム及び樹脂層は、MD方向(フィルム搬送方向)に一軸延伸してもよく、この場合、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、基材フィルム及び樹脂層は、TD方向(フィルム搬送方向に垂直な方向)に一軸延伸してもよく、この場合、いわゆるテンター法を使用することができる。また、基材フィルム及び樹脂層の延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤にて樹脂層を膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。偏光子の性能を発現するためには延伸倍率は4倍以上であり、5倍以上であることが好ましく、特に5.5倍以上が好ましい。延伸倍率の上限は特にないが、破断等を抑制する観点から8倍以下が好ましい。
上記方法で作製した偏光子は後述する保護層を積層した後に基材フィルムを剥離することで得ることができる。この方法によれば、偏光子の更なる薄膜化が可能となる。
重合性液晶化合物に二色性色素を配向させ、重合性液晶化合物を重合させた硬化膜である偏光子の製造方法としては、基材フィルム上に、重合性液晶化合物及び二色性色素を含む偏光子形成用組成物を塗布し、重合性液晶化合物を液晶状態を保持したまま重合して硬化させて偏光子を形成する方法を挙げることができる。このようにして得られた偏光子は、基材フィルムに積層された状態にあり、基材フィルム付き偏光子を光学フィルムとして用いてもよい。あるいは、偏光子に対して基材フィルムを剥離可能とした基材フィルム付き偏光子を、片面基材層付き液晶層積層体41に第2接着層32を介して積層した後に、又は、剥離層付き第2接着層50に積層した後に、基材フィルムを剥離して、偏光子を光学フィルムとして用いてもよい。
二色性色素としては、分子の長軸方向における吸光度と短軸方向における吸光度とが異なる性質を有する色素を用いることができ、例えば、300〜700nmの範囲に吸収極大波長(λmax)を有する色素が好ましい。このような二色性色素としては、例えば、アクリジン色素、オキサジン色素、シアニン色素、ナフタレン色素、アゾ色素、アントラキノン色素等が挙げられるが、中でもアゾ色素が好ましい。アゾ色素としては、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、スチルベンアゾ色素等が挙げられ、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素がより好ましい。
偏光子形成用組成物は、溶剤、光重合開始剤等の重合開始剤、光増感剤、重合禁止剤等を含むことができる。偏光子形成用組成物に含まれる、重合性液晶化合物、二色性色素、溶剤、重合開始剤、光増感剤、重合禁止剤等については、公知のものを用いることができ、例えば、特開2017−102479号公報、特開2017−83843号公報に例示されているものを用いることができる。また、重合性液晶化合物は、後述する第1液晶層及び第2液晶層を得るために用いた重合性液晶化合物として例示した化合物と同様のものを用いてもよい。偏光子形成用組成物を用いて偏光子を形成する方法についても、上記公報に例示された方法を採用することができる。
偏光子の厚みは、2μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。また、上記の偏光子の厚みは、25μm以下であり、15μm以下であることが好ましく、13μm以下であることがより好ましく、さらに7μm以下であることが好ましい。なお、上述した上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。偏光子は厚みが薄くなるほど剛性が小さくなり、第1液晶層や第2液晶層の収縮応力の影響を受けやすくるため、厚みの小さい偏光子を光学フィルムとして用いる場合に、上記したカール量の絶対値を有する第1液晶層及び第2液晶層を用い、第1接着層が接着剤硬化層であることが好ましい。
(偏光板)
偏光子はその片面又は両面に、公知の粘着剤層又は接着層を介して保護層を積層して偏光板とすることができる。この偏光板はいわゆる直線偏光板である。偏光子の片面又は両面に積層することができる保護層としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性、延伸性等に優れる熱可塑性樹脂から形成されたフィルムが用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;シクロ系及びノルボルネン構造を有する環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂ともいう);(メタ)アクリル樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、並びにこれらの混合物を挙げることができる。偏光子の両面に保護層が積層されている場合、二つの保護層の樹脂組成は同一であってもよいし、異なっていてもよい。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルのいずれでもよいことを意味する。(メタ)アクリレート等の「(メタ)」も同様の意味である。
熱可塑性樹脂から形成されたフィルムは、PVA系樹脂及び二色性物質からなる偏光子との密着性を向上するため、表面処理(例えば、コロナ処理等)が施されていてもよく、プライマー層(下塗り層ともいう)等の薄層が形成されていてもよい。
保護層は、温度40℃、湿度90%RHでの透湿度が1〜1500g/m・24hrであることが好ましい。保護層の透湿度が1500g/m・24hrを超えると、高温高湿環境において、偏光板の経時でのカール変化が発生しやすくなることがある。保護層の透湿度が低いほど、偏光板のカールの経時変化を抑制できる効果が得られやすくなる。保護層の温度40℃、湿度90%RHでの透湿度は、1000g/m・24hr以下であることがより好ましく、100g/m・24hr以下であることがさらに好ましく、10g/m・24hr以下であることがよりさらに好ましい。透湿度は、JIS Z 0208:1976に準拠して測定をすることができる。
さらに、光学フィルムとして用いる偏光板において、第1液晶層や第2液晶層の収縮応力の影響を低減するために、偏光子に積層される保護層の剛性を高めることが好ましい。ここで剛性とは、保護層に用いるフィルムの温度23℃下での引っ張り弾性率(以下、「23℃弾性率」ということがある。)に膜厚を掛け合わせたものとして定義される。例えば、トリアセチルセルロースに代表されるセルロース系ポリマーを用いた保護層は、23℃弾性率が3000〜5000MPaの範囲であることが好ましく、ポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル系ポリマーを用いた保護層は、23℃弾性率が2000〜4000MPaの範囲であることが好ましく、ノルボルネン構造を有するようなシクロオレフィン系ポリマーを用いた保護層は、23℃弾性率が2000〜4000MPaの範囲であることが好ましい。外側保護層には、上記透湿度と剛性の観点からアクリル系ポリマーかポリオレフィン系ポリマーが好適に用いられ、特にシクロオレフィン系ポリマーを用いることが好ましい。23℃弾性率は、JIS K 7113にしたがって測定することができる。
保護層は、例えば前述の熱可塑性樹脂を延伸したものであってもよいし、延伸されていないものであってもよい(以下、「未延伸樹脂」ということがある。)。延伸処理としては、一軸延伸や二軸延伸等が挙げられる。
延伸処理における延伸方向は、未延伸樹脂の長さ方向であってもよく、長さ方向に直交する方向であってもよく、長さ方向に対して斜交する方向であってもよい。一軸延伸の場合は、これらの方向のうちのいずれかの方向に未延伸樹脂を延伸すればよい。二軸延伸は、これらの方向のうちの2つの延伸方向に同時に延伸する同時二軸延伸でもよく、所定の方向に延伸した後で他の方向に延伸する逐次二軸延伸であってもよい。
延伸処理は、例えば、下流側の周速を大きくした2対以上のニップロールを用いて、長さ方向に延伸する、又は、未延伸樹脂の両側端をチャックで把持して長さ方向に直交する方向に延伸する等によって行うことができる。この際、延伸後の熱可塑性樹脂の厚みを調整したり、延伸倍率を調整したりすることによって、所望の位相差値及び波長分散を制御することが可能である。
延伸された熱可塑性樹脂は、下記式を満足することが好ましい。
(1) 80nm≦Re(590)≦180nm
(2) 0.5<Rth(590)/Re(590)≦0.8
(3) 0.85≦Re(450)/Re(550)<1.00
式中、Re(590)、Re(450)、Re(550)はそれぞれ、測定波長590nm、450nm、550nmにおける面内位相差値を表し、Rth(590)は、測定波長590nmにおける厚み方向位相差値を表す。これらの面内位相差値及び厚み方向位相差値は、温度23℃、相対湿度55%の環境下にて測定された値のことをいう。
面内位相差値Re、厚み方向位相差値Rthは、面内遅相軸方向の屈折率をnx、面内進相軸方向(面内遅相軸方向と直交する方向)の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、延伸された熱可塑性樹脂の厚みをdとするとき、下記式(S1)、式(S2):
(S1) Re=(nx−ny)×d
(S2) Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d
で定義される。
上記した外側保護層は、上記式(1)〜(3)を満たす延伸された熱可塑性樹脂であることが好ましい。また、上記した外側保護層は、偏光子の吸収軸に対して斜交する方向に遅相軸を有するように偏光子に貼り合わせることが好ましく、例えば外側保護層の遅相軸の角度が偏光子の吸収軸に対して45±10°又は135±10°となるように、外側保護層と偏光子とを貼り合わせることが好ましい。遅相軸の角度が上記範囲であることにより、進相軸方向における光の位相と遅相軸方向における光の位相との間に差が生じるため、本実施形態の光学積層体を光学表示素子に適用すると、光学積層体を通過して出射した光を円偏光にすることができる。そのため、本実施形態の光学積層体を光学表示素子に適用した表示装置は、偏光サングラス越しに表示画像等を見た場合にも視認性に優れたものとなり得る。
保護層の厚みは、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。また、保護層の厚みは、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。なお、上述した上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。偏光板の厚みが薄くなるほど剛性が小さくなり、第1液晶層や第2液晶層の収縮応力の影響を受けやすくなるため、厚みの小さい偏光板を光学フィルムとして用いる場合に、上記したカール量の絶対値を有する第1液晶層及び第2液晶層を用い、第1接着層が接着剤硬化層であることが好ましい。
保護層の偏光子とは反対側の表面は、表面処理層を有していてもよく、例えばハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、アンチグレア層、拡散層等を有していてもよい。表面処理層は、保護層上に積層される別の層であってもよく、保護層表面に表面処理が施されて形成されたものであってもよい。
ハードコート層は、偏光板表面の傷つき防止等を目的とするものであり、例えばアクリル系、シリコーン系等の紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を保護層の表面に付加する方式等にて形成することができる。反射防止層は、偏光板表面での外光の反射防止を目的とするものであり、従来に準じた反射防止膜等の形成により達成することができる。また、スティッキング防止層は隣接層との密着防止を目的とするものである。
アンチグレア層は、偏光板の表面で外光が反射して、偏光板の透過光の視認を阻害することを防止すること等を目的とするものであり、例えば、サンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式等の方式により、保護層の表面に微細凹凸構造を付与して形成することができる。保護層の表面に微細凹凸構造を付与するために用いる透明微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等の導電性を有し得る無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等の有機系微粒子等の微粒子が挙げられる。透明微粒子の含有量は、微細凹凸構造を形成する層をなす樹脂100質量部に対して、一般的に2〜50質量部であり、5〜25質量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板の透過光を拡散して視角等を拡大するための拡散層(視角拡大機能等)を兼ねるものであってもよい。
表面処理層が偏光板の保護層上に積層される別の層である場合、表面処理層の厚みは0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。また、10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましい。厚みが0.5μm未満であると、偏光板表面の傷つきを有効に防止しにくくなる傾向にある。また、厚みが10μmを超えると、硬化収縮が大きくなる等により、偏光板の逆カールが抑制されにくくなることがある。
上記実施形態の光学積層体及びその製造方法は、偏光板の厚みが2μm以上300μm以下である場合に好適である。偏光板の厚みは、10μm以上であってもよく、また、150μm以下であってもよく、120μm以下であってもよく、80μm以下であってもよい。
(プロテクトフィルム付き偏光板)
偏光板は、通常その片面に、プロテクトフィルムを積層することにより、プロテクトフィルム付き偏光板とすることができる。プロテクトフィルムは、プロテクトフィルム用樹脂フィルムと、その上に積層されるプロテクトフィルム用粘着剤層とを含む。プロテクトフィルムの厚みは、例えば30〜200μmであることができ、好ましくは40〜150μmであり、より好ましくは50〜120μmである。
プロテクトフィルム用樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂のようなポリオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂等を挙げることができる。このうち、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂が好ましい。プロテクトフィルム用樹脂フィルムは、1層構造であってもよいが、2層以上の多層構造を有していてもよい。
プロテクトフィルム用粘着剤層を構成する粘着剤としては、後述する粘着剤層を構成する粘着剤と同様のものを用いることができる。また、プロテクトフィルムは、プロテクトフィルム用樹脂フィルム面上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥等することにより粘着剤層を形成して得ることができる。必要に応じて、プロテクトフィルム用樹脂フィルムの粘着剤塗布面には密着性を向上するために、表面処理(例えば、コロナ処理等)が施されていてもよく、プライマー層(下塗り層ともいう)等の薄層が形成されていてもよい。また、必要に応じて、プロテクトフィルム用粘着剤層の、プロテクトフィルム用樹脂フィルム側とは反対側の表面を被覆して保護するための剥離層を有していてもよい。この剥離層は、偏光板と貼り合わせる際の適宜のタイミングで剥離することができる。
偏光板にプロテクトフィルムを貼り合わせるプロテクトフィルム付き偏光板の作製工程では、張力差や周速差を付与することで、プロテクトフィルム付き偏光板の長さ方向に正カールを付与することもできる。そのため、上記実施形態の光学積層体及び光学積層体の製造方法において、光学フィルムとしてプロテクトフィルム付き偏光板を用いる場合、プロテクトフィルム付き偏光板の作製工程でプロテクトフィルム付き偏光板に正カールを付与することにより、光学積層体の逆カールをより抑制しやすくすることが期待できる。
上記実施形態における光学フィルム60がプロテクトフィルム付き偏光板の場合、上記実施形態の光学積層体及びその製造方法は、プロテクトフィルム付き偏光板の厚みが32μm以上500μm以下の場合に好適である。プロテクトフィルム付き偏光板の厚みは、40μm以上であってもよく、また、350μm以下であってもよく、200μm以下であってもよく、150μm以下であってもよい。
(粘着剤層)
粘着剤層は、粘着剤で構成された層をいう。本明細書において「粘着剤」とは、それ自体を光学フィルムや液晶層等の被着体に張り付けることで接着性を発現するものであり、いわゆる感圧型接着剤と称されるものである。また、後述する活性エネルギー線硬化型粘着剤は、エネルギー線を照射することにより、架橋度や接着力を調整することができる。上記したように、第2接着層は、粘着剤層であってもよい。
粘着剤としては、従来公知の光学的な透明性に優れる粘着剤を特に制限なく用いることができ、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等のベースポリマーを有する粘着剤を用いることができる。また、活性エネルギー線硬化型粘着剤、熱硬化型粘着剤等であってもよい。これらの中でも、透明性、粘着力、再剥離性(以下、リワーク性ともいう。)、耐候性、耐熱性等に優れるアクリル系樹脂をベースポリマーとした粘着剤が好適である。粘着剤層は、(メタ)アクリル系樹脂(1)、架橋剤(2)、シラン化合物(3)を含む粘着剤組成物の反応生成物から構成されることが好ましく、その他の成分(4)を含んでいてもよい。
((メタ)アクリル系樹脂(1))
粘着剤組成物に含まれる(メタ)アクリル系樹脂(1)は、下記式(I)で示される(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう。)を主成分(例えば、これを50質量%以上含む。)とする重合体(以下、「(メタ)アクリル酸エステル重合体」ともいう。)であることが好ましい。本明細書において「由来」とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の化合物が重合するために、化学構造が変化することを意味する。
Figure 2020067624

[式中、R10は、水素原子またはメチル基を表し、R20は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、前記アルキル基は直鎖状、分岐状または環状のいずれの構造を有していてもよく、前記アルキル基の水素原子は、炭素数1〜10のアルコキシ基で置き換わっていてもよい。]
式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、i−へキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、i−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、n−及びi−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、i−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルコキシ基含有アルキルアクリレートの具体例としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でもn−ブチル(メタ)アクリレート又は2−エチルへキシル(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、特にn−ブチル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、構造単位(I)以外の他の単量体に由来する構成単位を含んでいてもよい。他の単量体に由来する構造単位は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。(メタ)アクリル酸エステル重合体が含み得る他の単量体としては、極性官能基を有する単量体、芳香族基を有する単量体、アクリルアミド系単量体が挙げられる。
極性官能基を有する単量体としては、極性官能基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。極性官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、置換アミノ基、無置換アミノ基等が挙げられる。極性官能基としては、エポキシ基等の複素環基等も挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体中の極性官能基を有する単量体に由来する構造単位の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体の全構造単位100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以上10質量部以下、特に好ましくは0.5質量部以上10質量部以下である。
芳香族基を有する単量体としては、分子内に1個の(メタ)アクリロイル基と1個以上の芳香環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等)を有し、フェニル基、フェノキシエチル基、又はベンジル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体中の芳香族基を有する単量体に由来する構造単位の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体の全構造単位100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは4質量部以上50質量部以下、さらに好ましくは4質量部以上25質量部以下である。
アクリルアミド系単量体としては、N−(メトキシメチル)アクリルアミド、N−(エトキシメチル)アクリルアミド、N−(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−(2−メチルプロポキシメチル)アクリルアミド等が挙げられる。これらの構造単位を含むことで、後述する帯電防止剤等の添加剤のブリードアウトを抑制することができる。
さらに、構造単位(I)以外の他の単量体に由来する構造単位として、スチレン系単量体に由来する構造単位、ビニル系単量体に由来する構造単位、分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する構造単位等が含まれていてもよい。
(メタ)アクリル系樹脂(1)の重量平均分子量(以下、単に「Mw」ともいう。)は、50万〜250万であることが好ましい。重量平均分子量が50万以上であると、高温、高湿の環境下における粘着剤層の耐久性を向上させることができる。重量平均分子量が250万以下であると、粘着剤組成物を含有する塗工液を塗工する際の操作性が良好となる。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(以下、単に「Mn」ともいう。)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、通常2〜10である。本明細書において「重量平均分子量」及び「数平均分子量」とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
(メタ)アクリル系樹脂(1)は、酢酸エチルに溶解させて濃度20質量%の溶液としたとき、25℃における粘度が、20Pa・s以下であることが好ましく、0.1〜15Pa・sであることがより好ましい。(メタ)アクリル樹脂(1)の25℃における粘度が上記範囲内であると、リワーク性等に寄与する。上記粘度は、ブルックフィールド粘度計によって測定できる。
粘着性、及び耐久性の両立の観点から、(メタ)アクリル系樹脂(1)のガラス転移温度は、好ましくは、−10℃〜−60℃である。なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。
(メタ)アクリル系樹脂(1)は、2種以上の(メタ)アクリル酸エステル重合体を含んでもよい。そのような(メタ)アクリル酸エステル重合体としては、例えば、前記(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位(I)を主成分とするものであって、重量平均分子量が5万〜30万の範囲にあるような比較的低分子量の(メタ)アクリル酸エステル重合体が挙げられる。
(架橋剤(2))
粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、架橋剤(2)を含むことが好ましい。架橋剤(2)としては、慣用の架橋剤(例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、過酸化物等)が挙げられ、特に粘着剤組成物のポットライフや架橋速度等の観点から、イソシアネート系化合物であることが好ましい。
イソシアネート系化合物としては、分子内に少なくとも2個のイソシアナト基(−NCO)を有する化合物が好ましく、例えば、脂肪族イソシアネート系化合物(例えばヘキサメチレンジイソシアネート等)、脂環族イソシアネート系化合物(例えばイソホロンジイソシアネート)、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、芳香族イソシアネート系化合物(例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等)等が挙げられる。また、架橋剤(2)は、上記イソシアネート化合物の多価アルコール化合物による付加体(アダクト体)[例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン等による付加体]、イソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等と付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート化合物等の誘導体であってもよい。架橋剤(2)は単独又は2種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、耐久性の観点からトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びこれらの多価アルコール化合物又はこれらのイソシアヌレート化合物が好ましい。
架橋剤(2)の割合は、(メタ)アクリル系樹脂(1)100質量部に対して、例えば、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜3質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部であってもよい。上記の上限値以下であると、耐久性の向上に有利であり、上記の下限値以上であると、ガスの発生を抑制し、リワーク性の向上に有利である。
(シラン化合物(3))
粘着剤組成物は、シラン化合物(3)を含有する。シラン化合物(3)を含有することにより粘着剤層と、積層される層との密着性を高めることができる。2種以上のシラン化合物(3)を使用してもよい。
シラン化合物(3)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、シラン化合物(3)は、上記シラン化合物(3)に由来するオリゴマーを含むことができる。
粘着剤組成物におけるシラン化合物(3)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(1)100質量部に対して、通常0.01〜10質量部であり、好ましくは0.03〜5質量部であり、より好ましくは0.05〜2質量部であり、さらに好ましくは0.1〜1質量部である。シラン化合物(3)の含有量が0.01質量部以上であると、粘着剤層と、光学フィルムや液晶層等の被着体との密着性が向上しやすい。含有量が10質量部以下であると、粘着剤層からのシラン化合物(3)のブリードアウトを抑制することができる。
(その他の成分(4))
粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、その他の成分(4)として、イオン性化合物等を用いた帯電防止剤、溶媒、架橋触媒、粘着付与樹脂(タッキファイヤー)、可塑剤、耐候安定剤、軟化剤、染料、顔料、無機フィラー、アクリル樹脂以外の樹脂等の添加剤を単独または2種以上含むことができる。
(活性エネルギー線硬化型粘着剤)
粘着剤組成物に、多官能性アクリレート等の紫外線硬化性化合物を配合し、粘着剤層を形成した後に紫外線を照射して硬化させ、より硬い粘着剤層とすることも有用であり、活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いることができる。「活性エネルギー線硬化型粘着剤」は、紫外線や電子線等のエネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有している。活性化エネルギー線硬化型粘着剤は、エネルギー線照射前においても粘着性を有しているため、光学フィルムや液晶層等の被着体に密着し、エネルギー線の照射により硬化して密着力を調整することができる性質を有する粘着剤である。
活性エネルギー線硬化型粘着剤は、一般にはアクリル系粘着剤と、エネルギー線重合性化合物とを主成分として含む。通常はさらに架橋剤が配合されており、また必要に応じて、光重合開始剤や光増感剤等を配合することもできる。
粘着剤層は、その貯蔵弾性率が23℃において0.10〜10.0MPaであることが好ましく、0.15〜5.0MPaであることがより好ましい。23℃における貯蔵弾性率が0.10MPa以上であると、温度変化が生じた際に剥がれ等の不具合を抑制できるため好ましい。また、10.0MPa以下であると粘着力の低下による耐久性の低下が起こりにくいため好ましい。なお、粘着剤層の貯蔵弾性率は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
粘着剤層の厚みは、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。また、粘着剤層の厚みは、40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。なお、上述した上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。
(接着剤硬化層)
接着剤硬化層は、接着剤組成物中の硬化性成分を硬化させることによって形成される層をいう。接着剤硬化層を形成するための接着剤組成物としては、感圧型接着剤(粘着剤)以外の接着剤であって、例えば、水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤が挙げられる。水系接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を水に溶解、又は分散させた接着剤が挙げられる。活性エネルギー線硬化性接着剤としては、例えば、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含む無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤が挙げられる。無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤を用いることにより、層間の密着性を向上させることができる。これに対して、活性エネルギー線硬化性接着剤に溶剤(特に有機溶剤)が含まれていると、接着剤中に含まれる硬化性成分が同じであっても、十分な密着性を得ることができず、光学積層体を所定のサイズに裁断したとき、その端部において剥離する等の不具合を生じやすい。また、溶剤を乾燥する工程が追加されるため、熱による追加の収縮応力がかかり、光学積層体に逆カールが発生しやすくなるおそれがある。
活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含む無溶剤型の活性エネルギー線硬化性接着剤を用いた場合、硬化後の活性化エネルギー線硬化性接着剤の硬さを示す指標である貯蔵弾性率に厚みを掛け合わせた剛性は、硬化後の水系接着剤の剛性よりも高い場合が多い。第1液晶層と第2液晶層との間に設けられる接着剤硬化層の剛性を高めるためには、無溶剤型の活性化エネルギー線硬化性接着剤を使用することが好ましい。
活性エネルギー線硬化性接着剤としては、良好な接着性を示すことから、カチオン重合性の硬化性化合物、ラジカル重合性の硬化性化合物のいずれか一方又は両方を含むことが好ましい。活性エネルギー線硬化性接着剤は、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤、又はラジカル重合開始剤をさらに含むことができる。
カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えばエポキシ系化合物(分子内に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物)や、オキセタン系化合物(分子内に1個又は2個以上のオキセタン環を有する化合物)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に1個又は2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)、ラジカル重合性の二重結合を有するその他のビニル系化合物、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて増感剤を含有することができる。増感剤を使用することにより、反応性が向上し、接着層の機械強度や接着強度をさらに向上させることができる。増感剤としては、公知のものを適宜適用することができる。増感剤を配合する場合、その配合量は、活性エネルギー線硬化性接着剤の総量100質量部に対し、0.1〜20質量部の範囲とすることが好ましい。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、溶媒等の添加剤を含有することができる。
接着剤組成物を、基材層付き第1液晶層や基材層付き第2液晶層の接合面に塗布することによって接着剤組成物層を形成してもよい。塗布方法としては、ダイコーター、カンマコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、ワイヤーバーコーター、ドクターブレードコーター、エアドクターコーター等を用いた通常のコーティング技術を採用すればよい。
水系接着剤を用いた場合の乾燥方法については特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥機や赤外線乾燥機を用いて乾燥する方法が採用できる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いた場合は、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線を照射し、接着剤組成物層を硬化させて接着剤硬化層を形成することができる。活性エネルギー線としては、紫外線が好ましく、この場合の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
紫外線照射により接着剤組成物層を硬化させる場合、紫外線の光照射強度は、接着剤組成物の組成ごとに決定されるものであって特に限定されないが、10〜1,000mW/cmであることが好ましく、100〜600mW/cmであることがより好ましい。樹脂組成物への光照射強度が10mW/cm未満であると、反応時間が長くなりすぎ、1,000mW/cmを超えると、光源から輻射される熱および接着剤組成物の重合時の発熱により、得られる接着剤硬化層に黄変を生じる可能性がある。また、光源から輻射される熱によりさらなる収縮応力を生じる可能性もある。照射強度は、重合開始剤、好ましくは光カチオン重合開始剤の活性化に有効な波長領域における強度であり、より好ましくは波長400nm以下の波長領域における強度であり、さらに好ましくは波長280〜320nmの波長領域における強度である。このような光照射強度で1回あるいは複数回照射して、その積算光量が10mJ/cm以上、好ましくは100〜1,000mJ/cm、より好ましくは200〜600mJ/cmとなるように設定することが好ましい。接着剤組成物層への積算光量が10mJ/cm未満であると、重合開始剤由来の活性種の発生が十分でなく、接着剤組成物層の硬化が不十分となる。積算光量が1,000mJ/cmを超えると、照射時間が非常に長くなり、生産性向上には不利なものとなる。また、光源から輻射される熱によりさらなる収縮応力を生じる可能性もある。第1基材層、第2基材層、第1液晶層、第2液晶層等の種類や、接着剤組成物中の成分の組み合わせ等によって、光照射時の波長(UVA(320〜390nm)やUVB(280〜320nm)等)は異なり、光照射時の波長に応じて必要となる積算光量も変化する。
活性エネルギー線硬化性接着剤の粘度としては、任意の塗布方法で塗工できるように選定すればよいが、温度25℃における粘度が、10〜1,000mPa・secの範囲にあることが好ましく、20〜500mPa・secの範囲にあることがより好ましい。粘度があまりに小さいと、所望の厚みの接着剤硬化層を形成しにくくなる傾向にある。一方、粘度があまりに大きいと、塗工時に活性エネルギー線硬化性接着剤が流動しにくくなって、ムラのない均質な塗膜が得られにくくなる傾向にある。ここでいう粘度は、E型粘度計を用いてその接着剤を25℃に調温した後、10rpsで測定される値である。
(剥離層付き粘着剤層)
剥離層付き粘着剤層(第2接着層として粘着剤層を用いた場合の剥離層付き第2接着層を含む。)は、例えば、剥離層の離型処理面上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥等することにより粘着剤層を形成して得ることができる。剥離層付き粘着剤層は、必要に応じて、粘着剤層の剥離層側とは反対側の表面を被覆して保護するための他の剥離層を有していてもよい。剥離層及び他の剥離層は、適宜のタイミングで剥離することができる。
(剥離層)
第1剥離層及び第2剥離層(以下、これらをまとめて「剥離層」ということがある。)は、粘着剤層に対して剥離可能であって、剥離層上に形成される粘着剤層を支持し、粘着剤層を保護する機能を有する。剥離層は、公知の剥離フィルムや剥離紙を用いることができるが、例えば、後述する基材層として例示した樹脂材料で形成されたフィルムに、シリコーンコーティング等の離型処理を施したものであってもよい。他の剥離層についても、剥離層と同様の材料を用いることができる。
剥離層は粘着剤層に対して剥離可能であって、剥離層と粘着剤層との間の剥離力の大きさは、剥離層を剥離する順番を考慮して決定する必要がある。上記剥離力は、剥離層上に粘着剤層を有する測定用試験片(長さ200mm、幅25mmの大きさ)を準備し、適当な大きさのガラスに貼合し、島津製作所製オートグラフ(AGS−50NX)を用いて、剥離開始点を形成するように部分的に剥離した剥離層とガラスとをそれぞれチャッキングし、300mm/分の速度で180°の方向に剥離層を剥離したときに測定された剥離強度を剥離力とすることができる。剥離層と粘着剤層との間の剥離力は、0.01〜0.20N/25mmであることが好ましく、0.02〜0.10N/25mmであることがより好ましく、0.02〜0.06N/25mmであることがさらに好ましい。0.01N/25mmを下回ると搬送の途中で剥離層と粘着剤層との間で浮きが生じてしまうおそれがある。また、0.20N/25mmを超えると、剥離層と粘着剤層との密着性が高く剥離層が粘着剤層から剥離しにくくなっているために、剥離層を剥離すると粘着剤層が破断し、剥離した剥離層に粘着剤層の一部が付着した状態となったり、意図しない層の間での剥離(例えば、粘着剤層の剥離層とは反対側で接合している層と、粘着剤層との間での剥離)が生じたりするおそれがある。
(液晶層)
第1液晶層及び第2液晶層(以下、両者をまとめて「液晶層」ということがある。)は、重合性液晶化合物を重合させることにより形成された硬化層であって、位相差層であってもよい。液晶層の光学特性は、重合性液晶化合物の配向状態により調整することができる。
本明細書では、重合性液晶化合物の光軸が基材層平面に対して水平に配向したものを水平配向、重合性液晶化合物の光軸が基材層平面に対して垂直に配向したものを垂直配向と定義する。光軸とは、重合性液晶化合物の配向により形成される屈折率楕円体において、光軸に直交する方向で切り出した断面が円となる方向、すなわち2方向の屈折率が等しくなる方向を意味する。
重合性液晶化合物としては、棒状の重合性液晶化合物や、円盤状の重合性液晶化合物が挙げられる。棒状の重合性液晶化合物が基材層に対して水平配向又は垂直配向した場合は、該重合性液晶化合物の光軸は、該重合性液晶化合物の長軸方向と一致する。円盤状の重合性液晶化合物が配向した場合は、該重合性液晶化合物の光軸は、該重合性液晶化合物の円盤面に対して直交する方向に存在する。
重合性液晶化合物を重合することによって形成される液晶層が面内位相差を発現するためには、重合性液晶化合物を適した方向に配向させればよい。重合性液晶化合物が棒状の場合は、該重合性液晶化合物の光軸を基材層平面に対して水平に配向させることで面内位相差が発現し、この場合、光軸方向と遅相軸方向とは一致する。重合性液晶化合物が円盤状の場合は、該重合性液晶化合物の光軸を基材層平面に対して水平に配向させることで面内位相差が発現し、この場合、光軸と遅相軸とは直交する。重合性液晶化合物の配向状態は、配向膜と重合性液晶化合物との組み合わせによって調整することができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を有し、かつ、液晶性を有する化合物である。重合性基とは、重合反応に関与する基を意味し、光重合性基であることが好ましい。ここで、光重合性基とは、後述する光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸等によって重合反応に関与し得る基のことをいう。重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。重合性液晶化合物が有する液晶性はサーモトロピック性液晶でもリオトロピック液晶でもよく、サーモトロピック液晶を秩序度で分類すると、ネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。
棒状の重合性液晶化合物や、円盤状の重合性液晶化合物としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2015−163937号公報、特開2016−42185号公報、国際公開第2016/158940号、特開2016−224128号公報に例示されているものを用いることができる。
液晶層は、1層構造であってもよく、2層以上の多層構造であってもよい。2層以上の多層構造を有する場合には、後述する基材層付き液晶層を準備する際に、基材層上に2層以上の多層構造の液晶層を形成すればよい。液晶層が1層構造の場合、液晶層の厚みは、0.3μm以上であることが好ましく、1μm以上であってもよく、通常10μm以下であり、5μm以下であってもよく、3μm以下であることが好ましい。液晶層が2層以上の多層構造の場合、液晶層の厚みは、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であってもよく、通常10μm以下であり、5μm以下であってもよく、3μm以下であることが好ましい。偏光板全体の薄型化に寄与し、生じうる逆カールを効果的に抑制する観点から、液晶層の厚みは5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。
(基材層付き液晶層)
基材層付き第1液晶層及び基材層付き第2液晶層(以下、両者をまとめて「基材層付き液晶層」ということがある。)は、基材層上に、重合性液晶化合物を含む液晶層形成用組成物を塗布、乾燥し、重合性液晶化合物を重合させることによって形成された硬化層である液晶層を形成することによって得ることができる。液晶層形成用組成物は、基材層上に後述する配向層が形成されている場合は、配向層上に塗布すればよく、液晶層が2層以上の多層構造である場合には、液晶層形成用組成物を順次塗布する等により、多層構造を形成すればよい。
液晶層形成用組成物は、重合性液晶化合物に加えて通常、溶剤を含む。液晶層形成用組成物は、さらに、重合開始剤、反応性添加剤、重合禁止剤等を含んでいてもよい。溶剤、重合開始剤、反応性添加剤、重合禁止剤等については、特開2015−163937号公報、特開2016−42185号公報、国際公開第2016/158940号、特開2016−224128号公報に例示されているものを用いることができる。
液晶層形成用組成物の塗布は、例えば、スピンコ−ティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、スリットコーティング法、バーコーティング法、アプリケータ法等の塗布法や、フレキソ法等の印刷法等の公知の方法によって行うことができる。液晶層形成用組成物の塗布を行った後には、塗布層中に含まれる重合性液晶化合物が重合しない条件で溶剤を除去することが好ましい。乾燥方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥、減圧乾燥法等が挙げられる。
塗布層の乾燥後に行う重合性液晶化合物の重合は、重合性官能基を有する化合物を重合させる公知の方法によって行うことができる。重合方法としては、例えば熱重合や光重合等を挙げることができ、重合の容易さの観点から光重合であることが好ましい。光重合により重合性液晶化合物を重合させる場合、液晶層形成用組成物として光重合開始剤を含有するものを用い、この液晶層形成用組成物を塗布、乾燥し、乾燥後の乾燥被膜中に含まれる重合性液晶化合物を液晶配向させ、この液晶配向状態を維持したまま光重合を行うことが好ましい。
光重合は、乾燥被膜中の液晶配向させた重合性液晶化合物に対して活性エネルギー線を照射することによって行うことができる。照射する活性エネルギー線としては、重合性液晶化合物が有する重合性基の種類及びその量、光重合開始剤の種類等に応じて適宜選択することができるが、例えば、可視光線、紫外線、レーザー光、X線、α線、β線及びγ線からなる群より選択される1種以上の活性エネルギー線を挙げることができる。このうち、重合反応の進行を制御しやすく、光重合装置として当分野で広範に用いられているものを使用できるという点から、紫外線が好ましく、紫外線によって光重合可能なように、重合性液晶化合物や光重合開始剤の種類を選択することが好ましい。光重合にあたっては、適切な冷却手段により、乾燥被膜を冷却しながら活性エネルギー線を照射することで、重合温度を制御することもできる。
(基材層)
第1基材層及び第2基材層(以下、両者をまとめて「基材層」ということがある。)は、これらの基材層上に形成される後述する第1配向層及び第2配向層、並びに、第1液晶層及び第2液晶層を支持する支持層としての機能を有する。基材層は、樹脂材料で形成されたフィルムであることが好ましい。
樹脂材料としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性等に優れる樹脂材料が用いられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ノルボルネン系ポリマー等の環状ポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のビニルアルコール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルケトン系樹脂;ポリフェニレンスルフィド系樹脂;ポリフェニレンオキシド系樹脂、及びこれらの混合物、共重合物等を挙げることができる。これらの樹脂のうち、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロースエステル系樹脂及び(メタ)アクリル酸系樹脂のいずれか又はこれらの混合物を用いることが好ましい。
基材層は、樹脂1種類又は2種以上を混合した単層であってもよく、2層以上の多層構造を有していてもよい。多層構造を有する場合、各層をなす樹脂は互いに同じであってもよく異なっていてもよく、ハードコート層のような塗布・硬化物層であってもよい。
樹脂材料で形成されたフィルムをなす樹脂材料には、任意の添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、及び着色剤等が挙げられる。
第1基材層及び第2基材層の厚さは、特に限定されないが、一般には強度や取扱い性等の作業性の点から1〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、30〜120μmであることがさらに好ましい。
基材層付き第1液晶層が後述する第1配向層を有する場合や、基材層付き第2液晶層が後述する第2配向層を有する場合、第1基材層と第1配向層との密着性、及び、第2基材層と第2配向層との密着性を向上させるために、少なくとも第1基材層の第1配向層が形成される側の表面、及び、少なくとも第2基材層の第2配向層が形成される側の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等を行ってもよく、プライマー層等を形成してもよい。
基材層は、液晶層又は後述する配向層(第1配向層又は第2配向層)に対して剥離可能であって、基材層と液晶層又は配向層との間の剥離力の大きさは、基材層を剥離する順番を考慮して決定する必要がある。剥離力は、基材層上に液晶層を有する測定用試験片、又は、基材層上に配向層及び液晶層を有する測定用試験片を用いること以外は、剥離層と粘着剤層との間の剥離力を測定する方法と同様にして測定することができる。基材層と液晶層又は配向層との間の剥離力は、0.01〜0.50N/25mmであることが好ましく、0.03〜0.20N/25mmであることがより好ましく、0.05〜0.18N/25mmであることがさらに好ましい。剥離力が上記の下限値を下回ると搬送の途中で基材層と液晶層又は配向層と間で浮きが生じてしまうおそれがある。また、剥離力が上記の上限値を超えると密着性が高すぎるため、液晶層、又は、液晶層及び配向層、を他方の液晶層や光学フィルム等に転写することができない、光学積層体を製造する工程で各部材が搬送される途中で剥離界面が変わってしまう等のおそれがある。
第1基材層と第1液晶層又は後述する第1配向層との間の剥離力(以下、「第1剥離力」ということがある。)と、第2基材層と第2液晶層又は後述する第2配向層との間の剥離力(以下、「第2剥離力」ということがある。)との差は、0.01N/25mm以上であることが好ましく、0.03N/25mm以上であることがより好ましい。基材層付き液晶層積層体から先に第1基材層を剥離する場合には、第2剥離力が第1剥離力よりも大きいことが好ましい。
(配向層)
基材層付き第1液晶層は、第1基材層と第1液晶層との間に第1配向層を含んでいてもよい。また、基材層付き第2液晶層は、第2基材層と第2液晶層との間に第2配向層を含んでいてもよい。
第1配向層及び第2配向層は、これらの配向層上に形成される第1液晶層及び第2液晶層に含まれる液晶化合物を所望の方向に液晶配向させる配向規制力を有する。第1配向層及び第2配向層としては、配向性ポリマーで形成された配向性ポリマー層、光配向ポリマーで形成された光配向性ポリマー層、層表面に凹凸パターンや複数のグルブ(溝)を有するグルブ配向層を挙げることができ、第1配向層と第2配向層とは、同じ種類の層であってもよく、異なる種類の層であってもよい。第1配向層及び第2配向層の厚みは、通常10〜4000nmであり、50〜3000nmであることが好ましい。
配向性ポリマー層は、配向性ポリマーを溶剤に溶解した組成物を基材層(第1基材層又は第2基材層)に塗布して溶剤を除去し、必要に応じてラビング処理をして形成することができる。この場合、配向規制力は、配向性ポリマーで形成された配向性ポリマー層では、配向性ポリマーの表面状態やラビング条件によって任意に調整することが可能である。
光配向性ポリマー層は、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む組成物を基材層(第1基材層又は第2基材層)に塗布し、紫外線等の光を照射することで形成することができる。特に水平方向に配向規制力を発現する場合等においては、偏光を照射することによって形成することができる。この場合、配向規制力は、光配向性ポリマー層では、光配向性ポリマーに対する偏光照射条件等によって任意に調整することが可能である。
グルブ配向層は、例えば感光性ポリイミド膜表面にパターン形状のスリットを有する露光用マスクを介して露光、現像等を行って凹凸パターンを形成する方法、表面に溝を有する板状の原盤に、活性エネルギー線硬化性樹脂の未硬化の層を形成し、この層を基材層(第1基材層又は第2基材層)に転写して硬化する方法、基材層(第1基材層又は第2基材層)に活性エネルギー線硬化性樹脂の未硬化の層を形成し、この層に、凹凸を有するロール状の原盤を押し当てる等により凹凸を形成して硬化させる方法等によって形成することができる。
基材層付き第1液晶層が第1配向層を含む場合、第1基材層を剥離する際に、第1基材層とともに第1配向層を剥離してもよく、第1液晶層上に第1配向層が残存してもよい。基材層付き第2液晶層が第2配向層を含む場合、第2基材層を剥離する際に、第2基材層とともに第2配向層を剥離してもよく、第2液晶層上に第2配向層が残存してもよい。なお、第1配向層が第1基材層とともに剥離されるか、第1液晶層に残存するかは、各層間の密着力の関係を調整することによって設定することができ、例えば、第1基材層に対して行われる、上記したコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、プライマー層等の表面処理や、第1液晶層を形成するために用いる液晶層形成用組成物の成分によって調整することができる。同様に、第2基材層に対して行われる表面処理によって、第2配向層を第2基材層とともに剥離するようにしてもよく、第2液晶層に残存させるようにしてもよい。
第1液晶層上に第1配向層が残存した場合、第1粘着層は第1配向層上に設けることができる。また、第2液晶層上に第2配向層が残存した場合、第2粘着層は第2配向層上に設けることができる。
(円偏光板)
本実施形態の光学積層体は円偏光板として用いることができる。図6(b)に示す粘着剤層付き光学積層体73を円偏光板として用いる場合、光学フィルム60を、偏光子、偏光板、又はプロテクトフィルム付き偏光板とし、第1液晶層12を1/2波長位相差層とし、第2液晶層22を1/4波長位相差層としてもよい。あるいは、上記と同様に、光学フィルム60を、偏光子、偏光板、又はプロテクトフィルム付き偏光板とした上で、第1液晶層12を逆波長分散性の1/4波長位相差層とし、第2液晶層22をポジティブCプレートとすることによっても円偏光板を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。実施例、比較例中の「%」及び「部」は、特記しない限り、質量%及び質量部である。
〔両面セパレータ付き粘着剤層の準備〕
粘着剤を次の方法により製造した。撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置及び窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n−ブチル97.0部、アクリル酸1.0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.5部、酢酸エチル200部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.08部を仕込み、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。窒素雰囲気下で撹拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、6時間反応させた後、室温まで冷却した。得られた溶液の一部の重量平均分子量を測定したところ、180万の(メタ)アクリル酸エステル重合体が得られたことを確認した。
上記で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体100部(固形分換算値;以下同じ)と、イソシアネート系架橋剤としてトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(東ソー株式会社製、商品名「コロネートL」)0.30部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM403」)0.30部とを混合し、十分に撹拌して、酢酸エチルで希釈することにより、粘着剤組成物の塗工溶液を得た。
剥離層をなす第1セパレータ(リンテック株式会社製:SP−PLR382190)の離型処理面(剥離面)に、アプリケーターにより、上記粘着剤組成物の塗工溶液を塗工した後、100℃で1分間乾燥して粘着層を形成し、粘着層のセパレータが貼合された面とは反対面に、もう1枚の第2セパレータ(リンテック社製:SP−PLR381031)を貼合し、両面セパレータ付き粘着剤層を得た。
〔接着剤組成物の準備〕
下記に示すカチオン硬化性成分a1〜a3及びカチオン重合開始剤を混合した後、下記に示すカチオン重合開始剤及び増感剤をさらに混合した後、脱泡して、光硬化型の接着剤組成物を調製した。なお、下記の配合量は固形分量に基づく。
・カチオン硬化性成分a1(70部):
3',4'−エポキシシクロヘキシルメチル 3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:CEL2021P、株式会社ダイセル製)
・カチオン硬化性成分a2(20部):
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(商品名:EX−211、ナガセケムテックス株式会社製)
・カチオン硬化性成分a3(10部):
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(商品名:EX−121、ナガセケムテックス株式会社製)
・カチオン重合開始剤(2.25部(固形分量)):
商品名:CPI−100(サンアプロ株式会社製)の50%プロピレンカーボネート溶液
・増感剤(2部):
1,4−ジエトキシナフタレン
〔基材層付き第1液晶層及び基材層付き第2液晶層の準備〕
(光配向層形成用組成物(1)の調製)
下記の成分を混合し、得られた混合物を温度80℃で1時間攪拌することにより、光配向層形成用組成物(1)を得た。
・光配向性材料(5部):
Figure 2020067624

・溶剤(95部):シクロペンタノン
(配向層形成用組成物(2)の調製)
市販の配向性ポリマーであるサンエバーSE−610(日産化学工業株式会社製)に2−ブトキシエタノールを加えて配向層形成用組成物(2)を得た。得られた配向層形成用組成物(2)は、当該組成物の全量に対する固形分の含有割合が1%であり、当該組成物の全量に対する溶剤の含有割合が99%であった。サンエバーSE−610の固形分量は、納品仕様書に記載された濃度から換算した。
(液晶層形成用組成物(A−1)の調製)
下記の成分を混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、液晶層形成用組成物(A−1)を得た。重合性液晶化合物A1及び重合性液晶化合物A2は、特開2010−31223号公報に記載の方法で合成した。
・重合性液晶化合物A1(80部):
Figure 2020067624

・重合性液晶化合物A2(20部):
Figure 2020067624

・重合開始剤(6部):
2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(イルガキュア369;チバスペシャルティケミカルズ社製)
・溶剤(400部):シクロペンタノン
(液晶層形成用組成物(B−1)の調製)
下記の成分を混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却して液晶層形成用組成物(B−1)を得た。
・重合性液晶化合物LC242(BASF社製)(19.2%):
Figure 2020067624

・重合開始剤(0.5%):
イルガキュア(登録商標)907(BASFジャパン社製)
・反応添加剤(1.1%):
Laromer(登録商標)LR−9000(BASFジャパン社製)
・溶剤(79.1%):プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート
(基材層付き第1液晶層(i)の製造)
厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(第1基材層)を、コロナ処理装置(AGF−B10、春日電機株式会社製)を用いて出力0.3kW、処理速度3m/分の条件で1回処理した。コロナ処理を施した表面に、光配向層形成用組成物(1)をバーコーター塗布し、80℃で1分間乾燥し、偏光UV照射装置(SPOT CURE SP−7;ウシオ電機株式会社製)を用いて、100mJ/cmの積算光量で偏光UV露光を実施して、光配向層を得た。得られた光配向層の厚みをレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス株式会社製)で測定したところ、100nmであった。
続いて、光配向層上に液晶層形成用組成物(A−1)を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥した後、高圧水銀ランプ(ユニキュアVB―15201BY−A、ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長:365nm、波長365nmにおける照射強度:10mW/cm、積算光量:1000mJ/cm)することにより、位相差層としての第1液晶層を形成して、基材層付き第1液晶層(i)(図1(a))を得た。第1液晶層の厚みは2μmであった。
(基材層付き第1液晶層(ii)の製造)
高圧水銀ランプを用いた紫外線照射の照射強度を50mW/cmとしたこと以外は、基材層付き第1液晶層(i)の製造と同様の手順で基材層付き第1液晶層(ii)(図1(a))を得た。第1液晶層の厚みは2μmであった。
(基材層付き第1液晶層(iii)の製造)
高圧水銀ランプを用いた紫外線照射の照射強度を400mW/cmとしたこと以外は、基材層付き第1液晶層(i)の製造と同様の手順で基材層付き第1液晶層(iii)(図1(a))を得た。第1液晶層の厚みは2μmであった。
(基材層付き第2液晶層の製造)
厚み38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(第2基材層)を、コロナ処理装置(AGF−B10、春日電機株式会社製)を用いて出力0.3kW、処理速度3m/分の条件で1回処理した。コロナ処理を施した表面に、配向層形成用組成物(2)をバーコーター塗布し、90℃で1分間乾燥し、配向層を得た。得られた配向層の厚みをレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス株式会社製)で測定したところ、34nmであった。
続いて、配向層上に液晶層形成用組成物(B−1)を、バーコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥した後、高圧水銀ランプ(ユニキュアVB―15201BY−A、ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長:365nm、波長365nmにおける積算光量:1000mJ/cm)することにより、位相差層としての第2液晶層を形成して、基材層付き第2液晶層(図1(b))を得た。第2液晶層の厚みは1μmであった。
〔セパレータ付き光学フィルムの準備〕
MD方向長さ380mm×TD方向長さ180mmのプロテクトフィルム付き環状ポリオレフィンフィルム(厚み23μm、ZF−14、日本ゼオン株式会社製)(以下、「プロテクトフィルム付きCOP」ということがある。)のプロテクトフィルム側とは反対側の環状ポリオレフィンフィルム面に、コロナ処理(800W、10m/min、バー幅700mm、1Pass)を行った。プロテクトフィルム付きCOPのコロナ処理面と、上記で準備した両面セパレータ付き粘着剤層から第1セパレータを剥離して露出した露出面とを、自動貼合装置HALTEC(三共株式会社製)を用いて貼合して、セパレータ付き光学フィルムを得た。
〔光学積層体のTDカールの測定〕
各実施例及び各比較例で得た基材層付き光学積層体を、温度23℃、相対湿度55%の環境下で24時間放置した後、長辺の長さが150mm、短辺の長さが50mmとなる長方形状に切り出した切り出し片から、プロテクトフィルムと、厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第2基材層)とを剥離して試験片とした。切り出し片は、その長辺が基材層付き光学積層体のTD方向(基材層付き第2液晶層及び基材層付き第1液晶層のTD方向)と45度の角度をなすように切り出した。
この試験片を十分に除電した後、試験片の凹面を上にして基準面(水平な台)上に置き、試験片の対角線のうち、その延在方向が上記TD方向に平行な方向に相対的に近い対角線上にある2つの角のそれぞれについて、基準面からの高さを測定した。測定値は、プロテクトフィルムを剥離して露出した環状ポリオレフィンフィルム(以下、「COPフィルム」ということがある。)側が上側となるように試験片を基準面に置くと、試験片の上記2つの角が浮き上がる場合、このカールを正カールとし、基準面からの角の高さを正の数値で表した。一方、COPフィルム側が下側となるように試験片を基準面に置くと、試験片の上記2つの角が浮き上がる場合、このカールを逆カールとし、基準面からの角の高さを負の数値で表した。上記2つの角について測定された数値を平均した値を、光学積層体のTDカール値とした。
なお、セパレータ付き光学フィルムから、プロテクトフィルム及びセパレータを剥離した粘着剤層付き光学フィルムについて上記と同様の手順で測定したときのTDカール値は0であったことから、光学積層体のTDカール値は、第1液晶層/第1接着層/第2液晶層の層構造を有する積層体のTDカール値と同じであると考えることができる。
〔第1液晶層及び第2液晶層のTDカールの測定〕
(測定用補助フィルムのTDカールの測定)
上記セパレータ付き光学フィルムをセパレータ付き測定用補助フィルムとして用いた。セパレータ付き測定用補助フィルムを、温度23℃、相対湿度55%の環境下で24時間放置した後、長辺の長さが150mm、短辺の長さが50mmとなる長方形状に切り出した切り出し片から、プロテクトフィルムと第2セパレータとを剥離して、測定用補助フィルムの試験片とした。当該切り出し片は、後述する第1液晶層及び第2液晶層のTDカールの測定での切り出し片の切り出し方向と同じとなるように切り出した。
この測定用補助フィルムの試験片を十分に除電した後、上記と同様の手順で、当該試験片の対角線のうち、その延在方向が、TD方向(後述する第1液晶層及び第2液晶層のTDカールの測定でのTD方向と同じ)に平行な方向に相対的に近い対角線上の2つの角の基準面からの高さを測定し、その平均値を測定用補助フィルムのTDカール値とした。測定用補助フィルムのTDカール値は、0.0mmであった。
(第1液晶層及び第2液晶層のTDカールの測定)
上記セパレータ付き光学フィルムをセパレータ付き測定用補助フィルムとして用いた。このセパレータ付き測定用補助フィルムから第2セパレータを剥離して露出した粘着剤層と、上記で得た各基材層付き第1液晶層の第1液晶層とを、自動貼合装置HALTECを用いて貼合して、測定用補助フィルム付き第1液晶層を得た。この測定用補助フィルム付き第1液晶層を、温度23℃、相対湿度55%の環境下で24時間放置した後、長辺の長さが150mm、短辺の長さが50mmとなる長方形状に切り出した切り出し片から、プロテクトフィルム及びポリエチレンテレフタレートフィルム(第1基材層)を剥離して、試験片としての積層体(a)(層構造は、環状ポリオレフィンフィルム/粘着剤層/第1液晶層)を得た。当該切り出し片は、その長辺が基材層付き第1液晶層のTD方向と45度の角度をなすように切り出した。
得られた積層体(a)を十分に除電した後、上記と同様の手順で、この積層体(a)の対角線のうち、上記TD方向に平行な方向に相対的に近い対角線上の2つの角の基準面からの高さを測定し、その平均値を積層体(a)のTDカール値とした。積層体(a)のTDカール値と、上記で得た測定用補助フィルムのTDカール値との差を、第1液晶層のカール値として算出した。各基材層付き第1液晶層の第1液晶層の第1液晶層のカール値を表1に示す。表1中の「筒状」とは、積層体(a)が筒状に丸まった状態となっていたため、第1液晶層のカール値の絶対値が20mmを超えていると評価した。
また、基材層付き第1液晶層に代えて、基材層付き第2液晶層を用いたこと以外は上記と同様にして、積層体(b)(層構造は、COPフィルム/粘着剤層/第2液晶層)を得た。上記の積層体(a)に代えて積層体(b)を用いたこと以外は上記と同様にして、第2液晶層のカール値を算出した。基材層付き第2液晶層の第2液晶層のカール値を表1に示す。
〔貯蔵弾性率Eの測定〕
第1接着層として活性エネルギー線硬化性接着剤を用いた場合の温度30℃における貯蔵弾性率E[Pa]は次の手順で算出した。厚み50μmの環状ポリオレフィン系樹脂フィルムの片面に、塗工機〔バーコーター、第一理化(株)製〕を用い、活性エネルギー線硬化性接着剤を塗工し、その塗工面にさらに厚み50μmの環状ポリオレフィン系樹脂フィルムを積層した。次に、フュージョンUVシステムズ社製の「Dバルブ」により、積算光量が1500mJ/cm(UVB)となるように紫外線を照射して、接着剤組成物層を硬化させた。これを5mm×30mmの大きさに裁断し、一方の環状ポリオレフィン系樹脂フィルムを剥がして、樹脂フィルム付き接着剤硬化層を得た。この樹脂フィルム付き接着剤硬化層をその長辺が引張り方向となるように、アイティー計測制御(株)製の動的粘弾性測定装置「DVA−220」を用いてつかみ具の間隔2cmで把持し、引張りと収縮の周波数を10Hz、昇温速度を10℃/分に設定して昇温していき、温度30℃における貯蔵弾性率Eを求めた。
〔厚みtの測定〕
第1接着層(第1液晶層と第2液晶層とを接着するための接着層)の厚みtは、接触式膜厚計(デジマイクロヘッドMH−15M、株式会社ニコン製)を用いて次のように行った。まず、上記接触式膜厚計を用いて、基材層付き第1液晶層及び基材層付き第2液晶層のそれぞれの膜厚を測定した。次に、膜厚を測定した基材層付き第1液晶層と基材層付き第2液晶層とを貼合して得られた両面基材層付き液晶層積層体について、基材層付き第1液晶層及び基材層付き第2液晶層の膜厚を測定した位置と同じ位置における膜厚を測定した。測定した両面基材層付き液晶層積層体の膜厚と、基材層付き第1液晶層及び基材層付き第2液晶層の合計の膜厚との差から、第1接着層の厚みtを算出した。
〔実施例1〕
上記で準備した基材層付き第2液晶層(MD方向長さ380mm×TD方向長さ180mm)の第2液晶層側の表面にコロナ処理(800W、10m/min、バー幅700mm、1Pass)を施した。上記で準備した接着剤組成物を、塗工機(第一理化(株)製のバーコーター)を用いて、接着剤組成物層を形成して、組成物層付き第2液晶層を得た(図1(c))。次に、上記で準備した基材層付き第1液晶層(i)(MD方向長さ380mm×TD方向長さ180mm)の第1液晶層側の表面に上記と同様の条件でコロナ処理を施し、このコロナ処理面と、組成物層付き第2液晶層の接着剤組成物層とを、貼付装置(フジプラ(株)製の“LPA3301”)を用いて貼合した後(図1(d))、基材層付き第2液晶層の第2基材層側から、ベルトコンベア付き紫外線照射装置(ランプは、フュージョンUVシステムズ社製の“Hバルブ”使用)により、UVA域では照射強度が390mW/cm、積算光量が420mJ/cmとなるように、UVB域では400mW/cm、積算光量が400mJ/cmとなるように、紫外線を照射して接着剤組成物を硬化させて、両面基材層付き液晶層積層体を得た(図2(a)参照)。上記接着剤組成物層が硬化した接着剤硬化層である第1接着層の貯蔵弾性率E及び厚みtを測定したところ、温度30℃での貯蔵弾性率Eは3000MPaであり、厚みtは2.2μmであった。
両面基材層付き液晶層積層体から厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第1基材層)を剥離して片面基材層付き液晶層積層体(図2(b))を得た。この剥離によって露出した片面基材層付き液晶層積層体の露出面(光配向層)と、上記で準備したセパレータ付き光学フィルムから第2セパレータを剥離して露出した粘着剤層とを、自動貼合装置HALTEC(三共株式会社製)を用いて貼合し、基材層付き光学積層体(図4(a))を得た。この基材層付き光学積層体を用いて、上記の手順でTDカールの測定を行い、光学積層体のTDカール値を算出した。その結果を表1に示す。
〔実施例2〕
第1接着層の厚みtが4.3μmとなるように、基材層付き第2液晶層の第2液晶層上に接着剤組成物を塗工したこと以外は、実施例1と同様の手順で、基材層付き液晶層積層体及び基材層付き光学積層体を得た。第1接着層の貯蔵弾性率Eは3000MPaであった。また、得られた基材層付き光学積層体を用いて、上記の手順でTDカールの測定を行い、光学積層体のTDカール値を算出した。その結果を表1に示す。
〔実施例3〕
第1接着層の厚みtが1.5μmとなるように、基材層付き第2液晶層の第2液晶層上に接着剤組成物を塗工したこと以外は、実施例1と同様の手順で、基材層付き液晶層積層体及び基材層付き光学積層体を得た。第1接着層の貯蔵弾性率Eは3000MPaであった。また、得られた基材層付き光学積層体を用いて、上記の手順でTDカールの測定を行い、光学積層体のTDカール値を算出した。その結果を表1に示す。
〔実施例4〕
基材層付き第1液晶層(i)に代えて上記で準備した基材層付き第1液晶層(ii)を用いたこと以外は、実施例3と同様の手順で基材層付き液晶層積層体及び基材層付き光学積層体を得た。第1接着層の貯蔵弾性率Eは3000MPaであった。また、得られた基材層付き光学積層体を用いて、上記の手順でTDカールの測定を行い、光学積層体のTDカール値を算出した。その結果を表1に示す。
〔実施例5〕
第1接着層の厚みtが6.4μmとなるように、基材層付き第2液晶層の第2液晶層上に接着剤組成物を塗工したこと以外は、実施例4と同様の手順で、基材層付き液晶層積層体及び基材層付き光学積層体を得た。第1接着層の貯蔵弾性率Eは3000MPaであった。また、得られた基材層付き光学積層体を用いて、上記の手順でTDカールの測定を行い、光学積層体のTDカール値を算出した。その結果を表1に示す。
〔比較例1〕
基材層付き第1液晶層(i)に代えて上記で準備した基材層付き第1液晶層(iii)を用いたこと以外は、実施例3と同様の手順で基材層付き液晶層積層体及び基材層付き光学積層体を得た。第1接着層の貯蔵弾性率Eは3000MPaであった。また、得られた基材層付き光学積層体を用いて、上記の手順でTDカールの測定を行い、光学積層体のTDカール値を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 2020067624
表1に示すように、実施例1〜5で得た光学積層体では逆カールが抑制されており、実施例1〜4で得た光学積層体では、よりフラット(平坦)な状態に近いことがわかる。一方、比較例1では、光学積層体の逆カールが大きくなっていることがわかる。
10 基材層付き第1液晶層、11 第1基材層、12 第1液晶層、20 基材層付き第2液晶層、21 第2基材層、22 第2液晶層、25 組成物層付き第2液晶層、31 第1接着層、31a 接着剤組成物層、32 第2接着層、33 粘着剤層、40 両面基材層付き液晶層積層体(液晶層積層体)、41 片面基材層付き液晶層積層体(液晶層積層体)、50 剥離層付き第2接着層、51 第1剥離層、53 第2剥離層、58 剥離層付き粘着剤層、60 光学フィルム、61 第2接着層付き光学フィルム、70 基材層剥離済み光学積層体(光学積層体)、71 基材層付き光学積層体(光学積層体)、72 剥離層付き光学積層体(光学積層体)、73 粘着剤層付き光学積層体(光学積層体)。

Claims (18)

  1. 少なくとも第1液晶層、第1接着層、及び第2液晶層がこの順に積層された液晶層積層体の製造方法であって、
    第1基材層と、前記第1基材層上で重合性液晶化合物を重合して形成した前記第1液晶層とを有する基材層付き第1液晶層を準備する工程と、
    第2基材層と、前記第2基材層上で重合性液晶化合物を重合して形成した前記第2液晶層とを有する基材層付き第2液晶層を準備する工程と、
    前記第1接着層を介して、前記基材層付き第1液晶層の前記第1液晶層側に、前記第2基材層付き第2液晶層の前記第2液晶層側を積層する工程と、を含み、
    前記第1接着層は、硬化性接着剤の硬化物からなる接着剤硬化層であり、
    前記第1液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内であり、
    前記第2液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内である、液晶層積層体の製造方法。
  2. 前記第1接着層は、温度30℃における貯蔵弾性率をE[Pa]とし、厚みをt[m]とするとき、下記式(1):
    3000≦E×t≦15000 (1)
    の関係を満たす、請求項1に記載の液晶層積層体の製造方法。
  3. さらに、前記積層する工程の後に前記第1基材層を剥離する工程を含む、請求項1又は2に記載の液晶層積層体の製造方法。
  4. 少なくとも第1液晶層、第1接着層、及び第2液晶層がこの順に積層された液晶層積層体であって、
    前記第1液晶層及び前記第2液晶層は、重合性液晶化合物の硬化層であり、
    前記第1接着層は、硬化性接着剤の硬化物からなる接着剤硬化層であり、
    前記第1液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内であり、
    前記第2液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内である、液晶層積層体。
  5. 前記第1接着層は、温度30℃における貯蔵弾性率をE[Pa]とし、厚みをt[m]とするとき、下記式(1):
    3000≦E×t≦15000 (1)
    の関係を満たす、請求項4に記載の液晶層積層体。
  6. さらに、前記第2液晶層の前記第1接着層とは反対側に、第2基材層を有する、請求項4又は5に記載の液晶層積層体。
  7. さらに、前記第1液晶層の前記第1接着層とは反対側に、第1基材層を有する、請求項6に記載の液晶層積層体。
  8. 少なくとも光学フィルム、第2接着層、第1液晶層、第1接着層、及び第2液晶層がこの順に積層された光学積層体の製造方法であって、
    請求項3に記載の液晶層積層体の製造方法で製造された液晶層積層体から前記第1基材層を剥離することによって露出した第1露出面側、請求項7に記載の液晶層積層体から前記第1基材層を剥離することによって露出した第1露出面側、又は、請求項6に記載の液晶層積層体の前記第1液晶層側に、第2接着層及び光学フィルムをこの順に積層する工程を含む、光学積層体の製造方法。
  9. さらに、前記第2接着層及び光学フィルムをこの順に積層する工程の後に、前記第2基材層を剥離する工程を含む、請求項8に記載の光学積層体の製造方法。
  10. さらに、粘着剤層と剥離層とが積層された剥離層付き粘着剤層を準備する工程と、
    前記第2基材層を剥離することによって露出した第2露出面側に、前記剥離層付き粘着剤層の前記粘着剤層側を積層する工程と、を含む、請求項9に記載の光学積層体の製造方法。
  11. さらに、前記剥離層付き粘着剤層の前記粘着剤層側を積層する工程の後に前記剥離層を剥離する工程を含む、請求項10に記載の光学積層体の製造方法。
  12. 前記光学フィルムは、偏光板を含む、請求項8〜11のいずれか1項に記載の光学積層体の製造方法。
  13. 少なくとも光学フィルム、第2接着層、第1液晶層、第1接着層、及び第2液晶層がこの順に積層された光学積層体であって、
    前記第1液晶層及び前記第2液晶層は、重合性液晶化合物の硬化層であり、
    前記第1接着層は、硬化性接着剤の硬化物からなる接着剤硬化層であり、
    前記第1液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内であり、
    前記第2液晶層のカール量の絶対値は、20mm以内である、光学積層体。
  14. 前記第1接着層は、温度30℃における貯蔵弾性率をE[Pa]とし、厚みをt[m]とするとき、下記式(1):
    3000≦E×t≦15000 (1)
    の関係を満たす、請求項13に記載の光学積層体。
  15. さらに、前記第2液晶層の前記第1接着層とは反対側に、第2基材層を有する、請求項13又は14に記載の光学積層体。
  16. さらに、前記第2液晶層の前記第1接着層とは反対側に、粘着剤層を有する、請求項13又は14に記載の光学積層体。
  17. さらに、前記粘着剤層の前記第2液晶層とは反対側に、剥離層を有する、請求項16に記載の光学積層体。
  18. 前記光学フィルムは、偏光板を含む、請求項13〜17のいずれか1項に記載の光学積層体。
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