JP2017072786A - 積層光学フィルム、照明装置及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学異方性層に接着剤を接触させた場合における光学異方性層の面内レターデーションの変化を抑制でき、且つ、高温環境における光学異方性層のシワの発生を抑制できる積層光学フィルムを提供する。【解決手段】光学異方性層、接着層及び反射型直線偏光子を、この順に備える、積層光学フィルムであって、光学異方性層が108nm〜168nmの面内レターデーションを有し、光学異方性層の遅相軸方向と前記反射型直線偏光子の反射直線偏光方向とがなす角度が45°±10°であり、光学異方性層が逆波長分散特性を有し、光学異方性層が重合性液晶化合物を含む組成物を硬化した硬化物からなり、光学異方性層における重合性液晶化合物の割合が25重量%以下であり、接着層が−20℃以上のガラス転移温度を有する樹脂からなり、接着層の厚みが15μm以下である、積層光学フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、積層光学フィルム、並びに、この積層光学フィルムを備えた照明装置及び表示装置に関する。
液晶表示装置に設けられるバックライト等の照明装置には、輝度の向上のため、反射型直線偏光子及び光学異方性層を組み合わせて設けることが提案されていた(特許文献1参照)。また、輝度を効果的に向上させる観点から、前記の光学異方性層として、逆波長分散特性を有するものを用いることが提案されていた(特許文献2参照)。前記の光学異方性層としては、板状又はフィルム状の部材を用いることが一般的であった。
特許第3595142号公報 特開2004−037988号公報
近年、省スペース化の要求が高まりつつあり、そのため、前記の照明装置において光学異方性層の厚みを更に薄くすることが求められている。そこで、本発明者は、重合性液晶化合物を含む組成物を硬化した硬化物によって、厚みの薄い光学異方性層を形成することを試みた。重合性液晶化合物を配向させた状態で当該重合性液晶化合物を含む組成物を硬化させることにより、硬化物において高い面内レターデーションを発現させることができるので、光学異方性層の厚みを薄くすることが期待される。
具体的には、本発明者は、重合性液晶化合物を含む組成物を硬化した硬化物によって、逆波長分散特性を有する光学異方性層を形成し、この光学異方性層を接着剤によって反射型直線偏光子と貼り合わせて積層フィルムを製造した。そして、この積層フィルムを照明装置に設けて、照明装置の輝度を向上させることを試みた。
ところが、前記のように反射型直線偏光子と貼り合わせるために光学異方性層に接着剤を塗布した場合に、光学異方性層の面内レターデーション等の特性が不所望に変化することがあった。このような変化があると、光学異方性層の面内レターデーションが不均一になったり、面内レターデーションの大きさが不十分であったりする可能性がある。
また、一般に、照明装置が使用時に熱を生じるので、光学異方性層を備える前記の積層フィルムは、照明装置の使用時に高温環境にさらされる。ところが、このような高温環境では、光学異方性層と反射型直線偏光子とを接着剤で貼り合わせた前記の積層体において、光学異方性層にシワが生じることがあった。
本発明は前記の課題に鑑みて創案されたもので、光学異方性層に接着剤を接触させた場合における光学異方性層の面内レターデーションの変化を抑制でき、且つ、高温環境における光学異方性層のシワの発生を抑制できる積層光学フィルム、並びに、この積層光学フィルムを備えた照明装置及び表示装置を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、光学異方性層、接着層及び反射型直線偏光子をこの順に備える積層光学フィルムであって、下記の要件(i)〜(vii)を組み合わせて満たすものが、光学異方性層に接着剤を接触させた場合における光学異方性層の面内レターデーションの変化を抑制でき、且つ、高温環境における光学異方性層のシワの発生を抑制できることを見い出し、本発明を完成させた。
(i)光学異方性層が、所定の面内レターデーションを有する。
(ii)光学異方性層の遅相軸方向と、反射型直線偏光子の反射直線偏光方向とが、略45°である。
(iii)光学異方性層が、逆波長分散特性を有する。
(iv)光学異方性層が、重合性液晶化合物を含む組成物を硬化した硬化物からなる。
(v)光学異方性層における重合性液晶化合物の割合が、所定範囲にある。
(vi)接着層が、所定範囲のガラス転移温度を有する樹脂からなる。
(vii)接着層の厚みが、所定範囲にある。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
〔1〕 光学異方性層、接着層及び反射型直線偏光子を、この順に備える、積層光学フィルムであって、
前記光学異方性層が、108nm〜168nmの面内レターデーションを有し、
前記光学異方性層の遅相軸方向と前記反射型直線偏光子の反射直線偏光方向とがなす角度が、45°±10°であり、
前記光学異方性層が、逆波長分散特性を有し、
前記光学異方性層が、重合性液晶化合物を含む組成物を硬化した硬化物からなり、
前記光学異方性層における前記重合性液晶化合物の割合が、25重量%以下であり、
前記接着層が、−20℃以上のガラス転移温度を有する樹脂からなり、
前記接着層の厚みが、15μm以下である、積層光学フィルム。
〔2〕 ハードコート層、前記光学異方性層、前記接着層、前記反射型直線偏光子、及び、吸収型偏光子を、この順に備える、〔1〕記載の積層光学フィルム。
〔3〕 〔1〕又は〔2〕記載の積層光学フィルムを備える、照明装置。
〔4〕 前記積層光学フィルムの前記光学異方性層側に、前記反射型直線偏光子によって反射された光の偏光方向を変換しうる部材を備える、〔3〕記載の照明装置。
〔5〕 〔3〕又は〔4〕記載の照明装置を備える、表示装置。
本発明によれば、光学異方性層に接着剤を接触させた場合における光学異方性層の面内レターデーションの変化を抑制でき、且つ、高温環境における光学異方性層のシワの発生を抑制できる積層光学フィルム、並びに、この積層光学フィルムを備えた照明装置及び表示装置を提供できる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る積層光学フィルムを模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の第一実施形態に係る光学異方性層を製造する製造方法において、基材フィルム上に形成された液晶組成物の層を硬化させて光学異方性層を得る工程(III)の様子を模式的に示す概略図である。 図3は、本発明の第二実施形態に係る積層光学フィルムを模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の第三実施形態に係る照明装置を分解して模式的に示す分解断面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施してもよい。
以下の説明において、「長尺」とは、幅に対して、通常5倍以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するものをいう。
以下の説明において、「基材」、「偏光板」、「波長板」及び「反射板」とは、剛直な部材だけでなく、例えば樹脂製のフィルムのように可撓性を有する部材も含む。
以下の説明において、層の面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx−ny)×dで表される値である。ここで、nxは、層の厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、層の前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。dは、層の厚みを表す。これらのレターデーションは、市販の位相差測定装置あるいはセナルモン法を用いて測定しうる。面内レターデーションの測定波長は、別に断らない限り、590nmである。
以下の説明において、別に断らない限り、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する用語であり、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の両方を包含する用語である。
以下の説明において、層の遅相軸とは、別に断らない限り、当該層の面内方向における遅相軸を表す。
以下の説明において、別に断らない限り、反射型直線偏光子の「反射直線偏光方向」とは、当該反射型直線偏光子によって反射されうる直線偏光の振動方向を表し、また、反射型直線偏光子の「透過直線偏光方向」とは、当該反射型直線偏光子を透過しうる直線偏光の振動方向を表す。ここで、直線偏光の振動方向とは、直線偏光の電場の振動方向を意味する。反射型直線偏光子の反射直線偏光方向と透過直線偏光方向とは、通常、垂直になっている。
[1.積層光学フィルムの概要]
図1は、本発明の第一実施形態に係る積層光学フィルム100を模式的に示す断面図である。
図1に示す実施形態のように、積層光学フィルム100は、光学異方性層110、接着層120及び反射型直線偏光子130を、この順に備える。光学異方性層110と反射型直線偏光子130とは、接着層120によって貼り合わせられている。したがって、通常、光学異方性層110と接着層120とは接している。反射型直線偏光子130は、任意の層(図示せず。)を介して接着層120に接着していてもよいが、任意の層を介することなく接着層120に接していることが好ましい。
[2.光学異方性層]
光学異方性層は、1/4波長板として機能しうる面内レターデーションを有する。光学異方性層の具体的な面内レターデーションは、通常108nm以上、好ましくは110nm以上、より好ましくは128nm以上、特に好ましくは135nm以上であり、通常168nm以下、好ましくは158nm以下、より好ましくは148nm以下、特に好ましくは145nm以下である。光学異方性層がこのような面内レターデーションを有することにより、反射型直線偏光子によって反射された直線偏光を、光学異方性層によって円偏光に変換することができる。
また、光学異方性層は、その厚み方向から見て、反射型直線偏光子の反射直線偏光方向に対して所定の角度をなす方向に、遅相軸を有する。具体的には、光学異方性層の遅相軸方向と、反射型直線偏光子の反射直線偏光方向とがなす角度は、通常45°±10°、好ましくは45°±7°、より好ましくは45°±3°である。光学異方性層の遅相軸方向と反射型直線偏光子の反射直線偏光方向とが前記のような範囲の角度をなすことにより、反射型直線偏光子によって反射された直線偏光を、光学異方性層によって円偏光に変換することができる。
さらに、光学異方性層は、逆波長分散特性を有する。ここで、逆波長分散特性とは、波長450nmにおける面内レターデーションRe(450)、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)、及び、波長650nmにおける面内レターデーションRe(650)が、下記の式(1)及び式(2)を満たす特性をいう。
Re(450)/Re(550)<1 (1)
Re(650)/Re(550)>1 (2)
このように逆波長分散特性を有する光学異方性層は、通常、短波長より長波長の透過光について、大きい面内レターデーションを示す。そのため、光学異方性層が逆波長分散特性を有することにより、光学異方性層は、1/4波長板としての機能を、広い波長帯域において均一に発現することができる。したがって、逆波長分散特性を有する光学異方性層は、反射型直線偏光子によって反射された直線偏光を円偏光に変換する機能、及び、前記の円偏光が任意の部材で反射された後で当該円偏光を反射型直線偏光子を透過しうる直線偏光に変換する機能を、広い波長帯域において発揮できる。そのため、照明装置の輝度を効果的に高めることが可能である。
上述した積層光学フィルムでは、前記の光学異方性層として、重合性液晶化合物を含む組成物を硬化した硬化物からなる層を用いる。以下の説明において、重合性液晶化合物を含む組成物を、適宜「液晶組成物」と呼ぶことがある。この光学異方性層は、液晶組成物を硬化させた硬化物からなる層であるので、通常、重合性液晶化合物から得られる硬化液晶分子を含む。「硬化液晶分子」とは、液晶相を呈しうる化合物を、液晶相を呈した状態のまま固体とした際の当該化合物の分子を意味する。光学異方性層が含む硬化液晶分子は、通常、重合性液晶化合物を重合させてなる重合体である。よって、光学異方性層は、通常は、重合性液晶化合物を重合させてなる重合体を含み、必要に応じて任意の成分を含みうる樹脂の層となっている。
光学異方性層が、重合性液晶化合物を含む液晶組成物を硬化した硬化物からなるので、当該光学異方性層は、重合性液晶化合物を含みうる。ただし、光学異方性層においては、前記の重合性液晶化合物の割合が、小さい。以下、光学異方性層における重合性液晶化合物の割合を、適宜「残留モノマー割合」と呼ぶことがある。光学異方性層の重量を100重量%とした場合において、当該光学異方性層の具体的な残留モノマー割合は、通常25重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、特に好ましくは6重量%以下である。残留モノマー割合の下限は、理想的には0重量%であるが、2重量%以上となりうる。
光学異方性層の残留モノマー割合は、光学異方性層から重合性液晶化合物を抽出して抽出溶液を得て、当該抽出溶液中の重合性液晶化合物の量を定量することにより、測定しうる。抽出溶液中の重合性液晶化合物の定量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の定量方法により行いうる。
光学異方性層の残留モノマー割合を前記のように小さくすることにより、光学異方性層を接着剤に接触させた場合における光学異方性層の面内レターデーションの変化を抑制できる。
光学異方性層の面内レターデーションの変化は、測定波長590nmにおいて、接着剤を塗布する前の面内レターデーションRe及び接着剤を塗布した後の面内レターデーションReを測定することにより、求めうる。この際、接着剤は、接着剤の硬化後の接着層の厚みが3μm〜8μmとなるように塗布する。
光学異方性層の残留モノマー割合を前記の範囲に収める方法に、制限は無い。光学異方性層に含まれる前記の重合性液晶化合物は、通常は、液晶組成物の硬化時において重合しなかった残留モノマーであるので、例えば、液晶組成物を硬化させる際の条件を調整したりすることにより、光学異方性層の残留モノマー割合を前記の範囲に収められる。具体例を挙げると、重合開始剤の量を調整したり、重合開始剤として適切な種類のものを選択したり、液晶組成物を硬化させる工程における温度を調整したり、液晶組成物を硬化させる工程における積算光量を調整したりする方法が挙げられる。
ここで、光学異方性層の形成に用いる液晶組成物について説明する。前記の液晶組成物は、重合性液晶化合物を含み、必要に応じて任意の成分を含む。
液晶化合物は、液晶組成物に配合し配向させた際に、液晶相を呈しうる化合物である。重合性液晶化合物とは、かかる液晶相を呈した状態で液晶組成物中で重合し、液晶相における分子の配向を維持したまま重合体となりうる液晶化合物である。
また、以下の説明において、液晶組成物の成分であって、重合性を有する化合物(重合性液晶化合物及びその他の重合性を有する化合物等)を総称して単に「重合性化合物」ということがある。
重合性液晶化合物としては、重合性基を有する液晶化合物、側鎖型液晶ポリマーを形成しうる化合物、円盤状液晶性化合物などの化合物が挙げられ、中でも、可視光線、紫外線、及び赤外線等の光を照射することによって重合しうる光重合性の化合物が好ましい。重合性基を有する液晶化合物としては、例えば、特開平11−513360号公報、特開2002−030042号公報、特開2004−204190号公報、特開2005−263789号公報、特開2007−119415号公報、特開2007−186430号公報などに記載された重合性基を有する棒状液晶化合物などが挙げられる。また、側鎖型液晶ポリマー化合物としては、例えば、特開2003−177242号公報などに記載の側鎖型液晶ポリマー化合物などが挙げられる。また、好ましい液晶化合物の例を製品名で挙げると、BASF社製「LC242」等が挙げられる。円盤状液晶性化合物の具体例としては、特開平8−50206号公報、文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されている。これらの重合性液晶化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
中でも、重合性液晶化合物としては、逆波長重合性液晶化合物が好ましい。ここで、逆波長重合性液晶化合物とは、重合体とした場合、得られた重合体が逆波長分散特性を示す重合性液晶化合物を示す。液晶組成物が含む重合性液晶化合物の一部又は全部として、逆波長重合性液晶化合物を用いることにより、逆波長分散特性を有する光学異方性層を容易に得ることができる。
逆波長重合性液晶化合物としては、当該逆波長重合性液晶化合物の分子中に、主鎖メソゲンと、前記主鎖メソゲンに結合した側鎖メソゲンとを含む化合物を用いうる。主鎖メソゲン及び側鎖メソゲンを含む前記の逆波長重合性液晶化合物は、当該逆波長重合性液晶化合物が配向した状態において、側鎖メソゲンが主鎖メソゲンと異なる方向に配向しうる。そのため、このような配向を維持したまま逆波長重合性液晶化合物を重合させて得た重合体においては、主鎖メソゲン及び側鎖メソゲンは、異なる方向に配向しうる。このような場合、複屈折は主鎖メソゲンに対応する屈折率と側鎖メソゲンに対応する屈折率との差として発現するので、結果として、逆波長重合性液晶化合物及びその重合体は、逆波長分散特性を発現できる。
前記のように主鎖メソゲン及び側鎖メソゲンを有する化合物の立体形状は、一般的な正波長重合性液晶化合物の立体形状とは異なる特異的な形状である。ここで、「正波長重合性液晶化合物」とは、重合体とした場合、得られる重合体が正波長分散特性を示す重合性液晶化合物である。また、正波長分散特性とは、波長450nmにおける面内レターデーションRe(450)、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)、及び、波長650nmにおける面内レターデーションRe(650)が、下記の式(3)及び式(4)を満たす特性をいう。
Re(450)/Re(550)>1 (3)
Re(650)/Re(550)<1 (4)
逆波長重合性液晶化合物の例としては、下記式(I)で示される化合物を挙げることができる。以下、式(I)で示される化合物を、適宜「化合物(I)」ということがある。
Figure 2017072786
逆波長重合性液晶化合物が化合物(I)である場合、基−Y−A−Y−A−Y−A−Y−A−Y−A−Y−が主鎖メソゲンとなり、基>A−C(Q)=N−N(A)Aが側鎖メソゲンとなる。基Aは、主鎖メソゲン及び側鎖メソゲンの両方の性質に影響する。
前記式(I)において、Y〜Yは、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。
ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
の炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基等が挙げられる。
としては、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
化合物(I)においては、Y〜Yは、それぞれ独立して、化学的な単結合、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は、−O−C(=O)−O−であるのが好ましい。
前記式(I)において、G及びGは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜20の二価の脂肪族基を表す。
炭素数1〜20の二価の脂肪族基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基等の鎖状構造を有する二価の脂肪族基;炭素数3〜20のシクロアルカンジイル基、炭素数4〜20のシクロアルケンジイル基、炭素数10〜30の二価の脂環式縮合環基等の二価の脂肪族基;等が挙げられる。
及びGの二価の脂肪族基の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;等が挙げられる。なかでも、フッ素原子、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
また、前記脂肪族基には、1つの脂肪族基当たり1以上の−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい。ただし、−O−又は−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。ここで、Rは、前記Rと同様の、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
前記脂肪族基に介在する基としては、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−が好ましい。
これらの基が介在する脂肪族基の具体例としては、−CH−CH−O−CH−CH−、−CH−CH−S−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−CH−、−CH−O−C(=O)−O−CH−CH−、−CH−CH−NR−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−C(=O)−NR−CH−、−CH−NR−CH−CH−、−CH−C(=O)−CH−等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、G及びGは、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基等の鎖状構造を有する二価の脂肪族基が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基〔−(CH10−〕等の、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、テトラメチレン基〔−(CH−〕、ヘキサメチレン基〔−(CH−〕、オクタメチレン基〔−(CH−〕、及び、デカメチレン基〔−(CH10−〕が特に好ましい。
前記式(I)において、Z及びZは、それぞれ独立して、無置換又はハロゲン原子で置換された炭素数2〜10のアルケニル基を表す。
該アルケニル基の炭素数としては、2〜6が好ましい。Z及びZのアルケニル基の置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい。
及びZの炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=CH−CH−、CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−、CH=C(CH)−CH−CH−、(CHC=CH−CH−、(CHC=CH−CH−CH−、CH=C(Cl)−、CH=C(CH)−CH−、CH−CH=CH−CH−等が挙げられる。
なかでも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、Z及びZとしては、それぞれ独立して、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=C(Cl)−、CH=CH−CH−、CH=C(CH)−CH−、又は、CH=C(CH)−CH−CH−が好ましく、CH=CH−、CH=C(CH)−、又は、CH=C(Cl)−がより好ましく、CH=CH−が特に好ましい。
前記式(I)において、Aは、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。「芳香環」は、Huckel則に従う広義の芳香族性を有する環状構造、すなわち、π電子を(4n+2)個有する環状共役構造、及びチオフェン、フラン、ベンゾチアゾール等に代表される、硫黄、酸素、窒素等のヘテロ原子の孤立電子対がπ電子系に関与して芳香族性を示す環状構造を意味する。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基は、芳香環を複数個有するものであってもよく、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環を有するものであってもよい。
前記芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられる。前記芳香族複素環としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環等の単環の芳香族複素環;ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、フタラジン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、チアゾロピリジン環、オキサゾロピリジン環、チアゾロピラジン環、オキサゾロピラジン環、チアゾロピリダジン環、オキサゾロピリダジン環、チアゾロピリミジン環、オキサゾロピリミジン環等の縮合環の芳香族複素環;等が挙げられる。
が有する芳香環は置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;−C(=O)−R;−C(=O)−OR;−SO;等が挙げられる。ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又は、炭素数3〜12のシクロアルキル基を表し、Rは、後述するRと同様の、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、フェニル基、又は、4−メチルフェニル基を表す。
また、Aが有する芳香環は、同一又は相異なる置換基を複数有していてもよく、隣り合った二つの置換基が一緒になって結合して環を形成していてもよい。形成される環は単環であっても、縮合多環であってもよく、不飽和環であってもよく、飽和環であってもよい。
さらに、Aの炭素数2〜30の有機基の「炭素数」は、置換基の炭素原子を含まない有機基全体の総炭素数を意味する(後述するAにて同じである。)。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基としては、例えば、芳香族炭化水素環基;芳香族複素環基;芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数3〜30のアルキル基;芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数4〜30のアルケニル基;芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数4〜30のアルキニル基;等が挙げられる。
の好ましい具体例を以下に示す。但し、Aは以下に示すものに限定されるものではない。なお、下記式中、「−」は環の任意の位置からのびる結合手を表す(以下にて同じである。)。
(1)芳香族炭化水素環基
Figure 2017072786
Figure 2017072786
(2)芳香族複素環基
Figure 2017072786
Figure 2017072786
上記式中、Eは、NR6a、酸素原子又は硫黄原子を表す。ここで、R6aは、水素原子;又は、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Figure 2017072786
上記式中、X、Y及びZは、それぞれ独立して、NR、酸素原子、硫黄原子、−SO−、又は、−SO−を表す(ただし、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO−が、それぞれ隣接する場合を除く。)。Rは、前記R6aと同様の、水素原子;又は、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Figure 2017072786
(上記式中、Xは前記と同じ意味を表す。)
(3)芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、アルキル基
Figure 2017072786
(4)芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、アルケニル基
Figure 2017072786
(5)芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、アルキニル基
Figure 2017072786
上記したAの中でも、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は炭素数4〜30の芳香族複素環基であることが好ましく、下記に示すいずれかの基であることがより好ましい。
Figure 2017072786
Figure 2017072786
さらに、Aは、下記に示すいずれかの基であることが更に好ましい。
Figure 2017072786
が有する環は、置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;−C(=O)−R;−C(=O)−OR;−SO;等が挙げられる。ここでRは、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;又は、フェニル基等の炭素数6〜14のアリール基;を表す。なかでも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、及び炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
また、Aが有する環は、同一又は相異なる置換基を複数有していてもよく、隣り合った二つの置換基が一緒になって結合して環を形成していてもよい。形成される環は、単環であってもよく、縮合多環であってもよい。
の炭素数2〜30の有機基の「炭素数」は、置換基の炭素原子を含まない有機基全体の総炭素数を意味する(後述するAにて同じである。)。
前記式(I)において、Aは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、−C(=O)−R、−SO−R、−C(=S)NH−R、又は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。ここで、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、炭素数5〜12の芳香族炭化水素基を表す。Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、フェニル基、又は、4−メチルフェニル基を表す。Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、置換基を有していてもよい炭素数5〜20の芳香族基を表す。
の、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基の炭素数は、1〜12であることが好ましく、4〜10であることが更に好ましい。
の、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の炭素数2〜20のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の炭素数は、2〜12であることが好ましい。
の、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基の炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
の、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基の炭素数2〜20のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)、ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、2−ペンチニル基、ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、2−オクチニル基、ノナニル基、デカニル基、7−デカニル基等が挙げられる。
の、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の炭素数2〜12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の炭素数6〜14のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、−CHCF等の、少なくとも1個がフッ素原子で置換された炭素数1〜12のフルオロアルコキシ基;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;ベンゾジオキサニル基;−C(=O)−R7a;−C(=O)−OR7a;−SO8a;−SR10;−SR10で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基;水酸基;等が挙げられる。ここで、R7a及びR10は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、R8aは、前記Rと同様の、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、フェニル基、又は、4−メチルフェニル基を表す。
の、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基の置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の置換アミノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基;−C(=O)−R7a;−C(=O)−OR7a;−SO8a;水酸基;等が挙げられる。ここでR7a、R8aは前記と同じ意味を表す。
の、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基の置換基としては、例えば、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、及び、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の置換基と同様な置換基が挙げられる。
の、−C(=O)−Rで表される基において、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は、炭素数5〜12の芳香族炭化水素基を表す。これらの具体例は、前記Aの、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基の例として列記したものと同様のものが挙げられる。
の、−SO−Rで表される基において、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、フェニル基、又は、4−メチルフェニル基を表す。Rの、炭素数1〜20のアルキル基、及び炭素数2〜20のアルケニル基の具体例は、前記Aの、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基の例として列記したものと同様のものが挙げられる。
の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基としては、前記Aで例示したのと同様のものが挙げられる。
これらの中でも、Aとしては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、−C(=O)−R、−SO−R、又は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基で表される基が好ましく、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数3〜9の芳香族複素環基、−C(=O)−R、−SO−Rで表される基が更に好ましい。ここで、R、Rは前記と同じ意味を表す。
の、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜12の環状エーテル基、炭素数6〜14のアリールオキシ基、水酸基、ベンゾジオキサニル基、フェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、ベンゾイル基、−SR10が好ましい。ここで、R10は前記と同じ意味を表す。
の、置換基を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数3〜9の芳香族複素環基の置換基としては、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基が好ましい。
また、AとAは、一緒になって、環を形成していてもよい。かかる環としては、例えば、置換基を有していてもよい、炭素数4〜30の不飽和複素環、炭素数6〜30の不飽和炭素環が挙げられる。
前記炭素数4〜30の不飽和複素環、及び、炭素数6〜30の不飽和炭素環としては、特に制約はなく、芳香族性を有していても有していなくてもよい。
とAが一緒になって形成される環としては、例えば、下記に示す環が挙げられる。なお、下記に示す環は、式(I)中の
Figure 2017072786
として表される部分を示すものである。
Figure 2017072786
Figure 2017072786
Figure 2017072786
(式中、X、Y、Zは、前記と同じ意味を表す。)
また、これらの環は置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、Aが有する芳香環の置換基として例示したのと同様のものが挙げられる。
とAに含まれるπ電子の総数は、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、好ましくは4以上、より好ましくは6以上であり、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、特に好ましくは18以下である。
とAの好ましい組み合わせとしては、
(α)Aが炭素数4〜30の、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であり、Aが水素原子、炭素数3〜8のシクロアルキル基、(ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、若しくは炭素数3〜8のシクロアルキル基)を置換基として有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、(ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基)を置換基として有していてもよい炭素数3〜9の芳香族複素環基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、又は、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基であり、当該置換基が、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜12の環状エーテル基、炭素数6〜14のアリールオキシ基、水酸基、ベンゾジオキサニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基及び−SR10のいずれかである組み合わせ、並びに、
(β)AとAが一緒になって不飽和複素環又は不飽和炭素環を形成している組み合わせ、
が挙げられる。ここで、R10は前記と同じ意味を表す。
とAのより好ましい組み合わせとしては、
(γ)Aが下記構造を有する基のいずれかであり、Aが水素原子、炭素数3〜8のシクロアルキル基、(ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、若しくは炭素数3〜8のシクロアルキル基)を置換基として有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、(ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基)を置換基として有していてもよい炭素数3〜9の芳香族複素環基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、又は、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基であり、当該置換基が、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜12の環状エーテル基、炭素数6〜14のアリールオキシ基、水酸基、ベンゾジオキサニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基、及び−SR10のいずれかである組み合わせである。ここで、R10は前記と同じ意味を表す。
Figure 2017072786
Figure 2017072786
(式中、X、Yは、前記と同じ意味を表す。)
とAの特に好ましい組み合わせとしては、
(δ)Aが下記構造を有する基のいずれかであり、Aが水素原子、炭素数3〜8のシクロアルキル基、(ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、若しくは炭素数3〜8のシクロアルキル基)を置換基として有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、(ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基)を置換基として有していてもよい炭素数3〜9の芳香族複素環基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルケニル基、又は、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基であり、当該置換基が、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜12の環状エーテル基、炭素数6〜14のアリールオキシ基、水酸基、ベンゾジオキサニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゾイル基、及び、−SR10のいずれかである組み合わせである。下記式中、Xは前記と同じ意味を表す。ここで、R10は前記と同じ意味を表す。
Figure 2017072786
前記式(I)において、Aは、置換基を有していてもよい三価の芳香族基を表す。三価の芳香族基としては、三価の炭素環式芳香族基であってもよく、三価の複素環式芳香族基であってもよい。本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、三価の炭素環式芳香族基が好ましく、三価のベンゼン環基又は三価のナフタレン環基がより好ましく、下記式に示す三価のベンゼン環基又は三価のナフタレン環基がさらに好ましい。なお、下記式においては、結合状態をより明確にすべく、置換基Y、Yを便宜上記載している(Y、Yは、前記と同じ意味を表す。以下にて同じ。)。
Figure 2017072786
これらの中でも、Aとしては、下記に示す式(A11)〜(A25)で表される基がより好ましく、式(A11)、(A13)、(A15)、(A19)、(A23)で表される基がさらに好ましく、式(A11)、(A23)で表される基が特に好ましい。
Figure 2017072786
の、三価の芳香族基が有していてもよい置換基としては、前記Aの芳香族基の置換基として例示したのと同様のものが挙げられる。Aとしては、置換基を有さないものが好ましい。
前記式(I)において、A及びAは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数3〜30の二価の脂環式炭化水素基を表す。炭素数3〜30の二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、炭素数3〜30のシクロアルカンジイル基、炭素数10〜30の二価の脂環式縮合環基等が挙げられる。
炭素数3〜30のシクロアルカンジイル基としては、例えば、シクロプロパンジイル基;シクロブタン−1,2−ジイル基、シクロブタン−1,3−ジイル基等のシクロブタンジイル基;シクロペンタン−1,2−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基等のシクロペンタンジイル基;シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基等のシクロへキサンジイル基;シクロヘプタン−1,2−ジイル基、シクロヘプタン−1,3−ジイル基、シクロヘプタン−1,4−ジイル基等のシクロへプタンジイル基;シクロオクタン−1,2−ジイル基、シクロオクタン−1,3−ジイル基、シクロオクタン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロオクタンジイル基;シクロデカン−1,2−ジイル基、シクロデカン−1,3−ジイル基、シクロデカン−1,4−ジイル基、シクロデカン−1,5−ジイル基等のシクロデカンジイル基;シクロドデカン−1,2−ジイル基、シクロドデカン−1,3−ジイル基、シクロドデカン−1,4−ジイル基、シクロドデカン−1,5−ジイル基等のシクロドデカンジイル基;シクロテトラデカン−1,2−ジイル基、シクロテトラデカン−1,3−ジイル基、シクロテトラデカン−1,4−ジイル基、シクロテトラデカン−1,5−ジイル基、シクロテトラデカン−1,7−ジイル基等のシクロテトラデカンジイル基;シクロエイコサン−1,2−ジイル基、シクロエイコサン−1,10−ジイル基等のシクロエイコサンジイル基;等が挙げられる。
炭素数10〜30の二価の脂環式縮合環基としては、例えば、デカリン−2,5−ジイル基、デカリン−2,7-ジイル基等のデカリンジイル基;アダマンタン−1,2−ジイル基、アダマンタン−1,3−ジイル基等のアダマンタンジイル基;ビシクロ[2.2.1]へプタン−2,3−ジイル基、ビシクロ[2.2.1]へプタン−2,5-ジイル基、ビシクロ[2.2.1]へプタン−2,6−ジイル基等のビシクロ[2.2.1]へプタンジイル基;等が挙げられる。
これらの二価の脂環式炭化水素基は、任意の位置に置換基を有していてもよい。置換基としては、前記Aの芳香族基の置換基として例示したのと同様のものが挙げられる。
これらの中でも、A及びAとしては、炭素数3〜12の二価の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数3〜12のシクロアルカンジイル基がより好ましく、下記式(A31)〜(A34)
Figure 2017072786
で表される基がさらに好ましく、前記式(A32)で表される基が特に好ましい。
前記炭素数3〜30の二価の脂環式炭化水素基は、Y、Y(又はY、Y)と結合する炭素原子の立体配置の相違に基づく、シス型、トランス型の立体異性体が存在し得る。例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイル基の場合には、下記に示すように、シス型の異性体(A32a)とトランス型の異性体(A32b)が存在し得る。
Figure 2017072786
前記炭素数3〜30の二価の脂環式炭化水素基は、シス型であってもよく、トランス型であってもよく、あるいはシス型及びトランス型の異性体混合物であってもよいが、配向性が良好であることから、トランス型あるいはシス型であるのが好ましく、トランス型がより好ましい。
前記式(I)において、A及びAは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数6〜30の二価の芳香族基を表す。A及びAの芳香族基は、単環のものであっても、多環のものであってもよい。A及びAの好ましい具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2017072786
上記A及びAの二価の芳香族基は、任意の位置に置換基を有していてもよい。当該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、−C(=O)−OR8b基;等が挙げられる。ここでR8bは、炭素数1〜6のアルキル基である。なかでも、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基が好ましい。また、ハロゲン原子としてはフッ素原子が、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が、より好ましい。
これらの中でも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、A及びAは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、下記式(A41)、(A42)及び(A43)で表される基がより好ましく、置換基を有していてもよい式(A41)で表される基が特に好ましい。
Figure 2017072786
前記式(I)において、Qは、水素原子、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、前記Aで例示したのと同様のものが挙げられる。これらの中でも、Qは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子及びメチル基がより好ましい。
化合物(I)は、例えば、国際公開第2012/147904号に記載される、ヒドラジン化合物とカルボニル化合物との反応により製造しうる。
液晶組成物は、重合性モノマーを含みうる。「重合性モノマー」とは、重合能を有しモノマーとして働きうる化合物のうち、特に、逆波長重合性液晶化合物以外の化合物をいう。重合性モノマーとしては、例えば、1分子当たり1以上の重合性基を有するものを用いうる。そのような重合性基を有することにより、光学異方性層の形成に際し重合を達成することができる。重合性モノマーが1分子当たり2以上の重合性基を有する架橋性モノマーである場合、架橋的な重合を達成することができる。かかる重合性基の例としては、化合物(I)中の基Z−Y−及びZ−Y−と同様の基を挙げることができ、より具体的には例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びエポキシ基を挙げることができる。
重合性モノマーは、それ自体が液晶性のものであってもよく、非液晶性のものであってもよい。ここで、それ自体が「非液晶性」であるとは、当該重合性モノマーそのものを、室温から200℃のいずれの温度に置いた場合にも、配向処理をした基材フィルム上で配向を示さないものをいう。配向を示すかどうかは、偏光顕微鏡のクロスニコル透過観察にてラビング方向を面相で回転させた場合に、明暗のコントラストがあるかどうかで判断する。
液晶組成物において、重合性モノマーの割合は、逆波長重合性液晶化合物100重量部に対し、好ましくは1重量部〜100重量部、より好ましくは5重量部〜50重量部である。当該範囲内で、重合性モノマーの割合を所望の逆波長分散特性を示すように適宜調整することにより、逆波長分散特性の精密な制御が容易となる。
重合性モノマーは、既知の製造方法により製造することができる。または、化合物(I)と類似の構造を持つものについては、化合物(I)の製造方法に準じて製造することができる。
液晶組成物は、光重合開始剤を含みうる。重合開始剤としては、液晶組成物中の重合性化合物が有する重合性基の種類に応じて適宜選択しうる。例えば、重合性基がラジカル重合性であればラジカル重合開始剤を、アニオン重合性の基であればアニオン重合開始剤を、カチオン重合性の基であればカチオン重合開始剤を、それぞれ使用しうる。
ラジカル重合開始剤の例としては、光照射により、重合性化合物の重合を開始しえる活性種が発生する化合物である光ラジカル発生剤が挙げられる。
光ラジカル発生剤としては、例えば、国際公開第2012/147904号に記載される、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。
前記アニオン重合開始剤としては、例えば、アルキルリチウム化合物;ビフェニル、ナフタレン、ピレン等の、モノリチウム塩又はモノナトリウム塩;ジリチウム塩やトリリチウム塩等の多官能性開始剤;等が挙げられる。
また、前記カチオン重合開始剤としては、例えば、硫酸、リン酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のプロトン酸;三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズのようなルイス酸;芳香族オニウム塩又は芳香族オニウム塩と、還元剤との併用系;が挙げられる。
市販の光重合開始剤の具体的な例としては、商品名「Irgacure379EG」(BASF社製)等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
関彰組成物において、重合開始剤の割合は、重合性化合物100重量部に対し、好ましくは0.1重量部〜30重量部、より好ましくは0.5重量部〜10重量部である。
液晶組成物は、表面張力を調整するための、界面活性剤を含みうる。当該界面活性剤としては、特に限定はないが、ノニオン系界面活性剤が好ましい。当該ノニオン系界面活性剤としては、市販品を用いうる。例えば、分子量が数千程度のオリゴマーであるノニオン系界面活性剤を用いうる。これらの界面活性剤の具体例としては、OMNOVA社PolyFoxの「PF−151N」、「PF−636」、「PF−6320」、「PF−656」、「PF−6520」、「PF−3320」、「PF−651」、「PF−652」;ネオス社フタージェントの「FTX−209F」、「FTX−208G」、「FTX−204D」、「601AD」;セイミケミカル社サーフロンの「KH−40」、「S−420」等を用いることができる。また、界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。液晶組成物において、界面活性剤の割合は、重合性化合物100重量部に対し、好ましくは0.01重量部〜10重量部、より好ましくは0.1重量部〜2重量部である。
液晶組成物は、有機溶媒等の溶媒を含みうる。かかる有機溶媒の例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒;シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素溶媒;及びこれらの混合物が挙げられる。溶媒の沸点は、取り扱い性に優れる観点から、60℃〜250℃であることが好ましく、60℃〜150℃であることがより好ましい。溶媒の使用量は、重合性化合物100重量部に対し、好ましくは100重量部〜1000重量部である。
液晶組成物は、さらに、金属、金属錯体、染料、顔料、蛍光材料、燐光材料、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物等の任意の添加剤を含みうる。かかる任意の添加剤の割合は、重合性化合物100重量部に対し、好ましくは、各々0.1重量部〜20重量部である。
前述した光学異方性層は、例えば、
工程(I):基材フィルム上に液晶組成物を塗布して液晶組成物の層を形成する工程、
工程(II):液晶組成物の層における重合性液晶化合物を配向させる工程、及び、
工程(III):液晶組成物を硬化させて光学異方性層を得る工程
を含む方法により、製造しうる。
工程(I)において使用する基材フィルムの材料は、特に限定されず、種々の樹脂を用いうる。樹脂の例としては、各種の重合体を含む樹脂が挙げられる。当該重合体としては、脂環式構造含有重合体、セルロースエステル、ポリビニルアルコール、ポリイミド、UV透過アクリル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、エポキシ重合体、ポリスチレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。これらの中でも、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性等の観点から、脂環式構造含有重合体及びセルロースエステルが好ましく、脂環式構造含有重合体がより好ましい。
脂環式構造含有重合体は、繰り返し単位中に脂環式構造を有する重合体であり、通常は非晶質の重合体である。脂環式構造含有重合体としては、主鎖中に脂環式構造を含有する重合体及び側鎖に脂環式構造を含有する重合体のいずれも用いうる。
脂環式構造としては、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造等が挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。
1つの脂環式構造の繰り返し単位を構成する炭素数に特に制限はないが、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上、特に好ましくは6個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下である。
脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されうるが、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位を前記のように多くすることにより、基材フィルムの耐熱性を高くできる。
脂環式構造含有重合体は、例えば、(1)ノルボルネン重合体、(2)単環の環状オレフィン重合体、(3)環状共役ジエン重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、透明性及び成形性の観点から、ノルボルネン重合体がより好ましい。
ノルボルネン重合体としては、例えば、ノルボルネンモノマーの開環重合体、ノルボルネンモノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素添加物;ノルボルネンモノマーの付加重合体、ノルボルネンモノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネンモノマーの開環重合体水素添加物が特に好ましい。
上記の脂環式構造含有重合体は、例えば特開2002−321302号公報等に開示されている公知の重合体から選ばれる。
脂環式構造含有重合体のガラス転移温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃〜250℃の範囲である。ガラス転移温度がこのような範囲にある脂環式構造含有重合体は、高温下での使用における変形及び応力を生じ難く、耐久性に優れる。
脂環式構造含有重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000〜100,000、より好ましくは25,000〜80,000、さらにより好ましくは25,000〜50,000である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、基材フィルムの機械的強度及び成形加工性が高度にバランスされ好適である。前記の重量平均分子量は、溶媒としてシクロヘキサン(樹脂が溶解しない場合にはトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)により、ポリイソプレン換算(溶媒がトルエンのときは、ポリスチレン換算)の値で測定しうる。
脂環式構造含有重合体の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは4以下、特に好ましくは3.5以下である。
基材フィルムの材質として脂環式構造含有重合体を含む樹脂を用いた場合の、基材フィルムの厚みは、生産性の向上、薄型化及び軽量化を容易にする観点から、好ましくは1μm〜1000μm、より好ましくは5μm〜300μm、特に好ましくは30μm〜100μmである。
脂環式構造含有重合体を含む樹脂は、脂環式構造含有重合体のみからなってもよいが、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意の配合剤を含んでもよい。脂環式構造含有重合体を含む樹脂中の、脂環式構造含有重合体の割合は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。
脂環式構造含有重合体を含む樹脂の好適な具体例としては、日本ゼオン社製「ゼオノア1420」、「ゼオノア1420R」を挙げうる。
セルロースエステルとしては、セルロースの低級脂肪酸エステル(例:セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレートおよびセルロースアセテートプロピオネート)が代表的である。低級脂肪酸は、1分子あたりの炭素原子数6以下の脂肪酸を意味する。セルロースアセテートには、トリアセチルセルロース(TAC)及びセルロースジアセテート(DAC)が含まれる。
セルロースアセテートの酢化度は、50%〜70%が好ましく、特に55%〜65%が好ましい。重量平均分子量70000〜120000が好ましく、特に80000〜100000が好ましい。また、上記セルロースアセテートは、酢酸だけでなく、一部プロピオン酸、酪酸等の脂肪酸でエステル化されていてもよい。また、基材フィルムを構成する樹脂は、セルロースアセテートと、セルロースアセテート以外のセルロースエステル(セルロースプロピオネート及びセルロースブチレート等)とを組み合わせて含んでもよい。その場合、これらのセルロースエステルの全体が、上記酢化度を満足することが好ましい。
基材フィルムとして、トリアセチルセルロースのフィルムを用いる場合、かかるフィルムとしては、トリアセチルセルロースを低温溶解法あるいは高温溶解法によってジクロロメタンを実質的に含まない溶媒に溶解することで調製されたトリアセチルセルロースドープを用いて作製されたトリアセチルセルロースフィルムが、環境保全の観点から特に好ましい。トリアセチルセルロースのフィルムは、共流延法により作製しうる。共流延法は、トリアセチルセルロースの原料フレーク及び溶媒並びに必要に応じて任意の添加剤を含む溶液(ドープ)を調製し、当該ドープをドープ供給器(ダイ)から支持体の上に流延し、流延物をある程度乾燥して剛性が付与された時点でフィルムとして支持体から剥離し、当該フィルムをさらに乾燥して溶媒を除去することにより行いうる。原料フレークを溶解する溶媒の例としては、ハロゲン化炭化水素溶媒(ジクロロメタン等)、アルコール溶媒(メタノール、エタノール、ブタノール等)、エステル溶媒(蟻酸メチル、酢酸メチル等)、エーテル溶媒(ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル等)等が挙げられる。ドープが含む添加剤の例としては、レターデーション上昇剤、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等が挙げられる。ドープを流延する支持体の例としては、水平式のエンドレスの金属ベルト、及び回転するドラムが挙げられる。流延に際しては、単一のドープを単層流延することもできるが、複数の層を共流延することもできる。複数の層を共流延する場合、例えば、低濃度のセルロースエステルドープの層と、そのおもて面及び裏面に接して設けられた高濃度のセルロースエステルドープの層が形成されるよう、複数のドープを順次流延しうる。フィルムを乾燥して溶媒を除去する方法の例としては、フィルムを搬送して、内部を乾燥に適した条件に設定した乾燥部を通過させる方法が挙げられる。
トリアセチルセルロースのフィルムの好ましい例としては、富士写真フィルム社製「TAC−TD80U」、及び、発明協会公開技報公技番号2001−1745号にて公開されたものが挙げられる。トリアセチルセルロースのフィルムの厚みは特に限定されないが、20μm〜150μmが好ましく、40μm〜130μmがより好ましく、70μm〜120μmが更に好ましい。
基材フィルムとしては、配向規制力を有するものを用いうる。基材フィルムの配向規制力とは、基材フィルムの上に塗布された液晶組成物中の重合性液晶化合物を配向させうる、基材フィルムの性質をいう。
配向規制力は、基材フィルムの材料となるフィルムに、配向規制力を付与する処理を施すことにより付与しうる。かかる処理の例としては、延伸処理及びラビング処理が挙げられる。
好ましい態様において、基材フィルムは延伸フィルムである。かかる延伸フィルムとすることにより、延伸方向に応じた配向規制力を有するフィルムとしうる。
さらに好ましい態様において、基材フィルムは斜め延伸フィルムである。即ち、基材フィルムは、長尺のフィルムであり、且つフィルムの長手方向及び幅方向のいずれとも非平行な方向に延伸されたフィルムである。
基材フィルムが斜め延伸フィルムである場合の、延伸方向と基材フィルムの幅方向とがなす角度は、具体的には0°超90°未満としうる。このような斜め延伸フィルムを用いることにより、長尺の反射型直線偏光子に光学異方性層をロールツーロールで転写、積層し、積層光学フィルムの効率的な製造が可能となる。
また、ある態様において、延伸方向と基材フィルムの幅方向とがなす角度を、好ましくは15°±5°、22.5±5°、45°±5°、又は75°±5°、より好ましくは15°±4°、22.5°±4°、45°±4°、又は75°±4°、さらにより好ましくは15°±3°、22.5°±3°、45°±3°、又は75°±3°といった特定の範囲としうる。このような角度関係を有することにより、長尺の反射型直線偏光子に光学異方性層をロールツーロールで転写、積層し、積層光学フィルムの効率的な製造が可能となる。
工程(I)は、例えば、連続的に搬送される長尺の基材フィルムの一方の面上に、液晶組成物を直接塗布することにより、行いうる。塗布の方法の例としては、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、キャップコーティング法、及びディッピング法が挙げられる。塗布される液晶組成物の層の厚みは、光学異方性層に求められる所望の厚さに応じて適切に設定しうる。
工程(II)は、塗布により直ちに達成される場合もあるが、必要に応じて、塗布の後に、加温などの配向処理を施すことにより達成される場合もある。配向処理の条件は、使用する液晶組成物の性質に応じて適宜設定しうるが、例えば、50℃〜160℃の温度条件において30秒間〜5分間処理する条件としうる。
工程(II)の後、直ちに工程(III)を行ってもよいが、工程(II)の後工程(III)の前等の任意の段階で、必要に応じて液晶組成物の層を乾燥させる工程を行なってもよい。かかる乾燥は、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥等の乾燥方法で達成しうる。かかる乾燥により、液晶組成物の層から、溶媒を除去することができる。
工程(III)では、液晶組成物に含まれる重合性液晶化合物等の重合性化合物を重合させることにより、液晶組成物の層を硬化させて、光学異方性層を得る。重合性化合物の重合方法は、重合性化合物及び重合開始剤等の、液晶組成物の成分の性質に適合した方法を適切に選択しうる。例えば、光を照射する方法が好ましい。ここで、照射される光には、可視光線、紫外線、及び赤外線等の光が含まれうる。なかでも、操作が簡便なことから、紫外線を照射する方法が好ましい。
工程(III)において紫外線を照射する場合の紫外線照射強度は、好ましくは0.1mW/cm〜1000mW/cmの範囲、より好ましくは0.5mW/cm〜600mW/cmの範囲である。紫外線照射時間は、好ましくは1秒〜300秒の範囲、より好ましくは5秒〜100秒の範囲である。紫外線積算光量(mJ/cm)=紫外線照射強度(mW/cm)×照射時間(秒)で求められる。紫外線照射光源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、低圧水銀灯を用いることができる。
また、工程(III)においては、光学異方性層における残留モノマー割合を小さくするために、重合性化合物の重合条件を調整することが好ましい。例えば、工程(III)において、液晶組成物の層の温度を調節することが好ましい。
図2は、本発明の第一実施形態に係る光学異方性層110を製造する製造方法において、基材フィルム210上に形成された液晶組成物の層220を硬化させて光学異方性層110を得る工程(III)の様子を模式的に示す概略図である。
図2に示すように、工程(III)における液晶組成物の層の温度の調節は、基材フィルム210をバックロール310により支持した状態で工程(III)を行い、バックロール310の温度を調節することにより行いうる。
バックロール310とは、光の照射に際して、基材フィルム210を被照射面200Uの裏側から支持するロールである。図2において、基材フィルム210及びその上に設けられた液晶組成物の層220を含む積層体200は、矢印A1の方向に搬送される。積層体200は、位置Lにおいて、矢印A3方向に回転するバックロール310に、基材フィルム210側の面200Dが接する状態で支持されて搬送される。この位置Lにおいて、液晶組成物の層220は、光源320から矢印A2方向に紫外線照射を受け、硬化する。これにより液晶組成物の層220が硬化し、光学異方性層110が得られる。ここで、バックロール310の温度を様々に調節することにより、残留モノマー割合の低い硬化を達成しうる。概して、バックロール310の温度が高いほど、残留モノマー割合は低減する傾向があるが、至適な温度は他の条件によっても異なるので、残留モノマー割合が低減される温度は、実験的に定めることが好ましい。他に、光の照射量を増量したり、重合開始剤を増量したりすることによっても、残留モノマー割合を低減しうる。
バックロール310の温度の上限は、基材フィルム210の変形を防ぐ観点から、基材フィルムのガラス転移温度(Tg)以下とすることが好ましい。具体的なバックロール310の温度は、好ましくは150℃以下、より好ましくは100℃以下、特に好ましくは80℃以下の範囲である。バックロールの温度の下限は、15℃以上としうる。したがって好ましくは、この温度範囲内で、残留モノマー割合が低減される温度を実験的に定めうる。
また、工程(III)を空気下で行うよりは、窒素雰囲気下等の不活性ガス雰囲気下で行ったほうが、残留モノマー割合が低減される傾向にあるので、工程(III)は、そのような不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
上述した製造方法で製造された光学異方性層において、重合性液晶化合物から得られた硬化液晶分子は、好ましくは、基材フィルムに対して水平配向した配向規則性を有しうる。例えば、基材フィルムとして配向規制力を有するものを用い、さらに光学異方性層の材料を適切に選択した場合、光学異方性層において硬化液晶分子を水平配向させることができる。ここで、硬化液晶分子が基材フィルムに対して「水平配向」するとは、硬化液晶分子のメソゲンの長軸方向の平均方向が、フィルム面と平行又は平行に近い(例えばフィルム面となす角度が5°以内)、ある一の方向に整列することをいう。硬化液晶分子が水平配向しているか否か、及びその整列方向は、AxoScan(Axometrics社製)等の位相差計を用いた測定により確認しうる。
特に、硬化液晶分子が、棒状の分子構造を有する重合性液晶化合物を重合させてなるものである場合は、通常は、当該重合性液晶化合物のメソゲンの長軸方向が、硬化液晶分子のメソゲンの長軸方向となる。また、重合性液晶化合物として逆波長重合性液晶化合物を用いた場合のように、光学異方性層中に、配向方向の異なる複数種類のメソゲンが存在する場合は、それらのうち最も長い種類のメソゲンの長軸方向が整列する方向が、当該整列方向となる。
光学異方性層の厚さは、特に限定されず、面内レターデーション等の光学特性を所望の範囲とできるように、適切に調整しうる。光学異方性層の具体的な厚さは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下、特に好ましくは5μm以下である。
[3.接着層]
接着層は、光学異方性層を任意の部材(通常は、反射型直線偏光子)に接着させうる層であり、樹脂からなる。以下、接着層に含まれる樹脂を、適宜「接着樹脂」ということがある。接着樹脂は、通常−20℃以上、好ましくは−15℃以上、より好ましくは−10℃以上のガラス転移温度を有する。このように高いガラス転移温度を有する接着樹脂によって形成された接着層を用いることにより、高温環境における光学異方性層のシワの発生を抑制できる。接着樹脂のガラス転移温度の上限は、工業的に入手しやすいことから、好ましくは120℃以下、より好ましくは110℃以下、特に好ましくは100℃以下である。
また、接着層の厚みは、通常15μm以下、好ましくは13μm以下、より好ましくは10μm以下である。接着層の厚みを、前記のように薄くすることにより、高温環境における光学異方性層のシワの発生を抑制できる。接着層の厚みの下限は、接着層が発揮する接着力を十分に高める観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、特に好ましくは1.5μm以上である。接着層の厚みは、膜厚計を用いて、任意の数カ所について測定を行い、その平均値とする。前記膜厚計は、公知の膜厚計を用いうる。
前記のようなガラス転移温度を有する接着樹脂によって形成された薄い接着層を用いることにより、高温環境における光学異方性層のシワの発生を抑制できる理由は、以下のように推察される。ただし、本発明の技術的範囲は、以下の推察によって制限されるものでは無い。
光学異方性層は、前述のように、液晶組成物を硬化させた硬化物からなる。この硬化物は、通常、配向した重合性液晶化合物を重合させた重合体を含む。そのため、光学異方性層には、重合性液晶化合物が重合することによって生じた応力が残留している。例えば、一軸的にホメオトロピック配向をした重合性液晶化合物が重合した場合、液晶化合物の分子の配向方向に平行に応力が残留する。このような残留応力は、特に、重合性液晶化合物が主鎖メソゲンの両端に重合性基を有している場合に、顕著に発生する傾向がある。この残留応力は、光学異方性層を収縮させる方向に作用するが、通常は光学異方性層を変形させるほど大きくは無い。しかし、高温環境に長期間にわたって光学異方性層が置かれると、従来の光学異方性層は、当該光学異方性層自身の剛性によっては残留応力に抗することができなくなり、収縮してシワを生じていた。
これに対し、積層光学フィルムでは、上述したように高いガラス転移温度を有する接着樹脂からなる接着層を備える。高いガラス転移温度を有する接着樹脂は、通常、大きい弾性率を有する。そのため、光学異方性層に含まれる残留応力に接着層が抗するので、光学異方性層の収縮を抑制して、シワの発生を抑制することができる。
また、仮に接着層が厚い場合、例え接着樹脂が大きい弾性率を有していても、光学異方性層の収縮を十分には抑制できない可能性がある。しかし、上述した接着層の厚みは薄いので、光学異方性層の収縮を効果的に抑制することができる。
以上のような理由により、積層光学フィルムでは、高温環境における光学異方性層のシワの発生を抑制できていると推察される。
上述した接着層としては、通常、硬化性接着剤を硬化させた層を用いる。したがって、接着層には、通常、前記の接着樹脂として、硬化性接着剤を硬化させた硬化樹脂が含まれる。硬化性接着剤としては、熱硬化性接着剤を用いてもよいが、光硬化性接着剤を用いることが好ましい。光硬化性接着剤としては、重合体又は反応性の単量体を含んだものを用いうる。また、接着剤は、必要に応じて溶媒、光重合開始剤、その他の添加剤等の一以上を含みうる。
光硬化性接着剤は、可視光線、紫外線、及び赤外線等の光を照射すると硬化しうる接着剤である。中でも、操作が簡便なことから、紫外線で硬化しうる接着剤が好ましい。
好ましい態様において、光硬化性接着剤は、水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーを50重量%以上含む。ここで、「接着剤が、ある割合で単量体を含む」という場合、当該単量体の割合は、当該単量体が単量体のまま存在しているもの、当該単量体が既に重合して重合体の一部となっているものの両方の合計の割合である。
水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーの例としては、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、1種類で使用してもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。組合わせて使用する場合の含有量は、合計の割合である。
光硬化性接着剤が含みうる、水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー以外の単量体の例としては、単官能、又は多官能の水酸基を有しない(メタ)アクリレートモノマー、及び1分子あたり1以上のエポキシ基を含有する化合物が挙げられる。
接着剤は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、さらに任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分の例としては、光重合開始剤、架橋剤、無機フィラー、重合禁止剤、着色顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、分散剤、光拡散剤、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、非反応性ポリマー(不活性重合体)、粘度調整剤、近赤外線吸収材等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤の例としては、ラジカル開始剤及びカチオン開始剤が挙げられる。カチオン開始剤の例としてはIrgacure250(ジアリルヨードニウム塩、BASF社製)が挙げられる。ラジカル開始剤の例としてIrgacure184、Irgacure819、Irgacure2959、(いずれもBASF社製)が挙げられる。
[4.反射型直線偏光子]
反射型直線偏光子は、当該反射型直線偏光子の反射直線偏光方向に平行な振動方向を有する直線偏光を反射し、当該反射型直線偏光子の透過直線偏光方向に平行な振動方向を有する直線偏光を透過させうる部材である。反射型直線偏光子の反射直線偏光方向と透過直線偏光方向とは、通常、垂直である。よって、この反射型直線偏光子が照明装置又は表示装置に設けられた場合、光源からの光のうち、特定の振動方向を有する直線偏光は反射型直線偏光子を透過し、それと垂直な振動方向を有する直線偏光は反射型直線偏光子で反射されうる。このような反射型直線偏光子としては、通常、フィルム状の部材を用いる。
反射型直線偏光子としては、例えば、ブリュースター角による偏光成分の反射率の差を利用した反射型直線偏光子(例えば、特表平6−508449号公報に記載のもの);微細な金属線状パターンを施工した反射型直線偏光子(例えば、特開平2−308106号公報に記載のもの);2種以上の樹脂フィルムが積層され、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型直線偏光子(例えば、特表平9−506837号公報に記載のもの);樹脂フィルム中に2種以上の重合体で形成される海島構造を有し、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型直線偏光子(例えば、米国特許第5,825,543号明細書に記載のもの);樹脂フィルム中に粒子が分散し、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型直線偏光子(例えば、特表平11−509014号公報に記載のもの);樹脂フィルム中に無機粒子が分散し、粒子のサイズによる散乱能差に基づく反射率の異方性を利用する反射型直線偏光子(例えば、特開平9−297204号公報に記載のもの)などが挙げられる。これらの中でも、薄型化の観点から、2種以上の樹脂フィルムが積層され、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型直線偏光子;樹脂フィルム中に2種以上の重合体で形成される海島構造を有し、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型直線偏光子;もしくは、微細な金属線状パターンを施工した反射型直線偏光子が、好ましい。
反射型直線偏光子の厚みは、特段の制限は無いが、照明装置及び表示装置の薄型化の点からは、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.2mm以下である。
[5.積層光学フィルムの製造方法]
積層光学フィルムは、光学異方性層と反射型直線偏光子とを接着層によって貼り合わせることを含む製造方法により、製造しうる。中でも好ましくは、積層光学フィルムは、下記工程(A)〜(E)を含む製造方法により製造しうる。ここで、「光学異方性層転写体」とは、光学異方性層を含む部材であって、少なくとも光学異方性層を含む光学異方性層転写体の一部の層を転写して、かかる一部の層を含む積層光学フィルムの製造に供するものである。
工程(A):基材フィルムと、基材フィルム上に形成された光学異方性層とを備える光学異方性層転写体を製造する工程。
工程(B):反射型直線偏光子に接着剤を塗布し、接着剤の層を形成する工程。
工程(C):接着剤の層に、光学異方性層転写体を貼り合わせる工程。
工程(D):接着剤の層を硬化させて接着層とし、反射型直線偏光子、接着層、光学異方性層及び基材フィルムをこの順に備える中間積層体を得る工程。
工程(E):中間積層体から基材フィルムを剥離する工程。
工程(A)は、光学異方性層の項において説明した製造方法(例えば、工程(I)〜(III)を含む製造方法)によって、行いうる。
工程(B)は、反射型直線偏光子に接着剤を塗布することにより行いうる。接着剤の塗布厚みは、硬化後の接着層の厚みが所望の厚さとなるよう、適切に調整しうる。
工程(C)は、工程(B)で得られた接着剤の層に、工程(A)で得られた光学異方性層転写体を貼り合わせることにより行いうる。工程(C)では、接着剤の層と、光学異方性層転写体の光学異方性層側の面とが接するよう、貼り合わせを行う。
工程(D)は、工程(C)の貼り合わせが完了した後、直ちに行うことが好ましい。工程(C)の貼り合わせが完了してから工程(D)を行うまでの時間を短くすることにより、接着剤と光学異方性層との接触による、光学異方性層のレターデーションの変化の量を効果的に少なくすることができる。具体的には、工程(C)の貼り合わせが完了してから工程(D)を行うまでの時間は、好ましくは600秒以下、より好ましくは300秒以下としうる。
工程(D)において照射する光の種類及びその照射量並びに温度等の条件は、接着剤の層が硬化し接着層となるよう適宜選択及び調節しうる。例えば、接着剤が紫外線硬化性接着剤の場合、照射する光の種類は紫外線としうる。より具体的な例として、照射は、高圧水銀灯を用い、室温にて、300mW/cm、200mJ/cmの条件で行いうる。
工程(D)において、光の照射は、反射型直線偏光子側から行ってもよく、基材フィルム側から行ってもよい。反射型直線偏光子の光透過率が低い場合であっても効率的に光照射を行う観点からは、光の照射は、基材フィルム側から行うことが好ましい。
工程(D)を行うことにより、(反射型直線偏光子)/(接着層)/(光学異方性層)/(基材フィルム)の層構成を有する中間積層体を得る。工程(E)においてこの中間積層体から基材フィルムを剥離することにより、(反射型直線偏光子)/(接着層)/(光学異方性層)の層構成を有する積層光学フィルムが得られる。
また、上述した積層光学フィルムの製造方法は、工程(A)〜工程(E)に組み合わせて、更に任意の工程を含んでいてもよい。例えば、積層光学フィルムの製造方法は、工程(E)の後で、更に任意の層を貼り合わせる工程を含んでいてもよい。
[6.任意の層]
積層光学フィルムは、上述した光学異方性層、接着層及び反射型直線偏光子に組み合わせて、更に任意の層を備えていてもよい。
図3は、本発明の第二実施形態に係る積層光学フィルム400を模式的に示す断面図である。図3に示す実施形態のように、積層光学フィルム400は、任意の層として、ハードコート層410及び吸収型偏光子420を備えていてもよい。ハードコート層410及び吸収型偏光子420を備える積層光学フィルム400は、通常、ハードコート層410、光学異方性層110、接着層120、反射型直線偏光子130及び吸収型偏光子420を、この順に備える。
ハードコート層は、JIS K 5600−5−4に規定される鉛筆硬度試験(試験板にはガラス板を用いる)で「4H」以上の硬度を示す高硬度の層である。このようなハードコート層を備えることにより、積層光学フィルムに含まれる層が傷付かないように保護することができる。特に、ハードコート層を、光学異方性層の接着層とは反対側に設けることにより、光学異方性層の傷付きを効果的に抑制することができる。また、通常は、ハードコート層は、積層光学フィルムの表面に露出するように設けられる。
ハードコート層は、硬化性の材料から形成されることが好ましい。ハードコート層の形成材料としては、有機系シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系等の有機ハードコート材料;二酸化ケイ素等の無機系ハードコート材料;などが挙げられる。これらの中でも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、ウレタンアクリレート系および多官能アクリレート系ハードコート材料が好ましい。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ハードコート層の形成材料は、所望により、屈折率の調整、曲げ弾性率の向上、体積収縮率の安定化、耐熱性の向上、帯電防止性の向上、防眩性の向上等の目的で、各種フィラーを含んでいてもよい。また、フィラーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
フィラーとしては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、五酸化アンチモン、錫をドープした酸化インジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化錫(IZO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、フッ素をドープした酸化錫(FTO)等を挙げることができる。透明性を維持できるという点から、フィラーとしては、五酸化アンチモン、ITO、IZO、ATO、およびFTOが好ましい。フィラーの一次粒子径は、好ましくは1nm〜100nmであり、より好ましくは1nm〜30nmである。フィラーの一次粒径は、走査型顕微鏡(SEM)等により得られるイメージ写真から測定してもよいし、動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により計測してもよい。
特に、防眩性を付与するためのフィラーとしては、平均粒径が0.5μm〜10μmのものが好ましく、1.0μm〜7.0μmのものがより好ましく、1.0μm〜4.0μmがさらに好ましい。防眩性を付与するフィラーの具体例としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、フッ化ビニリデン樹脂及びその他のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、並びにベンゾグアナミン樹脂などの有機樹脂からなる有機フィラー;酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化錫、酸化ジルコニウム、ITO、フッ化マグネシウム、及び酸化ケイ素などの無機化合物からなる無機フィラーが挙げられる。
さらに、ハードコート層の形成材料は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。また、添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ハードコート層の厚みは、5μm以下であることが好ましい。厚みをこのような範囲とすることにより、ハードコート層の割れ、ハードコート層の剥離、及び、硬化収縮に伴うハードコート層のカールを抑制できる。
ハードコート層の形成方法は、特に制限されない。ハードコート層は、例えば、前記形成材料の一種である活性エネルギー線硬化樹脂の溶液を塗布し、紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、形成できる。
吸収型偏光子は、当該吸収型偏光子の偏光透過軸方向に平行な振動方向を有する直線偏光を透過させ、それ以外の偏光を吸収しうる部材である。以下、吸収型偏光子を備える積層光学フィルムを、適宜「積層偏光板」ということがある。吸収型偏光子は、液晶表示装置において、液晶パネルの光源側偏光子として機能しうる。よって、吸収型偏光子を備える積層光学フィルムとしての積層偏光板を用いれば、液晶表示装置の製造を容易に行うことが可能である。
吸収型偏光子の偏光透過軸方向は、反射型直線偏光子の透過直線偏光方向と略平行に設定することが好ましい。ここで、吸収型偏光子の偏光透過軸方向と反射型直線偏光子の透過直線偏光方向とが「略平行」であるとは、吸収型偏光子の偏光透過軸方向と反射型直線偏光子の透過直線偏光方向とがなす角度が、好ましくは−5°以上、より好ましくは−2°以上、特に好ましくは−1°以上、且つ、好ましくは5°以下、より好ましくは2°以下、特に好ましくは1°以下であることをいう。吸収型偏光子の偏光透過軸方向と反射型直線偏光子の透過直線偏光方向とを略平行にすることで、反射型直線偏光子を透過した直線偏光が吸収型偏光子を透過することが可能となる。
吸収型偏光子としては、液晶表示装置、及びその他の光学装置等の装置に用いうる任意の偏光子を用いることができる。吸収型偏光子の例としては、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸することによって得られるもの、及びポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させ延伸しさらに分子鎖中のポリビニルアルコール単位の一部をポリビニレン単位に変性することによって得られるものが挙げられる。
吸収型偏光子の偏光度は、特に限定されないが、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。
吸収型偏光子の厚みは、好ましくは5μm〜80μmである。
吸収型偏光子を備える積層光学フィルムとしての積層偏光板において、吸収型偏光子から光学異方性層までの層部分の厚み(図3の厚みT)は、薄いことが好ましく、具体的には55μm〜110μmであることが好ましい。光学異方性層として液晶組成物を硬化した硬化物からなる層を用いていることにより、前記のように薄い厚みを実現することが可能である。
また、通常、吸収型偏光子の表面には、偏光子保護フィルムが設けられる。よって、吸収型偏光子を備える積層光学フィルムとしての積層偏光板は、任意の層として、吸収型偏光子の表面に、偏光子保護フィルムを備えうる。
偏光子保護フィルムとしては、任意の透明フィルムを用いうる。中でも、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性等に優れる樹脂のフィルムが好ましい。そのような樹脂としては、トリアセチルセルロース等のアセテート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、鎖状オレフィン樹脂、環式オレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。
さらに、積層光学フィルムは、任意の層として、上述した接着層以外の任意の接着層を備えていてもよい。例えば、反射型直線偏光子と吸収型偏光子とを貼り合わせるために任意の接着層を備えていてもよい。このような任意の接着層としては、−20℃以上のガラス転移温度を有する接着樹脂以外の材料によって形成された層を用いてもよい。
また、積層光学フィルムが備えうる任意の層としては、フィルムの滑り性を良くするマット層、反射防止層、防汚層等が挙げられる。
前記の層は、それぞれ、1層だけを設けてもよく、2層以上を設けてもよい。
[7.照明装置]
上述した積層光学フィルムは、通常、照明装置に設けられる。このような照明装置は、通常、積層光学フィルム及び光源を備える。また、照明装置は、更に、反射板及び変換部材を備えることが好ましい。以下、この照明装置の実施形態を説明する。
図4は、本発明の第三実施形態に係る照明装置500を分解して模式的に示す分解断面図である。
図4に示すように、照明装置500は、反射板510、光源520、変換部材530、及び、積層光学フィルムとしての積層偏光板400を、この順に備える。また、積層偏光板400は、ハードコート層410、光学異方性層110、接着層120、反射型直線偏光子130及び吸収型偏光子420がこの順となるように設けられている。
反射板510は、光を反射しうる部材であり、光源520が発した光、及び、反射型直線偏光子130が反射した光を、積層偏光板400へ向けて反射できるように設けられている。このような反射板510としては、例えば、内部に空洞を形成した白色樹脂シート;酸化チタン、亜鉛華等の白色顔料を表面に塗布した樹脂シート;屈折率の異なる2種以上の樹脂フィルムを備える複層樹脂シート;アルミニウム、銀等の金属からなるシート;などが挙げられる。また、反射板510は、鏡面加工されたもの、粗面加工されたもの、のいずれも使用しうる。反射板を構成する樹脂シートの材質に限定は無く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ノルボルネン系重合体、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレートなどの重合体を含む樹脂を使用でしうる。
光源520は、冷陰極管、発光ダイオード、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光装置を備えるものを用いうる。また、光源520は、前記の発光装置に組み合わせて導光板を備えたサイドライト型の装置を用いてもよい。導光板としては、例えば、樹脂シート又はガラス板からなり、積層偏光板400とは反対側の面に、凹凸処理、白色ドット印刷処理、ホログラム処理等の処理によって光取出構造を形成したものが挙げられる。
変換部材530は、反射型直線偏光子130によって反射された光の偏光方向を変換しうるように、積層偏光板400の光学異方性層110側に設けられた部材である。ここで、積層偏光板400の光学異方性層110側とは、反射型直線偏光子130よりも光学異方性層110に近い側を示し、本実施形態においては積層偏光板400の光源520側の位置を表す。反射型直線偏光子130に入射した光の成分のうち、反射型直線偏光子130の反射直線偏光方向に平行な振動方向を有する直線偏光は、反射型直線偏光子130によって反射される。反射された直線偏光は、光学異方性層110を透過することによって円偏光となる。変換部材530は、前記の円偏光の回転の向きを逆向きに変換しうる機能を有する部材である。このような変換部材530としては、例えば、光拡散シート、プリズムシート、導光板、拡散板、反射板等が挙げられる。
このような構造を有する照明装置500では、光源520から発せられた光は、直接又は反射板510で反射されてから、変換部材530、ハードコート層410、光学異方性層110及び接着層120を通って、反射型直線偏光子130に入射する。反射型直線偏光子130に入射した光の成分のうち、反射型直線偏光子130の透過直線偏光方向に平行な振動方向を有する直線偏光は、反射型直線偏光子130を透過し、また、反射型直線偏光子130の反射直線偏光方向に平行な振動方向を有する直線偏光は、反射型直線偏光子130で反射される。反射型直線偏光子130で反射された直線偏光は、接着層120を通った後、光学異方性層110を透過することで円偏光に変換され、変換部材530又は反射板510で反射されて積層偏光板400へと戻される。ここで、変換部材530又は反射板510での反射の際、円偏光の回転方向は、逆向きに変換される。そのため、前記の円偏光は、光学積層体110を再び透過することにより、反射型直線偏光子130の透過直線偏光方向に平行な振動方向を有する直線偏光に変換される。よって、この直線偏光は、反射型直線偏光子130を透過できる。したがって、照明装置500では、光源520が発した光の多くを、反射型直線偏光子130の透過直線偏光方向に平行な振動方向を有する直線偏光に変換することができるので、吸収型偏光子420を通って出てくる直線偏光の光量を多くして、高い輝度を実現できる。
また、上述した照明装置500は、光学異方性層110として、逆波長分散特性を有するものを用いている。そのため、光学異方性層110は、広い波長範囲において直線偏光と円偏光との間で偏光状態を変換する機能を発揮できる。したがって、照明装置500は、特に高い偏光変換効率を実現することが可能である。ここで、偏光変換効率とは、光源520から発せられた光のうち、反射型直線偏光子130を透過しうる直線偏光に変換された光の比率をいう。
さらに、上述した照明装置500は、光学異方性層110として、液晶組成物を硬化させた硬化物の層を用いている。液晶組成物を硬化させた硬化物からなる光学異方性層110は、薄くても高い面内レターデーションを実現できる。そのため、前記の積層偏光板400は薄型化及び軽量化が可能であるので、照明装置500も薄型化及び軽量化が可能である。
また、上述した照明装置500に設けられた光学異方性層110は、接着剤と接触させた場合における光学異方性層110の面内レターデーションの変化が抑制されている。そのため、光学異方性層110は、面内レターデーションの値が最適値から外れることが少ないので、面内レターデーションの変化による色味の変化(照明装置から出る光が、青く見えたり、赤く見えたりする現象)を低減しうる。
さらに、照明装置では、一般に、光源の発光時に内部が高温となることがありうる。しかし、上述した照明装置500に設けられた光学異方性層110は、高温環境におけるシワの発生が抑制されている。そのため、照明装置500の使用時におけるシワの発生を抑制できるので、照明装置500の耐久性を向上させることができる。
ところで、積層光学フィルムを備える照明装置は、上述した実施形態に係る照明装置500に限定されず、任意に変更して実施しうる。例えば、上述した実施形態において、変換部材530、ハードコート層410及び吸収型偏光子420は、省略してもよい。具体例を挙げると、反射型直線偏光子130の出射光の偏光度が十分に高い場合には、吸収型偏光子420を省略し、照明装置とすることもできる。その場合の反射型直線偏光子130の偏光度は、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.9%以上である。
また、例えば、照明装置500の任意の位置に、照明装置500の構成要素を接着するための任意の接着層、光学補償を行うための位相差層等の、任意の層を設けてもよい。
[8.表示装置]
積層光学フィルムを備える前記の照明装置は、表示装置に設けて用いることができ、特に、液晶表示装置の照明装置として好適である。
前記の照明装置を備える液晶表示装置は、通常、照明装置と、光源側偏光子と、液晶セルと、視認側偏光子とを、この順に備える。光源側偏光子及び視認側偏光子としては、積層偏光板が備える吸収型偏光子と同様のものを用いうる。また、液晶セルとしては、例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モード、バーチカルアラインメント(VA)モード、マルチドメインバーチカルアラインメント(MVA)モード、コンティニュアスピンホイールアラインメント(CPA)モード、ハイブリッドアラインメントネマチック(HAN)モード、ツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モード、オプチカルコンペンセイテッドベンド(OCB)モードなど、任意の駆動方式のものを用いうる。
このような液晶表示装置は、積層光学フィルムを備える前記の照明装置を備えるので、輝度の向上、薄膜化及び軽量化の実現、色味の変化の低減、並びに、耐久性の向上といった効果を得ることができる。
また、照明装置が吸収型偏光子を備える場合には、この吸収型偏光子を、液晶表示装置の光源側偏光子の代わりに用いることができるので、前記の光源側偏光子は、省略することが可能である。したがって、液晶表示装置の製造時に光源側偏光子を取り付ける工程を省略することが可能であるので、液晶表示装置の製造方法を簡略化できる。
さらに、反射型直線偏光子の出射光の偏光度が十分に高い場合には、前記の吸収型偏光子を省略し、反射型直線偏光子を光源側偏光子として使用することが可能である。この場合、反射型直線偏光子の出射側には、光学補償層を設けてもよい。前記光学補償層は、液晶表示装置の駆動方式に応じて選択することができる。通常、光学補償層は、光源側偏光子と液晶セルとの間、及び、液晶セルと視認側偏光子との間の、一方に設けてもよく、両方に設けてもよい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中の条件において行った。
[評価方法の説明]
〔1.光学異方性層の波長分散特性の評価方法〕
各実施例及び比較例で得られた光学異方性層転写体の光学異方性層側の面に、コロナ処理を施した。また、ガラス基板の面に、コロナ処理を施した。光学異方性層転写体及びガラス基板を、コロナ処理を施した処理面同士で貼り合わせ、さらに基材フィルムを剥離した。これにより、光学異方性層を基材フィルムからガラス基板上に転写して、(光学異方性層)/(ガラス基板)の構成を有する光学特性評価体を得た。
前記の光学特性評価体上の光学異方性層の、波長450nmにおける面内レターデーションRe(450)、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)、及び、波長650nmにおける面内レターデーションRe(650)を、それぞれ測定した。測定には、位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いた。
測定の結果、Re(450)/Re(550)<1、かつ、Re(650)/Re(550)>1である場合、光学異方性層は逆波長分散特性を有すると判定した。
また、測定の結果、Re(450)/Re(550)>1、かつ、Re(650)/Re(550)<1である場合、光学異方性層は正波長分散特性を有すると判定した。
〔2.光学異方性層の残留モノマー割合の測定方法〕
各実施例及び比較例で用いた重合性液晶化合物を、溶媒としての1,3−ジオキソランに溶解し、様々な濃度の検量線作製用の溶液を得た。これらの溶液をHPLCに供し、検量線を作成した。
各実施例及び比較例で得られた光学異方性層転写体から、光学異方性層の10cm×10cm分を、スパチュラで削り取り、バイアルに入れ、秤量した。さらに、溶媒として1,3−ジオキソラン1gを入れ、24時間静置し、0.45μmフィルターで1回濾過することによって未反応モノマーを抽出して、抽出液を得た。得られた抽出液をHPLCにて分析し、測定結果を前記の検量線と対照することにより、光学異方性層における残留モノマー割合を求めた。
HPLCの条件は下記の通りとした。
カラム:LC1200(Agilent Technologies社製)
カラム温度:40℃
キャリア(水:アセトニトリル)
0min(水:アセトニトリル=5:95)から5min(水:アセトニトリル=0:100)まで直線濃度勾配、その後25min(水:アセトニトリル=0:100)
残留モノマーの流出時間:13.2min付近
〔3.輝度向上率の測定方法〕
各実施例及び比較例で得られた照明装置の輝度を、分光光度輝度計(トプコン社製「SR−3」)を用いて、出光面に対する極角0°〜45°(15°毎)の測定方向において測定した。前記の輝度の測定は、方位角0°〜315°の範囲で45°毎に行い、その測定値の平均を、各極角における輝度とした。その後、各極角において、下記の式(5)により、比較例1を基準とした輝度向上率を計算した。下記の式(5)において、「B」は各実施例及び比較例での輝度を表し、「BRef」は基準となる比較例1での輝度を表す。
輝度向上率[%] = 100×{(B/BRef)−1} (5)
〔4.色味の評価方法〕
各実施例及び比較例で得られた表示装置の色度を、分光光度輝度計(トプコン社製「SR−3」)を用いて、表示面に対する極角0°〜45°(15°毎)、方位角0°〜315°(45°毎)の測定方向において測定した。各方位角において、各実施例及び比較例の測定結果と、基準となる比較例1での測定結果とを比較し、比較例1での測定結果からの色度の変化を測定した。
また、各実施例及び比較例で得られた表示装置を目視で観察して、基準となる比較例1に対して着色の有無の心証を評価した。
これらの評価結果に基づき、下記表1に示す指標に従って、色味を判定した。
Figure 2017072786
〔5.光学異方性層のシワの評価方法〕
各実施例及び比較例で得られた積層光学フィルムに、温度80℃の乾燥雰囲気(湿度30%以下)で500時間静置する信頼性試験を行った。その後、積層光学フィルムの外観を目視で観察して、シワの発生の有無を評価した。そして、この評価結果に基づき、下記表2に示す指標に従って、光学異方性層のシワを判定した。
Figure 2017072786
〔6.光学異方性層の特性変化の評価方法〕
各実施例及び比較例で得られた光学異方性層転写体の光学異方性層側の面に、コロナ処理を施した。また、ガラス基板の面に、コロナ処理を施した。光学異方性層転写体及びガラス基板を、コロナ処理を施した処理面同士で貼り合わせ、さらに基材フィルムを剥離した。これにより、光学異方性層を基材フィルムからガラス基板上に転写して、(光学異方性層)/(ガラス基板)の構成の光学特性評価体を得た。
前記の光学特性評価体の光学異方性層の、波長590nmにおける面内レターデーションReを測定した。測定には、位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いた。
その後、光学特性評価体の光学異方性層側の面に、各実施例及び比較例の積層光学フィルムにおいて光学異方性層と反射型直線偏光子との貼り合わせに用いた接着剤を滴下し、脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる未延伸基材(日本ゼオン社製「ゼオノアフィルムZF16−100」)をラミネート貼合した。ここで、前記の未延伸基材は、無視できる程度に小さい面内レターデーションを有する、光学的に等方なフィルムであった。その後、未延伸基材側から100mJ/cm以上の紫外線を照射して、接着剤を硬化させて、(ガラス基板)/(光学異方性層)/(接着層)/(未延伸基材)の構成のサンプルフィルムを得た。硬化後の接着層の厚みは、3μm〜8μmであった。
前記のサンプルフィルムの光学異方性層の、波長590nmにおける面内レターデーションReを測定した。そして、下記式(6)により位相差低下率(%)を計算した。
位相差低下率[%] = {(Re−Re)/Re}×100 (6)
得られた位相差低下率(%)に基づき、下記の指標に従って、光学異方性層の特性変化を判定した。
○:位相差低下率が7%未満。
×:位相差低下率が7%以上。
〔7.接着層に含まれる樹脂のガラス転移温度及び貯蔵弾性率の測定方法〕
各実施例及び比較例の積層光学フィルムにおいて光学異方性層と反射型直線偏光子との貼り合わせに用いた接着剤を、脂環式構造含有重合体を含む樹脂の未延伸基材(日本ゼオン社製「ゼオノアフィルムZF16−100」)上に滴下し、更に別の前記未延伸基材をラミネート貼合した。その後、100mJ/cm以上の紫外線を照射し、接着剤を硬化させて、(未延伸基材)/(接着層)/(未延伸基材)の構成の積層体を得た。硬化後の接着層の厚みは、100μm程度であった。
こうして得られた接着層を未延伸基材より剥離し、熱分析装置(日立ハイテクサイエンス社製「EXSTAR DMS6100」)を用いて、接着層の貯蔵弾性率E’及び損失弾性率E”を測定し、両者の値より損失正接tanδを算出した。tanδのピーク値より、接着層に含まれる樹脂のガラス転移温度Tgを導出した。
〔8.接着層の厚みの測定方法〕
各実施例及び比較例で得られた積層光学フィルムの厚みを、デジタル厚み計(東洋精機社製「Thickness Meter B−1」)を用いて測定した。積層光学フィルムの厚みから、反射型直線偏光子及び光学異方性層の厚みを引くことにより、接着層の厚みを算出した。前記厚みは、幅方向において任意に数カ所測定を行い、その平均値とする。
[実施例1]
〔1−1.液晶組成物の製造〕
下記式(B1)で表される構造を有する重合性液晶化合物(B1)21.25部、光重合開始剤(BASF社製「Irgacure379EG」)0.64部、界面活性剤(ネオス社製「フタージェント601AD」)0.11部、並びに、溶媒としてシクロペンタノン39部及び1,3−ジオキソラン39部を混合して、液晶組成物を製造した。
Figure 2017072786
〔1−2.光学異方性層の形成〕
基材フィルムとして、脂環式構造含有重合体を含む樹脂からなる長尺の斜め延伸フィルム(日本ゼオン社製「ゼオノアフィルム」、脂環式構造含有重合体を含む樹脂のガラス転移温度(Tg)126℃、厚さ47μm、波長590nmにおける面内レターデーション141nm、延伸方向は幅方向に対して45°方向)を用意した。
前記の基材フィルム上に、前記の液晶組成物をダイコーターで塗布し、液晶組成物の層を形成した。その後、110℃オーブンで2分間乾燥させることにより、液晶組成物中の溶媒を蒸発させると同時に、重合性液晶化合物を基材フィルムの延伸方向に配向させた。その後、100mJ/cm以上の紫外線を照射して重合性液晶化合物を重合させることにより、液晶組成物の層を硬化させて、光学異方性層を形成した。これにより、基材フィルム及び光学異方性層を備える光学異方性層転写体を得た。前記の紫外線の照射は、窒素雰囲気下で行い、且つ基材フィルムを60℃のバックロールに密着させた状態で行った。
こうして得られた光学異方性層転写体を用いて、上述した方法により、光学異方性層の波長分散特性の評価、及び、光学異方性層の残留モノマー割合の測定を行った。
〔1−3.接着剤の製造〕
2−ヒドロキシブチルアクリレート(共栄社化学社製「ライトアクリレートHOB−A」)70部、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製「IBXA」)22部、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(共栄社化学社製「エポライト100MF」)5部、及び、光重合開始剤(BASF社製「Irgacure2959」)3部を混合し、十分に撹拌を行い、十分に脱泡を行って、紫外線硬化性の接着剤(A)を得た。
こうして得られた接着剤(A)を用いて、上述した方法により、この接着剤(A)を用いて形成される接着層に含まれる樹脂のガラス転移温度の測定を行った。
〔1−4.積層光学フィルムの製造〕
反射型直線偏光子(3M社製「Vikuiti(登録商標) Advanced Polarizer Film」)を用意した。この反射型直線偏光子と、前記の光学異方性層転写体の光学異方性層側の面とを、前記の接着剤(A)を介して貼り合わせた。貼り合わせは、反射型直線偏光子の反射直線偏光方向と、光学異方性層の遅相軸方向とが、厚み方向からみて45°の角度をなすように行った。その後、光学異方性層転写体側から100mJ/cm以上の紫外線を照射して接着剤(A)を硬化し、(反射型直線偏光子)/(接着層)/(光学異方性層転写体)の構成を有する中間積層体を得た。この中間積層体から基材フィルムを剥離して、(反射型直線偏光子)/(接着層)/(光学異方性層)の構成を有する積層光学フィルムを得た。硬化後の接着層の厚みを上述した方法で測定したところ、7μmであった。こうして得られた積層光学フィルムを用いて上述した方法により、光学異方性層のシワの評価を行った。
また、前記の光学異方性層転写体及び接着剤(A)を用いて、光学異方性層の特性変化の評価を行った。
〔1−5.ハードコート層の形成〕
五酸化アンチモンのメチルイソブチルケトンゾル(固形分濃度40%、触媒化成社製)83部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート15部、トリメチロールプロパントリアクリレート1.7部、及び、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン0.3部を混合し、紫外線硬化型のハードコート層形成液を得た。
前記の積層光学フィルムの光学異方性層側の面に、ハードコート層形成液をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で2分間乾燥させ、100mJ/cm以上の紫外線を照射することにより、厚み5μmのハードコート層を形成した。これにより、(反射型直線偏光子)/(接着層)/(光学異方性層)/(ハードコート層)の構成を有する積層光学フィルムを得た。
〔1−6.積層偏光板の製造〕
吸収型偏光子として、偏光フィルム(サンリッツ社製「HLC2−5618S」)を用意した。この偏光フィルムと、ハードコート層を備えた前記の積層光学フィルムの反射型直線偏光子側の面とを、接着剤(日東電工社製「CS9621T」)を介して貼り合わせた。この貼り合わせは、偏光フィルムの偏光透過軸と、積層光学フィルムの反射型直線偏光子の透過直線偏光方向とが、厚み方向から見て平行となるように行った。これにより、(吸収型偏光子)/(接着剤の層)/(反射型直線偏光子)/(接着層)/(光学異方性層)/(ハードコート層)の構成を有する積層偏光板を得た。
〔1−7.照明装置の製造〕
液晶表示装置(Apple社製「iPad Air」)を分解して、バックライトを取り出した。このバックライトは、出光面側より、(拡散シート)/(プリズムシート)/(プリズムシート)/(拡散シート)/(導光板及びLED発光装置を備える光源ユニット)/(反射シート)をこの順に備えていた。
このバックライトの拡散シート側に、前記の積層偏光板を配置することにより、(吸収型偏光子)/(接着剤の層)/(反射型直線偏光子)/(接着層)/(光学異方性層)/(ハードコート層)/(拡散シート)/(プリズムシート)/(プリズムシート)/(拡散シート)/(導光板及びLED発光装置を備える光源ユニット)/(反射シート)を備える照明装置を得た。
この照明装置を用いて、上述した方法により、輝度向上率を測定した。
〔1−8.表示装置の製造〕
液晶表示装置(Apple社製「iPad Air」)を分解して、バックライト及び液晶パネルを取り出した。バックライトは、出光面側より、(拡散シート)/(プリズムシート)/(プリズムシート)/(拡散シート)/(導光板及びLED発光装置を備える光源ユニット)/(反射シート)をこの順に備えていた。
液晶パネルの光源側偏光板に貼り合わせられていた反射型直線偏光子を剥離し、代わりに、前記工程〔1−5〕で得た積層光学フィルムを接着剤(日東電工社製「CS9621T」)を介して貼り合わせた。この貼り合わせは、積層光学フィルムがその反射型直線偏光子側の面で液晶パネルに貼り合わせられるように行った。その後、積層光学フィルムを貼り合わせた液晶パネルとバックライトとを組み合わせて、表示装置を得た。
この表示装置を用いて、上述した方法により、色味の評価を行った。
[実施例2]
2−ヒドロキシブチルアクリレート(共栄社化学社製「ライトアクリレートHOB−A」)7部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(日立化成社製「ファンクリルFA−512AS」)40部、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(共栄社化学社製「エポライト100MF」)50部、及び、光重合開始剤(BASF社製「Irgacure2959」)3部を混合し、十分に撹拌を行い、十分に脱泡を行って、紫外線硬化性の接着剤(B)を得た。
こうして得られた接着剤(B)を用いて、上述した方法により、この接着剤(B)を用いて形成される接着層に含まれる樹脂のガラス転移温度の測定を行った。
前記工程〔1−2〕において、液晶組成物の層を硬化させるための紫外線の照射の際に基材フィルムを支持するバックロールの温度を45℃に変更した。また、前記工程〔1−4〕において、接着剤(A)の代わりに前記の接着剤(B)を使用し、硬化後の接着層の厚みを6.5μmに変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、照明装置及び表示装置の製造及び評価を行った。
[実施例3]
前記工程〔1−4〕において、接着剤(A)の代わりに実施例2で製造した接着剤(B)を使用し、硬化後の接着層の厚みを3μmに変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、照明装置及び表示装置の製造及び評価を行った。
[実施例4]
2−ヒドロキシブチルアクリレート(共栄社化学社製「ライトアクリレートHOB−A」)88部、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製「IBXA」)7部、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(共栄社化学社製「エポライト100MF」)2部、及び、光重合開始剤(BASF社製「Irgacure2959」)3部を混合し、十分に撹拌を行い、十分に脱泡を行って、紫外線硬化性の接着剤(C)を得た。
こうして得られた接着剤(C)を用いて、上述した方法により、この接着剤(C)を用いて形成される接着層に含まれる樹脂のガラス転移温度を測定した。
前記工程〔1−2〕において、液晶組成物の層を硬化させるための紫外線の照射の際に基材フィルムを支持するバックロールの温度を25℃に変更した。また、前記工程〔1−4〕において、接着剤(A)の代わりに前記の接着剤(C)を使用し、硬化後の接着層の厚みを12μmに変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、照明装置及び表示装置の製造及び評価を行った。
[実施例5]
前記工程〔1−2〕において、液晶組成物の層を硬化させるための紫外線の照射の際に基材フィルムを支持するバックロールの温度を45℃に変更した。また、前記工程〔1−4〕において、接着剤(A)の代わりに実施例4で製造した接着剤(C)を使用し、硬化後の接着層の厚みを1.6μmに変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、照明装置及び表示装置の製造及び評価を行った。
[比較例1]
積層偏光板の代わりに、実施例1で用いたのと同様の反射型直線偏光子(3M社製「Vikuiti(登録商標) Advanced Polarizer Film」)を用いたこと以外は実施例1の工程〔1−7〕と同様にして、(反射型直線偏光子)/(拡散シート)/(プリズムシート)/(プリズムシート)/(拡散シート)/(導光板及びLED発光装置を備える光源ユニット)/(反射シート)を備える照明装置を得た。この照明装置の輝度を測定し、他の実施例及び比較例の輝度向上率を測定する基準とした。
また、積層光学フィルムの代わりに、実施例1で用いたのと同様の反射型直線偏光子(3M社製「Vikuiti(登録商標) Advanced Polarizer Film」)を用いたこと以外は実施例1の工程〔1−8〕と同様にして、表示装置を得た。この表示装置の色度の測定及び着色の観察を行って、他の実施例及び比較例の色味を評価する基準とした。
[比較例2]
前記工程〔1−4〕において、接着剤(A)の代わりに接着剤(日東電工社製「CS9621T」)を使用して、反射型直線偏光子と光学異方性層転写体との貼り合わせを行った。この接着剤(日東電工社製「CS9621T」)は、硬化が不要な粘着性の接着剤(粘着剤)であったので、接着剤を硬化させる処理は行わなかった。また、この接着剤(日東電工社製「CS9621T」)によって形成される接着層の厚みを、20μmに変更した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、照明装置及び表示装置の製造及び評価を行った。
[比較例3]
前記工程〔1−2〕において、液晶組成物の層を硬化させるための紫外線の照射の際に基材フィルムを支持するバックロールの温度を20℃に変更した。また、前記工程〔1−4〕において、接着剤(A)の代わりに実施例2で製造した接着剤(B)を使用した。以上の事項以外は実施例1と同様にして、照明装置及び表示装置の製造及び評価を行った。
[比較例4]
重合性液晶化合物(BASF社製「LC242」)21.25部、界面活性剤(ネオス社製「フタージェントFTX−209F」)0.11部、重合開始剤(BASF社製「IRGACURE379」)0.64部、及び、溶媒としてメチルエチルケトン78.00部を混合して、液晶組成物を製造した。
前記工程〔1−2〕において使用する液晶組成物の種類を、本比較例4で製造した前記の液晶組成物に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、照明装置及び表示装置の製造及び評価を行った。
[結果]
前記の実施例及び比較例の結果を、下記の表3に示す。下記の表3において、略称の意味は、下記の通りである。
逆分散:逆波長分散特性。
正分散:正波長分散特性。
Re:光学異方性層の測定波長590nmにおける面内レターデーション。
残留モノマー割合:光学異方性層に含まれる重合性液晶化合物の割合。
UV接着:紫外線硬化型の接着剤。
粘着:硬化が不要な粘着性の接着剤。
Tg:積層光学フィルムにおいて光学異方性層と反射型直線偏光子とを貼り合わせる接着層が含む接着樹脂のガラス転移温度。
Figure 2017072786
100 積層光学フィルム
110 光学異方性層
120 接着層
130 反射型直線偏光子
210 基材フィルム
220 液晶組成物の層
310 バックロール
320 光源
400 積層光学フィルム(積層偏光板)
410 ハードコート層
420 吸収型偏光子
500 照明装置
510 反射板
520 光源
530 変換部材

Claims (5)

  1. 光学異方性層、接着層及び反射型直線偏光子を、この順に備える、積層光学フィルムであって、
    前記光学異方性層が、108nm〜168nmの面内レターデーションを有し、
    前記光学異方性層の遅相軸方向と前記反射型直線偏光子の反射直線偏光方向とがなす角度が、45°±10°であり、
    前記光学異方性層が、逆波長分散特性を有し、
    前記光学異方性層が、重合性液晶化合物を含む組成物を硬化した硬化物からなり、
    前記光学異方性層における前記重合性液晶化合物の割合が、25重量%以下であり、
    前記接着層が、−20℃以上のガラス転移温度を有する樹脂からなり、
    前記接着層の厚みが、15μm以下である、積層光学フィルム。
  2. ハードコート層、前記光学異方性層、前記接着層、前記反射型直線偏光子、及び、吸収型偏光子を、この順に備える、請求項1記載の積層光学フィルム。
  3. 請求項1又は2記載の積層光学フィルムを備える、照明装置。
  4. 前記積層光学フィルムの前記光学異方性層側に、前記反射型直線偏光子によって反射された光の偏光方向を変換しうる部材を備える、請求項3記載の照明装置。
  5. 請求項3又は4記載の照明装置を備える、表示装置。
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