JP2008032978A - 背面投射型スクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】画面の明るさとその均一性に優れ、視野角も広く、しかも奥行きの小さい大型ディスプレイを実現できる背面投射型スクリーンを提供する。
【解決手段】光散乱フィルムと、その背面側に配置されたフレネルレンズとから、背面投射型スクリーンを構成する。該光散乱フィルムは、曇価に角度依存性がある光制御膜からなり、法線方向から光を入射させたときの出射光分布において、強度の最大値の半分以上の強度を示す出射角度範囲が、法線方向を含んで60°以上にわたるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、背面投射型スクリーンに関するものである。
背面投射型ディスプレイの例を図1に基づいて説明する。この図に示すように、背面投射型ディスプレイ1は、光源ユニット3からの光を、画像表示ユニット4、さらに投射レンズ5を通してミラー6に当て、そこで反射させてスクリーン7に背面から画像を投射するものである。画像表示ユニット4には、液晶パネルや陰極線管(CRT)などが用いられる。また、画像表示ユニットからの画像を直接スクリーンに投射する方式もある。
このような背面投射型ディスプレイのスクリーン7には、通常、フレネルレンズとレンチキュラーレンズを組み合わせたものが用いられているが、一般に画面が暗いという問題を有している。また、フレネルレンズとレンチキュラーレンズのピッチに起因するモアレ模様が画面に発生し易いという問題も有している。
これらの問題を解消するため、曇価に角度依存性がある光制御膜(例えば特許文献1〜8参照)を、背面投射型スクリーンに適用することが、いくつか提案されている(例えば特許文献9〜15参照)。また、その際、光散乱角度域が広い光制御膜を用いたり、複数枚の光制御膜を積層したりして、視野角を広げることも提案されている。
特開昭63−309902号公報(特公平7−58361号公報) 特開昭64−40905号公報(特許第2547419号公報) 特開昭64−77001号公報(特許第2691543号公報) 特開平2−67501号公報(特許第2702521号公報) 特開平2−54201号公報(特許第2782200号公報) 特開平3−107901号公報(特許第2822065号公報) 特開平3−107902号公報(特許第2782250号公報) 特開平6−11606号公報(特許第3211381号公報) 特開平3−127039号公報 特開平3−127042号公報(特許第2838295号公報) 特開平3−200949号公報 特開平4−77728号公報 国際公開第2004/034145号パンフレット 特開2005−316354号公報 特開2005−331631号公報
上記の如く光制御膜を背面投射型スクリーンに適用すれば、明るく、モアレ模様の発生もない画面が得られるようになり、視野角も広げられるが、画面の明るさの均一性が必ずしも十分でないという問題がある。また、法線方向から大きく離れた角度で入射する光を十分に散乱させることが難しいため、投射距離(光源からスクリーンまでの距離)が短いと、画面の周辺部の明るさが低下し易くなる。そのため、特に大型ディスプレイに適用する場合には、光の入射角度を法線方向に近づけるべく、投射距離を長くする必要があり、ディスプレイの奥行きが大きくなるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、画面の明るさとその均一性に優れ、視野角も広く、しかも奥行きの小さい大型ディスプレイを実現できる背面投射型スクリーンを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、光制御膜からなる所定の光散乱特性を有する光散乱フィルムの背面側に、フレネルレンズを配置することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、光散乱フィルムと、その背面側に配置されたフレネルレンズとからなる背面投射型スクリーンであって、該光散乱フィルムは、曇価に角度依存性がある光制御膜からなり、法線方向から光を入射させたときの出射光分布において、強度の最大値の半分以上の強度を示す出射角度範囲が、法線方向を含んで60°以上にわたることを特徴とする背面投射型スクリーンを提供するものである。
本発明の背面投射型スクリーンによれば、画面が均一で明るく、広視野角で奥行きの小さい大型ディプレイを容易に得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の背面投射型スクリーンは、光散乱フィルムの背面側(光源側、裏側)に、フレネルレンズが配置されてなるものである。フレネルレンズを光散乱フィルムの背面側に配置することにより、法線方向から大きく離れた角度で入射する光でも、フレネルレンズにより法線方向に曲げて、光散乱フィルムに入射させることができるので、投射距離を長くする必要がなく、ディスプレイの奥行きを小さくすることができる。
フレネルレンズは、通常のレンズから光が直進する部分を取り去り、光が屈析する傾斜面のみを同心円状、あるいは平行に並べた平板状のレンズであり、従来のフレネルレンズとレンチキュラーレンズを組み合わせた背面投射型スクリーンの他、投光器、カメラのフラッシュ等にも用いられている。
そして、本発明では、上記光散乱フィルムとして、法線方向から光を入射させたときの出射光分布において、強度の最大値の半分以上の強度を示す出射角度範囲が、換言すれば出射光ピークの半値幅が、法線方向を含んで60°以上、好ましくは法線方向を中心に60°以上にわたるものを用いる。このような所定の光散乱特性を有する光散乱フィルムを用いることにより、フレネルレンズから出射する法線方向からの入射光を、法線方向を含む広い角度範囲に均一に散乱透過させることができるので、スクリーンの真正面を含む広い角度範囲で、明るく均一な画面を観視でき、大型のディスプレイ用のスクリーンとして特に有利である。なお、上記出射角度範囲は、法線方向を中心に60°以上にわたるのが好ましい。また、上記出射角度範囲は、あまり広いと画面全体が暗くなり易いので、120°以下であるのが好ましい。
また、上記光散乱フィルムとしては、法線方向を中心に40°、さらには法線方向を中心に60°の角度範囲にある任意の方向から光を入射させたときの出射光分布において、強度の最大値の半分以上の強度を示す出射角度範囲が、法線方向を含んで60°以上にわたるものが好ましい。このように、法線方向のみならず、法線方向から最大±20°、さらには法線方向から最大±30°ずれた入射光でも、法線方向を含む広い角度範囲に均一に散乱透過させることができる光散乱フィルムを用いることにより、スクリーンの真正面を含む広い角度範囲で、明るく均一な画面を観視できるのみならず、従来のフレネルレンズとレンチキュラーレンズを組み合わせた背面投射型スクリーンのように、フレネルレンズからの出射光が厳密に法線方向に一致する必要はないので、フレネルレンズの加工に高い精度は要求されず、また厳密な位置合わせも要求されず、通常のフレネルレンズやリニアフレネルレンズ等を用いて、容易にスクリーンを構成することができる。
上記の光散乱フィルムは、曇価に角度依存性がある光制御膜から構成される。光制御膜における曇価の角度依存性は、次のようにして測定される。すなわち、図2に示す如く、光制御膜の試験片8への入射光の角度θを0〜180°の間で変化させて、それぞれの角度毎に曇価を測定すると、特定の角度範囲では入射光が散乱して高い曇価を示し、それ以外の角度範囲では入射光が基本的に直進透過して低い曇価を示す。そして、この高い曇価を示す角度範囲を、本明細書では光散乱角度域と呼ぶこととする。
なお、角度θは、試験片8の面と平行な方向を0°とし、試験片8の法線方向を90°とする値であり、試験片8の回転は、曇価の角度依存性が最大となる方向に行う。図中にあるAとBは、左の図(試験片8に垂直方向から光を入射する場合:θ=90°)と右の図(試験片8に斜め方向から光を入射する場合)とで、試験片8の対応する部分がわかるように付した符号である。
また、曇価は、積分球式光線透過率測定装置を用いて、光制御膜の全光線透過率及び拡散透過率を測定し、下式により求められる値である。
Figure 2008032978
このような光制御膜は、屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能な化合物を含有する組成物を膜状に形成し、そこに特定方向から光を照射して硬化させることにより、好適に製造できる。光制御膜の製造に用いられる光重合可能な化合物は、分子内に、アクリロイル基〔CH2=CHCO-〕、メタクリロイル基〔CH2=C(CH3)CO-〕、ビニル基〔CH2=CH- 〕、アリル基〔CH2=CHCH2-〕などの重合可能な基を少なくとも1個有する化合物であり、各種モノマーないしオリゴマーが使用できる。
モノマーとしては例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、アクリロイルオキシエチルフタレート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレートや、これらの単官能性アクリレートに対応するメタクリレート、さらには、N−ビニルピロリドン、トリアリルイソシアヌレート、ジエチレングリコールジアリルカーボネート、ジアリリデンペンタエリスリトールなどが挙げられる。
また、オリゴマーとしては例えば、ポリエステルアクリレート、ポリオールポリアクリレート、変性ポリオールポリアクリレート、イソシアヌル酸骨格のポリアクリレート、メラミンアクリレート、ヒダントイン骨格のポリアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートや、これらの多官能性アクリレートに対応するメタクリレートなどが挙げられる。
これらの光重合可能な化合物は、少なくとも2種類の混合物からなる組成物として用いられる。この際、屈折率に差があるものを選択する。屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能な化合物を混合した組成物に所定方向から光を照射して硬化させることで、光を散乱する領域、すなわち光散乱角度域が形成される。この組成物は、それを構成する複数の化合物相互の溶解性とそれぞれの屈折率差によって、曇価の角度依存性を発現するものであり、相溶性があまり良くない組合せで屈折率差が大きく、かつ反応速度が異なる場合に、光の散乱する度合い、すなわち曇価が大きくなる。この屈折率差は、0.01以上、とりわけ0.04以上であるのが好ましい。
この組成物には通常、硬化性を向上させるために光重合開始剤が混合されて、光重合に供される。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。
このような、屈折率に差がある少なくとも2種類の化合物を含有する光硬化性組成物を基板上に塗布するか、又はセル中に封入して膜状とし、棒状光源より光を照射しながら徐々に硬化させる。ここで光の強さ、照射角度、照射時間などを適宜選択することで、入射光が選択的な角度域で散乱し、他の角度域では直進透過する、すなわち曇価に角度依存性がある光制御膜が得られる。
硬化に用いる光は、この組成物を硬化させるものであればどのような波長を有していてもよく、例えば、可視光、紫外線などがよく用いられる。紫外線は、水銀ランプやメタルハライドランプなどから発せられるが、棒状のランプを用いた場合には、その照射条件を調節することにより、生成した光硬化膜が光源の長軸と短軸方向に対して異方性を示し、光源の長軸方向を軸として回転させた場合にのみ、特定角度の光を散乱するようになる。散乱の度合い及び選択的に散乱する入射光の角度は、使用する組成物及び照射条件によって調節することができ、特に硬化時に、膜状組成物試料面に対する照射光の入射角度を変えることによって、硬化した膜に入射する光が膜から出射する際に散乱又は直進透過する膜面との角度域が制御できる。
光硬化の際、光の照射方向を中心に光散乱角度域が発現する。例えば、光硬化性組成物から形成された膜面にほぼ垂直に光を照射すれば、当該垂直方向、すなわち法線方向を中心に、光散乱角度域が発現するし、法線方向に対して所定角度傾いた斜め方向から光を照射すれば、その傾いた方向を中心に、光散乱角度域が発現する。
光硬化性組成物膜に対して垂直方向から光を照射する場合の例を、図3に基づいて説明する。図3の(A)は、光硬化性組成物膜に対して垂直方向から光を照射する場合に採用しうる装置の一例を模式的に示す側面図であり、同(B)は、その装置の斜視図である。この装置は、白抜き矢印方向に移動するコンベア10と、その上方に配置され、コンベアの幅方向にわたってスリット13が形成された遮光板12と、さらにその上方に所定距離隔てて配置された棒状の光源ランプ15とで構成されている。スリット13は、光源ランプ15の長さ方向と一致するように形成されている。そして、光硬化性組成物膜が形成された基板20をコンベア10上に載置し、一定速度で移動させながら、光源ランプ15からの光を遮光板12のスリット13を介して光硬化性組成物膜に照射すれば、該組成物膜には垂直方向の光が中心となってあたるので、垂直方向(法線方向)に屈折率の異なる相が交互に形成され、その方向を中心に光散乱角度域が発現することになる。スリット13の幅や棒状の光源ランプ15から光硬化性組成物膜までの距離、光硬化性組成物膜の厚さ、照射光量、照射光の波長などを制御することにより、曇価が大きくなる角度範囲、すなわち光散乱角度域の広狭が制御できる。
次に、光硬化性組成物膜に対して斜め方向から光を照射する場合の例を、図4に基づいて説明する。図4の(A)は、光硬化性組成物膜に対して斜め方向から光を照射する場合に採用しうる装置の一例を模式的に示す側面図であり、同(B)は、その装置の斜視図である。この装置は、白抜き矢印方向に移動するコンベア10と、その上方で所定位置を覆う遮光板12と、さらにその上方に所定距離隔てて配置された棒状の光源ランプ15とで構成されている。この例における遮光板12は、その端部が光源ランプ15の直下からコンベア10の進行方向側へ少しはみ出している。そして、光硬化性組成物膜が形成された基板20をコンベア10上に載置し、一定速度で移動させながら、光源ランプ15からの光を遮光板12側に向けて照射すれば、所定の角度αをもった光が中心となって光硬化性組成物膜にあたるので、この光の入射方向に屈折率の異なる相が交互に形成され、その方向を中心に光散乱角度域が発現することになる。光照射角度αを変化させることにより、光散乱角度域の中心値を変化させることができ、また、光源ランプ15から光硬化性組成物膜までの距離や光硬化性組成物膜の厚さ、照射光量、照射光の波長などを制御することにより、曇価が大きくなる角度範囲、すなわち光散乱角度域の広狭が制御できる。
こうして得られる光制御膜は、60%以上の曇価を示す光散乱角度域が30°以上にわたるものであるのが好ましい。そして、こうして得られる光制御膜を、1枚単独で又は複数枚積層して、光散乱フィルムとして用いる。その際、得られる光散乱フィルムが、前記所定の光散乱特性を示すように、すなわち、法線方向から光を入射させたときの出射光分布において、強度の最大値の半分以上の強度を示す出射角度範囲が、法線方向を含んで60°以上にわたるようにするためには、通常、該出射角度範囲が光制御膜の光散乱角度域とよく一致し、また、該出射角度範囲を与える入射光の角度範囲が光制御膜の光散乱角度域とよく一致することから、光制御膜を1枚単独で用いる場合は、その光散乱角度域が、法線方向を含み、60°以上にわたるものを用いればよく、光制御膜を複数枚積層して用いる場合は、その積層体としての光散乱角度域が、法線方向を含み、60°以上にわたるものを用いればよい。
光制御膜を複数枚積層して光散乱フィルムを構成する場合、複数枚の光制御膜のうち2枚は、光散乱角度域が延在する方向が互いにほぼ直交するように積層されていてもよく、これにより、スクリーンの左右方向(水平方向)及び上下方向(鉛直方向)の両方向の視野角を確保することができる。一方、得られる光散乱フィルムが、前記所定の光散乱特性を示すようにするには、複数枚の光制御膜のうち2枚は、光散乱角度域が法線方向に対して偏った向きにあり、光散乱角度域が延在する方向が互いにほぼ平行で、かつ光散乱角度域が法線方向を中心に互いに逆向きとなるように積層されているのが好ましい。ここで、該2枚の光制御膜は、光散乱角度域が互いに重なりを有しているのが好ましく、この重なった領域が法線方向を含んでいるのがより好ましい。また、該2枚の光制御膜に対して、光散乱角度域の中心が法線方向にほぼ一致してしるさらに別の1枚の光制御膜が、光散乱角度域が延在する方向がほぼ平行になるように積層されているのが好ましい。なお、本明細書において、「ほぼ直交」とか「ほぼ平行」とか「ほぼ一致」とかいうときの「ほぼ」は、そこに記載の配置(直交、平行又は一致)を中心に、±10°程度までは許容されることを意味する。
上記の如く、複数枚の光制御膜を、光散乱角度域が延在する方向が互いにほぼ平行になるように積層して、光散乱フィルムを得る例を、図5に基づいて説明する。この例では、第一の光制御膜21が、法線方向からやや右側に偏った向きに角度βの範囲で60%以上の曇価を示すものとする。一方、第二の光制御膜22は、法線方向からやや左側に偏った向きに角度βの範囲で60%以上の曇価を示すものとする。そして、これらの角度βが光散乱角度域に相当し、紙面に垂直な方向に延在している。第二の光制御膜22は、第一の光制御膜21の向きを逆にした状態(この図では左右を反転させた状態)に相当する。これら2枚の光制御膜21,22をこの向きのまま積層すれば、それぞれの光散乱角度域βよりも広い角度γの範囲で60%以上の曇価を示すものとなる。
また、第三の光制御膜23は、法線方向を中心に角度δの範囲で60%以上の曇価を示すものとし、この角度δが光散乱角度域に相当し、紙面に垂直な方向に延在している。そして、先の2枚の光制御膜21,22からなる積層体に対し、さらにこの第三の光制御膜23が、光散乱角度域β及びγの方向が互いに平行になるように積層される。
このとき、第一の光制御膜21の光散乱角度域と第二の光制御膜22の光散乱角度域βとが、互いに5°以上の重なりを有していると、スクリーン正面でさらに明るい画像を得ることができ、有利である。一方で、2枚の光散乱角度域が重なる領域をあまり大きくすると、積層体としての光散乱角度域が狭くなり、ひいては光散乱フィルムの前記出射角度範囲が60°に満たないことになって、視野角や明るさの均一性を損ねるので、2枚重ねたときに光散乱角度域の重なる領域及び重ならない領域が合計で60°以上存在するように、光制御膜を選択するのがよい。
また、第一の光制御膜21の光散乱角度域と第二の光制御膜22の光散乱角度域とが、法線方向を中心に互いに対称であると、スクリーンの右側と左側又は上側と下側で視認特性が同一となり、有利である。
なお、図5では、第一の光制御膜21と第二の光制御膜22の上に、第三の光制御膜23を積層する場合を例に説明したが、それらの積層順序は任意であり、例えば、第一の光制御膜21と第二の光制御膜22の下に第三の光制御膜23を積層してもよいし、第一の光制御膜21と第二の光制御膜22の間に第三の光制御膜23を挿入してもよい。また、図5では、2枚の光制御膜21,22が同じ種類のもので、光散乱角度域も同じであることを前提に説明したが、異なる種類で光散乱角度域も異なるものを用いてもよい。
こうして得られる光散乱フィルムは、その背面側にフレネルレンズが配置され、背面投射型スクリーンとして用いられるが、その際、界面での多重反射防止のため、フレネルレンズの溝を外側にして、光散乱フィルムに密着貼合し、これを用いるのが好ましい。
本発明の背面投射型スクリーンは、光散乱フィルムとフレネルレンズの貼合一体品を、透明ガラスや透明プラスチック等の透明基材表面に被着させたり、複数の基材の間に介挿させたりして、構成することもできる。また、磨りガラスや、フィラー添加量が比較的少なく、光拡散性を低下させて全光線透過率を高めた光拡散板に、上記のスクリーンを積層して用いることにより、光拡散性に優れ、かつ全光線透過率の高い背面投射型スクリーンとして用いることもできる。光制御膜を形成させる際に用いる基板を、そのまま、上記した透明又は光拡散性の基材とすることもできる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す部は、重量基準である。
参考例1
平均分子量約3,000のポリプロピレングリコールと、該ポリプロピレングリコール2モルあたり、0.3モルのトルエンジイソシアネート、2.7モルのヘキサメチレンジイソシアネート及び2モルの2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応によって得たポリエーテルウレタンアクリレート(屈折率1.460)40部に対して、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート(屈折率1.6以上)30部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(屈折率1.526)30部及び2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン1.5部を添加混合した光硬化性組成物を、フィルム状の透明ポリエチレンテレフタレート基材(以下、PET基材という)上に約220μmの厚さで塗布した。その塗膜の上方80cmの位置に、313nmの紫外線を選択的に透過する干渉フィルターをつけた80W/cmの棒状高圧水銀ランプを固定し、塗膜全面に光が垂直にあたるようにスリットをつけた遮光板を介して、1m/分の速度で塗膜付きPET基材を横方向へ移動させつつ光照射し(図3参照)、光制御膜(1)を得た。この光制御膜(1)について、積分球式光線透過率測定装置〔ガードナー社のヘイズガードプラス4725〕を用い、入射光の角度を膜面に対し0〜180°の間で変化させて、曇価を測定した結果、60%以上の曇価を示す光散乱角度域は、66〜114°の範囲(中心90°、幅48°)であった。
参考例2
高圧水銀ランプの光が塗膜の法線方向から25°の角度で照射されるようにした(図4参照)以外は、参考例1と同様に操作して、光制御膜(2)を得た。この光制御膜(2)について、参考例1と同様に曇価を測定した結果、60%以上の曇価を示す光散乱角度域は、80〜130°の範囲(中心105°、幅50°)であった。
参考例3
参考例1で得た光制御膜(1)2枚と参考例2で得た光制御膜(2)2枚を用い、まず1枚の光制御膜(1)〔以下、この光制御膜(1)を基準の光制御膜(1)という〕の上に、2枚の光制御膜(2)を、基準の光制御膜(1)に対して光散乱角度域が延在する方向が平行となるように、かつ2枚の光制御膜(2)の光散乱角度域が互いに法線方向を中心に逆向きとなるように積層し、さらにその上に、別の1枚の光制御膜(1)を、基準の光制御膜(1)に対して光散乱角度域が延在する方向が直交するように積層して、光散乱フィルムを得た。この光散乱フィルムを、基準の光制御膜(1)側が入射光側となるように、かつ基準の光制御膜(1)の光散乱角度域が延在する方向が鉛直方向となるように配置し、ゴニオフォトメーター(変角光度計;日本電色株式会社のGC5000L)を用いて、入射光の角度をフィルム面に対し水平方向に50〜130°の間で変化させて、出射光の強度をフィルム面に対し水平方向に30〜150°の範囲で測定した。入射角度が50°、60°、70°、80°、90°、100°、110°、120°及び130°の場合において、横軸に出射角度を取り、縦軸に出射光の強度を取ってプロットし、各グラフを表1に示すと共に、強度の最大値の半分以上の強度を示す角度範囲とその幅を表1に示した。
Figure 2008032978
実施例1
参考例3で得た光散乱フィルムを、基準の光制御膜(1)側で、フレネルレンズと貼合し、スクリーンを作製した。このスクリーンを、フレネルレンズ側が背面側(光源側)となるように、かつ基準の光制御膜(1)の光散乱角度域が延在する方向が鉛直方向となるように、リアプロジェクションテレビ(ソニー株式会社のKDF42HD900;42インチ)に装着し(スクリーン取り替え)、画面の明るさを目視で評価した。画面中心からの距離1.8mで、正面、右斜め20°、上斜め20°それぞれの方向から観察した結果、いずれも場合も画面全体が明るく観察された。
比較例1
参考例3で得た光散乱フィルム(1)を、フレネルレンズと貼合することなく、そのままスクリーンとして用いて、実施例1と同様に評価した。画面中心からの距離1.8mで、正面、右斜め20°、上斜め20°それぞれの方向から観察した結果、正面からの場合は左右の両端が、右斜めからの場合は左側半分が、上斜めからの場合は下側半分が、それぞれ暗く観察され、全体として画面の明るさの均一性は不十分であった。
背面投射型ディスプレイの例を概略的に示す縦断面図である。 曇価の角度依存性の測定方法を説明するための図である。 光硬化性組成物塗膜に対して垂直方向から光を照射する場合の装置の例を示す側面図(A)と斜視図(B)である。 光硬化性組成物塗膜に対して斜め方向から光を照射する場合の装置の例を示す側面図(A)と斜視図(B)である。 光制御膜を積層して光散乱フィルムを得る場合の例を模式的に説明する縦断面図である。
符号の説明
1……背面投射型ディスプレイ、
3……光源ユニット、
4……画像表示ユニット、
5……投射レンズ、
6……ミラー、
7……スクリーン、
8……曇価を測定する試験片、
10……コンベア、
12……遮光板、
13……遮光板に設けられたスリット、
15……棒状の光源ランプ、
20……光硬化性組成物膜が形成された基板、
21,22,23……光制御膜。

Claims (9)

  1. 光散乱フィルムと、その背面側に配置されたフレネルレンズとからなる背面投射型スクリーンであって、
    該光散乱フィルムは、曇価に角度依存性がある光制御膜からなり、法線方向から光を入射させたときの出射光分布において、強度の最大値の半分以上の強度を示す出射角度範囲が、法線方向を含んで60°以上にわたることを特徴とする背面投射型スクリーン。
  2. 光散乱フィルムは、法線方向を中心に40°の角度範囲にある任意の方向から光を入射させたときの出射光分布において、強度の最大値の半分以上の強度を示す出射角度範囲が、法線方向を含んで60°以上にわたる請求項1に記載のスクリーン。
  3. 光制御膜は、屈折率に差がある少なくとも2種類の光重合可能な化合物を含有する組成物の膜に、光を照射して硬化させてなる請求項1又は2に記載のスクリーン。
  4. 光制御膜は、その表面に対して0〜180°の角度で光を入射させたときに、60%以上の曇価を示す光散乱角度域が30°以上にわたる請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーン。
  5. 光散乱フィルムは、複数枚の光制御膜が積層されてなる請求項1〜4のいずれかに記載のスクリーン。
  6. 複数枚の光制御膜のうち2枚は、光散乱角度域が延在する方向が互いにほぼ直交するように積層されている請求項5に記載のスクリーン。
  7. 複数枚の光制御膜のうち2枚は、光散乱角度域が法線方向に対して偏った向きにあり、光散乱角度域が延在する方向が互いにほぼ平行で、かつ光散乱角度域が法線方向を中心に互いに逆向きとなるように積層されている請求項5又は6に記載のスクリーン。
  8. 前記2枚の光制御膜は、光散乱角度域が互いに重なりを有している請求項7に記載のスクリーン。
  9. 光散乱角度域の中心が法線方向にほぼ一致してしるさらに別の1枚の光制御膜が、前記2枚の光制御膜に対して、光散乱角度域が延在する方向がほぼ平行になるように積層されている請求項7又は8に記載のスクリーン。
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