JP2013156373A - 反射スクリーンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コントラストの高い良好な映像を表示でき、容易に製造可能な反射スクリーンの製造方法を提供する。
【解決手段】反射スクリーン10は、レンズ面132と非レンズ面133とを有し背面側に凸となる単位レンズ131が複数配列されたフレネルレンズ形状を有するレンズ層13と、少なくともレンズ面132の一部に形成される反射層12とを有し、この反射スクリーン10の製造方法は、単位レンズ131が複数配列されたフレネルレンズ形状を一方の面に有するレンズ層13を形成するレンズ層形成工程と、レンズ面132及び非レンズ面133に、蒸着により反射層12Aを形成する反射層形成工程と、少なくとも非レンズ面133に形成された反射層12Aを除去する反射層除去工程とを備えるものとした。
【選択図】図4

Description

本発明は、投射された映像光を反射して表示する反射スクリーンの製造方法に関するものである。
近年、反射スクリーンに映像を投射する映像源として、至近距離から比較的大きな入射角度で映像光を投写して大画面表示を実現する短焦点型の映像投射装置(プロジェクタ)等が広く利用されている。このような短焦点型の映像投射装置は、反射スクリーンに対して、上方又は下方から従来の映像源よりも大きな入射角度で投射することができ、反射スクリーンを用いた映像表示システムの省スペース化等に寄与している。
このような短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するために、単位レンズが複数配列されて形成されたリニアフレネルレンズ形状やサーキュラーフレネルレンズ形状を有するレンズ層の表面に反射層を形成した反射スクリーン等が様々に開発されている(例えば、特許文献1,2)。
特開平8−29875号公報 特開2008−76523号公報
上述のような反射スクリーンでは、映像光の反射に寄与しない非レンズ面等にも反射層が形成されている場合、照明光等の不要な外光が反射スクリーンに入射した際に、非レンズ面等に形成された反射層で反射して観察者側に到達し、映像のコントラストが低下する等といった問題があった。
従って、コントラストの向上を図るために、映像光の反射に寄与するレンズ面には反射層を形成し、映像光の反射に寄与しない領域には反射層を形成しないようにすることが求められる。しかし、単位レンズは、非常に微小であるため、そのような反射層の形成は困難であった。
上述の特許文献1,2には、映像光の反射に寄与するレンズ面にのみ反射層を形成する方法については、開示されていない。
本発明の課題は、コントラストの高い良好な映像を表示でき、容易に製造可能な反射スクリーンの製造方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、レンズ面(132)と非レンズ面(133)とを有し背面側に凸となる単位レンズ(131)が複数配列されたフレネルレンズ形状を有するレンズ層(13)と、少なくとも前記レンズ面の一部に形成された反射層(12)とを有し、映像源(LS)から投影された映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーン(10)の製造方法であって、前記単位レンズが複数配列されたフレネルレンズ形状を一方の面に有する前記レンズ層を形成するレンズ層形成工程と、前記レンズ面及び前記非レンズ面に反射層(12A,22A)を形成する反射層形成工程と、少なくとも前記非レンズ面に形成された反射層を除去する反射層除去工程と、を備えること、を特徴とする反射スクリーンの製造方法である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンの製造方法において、前記反射層除去工程では、少なくとも前記非レンズ面(133)に形成された反射層(12A,22A)をエッチングにより除去すること、を特徴とする反射スクリーンの製造方法である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の反射スクリーンの製造方法において、前記反射層除去工程で用いるエッチングは、ウェットエッチングであること、を特徴とする反射スクリーンの製造方法である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンの製造方法において、前記反射層形成工程では、前記非レンズ面(133)に形成される反射層(12A,22A)の厚さは、前記レンズ面(132)に形成される反射層の厚さに比べて薄いこと、を特徴とする反射スクリーンの製造方法である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンの製造方法において、前記反射層除去工程では、前記非レンズ面(133)に形成された反射層(22A)、及び、前記レンズ面(132)上の映像光の反射に寄与しない非反射領域(132b)に形成された反射層を除去すること、を特徴とする反射スクリーンの製造方法である。
本発明によれば、コントラストの高い良好な映像を表示できる反射スクリーンを、容易に製造できる。
実施形態の映像表示システム1を説明する図である。 実施形態の反射スクリーン10の層構成を説明する図である。 実施形態のレンズ層13を説明する図である。 実施形態の反射スクリーン10の製造方法を説明する図である。 別の実施形態の反射層22を示す図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
(実施形態)
図1は、本実施形態の映像表示システム1を説明する図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
映像表示システム1は、反射スクリーン10、映像源LS等を有している。本実施形態の映像表示システム1は、映像源LSから投影された映像光Lを反射スクリーン10が反射して、その画面上に映像を表示する一般的な映像表示システムである。
なお、映像表示システム1は、これに限らず、例えば、映像光を映像源LSから投射するフロントプロジェクションテレビシステム等としてもよいし、反射スクリーン10と映像源LSと反射スクリーンの観察画面上の入力部の位置を検出する位置検出部やパーソナルコンピュータ等を備えたインタラクティブボードシステムとしてもよい。
映像源LSは、映像光Lを反射スクリーン10へ投射する装置であり、汎用の短焦点型プロジェクタ等を用いることができる。この映像源LSは、使用状態において、反射スクリーン10の画面を法線方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射スクリーン10の画面左右方向において中央であって、反射スクリーン10の画面(表示領域)よりも下方側となる位置に配置されている。
ここで、スクリーン面とは、この反射スクリーン全体として見たときにおける、反射スクリーンの平面方向となる面を示すものである。
この映像源LSは、反射スクリーン10の画面に直交する方向(反射スクリーン10の厚み方向)における反射スクリーン10との距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光Lを投射できる。即ち、この映像源LSは、従来の汎用プロジェクタに比べて、反射スクリーン10までの投射距離が短く、その映像光Lの反射スクリーン10に対する入射角度も大きい。
反射スクリーン10は、映像源LSが投射した映像光Lを観察者O側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンである。使用状態において、この反射スクリーン10の観察画面は、観察者O側から見て、長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である。
なお、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射スクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
反射スクリーン10は、その背面側に、平板状の支持板50が、粘着材等からなる不図示の接合層を介して設けられており、この支持板50により、その平面性を維持している。なお、これに限らず、反射スクリーン10は、不図示の枠部材等によって支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
この反射スクリーン10は、対角80インチや100インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。本実施形態の反射スクリーン10は、例えば、画面のサイズが対角80インチサイズ(1771×996mm)である。
図2は、本実施形態の反射スクリーン10の層構成を説明する図である。
図2では、反射スクリーン10の観察画面(表示領域)の幾何学的中心となる点A(図1(a),(b)参照)を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に直交(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
反射スクリーン10は、その映像源側(観察者O側)から順に、表面層15、基材層14、レンズ層13、反射層12、光吸収層11等を備えている。
基材層14は、レンズ層13を形成する基材となるシート状の部材である。この基材層14の映像源側(観察者側)には、表面層15が一体に形成され、背面側(裏面側)には、レンズ層13が一体に形成されている。
基材層14は、光拡散層141と、着色層142とを有している。本実施形態の基材層14は、光拡散層141と着色層142とが一体に積層されており、図2に示すように、光拡散層141が背面側であり、着色層142が映像源側に位置している。
基材層14は、上述の例に限らず、例えば、光拡散層141が映像源側に位置し、着色層142が背面側に位置する形態としてもよい。また、基材層14は、単層であって拡散材と顔料や染料等の着色材とを共に含有する形態としてもよいし、光拡散層141のみとしてもよいし、透明又は略透明な樹脂層を備え、その映像源側等に光拡散層141や着色層142が積層される形態としてもよい。
光拡散層141は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散材を含有する層である。この光拡散層141は、視野角を広げたり、明るさの面内均一性の向上を図ったりする機能を有する。
光拡散層141の母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂等を用いることができる。この光拡散層141の厚さは、100〜200μmである。また、拡散材としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン系等の樹脂製の粒子や無機粒子等であり、その平均粒径が約1〜50μmであるものを使用できる。
着色層142は、所定の透過率とするための灰色や黒色等の染料や顔料等により着色が施された層である。本実施形態では、着色層142は、光拡散層141の映像源側(観察者側)に位置している。
この着色層142は、反射スクリーン10に入射する照明光等の不要な外光を吸収したり、表示される映像の黒輝度を低減させたりして、映像のコントラストを向上させる機能を有する。
着色層142は、例えば、厚さが30〜3000μmであり、染料や顔料を含有するPET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、アクリル系樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂等により形成される。
本実施形態の基材層14は、光拡散層141と着色層142とを共押し出しすることにより一体に積層されて形成されている。
図3は、本実施形態のレンズ層13を説明する図である。図3(a)は、レンズ層13を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層12や光吸収層11は省略して示している。図3(b)は、図2に示す断面の一部をさらに拡大して示している。
レンズ層13は、基材層14の背面側に設けられた光透過性を有する層であり、図3(a)に示すように、点Cを中心として単位レンズ131が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状をその背面側に有している。この単位レンズ131が配列されて形成されるサーキュラーフレネルレンズは、その光学的中心(フレネルセンター)である点Cが、反射スクリーン10の画面(表示領域)の領域外であって、反射スクリーン10の下方に位置している。
なお、本実施形態では、レンズ層13がサーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を挙げて説明するが、リニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
単位レンズ131は、図2や図3(b)に示すように、スクリーン面に直交する方向(反射スクリーン10の厚み方向)に平行であって、単位レンズ131の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
この単位レンズ131は、背面側に凸であり、レンズ面132と、このレンズ面132と対向する非レンズ面133とを備えている。
反射スクリーン10の使用状態において、単位レンズ131は、レンズ面132が頂点tを挟んで非レンズ面133よりも鉛直方向上側に位置している。
単位レンズ131において、図3(b)に示すように、レンズ面132がスクリーン面に平行な面となす角度は、αであり、非レンズ面133がスクリーン面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。
また、単位レンズ131の配列ピッチは、Pであり、単位レンズ131のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点tから単位レンズ131間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
理解を容易にするために、図2等では、単位レンズ131の配列ピッチP、角度α,βは、単位レンズ131の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ131は、実際には、配列ピッチP等が一定であるが、角度αが単位レンズ131の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。
なお、これに限らず、角度α等は、一定としてもよいし、配列ピッチPが、単位レンズ131の配列方向に沿って次第に変化する形態としてもよく、映像光を投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射スクリーン10のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
このレンズ層13は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。なお、レンズ層13は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
反射層12は、光を反射する作用を有する層である。この反射層12は、少なくともレンズ面132に形成される。
本実施形態の反射層12は、図2や図3(b)に示すように、レンズ面132に形成されているが、非レンズ面133には形成されていない。
反射層12は、レンズ面132上に、アルミニウムや銀、ニッケル等の金属を蒸着する、又は、スパッタリングする等により形成することができる。
光吸収層11は、レンズ層13及び反射層12の背面側に設けられ、光を吸収する作用を有している。本実施形態の光吸収層11は、反射層12及び非レンズ面133を被覆しており、非レンズ面133に光吸収層11が形成された形態となっている。
光吸収層11は、黒色等の暗色系の塗料や、黒色等の暗色系の顔料や染料及び光吸収作用を有するビーズ等を含有する熱硬化型樹脂もしくは紫外線硬化型樹脂等を、反射層12をレンズ面132に形成したレンズ層13の背面側(フレネルレンズ形状側)に塗布して硬化させることにより、形成される。
表面層15は、反射スクリーン10において映像源側(観察者側)に設けられる層である。本実施形態では、表面層15は、基材層14の映像源側であり、最も映像源側となる位置に設けられている。
表面層15には、反射防止機能や防眩機能、紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能、ハードコート機能、タッチパネル機能等、適宜必要な機能を1つ又は複数選択して設けることができる。
本実施形態の表面層15は、ハードコート機能を有する電離放射線硬化型樹脂等により形成され、膜厚10〜100μm程度であり、表面に微細な凹凸形状(マット形状)を有しており、防眩機能とハードコート機能を有している。
表面層15は、基材層14とは別層であって不図示の粘着材等により基材層14に接合される形態としてもよいし、基材層14の映像源側の面に、各種機能を有する樹脂等を塗布する等により直接形成される形態としてもよい。
図2に戻り、本実施形態の反射スクリーン10へ入射する映像光及び外光の様子を説明する。理解を容易にするために、表面層15、着色層142、光拡散層141、レンズ層13の屈折率は等しいものとし、映像光L1及び外光G1,G2に対する光拡散層141の光拡散作用等は省略して示している。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン10の下方から入射し、表面層15及び基材層14を透過してレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、映像光L1は、レンズ面132へ入射して反射層12によって反射され、観察者O側へ向かって反射スクリーン10から出射する。なお、角度β(図3(b)参照)は、映像光L1が反射スクリーン10の下方から投射され、かつ、反射スクリーン10の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面133に直接入射することはなく、非レンズ面133は、映像光L1の反射には影響しない。
一方、照明光等の不要な外光G1,G2は、図2に示すように、主として反射スクリーン10の上方から入射し、表面層15及び基材層14を透過してレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、一部の外光G1は、非レンズ面133へ入射して、光吸収層11によって吸収される。また、一部の外光G2は、レンズ面132で反射して、主として反射スクリーン10の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。従って、反射スクリーン10では、外光G1,G2による映像のコントラスト低下を抑制できる。
従って、本実施形態の反射スクリーン10によれば、明室環境下であっても、コントラストが高く明るく良好な映像を表示できる。
ここで、この反射スクリーンの製造方法について説明する。
図4は、本実施形態の反射スクリーン10の製造方法を説明する図である。図4では、反射スクリーン10の画面中央である点Aを通り、単位レンズ131の配列方向に平行であってスクリーン面に直交する方向(スクリーンの厚さ方向)に平行な断面を模式的に示している。また、図4では、理解を容易にするために、基材層14は、単層として示しているが、実際は、光拡散層141と着色層142が一体に積層された2層構造である。
まず、図4(a)に示すように、基材層14を用意する。基材層14は、前述のように、拡散材を含有するMBS樹脂と着色材を含有するMBS樹脂とを、それぞれ所定の厚さで共押し出し成形することにより、形成される。
本実施形態の光拡散層141は、アクリル樹脂製の平均粒径10μmの粒子を拡散材として含有するMBS樹脂の厚さ150μmの層であり、着色層142は、黒色の顔料を含有するMBS樹脂の厚さ70μmの層であり、基材層14は、これらが共押し出し成形されたシート状の部材を用いている。また、本実施形態では、基材層14は、ウェブ状であるとする。
次に、図4(b)に示すように、基材層14の映像源側となる面(本実施形態では、着色層142側の面)上に、ウレタンアクリレート等を膜厚30μm程度で塗布し、微細な凹凸形状(マット形状)をその樹脂膜表面に転写する等して硬化させ、表面に微細凹凸形状を有する表面層15を形成する。
次に、図4(c)に示すように、この表面層15上にマスキング材Mを剥離可能に貼合する。このマスキング材Mは、透明又は略透明なシート状の部材であり、以降の製造過程における表面層15表面の汚れや傷つきを防止する機能を有している。また、このマスキング材Mは、後述するエッチング液に対する耐性を有していることが好ましい。
次に、マスキング材Mが貼合された表面層15及び基材層14を、所定の大きさに裁断し、枚葉状とする。
そして、図4(d)に示すように、基材層14の片面(本実施形態では、光拡散層141側の面)に、紫外線成形法等により、基材層14の片面にレンズ層13を形成する(レンズ層形成工程)。
レンズ層13は、基材層14の表面層15が積層された面とは反対側の面(本実施形態では、光拡散層141側の面)を、アクリル系の紫外線硬化型樹脂が充填されたサーキュラーフレネルレンズ形状を賦形する成形型に押圧し、紫外線を照射して硬化させた後に成形型から離型することにより、形成される。なお、レンズ層13の形成方法は、適宜選択してよく、この限りではない。
次に、レンズ層13のフレネルレンズ形状側の面に反射層12Aを形成する(反射層形成工程)。
図4(e)に示すように、レンズ層13のレンズ面132及び非レンズ面133に、真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着して反射層12Aを形成する。このとき、蒸着源は、レンズ層13のフレネルレンズ形状を有する面に対向する側にレンズ層13に対して所定の距離を有して配置され、蒸発した蒸着材料が単位レンズ131のレンズ面132側からレンズ層13の表面に当たるように、配置されることが好ましい。上述のように蒸着源を配置することにより、蒸着方向がレンズ面132側からとなり、非レンズ面133側に蒸発した蒸着材料が当たりにくくなる。従って、図4(f)に示すように、反射層12Aは、レンズ面132には反射に必要な厚さ以上の厚さを有して形成されるが、非レンズ面133にはレンズ面132に比べて厚さが薄く形成される。
なお、蒸着源の数や配置等は、反射スクリーン10の画面サイズの大きさや、単位レンズ131の配列ピッチP、レンズ層13に形成されたフレネルレンズ形状がサーキュラーフレネルレンズ形状であるのかリニアフレネルレンズ形状であるのか等に応じて、適宜選択して設定可能である。
次に、図4(g)に示すように、反射層12A、レンズ層13、基材層14、表面層15、マスキング材Mが一体に積層された積層体Sを、所定の温度に設定されたエッチング液Eに所定の時間浸し、エッチング(ウェットエッチング)を行う。これにより、非レンズ面133に形成された反射層12Aを腐食して除去する(反射層除去工程)。
なお、本実施形態では、エッチング方法として、積層体Sをエッチング液Eに浸すディッピング方式を用いる例を示したが、これに限らず、例えば、スプレーにより反射層12A表面上にエッチング液を噴霧する噴霧方式を用いてもよい。
本実施形態では、エッチング液Eは、酸性であるものが好ましく、硫酸及び塩酸の混合液であることがさらに好ましい。また、エッチング液Eは、塩化第二鉄の水溶液を用いてもよい。なお、エッチング液Eは、レンズ層13や基材層14、表面層15の樹脂の特性に応じて、アルカリ性のものを用いてもよい。さらに、反射層12Aやレンズ層13等の特性等によっては、ドライエッチングにより、非レンズ面133の反射層を除去してもよい。
レンズ面132上の反射層12Aは、レジスト材等により保護されていないため、エッチングを行うことにより、レンズ面132上の反射層12Aの表面も腐食される。しかし、蒸着により反射に必要な厚み以上の厚さを有して形成されているので、非レンズ面133の反射層12Aがエッチングにより除去された場合にも、レンズ面132には十分な厚さ(約0.1μm)の反射層12Aが残る。
なお、表面層15側の表面等は、マスキング材によって保護されているので、エッチング液Eによって溶けることはない。
次に、積層体Sの表面を洗浄してエッチング液Eを除去する。図4(h)のように、レンズ面132には反射層12が形成され、非レンズ面133の反射層12Aは除去されている。
次に、図4(i)に示すように、レンズ層13上に、スクリーン印刷等により、光吸収材料である黒色顔料を含有するインキを塗布して硬化させ、光吸収層11を形成する。なお、光吸収材料を塗布する方法は、上記のスクリーン印刷に限らず、例えば、グラビアリバースコート、インクジェット方式、ダイコート方式、フローコート方式による塗布等の方法を用いることができる。
本実施形態の光吸収層11は、黒色インキをスクリーン印刷等により塗布して形成され、その厚さが60μm程度である。
次に、表面層15から、マスキング材Mを剥離し、更なる裁断工程等の後工程を経て、反射スクリーン10が完成する。
なお、本実施形態では、基材層14はウェブ状であり、マスキング材Mを貼合した後で基材層14及び表面層15を枚葉状に裁断する例を挙げて説明したが、これに限らず、予め裁断された枚葉状の基材層14を用いてもよい。また、本実施形態では、基材層14の片面に予め表面層15を形成し、その後にレンズ層13を形成する例を示したが、これに限らず例えば、レンズ層13を形成した後に、表面層15を形成してもよい。
また、マスキング材Mの貼合は、表面層15の特性等に応じて、適宜省略してもよい。
上述のような製造方法とすることにより、映像光の反射に寄与しない非レンズ面133の反射層12Aを容易に除去することができる。また、レンズ面132上の反射層12Aを保護する保護材(マスク材やレジスト材等)が不要となるので、非レンズ面133上の反射層12Aの除去を容易かつ低コストで行うことができる。
以上のことから、本実施形態によれば、明るくコントラストの高い良好な映像を表示できる反射スクリーンを、容易に製造できる。また、本実施形態によれば、レジスト材等によるレンズ面132上の反射層12Aの保護等が不要であるので、製造コストを大幅に低減でき、良好な映像を表示できる反射スクリーンを安価に提供できる。
図5は、別の実施形態の反射層22を示す図である。図5(a)は、別の実施形態の反射層22を示し、図5(b)は、この別の実施形態における反射層形成工程後のレンズ層を模式的に示す図である。なお、図5(a)では、図3(b)に示す断面に相当し、レンズ層13、反射層22、光吸収層11のみを示している。
図5(a)に示すように、反射層22は、レンズ面132上の映像光が到達する反射領域132aにのみ形成され、レンズ面132上であって映像光の到達しない非反射領域132b及び非レンズ面133には形成されない形態としてもよい。
上述の反射層形成工程において、レンズ面132側に蒸着材料が当たるようにレンズ面132側から蒸着を行うことにより、レンズ面132上の反射層22Aの厚さを、単位レンズ131の頂部及びその近傍である非反射領域132bの方が、反射領域132aに比べて薄くなるように形成することが可能である。また、このとき、非レンズ面133に形成される反射層22Aの厚さも、反射領域132aに形成される反射層22Aよりも薄くなる。従って、上述の反射層除去工程において、積層体Sをエッチング液Eに浸す時間やエッチング液Eの温度や濃度等を調整することにより、エッチングにより、非反射領域132b及び非レンズ面133に形成された反射層22Aを除去し、反射領域132aにのみ反射層22が形成された形態とすることが容易に行える。
このような反射層22とすれば、照明光等の不要な外光の一部が、レンズ面132の非反射領域132bに入射して、光吸収層11に吸収されるので、さらなるコントラストの向上が期待できる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、非レンズ面133の反射層12Aが完全に除去される例を示したが、これに限らず、光の反射に寄与しない程度の厚さを有する状態で、少なくとも一部に残っていてもよい。光の反射に寄与しない程度の厚さの反射層であれば、非レンズ面133に入射した外光は、そのまま光吸収層11に入射して吸収されるので、コントラストの低下を抑制し、コントラストの高い映像を表示できる。
(2)本実施形態において、レンズ層13が、紫外線硬化型樹脂製であり、基材層14の背面側の面(光拡散層141側の面)に紫外線成形法により一体に形成される例を示したが、これに限らず、例えば、熱可塑性樹脂製等であり、押し出し成形法や射出成形法等によりレンズ層を形成してもよい。
押し出し成形法の場合には、レンズ層13と基材層14とを一体に積層した状態で押し出し成形してもよい。このような形態とすることにより、大量生産がさらに容易になり、安価に提供できる。
(3)本実施形態において、表面層15は、単層である例を示したが、これに限らず、例えば、反射防止機能や紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等の機能を有する層をさらに積層する形態としてもよい。
(4)本実施形態において、反射スクリーン10は、その背面側に設けられた支持板50に不図示の粘着材層等を介して接合されており、略平板状である例を示したが、これに限らず、例えば、支持板50を備えず、反射スクリーン10が粘着材層等を介して壁面等に接合される形態としてもよいし、支持板50を裏面に接合した状態で壁面に固定されたり、フック等の支持部材で壁面に吊り下げされる形態等としてもよい。さらに、反射スクリーン10の画面の平面性を維持するために、ガラス製や樹脂製である剛性の高い基板層を備えてもよい。
(5)本実施形態において、反射スクリーン10は、使用時及び不使用時には略平板状である例を示したが、これに限らず、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。このような形態の場合には、支持板50等を設けず、反射スクリーン10の背面側を、光を透過しにくい布製又は樹脂製の遮光幕や耐傷性を向上させる保護層等で被覆する形態としてもよい。
(6)本実施形態において、単位レンズ131は、図2等に示す断面において、レンズ面132及び非レンズ面133が直線状となる例を示したが、これに限らず、この断面において、例えば、レンズ面132や非レンズ面133の一部が曲線状となっていてもよい。
また、本実施形態において、単位レンズ131のレンズ面132及び非レンズ面133は、いずれも1つの面である例を示したが、これに限らず、例えば、少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
(7)本実施形態において、映像源LSは、鉛直方向において反射スクリーン10より下方に位置し、映像光Lが反射スクリーン10の下方から斜めに投射される例を示したが、これに限らず、例えば、映像源LSが、鉛直方向において反射スクリーン10より上方に位置し、映像光Lが反射スクリーン10の上方から斜めに投射される形態としてもよい。このとき、反射スクリーン10は、図2等に示すレンズ層13の上下方向を反転させ、サーキュラーフレネルレンズの光学的中心(フレネルセンター)である点Cが反射スクリーン10の上方に位置する形態とすればよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
1 映像表示システム
10 反射スクリーン
11 光吸収層
12 反射層
13 レンズ層
131 単位レンズ
132 レンズ面
133 非レンズ面
14 基材層
141 光拡散層
142 着色層
15 表面層

Claims (5)

  1. レンズ面と非レンズ面とを有し背面側に凸となる単位レンズが複数配列されたフレネルレンズ形状を有するレンズ層と、少なくとも前記レンズ面の一部に形成された反射層とを有し、映像源から投影された映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンの製造方法であって、
    前記単位レンズが複数配列されたフレネルレンズ形状を一方の面に有する前記レンズ層を形成するレンズ層形成工程と、
    前記レンズ面及び前記非レンズ面に反射層を形成する反射層形成工程と、
    少なくとも前記非レンズ面に形成された反射層を除去する反射層除去工程と、
    を備えること、
    を特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  2. 請求項1に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記反射層除去工程では、少なくとも前記非レンズ面に形成された反射層をエッチングにより除去すること、
    を特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  3. 請求項2に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記反射層除去工程で用いるエッチングは、ウェットエッチングであること、
    を特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記反射層形成工程では、前記非レンズ面に形成される反射層の厚さは、前記レンズ面に形成される反射層の厚さに比べて薄いこと、
    を特徴とする反射スクリーンの製造方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンの製造方法において、
    前記反射層除去工程では、前記非レンズ面に形成された反射層、及び、前記レンズ面上の映像光の反射に寄与しない非反射領域に形成された反射層を除去すること、
    を特徴とする反射スクリーンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015064463A (ja) * 2013-09-25 2015-04-09 ウシオ電機株式会社 画像表示システム、及び、反射型スクリーン
CN109375467A (zh) * 2018-12-05 2019-02-22 张家港康得新光电材料有限公司 超短焦投影幕布
CN113238450A (zh) * 2021-05-24 2021-08-10 青岛海信激光显示股份有限公司 一种高增益投影屏幕及投影系统

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