JP2018081262A - 反射スクリーン、映像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性を有するスクリーン部を複数配列して大画面化した反射スクリーン及びこれを備える映像表示装置において、スクリーン部間の継ぎ目(非表示部)が目立ちにくい反射スクリーン及びこれを備える映像表示装置を提供する。【解決手段】スクリーン100は、反射スクリーンであり、映像光の一部を反射して映像を表示し、かつ、映像光の一部を透過する第1スクリーン部10と第2スクリーン部20とが一方向に配列されて形成されている。第1スクリーン部10と第2スクリーン部20とは、端部が厚み方向に一体に積層された積層領域W1を備え、各スクリーン部の反射層は、少なくとも積層領域W1において、そのスクリーン部の最端部へ向かうにつれて反射率が連続的に又は段階的に小さくなっている。【選択図】図1

Description

本発明は、反射スクリーン、及び、これを備える映像表示装置に関するものである。
従来、映像源から投射された映像光を反射又は透過して表示するスクリーンとして、様々なものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。なかでも、透明性を有するスクリーンは、映像光を投射しない不使用時等にはスクリーンの向こう側の景色が透けて見えるので、意匠性の高さ等から需要が高まっている。
また、各種スクリーンを配列して大画面表示スクリーンとする表示装置等も様々に開発されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−114003号公報 特開2002−162689号公報
上述のような半透過型の反射スクリーンは、光を拡散する作用を有する拡散粒子等を含有する光拡散層を備えていると、スクリーンの向こう側の景色が白っぽくぼやけて観察され、意匠性の低下を招くため、透明性の向上が課題となっていた。
また、スクリーンを複数配列して大画面化した場合に、各スクリーンの境界部分(継ぎ目)の非表示部が暗線となって観察者に目立って観察されやすく、画質の低下や意匠性の低下等を招くといった課題があった。
上述の特許文献1には、透過型、反射型の両方に使用することができるスクリーンが提案されており、背面側からの光を透過することが可能である。しかし、この特許文献1には、スクリーンの透明性の向上に関しては、なんら開示されていない。また、この特許文献1には、複数のスクリーンを配列して大画面化することや、継ぎ目の視認の抑制に関して一切開示されていない。
また、上述の特許文献2は、透過型のスクリーンを複数配列した大画面表示装置において、配列されたスクリーン間の境界部分の非表示部の発生を抑えることを課題としてなされたものである。しかし、特許文献2では、反射型のスクリーンや透明性を有するスクリーンを複数配列した場合において、境界部分(継ぎ目)の非表示部等を改善することに関しては、なんら開示されていない。
本発明の課題は、透明性を有するスクリーン部を複数配列して大画面化した反射スクリーン及びこれを備える映像表示装置において、スクリーン部間の継ぎ目(非表示部)が目立ちにくい反射スクリーン及びこれを備える映像表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、複数の映像源から投射された映像光の一部を反射して映像を表示し、かつ、映像光の一部を透過する複数のスクリーン部(10,20,30)が少なくとも一方向に配列されて形成された反射スクリーンであって、複数の前記スクリーン部は、それぞれ、光透過性を有し、単位光学形状(121,221,321)が背面側の面に複数配列された光学形状層(12,22,32)と、前記単位光学形状の少なくとも一部に形成され、その前記単位光学形状側の表面が不規則な凹凸形状を有する粗面であり、入射する光の一部を反射し、入射するその他の光の少なくとも一部を透過する機能を有する反射層(13,23,33)と、を備え、前記スクリーン部は、隣接するスクリーン部が厚み方向に一体に積層された積層領域(W1,W2)を備え、前記反射層は、少なくとも前記積層領域において、前記スクリーン部の最端部へ向かうにつれて反射率が連続的に又は段階的に小さくなっていること、を特徴とする反射スクリーン(100,200)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、前記スクリーン部(10,20,30)の前記積層領域(W1,W2)内の最端部における前記反射層(13,23,33)の反射率は、0%であること、を特徴とする反射スクリーン(100,200)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、前記光学形状層(12,22,32)は、背面側の面に、前記単位光学形状(121,221,321)が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を有すること、を特徴とする反射スクリーン(100,200)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の反射スクリーンにおいて、前記サーキュラーフレネルレンズ形状は、そのフレネルセンターとなる点(C1,C2,C3)が前記スクリーン部(10,20,30)の表示領域外に位置すること、を特徴とする反射スクリーン(100,200)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、同一形状である複数の前記スクリーン部(10,20,30)が配列されて形成されていること、を特徴とする反射スクリーン(100,200)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記スクリーン部は、光を吸収する作用を有する光吸収層を備えること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層(13,23,33)は、誘電体多層膜により形成されていること、を特徴とする反射スクリーン(100,200)である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記スクリーン部は、光を拡散する作用を有する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないこと、を特徴とする反射スクリーン(100,200)である。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、映像源側に、反射防止機能、ハードコート機能、帯電防止機能、防汚機能の少なくとも1つの機能を有する層を備えること、を特徴とする反射スクリーンである。
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の反射スクリーン(100,200)と、前記反射スクリーンが有する複数の前記スクリーン部(10,20,30)にそれぞれ対応し、対応する前記スクリーン部に映像光を投射する複数の映像源(LS1,LS2,LS3)と、を備える映像表示装置(1,2)である。
本発明によれば、透明性を有するスクリーン部を複数配列して大画面化した反射スクリーン及びこれを備える映像表示装置において、スクリーン部間の継ぎ目(非表示部)が目立ちにくい反射スクリーン及びこれを備える映像表示装置を提供できる。
第1実施形態の映像表示装置1を説明する図である。 第1実施形態のスクリーン100の層構成を説明する図である。 第1実施形態の第1光学形状層12、第2光学形状層22をそれぞれ背面側(−Z側)から見た図である。 第1実施形態のスクリーン100の画面上下方向(Y方向)における映像光及び外光の様子を説明する図である。 第1実施形態の第1反射層13及び第2反射層23の反射率について説明する図である。 第1実施形態のスクリーン100からの反射光(映像光)について説明する図である。 第2実施形態の映像表示装置2を説明する図である。 第2実施形態の第3スクリーン部30を説明する図である。 第2実施形態の各反射層の反射率について説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本明細書中において、スクリーン面とは、スクリーン全体として見たときにおける、スクリーンの平面方向となる面を示すものであり、スクリーンの画面(表示面)に平行であるとする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の映像表示装置1を説明する図である。図1(a)は、映像表示装置1を映像源側の正面方向から見た図であり、図1(b)は、映像表示装置1を鉛直方向上側から見た図であり、図1(c)は、映像表示装置1を側面から見た図である。
映像表示装置1は、スクリーン100、第1映像源LS1及び第2映像源LS2等を有している。スクリーン100は、複数のスクリーン部(本実施形態では、第1スクリーン部10、第2スクリーン部20の2つ)が配列されて形成されている。また、このスクリーン100は、各映像源から投影された映像光の一部を反射して、その映像源側の画面(表示領域)に映像を表示可能であり、また、入射した映像光の一部を透過する。
ここで、理解を容易にするために、図1を含め以下に示す各図において、適宜、XYZ直交座標系を設けて示している。この座標系では、スクリーン100の画面左右方向(水平方向)をX方向、画面上下方向(鉛直方向)をY方向とし、スクリーン100の厚み方向をZ方向とする。スクリーン100の画面は、XY面に平行であり、スクリーン100の厚み方向(Z方向)は、スクリーン100の画面に直交する。
また、スクリーン100の厚み方向における映像源側の正面方向に位置する観察者O1から見て、画面左右方向の右側に向かう方向を+X方向、画面上下方向の上側に向かう方向を+Y方向、厚み方向において背面側(裏面側)から映像源側に向かう方向を+Z方向とする。
さらに、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、このスクリーン100の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であり、それぞれ、Y方向、X方向、Z方向に平行であるとする。
第1映像源LS1及び第2映像源LS2は、映像光L1,L2をスクリーン100へ投影する映像投射装置(プロジェクタ)である。本実施形態の第1映像源LS1及び第2映像源LS2は、短焦点型のプロジェクタである。各映像源は、対応するスクリーン部にそれぞれ映像光を投射する。
第1映像源LS1は、第1スクリーン部10へ映像光L1を投射する。第1映像源LS1は、映像表示装置1の使用状態において、第1スクリーン部10の画面(表示領域)を映像源側(+Z側)の正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、第1スクリーン部10の画面左右方向(X方向)の中央であって、第1スクリーン部10の画面よりも鉛直方向下方側(−Y側)に位置している。
また、第2映像源LS2は、第2スクリーン部20へ映像光L2を投射する。第2映像源LS2は、映像表示装置1の使用状態において、第2スクリーン部20の画面(表示領域)を映像源側(+Z側)の正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、第2スクリーン部20の画面左右方向(X方向)の中央であって、第2スクリーン部20の画面よりも鉛直方向下方側(−Y側)に位置している。
第1映像源LS1及び第2映像源LS2は、奥行き方向(Z方向)において、スクリーン100の映像源側(+Z側)の表面からの距離が従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から、斜めに映像光L1,L2を投影できる。したがって、第1映像源LS1及び第2映像源LS2は、従来の汎用プロジェクタに比べて、スクリーン100までの投射距離が短く、投射された映像光L1,L2がスクリーン100(第1スクリーン部10、第2スクリーン部20)に入射する入射角度や、入射角度の変化量(最小値から最大値までの変化量)が大きい。
スクリーン100は、第1映像源LS1及び第2映像源LS2が投射した映像光L1,L2の一部を映像源側(+Z側)に位置する観察者O1側へ向けて反射して映像を表示し、一部の映像光を背面側(−Z側)へ透過する半透過型の反射スクリーンである。このスクリーン100は、映像光を投射しない不使用時等において、スクリーン100の向こう側の景色を観察できる透明性を有している。
スクリーン100は、図1(b)に示すように、映像を表示する第1スクリーン部10及び第2スクリーン部20と、透明層801,802と、これらを一体に接合する接合層101とを有している。
本実施形態のスクリーン100の画面(表示領域)は、使用状態において、映像源側(+Z側)の観察者O1側から見て長辺方向が画面左右方向に平行な略矩形形状である。
また、本実施形態の第1スクリーン部10及び第2スクリーン部20は、使用状態において、正面方向(Z方向)から見て、画面(表示領域)が横長の矩形形状である。そして、第1スクリーン部10及び第2スクリーン部20が、画面左右方向に配列され、スクリーン100の画面左右方向(X方向)の中央部において、第1スクリーン部10の右側端部と第2スクリーン部20の左側端部とが厚み方向において積層され、接合層101によって一体に接合されている。
透明層801,802は、光透過性を有する層である。
透明層801は、第1スクリーン部10の背面側(−Z側)に位置し、透明層802は、第2スクリーン部20の映像源側(+Z側)に位置している。透明層801,802は、接合層101を介してスクリーン100として一体に積層されている。この透明層801,802は、各スクリーン部を厚み方向に積層したことによる段差を埋め、スクリーン100の表裏面が平面状となるように、その大きさや厚みが設けられている。この透明層801,802を備えることにより、スクリーン100全体として見たときに、その厚みが均一又は略均一となるので、スクリーン100のハンドリングを容易とできる。また、透明層801,802を備えることにより、スクリーン100を、後述する透明性を有する不図示の支持板等への接合する場合には、その接合を容易とすることができる。
この透明層801,802は、光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂により形成される層である。また、透明層801,802は、ガラス等により形成してもよい。
接合層101は、光透過性の高い粘着剤又は接着剤により形成された層である。接合層101は、スクリーン100の厚み方向において第1スクリーン部10と第2スクリーン部20との間に位置し、本実施形態ではスクリーン100の表示領域全面に設けられている。この接合層101は、積層領域W1において、第1スクリーン部10と第2スクリーン部20とを一体に接合し、積層領域W1以外の領域では、第1スクリーン部10と透明層801、第2スクリーン部20と透明層802とを一体に接合している。
この接合層101と、透明層801,802と、第1スクリーン部10の背面側の層(本実施形態では第1保護層15)と、第2スクリーン部20の映像源側の層(本実施形態では第2基材層21)とは、屈折率差がない、又は、屈折率差が可能な限り小さいことが、層間での不要な光の反射を抑制する観点から好ましい。
スクリーン100は、その画面サイズが対角40〜100インチ程度であり、画面の横縦比が16:9である。なお、これに限らず、スクリーン100は、その画面サイズが、例えば、40インチ程度以下の大きさとしてもよく、使用目的や使用環境等に応じて、その大きさや形状は適宜選択できるものとする。
一般的に、スクリーン100は、樹脂製の薄い層の積層体等であり、それ単独では平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、スクリーン100は、その背面側等に光透過性を有する不図示の接合層を介して不図示の支持板を一体に接合(あるいは部分固定)し、画面の平面性を維持する形態としてもよい。
このような支持板は、光透過性を有し、剛性が高い平板状の部材であり、アクリル樹脂やPC樹脂等の樹脂製、ガラス製等の板状の部材を用いることができる。
また、スクリーン100は、不図示の枠部材等によってその四辺等が支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
図2は、第1実施形態のスクリーン100の層構成を説明する図である。図2(a)では、第1スクリーン部10の映像源側(+Z側)の画面中央(画面の幾何学的中心)となる点A1(図1参照)を通り、画面上下方向(Y方向)に平行であって、スクリーン面に垂直(Z方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。図2(b)では、第2スクリーン部20の映像源側(+Z側)の画面中央(画面の幾何学的中心)となる点A2(図1参照)を通り、画面上下方向(Y方向)に平行であって、スクリーン面に垂直(Z方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
図3は、第1実施形態の第1光学形状層12、第2光学形状層22をそれぞれ背面側(−Z側)から見た図である。図3(a)は、第1光学形状層12を背面側から見た図であり、図3(b)は、第2光学形状層22を背面側から見た図である。理解を容易にするために、図3(a),(b)では、それぞれ、第1光学形状層12、第2光学形状層22のみを示している。
第1スクリーン部10は、第1映像源LS1からの映像光L1の一部を反射して映像を表示し、かつ、映像光L1の一部を透過する。
第2スクリーン部20は、第2映像源LS2からの映像光L2の一部を反射して映像を表示し、かつ、映像光L2の一部を透過する。また、第1スクリーン部10と第2スクリーン部20とが厚み方向(Z方向)に積層された積層領域W1では、第1スクリーン部10よりも背面側に位置する第2スクリーン部20は、第1スクリーン部10を透過した映像光L2の一部を反射して映像を表示する。
第1スクリーン部10は、映像源側(+Z側)から順に、第1基材層11、第1光学形状層12、第1反射層13、第1樹脂層14、第1保護層15を備えている。
また、第2スクリーン部20は、第1スクリーン部10よりも背面側(−Z側)に位置し、映像源側から順に、第2基材層21、第2光学形状層22、第2反射層23、第2樹脂層24、第2保護層25を備えている。
本実施形態の第1スクリーン部10と第2スクリーン部20とは、同じ形状のスクリーンである。したがって、第1スクリーン部10の映像の表示領域及び第2スクリーン部20の映像の表示領域は、同じ矩形形状であり、同じ大きさである。
まず、第1スクリーン部10から説明する。
第1基材層11は、光透過性を有するシート状の部材である。第1基材層11は、その背面側(裏面側,−Z側)に、第1光学形状層12が一体に形成されている。第1基材層11は、第1光学形状層12を形成する基材(ベース)となる層である。また、第1基材層11は、スクリーン100の映像源側(+Z側)を保護する機能を有していてもよい。
第1基材層11は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
第1光学形状層12は、第1基材層11の背面側(−Z側)に形成された光透過性を有する層である。第1光学形状層12の背面側の面には、第1単位光学形状(単位レンズ)121が複数配列されて設けられている。
図3(a)に示すように、第1単位光学形状121は、真円の一部形状(円弧状)であり、スクリーン100の画面外(第1スクリーン部10の表示領域外)に位置する点C1を中心として、同心円状に複数配列されている。即ち、第1光学形状層12は、背面側の面に、点C1をフレネルセンターとする、いわゆるオフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
この点C1は、図3(a)に示すように、第1スクリーン部10の表示領域の左右方向の中央であって表示領域外下方に位置しており、スクリーン100を正面方向から見た場合、点C1と点A1とは、Y方向に平行な同一直線上に位置している。
第1単位光学形状121は、図2に示すように、スクリーン面に直交する方向(Z方向)に平行であって、第1単位光学形状121の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
第1単位光学形状121(単位レンズ)は、背面側に凸であり、映像光が入射する第1斜面(レンズ面)121aと、これに対向する第2斜面(非レンズ面)121bとを有している。1つの第1単位光学形状121において、第2斜面121bは、頂点t1を挟んで第1斜面121aの下側に位置している。
第1斜面121aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1である。第2斜面121bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2である。角度θ1,θ2は、θ2>θ1という関係を満たしている。
この第1単位光学形状121の第1斜面121a及び第2斜面121bは、微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面である。この凹凸形状は、微細な凸形状と凹形状とが2次元方向に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等は不規則である。
第1単位光学形状121の配列ピッチは、P1であり、第1単位光学形状121の高さ(厚み方向における頂点t1から第1単位光学形状121間の谷底となる点v1までの寸法)は、h1である。
理解を容易にするために、図2では、第1単位光学形状121の配列ピッチP1、角度θ1,θ2は、第1単位光学形状121の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の第1単位光学形状121は、実際には、配列ピッチP1は一定であるが、角度θ1が第1単位光学形状121の配列方向においてフレネルセンターとなる点C1から離れるにつれて次第に大きくなっている。
角度θ1,θ2、配列ピッチP1等は、映像源LS1からの映像光の投射角度(第1スクリーン部10への映像光の入射角度)や、映像源の画素(ピクセル)の大きさ、第1スクリーン部10の表示領域の大きさ(画面サイズ)、第1スクリーン部10の各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、第1単位光学形状121の配列方向に沿って、配列ピッチP1が変化し、角度θ1,θ2が変化する形態としてもよい。
第1光学形状層12は、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。
なお、本実施形態では、第1光学形状層12を構成する樹脂として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
第1反射層13は、入射した光の一部を反射し、入射したその他の光を透過する半透過型の反射層であり、いわゆるハーフミラーである。本実施形態の第1反射層13は、第1単位光学形状121上(第1斜面121a及び第2斜面121b上)に形成されている。
前述のように、第1斜面121a及び第2斜面121bには、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されており、第1反射層13は、この微細かつ不規則な凹凸形状に追従して形成され、その凹凸形状を維持した状態で成膜されている。そのため、第1反射層13の第1光学形状層12側(映像源側)の面及び第1樹脂層14側(背面側)の面は、微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面となっている。
この第1反射層13は、入射した光の一部を微細かつ不規則な凹凸形状により拡散して反射し、入射したその他の光を拡散しないで透過する。
第1反射層13は、屈折率の高い誘電体膜(以下、高屈折率誘電体膜という)と屈折率が低い誘電体膜(以下、低屈折率誘電体膜という)とが交互に複数積層されて形成された誘電体多層膜により形成されている。
高屈折率誘電体膜は、例えば、TiO(二酸化チタン)、Nb(五酸化ニオブ)、Ta(五酸化タンタル)等により形成される。高屈折率誘電体膜の屈折率は、2.0〜2.6程度である。
低屈折率誘電体膜は、例えば、SiO(二酸化ケイ素)、MgF(フッ化マグネシウム)等により形成される。低屈折率誘電体膜の屈折率は、1.3〜1.5程度である。
高屈折率誘電体膜及び低屈折率誘電体膜の膜厚は、約5〜100nmであり、これらが交互に2〜10層程積層されて形成されており、誘電体多層膜の総厚は、10〜1000nm程度である。
この第1反射層13は、波長域400〜800nmの光に対して、その反射率が約5〜45%、透過率が約55〜85%である。
誘電体多層膜により形成された第1反射層13は、アルミニウム等の金属蒸着膜等により形成された反射層に比べて、高い透明性を有しており、また、光の吸収損失が小さく、高い反射率を実現できる。
本実施形態の第1反射層13は、TiO(二酸化チタン)等の金属酸化膜により形成された高屈折率誘電体膜と、SiOにより形成された低屈折率誘電体膜を複数積層して形成されている。
第1反射層13は、第1単位光学形状121上(第1斜面121a及び第2斜面121b上)に、上述のような誘電体多層膜を蒸着、又は、スパッタリングする等により、所定の厚さで形成される。
なお、第1反射層13は、これに限らず、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等の光反射性の高い金属を蒸着したり、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したりする等により形成してもよい。
第1反射層13は、第2スクリーン部20が積層されていない領域(積層領域W1以外の領域)では、その反射率は一定又は略一定である。しかし、積層領域W1では、第1反射層13の反射率は、画面左右方向右側(第2スクリーン部20側)に向かうにつれて連続的に又は段階的に小さくなり、画面左右方向の右側最端部では最も小さい値(例えば、0%)となっている。
第1樹脂層14は、第1光学形状層12及び第1反射層13の背面側(−Z側)に設けられた光透過性を有する層である。
第1樹脂層14は、第1単位光学形状121による凹凸の谷部を埋めるように形成されており、第1光学形状層12及び第1反射層13の背面側(−Z側)の面を平坦としている。したがって、第1樹脂層14の映像源側(+Z側)の面は、第1光学形状層12の第1単位光学形状121の略逆型の形状が複数配列されて形成されている。
このような第1樹脂層14を設けることにより、第1反射層13を保護できる。また、第1スクリーン部10に第1樹脂層14を設けることにより、第1保護層15や、透明層801、第2スクリーン部20を積層しやすくなる。
第1樹脂層14の屈折率は、第1光学形状層12の屈折率と等しい、又は、略等しい(等しいとみなせる程度に屈折率差が小さい)ことが望ましい。また、第1樹脂層14は、第1光学形状層12と同じ紫外線硬化型樹脂を用いて形成することが好ましいが、異なる材料により形成してもよい。
本実施形態の第1樹脂層14は、第1光学形状層12と同じ材料(紫外線硬化型樹脂)により形成され、その屈折率が第1光学形状層12の屈折率に等しい。
第1保護層15は、第1樹脂層14の背面側(−Z側)に形成された光透過性を有する層であり、この第1スクリーン部10(スクリーン100)の背面側を保護する機能を有している。
第1保護層15は、光透過性の高い樹脂製のシート状の部材により形成される。第1保護層15は、例えば、第1基材層11と同様の材料を用いて形成されたシート状の部材を用いてもよい。
次に、第2スクリーン部20について説明する。前述のように、第2スクリーン部20は、第1スクリーン部10と同様の形状のスクリーンである。したがって、第1スクリーン部10と同様の機能を部分については、重複する説明を適宜省略する。
第2基材層21は、第1スクリーン部10の第1基材層11に相当する層である。本実施形態では、第2基材層21は、第1基材層11と同様のシート状の部材を用いている。
第2光学形状層22は、第1スクリーン部10の第1光学形状層12に相当する層である。
第2光学形状層22は、図3(b)に示すように、その背面側の面に、真円の一部形状(円弧状)である第2単位光学形状(単位レンズ)221がスクリーン100の画面外(第2スクリーン部20の表示領域外)に位置する点C2を中心として同心円状に複数配列された、オフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
本実施形態では、この点C2は、図3(b)に示すように、第2スクリーン部20の表示領域の左右方向の中央であって表示領域外下方に位置しており、スクリーン100を正面方向(Z方向)から見た場合、点C2と点A2とは、Y方向に平行な同一直線上に位置している。
第2単位光学形状221は、前述の第1単位光学形状121に相当し、図2(b)に示すように、スクリーン面に直交する方向(Z方向)及び第2単位光学形状221の配列方向に平行な断面における断面形状が、背面側に凸となる略三角形形状である。
第2単位光学形状221(単位レンズ)は、第1斜面(レンズ面)221aと、第2斜面(非レンズ面)221bとを有している。
第1斜面221a及び第2斜面221bは、第1単位光学形状121の第1斜面121a及び第2斜面121bと同様に、微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面である。
第1斜面221aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ3である。第2斜面221bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ4である。角度θ3,θ4は、θ4>θ3という関係を満たしている。
第2単位光学形状221の配列ピッチは、P2であり、第2単位光学形状221の高さ(厚み方向における頂点t2から第2単位光学形状221間の谷底となる点v2までの寸法)は、h2である。
第2単位光学形状221の角度θ3,θ4、配列ピッチP2、高さh2は、いずれも、第1単位光学形状121の角度θ1,θ2、配列ピッチP1、高さh1に相当する。
理解を容易にするために、図2では、第2単位光学形状221の配列ピッチP2、角度θ3,θ4は、第2単位光学形状221の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の第2単位光学形状221は、実際には、配列ピッチP2は一定であるが、角度θ3が第2単位光学形状221の配列方向においてフレネルセンターとなる点C2から離れるにつれて次第に大きくなっている。
角度θ3,θ4、配列ピッチP2等は、前述の角度θ1,θ2及び配列ピッチP1と同様に、映像源LS2からの映像光の投射角度(第2スクリーン部20への映像光の入射角度)や、映像源の画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン100の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、第2単位光学形状221の配列方向に沿って、配列ピッチP2が変化し、角度θ3,θ4が変化する形態としてもよい。
本実施形態では、前述のように、第1スクリーン部10と第2スクリーン部20とは、同形状である。したがって、第1単位光学形状121の配列ピッチP1と第2単位光学形状221の配列ピッチP2とは等しい(P1=P2)。また、第1スクリーン部10においてフレネルセンターとなる点C1からの距離rである位置の第1単位光学形状121の角度θ1,θ2と、第2スクリーン部20において点C2からの距離が同じ距離rである位置の第2単位光学形状221の角度θ3,θ4は、θ1=θ3、θ2=θ4である。
第2反射層23は、第1スクリーン部10の第1反射層13に相当する層であり、第1反射層13と同様に、誘電体多層膜により形成されている。
また、第2反射層23は、第1スクリーン部10が積層されていない領域(積層領域以外の領域)では、その反射率は一定又は略一定である。しかし、積層領域W1では、第2反射層23の反射率は、画面左右方向において左側(第1スクリーン部10側)に向かうにつれて連続的に又は段階的に小さくなり、画面左右方向の左側最端部では最も小さい値(例えば、0%)となっている。
第2樹脂層24は、前述の第1スクリーン部10の第1樹脂層14に相当する層である。第2樹脂層24は、第1樹脂層14と同様の材料により形成されている。
第2保護層25は、第1スクリーン部10の第1保護層15に相当する層である。第2保護層25は、第1保護層15と同様の材料により形成されている。
上述のように、本実施形態のスクリーン100は、光を拡散する作用を有する拡散粒子等の拡散材を含有した光拡散層を備えていない。したがって、スクリーン100に入射した光の一部は、第1反射層13及び第2反射層23の微細かつ不規則な凹凸形状で拡散反射されるが、入射したその他の光の少なくとも一部は、拡散されることなく透過する。
本実施形態のスクリーン100は、例えば、以下のような製造方法により製造される。
まず、第1スクリーン部10、第2スクリーン部20を製造する。ここでは、第1スクリーン部10を例に挙げて説明する。
第1基材層11を用意し、その一方の面に、第1単位光学形状121を賦形する成形型に紫外線硬化型樹脂を充填した状態で積層し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させるUV成形法により第1光学形状層12を形成する。このとき、第1単位光学形状121を賦形する成形型の第1斜面121a及び第2斜面121bを賦形する面には、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。
この微細かつ不規則な凹凸形状は、成形型の第1斜面121a及び第2斜面121bを賦形する面に、表面加工を複数回行うことにより形成できる。この表面加工は、例えば、めっき加工や、エッチング加工、ブラスト加工等である。また、表面加工は、各種条件等を変更して複数回行ってもよい。
第1光学形状層12を第1基材層11の一方の面に形成した後、第1斜面121a及び第2斜面121bに、誘電体多層膜を蒸着する等により第1反射層13を形成する。
このとき、所定の形状等にマスキング可能なマスク等の治具等により、積層領域W1に相当する領域内の第1反射層13は、例えば、ドット状や縞状等に形成され、積層領域W1内のスクリーン部の端部に向かうにつれて、その径や幅が小さくなるように形成される。これにより、積層領域W1内の端部に向かうにつれて、単位面積あたりにおいて第1反射層13が形成されている領域が占める面積比が小さくなる(単位面積あたりにおいて第1反射層13が形成されない領域が占める面積比が大きくなる)。
第1反射層13が誘電体多層膜により形成される場合には、このように、第1反射層13が形成される領域を減少させることにより、積層領域W1内の端部に向かうにつれて、単位面積当たりの第1反射層13による光の反射光量が小さくなり、結果的に、第1反射層13としての光の反射率が減少する。
なお、アルミニウム等の金属を蒸着させて第1反射層13を形成する場合には、上記の方法の他に、例えば、グラデーションマスク等を用いて、第1反射層13の厚みを調整して形成することにより、積層領域W1内での第1反射層13反射率の減少を実現できる。
次に、第1反射層13の上から、第1単位光学形状121による凹凸の谷部を充填して平面状となるように紫外線硬化型樹脂を塗布し、第1保護層15を積層して、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、第1樹脂層14及び第1保護層15を一体に形成する。これにより、第1スクリーン部10が形成される。
第2スクリーン部20も、同様の製造方法により製造される。
なお、第1基材層11、第2基材層21、第1保護層15、第2保護層25は、枚葉状としてもよいし、ウェブ状としてもよい。
次に、例えば、第1スクリーン部10及び透明層802を画面左右方向に沿って配列し、互いの端部が当接した状態で、仮止め用の剥離可能なテープ等で仮止めする。次に、この第1スクリーン部10及び透明層802の背面側(−Z側)となる面に、透光性を有する粘着剤等を等厚で塗布し、接合層101を形成する。
この接合層101の上から、前述の第1スクリーン部10及び透明層802と同様に、端部が当接した状態で仮止めした第2スクリーン部20及び透明層801を、積層領域W1で第1スクリーン部10と第2スクリーン部20とが厚み方向に積層されるようにして接合する。その後、所定の大きさに裁断する等により、スクリーン100が形成される。
第1反射層13及び第2反射層23の表面に微細かつ不規則な凹凸形状を形成する方法として、例えば、第1斜面121a,221a及び第2斜面121b,221b上に拡散粒子等を塗布してその上から各反射層を形成したり、第1光学形状層12及び第2光学形状層22を形成後に第1斜面121a,221a及び第2斜面121b,221bにブラスト加工を1回行い、その上から各反射層を形成したりする方法等が従来知られている。
しかし、このような製法では、第1スクリーン部10と第2スクリーン部20とで拡散特性や品質に差が生じたり、個々のスクリーン100での拡散特性や品質等に大きなばらつきが生じたりするため、安定した製造が行えない。
これに対して、上述のように、第1単位光学形状121及び第2単位光学形状221の第1斜面121a,221a及び第2斜面121b,221bの微細かつ不規則な凹凸形状を成形型によって賦形し、その上に各反射層をそれぞれ形成するという製造方法を用いることにより、各スクリーン部での品質のばらつきを低減でき、スクリーン100を多数製造する場合にも、品質のばらつきが少なく、安定して製造できるという利点がある。
図4は、第1実施形態のスクリーン100の画面上下方向(Y方向)における映像光及び外光の様子を説明する図である。図4では、理解を容易にするために、第1スクリーン部10を例に挙げて説明示し、点A1を通り第1単位光学形状121の配列方向(Y方向)及びスクリーンの厚み方向(Z方向)に平行な断面での断面の一部を拡大して示している。また、図4では、理解を容易にするために、スクリーン100内の各層の界面における屈折率差はないものとして示している。
スクリーン100の下方に位置する映像源LS1から投射された映像光L11のうち、一部の映像光L12は、スクリーン100に入射する際にスクリーン100の表面(第1基材層11の表面)で反射し、スクリーン100の映像源側上方へ向かう。この映像光L12は、観察者O1には届かない。
映像光L11のうち、スクリーン100に入射した一部の映像光L13は、第1単位光学形状121の第1斜面121aに入射して第1反射層13によって拡散反射し、観察者O1側へ出射する。
第1斜面121aに入射した映像光のうち反射しなかった一部の映像光L14は、第1反射層13を透過し、スクリーン100の背面側(−Z側)へ向かいスクリーン100から背面側上方へ出射する。この映像光L14は、スクリーン100の背面側正面方向に位置する観察者O2には届かない。
本実施形態では、映像源LS1がスクリーン100よりも下方に位置し、映像光L11がスクリーン100の下方から投射され、かつ、第2斜面121bがスクリーン面に平行な面となす角度θ2(図2参照)がスクリーン100の画面上下方向の各点における映像光の入射角度よりも大きいので、映像光が第2斜面121bに直接入射することはなく、第2斜面121bは、映像光の反射にはほとんど影響しない。
次に、背面側(−Z側)又は映像源側(+Z側)上方からスクリーン100に入射する映像光以外の太陽光等の外界からの光(以下、外光という)について説明する。
図4に示すように、スクリーン100に映像源側上方から入射する外光G1のうち、一部の外光G2は、スクリーン100の表面等で反射し、スクリーン100の映像源側下方側へ向かう。また、一部の外光G3は、第1反射層13で反射し、一部はスクリーン100の映像源側(+Z側)の表面で全反射してスクリーン100内を下方へ向かって次第に減衰する。また、一部の外光G3は、そのスクリーン100表面への入射角度によっては、スクリーン100から映像源側下方へ出射する。
第1反射層13を透過した一部の外光G4は、スクリーン100から背面側下方へ出射する。この外光G4は、スクリーン100の背面側正面方向に位置する観察者O2には届かない。
スクリーン100に背面側上方から入射する外光G5のうち、一部の外光G6は、スクリーン100の表面(ここでは、透明層801の背面側表面)で反射し、スクリーン100の背面側下方側へ向かう。また、一部の外光G7は、第1反射層13で反射し、スクリーン100から背面側上方等へ出射する。この外光G7は、スクリーン100の背面側正面方向に位置する観察者O2には届かない。
第1反射層13を透過した一部の外光G8は、スクリーン100内部を下方へ向かい、次第に減衰したり、スクリーン100の映像源側下方へ出射したりする。この外光G8は、スクリーン100の映像源側正面方向に位置する観察者O1には届かない。
また、小さな入射角度でスクリーン100に入射する他の外光G9,G10は、第1反射層を透過して、それぞれ背面側、映像源側へ出射する。スクリーン100は、光を拡散する拡散粒子を含有する光拡散層等を含有していないので、このスクリーン100を透過する外光G9,G10は、拡散されない。
したがって、スクリーン100を通して、スクリーン100の向こう側の景色を観察した場合に、スクリーン100の向こう側の景色がぼやけたり、白くにじんだりすることなく、高い透明性を有して観察することができる。
従来の拡散粒子を含有する光拡散層を備えた半透過型の反射スクリーンでは、映像光は、反射層での反射前後の2回拡散されるので、良好な視野角が得られる一方で映像の解像度が低下するという問題がある。また、拡散粒子によって外光も拡散されるため、スクリーンの向こう側の景色がぼやけたり、白くにじんだりして観察され、透明性が低下する。
しかし、本実施形態のスクリーン100では、第1反射層13及び第2反射層23が表面に微細かつ不規則な凹凸形状を有しており、第1反射層13及び第2反射層23で反射する光のみが拡散され、透過する光は拡散されない。したがって、本実施形態のスクリーン100は、良好な視野角及び解像度を有する映像を表示でき、かつ、スクリーン100の向こう側の景色が白くにじんだり、ぼけたりすることがなく観察者O1に良好に視認され、高い透明性を実現できる。
また、本実施形態のスクリーン100では、スクリーン100に映像光が投射された状態においても、観察者O1が、スクリーン100の向こう側(背面側)の景色を一部視認することが可能である。
さらに、本実施形態のスクリーン100では、背面側(−Z側)に位置する観察者O2は、映像光の投射の有無に関わらず、スクリーン100越しに映像源側(+Z側)の景色を高い透明性を有して良好に視認することができる。
次に、スクリーン100の積層領域W1について説明する。
図5は、第1実施形態の第1反射層13及び第2反射層23の反射率について説明する図である。図5では、第1反射層13、第2反射層23の画面左右方向における反射率の変化を模式的に示している。
図6は、第1実施形態のスクリーン100からの反射光(映像光)について説明する図である。図6では、各スクリーン部で反射して映像源側(+Z側)出射する映像光を画面上下方向上側(+Y側)から見た様子を示している。
図5に示すように、本実施形態では、積層領域W1以外の領域では、第1反射層13の反射率は一定であり、第1スクリーン部10の画面中央となる点A1での第1反射層13の反射率は、例えば、20%である。また、同様に、積層領域W1以外の領域では、第2反射層23の反射率は一定であり、第2スクリーン部20の画面中央となる点A2での第2反射層23の反射率は、例えば、20%である。
積層領域W1において、第1反射層13は、第1スクリーン部10の右端(+X側)に向かうにつれて反射率が連続的に小さくなっており、第1スクリーン部10の最右端では、例えば、反射率が0%となっている。また、第2反射層23は、第2スクリーン部の左端(−X側)に向かうにつれて反射率が連続的に小さくなっており、第2スクリーン部20の最左端では、例えば、反射率が0%となっている。
したがって、積層領域W1において、第1反射層13の反射率と第2反射層23の反射率との和は、20%程度となっている。
図6に示すように、各スクリーン部に入射した映像光は、各反射層によって、反射され、各スクリーン部から映像源側(+Z側)の集光点へ向けて出射する。本実施形態では、各スクリーン部の集光点は、いずれも無限遠である。
ここで、積層領域W1においては、第1映像源LS1からの映像光L1と第2映像源LS2からの映像光L2との両方が各スクリーン部に入射する。
前述のように、本実施形態では、スクリーン100は、積層領域W1を有しており、この積層領域W1では、第1反射層13の反射率は、第1スクリーン部10の右端(+X側)に向かうにつれて小さくなり、第2反射層23の反射率は、第2スクリーン部20の左端(−X側)に向かうにつれて小さくなっている。
そのため、本実施形態によれば、単にスクリーン部を配列したスクリーンで生じるスクリーン部間の継ぎ目(非表示部、映像光が反射されない部分)が生じない。また、本実施形態によれば、積層領域W1に表示される映像は、積層領域W1に隣接する双方のスクリーン部の領域が表示する映像となめらかに連続して表示され、スクリーン100の正面方向に位置する観察者O1には、各映像の繋ぎ目は視認されにくい。
したがって、本実施形態によれば、スクリーン100の正面方向に位置する観察者O1には、各スクリーン部が表示する映像がなめらかに連続しているように表示でき、大画面での良好な映像を表示でき、かつ、透明性を有するスクリーン100及び映像表示装置1とすることができる。
なお、本実施形態では、積層領域W1の面積は、第1スクリーン部10の表示領域の面積(又は、第2スクリーン部20の表示領域の面積)に対する割合が約50%以下とすることが、映像やスクリーン部の継ぎ目(非表示部)を解消し、かつ、良好な映像を大画面で表示する観点から好ましいが、使用環境や所望するスクリーン100の画面サイズに応じて、第1スクリーン部10の表示領域の面積(又は、第2スクリーン部20の表示領域の面積)に対する積層領域W1の面積の割合を適宜設定してよい。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態の映像表示装置2を説明する図である。図7(a)は、映像表示装置2を映像源側の正面方向から見た図であり、図7(b)は、映像表示装置2を鉛直方向上側から見た図である。
図8は、第2実施形態の第3スクリーン部30を説明する図である。図8(a)では、第3スクリーン部30の映像源側(+Z側)の画面中央(画面の幾何学的中心)となる点A3(図7参照)を通り、画面上下方向(Y方向)に平行であって、スクリーン面に垂直(Z方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。図8(b)は、第3スクリーン部30の第3光学形状層32を背面側から見た図を示している。
第2実施形態の映像表示装置2は、スクリーン部とこれに対応する映像源との組み合わせが3組である点が、第1実施形態の映像表示装置1とは異なるが、それ以外は、第1実施形態の映像表示装置1と同様の形状である。したがって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の映像表示装置2は、スクリーン200と、スクリーン200の各スクリーン部に映像光を投射する映像源(第1映像源LS1、第2映像源LS2、第3映像源LS3)とを備えている。
スクリーン200は、第1スクリーン部10、第2スクリーン部20、第3スクリーン部30、透明層801,802,803を備えている。第1スクリーン部10、第2スクリーン部20、第3スクリーン部30は、画面左右方向に配列されている。
第3スクリーン部30は、第2スクリーン部20よりも映像源側(+Z側)に位置し、その画面左右方向左側端部が第2スクリーン部20の画面左右方向右側端部と厚み方向に積層され、接合層101を介して一体に接合されている。第2スクリーン部20と第3スクリーン部30とが積層された領域は、積層領域W2である。また、第3スクリーン部30は、その背面側(−Z側)に、接合層101を介して透明層803が一体に積層され、接合されている。
第3スクリーン部30は、第1スクリーン部10及び第2スクリーン部20と同形状のスクリーンであり、第3基材層31、第3光学形状層32、第3反射層33、第3樹脂層34、第3保護層35を備えている。第3基材層31は、第1基材層11に相当し、第3光学形状層32は、第1光学形状層12に相当し、第3反射層33は、第1反射層13に相当し、第3樹脂層34は、第1樹脂層14に相当し、第3保護層35は第1保護層15に相当する。
また、第3光学形状層32は、背面側に点C3をフレネルセンターとするオフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有し、点C3と第3スクリーン部30の表示領域(画面)の中央となる点A3とは、Y方向に平行な直線上に位置する。
第3単位光学形状321は、第1スクリーン部10の第1単位光学形状121と同形状であり、第1斜面321a、第2斜面321bを有する。
第1斜面321a,第2斜面321bが図8に示す断面においてスクリーン面に平行な面となす角度θ5,θ6は、第1単位光学形状121の角度θ1,θ2に等しい。また、第3単位光学形状321の高さh3(厚み方向における頂点t3から第3単位光学形状321間の谷底となる点v3までの寸法)、配列ピッチP3は、第1単位光学形状121の高さh1、配列ピッチP1に等しい。
図9は、第2実施形態の各反射層の反射率について説明する図である。図9では、第1反射層13、第2反射層23、第3反射層33の画面左右方向における反射率の変化を模式的に示している。
第2スクリーン部20の第2反射層23は、積層領域W1,W2以外の領域では、その反射率が一定又は略一定であり、積層領域W1,W2では、画面左右方向左端、右端に向かうにつれて反射率が連続的又は段階的に小さくなり、画面左右方向の最左端、最右端では反射率が最も小さい値となっている。
本実施形態では、積層領域W1,W2以外の領域に位置する点A2での第2反射層23の反射率は、例えば、20%である。
また、第1スクリーン部10との積層領域W1では、第2反射層23は、画面左右方向左側(−X側)へ向かうにつれて、反射率が連続的に小さくなり、最左端での反射率が、例えば0%となっている。同様に、第3スクリーンとの積層領域W2では、第2反射層23は、画面左右方向右側(+X側)へ向かうにつれて、反射率が連続的に小さくなり、最右端での反射率が、例えば0%となっている。
また、本実施形態では、第3スクリーン部30の第3反射層33は、積層領域W2以外の領域での反射率は一定又は略一定であり、例えば、第3スクリーン部30の表示領域の中央となる点A3での第3反射層33の反射率は、例えば20%である。
そして、第2スクリーン部20との積層領域W2では、第3反射層33は、画面左右方向左側(−X側)へ向かうにつれて反射率が連続的に小さくなり、最左端での反射率が、例えば0%となっている。
以上のことから、本実施形態においても、前述の第1実施形態と同様に、継ぎ目の目立たたず、大画面で良好な映像を表示できるスクリーン200及び映像表示装置2とすることができる。
なお、本実施形態では、映像表示装置2は、3枚のスクリーン部を有するスクリーン200と、各スクリーン部に対応する映像源3つとを備える例を挙げて説明したが、これに限らず、スクリーン部の数は4つ以上としてもよく、映像源の数も対応するスクリーン部の数に合わせた数としてよい。
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、スクリーン100,200が備える各スクリーン部は、すべて同形状である例を記載したが、これに限らず、各スクリーン部の形状等が異なっていてもよい。例えば、各スクリーン部において、画面横方向の寸法が異なっていてもよいし、各光学設計層が備えるフレネルレンズ形状の光学設計が異なっていたり(例えば、各第1斜面がスクリーン面に平行な面となす角度とが異なっていたり、配列ピッチが異なっていたり)してもよい。
(2)各実施形態において、スクリーン100,200は、透明層801,802,803を備えない形態としてもよい。スクリーン100,200は、透明層を有しない形態であっても、接合層101の厚さ等を調整する等より、不図示の支持板等に貼合可能である。
また、各実施形態において、透明層801〜803が、スクリーン100,200の画面の平面性を維持するために十分な剛性を備えている形態としてもよい。このような形態とすることにより、スクリーンに接合される不図示の支持板や枠部材等が不要となる。
また、各実施形態において、スクリーン100,200の各スクリーン部は、透明層801〜803が接合される側の基材層や保護層を備えない形態としてもよい。例えば、第1実施形態において、第1スクリーン部10の第1保護層15や第2スクリーン部20の第2基材層21を備えない形態としてもよい。
また、各実施形態において、スクリーン100,200の各スクリーン部は、各光学形状層や各樹脂層が十分な厚みや剛性等を有している場合には、各基材層及び各保護層のすべて、又は、各基材又は各保護層の一方を備えない形態としてもよい。
(3)第2実施形態において、第2スクリーン部20の表示領域の面積は、積層領域W1,W2の面積の和よりも大きい例を示したが、これに限らず、第2スクリーン部20の表示領域の面積は、積層領域W1,W2の面積の和と等しい形態としてもよい。
また、第2実施形態において、例えば、積層領域W1,W2の面積の和は、第2スクリーン部20の表示領域の面積よりも大きくなる形態としてもよい。このとき、積層領域W1と積層領域W2とが厚み方向において一部が積層される形態となる。このような形態とすることにより、各スクリーン部が表示する映像を、さらになめらかに繋げることができる。
(4)各実施形態において、各積層領域内の各スクリーン部の最端部における反射層の反射率は、0%である例を示したが、これに限らず、少なくとも積層領域において最端部に向かうにつれて反射率が小さくなり、積層領域内のスクリーン部の最端部において最も小さい反射率となるならば、特にその値を限定しない。
(5)各実施形態において、スクリーン100,200の映像源側(+Z側)の面に、傷つき防止を目的としたハードコート層を設けてもよい。ハードコート層は、例えば、スクリーン100,200の映像源側の面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート等)を塗布して形成する等により、形成することができる。
また、ハードコート層に限らず、スクリーン100,200の使用環境や使用目的等に応じて、例えば、反射防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能、帯電防止機能等、適宜必要な機能を有する層を1つ又は複数選択して設けてもよい。さらに、スクリーン100,200の映像源側(+Z側)にタッチパネル層等を設けてもよい。
例えば、スクリーン100,200の映像源側の表面に反射防止層を設けた場合には、映像光のスクリーン入射時の反射を抑制し、入射光量を増大させることに加え、各反射層で反射した光の一部が、スクリーンの映像源側表面で反射して背面側から出射する等により、背面側の観察者O2に映像が一部漏れて見えてしまうこと等も防止できる。
(6)第1実施形態において、第1映像源LS1及び第2映像源LS2は、例えば、スクリーン100の斜め下側等に配置され、スクリーン100(第1スクリーン部10、第2スクリーン部20)に対して画面左右方向において斜め方向光から映像光を投射する形態としてもよい。このとき、第1映像源LS1及び第2映像源LS2の位置に合わせてフレネルセンターとなる点C1,C2の位置をずらして作成されている。このような形態とすれば、映像源の位置等の自由度が向上する。なお、第2実施形態においても、同様である。
(7)各実施形態において、第1単位光学形状121、第2単位光学形状221、第3単位光学形状321の各第1斜面、各第2斜面は、例えば、曲面と平面とが組み合わされた形態としてもよいし、折れ面状としてもよい。
また、第1単位光学形状121、第2単位光学形状221、第3単位光学形状321は、3つ以上の複数の面によって形成される多角形形状としてもよい。
また、第1反射層13は、第1斜面121aの少なくとも一部に形成される形態としてもよい。これは、第2反射層23、第3反射層33についても同様である。
また、第1単位光学形状121、第2単位光学形状221,第3単位光学形状321は、第1斜面のみが微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面である形態としてもよい。
(8)各実施形態において、スクリーン100,200は、画面(表示領域)が矩形形状である例を示したが、これに限らず、例えば、正方形や平行四辺形等の他の四角形形状や多角形形状、円形、長円形、楕円形等としてもよい。
(9)各実施形態において、各スクリーン部はスクリーンの画面左右方向に沿って配列される例を示したが、これに限らず、例えば、画面上下方向に配列される形態としてもよい。この場合、スクリーン部の配列方向に沿って映像源も画面上下方向に配列される。
(10)各実施形態において、各スクリーン部の反射層は、画面中央となる点が最も反射率が高く、画面端部へ向かうにつれて、その反射率が連続的に又は段階的に小さくなる形態としてもよい。
(11)各実施形態において、スクリーン100,200は、黒や灰色等の暗色系の着色材等で着色され、入射した光の一部を吸収する光吸収性を有する不図示の光吸収層を備えていてもよい。この光吸収層は、各反射層よりも映像源側(+Z側)に位置していてもよいし、各反射層よりも背面側(−Z側)に位置していてもよい。
光吸収層をスクリーン100,200に設けることにより、スクリーンに入射した外光等に起因し、スクリーンと空気との界面で全反射しながらスクリーン内を進む迷光を吸収でき、迷光による映像のコントラスト低下等を抑制できる。
また、光吸収層が、各反射層よりも映像源側に位置する場合には、映像の黒輝度の低減や映像源側から入射する外光を吸収でき、映像のコントラストの向上を図ることができる。また、光吸収層が、各反射層よりも背面側に位置する場合には、背面側から入射する外光を吸収し、映像のコントラストを向上させることができる。
なお、上述の光吸収層は、着色材を含有せず、透明な層であって光吸収作用を有する層としてもよい。
(12)各実施形態において、各映像源は、例えば、P波の偏光成分を有する映像光を投射するものとしてもよい。
各映像源は、映像光が入射角φで各スクリーン部へ投射されるように位置及び角度が設定されている。この入射角φは、各スクリーン部へ投射された映像光(P波)の反射率がゼロとなる入射角(ブリュースター角)をφb(°)とした場合、(φb−10)°以上85°以下の範囲に設定される。例えば、各スクリーン部へ投射された映像光の反射率がゼロとなる入射角φbが60°である場合、映像光の入射角φは、50〜85°の範囲に設定される。
このように、P波の偏光成分を有する映像光を投射する映像源を用いることにより、各スクリーン部への入射角φが大きい場合にも、スクリーン100,200の表面における鏡面反射を抑制することができ、映像源の設置位置等、投射系の設計の自由度を上げることができる。また、このような映像源を用いることにより、各スクリーン部又は透明層に入射する際に入射面での映像光の反射を低減でき、映像の明るさ、鮮明さの向上を図ることができる。
なお、角度φb(ブリュースター角)は、映像光が投射される各スクリーン部の表面又は透明層の材質により異なる。
また、このような形態の場合、スクリーン100,200の映像源側表面を構成する各基材層や透明層としては、例えば、TAC製のシート状の部材が好適である。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 映像表示装置
100,200 スクリーン
10,20,30 第1スクリーン部,第2スクリーン部,第3スクリーン部
11,21,31 第1基材層,第2基材層,第3基材層
12,22,32 第1光学形状層,第2光学形状層,第3光学形状層
121,221,321 第1単位光学形状,第2単位光学形状,第3単位光学形状
13,23,33 第1反射層,第2反射層,第3反射層
14,24,34 第1樹脂層,第2樹脂層,第3樹脂層
15,25,35 第1保護層,第2保護層,第3保護層
801,802,803 透明層
LS1,LS2,LS3 第1映像源,第2映像源,第3映像源

Claims (10)

  1. 複数の映像源から投射された映像光の一部を反射して映像を表示し、かつ、映像光の一部を透過する複数のスクリーン部が少なくとも一方向に配列されて形成された反射スクリーンであって、
    複数の前記スクリーン部は、それぞれ、
    光透過性を有し、単位光学形状が背面側の面に複数配列された光学形状層と、
    前記単位光学形状の少なくとも一部に形成され、その前記単位光学形状側の表面が不規則な凹凸形状を有する粗面であり、入射する光の一部を反射し、入射するその他の光の少なくとも一部を透過する機能を有する反射層と、
    を備え、
    前記スクリーン部は、隣接するスクリーン部が厚み方向に一体に積層された積層領域を備え、
    前記反射層は、少なくとも前記積層領域において、前記スクリーン部の最端部へ向かうにつれて反射率が連続的に又は段階的に小さくなっていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  2. 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン部の前記積層領域内の最端部における前記反射層の反射率は、0%であること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記光学形状層は、背面側の面に、前記単位光学形状が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を有すること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  4. 請求項3に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記サーキュラーフレネルレンズ形状は、そのフレネルセンターとなる点が前記スクリーン部の表示領域外に位置すること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    同一形状である複数の前記スクリーン部が配列されて形成されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン部は、光を吸収する作用を有する光吸収層を備えること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記反射層は、誘電体多層膜により形成されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記スクリーン部は、光を拡散する作用を有する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないこと、
    を特徴とする反射スクリーン。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    映像源側に、反射防止機能、ハードコート機能、帯電防止機能、防汚機能の少なくとも1つの機能を有する層を備えること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
    前記反射スクリーンが有する複数の前記スクリーン部にそれぞれ対応し、対応する前記スクリーン部に映像光を投射する複数の映像源と、
    を備える映像表示装置。
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