JP2022025984A - 透明スクリーンシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴースト現象が視認されにくい透明スクリーンシステムを提供することである。【解決手段】透明スクリーンシステム1は、背景を透過して観察可能な透明スクリーン10と、透明スクリーン10へ映像光を投射する映像源LS1と、透明スクリーン10の背面側に配置され、映像光を鏡面反射する鏡面反射部30とを備え、鏡面反射部30は、映像光を反射する反射光量に占める割合が拡散反射成分よりも鏡面反射成分が大きい。これにより、透明スクリーン10を透過した映像光によってゴースト現象が発生することを抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、透明スクリーンシステムに関するものである。
従来、映像源から投射された映像光を表示するスクリーンとして、様々なものが開発されている。なかでも、透明性を有する透明スクリーンは、窓ガラス等のように透光性の高い部材に貼り付ける等し、投射された映像光の一部を拡散して良好に映像が視認でき、かつ、映像光を投射しない不使用時等にはスクリーンの向こう側の景色が透けて見えるため、意匠性の高さ等から需要が高まっている。
また、背景が透過して見える透過フィルム(透明スクリーン)に対して映像を投影する立体映像表示装置が特許文献1に開示されている。
しかし、透明スクリーンに投影される映像光は、その全てが映像として視認可能となるのではなく、透明スクリーンの表面で鏡面反射される光や、透明スクリーンを透過して反対側へ抜けていく光等もある。これら映像として利用されない光の一部が、例えば、透明スクリーンの背面側にある壁面や、天井面等に到達すると、その部分に映像が視認され、いわゆるゴースト現象が発生する場合があった。
特開2019-145883号公報
本発明の課題は、ゴースト現象が視認されにくい透明スクリーンシステムを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、背景を透過して観察可能な透明スクリーン(10、20)と、前記透明スクリーン(10、20)へ映像光を投射する映像源(LS1、LS2)と、前記透明スクリーン(10、20)の背面側に配置され、映像光を鏡面反射する鏡面反射部(30、70)とを備え、前記鏡面反射部(30、70)は、映像光を反射する反射光量に占める割合が拡散反射成分よりも鏡面反射成分が大きい透明スクリーンシステム(1、1B、1C)である。
第2の発明は、第1の発明に記載の透明スクリーンシステム(1、1C)において、前記透明スクリーン(10)は、反射型の透明スクリーン(10)であり、前記映像源(LS1)は、前記透明スクリーン(10)よりも観察側に配置されており、前記鏡面反射部(30、70)は、前記透明スクリーン(10)を透過した映像光を鏡面反射すること、を特徴とする透明スクリーンシステム(1、1C)である。
第3の発明は、第1の発明に記載の透明スクリーンシステム(1B)において、前記透明スクリーン(20)は、透過型の透明スクリーン(20)であり、前記映像源(LS2)は、前記透明スクリーン(20)よりも背景側に配置されており、前記鏡面反射部(30、70)は、前記透明スクリーン(20)で反射した映像光を鏡面反射すること、を特徴とする透明スクリーンシステム(1B)である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかに記載の透明スクリーンシステム(1、1B、1C)において、前記鏡面反射部(30、70)は、黒色であること、を特徴とする透明スクリーンシステム(1、1B、1C)である。
第5の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかに記載の透明スクリーンシステム(1C)において、前記鏡面反射部(70)は、映像表示装置の表面であること、を特徴とする透明スクリーンシステム(1、1B、1C)である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかに記載の透明スクリーンシステム(1、1B)において、前記鏡面反射部(30、70)によって反射された映像光が到達する部位に配置され、映像光を吸収する光吸収部(40)を備えること、を特徴とする透明スクリーンシステム(1、1B)である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかに記載の透明スクリーンシステム(1、1B)において、前記透明スクリーン(10、20)に表示される映像を観察可能とする開口部(52)又は透明部(60)を有し、前記透明スクリーン(10、20)と、前記映像源(LS1、LS2)と、前記鏡面反射部(30、70)と、を覆う外装部(50)を備えること、を特徴とする透明スクリーンシステム(1、1B)である。
第8の発明は、第1の発明から第1の発明7までのいずれかに記載の透明スクリーンシステム(1、1B、1C)において、前記鏡面反射部(30、70)が映像光を反射する反射光量に占める拡散反射成分をDとし、鏡面反射成分をMとしたときに、M/(D+M)≧0.9を満たすこと、を特徴とする透明スクリーンシステム(1、1B、1C)である。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明までのいずれかに記載の透明スクリーンシステム(1、1B、1C)において、前記鏡面反射部(30、70)の拡散反射率は、0.3%以下であること、を特徴とする透明スクリーンシステム(1、1B、1C)である。
第10の発明は、第1の発明から第9の発明までのいずれかに記載の透明スクリーンシステム(1、1B、1C)において、前記鏡面反射部(30、70)の60度光沢度は、70以上であること、を特徴とする透明スクリーンシステム(1、1B、1C)である。
第11の発明は、第1の発明から第10の発明までのいずれかに記載の透明スクリーンシステム(1C)において、前記透明スクリーン(10)及び前記鏡面反射部(70)の少なくとも一方の表面で鏡面反射した映像光が到達する位置に設けられた拡散反射領域(81)と、前記透明スクリーン(10)を観察可能、かつ、前記拡散反射領域の少なくとも一部を遮蔽して観察者の視野を制限する遮蔽部(83、84)と、を備えること、を特徴とする透明スクリーンシステム(1C)である。
本発明によれば、ゴースト現象が視認されにくい透明スクリーンシステムを提供することができる。
本発明による透明スクリーンシステムの第1実施形態を示す図である。 透明スクリーン10の層構成を示す断面図である。 第1光学形状層12を背面側(-Z側)から見た図である。 本発明による透明スクリーンシステムの第2実施形態を示す図である。 第2実施形態の透明スクリーン20の層構成を示す図である。 第2実施形態の第1光学形状層22を観察側(+Z側)から見た図である。 第2実施形態の単位光学形状221及び低屈折率層23を説明する図である。 本発明による透明スクリーンシステムの第3実施形態を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による透明スクリーンシステムの第1実施形態を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
また、本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中において、シート面とは、各シートにおいて、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。なお、板面、フィルム面に関しても同様であるとする。
また、本発明において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
ここで、理解を容易にするために、図1を含め以下に示す各図において、適宜、XYZ直交座標系を設けて示している。この座標系では、透明スクリーン10の画面の水平方向(左右方向)をX方向、鉛直方向(上下方向)をY方向とし、透明スクリーン10の厚み方向をZ方向とする。透明スクリーン10の画面は、XY面に平行であり、透明スクリーン10の厚み方向(Z方向)は、透明スクリーン10の画面に直交する。
また、透明スクリーン10の正面方向に位置する観察者O1から見て水平方向の右側に向かう方向を+X方向、鉛直方向の上側に向かう方向を+Y方向、厚み方向において背面側(裏面側)から映像源側(観察側)に向かう方向を+Z方向とする。
さらに、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この透明スクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であり、それぞれ、Y方向、X方向、Z方向に平行であるとする。
第1実施形態の透明スクリーンシステム1は、映像源LS1と、透明スクリーン10と、鏡面反射部30と、光吸収部40と、筐体50と、窓部60と、を備えており、利用者が一人で持ち運び容易な程度の大きさの装置である。
映像源LS1は、映像光Lを透明スクリーン10へ観察側から投影する映像投射装置であり、例えば、短焦点型のプロジェクタである。
この映像源LS1は、透明スクリーンシステム1の使用状態において、透明スクリーン10の画面(表示領域)を正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、透明スクリーン10の画面左右方向の中央であって、透明スクリーン10の画面よりも鉛直方向下方側に位置している。
映像源LS1は、奥行き方向(Z方向)において、透明スクリーン10の表面からの距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から斜めに映像光Lを投影できる。したがって、従来の汎用プロジェクタに比べて、映像源LS1は、透明スクリーン10までの投射距離が短く、投射された映像光が透明スクリーン10に入射する入射角度が大きく、入射角度の変化量(入射角度の最小値から最大値までの変化量)も大きい。
透明スクリーン10は、観察側の下方に配置された映像源LS1から投射される映像光を反射して観察者O1から映像を観察可能とするスクリーンであり、背景が透過して見える反射型透明スクリーンである。
図2は、透明スクリーン10の層構成を示す断面図である。
図3は、第1光学形状層12を背面側(-Z側)から見た図である。
図2では、透明スクリーン10の画面中央(画面の幾何学的中心)となる点A(図6参照)を通り、画面上下方向(Y方向)に平行であって、スクリーン面に直交(Z方向に平行)する断面の一部を拡大して示している。
透明スクリーン10は、映像源LS1が投射した映像光Lを観察者O1側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンであり、かつ、透明スクリーン10の向こう側(背面側,-Z側)の景色を観察できる半透過型の反射スクリーンである。
透明スクリーン10の画面(表示領域)は、使用状態において、観察者O1側から見て長辺方向が画面左右方向となる略矩形状であるが、長辺方向が画面上下方向としてもよい。
透明スクリーン10は、その画面サイズが対角15~20インチ程度であり、画面の横縦比が16:9である。なお、これに限らず、透明スクリーン10は、例えば、画面サイズを20インチ以上の大きさとしてもよく、使用目的や使用環境等に応じて、その大きさや形状は適宜選択できるものとする。
一般的に、透明スクリーン10は、樹脂製の薄い層の積層体等であり、それ単独では平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、本実施形態の透明スクリーン10は、その背面側に光透過性を有する不図示の接合層を介して不図示の支持板一体に接合(あるいは部分固定)され、画面の平面性を維持する形態としてもよい。
この支持板は、光透過性を有し、剛性が高い平板状の部材であり、アクリル樹脂やPC樹脂等の樹脂製、ガラス製等の板状の部材を用いることができる。
透明スクリーン10は、図2に示すように、その映像源側(+Z側)から順に、基材層11、第1光学形状層12、反射層13、第2光学形状層14、保護層15を備えている。
基材層11は、光透過性を有するシート状の部材である。基材層11は、その背面側(-Z側)に、第1光学形状層12が一体に形成されている。この基材層11は、第1光学形状層12を形成する基材(ベース)となる層である。
基材層11は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
この基材層11は、画面サイズ等に応じてその厚さを選択可能である。
基材層11は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
基材層11は、透明スクリーン10の画面サイズ等に応じて、その厚みを選択してよい。
第1光学形状層12は、基材層11の背面側(-Z側)に形成された光透過性を有する層である。第1光学形状層12の背面側(-Z側)の面には、単位光学形状(単位レンズ)121が複数配列されて設けられている。単位光学形状121は、図3に示すように、透明スクリーン10の画面(表示領域)外に位置する点Cを中心として、同心円状に複数配列されている。即ち、第1光学形状層12は、背面側にサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
第1光学形状層12のサーキュラーフレネルレンズ形状は、その点Cを中心(フレネルセンター)とする、いわゆるオフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状である。そのため、図3に示すように、第1光学形状層12をスクリーン面の法線方向背面側から見たときに、真円の一部形状(円弧状)の単位光学形状(単位レンズ)121が複数配列されているように観察される。この点Cは、図3に示すように、画面左右方向の中央であって画面下方に位置している。したがって、透明スクリーン10を正面方向から見た場合、点Cと点Aとは同一直線状に位置している。
なお、本実施形態では、第1光学形状層12の背面側の面には、サーキュラーフレネルレンズ形状が形成される例を示したが、これに限らず、第1光学形状層12の背面側の面には、単位光学形状121が画面左右方向(X方向)を長手方向とし、画面上下方向(Y方向)に配列されたリニアフレネルレンズ形状が形成される形態としてもよい。
単位光学形状121は、図2に示すように、スクリーン面に直交する方向(Z方向)に平行であって、単位光学形状121の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
単位光学形状121は、背面側に凸であり、映像光が入射する第1斜面(レンズ面)121aと、これに対向する第2斜面(非レンズ面)121bとを有している。1つの単位光学形状121において、第1斜面121aは、頂点tを挟んで第2斜面121bの上側(+Y側)に位置している。
第1斜面121aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1である。第2斜面121bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2である。角度θ1,θ2は、θ2>θ1という関係を満たしている。
この単位光学形状121の第1斜面121a及び第2斜面121bは、微細かつ不規則な凹凸形状を有している。この微細な凹凸形状は、凸形状と凹形状とが2次元方向に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等は不規則である。
単位光学形状121の配列ピッチは、Pであり、単位光学形状121の高さ(厚み方向における頂点tから単位光学形状121間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
理解を容易にするために、図2では、単位光学形状121の配列ピッチP、角度θ1,θ2は、単位光学形状121の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の単位光学形状121は、実際には、配列ピッチPは一定であるが、角度θ1が単位光学形状121の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。
また、角度θ1,θ2、配列ピッチP等は、映像源LS1からの映像光の投射角度(透明スクリーン10への映像光の入射角度)や、映像源LS1の画素(ピクセル)の大きさ、透明スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、単位光学形状121の配列方向に沿って、配列ピッチPが変化し、角度θ1,θ2が変化する形態としてもよい。
第1光学形状層12は、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。
なお、本実施形態では、第1光学形状層12を構成する樹脂として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
反射層13は、単位光学形状121上(第1斜面121a及び第2斜面121b上)に形成されている。また、反射層13は、入射した光の一部を反射し、その他を透過する半透過型の反射層、いわゆるハーフミラーである。
前述のように、第1斜面121a及び第2斜面121bは、微細な凹凸形状が形成されており、反射層13は、この微細な凹凸形状に追従して形成されている。また、この反射層13の厚みは、この微細な凹凸形状の凹凸よりも十分に薄い。したがって、反射層13の映像源側の面(第1光学形状層12側の面)と、背面側の面(第2光学形状層14側の面)とは、微細かつ不規則な凹凸形状を有するマット面となっている。
この反射層13は、入射した光の一部を微細な凹凸形状により拡散して反射し、反射しない他の光を拡散しないで透過するという機能を有する。
この反射層13の映像源側の面の表面粗さ(即ち、第1斜面121aの表面粗さ)は、算術平均粗さRa(JIS B0601-2001)が約0.10~0.50μmであることが、反射光により映像を良好に表示する観点から好ましい。なお、反射層13の映像源側の面の表面粗さ(即ち、第1斜面121aの表面粗さ)である算術平均粗さRaは、所望する光学性能等に応じて適宜選択してよい。
反射層13の反射率と透過率の割合は、所望する光学性能に合わせて適宜に設定できる。
また、反射層13のうち、粗面ではない領域、即ち、微細な凹凸形状を有しておらず、映像源側の面(第1光学形状層12側の面)が鏡面状であり、入射した映像光が鏡面反射する鏡面領域は、第1斜面121a上に形成された反射層13の単位面積当たり5%以下であることが、映像光を十分に拡散し、良好な視野角を得るために必要であり、0%であることが理想的である。
粗面ではない鏡面領域が、第1斜面121a上に形成された反射層13の単位面積当たり5%を超えると、拡散されず反射する映像光の成分により輝線が生じたり、視野角が低下したりするため、好ましくない。
このような反射層13は、光反射性の高い金属、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等により形成され、その厚さは、数10Å程度である。本実施形態の反射層13は、アルミニウムを蒸着することにより形成されている。
なお、反射層13は、これに限らず、例えば、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したり、金属薄膜を含有した塗料を塗布したりする等により形成されてもよい。また、反射層13は、誘電体多層膜を蒸着することにより形成されてもよい。
第2光学形状層14は、第1光学形状層12の背面側(-Z側)に設けられた光透過性を有する層である。第2光学形状層14は、第1光学形状層12の背面側(-Z側)の面を平坦にするために設けられており、単位光学形状121間の谷部を埋めるように形成されている。したがって、第2光学形状層14の映像源側(+Z側)の面は、第1光学形状層12の単位光学形状121の略逆型の形状が複数配列されて形成されている。
このような第2光学形状層14を設けることにより、反射層13を保護することができ、透明スクリーン10の背面側の面に保護層15等を積層しやすくなる。
第2光学形状層14の屈折率は、第1光学形状層22と同等であることが望ましく、第2光学形状層14は、前述の第1光学形状層12と同じ紫外線硬化型樹脂を用いて形成することが好ましい。本実施形態では、第2光学形状層14は、第1光学形状層12と同じ樹脂によって形成されている。
保護層15は、第2光学形状層14の背面側(-Z側)に形成される層であり、この透明スクリーン10の背面側を保護する機能を有するシート状の部材である。なお、この保護層15は、灰色や黒色等の染料や顔料等の着色材等により、着色を施して、光吸収性を有する光吸収層としてもよい。保護層15に光吸収性を持たせることにより、透明スクリーン10に入射する照明光等の不要な外光や迷光を吸収し、映像のコントラストを向上させることができる。
保護層15の母材としては、PET等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC樹脂、MS(メタクリルスチレン)樹脂、MBS(メタクリルブタジエンスチレン)樹脂等が好適である。また、保護層15の母材は、前述の基材層11と同様の材料としてもよい。
保護層15は、透明スクリーン10の画面サイズや所望する光学性能に応じて、適宜、その厚さや光の透過率、吸収率等を調整してよい。
上述のように、本実施形態の透明スクリーン10は、拡散作用を有する粒子等の拡散材を含有した光拡散層を備えておらず、拡散作用を有するのは、反射層13の反射面の微細凹凸形状のみである。これにより、背景が拡散されることなく、良好な状態で背景を観察可能であり、また、映像光の一部のみを拡散反射させて映像を視認可能としている。
図1に戻って、鏡面反射部30は、透明スクリーン10の背面側にある筐体50の内面に固定されており、透明スクリーン10で反射されずに透過した映像光を鏡面反射する。ここで、鏡面反射部30は、映像光を反射する反射光量に占める割合が拡散反射成分よりも鏡面反射成分が大きい。
具体的には、鏡面反射部30が映像光を反射する反射光量に占める拡散反射成分をDとし、鏡面反射成分をMとしたときに、M/(D+M)≧0.9を満たすことが望ましい。より望ましくは、M/(D+M)≧0.95を満たすことが望ましい。理想的には、拡散反射成分をDが限りなくゼロに近く鏡面反射成分Mのみであること、すなわち、M/(D+M)=1であることが望ましい。拡散反射成分Dが多いと、鏡面反射部30の位置において映像光に起因する不要な像が視認されるゴースト現象が発生してしまうことから、この拡散成分Dをできる限り減らすことが望ましい。なお、上述した拡散反射成分Dと鏡面反射成分Mとの比率についての、実際にゴースト現象が視認されてしまう臨界値は、映像光の光強度、及び、透明スクリーン10が映像光を透過する透過率等の各種条件によって大きく変化する。よって、上記比率が1に近いことが望ましいが、上記範囲外であったとしても、鏡面反射部30でゴーストが視認されない程度の鏡面反射であれば十分に使用可能である。
本実施形態の鏡面反射部30は、黒色の平板の観察側に鏡面のAR(反射防止)膜が形成された構成となっている。AR膜とすることにより、拡散反射成分が効果的に抑制され、また、鏡面反射成分も抑制することができる。また、AR膜とすることにより、観察側の像(例えば、観察者の像)が鏡面反射部30に写り込んでしまうことも抑制できる。
また、鏡面反射部30の拡散反射率は、0.3%以下であることが望ましく、0.1%以下であることがさらに望ましい。拡散反射率が低いほど、ゴースト現象が発生することを抑制効果が期待できるからである。
また、鏡面反射部30の60度光沢度は、70%以上であることが望ましく、95%以上であることがさらに望ましい。60度光沢度が、70%未満では、たとえ反射率を低減していても、拡散反射率が大きくなってしまい、ゴーストが観察者に見えてしまうからである。また、60度光沢度を95%以上にすれば、たとえ反射防止膜が無くても、ゴーストが確認しづらくなるからである。
ここで、上述した60度光沢度70%以上という条件は、非常に重要である。60度光沢度が70%以上あるということは、鏡面反射部30の平面性が高いことになり、拡散反射成分を非常に少なくすることが可能となる。仮に、鏡面反射部30のAR膜によって反射率が低減されていたとしても、鏡面反射部30の平面性が低い場合には、拡散反射が生じてしまい、その結果、ゴーストが確認されるおそれが高くなってしまう。例えば、AR膜によって反射率が1%となっていても、平面性が低い(光沢度が低い)ことから、反射成分の内の拡散成分が、50%、つまり、拡散反射率が0.5%の場合には、ゴーストが確認されるおそれが高い。したがって、60度光沢度70%以上という条件は、非常に重要である。
また、鏡面反射部30は、観察側の最表面の光沢度(グロス値)が70%以上であることが望ましい。ここで、グロス値は、JIS Z8741に規定されている、平面に60度の角度から光を当てた場合に反射する光を測定して求めるものである。
光吸収部40は、鏡面反射部30によって鏡面反射された映像光が到達する部位に配置され、映像光を吸収する。本実施形態では、筐体50天井面に配置されている。
光吸収部40は、光吸収性があれば、その具体的な形態は問わないが、例えば、頂部の断面形状が角度90度以下の微細な三角錐形状、四角錐形状、円錐形状等が多数配列された光吸収構造であってもよいし、頂部の断面形状が角度90度以下の三角形形状の単位形状が多数配列され、かつ、配列方向と交差する方向に延在する光吸収構造等が好適である。また、上述のような幾何学的構造を備える光吸収構造に限らず、植毛布や発泡樹脂構造等であってもよいし、光吸収塗装等、どのような形態であってもよい。
光吸収部40は、反射率が10%以下であることが望ましく、かつ、透過率が1%以内であることが望ましい。
なお、図1では、光吸収部40は、筐体50の天井面にのみ設けた図となっているが、例えば、筐体50の内面の鏡面反射部30以外の全ての部分に光吸収部40を設けてもよい。
筐体50は、略直方体形状に構成されており、観察側に透明スクリーン10と略同サイズの開口部52を備えており、この開口部52には、後述の窓部60が設けられている。なお、筐体50の素材は、樹脂であってもよいし、金属であってもよく、木材であってもよい。
また、筐体50は、開口部52の周囲の部位が、透明スクリーン10を観察可能、かつ、透明スクリーン10の周囲を遮蔽して観察者の視野を制限する遮蔽部として機能している。特に、開口部52の上部に設けられている上辺部51は、観察者O1から筐体50の天井面に設けられた光吸収部40が見えないようにすることから、仮に光吸収部40にゴーストが生じたとしても、これを隠すことができる。
窓部60は、筐体50の開口部52にはめ込まれて固定されており、観察者O1がこの窓部60を介して透明スクリーン10を観察可能である。窓部60は、透明な樹脂板やガラス板等により構成されている。
次に、映像源LS1から投射された映像光の軌跡を説明しながら、鏡面反射部30及び光吸収部40の作用についてさらに説明する。
図1中の映像源LS1から投射された映像光の光線L101は、透明スクリーン10の下端付近に到達すると、一部の光は、透明スクリーン10を透過して光線L102となり、他の光は、透明スクリーン10の観察側表面で鏡面反射してL103となり筐体50外に出射する。光線L102は、鏡面反射部30に到達すると、鏡面反射部30の表面でその大部分が鏡面反射して光線L104となる。このとき、光線L102は、鏡面反射部30の表面では、殆ど拡散反射しないことから、鏡面反射部30において視認可能な映像が生じることはない。鏡面反射部30の表面で鏡面反射した光線L104は、一部が透明スクリーン10を透過して光線L105となり筐体50外に出射する。また、他の光は、透明スクリーン10の背面側表面で全反射を繰り返し、光線L106、L107等となり、最終的に光線L108、L109は、光吸収部40に到達して吸収される。
また、映像源LS1から投射された映像光の他の光線L110、L120についても、光線L101の場合と同様に、鏡面反射部30では、その大部分が鏡面反射して殆ど拡散反射しないことから、鏡面反射部30において視認可能な映像が生じることはない。また、光吸収部40に到達した光は、同様に吸収される。
以上説明したように、第1実施形態によれば、反射型透明スクリーンである透明スクリーン10の背面側に鏡面反射部30を配置したので、透明スクリーン10を透過した映像光によってゴースト現象が発生することを抑制することができる。従来、透過映像のゴーストを低減する手法として、透過映像をルーバー状の構成を備える光制御フィルター層を追加したり偏光吸収フィルター層を追加したりして除去する手法があった。また、角度選択拡散層を設けて拡散させる手法があった。しかし、透明スクリーンにこれらの追加の機能層を設けることにより、回折等の背景透過映像の拡散が生じ、透明スクリーンの透明性が低下したり、透過率が低下したりする弊害があった。また、透明スクリーンの構造が複雑化し、コスト上昇のおそれもあった。これに対して、本実施形態の透明スクリーンシステムでは、透明スクリーン10に追加の機能層等を設けることなく、ゴーストが解消でき、透明性が低下する事もなく、背景映像も鮮明に観察できる。また、筐体50で覆うことにより、透明スクリーン10への外光の入射も低減できるので、コントラスト向上の効果も期待できる。
また、光吸収部40を設けたので、小型の筐体50内であっても不要な映像光を効率的に吸収して悪影響を及ぼすことを防止できる。
(第2実施形態)
図4は、本発明による透明スクリーンシステムの第2実施形態を示す図である。
第2実施形態の透明スクリーンシステム1Bは、第1実施形態の映像源LS1及び透明スクリーン10の代わりに、映像源LS2及び透明スクリーン20を用いる点で第1実施形態と異なっているが、他の部分については、第1実施形態と同様である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
映像源LS2は、映像光Lを透明スクリーン20へ背面側から投影する映像投射装置であり、例えば、短焦点型のプロジェクタである。映像源LS2は、透明スクリーン20へ背面側から投影する点で異なる他は、第1実施形態の映像源LS1と略同様な構成である。
透明スクリーン20は、背面側の下方に配置された映像源LS2から投射される映像光を反射して観察者O1から映像を観察可能とするスクリーンであり、背景が透過して見える透過型透明スクリーンである。透明スクリーン20のサイズや配置等については、第1実施形態の透明スクリーン10と同様である。
図5は、第2実施形態の透明スクリーン20の層構成を示す図である。図5では、透明スクリーン20の観察側(映像光の入光側、-Z側)の画面中央(画面の幾何学的中心)となる点A2(図6参照)を通り、画面上下方向(Y方向)に平行であって、スクリーン面に垂直(厚み方向であるZ方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
図6は、第2実施形態の第1光学形状層22を観察側(+Z側)から見た図である。理解を容易にするために、低屈折率層23や第2光学形状層24、保護層25等を省略して示している。
透明スクリーン20は、図5に示すように、その背面側(-Z側)から順に、基材層21、第1光学形状層22、低屈折率層23、第2光学形状層24、保護層25を備えている。
基材層21は、光透過性を有するシート状の部材である。基材層21は、その観察側(観察側,+Z側)に、第1光学形状層22が一体に形成されている。この基材層21は、第1光学形状層22を形成する基材(ベース)となる層である。
基材層21は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
基材層21の厚さは、画面サイズ等に応じて適宜選択可能である。
また、本実施形態では、透明スクリーン20の入光面20aとなる基材層21の背面側の面に、反射防止層を設けて透明スクリーン20への入射光量の向上を図ってもよい。
第1光学形状層22は、基材層21の観察側(+Z側)に形成された光透過性を有する層である。第1光学形状層22の観察側の面には、単位光学形状(単位レンズ)221が複数配列されて設けられている。
単位光学形状221は、図6に示すように、真円の一部形状(円弧状)であり、透明スクリーン20の画面(表示領域)外に位置する点C2を中心として、同心円状に複数配列されている。即ち、第1光学形状層22は、観察側の面にサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。このサーキュラーフレネルレンズ形状は、その点C2を中心(フレネルセンター)とする、いわゆるオフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状である。
本実施形態では、点C2は、図6に示すように、画面左右方向の中央であって画面外下方に位置している。また、点C2と点A2とは、透明スクリーン20を正面方向から見た場合、図6に示すように、同一直線上に位置している。
図7は、第2実施形態の単位光学形状221及び低屈折率層23を説明する図である。図7では、前述の図5をさらに拡大し、理解を容易にするために基材層21及び保護層25を省略して示している。
単位光学形状221は、図5や図7に示すように、スクリーン面に直交する方向(Z方向)に平行であって、単位光学形状221の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
単位光学形状221は、観察側(+Z側)に凸であり、映像光が入射する第1斜面(レンズ面)221aと、これに対向する第2斜面(非レンズ面)221bとを有している。
1つの単位光学形状221において、第2斜面221bは、頂点tを挟んで第1斜面221aの下側に位置している。
第1斜面221aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1である。第2斜面221bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2である。単位光学形状221の頂角はθ3である。角度θ1,θ2は、θ2>θ1という関係を満たしている。
この単位光学形状221の第1斜面221a及び第2斜面221bは、微細かつ不規則な凹凸形状を有している。
単位光学形状221の配列ピッチは、Pであり、単位光学形状221の高さ(厚み方向における頂点tから単位光学形状221間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
理解を容易にするために、図5,図7では、単位光学形状221の配列ピッチP、角度θ1,θ2は、単位光学形状221の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の単位光学形状221は、実際には、配列ピッチPは一定であるが、単位光学形状221の配列方向においてフレネルセンターとなる点C2から離れるにつれて、角度θ1が次第に大きくなり、角度θ2が次第に小さくなっている。
角度θ1,θ2、配列ピッチP等は、映像源LSからの映像光の投射角度(透明スクリーン20への映像光の入射角度θa)や、映像源LSの画素(ピクセル)の大きさ、透明スクリーン20の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、単位光学形状221の配列方向に沿って、配列ピッチPが変化する形態としてもよい。
第1光学形状層22は、光透過性が高く、一般的な紫外線硬化型樹脂よりも屈折率の高い紫外線硬化型樹脂が用いられている。例えば、第1光学形状層22は、エポキシアクリレート系の紫外線硬化型樹脂や、金属酸化物が添加されて高屈折率化されたウレタン系等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。また、第1光学形状層22は、酸化チタン(TiO)が添加されて高屈折率化された紫外線硬化型樹脂を用いてもよい。
この第1光学形状層22の屈折率は、約1.56~1.7程度のものが好ましい。
なお、第1光学形状層22は、紫外線硬化型樹脂に限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
低屈折率層23は、光透過性を有し、隣接する第1光学形状層22及び第2光学形状層24よりも屈折率が低い層である。
本実施形態の低屈折率層23は、単位光学形状221上(第1斜面221a及び第2斜面221b上)に形成されており、第1斜面221a上に形成された第1低屈折率部231と、第2斜面221b上に形成された第2低屈折率部232とを有している。
この第2低屈折率部232と隣接する第2光学形状層14との界面Kが、映像光の少なくとも一部を全反射する全反射面となる。
低屈折率層23は、単位光学形状221の第1斜面221a及び第2斜面221bに形成された微細かつ不規則な凹凸形状に追従して形成され、かつ、単位光学形状221側とは反対側の面にも、この微細かつ不規則な凹凸形状が維持された状態で成膜されている。したがって、低屈折率層23は、その両面に、微細かつ不規則な凹凸形状を有している。
低屈折率層23に臨界角以上の入射角で入射する光は、この微細かつ不規則な凹凸形状により、全反射する際に拡散される。また、低屈折率層23に臨界角未満の入射角で入射する光は、拡散しないで透過する。
なお、低屈折率層23の微細かつ不規則な凹凸形状は、所望する光学性能等に応じてその凹凸の大きさや形状等を適宜選択してよい。
低屈折率層23は、光透過性が高く、隣接する第1光学形状層22及び第2光学形状層14よりも屈折率の低い材料により形成されている。低屈折率層23は、例えば、フッ化マグネシウム(MgF)やフッ化アルミニウム(AlF)等の金属フッ化物、酸化ケイ素(SiO)、シリコン系樹脂が好適である。
低屈折率層23は、上述の材料を蒸着したり、スパッタリングしたりすることにより、形成される。
この低屈折率層23の屈折率は、約1.35~1.45であることが、第2光学形状層14との界面Kで映像光を効率よく全反射させる観点から好ましい。
低屈折率層23は、その厚さが1μm以上10μm以下であることが好ましい。
低屈折率層23の厚さが1μm以下であると、界面Kでの映像光の全反射が不十分となったり、映像光が全反射する際に干渉が生じて映像が劣化したりするため、好ましくない。また、低屈折率層23の厚さが10μmよりも大きくなると、蒸着等による低屈折率層23の形成が困難となったり、単位光学形状221の表面の微細かつ不規則な凹凸形状を埋めて平坦化し、単位光学形状221側とは反対側の面が平面状となってしまったりするため、好ましくない。
第2光学形状層14は、低屈折率層23の観察側(+Z側)に設けられた光透過性を有する層である。第2光学形状層14は、低屈折率層23(第2低屈折率部232)よりも屈折率が高い。第2光学形状層14と低屈折率層23(第2低屈折率部232)との界面Kは、入射した映像光の少なくとも一部を全反射させて観察側(+Z側)の観察者O1側へ向ける。
第2光学形状層14は、低屈折率層23の上から単位光学形状221間の谷部を埋めるように形成され、第1光学形状層22の観察側(+Z側)の面を平坦にしている。したがって、第2光学形状層14の背面側(-Z側)の面は、第1光学形状層22の単位光学形状221の略逆型の形状が複数配列されて形成されている。
このような第2光学形状層14を設けることにより、低屈折率層23を保護することができ、かつ、低屈折率層23と第2光学形状層14との界面Kで映像光を全反射させて観察側の観察者に映像を表示することができる。また、第2光学形状層14によって観察側の面を平坦化することにより、透明スクリーン20の第1光学形状層22の背面側の面に保護層25等を積層しやすくなる。
第2光学形状層14は、光透過性が高く、一般的な紫外線硬化型樹脂よりも屈折率の高い紫外線硬化型樹脂、例えば、前述の第1光学形状層22と同様の材料である、エポキシアクリレート系の紫外線硬化型樹脂、金属酸化物が添加されて高屈折率化されたウレタン系等の紫外線硬化型樹脂、酸化チタン(TiO)が添加されて高屈折率化された紫外線硬化型樹脂等を用いて形成されている。
第2光学形状層14の屈折率は、約1.56~1.7であることが、低屈折率層23との界面Kで映像光を効率よく全反射させる観点から好ましい。また、第2光学形状層14の屈折率は、第1光学形状層22の屈折率と等しい、又は、略等しい(等しいとみなせる程度に屈折率差が小さい)ことが望ましい。
本実施形態では、第2光学形状層14と第1光学形状層22とは、同一の樹脂によって形成されている。なお、これに限らず、第2光学形状層14と第1光学形状層22とは、異なる樹脂により形成されていてもよい。
また、本実施形態では、第2光学形状層14は、紫外線硬化型樹脂により形成される例を挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
図5に戻り、保護層25は、第2光学形状層14の観察側(+Z側)に形成された光透過性を有する層であり、この透明スクリーン20の観察側を保護する機能を有している。
保護層25は、光透過性の高い樹脂製のシート状の部材が用いられる。保護層25は、例えば、前述の基材層21と同様の材料を用いて形成されたシート状の部材を用いてもよい。
また、保護層25は、ハードコート機能や防汚機能、帯電防止機能等を有していてもよい。
上述のように、本実施形態の透明スクリーン20は、拡散作用を有する粒子等の拡散材を含有した光拡散層を備えておらず、拡散作用を有するのは、低屈折率層23の表面の微細かつ不規則な凹凸形状のみである。
ここで、本実施形態の単位光学形状221に入射した映像光の様子について説明する。
図7に示すように、映像源LSから投射されて背面側(-Z側)から透明スクリーン20に入射した映像光Laは、単位光学形状221の第1斜面221aに入射する。このとき、映像光Laの第1斜面221aへの入射角は臨界角未満であるので、多くの映像光Laが第1低屈折率部231を透過する。なお、一部の映像光Lcは反射するが、その光量は小さく、映像源側に位置する観察者が映像を視認することはない。
第1斜面221aの谷底となる点vに近い領域Bに入射し、第1低屈折率部231を透過して第2光学形状層14へ入射した映像光Laの少なくとも一部は、隣接する単位光学形状221の第2斜面221bに形成された第2低屈折率部232と第2光学形状層14との界面Kに、臨界角以上の入射角で入射して全反射し、透明スクリーン20の観察側(+Z側)の正面方向に位置する観察者O1が映像を視認可能な方向に出射する。このとき、低屈折率層23の表面の微細かつ不規則な凹凸形状によって、全反射した光の多くは拡散される(図7の映像光Lb参照)。
また、観察側(+Z側)から透明スクリーン20に入射する太陽光や照明光等の外光Gaや背面側(-Z側)から入射する外光Gbは、いずれも、低屈折率層23と第1光学形状層22との界面や、低屈折率層23と第2光学形状層14との界面に対して、臨界角未満で入射するので、これらの界面で全反射することなく低屈折率層23を透過して透明スクリーン20の下方側へ向かう。
したがって、観察側及び背面側の正面方向に位置する観察者にこれらの外光が届くことはなく、外光による映像のコントラスト低下を抑制できる。
領域Bに入射して第1低屈折率部231を透過した映像光Laが、第2低屈折率部232と第2光学形状層14との界面Kで反射し、透明スクリーン20の観察側(+Z側)の正面方向に位置する観察側へ出射するためには、第2斜面221b(第2低屈折率部232)は、スクリーン面に直交する方向に対してなす角度φが、0<φ<2×(θ1)であることが好ましく、φがθ1に略等しい(等しいとみなせる程度の誤差を有する状態)ことがより好ましく、φがθ1に等しいことがさらに好ましい。
単位光学形状221の配列方向に沿って点C2から離れるにつれて、角度θ2は、次第に小さくなり、この角度φは、次第に大きくなっている。
この角度φが0°である場合、第2低屈折率部232と第2光学形状層14との界面Kに入射する映像光は、その入射角が臨界角未満となり、界面Kで全反射しないため、観察側へ映像光を向けることができない。
また、角度φが2×(θ1)以上である場合、第2低屈折率部232で全反射した映像光は、透明スクリーン20の観察側上方へ向かい、透明スクリーン20の観察側(+Z側)の正面方向に位置する観察者に届かない。したがって、角度φは、上述の範囲であることが好ましい。
透明スクリーン20は、光を拡散する拡散粒子等を含有する光拡散層を備えていないので、スクリーン面に小さい入射角度で入射してこの透明スクリーン20を透過する光は、拡散されない。したがって、観察側(+Z側)から、観察者O1が、透明スクリーン20を通して透明スクリーン20の向こう側(背景側)を観察した場合に、透明スクリーン20の向こう側の景色等がぼやけたり、白くにじんだりすることなく、高い透明性を有して観察することができる。
次に、映像源LS2から投射された映像光の軌跡を説明しながら、第2実施形態における鏡面反射部30及び光吸収部40の作用についてさらに説明する。
図4中の映像源LS2から投射された映像光の光線L201は、透明スクリーン20の下端付近に到達すると、一部の光は、透明スクリーン20を透過して光線L202となり筐体50外に出射し、他の光は、透明スクリーン10の背面側表面で鏡面反射して光線L203となり鏡面反射部30へ到達する。光線L203は、鏡面反射部30に到達すると、鏡面反射部30の表面でその大部分が鏡面反射して光線L204となる。このとき、光線L203は、鏡面反射部30の表面では、殆ど拡散反射しないことから、鏡面反射部30において視認可能な映像が生じることはない。鏡面反射部30の表面で鏡面反射した光線L204は、一部が透明スクリーン10を透過して光線L205となり筐体50外に出射する。また、他の光は、透明スクリーン10の背面側表面で全反射を繰り返し、光線L206、L207等となり、最終的に光線L208、L209は、光吸収部40に到達して吸収される。
また、映像源LS2から投射された映像光の他の光線L210、L220についても、光線L201の場合と同様に、鏡面反射部30では、その大部分が鏡面反射して殆ど拡散反射しないことから、鏡面反射部30において視認可能な映像が生じることはない。また、光吸収部40に到達した光は、同様に吸収される。
以上説明したように、第2実施形態によれば、透過型透明スクリーンである透明スクリーン20の背面側に鏡面反射部30を配置したので、透明スクリーン10を透過した映像光によってゴースト現象が発生することを抑制することができる。また、光吸収部40を設けたので、不要な映像光を効率的に吸収して悪影響を及ぼすことを防止できる。
(第3実施形態)
図8は、本発明による透明スクリーンシステムの第3実施形態を示す図である。
第1実施形態及び第2実施形態の透明スクリーンシステム1、1Bは、筐体50に覆われており、利用者が一人で持ち運び容易な程度の大きさの装置であった。これに対して、第3実施形態の透明スクリーンシステム1Cは、より大きな空間に配置される構成となっている。例えば、第3実施形態の透明スクリーンシステム1Cは、舞台や、博物館の展示場や、イベント会場等、屋内の空間を利用して構成することができる。
第3実施形態の透明スクリーンシステム1Cは、映像源LS1と、透明スクリーン10と、鏡面反射部70と、天井81と、背景壁82と、遮蔽部83と、前景物91と、背景物92とを備えている。
映像源LS1及び透明スクリーン10は、第1実施形態の映像源LS1及び透明スクリーン10と同様な構成を備えている。ただし、第3実施形態の透明スクリーン10は、第1実施形態の透明スクリーン10寄りも画面サイズが大きい。
鏡面反射部70は、透明スクリーン10よりも背景側に配置されている。鏡面反射部70は、第1実施形態の鏡面反射部30と同様に観察側の表面は、映像光を反射する反射光量に占める割合が拡散反射成分よりも鏡面反射成分が大きい。また、鏡面反射部70は、鏡面反射を行う観察側の表面板が透明な樹脂やガラス等により構成されており、その背面側には、透明スクリーン10の背景となる絵柄が表示されている。鏡面反射部70が表示する絵柄は、例えば、液晶表示装置が配置されている形態であってもよいし、イラストや写真等が配置されている形態であってもよい。
第3実施形態では、透明スクリーン10を透過した映像光が到達する位置に鏡面反射部70が配置されていることにより、透明スクリーン10を透過した映像光が背景壁82に到達してゴースト現象が発生することを防止している。
天井81は、透明スクリーンシステム1Cが設けられる室内の天井である。本実施形態では、後述の遮蔽部83を設けていることから、天井81には、第1実施形態の光吸収部40のような構成は必須ではないが、例えば、黒色に塗装されていることが望ましく、光吸収部40をさらに設けてもよい。天井81に光吸収部のような構成を備えない場合、この天井81の領域は、拡散反射領域となる。
背景壁82は、透明スクリーンシステム1Cが設けられる室内の壁である。なお、背景壁82は、鏡面反射部70等が配置されても観察者O1から視認される場合には、黒色に塗装したり、絵柄を表示したりしてもよい。
遮蔽部83は、観察者O1の位置から視認可能な範囲を制限するために設けられた下がり壁である。なお、遮蔽部83は、下がり壁に限らず、例えば、遮光性を備えた布等を配置する形態としてもよいし、図8中に二点鎖線84で示した位置に天井面を設ける構成としてもよい。
遮蔽部83を設けることにより、天井81に到達した映像光により発生するゴースト現象が観察者O1によって視認されることを防ぐことができる。
前景物91、及び、背景物92は、それぞれ、透明スクリーン10の前、及び、透明スクリーン10の後であって、映像光の光路外となる位置に配置された物品、又は、人物である。前景物91、及び、背景物92は、例えば、演者であってもよいし、人形であってもよいし、植木等であってもよく、その具体的な形態は、特に問わない。なお、特に図示しないが、前景物91、及び、背景物92のみを照明するスポット照明等を設けると、前景物91、及び、背景物92の視認性を向上させることができ、より立体的な表現が可能である。
次に、映像源LS1から投射された映像光の軌跡を説明しながら、鏡面反射部70及び遮蔽部83の作用についてさらに説明する。
図8中の映像源LS1から投射された映像光の光線L301は、透明スクリーン10の下端付近に到達すると、一部の光は、透明スクリーン10を透過して光線L302となり、他の光は、透明スクリーン10の観察側表面で鏡面反射してL303となり遮蔽部83に到達することで、観察者O1によって視認されない。光線L302は、鏡面反射部70に到達すると、鏡面反射部70の表面でその大部分が鏡面反射して光線L305となる。このとき、光線L302は、鏡面反射部70の表面では、殆ど拡散反射しないことから、鏡面反射部70において視認可能な映像が生じることはない。鏡面反射部70の表面で鏡面反射した光線L305は、天井81に到達するが、天井81は、遮蔽部83により遮蔽されていて観察者O1によって視認されない。また、鏡面反射部70に到達した光線L302の一部は、鏡面反射部70を透過して光線L304となる。光線L304は、さらに背面側にある鏡面反射部70に到達し、先と同様に光線L306及び光線L307となるが、いずれも天井81に到達し、観察者O1によって視認されない。
第3実施形態の透明スクリーンシステムによれば、透明スクリーン10を主として、上述のように各構成を奥行き方向に間を空けて配置したことにより、立体感の感じられる表示を行うことができる。また、第1実施形態と同様に、ゴースト現象を抑制することができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、透明スクリーン10、20として具体的な形態を例示したが、背景を透過して観察可能な透明スクリーンであれば、その具体的な形態は公知のものを適宜用いることができる。
(2)第3実施形態において、鏡面反射部70と、前景物91と、背景物92とを複数配置した例を挙げて説明した。これに限らず、これらのいずれかが単体であってもよいし、3つ以上あってもよく、適宜変更可能である。また、鏡面反射部70のいずれかを第1実施形態における鏡面反射部30と同様な構成としてもよい。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1、1B、1C 透明スクリーンシステム
10、20 透明スクリーン
11 基材層
12 第1光学形状層
13 反射層
14 第2光学形状層
15 保護層
20a 入光面
21 基材層
22 第1光学形状層
23 低屈折率層
24 第2光学形状層
25 保護層
30 鏡面反射部
40 光吸収部
50 筐体
51 上辺部
52 開口部
60 窓部
70 鏡面反射部
81 天井
82 背景壁
83 遮蔽部
91 前景物
92 背景物
121 単位光学形状
121a 第1斜面
121b 第2斜面
221 単位光学形状
221a 第1斜面
221b 第2斜面
231 第1低屈折率部
232 第2低屈折率部

Claims (11)

  1. 背景を透過して観察可能な透明スクリーンと、
    前記透明スクリーンへ映像光を投射する映像源と、
    前記透明スクリーンの背面側に配置され、映像光を鏡面反射する鏡面反射部とを備え、
    前記鏡面反射部は、映像光を反射する反射光量に占める割合が拡散反射成分よりも鏡面反射成分が大きい透明スクリーンシステム。
  2. 請求項1に記載の透明スクリーンシステムにおいて、
    前記透明スクリーンは、反射型の透明スクリーンであり、
    前記映像源は、前記透明スクリーンよりも観察側に配置されており、
    前記鏡面反射部は、前記透明スクリーンを透過した映像光を鏡面反射すること、
    を特徴とする透明スクリーンシステム。
  3. 請求項1に記載の透明スクリーンシステムにおいて、
    前記透明スクリーンは、透過型の透明スクリーンであり、
    前記映像源は、前記透明スクリーンよりも背景側に配置されており、
    前記鏡面反射部は、前記透明スクリーンで反射した映像光を鏡面反射すること、
    を特徴とする透明スクリーンシステム。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の透明スクリーンシステムにおいて、
    前記鏡面反射部は、黒色であること、
    を特徴とする透明スクリーンシステム。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の透明スクリーンシステムにおいて、
    前記鏡面反射部は、映像表示装置の表面であること、
    を特徴とする透明スクリーンシステム。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の透明スクリーンシステムにおいて、
    前記鏡面反射部によって反射された映像光が到達する部位に配置され、映像光を吸収する光吸収部を備えること、
    を特徴とする透明スクリーンシステム。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の透明スクリーンシステムにおいて、
    前記透明スクリーンに表示される映像を観察可能とする開口部又は透明部を有し、前記透明スクリーンと、前記映像源と、前記鏡面反射部と、を覆う外装部を備えること、
    を特徴とする透明スクリーンシステム。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれかに記載の透明スクリーンシステムにおいて、
    前記鏡面反射部が映像光を反射する反射光量に占める拡散反射成分をDとし、鏡面反射成分をMとしたときに、M/(D+M)≧0.9を満たすこと、
    を特徴とする透明スクリーンシステム。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれかに記載の透明スクリーンシステムにおいて、
    前記鏡面反射部の拡散反射率は、0.3%以下であること、
    を特徴とする透明スクリーンシステム。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれかに記載の透明スクリーンシステムにおいて、
    前記鏡面反射部の60度光沢度は、70以上であること、
    を特徴とする透明スクリーンシステム。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれかに記載の透明スクリーンシステムにおいて、
    前記透明スクリーン及び前記鏡面反射部の少なくとも一方の表面で鏡面反射した映像光が到達する位置に設けられた拡散反射領域と、
    前記透明スクリーンを観察可能、かつ、前記拡散反射領域の少なくとも一部を遮蔽して観察者の視野を制限する遮蔽部と、
    を備えること、
    を特徴とする透明スクリーンシステム。
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