JP2010066317A - 透過型パネルスクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】 構造材料として各種の構造物に直接に組み込むことができる高い強度と耐久性を備えた透過型パネルスクリーンを提供する。
【解決手段】 透明樹脂製の一対のパネル基板8,8の間に結像シート7を挟み込む。この際の結像シート7の縦横寸法H2,D2は、一対のパネル基板の縦横寸法H1,D1より小さく設定する。挟み込んだ結像シート7は、加圧脱気処理または減圧脱気処理とともにパネル基板8,8の周縁部S…を結像シート7を介在させることなく直接に貼着して外界から完全に遮断する。一対のパネル基板8,8は、周縁部S…の直接的な貼着と周縁部以外の部分の大気圧による一体化作用によって、全体として高い強度を発揮することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、本来の用途であるプロジェクタ用の透過型パネルスクリーンとしての他、例えば、窓ガラスの代用として、機械装置や乗り物等の操作技術を模擬実習する各種のシミュレーション装置や生物観賞用水槽や飼育槽等を構成する構造部材の一部として直接使用することができる強固な構造を有する透過型パネルスクリーンに関する。
プロジェクタから影像光線をスクリーンに拡大投射して可視影像を再生するプロジェクタ装置は、その性能向上とともに低価格化が実現され、広く普及している。
プロジェクタ装置は、通常、影像光線を投射するプロジェクタ本体と、投射された影像光線を受け取る側のスクリーンとからなり、プロジェクタ本体とスクリーンとが分離していることが他の影像再生装置と異なる大きな特徴である。また、プロジェクタ用のスクリーンは、外形上において単なる面でよく、プロジェクタ本体との間に電気的または機械的な接続は一切必要とはされない。このため、使用していないときのスクリーンは、ロールカーテン状または薄い樹脂板状の貧相な存在感である。
プロジェクタ装置の一般的な視聴態様は、任意の位置に設置したスクリーンに対して、プロジェクタ本体から影像光線を投射して視聴する態様が一般的である。つまり、プロジェクタ本体とスクリーンとが分離していることの利点が格別に活用されず、専ら、大画面再生を簡単に実現できる点が評価されている現状である。
本発明は、プロジェクタ本体とスクリーンとが分離していることに着目した発明である。すなわち、プロジェクタ装置におけるプロジェクタ本体とスクリーンとが分離独立に設置可能であることを積極的に評価する視点からは、例えば、天井面にスクリーンを設置して星空や花火、見上げた視線の樹木風景等を室内に取り入れることができるのではないか。また、魚槽内に設置したスクリーンにその魚槽に飼育されている魚類の自然における環境の背景を採り入れることができるのではないか、あるいは、魚槽の壁面の一部をスクリーンそのものによって形成することによって、同様の趣向を実現することができるのではないか。さらには、スクリーン自体によって室内の全ての壁面または壁面の一部を形成することによって、視覚的バーチャル空間を形成することができるのではないか等のプロジェクタ装置の新たな使用態様を想定することができるのである。
しかし、上記のような使用態様を実現するためには、プロジェクタ用のスクリーンがそのような使用態様に耐えるものであることが前提となる。上記のような使用態様に耐えるためには、水平に設置した場合においても中弛みしない曲げ強度、耐水性、構造物等の壁面としての強度が要求されるとともに、プロジェクタ用のスクリーン本来の態様における使用も可能でなければならない。
上記プロジェクタ装置の使用態様との関係において、従来のスクリーンの使用可能性を検討するに、先ず、反射型のスクリーンは、スクリーンに対するプロジェクタ本体の設置位置の制約および視聴位置の制約により使用することができない。したがって、透過型スクリーンについて検討する。
特開2004−4476号公報 特開2004−271774号公報 特開2005−250124号公報 特開2007−34324号公報 特開2006−113234号公報 特開2007−94069号公報
プロジェクション方式においては、プロジェクタ本体から投射された影像光線をスクリーン上に可視影像として結像させる必要がある。このためには、プロジェクタ本体から直進してきた光を少なくとも視聴者側に向けて分散させる機能を有する面(光散乱層、光拡散層、結像層等と称される)の存在が必要である。この結像層等に一定限度を超える厚みがある場合には、その厚み内において結像する位置がランダムとなり、明快な像が得られないこととなる。したがって、結像層等の厚みは薄いほうが好ましいことになる。
上記事情により、結像層等としては、従来、薄い樹脂フィルムにガラス微粒子や樹脂微粒子等の光拡散材料を練り込んだシート状のものが利用されている(特許文献1ないし4参照)。このシート状の結像層等は、単体でスクリーンとして用いられる他、保護フィルムや反射防止フィルム、フルネルレンズシートやレンチキュラーレンズシート等の機能性フィルムとラミネートした状態でも利用される(特許文献5,6参照)。また、スクリーンの用途によっては、結像層等を支持するための透明なガラス基板やアクリル基板に貼着し、または、挟み込んでパネル状とした態様で利用されている。
上記従来提案されている透過型スクリーンは、各種構造物の一部として組み込むという本願の目指す透過型スクリーンの使用態様からは、要求される耐水性や機械強度の面から直ちに利用することは困難である。
それでは、シート状の結像層等を十分な強度を確保することができる厚みを有する透明アクリル樹脂等のパネル基板に挟み込めば問題が解決するのではないかという率直な解決策が提出されることとなる。しかし、この解決策を採用する場合には、使用するパネル基板の厚みが厚いことに起因する次のような技術的課題が生じることが判明した。
(技術課題1)十分な厚みを有する表裏のパネル基板を、その間に結像層を挟み込んだ状態でどのように一体化するかという問題がある。例えば、一方のパネル基板に結像層を貼着する場合には、結像層の一方の面に予め粘着層を形成しておき、先ず、パネル基板の一端側にのみ結像層を重ね合わせ、この部分からパネル基板と結像層とを加圧ローラに噛み込ませ、一端側から他端側に向かって貼着作業を徐々に進行させることによって、製品欠陥となる気泡を閉じ込めることなくパネル基板と結像層とを貼着することができる。すなわち、この貼着作業は、結像層の可撓性を利用するものである。
しかし、貼着した結像層の上にさらに他方のパネル基板を貼着する場合において、樹脂製のパネル基板であっても十分な厚みを有するパネル基板においては、結像層のように屈曲させることができないため、常に、全面を同時に貼着せざるを得ない。また、粘着層を利用して全面を同時に貼着する場合においては、気泡を閉じ込めないで作業を完了することは、至難の業といっても過言ではない。硬質のパネル基板の間に結像層を挟み込む態様の従来例においても、一方のパネル基板は、粘着層を用いることなく、単に結像層上に積層した状態で添設するもののようである(特許文献4参照)。粘着層を用いなければ、気泡の閉込み問題は生じないからである。しかし、この場合は、2枚のパネル基盤は、分離状態であり、その一体化強度を発揮することはできないこととなる。
また、結像層の両面に粘着層を設けて一対のパネル基板を貼着したとしても、一対のパネル基板間に軟質樹脂製の結像層が介在することにより、表裏一対のパネル基板が直接に貼着されることにはならず、このため一対のパネル基板の一体化強度は、結像層の破断強度等を限度とする低いものとならざるを得ないのである。
(技術課題2)十分な厚みのパネル基板によって結像層を挟み込んだ場合、スクリーン上に再現される可視影像の色調が変化するという問題が発生する。例えば、人物の肌の色が黄変したり、白色の再現性が劣化するのである。この問題は、パネル基板が透明体である場合においても、紫外光側(青色側)の波長の短い光線がパネル基板の厚みに応じて吸収されることに起因して発生する。したがって、パネル基板が薄い場合には問題とならないのであるが、パネル基板が厚い場合には無視できない問題として顕在化することになるのである。
(技術課題3)2枚のパネル基板によって結像層を挟み込む構成においては、自然光や照明光等の外乱光線、およびプロジェクタ自体の影像光線がプロジェクタ側のパネル基板によって反射し、これがさらに周囲の物体に反射した結果としての反射光線のスクリーンへの再入光や、周辺部材への煩わしい映り込みが問題となる。このような反射光線のスクリーンへの再入光の問題は、プロジェクタ本体とスクリーンとの間に反射鏡を用いる使用態様において特に顕著である。この問題についても、プロジェクタ装置の一般的な使用態様においては、プロジェクタ本体とスクリーンとの位置関係を、例えば、メーカ推奨の本来の位置関係とすることに格別の支障がないために問題化しないのであるが、本発明の目指す使用態様においては、両者の位置関係や周辺環境を理想状態とすることができない場合も少なくないからである。なお、一般的には、光反射防止層(アンチグレア層)をスクリーンの視聴者側に設け、室内照明等の映り込みを軽減する措置が採用されるが(特許文献3参照)、この光反射防止層は、プロジェクタ側において発生する上記問題に何ら寄与しない。
本発明は、上記技術課題を解決することによって、使用態様に応じた強度を得られる任意の厚みのパネル基板の使用を可能とし、一般的なスクリーンとして設置する場合においては、薄型液晶TVと同等の豪華な外観を実現することができる他、例えば、シミュレーションルームの壁面やその他の任意の構造物の構成部材として用いることができる強固かつ耐水性等を含む耐候性に優れた透過型パネルスクリーンを提供することを目的とする。
この目的を達成するための手段として本発明は、次のような構成を採用する。
本発明の請求項1に記載の透過型パネルスクリーンは、透明樹脂製の一対のパネル基板と、プロジェクタから投射される影像光線を可視影像化する光拡散性を有し、一対のパネル基板の間に挟み込む樹脂製の結像シートとを備えてなり、結像シートの縦横寸法は、一対のパネル基板の縦横寸法より小さく寸法設定され、この結像シートは、加圧脱気処理または減圧脱気処理とともに一対のパネル基板の周縁部を結像シートを介在させることなく直接に貼着することによって脱気密封され、一対のパネル基板の周縁部以外の部分は、結像シートを挟んで大気圧によって一体化されていることを特徴とする。
上記構成は、先に指摘した技術課題1に対応する構成であり、この構成による透過型パネルスクリーンは、1対のパネル基板の縦横寸法に対して小さく寸法設定する結像シートを挟み込む構成とすることによって、使用するパネル基板の厚みにかかわらず、1対のパネル基板の周縁部を結像シートを介在させることなく直接に貼着することができる。この際、貼着作業とともに加圧脱気処理または減圧脱気処理を実施することにより、結像シートは、気泡を残存させることなく1対のパネル基板間に完全に密封される。したがって、1対のパネル基板の周縁部は直接に、また、周縁部以外の部分は大気圧によって一体化され、両者は、一体化による高い全体強度を発揮することができるとともに、高水圧が加わる水槽等の壁面のような用途に使用しても、ほぼ完全といえる耐水性能を発揮することができる。
本発明の請求項2に記載の透過型パネルスクリーンは、一対のパネル基板の少なくともいずれか一方のパネル基板の表面にアンチグレア層を形成し、アンチグレア層を有するパネル基板をプロジェクタ側に配置することを特徴とする。
上記構成は、先に指摘した技術課題3に対応する構成であり、この構成による透過型のスクリーンにおいては、プロジェクタ側のパネル基板に設けたアンチグレア層が、外来光や照明光等がパネル基板によって反射される際において、この反射光を分散反射する。分散反射された反射光は、影像品質を害する明確な光線としては結像シートへ再入光することはできず、したがって、本来の再生影像を安定化することができる。
本発明の請求項3に記載の透過型パネルスクリーンは、結像シートの少なくとも一方の面に青色系の有色透明粘着層を積層して一対のパネル基板の間に挟み込むことを特徴とする。
上記構成は、先に指摘した技術課題2に対応する構成であり、この構成よる透過型パネルスクリーンにおいては、結像シート上の再生影像に有色透明粘着層に付与した青色系の色相を合成することができる。したがって、パネル基板によって紫外光側(青色側)の波長の短い光線が吸収されることに起因する再生影像の色調不良を補正することができる。
本発明の請求項4に記載の透過型パネルスクリーンは、結像シートに、有色透明樹脂製の色補正シートを重ね合わせて一対のパネル基板の間に挟み込むことを特徴とする。
上記構成は、主に、先に指摘した技術課題2に対応する構成であり、この構成による透過型パネルスクリーンは、結像シート上の再生される影像に色補正シートによって任意の色相を合成することができるので、パネル基板によって紫外光側(青色側)の波長の短い光線が吸収される問題を簡単に解決することができるとともに、透過型パネルスクリーンの多様な使用環境の色調との関係において、最適な色調補正を簡単に実施することができる。
本発明の透過型パネルスクリーンは、透明樹脂製の一対のパネル基板間に、一対のパネル基板の縦横寸法より小さく寸法設定した結像シート挟み込んだ上、加圧脱気処理または減圧脱気処理とともに一対のパネル基板の周縁部を結像シートを介在させることなく直接に貼着して脱気密封し、一対のパネル基板の周縁部以外の部分を大気圧によって一体化する手段を採用することによって、2枚のパネル基板が一体化強度を発揮することのできる全体構造を実現することができるとともに、結像シートが外部環境から完全に分離された状態が実現されるので、例えば、本透過型パネルスクリーンを窓ガラス代用や水槽等の壁面等としてそのまま利用することができるという効果を奏する。
以下、図面を引用しながら本発明の透過型パネルスクリーン90(以下、本実施の形態欄において「パネルスクリーン90」という)実施の形態を説明する。
本発明のパネルスクリーン90は、適当なベース台20に架設することによって、薄型液晶TVと同等の外観を簡単に実現することができる(図1)。パネルスクリーン90自体が十分な厚みと、十分な厚みを有する透明樹脂製のパネル基板8,8特有の透明感を伴う重厚な質感を備えるからである。
パネルスクリーン90は、表裏1対のパネル基板8,8と、その間に挟み込む結像シート7と、色補正シート6からなる(図1,図2)。表裏1対のパネル基板8,8は、いずれも透明アクリル樹脂製であって同一サイズである。本実施の形態におけるパネルスクリーン90は一般家庭用を想定したものであり、画面サイズは、60インチに設定されている。そして、この画面サイズの場合における各パネル基板8,8の厚みTは、いずれも8ミリメートルに設定されている(図3)。したがって、パネルスクリーン90の全体厚みは、ほぼ16ミリメートルに達する。
なお、1対のパネル基板8,8の一方のパネル基板8の表面には、四周の周縁部S…を除いてアンチグレア層8Aが形成されている。このアンチグレア層8Aは、パネル基板8に対するサンドブラスト処理によって形成してもよく、いわゆるアンチグレアフィルムとして提供されているフィルムを貼着して形成してもよい。
結像シート7は、光拡散微粒子を練り込んでシート状に成形した樹脂製シートであり、プロジェクタ装置用のスクリーンとして市場に提供されている製品中から任意のものを選択して使用することができる。本実施の形態においては、PP樹脂ベースで0.5ミリメートル厚みの製品を用いている。
色補正シート6は、PP、PE、アクリル樹脂等のいわゆる透明着色シートであり、包装用途等のものとして、潤沢に提供されているものから選択することができる。選択基準は、紫外線劣化しない樹脂ベースのものであることが好ましい。本実施の形態においては、薄青色系のアクリル樹脂製シートであって、0.1ミリメートルまたは0.2ミリメートル厚みの製品を採用している。なお、パネル基板8,8の厚みTが8ミリメートル程度の場合は、再生影像の色調変化は無視できる程度であり、色補正シート6は省略してもよい。
1対のパネル基板8,8の縦寸法H1、横寸法D1の比率は任意であるが、TV視聴を主体に使用する場合には、所定の放送規格に準じたものとすることが好ましいと言える。結像シート7および色補正シート6は、同一サイズであって、その縦寸法H2、横寸法D2は、パネル基板8,8のそれよりも一回り小さく寸法設定されている(図1)。具体的には、パネル基板8,8の四周の周縁部S…に30ミリメートルないし50ミリメートル程の余白(パネル基板8の端部までの間隔)を確保することができる寸法である。また、一方のパネル基板8に形成したアンチグレア層8Aの縦横寸法は、パネル基板8,8の縦横寸法より小さく、結像シート7の縦横寸法より大きい設定である。使用上、スクリーンに対してやや斜め位置にプロジェクタを設置することが多いからである。
パネルスクリーン90は、1対のパネル基板8,8間に結像シート7と色補正シート6とを挟み込んで1対のパネル基板8,8の周縁部S…を直接に貼着することによって一体化されている。なお、1対のパネル基板8,8の貼着作業は、製品欠陥となる気泡を内部に残さないための加圧脱気処理または減圧脱気処理とともに実施することが必要である。
本発明における加圧脱気処理とは、結像シート7等を挟み込んだ1対のパネル基板8,8に対して、ロールプレス装置や平板プレス装置等の加圧装置を用いて圧力を加え、両者間に残留する気泡を追い出す処理を示し、減圧脱気処理とは、減圧室または真空ポンプを利用して両者間に残留する気泡を外部に誘引除去する処理を示す。
1対のパネル基板8,8は、アクリル樹脂を一時的に溶かす溶媒性接着剤、またはアクリル樹脂と重合反応する重合性接着剤を用いて四周の周縁部S…を直接に接着され、1対のパネル基板8,8の内部は、完全に密封された状態である。したがって、両者を引き離そうとする外力に対しては、接着力に加えて大気圧によっても対抗することができる構造である。
なお、パネルスクリーン90の周囲部分の1対のパネル基板8,8間には、接着層Bが形成される(図3)。しかし、アクリル樹脂は接着性に優れることが特徴であり、接着層Bの存在は、同図に拘らず光線の反射によってようやく確認することができる程度の目立たないものとして仕上がる。この結果、実際の製品においては、各パネル基板8,8の厚みTの2倍の厚みを有する1枚のアクリル樹脂中に結像シート7等を埋め込んだように見える優れた意匠が実現されている。
パネルスクリーン90の設置部材として準備されたベース台20は、TVボード等の上に安定させるための水平部2Aと、一定の高さを確保するための直立部2Bと、直立部2Bから側方に張り出す横桟部2Cとを一体成形したシンプルな構成である(図2)。水平部2Aの内部には、重量付加用のウエイトが埋設されている。
パネルスクリーン90は、ベース台20の横桟部2Cによって重量を支持した状態で、ベース台20のねじ孔2H,2Hに、パネルスクリーン90の下縁部の設ける透孔9H,9Hを介して飾りねじ2D,2Dを螺入して固定されている(図1)。飾りねじ2D,2Dには重量が加わらず、単なる倒れ防止用である。このような固定方法および全体デザインは、パネルスクリーン90が剛体であることによって実現される。
パネルスクリーン90の使用に際しては、アンチグレア層8Aを設けたパネル基板8をプロジェクタ側にして使用する。ここで、プロジェクタとパネルスクリーン90との間に所定の投影距離を確保できないことにより、反射ミラーMを利用して投影する場合について説明する(図3)。なお、パネル基板8,8自体の屈折率は、考慮しないものとする。
上記設例においては、図示しないプロジェクタから投射された特定画素に対応する影像光線L1は、反射ミラーMで全反射されてパネルスクリーン90に至り、先ず、アンチグレア層8Aを通過する。この際、影像光線L1は、アンチグレア層8Aによって拡散されて結像シート7に至り、結像シート7によって拡散されて色補正シート6を介して視聴側に抜ける光路をたどる。
アンチグレア層8Aおよび結像シート7における影像光線L1の拡散率は、それぞれのヘイズ値によって決定される。ヘイズ値は、ヘイズ値H=拡散光線透過率/全光線透過率×100(%)で示され、この値が大きいほど拡散程度が大きくなる。一般に、結像シート7についてのヘイズ値は、大きいほうが好ましいとされるが、本発明のパネルスクリーン90におけるアンチグレア層8Aのヘイズ値には、適正な範囲が存在する。
アンチグレア層8Aに適用するヘイズ値の決定には、使用するプロジェクタの画素ピッチと、プロジェクタ側のパネル基板8の厚みTが関与する。ヘイズ値決定の基本的な考え方は、アンチグレア層8Aを通過することによって拡散しながら結像シート7に至った際の影像光線L1の拡散範囲が、同様に拡散しながら結像シート7に至った隣接画素と重畳しない範囲で決定しなければならないということである。すなわち、隣接画素が重畳しない範囲では、プロジェクタ側にアンチグレア層8Aを設けることによる再生影像への影響が無視できるのである。
アンチグレア層8Aを通過した影像光線L1の拡散範囲は、パネル基板8の厚みTの2乗に比例して拡大する。また、プロジェクタの画素ピッチが精細であるほど、影像光線L1の拡散範囲が重畳する可能性が高くなる。そこで、ヘイズ値の決定は、用いるパネル基板8の厚みTとプロジェクタの画素ピッチとから逆算的に定めることが好ましい。通常は、ヘイズ値H=5〜20の範囲でパネルスクリーン90の使用環境に応じた適切な値を選択することができる。
透過型スクリーンにおいては、結像シート7上に結像した可視影像光線L2は、パネルスクリーン90のいずれの側にも、すなわち反射ミラーM側にも拡散する。この際、可視影像光線L2は、アンチグレア層8Aを経由することによって、拡散しながら反射ミラーMに到達する。反射ミラーMに到達した可視影像光線L2の一部分は、さらに反射ミラーMの拡大率に従って拡散しながらパネルスクリーン90に再入光するが、結像シート7に至る前に再度アンチグレア層8Aを通過して拡散される。この結果、再生影像におけるゴースト現象等の発生は、略完全に解消される。
また、室内照明等の光源から全反射角度でパネルスクリーン90の到達する外乱光線L3についても、アンチグレア層8Aによって拡散される結果、再生影像への影響が緩和される。同様に、結像シート7に至る外乱光線L4についても、アンチグレア層8Aによって拡散されて結像シート7に到達することになるので、再生影像への影響を最小限に抑えることができる。
結像シート7は、片面に青色系の有色透明粘着層7Bを備えるものを用いることができる(図4)。この形態における色補正シート6は、透明基板8,8によって紫外光側の波長部分が吸収されるのを補正する意味においては、省略することができる。無色透明粘着層を用いる場合、または、パネルスクリーン90の使用環境との関係において別の色を補正する目的の場合は、色補正シート6を存置する意義がある。なお、有色透明粘着層7Bは、一方のパネル基板8に対して接着剤として機能するが、他方の透明基板8に対しては、機能することはなく、1対のパネル基板8,8は、四周の周縁部S…の接着層B部分で直接に一体化されることは、上記実施の形態と同様である。
なお、色補正シート6を用いない場合において、結像シート7の両面に粘着剤を使用してもよいが、この場合には、内部に気泡を残さないための特別の工夫が要求されることとなる。
パネルスクリーン90は、全体を曲面構成とすることができる。曲面構成とする方法は多様であるが、ここで、加圧脱気処理を兼ねる製造方法について説明する(図5)。
一方のパネル基板8を仕上がり予定曲面の曲率半径より小さな曲率半径にヒートセットし、平板状の他方のパネル基板8上に結像シート7を位置決めする。次いで、1対のパネル基板8,8のセンタCLを一致させ、ヒートセットしたパネル基板8の凸面を他方のパネル基板8に押し付け、両者を平板状態にして周縁部S…を貼着する(図5(A))。
パネル基板8,8の貼着後、パネルスクリーン90は、ヒートセットされていたパネル基板8がもとの曲率に回復しようとする復元力と、平板状であったパネル基板8がもとの平板状に回復しようとする復元力とがバランスした状態の曲面として仕上がる。この際、1対のパネル基板8,8の中央位置には、両者が互いに接近する向きの好ましい応力が残留することとなる(図5(B))。
本発明のパネルスクリーン90の用途は、商店の窓ガラス代用等多様であるが、ここで、観賞用の飼育槽50に組み込んだ例について説明する(図6)。
飼育槽50は、左右の側面5S,5Sと前面5Fに透明ガラス板を用い、背面5Bをパネルスクリーン90によって構成したケースであり、小動物の飼育、割烹における生簀、熱帯魚の飼育等の用途を想定したものである。パネルスクリーン90には、飼育されている動物の本来の生活環境影像情報や、説明テキスト情報等を動画情報として表示することができる。なお、本発明のパネルスクリーン90は、使用するパネル基板8,8の厚みを自由に設定することができるため、同様の使用方法を、例えば、水族館用途のスケールにまで無理なく拡大適用することができることが特徴である。
上記各実施の形態においては、透明樹脂製のパネル基板8として、光学特性が良好である理由により透明アクリル樹脂を採用している。しかし、パネルスクリーン90の用途によっては、他の種類の樹脂、例えば、衝撃が加わるような箇所の構成部材としてパネルスクリーン90を組み込む場合においては、衝撃負荷に強い透明ポリカーボネイト樹脂を使用することがより好ましいと言える。また、いずれの種類の樹脂を用いるについても、「透明」という用語は、無色透明のほか、有色透明を含む趣旨である。
本発明のパネルスクリーンの使用例を示す斜視図である。 上記実施の形態におけるパネルスクリーンの分解斜視図である。 上記実施の形態におけるパネルスクリーンの光路説明図である。 本発明のパネルスクリーン他の実施の形態を示す要部の断面図である。 本発明のパネルスクリーンの製造方法を示す工程図である。 本発明のパネルスクリーンの他の使用例を示す斜視図である。
符号の説明
L1 影像光線
H1 パネル基板の縦寸法
D1 パネル基板の横寸法
H2 結像シートの縦寸法
D2 結像シートの横寸法
S パネル基板の周縁部
6 色補正シート
7 結像シート
7A 有色透明粘着層
8 パネル基板
8A アンチグレア層

Claims (4)

  1. 透明樹脂製の一対のパネル基板と、プロジェクタから投射される影像光線を可視影像化する光拡散性を有し、前記一対のパネル基板の間に挟み込む樹脂製の結像シートとを備えてなり、
    前記結像シートの縦横寸法は、前記一対のパネル基板の縦横寸法より小さく寸法設定され、前記結像シートは、加圧脱気処理または減圧脱気処理とともに前記一対のパネル基板の周縁部を前記結像シートを介在させることなく直接に貼着することによって脱気密封され、前記一対のパネル基板の周縁部以外の部分は、前記結像シートを挟んで大気圧によって一体化されていることを特徴とする透過型パネルスクリーン。
  2. 前記一対のパネル基板の少なくともいずれか一方のパネル基板の表面にアンチグレア層を形成し、該アンチグレア層を有するパネル基板をプロジェクタ側に配置することを特徴とする請求項1に記載の透過型パネルスクリーン。
  3. 前記結像シートは、少なくとも一方の面に青色系の有色透明粘着層を積層して前記一対のパネル基板の間に挟み込むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透過型パネルスクリーン。
  4. 前記結像シートは、有色透明樹脂製の色補正シートと重ね合わせて前記一対のパネル基板の間に挟み込むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透過型パネルスクリーン。







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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7476707B2 (ja) 2020-07-30 2024-05-01 大日本印刷株式会社 透明スクリーンシステム

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