JP7275487B2 - 反射スクリーン、反射スクリーン積層体、映像表示装置 - Google Patents
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第1の発明は、映像源(LS)から投射された映像光の一部を反射して映像を表示する反射スクリーン(10)であって、光透過性を有し、単位光学形状(221)が背面側の面に複数配列された光学形状層(22)と、前記単位光学形状の前記映像光が入射する位置に複数の島状に形成され、入射光の一部を反射し、入射光のその他の少なくとも一部を透過させる反射層(23)と、を備える反射スクリーンである。
第2の発明は、第1の発明の反射スクリーン(10)において、前記反射層(23)は、映像源側の面が粗面であり、入射光の一部を拡散反射すること、を特徴とする反射スクリーンである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の反射スクリーン(10)において、前記光学形状層(22)及び前記反射層(23)の背面側の面に、光透過性を有し、配列された複数の前記単位光学形状(221)間の凹凸を埋める充填層(24)を備えること、を特徴とする反射スクリーンである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの反射スクリーン(10)において、前記光学形状層(22)は、背面側の面に、前記単位光学形状(212)が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を有すること、を特徴とする反射スクリーンである。
第5の発明は、第4の発明の反射スクリーン(10)において、前記単位光学形状(221)は、当該反射スクリーンの表示領域外に位置する点(C1)を中心として同心円状に複数配列されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかの反射スクリーン(10)において、前記反射層(23)は、誘電体膜により形成されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかの反射スクリーン(10)が複数枚積層されていること、を特徴とする反射スクリーン(40)である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかの反射スクリーン(10,40)と、前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示装置(1)である。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、スクリーン面とは、スクリーン全体として見たときにおける、スクリーンの平面方向となる面を示すものであり、スクリーンの画面(表示面)に平行であるとする。
図1は、第1実施形態の映像表示装置1を説明する図である。図1(a)は、映像表示装置1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示装置1を側面側から見た図である。
図2は、第1実施形態の映像表示装置1を自動車のフロントウインドウに配置した例を示す図である。図2(a)は、車内側から見た自動車VCの運転席周辺を示した図であり、図2(b)は、図2(a)におけるフロントウインドウ2のb-b断面図である。
また、スクリーン10の厚み方向における映像源側の正面方向に位置する観察者O1から見て、画面左右方向の右側を+X側、左側を-X側とし、画面上下方向の上側を+Y側、下側を-Y側とし、厚み方向における背面側(裏面側、車外側)を-Z側、映像源側(観察者側、車内側)+Z側とする。
本実施形態の映像表示装置1は、図2(a)に示すように、自動車VCのフロントウインドウ2及びその近傍に配置されている。具体的には、映像表示装置1は、スクリーン10が自動車VCのフロントウインドウ2の全面に配置され、映像源LSが自動車VCの内装パネル3の内部に配置されている。これにより、本実施形態の映像表示装置1は、自動車の速度や、方向指示器の状態、障害物の接近等の注意喚起等の表示をフロントウインドウ2の運転者の視界を妨げない位置に表示することができ、自動車VCの搭乗者のうち主に運転手は、視線を大きく逸らすことなく、各種情報を確認することができる。
この映像源LSは、映像表示装置1の使用状態において、スクリーン10の画面(表示領域)を映像源側(+Z側)の正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、スクリーン10の画面左右方向(X方向)の中央であって、スクリーン10の画面よりも上下方向下方側(-Y側)に位置している。
映像源LSは、スクリーン10の厚み方向(Z方向)において、スクリーン10の映像源側(+Z側)の表面からの距離が従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から、斜めに映像光Lを投影できる。したがって、従来の汎用プロジェクタに比べて、映像源LSは、スクリーン10までの投射距離が短く、投射された映像光Lがスクリーン10に入射する入射角度や、入射角度の変化量(最小値から最大値までの変化量)が大きい。
第1ガラス板31は、フロントウインドウ2の最も運転者側(車内側)に配置される透明な部材である。第1ガラス板31としては、例えば、ソーダライムガラス(青板ガラス)、硼珪酸ガラス(白板ガラス)、石英ガラス、ソーダガラス、カリガラス等の材料を用いることができる。また、第1ガラス板31の厚みは、例えば、2~3mmの範囲とすることが好ましい。
第2ガラス板34は、フロントウインドウ2の最も車外側に配置される透明な部材である。第2ガラス板34は、第1ガラス板31と同様に、例えば、ソーダライムガラス(青板ガラス)、硼珪酸ガラス(白板ガラス)、石英ガラス、ソーダガラス、カリガラス等の材料を用いることができる。また、第2ガラス板34の厚みは、例えば、2~3mmの範囲とすることが好ましい。
これにより、自動車VCの搭乗者(運転手)は、映像光が投射されていない場合、フロントウインドウ2の全面を通して、車外の景色を観察することができ、映像光がフロントウインドウ2(スクリーン10)の少なくとも一部に投射されている場合は、映像光が投射されている部分については映像光を視認することができ、それ以外の部分については、車外の景色を観察することができる。また、映像光が投射されている部分についても、若干の車外の景色を観察することができる、いわゆるシースルーの状態で映像を確認することができる。
スクリーン10の画面(表示領域)は、使用状態において、映像源側(+Z側)の観察者O1側から見て長辺方向が画面左右方向に平行な略矩形形状である。
図4は、第1実施形態の光学形状層22を背面側(車外側、-Z側)から見た図である。理解を容易にするために、図4では、光学形状層22のみを示している。
図5は、第1実施形態の光学形状層22に設けられた反射層23を説明する図である。図5(a)は、第1実施形態の反射層23を示す図であり、図5(b)は、反射層23の別な形態を示す図である。図5の各図は、光学形状層22及び反射層23を背面側(車外側、-Z側)から見た部分拡大図であり、充填層24は省略して示している。
なお、本実施形態では、スクリーン10(フロントウインドウ2)は、平板状に形成される例で説明するが、これに限定されるものでなく、曲面状に形成されていてもよい。
スクリーン10は、図3に示すように、映像源側(車内側、+Z側)から順に、基材層21、光学形状層22、反射層23、充填層24を備えている。
基材層21は、光透過性を有するシート状の部材である。基材層21は、その背面側(車外側、-Z側)に、光学形状層22が一体に形成されている。基材層21は、光学形状層22を形成する基材(ベース)となる層である。
基材層21は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
図4に示すように、本実施形態では、単位光学形状221は、真円の一部形状(円弧状)であり、スクリーン10の画面外(表示領域外)に位置する点C1を中心として、同心円状に複数配列されている。即ち、光学形状層22は、背面側の面に、点C1をフレネルセンターとする、いわゆるオフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
単位光学形状221(単位レンズ)は、背面側に凸であり、映像光が入射する第1斜面(レンズ面)221aと、これに対向する第2斜面(非レンズ面)221bとを有している。1つの単位光学形状221において、第2斜面221bは、頂点t1を挟んで第1斜面221aの下側に位置している。
理解を容易にするために、図3では、単位光学形状221の配列ピッチP1、角度θ1,θ2は、単位光学形状221の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の単位光学形状221は、実際には、配列ピッチP1は一定であるが、角度θ1が単位光学形状221の配列方向においてフレネルセンター(光学的中心)となる点C1から離れるにつれて次第に大きくなっている。
角度θ1,θ2、配列ピッチP1等は、映像源LSからの映像光の投射角度(スクリーン10への映像光の入射角度)や、映像源の画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、単位光学形状221の配列方向に沿って、配列ピッチP1が変化し、角度θ1,θ2が変化する形態としてもよい。
なお、本実施形態では、光学形状層22を構成する樹脂として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
反射層23は、図5(a)に示すように、第1斜面221a上において複数の島状に形成されている。ここで、複数の島状とは、第1斜面221a上において、円形、楕円、矩形等の多角形、その他の任意の形状が、複数、規則的又は不規則的に配置されている状態をいう。
本実施形態の反射層23は、複数の円形状の反射膜23aが、第1斜面221aに沿って規則的に配置されている。第1斜面221a上の反射層23(複数の円形状の反射膜23a)が形成されていない部分は、入射した光を透過する光透過部となる。
これに対して、本実施形態のスクリーン10は、第1斜面221aの面積に対する複数の円形状の反射膜23aが占める面積の割合を調整することによって、スクリーン10に入射する光の反射率及び透過率を調整することができる。これにより、上述のような誘電体膜の材料を変更する等の調整が不要になり、より効率よく反射層の反射率及び透過率を調整することができる。
なお、この凹凸形状は、微細な凸形状と凹形状とが2次元方向に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等は不規則である。
この反射層23は、可視光の波長域の光に対して、その反射率が約5~20%、透過率が約80~95%である。なお、スクリーン10全体としてみた場合、スクリーン10の表面における反射成分(約10%)も存在するので、スクリーン10全体としての透過率は約70~85%となる。
反射層23は、アルミニウム等の金属蒸着膜等により形成された反射層に比べて、高い透明性を有しており、また、光の吸収損失が小さく、高い反射率を実現でき、光の利用効率が高い。本実施形態の反射層23は、ZnS(硫化亜鉛)の誘電体膜により形成されている。
反射層23は、第1斜面221a上に複数の円形状の反射膜23aが規則的に配置される例を示したが、これに限定されるものでなく、不規則に配置されるようにしたり、円形以外の形状の反射膜が規則的又は不規則に配置されるようにしたりしてもよい。
なお、本実施形態では、映像光の観察者側への反射に直接寄与しないので、反射層23が、第2斜面221b上に設けられていない例を示すが、これに限定されるものでなく、反射層23が第2斜面221b上にも設けられるようにしてもよい。
充填層24は、単位光学形状221間の谷部を埋めるように形成されており、光学形状層22及び反射層23の背面側(-Z側)の面を平坦としている。したがって、充填層24の映像源側(+Z側)の面は、光学形状層22の単位光学形状221の略逆型の形状が複数配列されて形成されている。
このような充填層24を設けることにより、反射層23を保護することができる。またスクリーン10に充填層24を設けることにより、フロントウインドウ2の2枚のガラス板(31、34)に中間層(32、33)を介してスクリーン10を挟持する場合に、スクリーン10とガラス板とをより強固に接合させることができる。
本実施形態の充填層24は、光学形状層22と同じ材料(紫外線硬化型樹脂)により形成され、その屈折率が光学形状層22の屈折率に等しい。
なお、上述のように、反射層23は、複数の島状(円形状の反射膜23a)により構成されており、光学形状層22の第1斜面221aのうち、円形状の反射膜23aが形成されていない部分(光透過部)は、光学形状層22と充填層24とが直接接触することとなり、光学形状層22に対する充填層24の密着をより強固にすることができる。
図6は、第1実施形態の反射層23の製造方法の一例を示す図である。
まず、基材層21を用意し、その一方の面に、単位光学形状221を賦形する成形型に紫外線硬化型樹脂を充填した状態で積層し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させるUV成形法により光学形状層22を形成する。このとき、単位光学形状221を賦形する成形型の第1斜面221aを賦形する面には、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。この微細かつ不規則な凹凸形状は、成形型の第1斜面221aを賦形する面に、めっき処理やエッチング処理、ブラスト処理等を1回以上行うことによって形成できる。
なお、作製された基材層21及び光学形状層22からなる積層体がウェブ状である場合、この積層体は、反射層23の形成工程の前に、ロール体に巻き取られる場合がある。このような場合、上記積層体がマスクMとともに巻き取られていれば、光学形状層22が汚損されたり、傷付いたりするのを抑制することができ、その後の反射層23の形成工程において、反射膜の蒸着不良等の不具合が生じてしまうのを極力防ぐことができる。
なお、反射層23は、これに限らず、例えば、アルミニウム、クロム(Cr)、銀、ニッケル等の光反射性の高い金属を蒸着したり、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したりする等により形成してもよい。例えば、反射層23にアルミニウムを用いる場合、膜厚を十分に厚く(0.1μm以上)することにより、入射光の反射率が70~80%程度となり、入射光の吸収率が約20%程度となる。この場合において、第1斜面221a上における反射層23の面積の占める割合を20%としたとき、第1斜面221aの全面における反射層23による反射率が14~16%、吸収率が約4%となり、反射層23における入射光の吸収を極力抑制した上で、入射光の反射及び透過の割合を調整することができる。また、このように、反射層23の膜厚を十分に厚くすることにより、膜厚の変動が起因となる斑模様等が生じてしまうのを防ぐことができる。
なお、金属材料による反射層23の反射率(透過率)は、その膜厚を変化させることにより調整することができる。具体的には膜厚を薄くすれば、透過率が向上するが、反射率が低下し、膜厚を厚くすれば、反射率が向上するが、透過率は低下する。
なお、単位光学形状221の第1斜面221aには、上述したように微細な凹凸形状が形成されているので、第1斜面221a上に形成された反射層23の両面には微細な凹凸形状が形成される。また、第1斜面221a上の反射層23が形成されていない部分の凹凸形状は、充填層24の樹脂が充填されることによってほとんど目立たなくなり、完成したスクリーン10においては、第1斜面221aの反射層23が形成されていない部分に入射した光を拡散させることなく透過させることができる。
図7は、第1実施形態のフロントウインドウ2(スクリーン10)の画面上下方向(Y方向)における映像光及び外光の様子を説明する図である。図7では、スクリーン10の幾何学的中心点Aを通り単位光学形状221の配列方向(Y方向)及びスクリーンの厚み方向(Z方向)に平行な断面での断面の一部を拡大して示している。また、図7では、理解を容易にするために、フロントウインドウ2及びスクリーン10の層構成を簡略化してスクリーン10内の単位光学形状221及び反射層23のみを示し、フロントウインドウ2及びスクリーン10内の各層の界面における屈折率差はないものとして示している。
映像光L1のうち、フロントウインドウ2に入射した一部の映像光L3は、スクリーン10の単位光学形状221の第1斜面221aに入射して反射層23によって拡散反射して、車内側(+Z側)に出射し、観察者O1に観察される。
映像光のうち第1斜面221aの反射層23が形成されていない部分(光透過部)に入射した光は、そのままスクリーン10を透過し、フロントウインドウ2の背面側(-Z側)の面から車外の上方へ出射する(図示せず)。
フロントウインドウ2に入射する自動車VCの車外の景色等の外光のうち第1斜面221aの反射層23が形成されていない部位(光透過部)に入射した外光G1は、そのままスクリーン10を透過し、フロントウインドウ2の映像源側(+Z側)の面から車内へと出射し、観察者O1に観察される。
また、自動車VCの車外の景色等の外光のうち第1斜面221aの反射層23に入射した外光G2のうち一部の外光G3は、反射層23を透過し、拡散することなくスクリーン10の映像源側(+Z側)へ向かい車内へ出射して、観察者O1に観察される。
外光G2のうち外光G3以外の一部の外光G4は、反射層23により反射して、フロントウインドウ2の背面側(-Z側)の面から車外の上方へ出射する。
また、外光G5のうち別な一部の外光G7は、反射層23で反射し、一部はフロントウインドウ2の車内側(映像源側、+Z側)の面で全反射してフロントウインドウ2内を下方へ向かい、次第に減衰する。更に、外光G5のうち他の一部の外光G8は、反射層23を透過して、拡散することなくフロントウインドウ2の背面側(-Z側)の面から車外の下方(-Y側)へ出射する。
以上より、本実施形態のスクリーン10(フロントウインドウ2)は、映像源LSから投射された映像光を車内の搭乗者(観察者O1)に表示するとともに、車外の景色等の外光を車内側に透過させ、搭乗者に鮮明に観察させることができる。
本実施形態のスクリーン10は、単位光学形状221の映像光が入射する位置(第1斜面221a)に、複数の島状に形成される反射層23、すなわち、複数の円形状の反射膜23aが形成されている。これにより、映像源LSから投射された映像光を、反射層23により観察者O1側に反射させるとともに、スクリーン10の背面側の景色等の外光の一部を、反射層及び単位光学形状の反射層が形成されていない部分(光透過部)を拡散させることなく透過させて観察者O1側に出射することができる。そのため、観察者O1(自動車VCの搭乗者)に対して、映像源LSの映像を表示するとともに、スクリーン10の背面側の景色をより鮮明に観察させることができる。
また、スクリーン10は、反射層23が誘電体膜により形成されているので、反射層23に入射した光の吸収を極力抑制して、入射光の一部を反射するとともに、他の一部をスクリーン10の背面側に透過させることができ、入射光の利用効率を向上させることができる。
図8は、第2実施形態のスクリーン40の層構成を説明する図である。図8では、スクリーン40の画面中央となる点Aを通り、画面上下方向(Y方向)及び厚み方向(Z方向)に平行な断面を示している。
第2実施形態のスクリーン40は、第1実施形態のスクリーン10が2枚(以下、第1スクリーン部10A、第2スクリーン部10Bという)、接合層11を介して接合されている点以外は、前述の第1実施形態のスクリーン10と同様の形態である。したがって、第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
接合層11は、光透過性の高い粘着剤又は接着剤により形成された層であり、スクリーン40の厚み方向において、第1スクリーン部10Aと第2スクリーン部10Bとの間に設けられている。この接合層11は、第1スクリーン部10Aと第2スクリーン部10Bとを一体に接合している。
本実施形態のスクリーン40の第1スクリーン部10A及び第2スクリーン部10Bは、それぞれの光学的中心が一致するようにして互いに接合されている。
また、第1スクリーン部10A及び第2スクリーン部10Bの各単位光学形状は、同一の形状に形成されている。したがって、各スクリーン部の焦点位置(集光点)は、略一致する。
しかし、本実施形態のスクリーン40では、第1スクリーン部10Aと第2スクリーン部10Bとは、同じ表示領域に同じ映像を表示しており、かつ、同じ映像を表示する光が、異なる2つの光路を通ってスクリーン10から出射するので、シンチレーション(スペックル)が低減される。
よって、映像のシンチレーション(スペックル)を低減し、明るく良好な映像を表示できるスクリーン40及び映像表示装置1とすることができる。
また、本実施形態のスクリーン40は、上述の第1実施形態のスクリーン10と同様の効果を奏する。
上述の第2実施形態では、第1スクリーン部10A及び第2スクリーン部10Bの焦点位置(集光点)が、略一致する例を示したが、これに限らず、以下のような形態としてもよい。
図9は、第2実施形態のスクリーン40の別の形態を説明する図である。図9は、別な形態のスクリーン40の第1スクリーン部10Aと第2スクリーン部10Bとの焦点位置(集光点)を示す図である。図9では、スクリーン40を画面左右方向の右上側(+Z側)から見た様子を示している。
本実施形態では、図9に示すように、第2スクリーン部10Bの集光点F2は、第1スクリーン部10Aの集光点F1よりも厚み方向(Z方向)においてスクリーン40から離れた側(+Z側)に位置している。即ち、本実施形態のスクリーン40では、第2スクリーン部10Bの光学形状層22が有するサーキュラーフレネルレンズ形状は、第1スクリーン部10Aの光学形状層22が有するサーキュラーフレネルレンズ形状とは、その形状や光学設計が異なり、集光点の位置が異なる設計となっている。
なお、この形態では、配列ピッチP1と配列ピッチP2とは異なる値である例を示したが、これに限らず、同じ値としてもよい。
したがって、この別な形態によれば、前述の第2実施形態によって得られる効果に加えて、さらに、異なる2つの位置に向けて映像光を集光でき、異なる2つの位置の観察者に良好な映像を表示できる。
図10は、第2実施形態のスクリーン40の別な形態2を説明する図である。
図10(a)に示すように、第1スクリーン部10Aと第2スクリーン部10Bの焦点位置(集光点)F1,F2は、画面左右方向(X方向)において異なっていてもよい。このような形態とすることにより、画面左右方向の視野角を広げることができる。また、このような形態は、例えば、画面左右方向の寸法が画面上下方向の寸法より大きい横長のスクリーンにおいて好適である。
また、集光点F1,F2は、画面左右方向(X方向)及び厚み方向(奥行き方向、Z方向)で異なっていてもよいし、画面上下方向(Y方向)及び奥行き方向(Z方向)で異なっていてもよいし、画面上下方向(Y方向)及び画面左右方向(X方向)で異なっていてもよい。
また、集光点F1,F2は、いずれか一方が無限遠となっていてもよい。
さらに、例えば、集光点F1,F2の位置が一致する(又は、略一致する)が、各スクリーン部の第1斜面の角度θ1の角度分布や、光学的中心の位置が異なる形態としてもよい。
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)上述の各実施形態では、スクリーン10、40は、自動車VCのフロントウインドウ2に配置される例で説明したが、これに限定されるものでなく、自動車VCのサイドウインドウや、リアウインドウ等に用いられるようにしてもよく、また、自動車以外の乗り物、例えば、航空機や、鉄道等のウインドウに用いられるようにしてもよい。
高屈折率誘電体膜は、例えば、TiO2(二酸化チタン)、Nb2O5(五酸化ニオブ)、Ta2O5(五酸化タンタル)等により形成される。高屈折率誘電体膜の屈折率は、2.0~2.6程度である。
低屈折率誘電体膜は、例えば、SiO2(二酸化ケイ素)、MgF2(フッ化マグネシウム)等により形成される。低屈折率誘電体膜の屈折率は、1.3~1.5程度である。
なお、スクリーン10の画面に表示される映像のシンチレーションを低減し、良好な映像を表示する観点から、第1スクリーン部の表示領域と第2スクリーン部の表示領域との重複する領域の面積は、スクリーン40の画面(表示領域)の面積の90%以上とすることがより好ましい。
このような形態とすれば、映像源LSの位置等の自由度を向上させることができる。
また、単位光学形状221は、3つ以上の複数の面によって形成される多角形形状としてもよい。
2 フロントウインドウ
10、40 スクリーン
10A 第1スクリーン部
10B 第2スクリーン部
21 基材層
22 光学形状層
221 単位光学形状
23 反射層
24 充填層
31 第1ガラス板
32 第1中間層
33 第2中間層
34 第2ガラス板
LS 映像源
VC 自動車
Claims (11)
- 映像源から投射された映像光の一部を反射して映像を表示する反射スクリーンであって、
光透過性を有し、映像光が入射する第1斜面を有した単位光学形状が背面側の面に複数配列された光学形状層と、
前記単位光学形状の前記第1斜面上に同じ大きさの複数の島状に規則的に形成され、入射光の一部を反射し、入射光のその他の少なくとも一部を透過させる反射層とを備え、
前記反射層は、単層の誘電体膜により形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 映像源から投射された映像光の一部を反射して映像を表示する反射スクリーンであって、
光透過性を有し、映像光が入射する第1斜面を有した単位光学形状が背面側の面に複数配列された光学形状層と、
前記単位光学形状の前記第1斜面上に同じ大きさの複数の島状に規則的に形成され、入射光の一部を反射する反射層とを備え、
前記反射層は、単層の誘電体膜により形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
複数の島状に形成された前記反射層は、前記第1斜面上において前記単位光学形状の配列方向に複数配置されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
複数の島状に形成された前記反射層は、前記第1斜面上において前記単位光学形状の配列方向に交差する方向に複数配置されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、映像源側の面が粗面であり、入射光の一部を拡散反射すること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記光学形状層及び前記反射層の背面側の面に、光透過性を有し、配列された複数の前記単位光学形状間の凹凸を埋める充填層を備えること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記光学形状層は、背面側の面に、前記単位光学形状が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を有すること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項7に記載の反射スクリーンにおいて、
前記単位光学形状は、当該反射スクリーンの表示領域外に位置する点を中心として同心円状に複数配列されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の反射スクリーンが複数枚積層されていること、
を特徴とする反射スクリーン積層体。 - 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
を備える映像表示装置。 - 請求項9に記載の反射スクリーン積層体と、
前記反射スクリーン積層体に映像光を投射する映像源と、
を備える映像表示装置。
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