JP2004198931A - 画像表示方法および画像表示システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像表示用の投射光を投射することによって画像表示用スクリーン3に画像を表示する画像表示方法であって、投射光を入射側に反射する拡散反射部Rおよび投射光をその入射した向きで透過する拡散透過部Tを一体形成した画像表示用スクリーン3における拡散反射部Rに表側用投射光Lfを投射することによって入射側から視認可能な第1の画像を表示し、拡散透過部Tに裏側用投射光Lbを投射することによって入射側の裏側から視認可能な第2の画像を表示する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示用の投射光を投射することによって画像を表示する画像表示方法および画像表示システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プロジェクタ装置(投射装置)とスクリーン(画像表示用スクリーン)とを備えた画像表示システムが、家庭における映画観賞やプレゼンテーションなどで盛んに利用されている。この場合、プロジェクタ装置用のスクリーンは、一般的に、反射型と透過型の2種類に大別される。このうち、反射型のスクリーンは、プロジェクタ装置によって投射された投射光を入射側に拡散しつつ反射することによってその表面側(投射光の入射側)から視認可能な画像を表示(結像)可能に構成されている。一方、透過型のスクリーンは、投射された投射光をその入射した向きで拡散しつつ透過することによって裏面側から視認可能な画像を表示可能に構成されている(一例として、特開2001−242546号公報に開示されている透過型スクリーン(1))。
【0003】
一方、店舗のショーウィンドウなどには、顧客の購買意欲を喚起するために、セールやイベント等の開催を告知するポスター等の印刷物が貼付されている。しかし、この種の広告手段では、静的でありふれた表現しかできないため、顧客に対してその広告手段を注目させること自体が困難な結果、セールやイベントの開催を十分に認知させることができないという課題がある。また、セールやイベントの開催毎にポスター等の制作費用やその貼り替え作業が必要となるという課題も存在する。一方、この解決手段として、透過型のスクリーンとプロジェクタ装置とを備えて構成された画像表示システムが近年登場している。この画像表示システムでは、透過型のスクリーンをショーウィンドウなどに貼付すると共に店舗内に設置したプロジェクタ装置から画像表示用の投射光をスクリーンに投射することにより、ショーウィンドウの外側から視認可能なセールやイベント用の動画像を表示することが可能になっている。したがって、この画像表示システムでは、ショーウィンドウ(ショーウィンドウに貼付された透過型のスクリーン)に動画像が表示されること自体が斬新なため、顧客に対してその動画像を注目させることができる結果、セールやイベントの開催を十分に認知させることができる。また、例えばパソコンなどを利用して広告用画像を安価に作成することができるうえに、ポスター等の貼り替え作業を不要にすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−242546号公報(第1頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の広告用の画像表示システムには、以下の問題点がある。すなわち、この画像表示システムでは、ショーウィンドウに貼付したスクリーンに画像を表示させた際には、通常、プロジェクタ装置を店舗内に設置する関係上、ショーウィンドウの外側、つまり店舗の外側からしか画像を視認することができない。このため、この画像表示システムには、店舗内の顧客に対しては何ら広告効果を生じさせることができないという問題点がある。この場合、例えば、反射型のスクリーンを透過型のスクリーンとは別にショーウィンドウ等に貼付して店舗内の顧客に向けた画像を別途に表示させて広告効果を向上させる方法も考えられる。しかし、高価なプロジェクタ装置が2台必要となるため、この方法には、多額の費用が発生するという問題点がある。したがってこの方法を採用するのは困難である。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、安価でありながら広告効果を向上させ得る画像表示方法、画像表示システムおよび画像表示システムを提供することを主目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る画像表示方法は、画像表示用の投射光を投射することによって画像表示用スクリーンに画像を表示する画像表示方法であって、前記投射光を入射側に反射する反射部および当該投射光をその入射した向きで透過する透過部を一体形成した前記画像表示用スクリーンにおける当該反射部に第1の投射光を投射することによって当該入射側から視認可能な第1の画像を表示し、前記透過部に第2の投射光を投射することによって前記入射側の裏側から視認可能な第2の画像を表示する。
【0008】
また、本発明に係る画像表示方法は、上記の画像表示方法において、表示内容が互いに同等の前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ表示する。
【0009】
また、本発明に係る画像表示方法は、上記の画像表示方法において、表示内容が互いに異なる前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ表示する。
【0010】
さらに、本発明に係る画像表示方法は、上記の画像表示方法において、細幅で帯状の複数の前記反射部および細幅で帯状の複数の前記透過部がその上下方向または左右方向において交互に並設されて構成された前記画像表示用スクリーンにおける当該各反射部に前記第1の投射光をそれぞれ投射し、前記各透過部に前記第2の投射光をそれぞれ投射する。
【0011】
また、本発明に係る画像表示方法は、上記の画像表示方法において、その裏面における前記各透過部間の隙間を暗色に形成した前記画像表示用スクリーンに前記第1の画像および前記第2の画像を表示する。
【0012】
また、本発明に係る画像表示システムは、投射された画像表示用の投射光に応じた画像を表示する画像表示用スクリーンと、前記投射光を投射する投射装置とを備えた画像表示システムであって、前記画像表示用スクリーンは、前記投射光を入射側に反射することによって当該入射側から視認可能な画像を表示する反射部と、前記投射光をその入射した向きで透過することによって前記入射側の裏側から視認可能な画像を表示する透過部とを一体形成して構成され、前記投射装置は、第1の画像を表示させるための第1の投射光を前記反射部に投射し、かつ第2の画像を表示させるための第2の投射光を前記透過部に投射可能に構成されている。
【0013】
また、本発明に係る画像表示システムは、上記の画像表示システムにおいて、前記投射装置は、表示内容が互いに同等の前記第1の画像および前記第2の画像を表示させるための前記第1の投射光および前記第2の投射光を前記反射部および前記透過部にそれぞれ投射可能に構成されている。
【0014】
さらに、本発明に係る画像表示システムは、上記の画像表示システムにおいて、前記投射装置は、表示内容が互いに異なる前記第1の画像および前記第2の画像を表示させるための前記第1の投射光および前記第2の投射光を前記反射部および前記透過部にそれぞれ投射可能に構成されている。
【0015】
また、本発明に係る画像表示システムは、上記の画像表示システムにおいて、前記画像表示用スクリーンは、細幅で帯状の複数の前記反射部および細幅で帯状の複数の前記透過部がその上下方向または左右方向において交互に並設されて構成されている。
【0016】
また、本発明に係る画像表示システムは、上記の画像表示システムにおいて、前記画像表示用スクリーンは、その裏面における前記各透過部間の隙間が暗色に形成されている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る画像表示システムの好適な実施の形態について説明する。
【0018】
最初に、画像表示システム1の構成について、図面を参照して説明する。
【0019】
画像表示システム1は、図1に示すように、画像表示用の投射光Lを投射する投射装置2と、投射光Lに応じた例えば表側用画像(第1の画像)Gfを表示可能な画像表示用スクリーン3とを備えて構成されている。投射装置2は、図3に示すように、操作部11、表示制御部12、RAM13、表示手順データ記憶部14、VRAM15、図柄データ記憶部16およびプロジェクタユニット17を備えて構成されている。
【0020】
操作部11は、画像表示用スクリーン3に表示させる画像を選択するための画像選択キー、画像の位置合わせを行うための位置合わせキー、および台形歪みを補正するための台形歪み補正キーなどの各種キーが配設されて構成され、キー操作に応じた指示信号Sを表示制御部12に出力する。この場合、画像選択キーの操作によって出力される指示信号Sには、画像を表示させるための表示手順の指定や画像を構成する図柄の指定などが記述されている。表示制御部12は、操作部11によって出力された指示信号Sに従って表示用画像データDgをVRAM15内に生成すると共に、生成した表示用画像データDgをプロジェクタユニット17に出力する。RAM13は、表示制御部12によって生成された各種データや表示制御部12の演算結果などを一時的に記憶する。表示手順データ記憶部14は、表示用画像データDgの生成時に使用する表示手順データDsや、表示制御部12の動作プログラムなどを記憶する。この場合、表示手順データDsには、画像データの指定、画像を表示させる位置やサイズ、および表示時間の指定などの表示手順が記述されている。
【0021】
VRAM15は、表示制御部12によって図柄データDp,Dp・・に対応する画像が仮想的に描画されることによって生成された表示用画像データDgを記憶する。図柄データ記憶部16は、表示用画像データDgを生成するための図柄データDp,Dp・・(例えば矢印を表す図柄データ)を記憶する。プロジェクタユニット17は、表示制御部12によって出力された表示用画像データDgに基づいて変調した投射光Lを投射する。具体的には、プロジェクタユニット17は、例えば、光源ランプと、光源ランプによって射出された白色光を投射光Lに変調するための変調手段(一例として、液晶パネル、入射側偏光板および投射側偏光板を備えた液晶ライトバルブ)と、投射光Lを拡大する投射レンズ(いずれも図示せず)とを備えて構成されている。この場合、投射光Lには、表側用画像Gfを表示させるための表側用投射光(第1の投射光)Lf(図5参照)、および後述する裏側用画像(第2の画像)Gbを表示させるための裏側用投射光(第2の投射光)Lb(図5参照)が含まれている。
【0022】
画像表示用スクリーン3は、図1に示すように、正面視が全体として横長の長方形に構成され、投射装置2によって投射された投射光Lを拡散しつつ反射することによって表面Ff側(投射光Lの入射側)から視認可能な画像(例えば図1に示す表側用画像Gf)を表示すると共に、投射光Lを拡散しつつ透過することによって裏面Fb側(投射光Lの入射側の裏側)から視認可能な画像(例えば図2に示す裏側用画像Gb)を表示する。具体的には、画像表示用スクリーン3は、図5に示すように、光透過性を有する樹脂(一例として塩化ビニール)によって正面視が長方形のシート状に形成された樹脂層21と、例えばアルミニウムの微粒子によって細幅の帯状に形成された複数の拡散反射部(反射部)R,R・・と、例えば光透過性を有する樹脂(一例として塩化ビニール)にシリカの球状微粒子を均一(またはほぼ均一)に分散して拡散反射部Rと同一幅の帯状に形成した複数の拡散透過部(透過部)T,T・・とを一体形成して構成されている。
【0023】
この場合、図5に示すように、拡散反射部R,R・・は、樹脂層21(画像表示用スクリーン3)の表面Ffにおける上下方向(短尺方向)にその幅の2倍のピッチで並設されている。一方、拡散透過部T,T・・は、樹脂層21(画像表示用スクリーン3)の裏面Fbにおける各拡散反射部R,R・・の隙間に対向する部位に形成されている。また、樹脂層21の裏面Fbにおける拡散反射部R,R・・に対向する部位、つまり裏面Fbにおける各拡散透過部T,T間の隙間は、暗色(例えば黒色)に着色(形成)されて黒色着色部21aを構成している。この場合、各拡散透過部T,T間の隙間のすべて、つまり裏面Fbにおける透過拡散部T以外のすべての部分を暗色に着色するのが好ましいが、そのすべてを暗色に着色する必要は必ずしもなく、少なくとも各拡散透過部Tの外周の一部を暗色に着色すればよい。この画像表示用スクリーン3では、図4に示すように、その表面Ff側(または裏面Fb側)から見た際に、樹脂層21が光透過性を有するため、拡散反射部R,R・・、および拡散透過部T,T・・が上下方向において交互に並設された状態に視認される。ここで、各拡散反射部R,R・・は、図5に示すように、投射光Lに含まれる表側用投射光Lfをその入射側にそれぞれ拡散しつつ反射することにより、全体として表側用画像Gfを表示する。また、各拡散透過部T,T・・は、同図に示すように、投射光Lに含まれる裏側用投射光Lbをその入射した向きでそれぞれ拡散しつつ透過することにより、全体として裏側用画像Gbを表示する。
【0024】
次に、画像を表示させる際の画像表示システム1の全体的な動作について、図面を参照して説明する。
【0025】
まず、店舗等における例えばショーウィンドウの内側(店舗の内側)にその裏面Fbが密着するように画像表示用スクリーン3を例えば透明性の粘着剤等によって貼付すると共に、画像表示用スクリーン3から所定の距離だけ離間した例えば店舗の天井に投射装置2を吊り下げ設置する。次に、投射装置2から投射光Lを投射させて、投射光Lが画像表示用スクリーン3に投射されるように投射光Lの投射角度を調整する。続いて、投射装置2の操作部11における画像選択キーを操作して、画像表示用スクリーン3の表面Ffに表示させる位置合わせ用の画像(例えば図1に示す表側用画像Gf)と、裏面Fbに表示させる位置合わせ用の画像(例えば図2に示す裏側用画像Gb)とを選択する。これに応じて、操作部11が指示信号Sを出力し、表示制御部12が指示信号Sに従って画像処理を実行する。
【0026】
この画像処理では、表示制御部12は、まず、指示信号Sに指定されている表示手順データDsを表示手順データ記憶部14から読み出して、表示すべき画像内容を特定する。次に、表示制御部12は、表示手順データDsによって特定された表示手順に従い、表側用画像Gfおよび裏側用画像Gbを表示させるための表示用画像データDgの生成に必要な図柄データDp,Dp(この場合、表側用画像Gfに対応する図柄データDp1、および裏側用画像Gbに対応する図柄データDp2)を図柄データ記憶部16から読み出す。次いで、表示制御部12は、読み出した図柄データDp1,Dp2にそれぞれ対応する図柄をVRAM15内に仮想的に描画(記憶)することによって表示用画像データDgを生成する。
【0027】
この場合、図柄データDp1に対応する図柄は、図6の上段左図に示すように、所定のピッチのストライプ状に描画された右向きの矢印で構成されている。また、図柄データDp2に対応する図柄は、同図の上段右図に示すように、図柄データDp1に対応する画像と同一ピッチのストライプ状に描画された左向きの矢印で構成されている。また、生成された表示用画像データDgに対応する図柄は、同図の下図に示す示すように、図柄データDp1に対応する図柄と、図柄データDp2に対応する図柄とを重ね合わせた図柄で構成されている。この場合、各ストライプのピッチは、図柄データDp1に対応する図柄の大きさと表側用画像Gfの大きさとの比率で画像表示用スクリーン3における各拡散反射部Rの配列ピッチを縮小した長さに規定されている。なお、図6では、発明の理解を容易とするために、図柄データDp1に対応する図柄、図柄データDp2に対応する図柄、および表示用画像データDgに対応する図柄を仮想面Wにそれぞれ仮想的に描画した状態を概念的に図示している。また、同図では、ストライプのピッチを実際よりも広くして図示している。続いて、表示制御部12は、生成した表示用画像データDgをプロジェクタユニット17に出力する。
【0028】
一方、プロジェクタユニット17は、出力された表示用画像データDgに基づいて、光源ランプによって射出された白色光を投射光Lに変調して投射する。この場合、投射光Lには、図6の上段左図に示す図柄データDp1に対応する図柄に応じた陰影や着色が施された表側用投射光Lf、および同図の上段右図に示す図柄データDp2に対応する図柄に応じた陰影や着色が施された裏側用投射光Lbが含まれている。次に、投射光Lは、画像表示用スクリーン3に投射される。この際に、投射光Lが位置ずれすることなく投射されたときには、投射光Lのうちの投射光Lfが各拡散反射部R,R・・にそれぞれ投射されると共に、投射光Lのうちの投射光Lbが各拡散透過部T,T・・にそれぞれ投射されて、画像表示用スクリーン3の表面Ffに図1に示す表側用画像Gfが表示されると共に、画像表示用スクリーン3の裏面Fbに図2に示す裏側用画像Gbが表示される。
【0029】
一方、投射光Lfおよび投射光Lbの投射位置が例えば拡散反射部R(または拡散透過部T)の配列ピッチの1/2分だけ上方向または下方向に位置ずれているときには、投射光Lfが各拡散透過部T,T・・にそれぞれ投射され、投射光Lbが各拡散反射部R,R・・にそれぞれ投射されるため、裏側用画像Gbに相当する画像が表面Ff側に表示されると共に、表側用画像Gfに相当する画像が裏面Fb側に表示される(つまり、表側用画像Gfおよび裏側用画像Gbが表裏逆となって表示される)。この際には、操作部11の位置合わせキーを操作して投射光Lの投射位置を上方向または下方向に移動させて位置合わせを行う。また、表示された表側用画像Gfまたは裏側用画像Gbに台形歪み(投射光Lの投射角度に起因して画像が台形に歪む現象)が発生しているときには、操作部11の台形歪み補正キーを操作して台形歪みを補正する。
【0030】
続いて、操作部11の画像選択キーを操作して、画像表示用スクリーン3の表面Ff側に表示させる広告用の画像と裏面Fb側に表示させる広告用の画像とを選択する。これに応じて、操作部11が、選択された画像を表示させるための指示信号Sを出力する。次に、表示制御部12が指示信号Sに従って上記した画像処理を実行し、プロジェクタユニット17が表側用投射光Lfおよび裏側用投射光Lbを含む投射光Lを投射する。これにより、表面Ff側用の広告用画像と裏面Fb側用の広告用画像とが画像表示用スクリーン3の表面Ff側および裏面Fb側にそれぞれ表示される。この場合、樹脂層21の裏面Fbにおける黒色着色部21aが、画像表示用スクリーン3の裏面Fbに店舗外から照射される自然光等を吸収して、その反射を防止する。したがって、各透過拡散部Tを介して裏面Fb側に透過する裏側用投射光Lbが明確に見える結果、裏面Fb側に表示される広告用の画像が鮮明に視認される。ここで、表面Ff用と裏面Fb用とでその表示内容が互いに異なる画像を表示することができる。また、その表示内容が同等の画像を表示することもできる。
【0031】
このように、この画像表示システム1によれば、投射光Lを入射側に拡散しつつ反射する拡散反射部Rおよび投射光Lをその入射した向きで拡散しつつ透過する拡散透過部Tを一体形成して画像表示用スクリーン3を構成し、投射装置2が表側用投射光Lfを拡散反射部Rに投射すると共に裏側用投射光Lbを拡散透過部Tに投射することにより、表側用画像Gfおよび表側用画像Gfの両画像を1台の投射装置2で同時に表示することができる。したがって、2台の投射装置2を用いることなく店舗内および店舗外の顧客に対して広告用の画像を視認させることができるため、従来の画像表示システムと比較して数多くの顧客に確実かつ十分に広告内容を告知させることができる結果、安価な構成でありながら広告効果を確実かつ十分に向上させることができる。
【0032】
また、表示内容が互いに同等の表側用画像Gfおよび裏側用画像Gbをそれぞれ表示することにより、例えば店舗外で広告用の動画像を途中まで見て店舗内に入店した顧客に対してその続きの動画像を連続して視認させることができる。さらに、表示内容が互いに異なる表側用画像Gfおよび裏側用画像Gbを表示させることにより、例えば、店舗外の顧客に対してはイベントやセールの要旨を端的に告知する画像を表示して店舗内の顧客に対してはセール品の価格や販売場所などの詳細を案内する画像を表示するというように、顧客のニーズに合致する最適な画像を2種類同時に表示することができる。
【0033】
さらに、細幅で帯状の拡散反射部R,R・・および細幅で帯状の拡散透過部T,T・・を上下方向において交互に並設して画像表示用スクリーン3を形成したことにより、画像を左右方向に拡大または縮小したとしても画像の表示位置ずれを生じさせないため、例えば、斜め上方向または斜め下方向から投射光Lを画像表示用スクリーン3に投射させた際に画像に台形歪みが発生したとしても歪み補正を行うだけでその台形歪みを容易に解消することができる。また、樹脂層21の裏面Fbに黒色着色部21aを形成したことにより、その部位での自然光等の反射が防止されるため、裏側用画像Gbを鮮明に視認させることができる。
【0034】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、帯状の拡散反射部Rおよび拡散透過部Tを樹脂層21の上下方向において交互に並設して形成した画像表示用スクリーン3を例に挙げて説明したが、帯状の拡散反射部Rおよび拡散透過部Tを樹脂層21の左右方向において交互に並設して画像表示用スクリーンを形成することもできる。この構成によれば、画像を上下方向に拡大または縮小したとしても画像の表示位置ずれを生じさせないため、例えば、画像表示用スクリーン3に斜め左方向または斜め右方向から投射光Lを投射させた際に台形歪みが画像に発生したとしても歪み補正を行うだけでその台形歪みを容易に解消することができる。また、図7に示す画像表示用スクリーン3Aを採用することもできる。この場合、画像表示用スクリーン3Aは、例えば正方形の拡散反射部R,R・・を所定のピッチで樹脂層21の表面Ffに格子状に形成すると共に、樹脂層21の裏面Fb各における各拡散反射部R,R・・の隙間に対向する部位に拡散透過部T,T・・を形成して構成されている。
【0035】
また、本発明の実施の形態では、樹脂層21を形成する樹脂、および拡散透過部Tを形成する樹脂として塩化ビニールを採用した例について説明したが、例えば、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂などの光透過性を有する各種樹脂を採用することができる。また、拡散透過部Tを形成する球状微粒子としては、シリカに限定されずアルミナ等の無機系の各種球状微粒子やシリコーン樹脂等の有機系の各種球状微粒子を採用することができる。また、フルネルレンズおよびレンチキュラーレンズ等の非球面レンズや、偏光フィルムなどで拡散透過部Tを形成することもできる。さらに、樹脂層21に孔を形成してその孔自体を拡散透過部Tに代えて透過部として機能させることもできる。また、拡散反射部Rを例えばガラスやマイカの微粒子で形成することもできる。この場合、例えば、これらの微粒子を接着材等で樹脂層21に接着する方法や、これらの微粒子を含む塗料を樹脂層21に塗布(印刷)する方法などで拡散反射部Rを形成することができる。また、本発明の実施の形態では、表側用画像Gfおよび裏側用画像Gbを同時に表示する例について説明したが、両画像Gf,Gbのいずれか一方のみ表示することもできる。この場合、裏側用画像Gbを表示しないときには、樹脂層21および拡散透過部Tを介して画像表示用スクリーン3の表面Ff側から裏面Fb側、および裏面Fb側から表面Ff側を透視することができる。さらに、本発明の実施の形態では、黒色に着色した黒色着色部21aを画像表示用スクリーン3の裏面Fb側に形成した例について説明したが、透明の樹脂層21を採用する場合には、樹脂層21の表面Ffにおける拡散反射部R,R・・が形成される部位を着色することもできるし、拡散反射部R,R・・自体の裏面を着色することもできる。この場合、黒色に限らず、灰色などの他の暗色に着色してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る画像表示方法および画像表示システムによれば、投射光を入射側に反射する反射部および投射光を入射した向きで透過する透過部を一体形成した画像表示用スクリーンにおける反射部に第1の投射光を投射し、透過部に第2の投射光を投射することにより、第1の画像および第2の画像を1台の投射装置で同時に表示することができる。したがって、2台の投射装置を用いることなく例えば店舗内および店舗外の顧客に対して広告用の画像を視認させることができるため、従来の画像表示システムと比較して数多くの顧客に確実かつ十分に広告内容を告知させることができる結果、安価でありながら広告効果を確実かつ十分に向上させることができる。
【0037】
また、表示内容が互いに同等の第1の画像および第2の画像を表示することにより、例えば店舗外で広告用の動画像を途中まで見て店舗内に入店した顧客に対してその続きの動画像を連続して視認させることができる。さらに、表示内容が互いに異なる第1の画像および第2の画像を表示させることにより、例えば、店舗外の顧客に対してはイベントやセールの概略を端的に告知する画像を表示して店舗内の顧客に対してはセール品の価格や販売場所などの詳細を案内する画像を表示するというように、顧客のニーズに合致する最適な画像を2種類同時に表示することができる。また、細幅で帯状の複数の反射部および細幅で帯状の複数の透過部を上下方向において交互に並設したことにより、画像を左右方向に拡大または縮小したとしても画像の表示位置ずれを生じさせないため、例えば、画像表示用スクリーンに斜め上方向または斜め下方向から投射光を投射させた際に台形歪みが画像に発生したとしても歪み補正を行うだけでその台形歪みを容易に解消することができる。また、細幅で帯状の複数の反射部および細幅で帯状の複数の透過部を左右方向において交互に並設したことにより、画像を上下方向に拡大または縮小したとしても画像の表示位置ずれを生じさせないため、例えば、画像表示用スクリーンに斜め左方向または斜め右方向から投射光を投射させた際に台形歪みが画像に発生したとしても歪み補正を行うだけでその台形歪みを容易に解消することができる。さらに、画像表示用スクリーンの裏面における各透過部間の隙間を暗色に形成したことにより、その部位での自然光等の反射が防止して、第2の画像を鮮明に視認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像表示システム1を構成する投射装置2および画像表示用スクリーン3を投射装置2側から見た斜視図である。
【図2】投射装置2および画像表示用スクリーン3を画像表示用スクリーン3側から見た斜視図である。
【図3】投射装置2の構成を示すブロック図である。
【図4】画像表示用スクリーン3の構成を示す構成図である。
【図5】画像表示用スクリーン3の縦断面図である。
【図6】図柄データDp1,Dp2および表示用画像データDgにそれぞれ対応する画像を仮想面Wに仮想的に描画した状態を示す概念図である。
【図7】他の実施の形態に係る画像表示用スクリーン3Aの構成図である。
【符号の説明】
1 画像表示システム
2 投射装置
3,3A 画像表示用スクリーン
21a 黒色着色部
Fb 裏面
Ff 表面
Gb 裏側用画像
Gf 表側用画像
L 投射光
Lb 裏側用投射光
Lf 表側用投射光
R 拡散反射部
T 拡散透過部
Claims (10)
- 画像表示用の投射光を投射することによって画像表示用スクリーンに画像を表示する画像表示方法であって、
前記投射光を入射側に反射する反射部および当該投射光をその入射した向きで透過する透過部を一体形成した前記画像表示用スクリーンにおける当該反射部に第1の投射光を投射することによって当該入射側から視認可能な第1の画像を表示し、前記透過部に第2の投射光を投射することによって前記入射側の裏側から視認可能な第2の画像を表示する画像表示方法。 - 表示内容が互いに同等の前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ表示する請求項1記載の画像表示方法。
- 表示内容が互いに異なる前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ表示する請求項1記載の画像表示方法。
- 細幅で帯状の複数の前記反射部および細幅で帯状の複数の前記透過部がその上下方向または左右方向において交互に並設されて構成された前記画像表示用スクリーンにおける当該各反射部に前記第1の投射光をそれぞれ投射し、前記各透過部に前記第2の投射光をそれぞれ投射する請求項1から3のいずれかに記載の画像表示方法。
- その裏面における前記各透過部間の隙間を暗色に形成した前記画像表示用スクリーンに前記第1の画像および前記第2の画像を表示する請求項1から4のいずれかに記載の画像表示方法。
- 投射された画像表示用の投射光に応じた画像を表示する画像表示用スクリーンと、前記投射光を投射する投射装置とを備えた画像表示システムであって、
前記画像表示用スクリーンは、前記投射光を入射側に反射することによって当該入射側から視認可能な画像を表示する反射部と、前記投射光をその入射した向きで透過することによって前記入射側の裏側から視認可能な画像を表示する透過部とを一体形成して構成され、
前記投射装置は、第1の画像を表示させるための第1の投射光を前記反射部に投射し、かつ第2の画像を表示させるための第2の投射光を前記透過部に投射可能に構成されている画像表示システム。 - 前記投射装置は、表示内容が互いに同等の前記第1の画像および前記第2の画像を表示させるための前記第1の投射光および前記第2の投射光を前記反射部および前記透過部にそれぞれ投射可能に構成されている請求項6記載の画像表示システム。
- 前記投射装置は、表示内容が互いに異なる前記第1の画像および前記第2の画像を表示させるための前記第1の投射光および前記第2の投射光を前記反射部および前記透過部にそれぞれ投射可能に構成されている請求項6記載の画像表示システム。
- 前記画像表示用スクリーンは、細幅で帯状の複数の前記反射部および細幅で帯状の複数の前記透過部がその上下方向または左右方向において交互に並設されて構成されている請求項6から8のいずれかに記載の画像表示システム。
- 前記画像表示用スクリーンは、その裏面における前記各透過部間の隙間が暗色に形成されている請求項6から9のいずれかに記載の画像表示システム。
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