JP2014152195A - 平版印刷用インキ - Google Patents

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Abstract

【課題】インキの分散性を高め、流動性、低タック化、転移性、機上安定性に優れた平版印刷用インキと、これを用いて印刷してなる印刷物を提供する。
【解決手段】カーボンブラックと、フタロシアニン誘導体と、合成樹脂とを含有する平版印刷用墨インキであって、フタロシアニン誘導体が下記一般式(1)および(2)であることを特徴とする平版印刷用墨インキ。(2)フタロシアニン誘導体を、平版印刷用墨インキ全量に対して0.1〜2重量%含有してなる。一般式(1)Pc−(X−Y)m(1)式中Pc:フタロシアニン残基−X:−CH2−、−OCO−または−SO2CH2−−Y:−NH−(CH2)n−N(R1R2)または−(CH2)n−N(R1R2)を表す。ただし、R1およびR2は置換または未置換の炭素数1〜2のアルキル基、あるいはR1とR2一体となって窒素原子を含む複素環を表す。nは0〜3の整数を表す。mは1〜4の整数を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の構造式のフタロシアニン誘導体を用いることで、優れたカーボンブラック濡れ性を得ることができ、かつ、流動性、耐刷性等に優れた平版印刷用インキに関するものである。
平版印刷用墨インキでは顔料としてカーボンブラックが用いられるのが一般的である。オフセット印刷では印刷後の紙上におけるインキ膜厚が薄くなるため、印刷濃度を確保するためにカーボンブラックの配合率が通常10〜30%と高い。このため、カーボンの分散は困難で、分散機の性能を上げたり、易分散カーボンブラックを用いたりして、インキを生産している。
平版印刷は非画線部に湿し水を供給し、これによるインキ反発性を利用して画像を形成しており、インキはこの湿し水に乳化してローラー間を転移した後、紙へ印刷されるので、ローラー間の転移性及び紙への着肉性は、インキ及び湿し水に乳化した乳化インキの流動性が大きく影響する。カーボンブラックを使用したインキはカーボンブラックの濡れ性が乏しいとインキ及び乳化インキの流動性が劣るため、ローラー間の転移及び紙への着肉性が劣るという問題があった。
平版印刷用インキの製法に関しては、カーボンブラックの分散が重要となってくる。すなわち、カーボンブラックの分散が悪い場合、著しい光沢の劣化や印刷時に版やガイドロール等にカーボン粒子が堆積する問題が発生する。
このため、カーボンブラックの分散性を良くするために、様々な検討がされている。
特開平11−349311号公報には、多環芳香族成分含有量が少ない鉱物油に分散性の良好なカーボンブラックが開示されているが、インキを製造した場合に単純にこのような鉱物油に分散性が良いだけでは、インキとしての物性が良いとは限らない。
さらに、本発明のような墨顔料としてカーボンブラックを、樹脂ワニスとしてロジン変性フェノール樹脂を使用した例としては、以下の例が挙げられる。
例えば、特開平9−25444号公報には、墨顔料としてカーボンブラックを、樹脂ワニスとしてロジン変性フェノール樹脂を使用し、さらに、顔料分散剤を用いたオフセット印刷用墨インキ組成物を用いる例が、開示されている。しかしながら、印刷インキの安定性(分散性)は、向上するが、単純にカーボンブラックを選定するだけでは、高品質の印刷物を得ることができない。
また、特開2002−322407号公報、特開2002−322408号公報、特開2002−327143号公報には、カーボンブラックと常温で固体の樹脂ワニスとを予め乾式粉砕を行い、溶剤等を加えて混合して製造する方法が開示されている。しかも、特定のカーボンブラックを使用することが記載されているが、これらのカーボンを使用し、この製造方法を行った場合には、ストラクチャーが破壊され、非塗工紙または微塗工紙等の低級紙用途としては、適切ではない。
さらに、特開2011−225747号公報には種々の好適なカーボンブラックを用いた耐刷性に優れたオフセットインキが開示されている。しかしながら、適用外となるカーボンブラックの利用方法については何ら触れられておらず、さらに、ロングラン耐刷性を確保するという点では性能が不十分である。
このように、非芳香族溶剤を用いる環境対応インキにおいては、カーボンブラックを最適に分散することは非常に困難となっている。
特開平9−25444号公報 特開2002−322407号公報 特開2002−322408号公報 特開2011−225747号公報
本発明は、カーボンブラックの濡れ性を向上させることで、インキの分散性を高め、流動性、低タック化、転移性、機上安定性に優れた平版印刷用インキと、これを用いて印刷してなる印刷物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために誠意研究した結果、特定の構造式のフタロシアニン誘導体を用いることで、カーボンブラックの濡れ性を大幅に向上させることができ、インキの分散性の問題を解決し、流動性、低タック化、転移性、機上安定性に優れた平版印刷用インキを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、カーボンブラックと、フタロシアニン誘導体と、合成樹脂とを含有する平版印刷用墨インキであって、フタロシアニン誘導体が下記の(1)、(2)であることを特徴とする平版印刷用墨インキに関する。
(1)フタロシアニン誘導体が下記一般式(1)で示される化合物である。
(2)フタロシアニン誘導体を、平版印刷用墨インキ全量に対して0.1〜2重量% 含有してなる。

一般式(1)
Pc−(X−Y)m (1)

式中Pc:フタロシアニン残基
−X:−CH2−、−OCO−、−SO2CH2
−Y:−NH−(CH2)n−N(R12)、−(CH2)n−N(R12
を表す。
ただし、R1、R2 は置換または未置換の炭素数1〜2のアルキル基、あるいはR1とR2とで窒素原子を含む複素環を表す。nは0〜3の整数を表す。mは1〜4の整数を表す。
さらに本発明は、合成樹脂がロジン変性フェノール樹脂であって、ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が10000〜200000であることを特徴とする上記の平版印刷用墨インキに関する。
さらに本発明は、カーボンブラックのDBP吸油量が70〜140(cm3/100g)、鉄亜鉛含有量100ppm以下であることを特徴とする上記の平版印刷用墨インキに関する。
さらに本発明は、上記の平版印刷用墨インキを、基材に印刷してなる印刷物に関する。
新聞、書籍、チラシ等の印刷において、本発明が提供する平版印刷用インキは、従来よりも流動性、低タック化、転移性、機上安定性に優れた印刷適性、経時安定性を提供することが可能となり、工業的価値は、甚大である。
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
本発明において、一般式(I)で示されるフタロシアニン誘導体としては,銅,ニッケル,コバルト,アルミニウム,鉄,亜鉛,マンガン,ネオジムなどの金属フタロシアニンまたは無金属フタロシアニンの誘導体である。さらに,フタロシアニンの中心核として,3価以上の原子価を有するハロゲン化金属であってもよい。
フタロシアニン誘導体は自体公知の方法で製造されるが,フタロシアニン合成時に,フタロシアニン原料となるフタロニトリル,フタル酸,無水フタル酸,フタルイミド等として,ベンゼン核に置換基を有するものを用いて合成,さらに該置換を変性する,またはフタロシアニンを後から変性することにより製造することができる。
次にフタロシアニン誘導体の合成例の例を簡単に説明する。
CuPc−[SO2(CH2)n−N(R12)]m
で表わされる化合物は、例えば公知の方法に従って,銅フタロシアニンをクロルスルホン酸に溶解して,塩化チオニル等の塩素化剤を反応させてスルホン酸クロライドを得,ついでアミン類と反応させて得ることができる。ただし、R1、R2は、置換または未置換の炭素数1〜2のアルキル基を表す。
スルホン酸クロライドと反応できる代表的なアミンはジエチルアミン,ピペリジン,N,N−ジエチルアミノプロピルアミン,N,N−ジメチルアミノプロピルアミン,N,N−ジエチルアミン,N−N−ジブチルアミノプロピルアミン,N−アミノプロピルモルホリン,N−アミノエチルピペリジン,N−アミノエチルピロリジン,N−N−ジイソブチルアミノペンチルアミン,N,N−ジメチルアミノペンチルアミン,N−アミノプロピル−2−ピペコリン,N,N−ジエチル−N−オレイルエチレンジアミン等である。
CuPc−[OCO−(CH2)n−N(R12)]m
で表わされるフタロシアニン誘導体は公知の方法に従って、カルボキシル基を導入した銅フタロシアニンをアルコール類でエステル化することにより得ることができる。ただし、R1、R2は、置換または未置換の炭素数1〜2のアルキル基を表す。アルコール類としては,例えばN,N−ジエチルアミノエタノール,N,N−ジメチルアミノプロパノール等を使用することができる。
銅フタロシアニンは一般には無水フタル酸,尿素および塩化第一銅をモリブデン酸アンモニウムの様な触媒の存在下の芳香族溶媒中で加熱することにより得られるが,無水フタル酸に一部無水トリメリット酸あるいは無水ピペメリット酸を加えて同様に反応させてカルボキシル基を有する銅フタロシアニンを得ることができる。このようにして得られたカルボキシル基を有する銅フタロシアニンを上記アルコール類でエステル化した後、ベンゼン等の芳香族溶媒中で塩化チオニル等の塩素化剤でカルボン酸クロライドとし,ついで上記の同様のアミン類と反応させることによりフタロシアニン誘導体が得られる。
また、CuPc−[−(CH2)n−N(R12)]m
で表わされるフタロシアニン誘導体は銅フタロシアニンをクロルメチル化し,ついで例えばジエチルアミンやピペリジンのような第2級アミンと反応させることにより得られる。
本発明において、一般式(1)で示されるフタロシアニン誘導体の添加量はインキ全量に対して0.1〜2重量部が好ましく、より好ましくは0.3〜1重量部である。0.1重量部より少ないと一般式(1)で表されるフタロシアニン誘導体の効果が得られず、また
2重量部より多く用いても用いた分の効果は得られない上、版を感脂化させ、印刷に悪影響を及ぼすため好ましくない。
本発明において印刷インキの着色剤はカーボンブラックを使用する。カーボンブラックの配合量は、印刷インキ全量に対して、10〜30重量%である。
本発明において、カーボンブラックは、DBP吸油量70〜140(cm3/100g)、鉄亜鉛含有量100ppm以下であることが好ましい。この範囲のカーボンブラックであれば、フタロシアニン誘導体を混合することで、濡れ性や分散性を大幅に向上させることが可能となる。このため本発明は、特許文献4に係る発明と比較して、カーボンブラックの適用幅を広げることができる。
なおDBP吸油量は、フタル酸ジブチル(DBP)吸油量測定法により計測できる。
本発明で用いる、合成樹脂の種類としては、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂など印刷インキに適用される樹脂であれば、任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用できるが、好ましくはロジン変性フェノール樹脂である。
ロジン変性フェノール樹脂は特に限定されないが、好ましくは、重量平均分子量10000〜200000、さらに好ましくは20000〜120000である。
重量平均分子量が10000以下ではインキの粘弾性が低下し、2000000以上ではインキの流動性が劣るため顔料誘導体との濡れ性が低下し分散性、光沢が低下する。さらに、ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が20000〜120000の範囲では、フタロシアニン誘導体、カーボンブラックの濡れ性、粘弾性が良好であり、製造されたインキの光沢等、意匠性が極めて良好である。
重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーメーションクロマトグラフィー(商品名 HLC−8020)および東ソー(株)製カラム(商品名 TSK−GEL)を用い、スチレン換算で測定した。なお溶媒にはテトロヒドロフランを使用した。
トレランスとは樹脂Xgを試験管に取り、溶剤で加熱溶解させたのちに25℃に冷却したときの白濁しない最小樹脂濃度であり、数値が小さいほど溶解性が優れている。

トレランス(%)=[樹脂(Xg)]÷[樹脂(Xg)+溶剤(Yg)]×100
本発明で使用する植物油は大豆油、ヤシ油等の半乾性油や不乾性油が望ましいが、必要に応じてアマニ油、桐油等の乾性油を併用することも可能である。植物油の配合量は、印刷インキ全量に対して10〜60重量%が望ましい。上記数値の下限より少ないと樹脂との溶解性不足によりインキの流動性が不足し、場合によっては機上安定性に問題を生じる。また、上記数値の上限より多いとセットが劣化する。
さらに、本発明の平版印刷用インキ組成物には、必要に応じてゲル化剤、顔料分散剤、金属ドライヤー、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦向上剤、裏移り防止剤、非イオン系海面活性剤、多価アルコール等の添加剤を便宜使用することができる。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は重量部を表す。
(平版印刷用インキ用ロジン変性フェノール樹脂ゲルワニスAの製造)
コンデンサー、温度計、及び攪拌機を装着した四つ口フラスコにロジン変性フェノール樹脂(荒川化学工業(株)製:重量平均分子量15万、酸価20、軟化点160℃)38.5部、大豆油30部、AFソルベント5号(新日本石油(株)製)30部を仕込み、180℃に昇温して、同温で30分間攪拌した後、放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み、180℃で30分間攪拌してオフセット用ロジン変性フェノール樹脂ゲルワニスA(以下ゲルワニスAと称す)を得た。
本実施例で用いるフタロシアニン誘導体を表1に示す。
Figure 2014152195
次に、本実施例で用いたカーボンブラックを表2に示す。
Figure 2014152195
(フェノール樹脂製造例1)
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにP−オクチルフェノール1000部、35%ホルマリン850部、93%水酸化ナトリウム60部、トルエン1000部を加えて、90℃で6時間反応させたる。その後6N塩酸125部、水道水1000部の塩酸溶液を添加し、撹拌、静置し、上層部を取り出し、不揮発分49%のレゾールタイプフェノール樹脂のトルエン溶液2000部を得て、これをレゾール液Xとした。
(ロジン変性フェノール樹脂の製造例1)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液X1400部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン100部を仕込み、250〜260℃で酸化20以下になるまでエステル化して、重量平均分子量30000、トレランス20重量%のロジン変性フェノール樹脂A(以下、樹脂Aと称す)を得た。
(ロジン変性フェノール樹脂の製造例2)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液X1600部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン120部を仕込み、250〜260℃で酸化20以下になるまでエステル化して、重量平均分子量100000、トレランス24重量%のロジン変性フェノール樹脂B(以下、樹脂Bと称す)を得た。
(ロジン変性フェノール樹脂の製造例3)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液X1800部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン110部を仕込み、250〜260℃で酸化20以下になるまでエステル化して、重量平均分子量130000、トレランス27重量%のロジン変性フェノール樹脂C(以下、樹脂Cと称す)を得た。
(ロジン変性フェノール樹脂の製造例4)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液X2000部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン140部を仕込み、250〜260℃で酸化20以下になるまでエステル化して、重量平均分子量220000、トレランス26重量%のロジン変性フェノール樹脂D(以下、樹脂Dと称す)を得た。
(平版印刷インキ用ゲルワニスの製造)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに樹脂B(重量平均分子量100000)40重量部、大豆油(ヨウ素価が125mg/100mg)33重量部、AFソルベント5号(新日本石油(株)製、アニリン点88℃、沸点範囲279〜307℃)26重量部を仕込み、190℃に昇温、同温で30分間攪拌した後、放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1重量部(川研ファインケミカル(株)製ALCH、以下ALCHと称す)を仕込み、190℃で30分間攪拌して浸透乾燥型オフセット印刷インキ用ゲルワニス1(以下ワニス1と称す)を得た。
さらに、表3の組成に基づいて、上記と同等のゲルワニス製造方法により、ゲルワニス2〜4(以下ワニス2〜4と称す)を得た。
Figure 2014152195
(平版印刷用墨インキの製造)
リーガル99R(キャボット社製)を20重量部、表1のフタロシアニン誘導体1 0.5重量部、ゲルワニス1を55重量部、大豆油(ヨウ素価が125mg/100mg)を13重量部、AFソルベント5号(JX日鉱日石エネルギー(株)製)を2重量部、計90.5重量部を3本ロール上に仕込み、60℃の3本ロールで2回練肉したところ、顔料粒子は7.5μm以下に分散され、ベースインキ1を得た。このベースインキ1の粘度が6.0±4Pa・sになるように、且つ100重量部になる様に大豆油とAFソルベント5号量の調整を行ったところ、ベースインキ1に大豆油を5重量部、AFソルベント5号を4.5重量部加えて6.2Pa・sの実施例1の平版印刷用墨インキ1を約100重量部得た。
上記と同等のベースインキ作製方法にて、表4に示す配合にてベースインキを作製し、同等に大豆油とAFソルベント5号の量を調整して6.0±4Pa・sにインキの粘度調整を行ったところ、インキ実施例2〜11、インキ比較例1〜3のインキを約100重量部得た。
Figure 2014152195
(評価結果)
上記で製造した実施例1〜11及び比較例1〜3の平版印刷用インキについて、粘度、粒度、インキ流動性(スプレッドメーターによる測定[SR]、ガラス板流度)、インキしまり、耐刷性について評価を実施し、結果を表5に示した。
Figure 2014152195
<スプレッドメーターによる流動性の評価方法>
スプレッドメーターに一定容量の試験インキを測り盛り、測定開始後1分後にインキが流動した中心からの距離を計測する[SR]。測定値の大きいものを流動性が高いと判定する。なお、実施例1で得られた平版印刷用墨インキ1の測定値を100%とした百分率で測定値を表示した。
<ガラス板流度による流動性の評価方法>
インキピペットに一定容量の試験インキを測り盛り、水平に置いたガラス板流度計の基準線上に滴下させ、直ちにガラス板を垂直に立てる。垂直に立てた時から、10分後に試験インキが流れた長さを計測する。測定値の大きいものを流動性が高いと判定する。なお、実施例1で得られた平版印刷用墨インキ1の測定値を100%とした百分率で測定値を表示した。
<インキしまりの評価方法>
粘弾性測定器のレオメトリックス社Dynamic Analyzer RDA-2 を用いて、Dynamic Time Sweep modeにて、貯蔵弾性率G'の経時変化を測定する(測定条件:温度40度.各周波数(ω):0.8.Strain:30.Paralel Plate Gap:1.0mm.測定時間1時間.)。このとき6分と60分のG'の比(G'[60分]/G'[6分])を求める。この比率が高い程、インキ中に蓄えられるエネルギーが多くなりインキが締まりやすくなる。なお、実施例1で得られた平版印刷用墨インキ1の比率を100%とした百分率で測定値を表示した。
<耐刷性の評価方法>
印刷物を5千分毎にサンプリングし、ベタ印刷部及び日文字部分の着肉度合いを評価するとともに、10万部印刷後の、CTP版の画線部のダメージ度合いを以下の評価基準に基づいて評価を行なった。
(評価基準)
◎:CTP版画線部のダメージなし:20万部までに印刷物の着肉劣化なし。
○:CTP版画線部のダメージなし:15万部までに印刷物の着肉劣化確認。
○△:CTP版画線部のダメージなし:10万部までに印刷物の着肉劣化確認。
△:CTP版画線部のダメージあり:7万部までに印刷物の着肉劣化確認。
×:CTP版画線部のダメージ酷い:5万部までに印刷物の着肉劣化確認。
表3の結果より、粘度、粒度、インキ流動性(スプレッドメーターによる測定[SR]、ガラス板流度)、インキしまりについて、全てにバランス良く、優れているのは実施例であることが分かった。フタロシアニン誘導体を添加しない比較例1や、添加量の少ない比較例2や、添加量が多い比較例3はインキしまりが発生し、分散安定性が悪いことが判る。
本発明による平版印刷用インキは、従来よりも印刷機上での安定性、着肉性、経時安定性に優れ、非常に環境性に配慮しており、新聞、雑誌、チラシ等の印刷分野において有益な活用が図られる。
さらに本発明は、カーボンブラックのDBP吸油量が66〜140(cm3/100g)、鉄亜鉛含有量100ppm以下であることを特徴とする上記の平版印刷用墨インキに関する。

本発明において、カーボンブラックは、DBP吸油量66〜140(cm3/100g)、鉄亜鉛含有量100ppm以下であることが好ましい。この範囲のカーボンブラックであれば、フタロシアニン誘導体を混合することで、濡れ性や分散性を大幅に向上させることが可能となる。このため本発明は、特許文献4に係る発明と比較して、カーボンブラックの適用幅を広げることができる。

Claims (4)

  1. カーボンブラックと、フタロシアニン誘導体と、合成樹脂とを含有する平版印刷用墨インキであって、フタロシアニン誘導体が下記の(1)および(2)であることを特徴とする平版印刷用墨インキ。
    (1)フタロシアニン誘導体が下記一般式(1)で示される化合物である。
    (2)フタロシアニン誘導体を、平版印刷用墨インキ全量に対して0.1〜2重量%含有してなる。

    一般式(1)
    Pc−(X−Y)m (1)

    式中Pc:フタロシアニン残基
    −X:−CH2−、−OCO−または−SO2CH2
    −Y:−NH−(CH2)n−N(R12)または−(CH2)n−N(R12
    を表す。
    ただし、R1およびR2は置換または未置換の炭素数1〜2のアルキル基、あるいはR1とR2一体となって窒素原子を含む複素環を表す。nは0〜3の整数を表す。mは1〜4の整数を表す。
  2. 合成樹脂がロジン変性フェノール樹脂であって、ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が10000〜200000であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷用墨インキ。
  3. カーボンブラックのDBP吸油量が70〜140(cm3/100g)、なおかつカーボンブラックの鉄亜鉛含有量が100(ppm)以下であることを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷用墨インキ。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の平版印刷用墨インキを、基材に印刷してなる印刷物。
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WO2022176363A1 (ja) * 2021-02-18 2022-08-25 Dic株式会社 カーボンブラック、インキ、塗料、プラスチック用着色剤、着色成形品、文具・筆記具用着色剤、捺染剤、トナー、カラーフィルタ用分散液・レジスト、及び化粧料

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WO2022176363A1 (ja) * 2021-02-18 2022-08-25 Dic株式会社 カーボンブラック、インキ、塗料、プラスチック用着色剤、着色成形品、文具・筆記具用着色剤、捺染剤、トナー、カラーフィルタ用分散液・レジスト、及び化粧料
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