JP2014134086A - ユニット式建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】陸屋根を備えたユニット式建物であっても、外観の意匠性を向上できると共に、建物内部に必要上十分な収納空間を設けることができる。
【解決手段】垂直方向に単数または複数配置される建物ユニットUによって構築される建物本体Hの上部に配置される陸屋根ユニット60によって構築される陸屋根5を備えたユニット式建物において、陸屋根ユニット60は、建物本体Hの上方側に位置する建物ユニットUの上面に載置される小屋パネル63と、この上面に立設される複数の束64…と、これらの上端部に設けられる屋根パネル69と、複数の束64…の外側に設けられる外周壁3bと、を有し、規定寸法からなる通常の陸屋根ユニット50に比べて高さ方向の寸法が嵩上げされてなる。
【選択図】図4

Description

本発明は、ユニット式建物に関する。
従来から、予め工場で製造した建物ユニットや屋根ユニットを建築現場で組み合わせて形成されるユニット式建物が利用されている(例えば、特許文献1参照)。これら建物ユニットや屋根ユニットは平面寸法がモジュール化されており、1の建物ユニット上に1の屋根ユニットが載置されることにより、全体として構造上強固な建物が形成される。このようなユニット式建物によれば、建築現場における作業が軽減され、短期間で施工が完了するという利点がある。
かかる屋根ユニットは、上階を形成する建物ユニットの上部に載置されるベースパネルとしての小屋パネルと、当該小屋パネルの上面側に配置される複数の束と、これら各束を介して配設され、外観上の屋根面を構成する屋根パネルとを有している。また、屋根の形状としては、傾斜した屋根面を有する勾配屋根が多く採用されている。
一方、近年、都市部等の住宅密集地では土地が狭くなってきており、特許文献1のような勾配屋根を備えたユニット式建物による住宅では、当該勾配屋根の軒が建物本体外周よりも外方へ位置する分、建物本体(すなわち、居住空間)が狭くなることが懸念されている。
このため、狭い土地(敷地)に建てられる住宅では勾配屋根に替えて、軒をなくすことで居住空間を可能な限り広く確保でき、当該敷地を無駄なく有効活用することができる屋根面が略平坦な陸屋根を採用する傾向がある(例えば、特許文献2参照)。
このような陸屋根の形状をなす屋根ユニットは、小屋パネルの外周縁部にパラペットを配設し、当該パラペットの内側に緩勾配を有するように屋根材(防水シート等)を配設することで形成される。
特開平03−217531号公報 特開2009−068222号公報
ところで、例えば二階建ての住宅を基準として、特許文献2のような陸屋根を備えた住宅と、勾配屋根を備えた住宅とを比較してみると、後者の方が前者よりも、建物本体の上部に配置される屋根ユニットにおいて屋根面が勾配し小屋裏空間が形成される分、建物全体としての高さが高くなる場合がある。すなわち、陸屋根の住宅では、例えば隣接する住宅が勾配屋根である場合、当該勾配屋根の住宅よりも建物全体の高さが低くなる虞があり、外観上、見映えに欠けることが懸念されている。
一方、近年における生活の質の向上や多様化に伴い、生活に使用する物品が多種多様化および多数化する傾向にある。しかし、これらの物品を保管、収容するための空間としては、従来のような建物内部の押入や納戸、小屋裏収納部や天井裏収納部等の小さな収納空間では広さや容量が不足してしまう。とりわけ、勾配屋根の小屋裏収納部は、天井高が勾配なりになってしまうため、物品の出し入れの際に屈まなければならず使い勝手が悪かった。また、建物が建てられる敷地の有効利用という観点から、屋外物置等の設置は望ましくないため、その内部に従来よりも大きな収納空間を備えた建物が望まれていた。
しかしながら、特許文献2のような陸屋根を備えた住宅の場合、屋根面が平坦であることが外観上の特徴であると共に、屋根ユニットも共通化することで、製造コストの削減や、建築現場における作業の軽減および施工期間の短期化を図っていたことから、当該陸屋根の一部を嵩上げして、その下部に収納空間を形成するといった発想がなかった。これは、以下のようなことにも起因する。すなわち、このような屋根ユニットや建物ユニットによるユニット式の住宅の場合、陸屋根の一部を柱や梁などの構造耐力部材を用いて嵩上げすると、当該嵩上げ部分が最上階とみなされ、その最上部の梁の位置までが軒高として判断される可能性がある。この場合、建築基準法における日影規制等の制限をオーバーしてしまう虞がある。
従って、陸屋根を備えた住宅であっても、勾配屋根を備える建物よりも建物全体の高さが低くなることを確実に回避して外観の意匠性を向上できると共に、建物内部に必要上十分な収納空間を設けることができる技術の開発が望まれている。
そこで、本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、外観の意匠性を向上できると共に、建物内部に必要上十分な収納空間を設けることができる陸屋根を備えたユニット式建物を実現することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図10に示すように、垂直方向に単数または複数配置される建物ユニットUによって構築される建物本体Hと、前記建物本体Hの上部に配置される陸屋根ユニット50,60によって構築される屋根(陸屋根5および高屋根部6)と、を備えたユニット式建物において、
前記陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)は、
前記建物本体Hの上方側に位置する前記建物ユニットUの上面に載置される小屋パネル63と、
前記小屋パネル63の上面に立設される複数の束64…と、
前記複数の束64…の上端部に設けられる屋根パネル69と、
前記複数の束64…の外側に設けられる外壁材(外周壁3b)と、を有し、
規定寸法からなる通常の陸屋根ユニット(第1陸屋根ユニット50)に比べて高さ方向の寸法が嵩上げされてなることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、建物本体Hの上部に配置され、略平坦な屋根面6aをなす陸屋根(高屋根部6)を形成する陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)が、建物本体Hの上方側に位置する建物ユニットUの上面に載置され、長辺側に配置される一対の長辺梁61,61および短辺側に配置される一対の短辺梁62,62からなる小屋パネル63と、小屋パネル63の上面に立設される複数の束64…と、複数の束64…の上端部に設けられる屋根パネル69と、複数の束64…の外側に設けられる外周壁3bと、を備えており、規定寸法からなる通常の陸屋根ユニット(第1陸屋根ユニット50)に比べて高さ方向の寸法が嵩上げされてなる。従って、第2陸屋根ユニット60によって陸屋根(高屋根部6)を形成した場合、第1陸屋根ユニット50のみで陸屋根5を形成する従来の住宅に比べて建物本体Hにおける屋根面6aを嵩上げできることにより、勾配屋根を備える建物よりも建物全体の高さが低くなることを確実に回避することができ、外観の意匠性を向上させることができる。
また、第1陸屋根ユニット50と第2陸屋根ユニット60とを組み合わせて陸屋根5、高屋根部6を形成した場合、陸屋根5を備えた住宅であっても、当該陸屋根5の一部(高屋根部6)を嵩上げできることにより、略平坦な陸屋根5に高低差(段差)を設けることができ、外観の意匠性を向上させることができる。
換言すれば、この場合、傾斜した屋根面を有する勾配屋根のようなデザインを用いずに、第1陸屋根ユニット50と第2陸屋根ユニット60とを組み合わせて、陸屋根5の一部(すなわち、高屋根部6)を嵩上げすることにより、略平坦な陸屋根5に高低差(段差)を設けることができる。このため、当該陸屋根5を備えたユニット式建物特有の矩形状のデザインを、傾斜した屋根面によって崩すことなく(外観上、見映えを損なうことなく)、陸屋根特有のデザインはそのままに建物全体の高さを高くすることができる。よって、勾配屋根を備える建物よりも建物全体の高さが低くなることを確実に回避することができ、外観の意匠性を向上させることができる。
しかも、第2陸屋根ユニット60は、第1陸屋根ユニット50に比べて高さ方向の寸法を嵩上げしているため、その下部(すなわち、第2陸屋根ユニット60の内部であって、その直下の建物ユニットUと当該第2陸屋根ユニット60の屋根パネル69(屋根面6a)との間)に部屋(収納空間4)を形成することができる。よって、この部屋を収納空間4として利用すれば、建物内部に必要上十分な収納空間を設けることができる。
かくして、外観の意匠性を向上できると共に、建物内部に必要上十分な収納空間4を設けることができる陸屋根5(高屋根部6)を備えたユニット式建物を実現できる。
このとき、当該収納空間4は、第1陸屋根ユニット50に比べて高さ方向の寸法を嵩上げした第2陸屋根ユニット60における高屋根部6の下部に設けられるので、陸屋根5より下方の建物本体H側に設けられる居住空間にステップ床等を設けて収納空間を形成する場合に比べて、当該居住空間が削られることがない分、居住空間を広く確保(維持)することもできる。また、第2陸屋根ユニット60と、その直下の建物ユニットUとの間の空間(具体的には、高屋根部6と第2陸屋根ユニット60の直下の建物ユニットUとの間に形成される収納空間4)が下方の居住空間側(下階1および上階2側)に対する有効な断熱層となる利点もある。
しかも、第2陸屋根ユニット60は、高さ方向の寸法が嵩上げされていることを除き、規定寸法からなる第1陸屋根ユニット50と略同一の寸法からなるので、平面寸法をモジュール化して共通とすることで、製造コストの削減を図ることができると共に、工場において製造した第1および第2陸屋根ユニット50,60を用いることで、建築現場における作業の軽減および施工期間の短期化を図ることもできる。
請求項2に記載の発明は、例えば図5〜10に示すように、請求項1に記載のユニット式建物において、
前記陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)は、
前記複数の束64…に取り付けられる外壁受部65と、
前記外壁受部65に取り付けられ、前記屋根パネル69よりも上方に突出するパラペット部41を構成するためのパラペット用下地66と、を更に備えており、
前記小屋パネル63と、前記外壁受部65と、前記パラペット用下地66とによって前記外壁材(外周壁3b)を受けることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、第2陸屋根ユニット60は、複数の束64…に取り付けられる外壁受部65と、外壁受部65に取り付けられ、屋根パネル69よりも上方に突出するパラペット部41を構成するためのパラペット用下地66と、を更に備えている。そして、小屋パネル63と、外壁受部65と、パラペット用下地66とによって外周壁3bを受けるので、屋根パネル69よりも上方に突出してパラペット部41を構成することができると共に、第1陸屋根ユニット50に比べて高さ方向の寸法が嵩上げされてなる第2陸屋根ユニット60の剛性を高めることができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図7,8に示すように、請求項1または2に記載のユニット式建物において、
前記陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)は、
工場にて防水処理を施された状態で形成されていると共に、前記屋根パネル69に吊受材(吊ナット70)が設けられており、
建築現場にて前記吊受材(吊ナット70)を用いて前記建物ユニットUの上方から吊り込まれることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、屋根パネル69に設けられた吊ナット70を用いて第2陸屋根ユニット60を建物ユニットUの上方から吊り込むことができるので、第2陸屋根ユニット60に対して予め工場において防水処理を施した(防水処理を仕上げた)状態で建築現場に輸送することができる。よって、建築現場における当該防水処理を省くことができ、建築現場における作業をより一層軽減できると共に、施工期間の更なる短期化を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、例えば図5〜10に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
前記複数の束64…は少なくとも、
前記小屋パネル63の四隅と、
前記一対の長辺梁61,61上の前記四隅にそれぞれ対応し、かつ当該四隅から前記長辺梁61の中央側に離間する位置と、に設けられ、
前記四隅の束64と、当該四隅の束64にそれぞれ対応する前記中央側の束64との間にはブレースBRが配設されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、複数の束64…は少なくとも、小屋パネル63の四隅と、一対の長辺梁61,61上の四隅にそれぞれ対応し、かつ当該四隅から長辺梁61の中央側に離間する位置と、に設けられている。そして、四隅の束64と、当該四隅の束64にそれぞれ対応する中央側の束64との間にはブレースBRが配設されているので、剛性を高めることができ、地震・風などによってユニット式建物の外部から水平方向(横方向)に力が入力されたとしても、ブレースBRの引張力により、ユニット式建物が変形するのを未然に防止することができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図10に示すように、請求項4に記載のユニット式建物において、
前記四隅の束64…のうち前記小屋パネル63の短辺方向(短辺梁62上)に隣り合う束64,64の間にブレースBRが配設されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、四隅の束64のうち、小屋パネル63の短辺梁62上に隣り合う束64,64の間にブレースBRが配設されていることが好ましい。これにより、剛性をより一段と高めることができ、地震・風などによってユニット式建物の外部から水平方向(横方向)に力が入力されたとしても、ブレースBRの引張力により、ユニット式建物における変形の防止性をより一段と高めることができる。
請求項6に記載の発明は、例えば図9,10に示すように、請求項1〜5のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
前記陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)は、同一の向きで配置され、水平方向に隣り合う他の前記陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)との間で、隣接する前記束64,64同士が固定されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、第2陸屋根ユニット60は、同一の向きで配置され、水平方向に隣り合う他の第2陸屋根ユニット60との間で、隣接する束64,64同士が固定されているので、地震・風などによってユニット式建物の外部から水平方向(横方向)に力が入力されたとしても、当該力を水平方向に確実に伝達することができる。
請求項7に記載の発明は、例えば図11,図12に示すように、請求項6に記載のユニット式建物において、
前記陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)と前記他の陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)との間には、これら2つの陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60,60)の対向する前記束同士64,64を接合するつなぎ梁81が架設されていることを特徴とする。
請求項7によれば、第2陸屋根ユニット60と他の第2陸屋根ユニット60との間に、これら2つの第2陸屋根ユニット60,60の対向する束同士64,64を接合するつなぎ梁81が架設されているので、当該2つの第2陸屋根ユニット60,60同士を離し置きされてなる離し置き部80を設けることができる。
請求項8に記載の発明は、例えば図3,4に示すように、請求項1〜7のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
前記陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)の直下に位置する前記建物ユニットUの天井梁U1の上面側には、床材(上階3の床3aを構成する床材)が配設されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、第2陸屋根ユニット60の直下に位置する建物ユニットUの天井梁U1の上面側には、上階3の床3aを構成する床材が配設されているので、当該第2陸屋根ユニット60内の部屋(収納空間4)を直下の建物ユニットU内の部屋(例えば、多目的スペース31)のロフトや小屋裏空間として利用することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
前記陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)内部の天井高が、0.8m〜1.4mに設定されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、第2陸屋根ユニット60内部の天井高を、0.8m〜1.4mに設定することによって、例えば第2陸屋根ユニット60内部の部屋を収納空間4として利用する場合、人が収納空間4に入って、何とか作業ができる最低限の高さを確保でき、また、このように天井高を必要最小限に抑えることで、ユニット式建物の高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照減少等の影響を極力少なくする(最小限に抑える)ことができる。
請求項10に記載の発明は、例えば図13〜図16に示すように、請求項1〜9のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
前記建物本体Hの上部には、前記陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)に隣接してペントハウス90が配設されており、
前記ペントハウス90は、
前記陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)に比べて高さ方向の寸法が更に嵩上げされてなり、少なくとも直下の前記建物本体Hの上方側に位置する建物ユニットUから当該ペントハウス90に亙って設けられる階段(第2階段22b)を有する階段室22を備えており、
前記建物本体Hの上方側に位置する前記建物ユニットUの上面であり、前記ペントハウス90に隣接する屋外には、前記階段室22に隣接してバルコニー91が配設されており、
前記階段室22には、
前記バルコニー91に面して配置される当該バルコニー91への出入口92と、
前記陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)に面して配置される当該陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)内への出入口93aと、が設けられていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、建物本体Hの上部(すなわち、屋上階3)には、第2陸屋根ユニット60に隣接してペントハウス90が配設されており、このペントハウス90は、第2陸屋根ユニット60に比べて高さ方向の寸法が更に嵩上げされてなり、少なくとも直下の建物本体Hの上方側に位置する建物ユニットU(すなわち、屋上階3よりも下方に位置する上階2を構築する建物ユニットU)から当該ペントハウス90に亙って設けられる第2階段22bを有する階段室22を備えている。また、建物本体Hの上方側に位置する建物ユニットU(すなわち、屋上階3よりも下方に位置する上階2を構築する建物ユニットU)の上面であり、ペントハウス90に隣接する屋外には、階段室22に隣接してバルコニー91が配設されている。そして、階段室22には、バルコニー91に面して配置される当該バルコニー91への出入口92と、水平方向に隣接する第2陸屋根ユニット60に面して配置される当該第2陸屋根ユニット60内への出入口93aと、が設けられている。
これにより、ペントハウス90に備えられる階段室22を利用して第2陸屋根ユニット60内へ行き来することができる。しかも、階段室22を利用して屋上階3へ上がった場合に、当該屋上階3における階段室22において屈むことなく立つことができるため、隣接する第2陸屋根ユニット60内への出入りが容易になる。このとき、例えば第2陸屋根ユニット60内を収納空間4とした場合、当該収納空間4へ出入りし易くなる利点を備えることができる。また、第2陸屋根ユニット60内に階段室22を設ける必要がなくなる分、当該第2陸屋根ユニット60内を有効に活用することができ、例えば収納空間4として利用する場合には、当該収納空間4を広く活用することができる。さらに、屋上階3にペントハウス90と、バルコニー91と、第2陸屋根ユニット60と、を隣接配置することで、これらペントハウス90の床面(階段室22の床面)と、バルコニー91の床面と、第2陸屋根ユニット60内の床面(収納空間4の床面)とを共通化することができる。
本発明によれば、外観の意匠性を向上できると共に、建物内部に必要上十分な収納空間を設けることができる陸屋根を備えたユニット式建物を実現することができる。
本発明の一実施形態におけるユニット式建物の下階を示す間取り図である。 図1のユニット式建物における上階を示す間取り図である。 図1のユニット式建物における屋上階を示す間取り図である。 図1のユニット式建物を側面側から見て示す断面図である。 図1のユニット式建物における第2陸屋根ユニットが形成される過程を示し、(a)は小屋パネル上に束が立設された様子を示す分解斜視図、(b)は束に外壁受部とパラペット用下地が取り付けられた様子を示す分解斜視図、(c)は外壁材が取り付けられた様子を示す分解斜視図である。 図1のユニット式建物における第2陸屋根ユニットが形成される過程を示し、(a)はパラペット用下地の内側にサイディングが取り付けられた様子を示す分解斜視図、(b)は束の上に屋根パネルが設置される様子を示す分解斜視図である。 図4のユニット式建物における要部(破線Z)を拡大して示す断面図である。 図7の屋根パネルの要部を拡大して示し、(a)は上方から見て示す上面図、(b)は側方から見て示す側面図である。 図1のユニット式建物における屋上階に設置される第2屋根ユニット群を示し、(a)は上方から見て示す上面図、(b)はそのA−A断面図である。 図9の第2屋根ユニット群を示し、(a)はB−B断面図、(b)はC−C断面図、(c)はD−D断面図である。 本発明の他の実施形態のユニット式建物における屋上階に設置される第2屋根ユニット群を示し、(a)は上方から見て示す上面図、(b)はそのA−A断面図である。 図11の第2屋根ユニット群を示し、(a)はB−B断面図、(b)はC−C断面図、(c)はD−D断面図である。 本発明の他の実施形態におけるユニット式建物の外観を概略的に示す斜視図である。 図13のユニット式建物における屋上階を示す間取り図である。 図13のユニット式建物を側面側から見て示す断面図である。 図13のユニット式建物における屋上階に配設されるペントハウスとバルコニーのバリエーションを概略的に示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態におけるユニット式建物の下階を示す間取り図であり、図2は図1のユニット式建物における上階を示す間取り図であり、図3は図1のユニット式建物における屋上階を示す間取り図である。また、図4は図1のユニット式建物を側面側から見て示す断面図である。なお、図1〜図3において、紙面上方側を北、下方側を南、右側を東、左側を西の方向と仮定する。従って、図4においては、紙面右側が北、左側が南、手前側が東、奥側が西の方向と仮定される。
まず、本実施形態のユニット式建物における下階1の間取りについて、図1および図4を参照しながら説明する。
図1に示すように、建物本体Hの下階1の西側には、建物本体Hの南側に向けて開口した玄関10が設けられている。玄関10は、玄関ポーチ11と、玄関ポーチ11から連続する土間床12と、玄関ポーチ11と土間床12との間を仕切る玄関扉13と、玄関ホール14とからなる。
また、玄関10の北側には、部屋15が設けられている。この部屋15は、図示したような畳空間(和室)であってもよいし、ここでは図示しない玄関10の土間床12から連通する土間収納であってもよく、所望する仕様に任意に変更可能な態様を有してなるマルチルームとしての機能を備えている。また、部屋15の西側の壁面には窓15aが設けられており、当該窓15aから入射した光で採光可能になっている。さらに、窓15aの外部側には、後述する上階2の主寝室25(後述する図2参照)側まで延在する縦格子ルーバーRが立設されており、縦格子ルーバーRは断面台形状のルーバーを用いることで、部屋15内における眺望・採光を拡大しつつ外部から部屋15を隠すことによって、当該外部からの視線を減少させ、覗かれ難くなっている。すなわち、プライバシーを保護することができるようになっている。なお、この場合、部屋15の西側(窓15aに面する窓際)は、板の間15bとなっている。
部屋15の東側には、引き戸15cを介してダイニング・キッチン16が設けられている。ダイニング・キッチン16に面した外周側(北側)の壁面には窓16aが設けられており、当該窓16aから入射した光で採光可能になっている。
ダイニング・キッチン16の東側には、浴室17および洗面所18が設けられている。これら浴室17および洗面所18の間(すなわち、浴室17の南側)には、浴室17の出入口17aが設けられている。洗面所18の北側(浴室17の出入口17a側)の空間は、入浴時の脱衣所としても機能する。また、洗面所18の出入口18aは南側に設けられている。これら浴室17および洗面所18の東側の壁面には、それぞれ窓17b,18bが設けられ、採光可能になっている。
ダイニング・キッチン16の南側には、図4にも示すように、大空間のリビング19が当該ダイニング・キッチン16と連通して設けられている。つまり、ダイニング・キッチン16の南側部分は、リビング19と一体化している。また、これらダイニング・キッチン16およびリビング19の中間部の西側には、玄関ホール14に面した出入口16bが設けられている。
リビング19の南側には、ダイニング・キッチン16と対向する位置に、屋外へ通じる開口部20が設けられ、この開口部20には窓20aが設けられている。このため、窓20aから入射した光を、リビング19を介してダイニング・キッチン16まで届かせることができ、ダイニング・キッチン16の採光を良好にすることができる。また、開口部20の南側には、窓20aを介して建物本体Hの外方に面したデッキ空間21が設けられている。デッキ空間21の高さは、例えばリビング19およびダイニング・キッチン16の床高さ(すなわち、図4に示す下階1の床1aの高さ)に等しくすることで、屋内外の空間を一体に見せることができるようになっている。
リビング19の東側には、引き戸19aを介して階段室22が設けられている。この階段室22は、下階1から後述する収納空間4の設けられた屋上階3に亙って設けられており、下階1の床1a(図4参照)から後述の上階2の床2aに至る第1階段22aと、上階2の床2aから屋上階3(すなわち、収納空間4)の床3aに至る第2階段22b(後述する図2,図3参照)とを備えている。なお、ここでは、第1および第2階段22a,22bは、折り返し階段とされているが、一例であってこれに限ることはない。
また、下階1の階段室22と洗面所18との間における東側の壁面には、窓22cが設けられ、採光および通気が可能となっている。
なお、この窓22cの下方、つまり下階1の床1a近傍の壁面には地窓が設けられることが好ましい。また、ここでは図示省略するが、これら第1および第2階段22a,22bは、複数の踏み板間の蹴上げ部を開口させたスケルトン式の階段とすることが好ましい。これにより、地窓から流入する外気を、複数の踏み板間の開口(隙間)を通じて上方の収納空間4(詳細には、後述する収納空間4の上方に設けられる天窓38)へと流通させることができるので、下階1の空気を上昇し易くさせると共に、当該空気を収納空間4の天窓38から排気させ易くすることができる。
さらに、下階1において、階段室22の第1階段22aの西側は、上階2へ向けた第1階段22aの下方に形成される階段下空間となっており、本実施形態の場合、当該階段下空間にトイレ23が設けられている。また、当該トイレ23の東側の壁面には窓23aが設けられ、採光および通気が可能となっている。
階段室22の南側であって、デッキ空間21の東側には、セレクトルーム24が設けられている。セレクトルーム24は、水廻り動線として機能させたり、防災備蓄等を収納するための備蓄庫として機能させたり、書斎として機能させたり等の種々の用途に利用することが可能となっている。因みに、本実施形態の場合、セレクトルーム24は在宅勤務者等が利用するための仕事部屋として機能する。また、このセレクトルーム24の東側の壁面には、窓24aが設けられており、採光可能となっている。
次に、本実施形態のユニット式建物における上階2の間取りについて、図2および図4を参照しながら説明する。
図2に示すように、上階2において、下階1の部屋15(図1参照)の上方には主寝室25が設けられている。主寝室25の西側の壁面には窓25aが、北側の壁面には窓25bがそれぞれ設けられ、これら窓25a,25bから入射した光によって、当該主寝室25の採光を良好にすることができるようになっている。また、窓25aの外部側には、下階1の部屋15(図1参照)から延在する縦格子ルーバーRが立設されている。これにより、主寝室25内における眺望・採光を拡大しつつ外部から主寝室25を隠すことによって、当該外部からの視線を減少させ、主寝室25内が覗かれ難くなっている。すなわち、主寝室25におけるプライバシーを保護することができるようになっている。
また、主寝室25には、南側にクローゼット26が設けられており、当該クローゼット26の南側には、トイレ27が設けられている。このトイレ27の東側は、当該トイレ27の出入口を介して、後述する多目的スペース31に面しており、このトイレ27の出入口近傍に当該多目的スペース31に面した主寝室25の出入口が設けられている。また、トイレ27の南側には、玄関10の上方に下階1の天井と略同じ高さに位置する庇Qが設けられている。
なお、かかるトイレ27を設けない場合、この位置までクローゼット26を延在させることで、ウォークスルークローゼットを形成することができる。この場合、ウォークスルークローゼットには、主寝室25に面した出入口と、トイレ27側の出入口と、の二つの出入口を介して出入りすることができる。従って、ウォークスルークローゼットには、主寝室25の内外双方から出入り可能となるため、衣類等を収納する際に短い動線で移動可能であると共に、主寝室25内に入ることなく、主寝室25の外(すなわち、後述の多目的スペース31側)からでも直接内部まで入り込んで収納作業できる利点を有することが可能となる利点を備えることができる。
主寝室25の東側には、第1子供室28と第2子供室29とが設けられている。これら第1および第2子供室28,29は、これらの略中央部に立設された間仕切り収納30によって、二つの子供室に分離されている。この間仕切り収納30は、3つの収納棚等の収納家具から構成され、第1子供室28専用の収納棚30aと、第2子供室29専用の収納棚30bと、略中央で双方の子供室28,29の双方に間仕切られ、これら第1および第2子供室28,29のそれぞれで使用可能な棚30cと、を備えている。このため、当該間仕切り収納30を可動式のものにすれば、当該間仕切り収納30を移動して開放することで、一つの子供室とする広い空間を確保することも可能となっている。また、これら第1および第2子供室28,29の北側の壁面には、それぞれ窓28a,29aが設けられると共に、第2子供室29の東側の壁面には、窓29bが設けられており、採光可能となっている。
第1および第2子供室28,29の南側には、図4にも示すように、多目的スペース31が設けられている。この多目的スペース31は、居住者の所望する目的に応じて仕様を変更することが可能となっており、本実施形態では、子供用の勉強スペースとして機能するようになっている。この場合、第1および第2子供室28,29は、子供用の寝室および遊びスペースとして機能すると共に、多目的スペース31は、勉強スペースとして機能することにより、「遊ぶ・寝る」を目的とするスペースと、「学ぶ」を目的とするスペースとを分離して機能させることができる。この多目的スペース31の東側の壁面には、窓31aが設けられており、採光可能となっている。また、多目的スペース31には、上階2の他の空間(主寝室25、第1および第2子供室28,29、階段室22)との間に仕切はない。
多目的スペース31の東側には、階段室22が設けられている。この上階2の階段室22の東側の壁面(具体的には、上階2と屋上階3とを結ぶ第2階段22bに面する東側の壁面)には窓22dが設けられており、採光および通気が可能となっている。また、多目的スペース31の南側には、屋外へ通じる開口部32が設けられ、この開口部32には窓32aが設けられている(図4参照)。このため、窓32aから入射した光によって、多目的スペース31の採光を良好にすることができる。
また、開口部32の南側には、窓32aを介してルーフバルコニー33が設けられている。すなわち、窓32aはルーフバルコニー33の出入口として機能する。ルーフバルコニー33の高さは、図4に示すように、多目的スペース31、第1および第2子供室28,29や図4には図示しない主寝室25等の床高さ(すなわち、上階2の床2aの高さ)に等しく、屋内外の空間を一体に見せることができる。また、ルーフバルコニー33の南側に位置する外周部には、パラペット部40からなる手摺壁Tが設けられている。手摺壁Tは建物の外壁と一体化して設けられている。
次に、本実施形態のユニット式建物における収納空間4の設けられた屋上階3の間取りについて、図3および図4を参照しながら説明する。
図3に示すように、本実施形態のユニット式建物は、陸屋根5の一部(すなわち、屋上階3部分であって、建物本体Hの略中央から南側部分における東西方向)に、当該陸屋根5の略平坦な屋根面5aよりも高い位置に配置され、屋根面5aと同じく略平坦な屋根面6aを有する高屋根部6を備えている。この高屋根部6の屋根面6aと、陸屋根5の屋根面5aとの間には、屋上階3が形成されており、当該屋上階3には南側に収納空間4が設けられている。
また、収納空間4の東側には、階段室22が設けられており、上階2の床2aから屋上階3の床3aに至る第2階段22bによって、上階2と行き来が可能となっている。このように、建物本体Hに下階1から上階2を介して屋上階3(より詳細には、収納空間4)に至る第1および第2階段22a,22bを有する階段室22が設けられているので、収納空間4へアクセスする際は当該階段室22を利用すればよく、とりわけ下階1から収納空間4への行き来が容易になっている。従って、収納空間4へのアクセスがし易い分、屋上階3に設けられた収納空間4の使い勝手が向上されている。
このとき、収納空間4の天井高は、0.8m〜1.4mに設定されている。これにより、人(居住者など)が収納空間4に入って、何とか作業ができる最低限の高さを確保でき、また、このように天井高を必要最小限に抑えることで、ユニット式建物の高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照減少等の影響を極力少なくすることができるようになっている。
収納空間4の北側には、上階2の上方(すなわち、多目的スペース31)に向けて開口する吹き抜け部34が設けられており、この吹き抜け部34と収納空間4との間には、吹き抜け部34に面した通路35が形成されている。通路35の東側の壁面には窓35aが設けられており、採光可能になっている。また、通路35の南側には開口部36が設けられ、収納空間4と行き来可能になっている。なお、この場合、通路35の北側には強化ガラス等からなる壁部37が立設されている。吹き抜け部34の上方に設けられた天井には、高屋根部6の屋根面6aから突出するように天窓38が設けられている。これにより、屋上階3や上階2の通風・採光が可能となっている。
また、吹き抜け部34の北側には、上階2の主寝室25、第1および第2子供室28,29の上方に位置する陸屋根5が設けられている。陸屋根5は、略平坦な屋根面5aを有しており、この陸屋根5の屋根面5aの外周縁部には、パラペット部40が立設されている。また、屋上階3を形成する高屋根部6と陸屋根5との境界(屋上階3の北側から西側の一部にかけた外周縁部)には、境界壁3cが立設されている。さらに、屋上階3の東側と、南側と、西側の一部との三方には、陸屋根5の外周縁部に設けられたパラペット部40が上方へ延在することで形成された外周壁3bが立設されている。すなわち、屋上階3は、東側と南側と西側の一部とに設けられた外周壁3bと、北側と西側の一部とに設けられた境界壁3cと、によって囲まれている。また、陸屋根5の一部として嵩上げされた屋上階3の上方に位置する高屋根部6の屋根面6aの外周縁部には、上端が屋根面6a(陸屋根5のパラペット部40)よりも高いパラペット部41が設けられている。なお、屋上階3における収納空間4の南側には、下方(すなわち、上階2)に設けられたルーフバルコニー33が位置している。
このように、本実施形態のユニット式建物では、収納空間4を備える屋上階3が、陸屋根5のパラペット部40を上方に延在させてなる外周壁3bと、当該屋上階3と陸屋根5との境界に設けられる境界壁3cと、によって囲まれて形成されているので、建物全体の外観に統一感を持たせることができ、外観の意匠を向上させることができるようになっている。
なお、屋上階3の階段室22に面する壁面には、開閉可能な窓が設けられていることが好ましい。この場合、当該窓を介して階段室22の採光を図れるばかりか、当該窓が開閉可能であることにより、収納空間4における通気が可能となる。さらに、階段室22が下階1から上階2を介して屋上階3の収納空間4に亙って形成されているので、階段室22の上下に亙って屋内(建物内)の空気を効果的に流通させることができる利点をも備えることができる。つまり、下階1の空気を、階段室22を通じて上方に位置する収納空間4の窓から排気することができるようになる。
従って、より好ましくは下階1に図示省略する地窓を設けたり、階段室22の第1および第2階段22a,22bを複数の踏み板間の蹴上げ部を開口させたスケルトン式の階段にしたりすれば、地窓から流入する外気を、複数の踏み板間の開口(隙間)を通じて上方に位置する屋上階3の窓へと流通させることができるので、下階1の空気を上昇し易くさせると共に、当該空気を屋上階3の窓から排気させ易くすることができるようになる。
ここで、上述した陸屋根5および屋上階3を構築する陸屋根ユニット(第1陸屋根ユニット50,第2陸屋根ユニット60)について、図4〜図8を参照しながら詳細に説明する。陸屋根5および屋上階3は、図4に示すように、垂直方向に単数または複数配置される建物ユニットUによって構築される建物本体Hの上部に配置され、略平坦な屋根面5aを有する陸屋根5を形成する第1陸屋根ユニット50と、同じく略平坦な屋根面6aを有する屋上階3としての高屋根部6を形成する第2陸屋根ユニット60からなる。すなわち、陸屋根5は、規定寸法からなる第1陸屋根ユニット50により構築されており、屋上階3は、第1陸屋根ユニット50に比べて高さ方向の寸法が嵩上げされてなる第2陸屋根ユニット60により構築されている。
この第2陸屋根ユニット60は、図4に示すように、直下に位置する建物ユニットUの天井梁U1の上面側に、床3aを形成する床材が配設されている。このため、当該第2陸屋根ユニット60内の部屋である収納空間4を直下の建物ユニットU内の部屋(例えば、多目的スペース31)のロフトや小屋裏空間として利用することができるようになっている。なお、第1陸屋根ユニット50は、従来から広く使用されている通常の陸屋根を構築する規定寸法からなるユニット(すなわち、第2陸屋根ユニット60の後述する複数の束64…を備えていない構造)であるため、ここでは分解斜視図を用いた詳細な説明は割愛する。
具体的に、第2陸屋根ユニット60は、建物本体Hの上方側に位置する矩形状の建物ユニットUの上面に載置され、図5(a)に示すように、長辺側に配置される一対の長辺梁61,61および短辺側に配置される一対の短辺梁62,62からなる矩形状の小屋パネル63と、小屋パネル63の上面に立設される複数の束64…と、を有している。
このとき、複数の束64…は、少なくとも、小屋パネル63の四隅と、一対の長辺梁61,61上の四隅にそれぞれ対応し且つ当該四隅から長辺梁61,61の中央側に離間する位置と、に設けられている。また、四隅の束64と、当該四隅の束64にそれぞれ対応する中央側の束64との間にはブレースBRが配設されている。これにより、当該第2陸屋根ユニット60の剛性を高めることができるようになっている。よって、地震・風などにより、ユニット式建物の外部から水平方向(横方向)に力が入力されたとしても、ブレースBRの引張力により、ユニット式建物が変形するのを未然に防止することができるようになっている。
また、この場合、複数の束64…のうち、各長辺梁61上における中央側の束64,64間は離間していると共にブレースBRは配設されないため、開口部を設けることが可能となっている。そして、当該開口部には、第2陸屋根ユニット60の内外に連通する通路を設けることが可能となっている。この場合、一対の長辺梁61,61のそれぞれに開口部を形成して第2陸屋根ユニット60を貫通するように通路を設けることもできる。
なお、この場合、四隅の束64のうち、小屋パネル63の短辺方向(すなわち、短辺梁62上)に隣り合う束64,64の間に、更にブレースBRが配設されていることが好ましい。これにより、第2陸屋根ユニット60の剛性をより一段と向上させることが可能となる利点を備えることができる。
また、第2陸屋根ユニット60は、図5(b)および図7(b)に示すように、複数の束64…に取り付けられる外壁受部65と、外壁受部65に取り付けられ、後述する屋根パネル69(後述の図6(b)参照)よりも上方に突出するパラペット部41(図3および図5(c)等参照)を構成するためのパラペット用下地66と、を更に備えている。そして、図5(c)に示すように、小屋パネル63の外周縁部と、外壁受部65と、パラペット用下地66とに対して外壁材である外周壁3bが取り付けられている。すなわち、第2陸屋根ユニット60は、複数の束64…の外側に設けられる外周壁3b(外壁材)を備えている。このとき、パラペット用下地66に取り付けられた外周壁3bの上部側がパラペット部41として構成される。
さらに、第2陸屋根ユニット60は、図6(a)に示すように、パラペット用下地66の内周側に設けられるサイディング68を有すると共に、図6(b)に示すように、複数の束64…の上端部に設けられる屋根パネル69を備えている。つまり、第2陸屋根ユニット60は、複数の束64の高さ寸法を変更することで、内部に形成される収納空間4の天井高を、0.8m〜1.4mに設定可能となっている。
このように、第2陸屋根ユニット60では、小屋パネル63と、外壁受部65と、パラペット用下地66とによって外壁材である外周壁3bを受けるので、屋根パネル69よりも上方に突出してパラペット部41を構成することができると共に、第1陸屋根ユニット50に比べて高さ方向の寸法が嵩上げされてなる第2陸屋根ユニット60の剛性を高めることができるようになっている。
このような第2陸屋根ユニット60は、工場にて製造される際、防水処理を施された状態(すなわち、屋根パネル69に図示省略する防水シートを敷設する等の防水処理が仕上げられた状態)で形成されている。このとき、図7および図8(a),(b)に示すように、屋根パネル69の上面側には吊り込み作業に用いられる吊受材としての吊ナット70が設けられている。この吊ナット70は、屋根パネル69において、第2陸屋根ユニット60の四隅の束64の直上付近に位置するように配設されている。そして、第2陸屋根ユニット60は、建築現場にてクレーン装置(図示省略)等によって屋根パネル69の上面側の吊ナット70を介して建物ユニットUの上方から吊り込まれ、当該建物ユニットUの上面に載置されるようになっている。
従って、第2陸屋根ユニット60は、屋根パネル69に設けられた吊ナット70を用いて建物ユニットUの上方から吊り込むことができるので、当該第2陸屋根ユニット60に対して予め工場において防水処理を仕上げた状態で建築現場に輸送することができるようになっている。よって、建築現場における当該防水処理を省くことができ、建築現場における作業をより一層軽減できると共に、施工期間の更なる短期化を図ることが可能となっている。
しかも、第2陸屋根ユニット60は、その骨格となる軸組(小屋軸組)を束64などの二次部材によって構成することにより、上述した建築基準法における日影規制等の制限をオーバーすることなく、第1陸屋根ユニット50(通常の陸屋根ユニット)に比べて、高さ方向の寸法を嵩上げすることが可能となっている。
さらに、かかる構成の第2陸屋根ユニット60は、図9(a),(b)および図10(a)〜(c)に示すように、同一の向きで配置され、水平方向に隣り合う他の第2陸屋根ユニット60との間で、隣接する束64,64同士が図示しない接続部材(接続プレートやボルト、ナット等)を介して固定されるようになっている。
以上、説明したように、本実施形態のユニット式建物によれば、建物本体Hの上部に配置され、略平坦な屋根面6aをなす陸屋根(高屋根部6)を形成する陸屋根ユニット(第2陸屋根ユニット60)が、建物本体Hの上方側に位置する建物ユニットUの上面に載置され、長辺側に配置される一対の長辺梁61,61および短辺側に配置される一対の短辺梁62,62からなる小屋パネル63と、小屋パネル63の上面に立設される複数の束64…と、複数の束64…の上端部に設けられる屋根パネル69と、複数の束64…の外側に設けられる外周壁3bと、を備えており、規定寸法からなる通常の陸屋根ユニット(第1陸屋根ユニット50)に比べて高さ方向の寸法が嵩上げされてなる。従って、第2陸屋根ユニット60によって陸屋根(高屋根部6)を形成した場合、第1陸屋根ユニット50のみで陸屋根5を形成する従来の住宅に比べて建物本体Hにおける屋根面6aを嵩上げできることにより、勾配屋根を備える建物よりも建物全体の高さが低くなることを確実に回避することができ、外観の意匠性を向上させることができる。
また、第1陸屋根ユニット50と第2陸屋根ユニット60とを組み合わせて陸屋根5、高屋根部6を形成した場合、陸屋根5を備えた住宅であっても、当該陸屋根5の一部(高屋根部6)を嵩上げできることにより、略平坦な陸屋根5に高低差(段差)を設けることができ、外観の意匠性を向上させることができる。
換言すれば、この場合、傾斜した屋根面を有する勾配屋根のようなデザインを用いずに、第1陸屋根ユニット50と第2陸屋根ユニット60とを組み合わせて、陸屋根5の一部(すなわち、高屋根部6)を嵩上げすることにより、略平坦な陸屋根5に高低差(段差)を設けることができる。このため、当該陸屋根5を備えたユニット式建物特有の矩形状のデザインを、傾斜した屋根面によって崩すことなく(外観上、見映えを損なうことなく)、陸屋根特有のデザインはそのままに建物全体の高さを高くすることができる。よって、勾配屋根を備える建物よりも建物全体の高さが低くなることを確実に回避することができ、外観の意匠性を向上させることができる。
しかも、第2陸屋根ユニット60は、第1陸屋根ユニット50に比べて高さ方向の寸法を嵩上げしているため、その下部(すなわち、第2陸屋根ユニット60の内部であって、その直下の建物ユニットUと当該第2陸屋根ユニット60の屋根パネル69(屋根面6a)との間)に部屋(収納空間4)を形成することができる。よって、この部屋を収納空間4として利用すれば、建物内部に必要上十分な収納空間を設けることができる。
かくして、本実施形態のユニット式建物によれば、外観の意匠性を向上できると共に、建物内部に必要上十分な収納空間4を設けることができる陸屋根5(高屋根部6)を備えたユニット式建物を実現できる。
このとき、当該収納空間4は、第1陸屋根ユニット50に比べて高さ方向の寸法を嵩上げした第2陸屋根ユニット60における高屋根部6の下部に設けられるので、陸屋根5より下方の建物本体H側に設けられる居住空間にステップ床等を設けて収納空間を形成する場合に比べて、当該居住空間が削られることがない分、居住空間を広く確保(維持)することもできる。また、第2陸屋根ユニット60と、その直下の建物ユニットUとの間の空間(具体的には、高屋根部6と第2陸屋根ユニット60の直下の建物ユニットUとの間に形成される収納空間4)が下方の居住空間側(下階1および上階2側)に対する有効な断熱層となる利点もある。
しかも、第2陸屋根ユニット60は、高さ方向の寸法が嵩上げされていることを除き、規定寸法からなる第1陸屋根ユニット50と略同一の寸法からなるので、平面寸法をモジュール化して共通とすることで、製造コストの削減を図ることができると共に、工場において製造した第1および第2陸屋根ユニット50,60を用いることで、建築現場における作業の軽減および施工期間の短期化を図ることもできる。
また、第2陸屋根ユニット60は、複数の束64…に取り付けられる外壁受部65と、外壁受部65に取り付けられ、屋根パネル69よりも上方に突出するパラペット部41を構成するためのパラペット用下地66と、を更に備えている。そして、小屋パネル63と、外壁受部65と、パラペット用下地66とによって外周壁3bを受けるので、屋根パネル69よりも上方に突出してパラペット部41を構成することができると共に、第1陸屋根ユニット50に比べて高さ方向の寸法が嵩上げされてなる第2陸屋根ユニット60の剛性を高めることができる。
さらに、第2陸屋根ユニット60は、屋根パネル69に設けられた吊ナット70を用いて建物ユニットUの上方から吊り込むことができるので、当該第2陸屋根ユニット60に対して予め工場において防水処理を仕上げた状態で建築現場に輸送することができる。よって、建築現場における当該防水処理を省くことができ、建築現場における作業をより一層軽減できると共に、施工期間の更なる短期化を図ることができる。
また、複数の束64…は少なくとも、小屋パネル63の四隅と、一対の長辺梁61,61上の四隅にそれぞれ対応し、かつ当該四隅から長辺梁61の中央側に離間する位置と、に設けられている。そして、四隅の束64と、当該四隅の束64にそれぞれ対応する中央側の束64との間にはブレースBRが配設されているので、剛性を高めることができ、地震・風などによってユニット式建物の外部から水平方向(横方向)に力が入力されたとしても、ブレースBRの引張力により、ユニット式建物が変形するのを未然に防止することができる。
このとき、四隅の束64のうち、小屋パネル63の短辺方向(短辺梁62上)に隣り合う束64,64の間にブレースBRが配設されていることが好ましい。これにより、剛性をより一段と高めることができ、地震・風などによってユニット式建物の外部から水平方向(横方向)に力が入力されたとしても、ブレースBRの引張力により、ユニット式建物における変形の防止性をより一段と高めることができる。
しかも、第2陸屋根ユニット60は、同一の向きで配置され、水平方向に隣り合う他の第2陸屋根ユニット60との間で、隣接する束64同士が固定されているので、地震・風などによってユニット式建物の外部から水平方向(横方向)に力が入力されたとしても、当該力を水平方向に確実に伝達することができる。
さらに、第2陸屋根ユニット60の直下に位置する建物ユニットUの天井梁U1の上面側には、屋上階3の床3aを構成する床材が配設されているので、当該第2陸屋根ユニット60内の部屋(収納空間4)を直下の建物ユニットU内の部屋(例えば、多目的スペース31)のロフトや小屋裏空間として利用することができる。
また、第2陸屋根ユニット60内部の天井高を、0.8m〜1.4mに設定することによって、例えば第2陸屋根ユニット60内部の部屋を収納空間4として利用する場合、人が収納空間4に入って、何とか作業ができる最低限の高さを確保でき、また、このように天井高を必要最小限に抑えることで、ユニット式建物の高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照減少等の影響を極力少なくする(最小限に抑える)ことができる。
また、陸屋根5の外周縁部に沿ってパラペット部40が設けられており、収納空間4が、パラペット部40を上方に延在させてなる外周壁3bと、当該収納空間4と陸屋根5との境界に設けられる境界壁3cと、によって囲まれているので、建物全体の外観に統一感を持たせることができ、外観の意匠を向上させることができる。
さらに、建物本体Hに下階1から上階2を介して屋上階3の収納空間4に至る第1および第2階段22a,22bを有する階段室22が設けられているので、収納空間4へアクセスする際は当該階段室22を利用すればよい。この場合、とりわけ下階1から収納空間4への行き来を容易にすることができる。従って、収納空間4に対してアクセスし易い分、収納空間4の使い勝手を向上させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜、種々の改良および設計の変更が可能である。
例えば、収納空間4に面する壁面(東側、南側、または西側の外周壁3b)に窓を設けるようにしても良い。このとき、とりわけ階段室22側に当該窓を開閉自在に設けるようにすれば、この窓を介して階段室22の採光を図れるばかりか、窓が開閉可能であるため、収納空間4における通気が可能となる利点を有することができる。
また、第2陸屋根ユニット60は、図9(a),(b)および図10(a)〜(c)との対応部分に同一符号を付した図11(a),(b)および図12(a)〜(c)に示すように、第2陸屋根ユニット60と他の第2陸屋根ユニット60との間には、これら2つの第2陸屋根ユニット60,60の対向する束同士64,64を接合するつなぎ梁81が架設されていても良い。この場合、第2陸屋根ユニット60と他の第2陸屋根ユニット60との間に、これら2つの第2陸屋根ユニット60,60の対向する束同士64,64を接合するつなぎ梁81が架設されているので、当該2つの第2陸屋根ユニット60,60同士を離し置きされてなる離し置き部80を設けることができる。
さらに、上述した実施形態では、建物本体Hの上部(すなわち、屋上階3)に第1および第2陸屋根ユニット50,60が設けられる場合について述べたが、一例であってこれに限られず、例えば図13に示すように、建物本体Hの上部としての屋上階3には、第2陸屋根ユニット60に隣接してペントハウス90が配設されていても良い。この場合、ペントハウス90は後述する階段室22を備えており、建物本体Hの上方側に位置する建物ユニットU(すなわち、屋上階3よりも下方に位置する上階2を構築する建物ユニットU)の上面であり、ペントハウス90に隣接する屋外には、前記階段室22に隣接してバルコニー91が配設されていても良い。
具体的に、図3および図4との対応部分に同一符号を付した図14および図15にも示すように、本発明を適用する他の実施形態のユニット式建物は、建物本体Hの上部に第2陸屋根ユニット60に隣接してペントハウス90が配設されている(すなわち、屋上階3において、第2陸屋根ユニット60とペントハウス90とが水平方向に隣接配置されている)。当該ペントハウス90は、第2陸屋根ユニット60に比べて高さ方向の寸法が更に嵩上げされてなり、少なくとも直下の建物本体Hの上方側に位置する建物ユニットU(すなわち、屋上階3よりも下方に位置する上階2を構築する建物ユニットU)から当該ペントハウス90に亙って設けられる第2階段22bを有する階段室22を備えている。また、かかるユニット式建物は、建物本体Hの上方側に位置する建物ユニットU(すなわち、屋上階3よりも下方に位置する上階2を構築する建物ユニットU)の上面であり、ペントハウス90に隣接する屋外に、階段室22に隣接してバルコニー91が配設されている。さらに、階段室22は、バルコニー91に面して配置される当該バルコニー91への出入口92と、屋上階3において水平方向に隣接する第2陸屋根ユニット60に面して配置される当該第2陸屋根ユニット60内への出入口93aと、が設けられている。
このとき、ペントハウス90が備える階段室22は、高屋根部6を備えた第2陸屋根ユニット60の屋根面6aに比べて高さ方向の寸法が更に嵩上げされてなる屋根面7aを有している。すなわち、パラペット部43からなり、建物本体Hにおいて最も高い位置に配設される屋根部である最高屋根部7を備えている。また、階段室22は、直下の建物ユニットU上に配設されるルーフバルコニーとしてのバルコニー91へ出入りするための出入口92を備えており、当該出入口92にはドア92aが開閉自在に取り付けられている。このバルコニー91の西側および南側に位置する外周部には、パラペット部42からなる手摺壁T2が設けられている。手摺壁T2は建物の外壁と一体化して設けられている。
さらに、階段室22は、当該ペントハウス90に隣接配置された第2陸屋根ユニット60との境界壁93に、第2陸屋根ユニット60内(すなわち、上述した収納空間4)への出入口93aが設けられている。なお、かかる出入口93aが配置される位置は、これに限られることはなく、例えば前記境界壁93におけるバルコニー91に面して設けられていても良い。すなわち、図14において階段室22の第2陸屋根ユニット60に面する境界壁93に開口して設けられた収納空間4への出入口93aを閉塞し、当該出入口93aを、バルコニー91の第2陸屋根ユニット60に面する境界壁93にのみ設けるようにしても良い。この場合、屋上階の収納空間4へは、ペントハウス90の階段室22およびドア92aを経てバルコニー91に出た後、当該バルコニー91の境界壁93に設けられた出入口93aを通って行き来することができる。また、このような出入口93aは複数あっても良い。つまり、前記収納空間4への出入口93aを階段室22とバルコニー91との夫々に設け、これら夫々の出入口93a,93aから当該収納空間4を使用できるようにしても良い。さらに、前記収納空間4に、当該収納空間4の下方に位置する上階2からの吹抜けを階段室22とは別に設け、この吹抜けから当該収納空間4を使用できるようにしても良い。
ここで、このようなペントハウス90およびバルコニー91の構成としては、次のようなバリエーションが好ましい。すなわち、図16(a)に示すように、バルコニー91をユニット化して構築するための下屋パネル94と、ペントハウス90と、がそれぞれ独立して形成され、これら下屋パネル94と、ペントハウス90と、によって、下方に位置する建物ユニットU1つ分の長尺側における寸法と略同一となるように構成されるものが好ましい。この場合、下屋パネル94は、ペントハウス90とは反対側の端部に、パラペット部42からなる手摺壁T2が設けられており、これらペントハウス90と下屋パネル94とが、それぞれ当該ユニット式建物の建築現場にて組み付けられるようになっている。
また、図16(b)に示すように、下屋パネル94の長尺側の寸法を、下方に位置する建物ユニットUの長尺側の寸法と略同一とし、当該下屋パネル94とは独立して形成されるバルコニー91を、この下屋パネル94上に配設して構成されるものが好ましい。この場合も上述したバリエーションと同様に、下屋パネル94は、ペントハウス90とは反対側の端部に、パラペット部42からなる手摺壁T2が設けられており、これらペントハウス90と下屋パネル94とが、それぞれ当該ユニット式建物の建築現場にて組み付けられるようになっている。
さらに、図16(c)に示すように、下屋パネル94の長尺側の寸法を、下方に位置する建物ユニットUの長尺側の寸法と略同一とし、当該下屋パネル94上にバルコニー91を一体に配設して構成されるものが好ましい。この場合も上述したバリエーションと同様に、下屋パネル94は、ペントハウス90とは反対側の端部に、パラペット部42からなる手摺壁T2が設けられている。そして、これらペントハウス90と下屋パネル94とが、工場において一体に組み付けられた後、建築現場に搬送されるようになっている。
なお、ペントハウス90およびバルコニー91の構成としては、これに限られることはなく、例えば上述した第2陸屋根ユニット60を基本構成とし、必要に応じて束64の高さ方向の寸法変更や、当該束64…の上端部に設けられる屋根パネル69の省略などの変更を施して形成されるようにして良い。すなわち、階段室22の部分は複数の束64…の高さ方向の寸法を更に長尺にすることによって構成されると共に、バルコニー91の部分は屋根パネル69を省略することで構成されるようにしても良い。この場合、ペントハウス90およびバルコニー91は、予め工場において一体に組み付けられて形成されていても良いし、建築現場において組み付けられても良い。
以上、説明したように、本発明を適用する他の実施形態のユニット式建物によれば、ペントハウス90に備えられる階段室22を利用して第2陸屋根ユニット60内へ行き来することができる。しかも、階段室22を利用して屋上階3へ上がった場合に、当該屋上階3における階段室22において屈むことなく立つことができるため、隣接する第2陸屋根ユニット60内への出入りが容易になる。このとき、例えば第2陸屋根ユニット60内を収納空間4とした場合、当該収納空間4へ出入りし易くなる利点を備えることができる。また、第2陸屋根ユニット60内に階段室22を設ける必要がなくなる分、当該第2陸屋根ユニット60内を有効に活用することができ、例えば収納空間4として利用する場合には、当該収納空間4を広く活用することができる。さらに、屋上階3にペントハウス90と、バルコニー91と、第2陸屋根ユニット60と、を隣接配置することで、これらペントハウス90の床面(階段室22の床面)と、バルコニー91の床面と、第2陸屋根ユニット60内の床面(収納空間4の床面)とを共通化することができる。
しかも、この場合、第1陸屋根ユニット50による屋根面5aと、第2陸屋根ユニット60による屋根面6aと、ペントハウス90による屋根面7aと、の3つの屋根面を備えることにより、外観意匠の選択肢が拡がると共に、外観ファサードにも変化が生まれるため、外観のデザイン性を向上することができる。
1…下階
2…上階
3…屋上階
1a,2a,3a…床
3b…外周壁
3c…境界壁
4…収納空間
41,42,43…パラペット部
5…陸屋根
50…第1陸屋根ユニット
5a,6a,7a…屋根面
6…高屋根部
60…第2陸屋根ユニット
61…長辺梁
62…短辺梁
63…小屋パネル
64…束
65…外壁受部
66…パラペット用下地
69…屋根パネル
7…最高屋根部
70…吊ナット(吊受材)
80…離し置き部
81…つなぎ梁
90…ペントハウス
91…バルコニー
92…出入口
93…境界壁
93a…出入口
94…下屋パネル
H…建物本体
BR…ブレース
U…建物ユニット
U1…天井梁

Claims (10)

  1. 垂直方向に単数または複数配置される建物ユニットによって構築される建物本体と、前記建物本体の上部に配置される陸屋根ユニットによって構築される屋根と、を備えたユニット式建物において、
    前記陸屋根ユニットは、
    前記建物本体の上方側に位置する前記建物ユニットの上面に載置される小屋パネルと、
    前記小屋パネルの上面に立設される複数の束と、
    前記複数の束の上端部に設けられる屋根パネルと、
    前記複数の束の外側に設けられる外壁材と、を有し、
    規定寸法からなる通常の陸屋根ユニットに比べて高さ方向の寸法が嵩上げされてなることを特徴とするユニット式建物。
  2. 請求項1に記載のユニット式建物において、
    前記陸屋根ユニットは、
    前記複数の束に取り付けられる外壁受部と、
    前記外壁受部に取り付けられ、前記屋根パネルよりも上方に突出するパラペット部を構成するためのパラペット用下地と、を更に備えており、
    前記小屋パネルと、前記外壁受部と、前記パラペット用下地とによって前記外壁材を受けることを特徴とするユニット式建物。
  3. 請求項1または2に記載のユニット式建物において、
    前記陸屋根ユニットは、
    工場にて防水処理を施された状態で形成されていると共に、前記屋根パネルに吊受材が設けられており、
    建築現場にて前記吊受材を用いて前記建物ユニットの上方から吊り込まれることを特徴とするユニット式建物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
    前記小屋パネルは、
    前記建物ユニットの長辺側に配置される一対の長辺梁と、
    前記建物ユニットの短辺側に配置される一対の短辺梁と、
    を有して矩形状に形成されており、
    前記複数の束は少なくとも、
    前記小屋パネルの四隅と、
    前記一対の長辺梁上の前記四隅にそれぞれ対応し、かつ当該四隅から前記長辺梁の中央側に離間する位置と、に設けられ、
    前記四隅の束と、当該四隅の束にそれぞれ対応する前記中央側の束との間にはブレースが配設されていることを特徴とするユニット式建物。
  5. 請求項4に記載のユニット式建物において、
    前記四隅の束のうち前記小屋パネルの短辺方向に隣り合う束の間にブレースが配設されていることを特徴とするユニット式建物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
    前記陸屋根ユニットは、同一の向きで配置され、水平方向に隣り合う他の陸屋根ユニットとの間で、隣接する前記束同士が固定されていることを特徴とするユニット式建物。
  7. 請求項6に記載のユニット式建物において、
    前記陸屋根ユニットと前記他の陸屋根ユニットとの間には、これら2つの陸屋根ユニットの対向する前記束同士を接合するつなぎ梁が架設されていることを特徴とするユニット式建物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
    前記陸屋根ユニットの直下に位置する前記建物ユニットの天井梁の上面側には、床材が配設されていることを特徴とするユニット式建物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
    前記陸屋根ユニット内部の天井高が、0.8m〜1.4mに設定されていることを特徴とするユニット式建物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
    前記建物本体の上部には、前記陸屋根ユニットに隣接してペントハウスが配設されており、
    前記ペントハウスは、
    前記陸屋根ユニットに比べて高さ方向の寸法が更に嵩上げされてなり、少なくとも直下の前記建物本体の上方側に位置する前記建物ユニットから当該ペントハウスに亙って設けられる階段を有する階段室を備えており、
    前記建物本体の上方側に位置する前記建物ユニットの上面であり、前記ペントハウスに隣接する屋外には、前記階段室に隣接してバルコニーが配設されており、
    前記階段室には、
    前記バルコニーに面して配置される当該バルコニーへの出入口と、
    前記陸屋根ユニットに面して配置される当該陸屋根ユニット内への出入口と、が設けられていることを特徴とするユニット式建物。
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