JP2021046725A - スキップ床の支持構造及び施工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記複数の柱20,21,22のうち少なくとも前記スキップ床15が設けられる側の面には面材26が取り付けられ、
前記スキップ床15は、
床下地合板34と、
前記面材26に沿って設けられて前記床下地合板34の端部を支持する床受け部32,33と、を備え、
前記床受け部32,33は、
前記面材26における前記スキップ床15とは反対側の面に配置されるとともに前記構造躯体に固定された第一床受け部32と、
前記面材26における前記スキップ床15側の面に配置されるとともに前記面材26及び前記第一床受け部32に対して固定され、前記床下地合板34の端部を受ける第二床受け部33と、を有することを特徴とする。
面材26として例えば構造用合板が用いられた場合、面材26が取り付けられた構造躯体を耐力壁11,12,13として十分に機能させることができる。さらに、スキップ床15を構成する床下地合板34を確実に支持することができる。そのため、スキップ床15と耐力壁11,12,13とを共存させるとともに、建物1の構造計算を容易に行うことができる。
前記面材26は構造用合板26であり、
前記複数の柱20,21,22のうち少なくとも前記スキップ床15が設けられる側の面に前記構造用合板26が取り付けられて耐力壁11,12,13を構成しており、
前記スキップ床15は、当該スキップ床15を取り囲む複数の前記耐力壁11,12,13間に亘って設けられていることを特徴とする。
前記複数の柱20,21,22間には筋交い25が設けられ、
前記第一床受け部32は、前記複数の柱20,21,22間又は前記柱20,21,22と前記筋交い25との間に架け渡されて固定されていることを特徴とする。
さらに、第一床受け部32は、複数の柱20,21,22間又は柱20,21,22と筋交い25との間に架け渡されて固定されているので、筋交い25が設けられた耐力壁11,12,13であっても、スキップ床15との共存が可能となり、建物1の構造計算も容易に行うことができる。
前記第二床受け部33は、前記面材26における前記スキップ床15側の面に接着されるとともに、前記面材26及び前記第一床受け部32にビス留めされていることを特徴とする。
前記スキップ床15は、前記複数の柱20,21,22に固定されて前記床下地合板34を支持する複数の床梁30を更に備えており、
前記面材26には、前記複数の床梁30における前記複数の柱20,21,22に固定された端部の外周面に接して嵌まる切欠部26aが形成されていることを特徴とする。
前記第一床受け部32を、前記構造躯体に固定し、
前記面材26を、前記複数の柱20,21,22のうち少なくとも前記スキップ床15が設けられる側の面に取り付けて耐力壁11,12,13を形成し、
前記第二床受け部33を、前記面材26における前記スキップ床15側の面に配置するとともに前記面材26及び前記第一床受け部32に対して固定し、
その後、前記床下地合板34を、前記複数の床梁30及び前記第二床受け部33の上に載せて取り付けることによって前記スキップ床15を形成することを特徴とする。
面材26として例えば構造用合板が用いられた場合、面材26が取り付けられた構造躯体を耐力壁11,12,13として十分に機能させることができる。さらに、スキップ床15を構成する床下地合板34を確実に支持することができる。そのため、スキップ床15と耐力壁11,12,13とを共存させるとともに、建物1の構造計算を容易に行うことができる。
建物1の一階における外部には、ビルトイン型の車庫2(ビルトインガレージ、インナーガレージともいう)が設けられている。車庫2の奥には、当該車庫2から出入り可能な外部収納部2aが設けられている。
また、車庫2の屋外側端部における上方には、建物1の二階(二階の床2F)から軒先までの高さに設定され、二階から出入り可能なバルコニー3が設けられている。バルコニー3における床部の下面は、車庫2の天井2cよりも上方に位置している。
また、車庫2の正面視において左側に位置する壁(後述する第一壁11)には、図1に示すように、開口部2bが形成されている。
また、建物1の二階には、リビング・ダイニングとして使用される居室7やキッチン8が設けられている。バルコニー3への出入りは、居室7から行うことができる。
さらに、建物1の三階には、寝室や子供部屋等に使用される部屋9が設けられている。
収納室5は、図1,図2に示すように、複数の壁11〜14と、スキップ床15と、天井16によって囲まれた空間である。
収納室5の天井高は、0.8〜1.4メートルの範囲で適宜変更可能である。この0.8m〜1.4mの天井高とは、人が収納室5に入って、何とか作業ができる最低限の高さを確保するための高さ範囲である。さらに、このように天井高を必要最小限に抑えることで、建物1の高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照減少等の影響を極力少なくすることができる高さ範囲である。
なお、本実施形態において車庫2の直上に位置する部屋は、天井高の低い収納室5とされているが、これに限られるものではなく、他の部屋と同様に通常の天井高に設定された部屋であってもよい。
第一壁11は、正面視において車庫2の左側に位置する壁であり、第二壁12は、正面視において車庫2の奥側に位置する壁であり、第三壁13は、正面視において車庫2の右側に位置する壁である。
第四壁14は、正面視において車庫2の最も手前に位置する壁であり、バルコニー3と一体的に設けられている。
なお、ここでいう中間位置とは、上下方向(高さ方向)における上端部及び下端部を除く、ある程度の範囲を持った位置を指しており、上下方向(高さ方向)における寸法上の真ん中の位置だけを指すものではない。これにより、収納室5の天井高を0.8〜1.4メートルの範囲で適宜変更可能とすることができる。
なお、本実施形態においては、耐力壁を構築するために構造用合板26を用いるが、これに限られるものではなく、例えば石膏ボードなどの他の面材を用いてもよい。
横架材23は土台であり、建物1の基礎上に配置され、土台である横架材23の上面に複数の柱20,21,22が立設されている。横架材24は梁であり、複数の柱20,21,22の上端部同士を連結している。なお、梁である横架材24は、四隅の柱20における上端部の側面間に架け渡されて固定され、その他の柱21,22の上端面に載せられている。
複数の床合板受け材31は、複数の床梁30間と、最も背面側の床梁30と第二壁12における中央の二本の柱21との間に架け渡されて固定される木材である。床合板受け材31は、複数の床梁30と直交して配置され、複数の床梁30と共に床格子枠を形成している。
また、第二床受け部33は、第一床受け部32と同一の上下寸法及び同一の厚み寸法に設定された木材であり、複数の床梁30及び複数の床合板受け材31と共に床格子枠を形成している(図9参照)。複数の第二床受け部33における長さ寸法は、設けられる位置に応じて異なるが、床格子枠の外周を隙間なく形成し得る寸法に適宜設定されているものとする。
なお、床格子枠を構成する複数の床梁30の上面、複数の床合板受け材31の上面、複数の第二床受け部33の上面は面一になっている。
なお、複数の壁11〜14のうち第四壁14は、上記のようにスキップ床15の端部から二階までの高さとなっているため、第四壁14を構成する構造用合板26は、スキップ床15によって途切れない。
このような構造躯体に対してスキップ床15を設ける場合は、図5に示すように、まず、複数の床梁30を、第一壁11を構成する複数の柱20,21と、第三壁13を構成する複数の柱20,21間に架け渡して固定する。より具体的には、四隅の柱20のうち最も屋外側(正面側)に位置する二本の柱20間に一本の床梁30が架け渡され、第一壁11を構成する中央の二本の柱21と、第三壁13を構成する中央の二本の柱21と、の間に床梁30がそれぞれ架け渡されている。
床合板受け材31は、平面視において複数の床梁30と直交する方向に配置されるものであり、上記のように架け渡して設けられることで、床下地合板34を支持するための枠組みを形成できるようになっている。
なお、四隅の柱20のうち背面側に位置する二本の柱20の、複数の壁11,12,13内部側を向く側面には、間柱である柱22と同サイズの補強材20aが一体的に設けられている。
なお、互いにX字状に交差する二本の筋交い25は、長さ方向中央部分が部分的に切欠形成され、間柱である柱22とも交差している。
第一床受け部32における長さ方向側の端部は、自身が接する柱20,21,22の側面に応じて垂直面となるか、自身が接する筋交い25の側面に応じて傾斜面となるように形成されている。
また、複数の第一床受け部32は、上面の高さ位置が、後工程で設けられる複数の第二床受け部33における上面の高さ位置と同一となるように配置されている。
さらに、複数の第一床受け部32におけるスキップ床15側の面は、複数の柱20,21,22におけるスキップ床15側の面と面一になっている。
また、構造用合板26には、複数の床梁30及び複数の床合板受け材31における複数の柱20,21,22に固定された端部の外周面に接して嵌まる切欠部26aが形成されている。
さらに、第一壁11と第二壁12からなる入隅部と、第二壁12と第三壁13からなる入隅部においては、それぞれ、二本の第二床受け部33が平面視L字状に組まれた状態になっている。すなわち、複数の第二床受け部33は、上記の入隅部を介して隣り合うとともに直交方向に配置された床梁30と床合板受け材31との間にも設けられているものとする。
さらに、複数の床梁30のうち最も正面側に位置する床梁30におけるスキップ床15側の面にも第二床受け部33が設けられている。最も正面側の床梁30と構造用合板26からなる入隅部においても、二本の第二床受け部33が平面視L字状に組まれた状態で設けられている。
そして、複数の第二床受け部33は、上記のように、複数の床梁30及び複数の床合板受け材31と共に床格子枠を形成している。
床下地合板34は、当該床下地合板34における構造用合板26側の端面は、構造用合板26の表面に接するように配置されている。
以上のようにしてスキップ床15が施工され、建物1の構造躯体を構成する複数の柱20,21,22のうち上下方向の中間位置にスキップ床15が支持される。
これにより、構造躯体に構造用合板26が取り付けられて構成された耐力壁11,12,13を十分に機能させることができる。さらに、スキップ床15を構成する床下地合板34を複数の床梁30と共に確実に支持することができる。そのため、スキップ床15と耐力壁11,12,13とを共存させるとともに、建物1の構造計算を容易に行うことができる。要するに、スキップ床15を設けるにあたって、耐力壁11,12,13を構成する構造用合板26が、スキップ床15の位置で分断されるようなことがないため、スキップ床15は、スキップ床15として複数の柱20,21,22のうち上下方向の中間位置に設ければよいし、構造計算も、耐力壁として通常どおりに行えばよい。
さらに、第一床受け部32は、複数の柱20,21,22間又は柱20,21,22と筋交い25との間に架け渡されて固定されているので、筋交い25が設けられた耐力壁11,12,13であっても、スキップ床15との共存が可能となり、建物1の構造計算も容易に行うことができる。
これにより、構造躯体に構造用合板26が取り付けられて構成された耐力壁11,12,13を十分に機能させることができる。さらに、スキップ床15を構成する床下地合板34を複数の床梁30と共に確実に支持することができる。そのため、スキップ床15と耐力壁11,12,13とを共存させるとともに、建物1の構造計算を容易に行うことができる。
2 車庫
5 収納室
11 第一壁
12 第二壁
13 第三壁
14 第四壁
15 スキップ床
16 天井
20 柱
20a 補強材
21 柱
22 間柱
23 横架材
24 横架材
25 筋交い
26 構造用合板
26a 切欠部
30 床梁
31 床合板受け材
32 第一床受け部
33 第二床受け部
33a ビス
34 床下地合板
Claims (6)
- 建物の構造躯体を構成する複数の柱のうち上下方向の中間位置に設けられるスキップ床の支持構造であって、
前記複数の柱のうち少なくとも前記スキップ床が設けられる側の面には面材が取り付けられ、
前記スキップ床は、
床下地合板と、
前記面材に沿って設けられて前記床下地合板の端部を支持する床受け部と、を備え、
前記床受け部は、
前記面材における前記スキップ床とは反対側の面に配置されるとともに前記構造躯体に固定された第一床受け部と、
前記面材における前記スキップ床側の面に配置されるとともに前記面材及び前記第一床受け部に対して固定され、前記床下地合板の端部を受ける第二床受け部と、を有することを特徴とするスキップ床の支持構造。 - 請求項1に記載のスキップ床の支持構造において、
前記面材は構造用合板であり、
前記複数の柱のうち少なくとも前記スキップ床が設けられる側の面に前記構造用合板が取り付けられて耐力壁を構成しており、
前記スキップ床は、当該スキップ床を取り囲む複数の前記耐力壁間に亘って設けられていることを特徴とするスキップ床の支持構造。 - 請求項1又は2に記載のスキップ床の支持構造において、
前記複数の柱間には筋交いが設けられ、
前記第一床受け部は、前記複数の柱間又は前記柱と前記筋交いとの間に架け渡されて固定されていることを特徴とするスキップ床の支持構造。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスキップ床の支持構造において、
前記第二床受け部は、前記面材における前記スキップ床側の面に接着されるとともに、前記面材及び前記第一床受け部にビス留めされていることを特徴とするスキップ床の支持構造。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のスキップ床の支持構造において、
前記スキップ床は、前記複数の柱に固定されて前記床下地合板を支持する複数の床梁を更に備えており、
前記面材には、前記複数の床梁における前記複数の柱に固定された端部の外周面に接して嵌まる切欠部が形成されていることを特徴とするスキップ床の支持構造。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のスキップ床の支持構造における前記スキップ床を、建物の構造躯体を構成する複数の柱のうち上下方向の中間位置に形成するスキップ床の施工方法であって、
前記第一床受け部を、前記構造躯体に固定し、
前記面材を、前記複数の柱のうち少なくとも前記スキップ床が設けられる側の面に取り付け、
前記第二床受け部を、前記面材における前記スキップ床側の面に配置するとともに前記面材及び前記第一床受け部に対して固定し、
その後、前記床下地合板を、前記第二床受け部の上に載せて取り付けることを特徴とするスキップ床の施工方法。
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