JP2006002567A - 建物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上下階に上階居室および下階居室を有する建物であって、上階居室の床下かつ下階居室の天井の上に上階居室および下階居室より天井高さの低い収納庫を形成し、この収納庫に配管スペースを設けた。この配管スペースには給排水管75が配置され、この給排水管75は、下階に至る給排水管77に接続されている。
【選択図】 図3
Description
一方、工場で製造された箱状の建物ユニット(居室ユニット)を建築現場で組み合わせて形成されるユニット式建物が利用されている。このユニット式建物に上述した収納庫を形成する場合、上下に積み重ねられた上階居室ユニットおよび下階居室ユニットの間に、これらのユニットよりも高さ寸法の小さい収納用ユニットを介装し、当該収納用ユニットの内部を収納庫としている。
一方、このような集合住宅において、上階の床および下階の天井との間に水平面材を設け、いわゆる天井フトコロを上下に仕切ることにより、上階用の収納庫および下階用の収納庫の両方を形成することが考えられる。
また、収納庫として有効に利用するために、天井フトコロの高さを拡張しようとすると、建物の高さ寸法を著しく大きくしてしまうという問題がある。
ここで、前記配管スペースには給排水管が配置され、この給排水管は、下階に至る給排水管に接続されている構成が好ましい。
このような発明によれば、収納庫に上下階両方から出入り可能な開口部が設けられているので、建物を著しく高くすることなく上下階各々の専用の収納庫が形成可能となるうえ、下階用開口部および上階用開口部の平面位置が互いに異なっているので、それぞれの開口部を利用して上階用の収納庫と下階用の収納庫との区分けが容易になる。
また、高さ寸法のある収納庫が上階居室部と下階居室部との間に全面に亘って形成されているので、集合住宅で必要とされる十分な遮音構造が容易に確保される。さらに、収納庫に収納物が増えると、遮音性能が一層向上するという利点もある。
すなわち、上下階を仕切る仕切面部が矩形波状の縦断面を有し、収納庫が仕切面部を構成する垂直面材8によって区画されるので、収納庫の上階用開口部が設けられた部分を上階専用の収納庫とし、下階用開口部が設けられた部分を下階専用の収納庫とすることが可能となる。
すなわち、水平面材および垂直面材が耐火性能を備えているので、建物の上下階の全面に亘って形成される仕切面部が耐火的に区画され、上下階の一方から他方への火災の延焼が確実に防止される。
垂直面材が梁を備えているので、仕切面部を形成することにより、ラチス梁等の大断面の梁が所定の間隔をおいて複数配置されることとなるので、高強度の床構造を有する建物を形成することが可能となるうえ、梁自身が垂直面材の下地骨組部材ともなるので、省部材化をも図られる。
すなわち、仕切面部を構成する水平面材および垂直面材が収納ユニットに設けられているので、収納ユニットを上階居室ユニットと下階居室ユニットとの間に介装するだけで矩形波状の仕切面部を形成することが可能となる。
ここで、耐火被覆材とは、金属製のラチス梁を覆って熱的に保護する面材をいい、例えば、珪酸カルシウム板やロックウール板等が考えられる。
すなわち、垂直面材がラチス梁およびこのラチス梁を覆う耐火被覆材からなる壁用耐火パネルによって形成されているので、当該壁用耐火パネルの軽量化を図ることが可能となり、収納用ユニット全体の軽量化が図られる。
すなわち、水平面材がALC板からなっているので、水平面材を備えた収納用ユニット40の軽量化が図られるとともに、ALC板の厚みによる遮音性の向上が図られ、気泡を内部に含むことによる断熱性の向上が図られる。
すなわち、集合住宅では、上下階に異なる住戸が設定された場合、上下階の居室間の火災の延焼を確実に防止する必要があるので、耐火性能を有する面材により形成された仕切部の有用性は一層向上するうえ、上下階の各住戸にそれぞれ専用の収納庫を形成することが可能となる。
また、集合住宅(10)の場合、2階住戸用の電気、給排水設備71、72、73、74の配線、配管75のためのスペースを2階居室部の床下に確保しなければならないが、収納庫を利用して配線、配管を行うことが可能となるので、配線、配管用のスペースを別途新たに確保する必要もない。
図2には、本発明の第1実施形態に係る建物の収納構造を備えたユニット式建物が示されている。
ユニット式建物10は、上階居室部2と、下階居室部3と、上下階居室部2、3間に形成される収納庫4と、を含んで形成され、内部に6住戸を有する2階建ての集合住宅である。
また、ユニット式建物10の外側には、外廊下13と、上階への昇降用階段14と、バルコニ15とが突出して形成され、上述した収納庫4は、外廊下13およびバルコニ15の床下まで拡張されている。
尚、上階居室ユニット20および下階居室ユニット30は共に、四隅に立設される柱21と、これらの柱21の上端間、下端間を連絡する梁22とを含んで形成され、高さ寸法H1の箱状のユニットであり、介装される収納用ユニット40の高さ寸法H2は、このH1よりも小さくなっている。
また、図3中左側の住戸50に示されるように、居室内に洗面所71、トイレ72、キッチン73、風呂74が設けられ、これらは2階居室部2の床下に配置される収納庫4の上面部近傍に配管される給排水管75が接続されている。
この給排水管75の端部は、パイプシャフト76内で下方一階に至る給排水管77に接続されている。
尚、図3における他の住戸50もこれと同様の給排水管が配管されている。
この仕切面部7は、垂直面材8と水平面材9とを矩形波状に組み合わせて形成され、垂直面材8および水平面材9の配置されていない部分には、上階用開口部5および下階用開口部6が形成され、その平面位置は互いに異なっている。
垂直面材8は後述する壁用耐火パネル440と、隣接する2つの収納用ユニット40同士の対向側面とを含んで形成される。
水平面材9は後述する下面用耐火パネル411および上面用耐火パネル421によって形成される。
そして、壁用耐火パネル440によって、収納用ユニット40の内部は上階用収納庫410と下階用収納庫420とに区画されている。
そして、上下階に対応設定される住戸50および住戸60間は、収納用ユニット40を仕切る壁用耐火パネル440と、下階用収納庫420の上面を覆う上面用耐火パネル421と、上階用収納庫410の下面を覆う下面用耐火パネル411とによって区画され、住戸50および住戸60間の一方から他方への火災の延焼を防止する界床および界壁となっている。
また、収納用ユニット40の短辺を形成する側面には、珪酸カルシウム板404が貼られ、当該側面の梁402および柱401は、この珪酸カルシウム板404と、隣り合う収納用ユニット40の珪酸カルシウム板404とによって耐火被覆され、上述した壁用耐火パネル440以外の垂直面材8の部分を構成している。
また、下階用収納庫420の下面には、互いに対向配置される収納用ユニット40の下側の梁402間に根太422(図4では図示略)が架設され、この根太422には、下階用収納庫420の床面を形成する床面材423が貼られている。
尚、ユニット式建物1の屋外端部に配置される収納用ユニット40の外側には、前述したように、バルコニユニット150および外廊下ユニット130が接合されるが、これらのユニット130、150は、軸組構造の箱状フレームの上面、下面のそれぞれに床面材を敷設し、側面を外壁材で覆うとともに、中央部に仕切を設けたものである。
そして、このようなユニット130、150が前述した収納用ユニット40に接合されて、ユニット式建物10の収納庫4が拡張されている。
尚、上階居室ユニット20の下側には、床面材23を固定するための根太24が複数本設けられているとともに、下階居室ユニット30の上側には、天井面材25が固定される天井小梁26が複数本設けられている。
上階用収納庫410は、前記下面用耐火パネル411の上面を床スラブとしてこの上に床仕上げ材412が敷設されている。
ラチス梁441は、上下に対向配置された2本のC形鋼からなる梁部441Aと、これらの梁部441A間に斜めに接合固定される等辺山形鋼からなるラチス部441Bとを備え、梁部441Aは、図7では図示を略したが、前記収納用ユニット40の互いに対向する梁402(図5における長辺方向に延出する梁402)に溶接されて接合固定されている。また、梁部441Aのウエブの内面とラチス部441Bの山形鋼の外面とは、溶接により接合され、このラチス梁441の両側が珪酸カルシウム板で覆われて、壁用耐火パネル440は軽量かつ高強度になっている。
上面用耐火パネル421は、図7に示されるように、その端部がラチス梁441の上側の梁部441Aのウエブ外側面に溶接されたLアングル426によって壁用耐火パネル440に支持されている。尚、上面用耐火パネル421とLアングル426との固定は、図7では図示を略したが、Lアングル426に所定ピッチで孔を開けておくとともに、上面用耐火パネル421に埋め込みナットを複数設け、当該孔にボルトを挿通してLアングル426と上面用耐火パネル421とを接合することによって行われる。
上述と同様に、ラチス梁441の下側の梁部441AにもLアングル427が溶接接合されており、このLアングル427が下面用耐火パネル411を支持するとともに、ラチス梁441の下面に固定される珪酸カルシウム板442によってラチス梁441とともに、Lアングル427も耐火被覆されている。
収納用ユニット40の前記梁402の内側には、断面C形状の接合金物429が嵌合固定されているとともに、この接合金物429には、Lアングル428が溶接接合される。
このLアングル428に上面用耐火パネル421が載せられ、上述と同様に接合固定されるとともに、Lアングル428は、収納用ユニット40の短辺方向側面を覆う珪酸カルシウム板404によって梁402とともに耐火被覆されている。
尚、下面用耐火パネル411も上述と略同様に支持固定され、珪酸カルシウム板404によって耐火被覆されている。
収納庫4に上下階両方から出入り可能な開口部5、6が設けられているので、ユニット式建物10を著しく高くすることなく上下階各々の専用の収納庫410、420を形成することができるうえ、下階用開口部6および上階用開口部5の平面位置が互いに異なっているので、それぞれの開口部を利用して上階用収納庫410と下階用収納庫420との区分けを容易に行うことができる。
さらに、ユニット式建物10の上下階居室部2、3を仕切る仕切面部7が耐火性能を有する面材411、421、440によって形成されているので、上下階2、3の一方から他方への火災の延焼を確実に防止することができ、仕切面部7を上下に異なる住戸50、60間の界床および界壁とすることができる。
また、垂直面材8がラチス梁441およびこのラチス梁441を覆う耐火被覆材(珪酸カルシウム板)442からなる壁用耐火パネル440によって形成されているので、当該壁用耐火パネル440の軽量化を図ることができ、収納用ユニット40全体の軽量化を図ることができる。
そして、高さ寸法のある収納庫4が上階居室部2と下階居室部1との間に全面に亘って介装形成されているので、集合住宅で必要とされる十分な遮音構造を容易に確保することができる。さらに、収納庫に収納物が増えると、遮音性能が一層向上するという利点もある。
第1実施形態では、上階居室ユニット20には、床面材23が設けられていたのに対して、第2実施形態の上階居室ユニット120には設けられておらず、収納用ユニット40の上面用耐火パネル421を床面としている点が相違する。
この木質パネル450は、収納用ユニット40の互いに対向配置される2本の梁402間に架設される根太451と、この根太451上に貼られる床面材452とを含んで形成され、この木質パネル450に上階用開口部5が設けられている。
また、垂直面材8を構成する壁用耐火パネル440がラチス梁441のような大断面の梁を備え、このラチス梁441が床面材を兼ねるALC板製の上面用耐火パネル421を支持することとなるため、2階居室部2の床構造を高強度とすることができるうえ、当該ラチス梁441が珪酸カルシウム板442の止め付け下地をも兼ねているので、高強度の床構造を省部材で形成することができる。
要するにこれらの耐火パネル411、421、440は、延焼防止という機能を備えている他、要求されるパネルとしての性能に応じてその材料、構成を適宜選択すればよい。
そして、前述の実施形態では、複数の住戸を有する集合住宅となるユニット式建物10に本発明に係る建物の収納構造を採用していたが、これに限らず、通常の戸建住宅として使用されるユニット式建物に本発明に係る収納用ユニット40を用いてもよい。これにより、各個室間の火災の際の延焼を一層確実に防止することができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
4 収納庫
5 上階用開口部
6 下階用開口部
7 仕切面部
8 垂直面材
9 水平面材
10 ユニット式建物
20 上階居室ユニット
30 下階居室ユニット
40 収納用ユニット
50、60 住戸
410 上階用収納庫
420 下階用収納庫
440 壁用耐火パネル
441 ラチス梁
Claims (2)
- 上下階に上階居室および下階居室を有する建物であって、前記上階居室の床下かつ前記下階居室の天井の上に前記上階居室および下階居室より天井高さの低い収納庫を形成し、この収納庫に配管スペースを設けたことを特徴とする建物。
- 請求項1に記載された建物において、前記配管スペースには給排水管が配置され、この給排水管は、下階に至る給排水管に接続されていることを特徴とする建物。
Priority Applications (1)
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JP2005264164A JP2006002567A (ja) | 2005-09-12 | 2005-09-12 | 建物 |
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JP2005264164A JP2006002567A (ja) | 2005-09-12 | 2005-09-12 | 建物 |
Related Parent Applications (1)
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JP01027997A Division JP3784122B2 (ja) | 1997-01-23 | 1997-01-23 | 建物の収納構造 |
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Cited By (2)
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-
2005
- 2005-09-12 JP JP2005264164A patent/JP2006002567A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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