JP5356001B2 - 建物の床下構造 - Google Patents

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Description

本発明は、界壁を有する建物の床下構造に関する。
集合住宅では、住戸間に界壁を設置することが求められている。界壁は、住戸間の延焼を抑制する防火性能、住戸間の音漏れを抑制する防音性能、住戸間の人の侵入を抑制する防犯性能などを確保するためのものである。ここで、従来の界壁は、布基礎より立ち上げることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−214522号公報
しかしながら、界壁を布基礎より立ち上げる構造であると、床下の換気性能が大幅に低くなる。床下の界壁部位により空気の流れが阻害されてしまうからである。そして、床下の換気性能が低い場合には、建物の劣化性能に影響を及ぼすことが懸念される。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、界壁を有する建物において、床下の換気性能を大幅に落とすことのない床下構造を提供することを主たる目的とする。
上記課題を解決すべく、第1の発明は、第1住戸と第2住戸とを仕切る界壁が設けられている建物の床下構造であって、床下には、前記界壁を挟んだ第1及び第2住戸間の床下における人の移動を阻止するとともに、前記第1及び第2住戸間の床下における空気の流通を許容する阻止部が設けられていることを特徴とする。
界壁を有する建物では、床下においても界壁が形成されていることが一般的であるため、床下の換気性能が界壁によって阻害される。ここで本発明者は、住戸間の延焼を防止する観点では地面(地盤面)と向き合う床下空間において防火性能は必要でないとの新たな着眼に基づき、床下に界壁を挟んだ第1及び第2住戸間の床下における人の移動を阻止する阻止部を設ける一方で阻止部が第1及び第2住戸間の床下における空気の流通を許容するように構成する点に到達した。そして、本発明のこの構成によれば、床下を通って第1住戸から第2住戸へ侵入するような行為は規制される一方、防火性能を維持しつつも床下における換気性能はこれまでよりも格段に向上するという利点が得られる。
第2の発明は、第1の発明において、前記阻止部は、前記界壁の真下に設けられていることを特徴とする。
第1の発明にあっては、人の行き来を阻害するものであればよいため、阻止部は必ずしも界壁の真下に設けなくてもよい。但し、界壁の真下にない場合には、平面視での阻止部と界壁とのオフセット分を見越して人の行き来を阻害するように阻止部を設定しなければならず、設計や施工の際に配慮すべき点が多くなることが想定される。この点、本発明によれば前記オフセット分の配慮が不要となり、設計や施工の観点で有利になる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記阻止部は、地面から上方へ突出するとともに前記界壁に沿って延びる立ち上がり部であり、前記立ち上がり部の上端部と床構成材との間に隙間が形成されていることを特徴とする。
阻止部は地面から上方へ突出する立ち上がり部として構成することが可能である。そして、本発明では更に、立ち上がり部の上端部と床構成材(床梁、床面材等)との間に隙間を設けるようにするという簡単な構成によって空気の流通を許容することができる。
このように隙間を利用した構成は、空気の流通を許容する構成が簡単に得られるというだけでなく、次の利点も得られる。
すなわち、人の行き来を阻止するという防犯上の観点で存在する阻止部の性質上、阻止部は堅牢なものであることが望ましいが、阻止部それ単独により空気の流通を確保しようとすれば阻止部に貫通孔を形成する等の必要が生じ、貫通孔による強度低下分を補強材によって補償する必要が生じる。この点、本発明によれば、床構成材との隙間を利用するものであるため、過度の補強は必要がないという利点がある。
また、立ち上がり部と床構成材との間の隙間が存在していない構成(従来の構造)では、床下界壁の高さが床下とぴったり合うように高さ設定を行わなければならない等の問題があるが、本発明では人の移動を阻止しつつ空気の流通を許容できる程度の隙間が存在することから、立ち上がり部の高さ精度はかなり低いものであってもよくなる。この結果、設計や製作、施工の各工程における精度要求レベルが低くなる。
第4の発明は、第3の発明において、前記建物は、複数の建物ユニットを組み合わせて構成されたユニット式建物であり、前記各建物ユニットは、複数本の柱とその上下に連結される天井梁及び床梁とを備えており、前記床梁と前記立ち上がり部との間に前記隙間が形成されていることを特徴とする。
柱、天井梁及び床梁によって建物ユニットの骨格が形成されている場合、床下には床の面材よりも下方に床梁が露出している。したがって、このようなユニット式建物にあっては床梁と立ち上がり部との間に隙間が形成されるようにすることが設計や施工等の観点で有利である。なお、床梁と立ち上がり部との隙間に関しては、上下方向にみた隙間だけに着目する必要がない。すなわち、床梁の下端よりは立ち上がり部の上端が上方にある場合であってもよく、この場合でも床梁と立ち上がり部とが平面視でオフセットされていれば実現できる。
第5の発明は、第1又は第2の発明において、前記阻止部は、床構成材から下方へ突出するとともに前記界壁に沿って延びる垂れ下がり部であり、前記垂れ下がり部の下端部が地面から離間していることを特徴とする。
阻止部は床の下面から下方へ突出する垂れ下がり部として構成することが可能である。そして、本発明では更に、垂れ下がり部の下端部と地面との間に隙間を設けるようにするという簡単な構成によって空気の流通を許容することができる。
このように隙間を利用した構成は、空気の流通を許容する構成が簡単に得られるというだけでなく、次の利点も得られる。
すなわち、人の行き来を阻止するという防犯上の観点で存在する阻止部の性質上、阻止部は堅牢なものであることが望ましいが、阻止部それ単独により空気の流通を確保しようとすれば阻止部に貫通孔を形成する等の必要が生じ、貫通孔による強度低下分を補強材によって補償する必要が生じる。この点、本発明によれば、地面との隙間を利用するものであるため、過度の補強は必要がないという利点がある。
また、従来の構造では床下界壁の高さが床構成材及び地面との間でぴったり合うように高さ設定を行わなければならない等の問題があったが、本発明では人の移動を阻止しつつ空気の流通を許容できる程度の隙間が存在することから、垂れ下がり部の高さ精度はかなり低いものであってもよくなる。この結果、設計や製作、施工の各工程における精度要求レベルが低くなる。
さらに、本発明では、従来のように基礎等の立ち上がり部を設けるものではなく、建物側に垂れ下がり部を設けるものであるため、基礎の施工時に界壁に関する配慮が不要となる。
第6の発明は、第5の発明において、前記建物は、複数の建物ユニットを組み合わせて構成されたユニット式建物であり、前記各建物ユニットは、複数本の柱とその上下に連結される天井梁及び床梁とを備えており、前記垂れ下がり部は、前記床梁に連結されていることを特徴とする。
柱、天井梁及び床梁によって建物ユニットの骨格が形成されている場合、床下には床の面材よりも下方に床梁が露出している。したがって、このようなユニット式建物にあっては床梁に垂れ下がり部を連結することにより、室内環境に影響を与えることなく垂れ下がり部を建物ユニットに設けることができる。
なお、垂れ下がり部は建物ユニットから下方へ大幅に突出することになるので、垂れ下がり部を例えば床梁に沿って折り畳み可能に設けたり、現場施工の際に床梁に連結したりすれば、工場での製造工程や搬送工程において垂れ下がり部が邪魔になることはない。ここで、施工現場にて建物ユニットを横並びに配置する場合、一度に建物ユニットを設置するのではなく一方の建物ユニットを設置し、その後に隣接する建物ユニットを設置するという工程が一般的である。したがって、一方の建物ユニットを設置した段階で当該設置された建物ユニットの床梁から垂れ下がり部を展開したり当該床梁に垂れ下がり部を連結したりすることにより建物の一部に垂れ下がり部を構築し、その後に隣接する建物ユニットを設置するという施工順序であれば現場施工を効率よく行うことができる。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれか1の発明において、前記阻止部は、前記空気の流通に加え、配管や配線を通すことを許容するように設定されていることを特徴とする。
第7の発明によれば、複数住戸を区画する界壁が設けられた建物において、床下換気性能の向上の他に、各住戸にまたがるようにして床下に配管や配線を更に通すことができる。これにより配線や配管の自由度が高められる。
第8の発明は、第1乃至第7のいずれか1の発明において、前記阻止部は、前記界壁に沿って延びるとともに所定間隔をおいて設置された複数の壁部であることを特徴とする。
第8の発明によれば、阻止部を構成する複数の壁部について、隣接する壁部間に間隙が形成されることになるので、ここを空気の流通に用いたり、配管や配線のための貫通部に用いたりすることができる。なお、上記第3の発明や第5の発明における隙間を専ら空気の流通に活用し、壁部間の間隙を主として配管や配線の通し部分として活用するような役割分担も可能である。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、複数の住戸が集合して1棟を構成する集合住宅として建物を具体化するものとしており、特に当該建物を、鉄骨ユニット工法にて構築された2階建てユニット式建物としている。図1は、本実施形態における建物10の概略構成を示す正面図であり、図2は、建物10を構成する建物ユニット20の配列を示す平面図である。
図1に示すように、建物10は、基礎11上に設けられた下階部分としての一階部分12と、その一階部分12の上方に隣接して設けられた上階部分としての二階部分13と、その二階部分13の上方に設けられた屋根部分14とを備えている。基礎11は、布基礎により構成されており、少なくとも建物10の外縁部を囲む部位に連続して設けられている。そして、基礎11の立ち上がり部の上面に一階部分12の建物ユニット20が設置されている。建物10の下方には、基礎11に囲まれるようにして床下空間15が形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、一階部分12及び二階部分13がいずれも6個の建物ユニット20により構築されているものとしており、同一階に6個ずつの建物ユニット20により4つの住戸A1,A2,A3,A4が形成されている。なお、各階のユニット数及び住戸数は任意であり、複数の建物ユニット20により複数の住戸が形成されていればよい。
互いに隣接する各住戸A1〜A4の間(境界部)には戸境壁としての界壁30,40が設けられている。ここで、界壁30は、住戸A1と住戸A2との間、及び住戸A3と住戸A4との間をそれぞれ仕切るものであり、各建物ユニット20間のドッキングラインDL(ユニット境界線)に沿って、すなわちドッキングラインDLと同じ位置に設けられているのに対し、界壁40は、住戸A1と住戸A3との間、及び住戸A2と住戸A4との間をそれぞれ仕切るものであり、ドッキングラインDL(ユニット境界線)に沿わず、すなわちドッキングラインDLと異なる位置に設けられている。なお、図2では、界壁30があたかも各ユニット間の隙間部分に設けられているようにも見えるが、これは建物全体における界壁設置場所を示しているだけであり、設置場所等の詳細は後述する。
図1に示すように、界壁30,40は、一階部分12の床面から屋根部分14の野地板まで鉛直方向に延びるものとなっており、この界壁30,40により、隣接する住戸間における防火性能や防音性能が確保されるようになっている。
次に、建物ユニット20の構成を図3を用いて説明する。建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備える。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。また、天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。天井大梁22及び床大梁23について補足すると、これらは板面が上下方向に延びるウェブと、当該ウェブの上下両端から側方へ延びる一対のフランジとを有し、これらウェブ及びフランジに囲まれてウェブとは反対側となる側方に開口する溝部が形成された溝型鋼によって構成されている。
建物ユニット20の長辺部(桁部)の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されて固定されている。同じく建物ユニット20の長辺部(桁部)の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されて固定されている。天井小梁25及び床小梁26は、それぞれ同一の間隔でかつ短辺側(妻側)の天井大梁22及び床大梁23に水平に設けられている。例えば、天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。天井小梁25によって天井面材27が支持され、床小梁26によって床面材28が支持されている。なお、建物10に使用される各建物ユニット20は、工場にてあらかじめ製造され、その後、トラック等により建築現場に運搬されるものとなっている。
次に、界壁30,40及びその周辺部の建物構造について詳細に説明する。本実施形態では、建物ユニット20のドッキングラインDLと同じ位置に設けられる界壁30と、建物ユニット20のドッキングラインDLとは異なる位置に設けられる界壁40とが各々異なる構成を有しており、界壁30及びその周辺部の断面構成を図4に示し、界壁40及びその周辺部の断面構成を図5に示す。図4は、図2におけるX1−X1断面図であり、図5は、図2におけるX2−X2断面図である。なお、図4、図5では、説明の便宜上、一階部分12における建物ユニット20の各構成要素をそれぞれ天井大梁22A、床大梁23A、天井小梁25A、床小梁26A、天井面材27A、床面材28Aとし、二階部分13における建物ユニット20の各構成要素をそれぞれ天井大梁22B、床大梁23B、天井小梁25B、床小梁26B、天井面材27B、床面材28Bとしている。また、図4、図5には、上階ユニットと下階ユニットとの境界線をスタッキングラインSLとして示している。
ここでは、界壁30,40の説明に先立って建物ユニット20の細部構成を説明することとし、まずは一階部分12の詳細な構成を説明する。
図4に示すように、一階部分12の床大梁23A上(詳しくは上側のフランジ上)には、床面材28A(床材)を下方から支持する床根太51(大梁上根太)が設けられ、その床根太51上に床面材28Aがビスや釘等により固定されている。床面材28Aは、例えばパーティクルボード(合板)により構成されている。また、隣り合う2つの床大梁23A上に設けられる左右2つの床面材28Aの間には、この床面材28Aと面一(同一高さ)の床面を形成する床繋ぎ材52が設けられている。床繋ぎ材52は、床面材28Aと同じ材料にて形成され、床根太51に対してビスや釘等により固定されている。床面材28A及び床繋ぎ材52の下面側には床下断熱材53が設けられている。また、床小梁26Aが設けられている部位では、図5に示すように、床小梁26A上に床根太54(小梁上根太)が設けられ、その床根太54上に床面材28Aがビスや釘等により固定されている。なお、床小梁26Aに対してはビスや釘等により床面材28Aを直接固定することも可能である。
一階部分12の天井大梁22A(詳しくは下側のフランジ)には野縁55(大梁用野縁)がビスや釘等により固定され、その野縁55の下面に天井面材27Aがビスや釘等により固定されている。天井面材27Aは、例えば石膏ボードを2枚重ねして構成されている。また、隣り合う2つの天井大梁22Aに設けられる左右2つの天井面材27Aの間には、この天井面材27Aと面一(同一高さ)の天井面を形成する天井繋ぎ材56が設けられている。天井繋ぎ材56は、天井面材27Aと同じ材料にて形成され、野縁55に対してビスや釘等により固定されている。また、天井小梁25Aが設けられている部位では、図5に示すように、天井小梁25Aに対して野縁57(小梁用野縁)と共に天井面材27Aがビスや釘等により固定されている。
なお、床繋ぎ材52及び天井繋ぎ材56は、建築現場での各建物ユニット20の据え付け後に、各ユニット20間の床部分及び天井部分の隙間を埋めるようにして組み付けられるものとなっている。
次に、二階部分13の構成を説明する。一階ユニットの上部には二階ユニットが設置されており、二階部分13の床大梁23Bが一階部分12の天井大梁22Aの上方に設けられている。かかる場合、一階天井大梁22Aの上端部と二階床大梁23Bの下端部との間に隙間が生じており、この隙間に、隙間埋め材としてのロックウール58が圧縮状態で配設されている。ロックウール58は、自然状態では一階天井大梁22Aと二階床大梁23Bとの隙間よりも上下寸法が大きくかつ少なくとも上下方向への弾力性を有するものであり、下階ユニット上に上階ユニットが組み付けられる際に押し潰されて圧縮状態とされるようになっている。ロックウール58は、優れた耐火性や防音性、断熱性を有する繊維状部材である。なお、ロックウール58は施工現場にて取り付けることも可能であるが、ユニット製造工場において、上階側及び下階側のいずれかの建物ユニット20の大梁にロックウール58をあらかじめ貼り付けておくことが望ましい。
二階部分13の床大梁23B上(詳しくは上側のフランジ上)には、床面材28B(床材)を下方から支持する床根太61(大梁上根太)が設けられ、その床根太61上に床面材28Bがビスや釘等により固定されている。床面材28Bは、例えばパーティクルボードにより構成されている。また、隣り合う2つの床大梁23B上に設けられる左右2つの床面材28Bの間には、この床面材28Bと面一(同一高さ)の床面を形成する床繋ぎ材62が設けられている。床繋ぎ材62は、床面材28Bと同じ材料にて形成され、床根太61に対してビスや釘等により固定されている。床大梁23Bと床面材28Bとの間にはロックウール63が圧縮状態で配設されている。また、床小梁26Bが設けられている部位では、図5に示すように、床小梁26B上に設けられた床根太64(小梁上根太)にビスや釘等により床面材28Bが固定されるか、又は床小梁26Bに直接ビスや釘等により床面材28Bが固定されている。
二階部分13の天井大梁22B(詳しくは下側のフランジ)には野縁67(大梁用野縁)がビスや釘等により固定され、その野縁67の下面に天井面材27Bがビスや釘等により固定されている。天井面材27Bは、例えば石膏ボードを2枚重ねして構成されている。また、隣り合う2つの天井大梁22Bに設けられる左右2つの天井面材27Bの間には、この天井面材27Bと面一(同一高さ)の天井面を形成する天井繋ぎ材68が設けられている。天井繋ぎ材68は、天井面材27Bと同じ材料にて形成され、野縁67に対してビスや釘等により固定されている。また、天井小梁25Bが設けられている部位では、図5に示すように、天井小梁25Bに対して野縁69(小梁用野縁)と共に天井面材27Bがビスや釘等により固定されている。
なお、床繋ぎ材62及び天井繋ぎ材68は、一階部分12の床繋ぎ材52及び天井繋ぎ材56と同様に、建築現場での各建物ユニット20の据え付け後に、各ユニット20間の床部分及び天井部分の隙間を埋めるようにして組み付けられるものとなっている。
また、本実施形態の建物10では、屋根部分14に屋根裏部屋が形成される構成となっており、二階部分13の天井大梁22Bの上方には、屋根裏部屋の床部を形成するための屋根裏床構成材が設置されている。詳しくは、二階部分13の天井大梁22B(天井桁大梁及び天井妻大梁のいずれか)には、ブラケット71を用いて複数の床小梁72が連結されている。そして、床小梁72の上面に、ビスや釘等により屋根裏床面材73が固定されている。屋根裏床面材73の下面側にはグラスウール74が設けられている。また、隣り合う2つの天井大梁22Bの間(ウェブ間の隙間)には、端部が天井大梁22B(詳細にはブラケット71)と屋根裏床面材73との間に挟まれた状態でグラスウール75が設けられている。
ちなみに、図4に示す構成では、一階天井部分及び二階床部分の構成が、中央部分の界壁30を挟んで図の左側と右側とで相違している。つまり、図の左右両側では、一階天井部分において天井面材27Aの厚みが異なり、かつ天井面材27Aの厚みが大きい方(図の右側)の天井面材27Aの上面にグラスウール65が設置されている。また、図の左右両側では、二階床部分の床材の構成が異なっており、図の右側では床面材28Bがパーティクルボードと石膏ボードとにより構成されるとともに、その上面に仕上げ床材66が積層状態で設置されている。
上記構成では、特に図の右側部分にて、上下階の各居室間において防火性能及び防音性能が高められる。ゆえに、図の右側の構成は、上下階が異なる住戸となる場合に好適な構成であり、図の左側の構成は、上下階が同一の住戸となる場合に好適な構成であると言える。
次に、「界壁30」について説明する。図4に示すように、界壁30は、一階床部分から順に、一階居室界壁31、一階天井裏界壁32、二階床下界壁33、二階居室界壁34、二階天井裏界壁35及び屋根裏界壁36に分別できる。これら各界壁31〜36について説明する。なお、本実施形態では、図4に示す左右一対の壁構成体により界壁30が構成されている。
一階居室界壁31は、一階部分12において天井面材27Aの下面(天井面)と床面材28Aの上面(床面)との間、すなわち一階の居室空間部を水平方向に複数に仕切る高さ位置に設けられている。詳しくは、一階居室界壁31は、建物ユニット20の天井面材27Aに設けられた上側下地材81と、床面材28Aに設けられた下側下地材82との間に壁面材83を架け渡して取り付けたものである。壁面材83は、例えば石膏ボードを2枚重ねして構成されている。壁面材83の裏面には、耐火性、遮音性等に優れた被覆材であるロックウール84が設けられている。
また、一階天井裏界壁32は、一階部分12の天井大梁22Aに一体に設けられている。一階天井裏界壁32は、天井大梁22Aにおいて上下一対のフランジとその間のウェブとにより囲まれた梁内空間部(溝形鋼の溝部)に界壁構成体としての界壁パネル90が収容されることで構成されており、その詳細を図6を用いて説明する。図6は一階天井裏界壁32の詳細を示す斜視図であり、(a)は、天井大梁22Aに対する界壁パネル90の組み付け前の状態を示し、(b)は界壁パネル90の組み付け後の状態を示し、(c)は界壁パネル90の分解状態を示す。なお、図6中の符号96は天井小梁25Aを天井大梁22Aに連結するためのブラケットである。
図6(c)に示すように、界壁パネル90は、例えば石膏ボードを2枚重ねして構成される壁面材91と、壁面材91と略同じ大きさ(略同じ縦横寸法)を有しその片面に重ねられる板状のグラスウール92と、グラスウール92の一部を切り欠いた部位(本実施形態ではグラスウール92の長手方向両端部)に組み付けられるブロック状の下地材93とからなり、これらが一体化されることで構成されている。
そして、図6(a)(b)に示すように、グラスウール92を天井大梁22A(天井桁大梁)のウェブに対向させ、かつグラスウール92と大梁ウェブとの間に所定の隙間が形成されるようにして、界壁パネル90が天井大梁22Aに組み付けられている。このとき、下地材93の位置に合わせて天井大梁22Aの外側からビスや釘等が打ち込まれることで、天井大梁22Aに界壁パネル90が固定されている。天井大梁22A(天井桁大梁)には所定間隔でブラケット96により天井小梁25Aが連結されており、この天井小梁25Aに干渉しないように複数に分断されて界壁パネル90が組み付けられている。界壁パネル90が分断されて形成される隙間部分と柱21の側面部とには、それぞれブロック状のロックウール94が組み付けられている。ロックウール94は、防火性能や防音性能を有する隙間埋め材として構成されるものであり、さらに柔軟性を有する(弾性変形可能である)ことから、少なくとも上記隙間部分よりも大きい寸法とし、寸法誤差を気にすることなく隙間を埋めることができるものとなっている。
ユニット製造工場においては、一階部分12の建物ユニット20に、一階居室界壁31を構成する一方の壁構成体(壁面材83等)と、一階天井裏界壁32を構成する一方の界壁パネル90とが一体に設けられるようになっている。
図4の説明に戻り、二階床下界壁33は、二階部分13の床大梁23Bに一体に設けられている。二階床下界壁33は、床大梁23Bにおいて上下一対のフランジとその間のウェブとにより囲まれた梁内空間部(溝形鋼の溝部)に界壁構成体としての界壁パネル100が収容されることで構成されており、その詳細を図7を用いて説明する。図7は二階床下界壁33の詳細を示す斜視図であり、(a)は、床大梁23Bに対する界壁パネル100の組み付け前の状態を示し、(b)は界壁パネル100の組み付け後の状態を示し、(c)は界壁パネル100の分解状態を示す。なお、図7中の符号106は床小梁26Bを床大梁23Bに連結するためのブラケットである。
図7(c)に示すように、界壁パネル100は、例えば石膏ボードを2枚重ねして構成される壁面材101と、壁面材101と略同じ大きさ(略同じ縦横寸法)を有しその片面に重ねられる板状のグラスウール102と、グラスウール102の一部を切り欠いた部位(本実施形態ではグラスウール102の長手方向両端部)に組み付けられるブロック状の下地材103とからなり、これらが一体化されることで構成されている。
そして、図7(a)(b)に示すように、グラスウール102を床大梁23B(床桁大梁)のウェブに対向させ、かつグラスウール102と大梁ウェブとの間に所定の隙間が形成されるようにして、界壁パネル100が床大梁23Bに組み付けられている。このとき、下地材103の位置に合わせて床大梁23Bの外側からビスや釘等が打ち込まれることで、床大梁23Bに界壁パネル100が固定されている。床大梁23B(床桁大梁)には所定間隔でブラケット106により床小梁26Bが連結されており、この床小梁26Bに干渉しないように複数に分断されて界壁パネル100が組み付けられている。界壁パネル100が分断されて形成される隙間部分と柱21の側面部とには、それぞれブロック状のロックウール104が組み付けられている。ロックウール104は、防火性能や防音性能を有する隙間埋め材として構成されるものであり、さらに柔軟性を有する(弾性変形可能である)ことから、少なくとも上記隙間部分よりも大きい寸法とし、寸法誤差を気にすることなく隙間を埋めることができるものとなっている。
再び図4の説明に戻る。二階居室界壁34は、二階部分13において天井面材27Bの下面(天井面)と床面材28Bの上面(床面)との間、すなわち二階の居室空間部を水平方向に複数に仕切る高さ位置に設けられている。この二階居室界壁34は、上述した一階居室界壁31と同様の構成を有しており、図4には、二階居室界壁34の構成を一階居室界壁31と同じ部材番号を付して示し、ここではその説明を割愛する。
また、二階天井裏界壁35は、二階部分13の天井大梁22Bに一体に設けられている。この二階天井裏界壁35は、上述した一階天井裏界壁32と同様の構成を有しており、図4には、天井大梁22Bにおいて上下一対のフランジとその間のウェブとにより囲まれた梁内空間部(溝形鋼の溝部)に界壁パネル90(詳細は図6参照)が収容された構成が示されている。ここではその説明を割愛する。
ユニット製造工場においては、二階部分13の建物ユニット20に、二階床下界壁33を構成する一方の界壁パネル100と、二階居室界壁34を構成する一方の壁構成体(壁面材83等)と、二階天井裏界壁35を構成する一方の界壁パネル90とが一体に設けられるようになっている。
屋根裏界壁36は、屋根部分14において野地板(図示略)の下面と屋根裏床面材73の上面との間、すなわち屋根裏空間部を水平方向に複数に仕切る高さ位置に設けられている。この屋根裏界壁36は、上述した一階居室界壁31と同様の構成を有しており、図4には、屋根裏界壁36の構成を一階居室界壁31と同じ部材番号を付して示し、ここではその説明を割愛する。
次に、「界壁40」について説明する。図5に示すように、界壁40は、一階床部分から順に、一階居室界壁41、一階天井裏界壁42、二階床下界壁43、二階居室界壁44、二階天井裏界壁45及び屋根裏界壁46に分別できる。これら各界壁41〜46のうち、一階居室界壁41及び二階居室界壁44は、界壁30の一階居室界壁31及び二階居室界壁34と構成が同一である。そのため、これら各界壁41,44については、図5にいずれも同じ部材番号(図4と同じ部材番号)を付して示し、ここではその説明を割愛する。以下には、界壁30とは異なる構成である一階天井裏界壁42、二階床下界壁43、二階天井裏界壁45及び屋根裏界壁46について構成を詳細に説明する。なお、本実施形態では、図5に示す左右一対の壁構成体により界壁40が構成されている。
上述したとおり界壁40は、建物ユニット20のドッキングラインDLとは異なる位置に設けられるものであり、図5には、天井大梁22や床大梁23が示されておらず、それに代えて天井小梁25や床小梁26が示されている。また、図5に示す左右一対の壁構成体は各々構成が異なっており、図の左側の壁構成体は天井小梁25や床小梁26の設置位置にこれらと一体に設けられ、図の右側の壁構成体は天井小梁25や床小梁26の設置位置から離れてこれらと別体に設けられている。つまり、天井小梁25や床小梁26の設置間隔(取付ピッチ)が例えば約500mmであるの対し、界壁40の幅(すなわち、左右一対の壁構成体の設置間隔)が例えば約250mmであることから、左右一対の壁構成体のうち少なくとも一方が天井小梁25や床小梁26の設置位置から離れてこれら小梁とは別体に設けられるようになっている。
界壁40についてまずは一階天井裏界壁42の構成を説明する。一階天井裏界壁42は、一階部分12の天井大梁22Aが設置されている高さ位置において、天井面材27Aの上方に界壁パネル110が設置されることで構成されており、その詳細を図8を用いて説明する。図8は一階天井裏界壁42の詳細を示す斜視図であり、(a)は界壁パネル110の組み付け後の状態を示し、(b)は界壁パネル110の単体を示し、(c)は界壁パネル110の分解状態を示す。
図8(b)(c)に示すように、界壁パネル110は、例えば石膏ボードを2枚重ねして構成される壁面材111と、壁面材111と略同じ大きさ(略同じ縦横寸法)を有する矩形状の枠体112(支持枠)と、その枠体112の枠内部に組み込まれる板状のグラスウール113とからなり、これらが一体化されることで構成されている。枠体112は、例えば木質形材料よりなる角材を四辺に組み合わせて構成されるものである。グラスウール113は、枠体112の内周面との隙間がなくかつ壁面材111に当接させた状態で枠体112に組み込まれている。界壁パネル110の縦寸法(高さ寸法)は天井大梁22Aの縦寸法(ウェブ高さ寸法)と略同じであり、横寸法(長手方向寸法)は、短辺側(妻側)の天井大梁22Aの長さ寸法と略同じである。なお、壁面材111と枠体112とは、壁面材111側からビスや釘等が打ち込まれることで一体化されている(図5参照)。
そして、図8(a)に示すように、対向する2つの天井大梁22A(天井桁大梁)に直交する向きに、すなわち天井小梁25Aと同方向(平行)に延びる向きに界壁パネル110が取り付けられている。ここで、天井面材27Aの上面にはバッキング材115が設置されており、そのバッキング材115の上に界壁パネル110が設置されている(図5参照)。バッキング材115は、一階居室界壁41の上端部(上側下地材81)を天井面材27Aに固定するために用いられる下地板材である。バッキング材115は、例えばパーティクルボードにより構成され、一方の辺が、対向する2つの天井大梁22A(天井桁大梁)間の長さ寸法であり、他方の辺が、隣り合う2つの天井小梁25A間の長さ寸法である矩形板状をなしている。そして、界壁パネル110の枠体112に対してステープルや釘等を打ち込み、これをその下方のバッキング材115及び天井面材27Aに貫通させることで界壁パネル110が固定されている。
なお、バッキング材115を天井大梁22A又は天井小梁25Aに固定することも可能である。バッキング材115はパーティクルボード(合板)に限定されるものではなく、ビス打ち等に好適な材質であって耐荷重性能が天井面材よりも高いものであれば適用が可能である。
上記のように界壁パネル110を取り付けた場合、界壁パネル110の長手方向端部と天井大梁22A(天井桁大梁)のウェブとの間には隙間が形成される。そこで、この隙間にブロック状のロックウール116が組み付けられている。これにより、向かい合う2つの天井大梁22Aの間において、一階天井裏界壁42とその両端部のいずれの部位においても優れた防火性能と防音性能とが確保されるようになっている。
図5において、一階天井裏界壁42を構成する左右一対の界壁パネル110のうち、図の右側の界壁パネル110(天井小梁25Aから離れて設けられる界壁パネル110)については上述した図8の構成がそのまま適用できる。これに対し、図の左側の界壁パネル110(天井小梁25Aと同位置に設けられる界壁パネル110)については図8とは構成が若干相違する。すなわち、図の左側の界壁パネル110は、天井小梁25Aに載せた状態で設けられ、その天井小梁25Aの高さ分だけ、枠体112の縦寸法(高さ寸法)が小さくなっている。また、壁面材111の縦寸法は枠体112の縦寸法に対して大きくなっており、壁面材111の下端部が天井小梁25Aの開口部(リップ溝形鋼の溝開口部)を覆い隠す状態となっている。そして、界壁パネル110の枠体112に対してビスや釘等を打ち込み、これをその下方の天井小梁25Aに貫通させることで界壁パネル110が固定されている。なお、天井小梁25Aのウェブ外側にはグラスウール117が取り付けられており、天井小梁25Aは、縦方向の両面(溝開口部側とウェブ外側)がそれぞれ壁面材111とグラスウール117とにより挟まれる状態となっている。
ユニット製造工場においては、一階部分12の建物ユニット20に、一階居室界壁41を構成する左右一対の壁構成体(壁面材83等)と、一階天井裏界壁42を構成する左右一対の界壁パネル110とが一体に設けられるようになっている。
次に、二階床下界壁43の構成を説明する。二階床下界壁43は、二階部分13の床大梁23Bが設置されている高さ位置において、床面材28Bの下方に界壁パネル120が設置されることで構成されており、その詳細を図9を用いて説明する。図9は二階床下界壁43の詳細を示す斜視図であり、(a)は界壁パネル120の組み付け後の状態を示し、(b)は界壁パネル120の単体を示し、(c)は界壁パネル120の分解状態を示す。
図9(b)(c)に示すように、界壁パネル120は、例えば石膏ボードを2枚重ねして構成される壁面材121と、壁面材121と略同じ大きさ(略同じ縦横寸法)を有する矩形状の枠体122(支持枠)と、その枠体122の枠内部に組み込まれる板状のグラスウール123とからなり、これらが一体化されることで構成されている。枠体122は、例えば木質形材料よりなる角材を四辺に組み合わせて構成されるものであり、上辺部の角材が他の部位よりも長手方向に張り出していることで、長手方向両端部にそれぞれ張出部122aが形成されている。グラスウール123は、枠体122の内周面との隙間がなくかつ壁面材121に当接させた状態で枠体122に組み込まれている。界壁パネル120の縦寸法(高さ寸法)は床大梁23Bの縦寸法(ウェブ高さ寸法)と略同じである。また、界壁パネル120の横寸法(長手方向寸法)は、枠体122の張出部122aを除く部位が短辺側(妻側)の天井大梁22Aの長さ寸法と略同じであり、枠体122の張出部122aが短辺側(妻側)の天井大梁22Aの長さ寸法よりも大きくなっている。なお、壁面材121と枠体122とは、壁面材121側からビスや釘等が打ち込まれることで一体化されている(図5参照)。
そして、図9(a)に示すように、対向する2つの床大梁23B(床桁大梁)に直交する向きに、すなわち床小梁26Bと同方向(平行)に延びる向きに界壁パネル120が取り付けられている。ここで、界壁パネル120は、枠体122の張出部122aを床大梁23B(床桁大梁)のフランジ上に載せた状態で設置されている。この場合、張出部122aは引っ掛け部として機能し、この張出部122aが床大梁23B上に引っ掛けられることにより、界壁パネル120が吊り下げ支持されている。詳しくは、床大梁23B(床桁大梁)のフランジ上には、図示のとおりその長手方向に沿って床根太61が取り付けられているが、フランジ先端部には床根太61が載っていない余り部分があり、その余り部分に張出部122aを載せて、すなわち張出部122aを床根太61に近接させて界壁パネル120が設置されている。そして、枠体122の張出部122aと床根太61とに対してステープルや釘等を打ち込んで床根太61に枠体122を連結することにより界壁パネル120が固定されている。なお、ステープルや釘等の固定具により枠体122を床根太61に連結固定する以外に、枠体122と床根太61との係止結合等により床根太61に枠体122を連結する構成、枠体122を床大梁23Bに直接連結する構成も可能である。
ここで、床根太61の設置箇所を床大梁23B上のユニット内側より若干外側へオフセットして設けておくことが望ましく、これにより自ずと床大梁23B上のユニット内側に界壁パネル120の引っ掛け余裕をもたせることが可能となる。また、張出部122a(引っ掛け部)を含めた界壁パネル120の高さを床根太61の上端位置と同等又はそれよりも低くしておけば、上階の床面を形成する際の邪魔にならない。
上記のように界壁パネル120を取り付けた場合、界壁パネル120の長手方向端部と床大梁23B(床桁大梁)のウェブとの間には隙間が形成される。そこで、この隙間にブロック状のロックウール125が組み付けられている。これにより、向かい合う2つの床大梁23Bの間において、二階床下界壁43とその両端部のいずれの部位においても優れた防火性能と防音性能とが確保されるようになっている。
図5において、二階床下界壁43を構成する左右一対の壁構成体のうち、図の右側の壁構成体(床小梁26Bから離れて設けられる壁構成体)については上述した図9の界壁パネル120がそのまま適用できる。これに対し、図の左側の壁構成体(床小梁26Bと同位置に設けられる壁構成体)については図9とは構成が相違する。すなわち、図の左側の壁構成体は、床小梁26Bとその上の床根太64とを挟んでそれら両側に設けられる壁面材127とグラスウール128とを備えて構成されている。この場合、壁面材127の縦寸法は、床小梁26B及び床根太64の両方の縦寸法よりも大きくなっており、壁面材127の下端部が床小梁26Bよりも下方に突き出る状態となっている。壁面材127の下端部(床小梁26Bよりも下方に突き出た部分)には合板129がビスや釘等により固定されている。
一階ユニットの上部に二階ユニットが設置された場合には、一階天井裏界壁42の上端部と二階床下界壁43の下端部との間に隙間が生じており、この隙間に、隙間埋め材としてのロックウール118が圧縮状態で配設されている。すなわち、図の右側の壁構成体では、一階天井裏界壁42の界壁パネル110の上面と二階床下界壁43の界壁パネル120の下面との間の隙間にロックウール118が配設され、図の左側の壁構成体では、一階天井裏界壁42の界壁パネル110の上面と二階床下界壁43の壁面材127の下面との間の隙間にロックウール118が配設されている。ロックウール118は、自然状態では一階天井裏界壁42と二階床下界壁43との隙間よりも上下寸法が大きくかつ少なくとも上下方向への弾力性を有するものであり、下階ユニット上に上階ユニットが組み付けられる際に押し潰されて圧縮状態とされるようになっている。ロックウール118は、優れた耐火性や防音性、断熱性を有する繊維状部材である。なお、ロックウール118は施工現場にて取り付けることも可能であるが、ユニット製造工場において、上階側及び下階側のいずれかの建物ユニット20の界壁(壁構成体)にロックウール118をあらかじめ貼り付けておくことが望ましい。
二階天井裏界壁45は、図の左右で異なる壁構成体を有する構成となっている。図の右側の壁構成体は、一階天井裏界壁42として設けられた界壁パネル110(詳細は図8参照)が設置されることで構成されている。一階天井裏界壁42との主な違いは、界壁パネル110の高さ寸法が相違する(二階天井裏界壁45の方が高さ寸法が小さい)ことであり、図5には、二階天井裏界壁45として、一階天井裏界壁42と同じ番号を付した界壁パネル110を組み付けた構成が示されている。また、界壁パネル110が、二階居室界壁44の上端部(上側下地材81)を天井面材27Bに固定するためのバッキング材115に固定される構成も上述したとおりである。
また、二階天井裏界壁45において、図の左側の壁構成体(天井小梁25Bと同位置に設けられる壁構成体)は、天井小梁25Bとその下の野縁69とを挟んでそれら両側に設けられる壁面材131とグラスウール132とを備えて構成されている。また、天井小梁25Bの上面には下地木133が設けられており、この下地木133にビスや釘等により壁面材131が固定されている。
ユニット製造工場においては、二階部分13の建物ユニット20に、二階床下界壁43を構成する左右一対の壁構成体(図5において右側の界壁パネル120、及び左側の壁面材127等)と、二階居室界壁44を構成する左右一対の壁構成体(壁面材83等)と、二階天井裏界壁45を構成する左右一対の壁構成体(図5において右側の界壁パネル110、及び左側の壁面材131等)とが一体に設けられるようになっている。
屋根裏界壁46は、屋根裏床面材73を挟んで下方の壁構成体(屋根裏床下界壁部とも言える)と上方の壁構成体(屋根裏床上界壁部とも言える)とから構成されている。まずは屋根裏床面材73の下方の壁構成体について説明する。
屋根裏床面材73の下方の壁構成体(屋根裏床下界壁部)は、上記同様、左右一対の構成となっており、そのうち図の右側は、二階床下界壁43として設けられた界壁パネル120(詳細は図9参照)が設置されることで構成されている。二階床下界壁43との主な違いは、界壁パネル120の高さ寸法が相違する(屋根裏界壁46の方が高さ寸法が小さい)ことであり、図5には、屋根裏界壁46の屋根裏床下界壁部として、二階床下界壁43と同じ番号を付した界壁パネル120を組み付けた構成が示されている。なお、本構成では、界壁パネル120が、枠体122の張出部122aを天井大梁22B(天井桁大梁)のフランジ上に載せた状態で設置されている。
また、屋根裏床面材73の下方において、図の左側の壁構成体(屋根裏床用の床小梁72と同位置に設けられる壁構成体)は、床小梁72を挟んでその両側に設けられる壁面材135とグラスウール136とを備えて構成されている。本構成では、床小梁72にビスや釘等により壁面材135が固定されている。
屋根裏床面材73の上方の壁構成体(屋根裏床上界壁部)は、屋根部分14において野地板(図示略)の下面と屋根裏床面材73の上面との間、すなわち屋根裏空間部を水平方向に複数に仕切るものである。これは、上述した界壁30の屋根裏界壁36と同様の構成を有しており、図5には、界壁30の屋根裏界壁36と同じ部材番号を付した構成が示されている。
二階天井裏界壁45と屋根裏界壁46との間には、ロックウール138が圧縮状態で配設されている。すなわち、図の右側の壁構成体では、二階天井裏界壁45の界壁パネル110の上面と屋根裏界壁46の界壁パネル120の下面との間の隙間にロックウール138が配設され、図の左側の壁構成体では、天井小梁25B及び壁面材131の上面と床小梁72及び壁面材135の下面との間の隙間にロックウール138が配設されている。ロックウール138は、自然状態では二階天井裏界壁45と屋根裏界壁46との隙間(下階ユニット上に上階ユニットを載置した状態で当該部位に生じる隙間)よりも上下寸法が大きくかつ少なくとも上下方向への弾力性を有するものであり、上階ユニット上に、屋根部分14を構成する屋根ユニットが組み付けられる際に押し潰されて圧縮状態とされるようになっている。ロックウール138は、優れた耐火性や防音性、断熱性を有する繊維状部材である。なお、ロックウール138は施工現場にて取り付けることも可能であるが、ユニット製造工場において、上階ユニット及び屋根ユニットのいずれかの界壁(壁構成体)にロックウール138をあらかじめ貼り付けておくことが望ましい。
次に、建物10の床下構造について説明する。本実施形態では、床下構造として、隣り合う2つの住戸間の床下における人の移動を阻止するとともに、それら住戸間の床下における空気の流通を許容する阻止部が設けられている。以下、その詳細を説明する。
図10は、建物10の床下部分の構成を示す断面図である。この図10は、図2におけるX1−X1線での床下断面図、すなわち各建物ユニット20間のドッキングラインDL(ユニット境界線)に沿って設けられる界壁30を横切る部分の床下断面図である。これは、図4に示す界壁30の下方の床下構造を示す断面図である。
図10に示すように、一階部分12の2つの床大梁23Aの上方において床面材28A上には、上述したとおり界壁30(建物ユニット20のドッキングラインDLと同じ位置に設けられる界壁)が設けられている。建物10の床下空間15においては、床大梁23Aが床面材28Aから下方に突出するようにして設けられている。また、同じく床下空間15において、2つの床大梁23Aの下方、すなわち界壁30の真下位置には、一階部分12の床大梁23Aの長手方向に沿って、すなわち床大梁23Aに平行となる向きに、阻止部としての床下仕切壁150が設けられている。床下仕切壁150は、地面より上方に突出するコンクリート製の立ち上がり部として構成されている。
具体的には、地中には採石層G1と捨てコンクリート層G2とが上下二層に設けられ、その捨てコンクリート層G2の上に床下仕切壁150が形成されている。床下仕切壁150は、複数の直方体状のコンクリートブロック151を積み上げて構成されており、その上端部の高さ位置が基礎11の上端部と同じになっている。より詳しくは、床下仕切壁150は、複数積み上げたコンクリートブロック151の配筋孔内に補強材としての縦筋材を配した状態でコンクリートを打設することにより構成されている。
図10の構成では、2つの床大梁23Aと床下仕切壁150とは互いに離間して設けられ、それら床大梁23Aと床下仕切壁150との間には、床下空間15における空気の流通を許容するための隙間CL1が形成されている。この隙間CL1は、人の通過が不可能でありかつ床下換気上、有効な隙間寸法D1を有するものとして形成されている。具体的には、隙間寸法D1は、換気上有効な隙間は9mm以上でよいが、本実施形態では施工性、配線・配管の施工作業性を考慮して30〜100mm程度としている。
なお、図示の構成では、2つの床大梁23Aの中央に床下仕切壁150が配置されているが、いずれか一方の床大梁23Aに偏って配置されていてもよい。また、床下仕切壁150の上端部の高さ位置は、基礎11の上端部と同じでなくてもよく、基礎11の上端部よりも高い構成、或いは低い構成であってもよい。この場合、床下仕切壁150の上端部の高さ位置を高くすることで、床大梁23Aと床下仕切壁150とが所定の隙間分だけ離間しかつ床下仕切壁150が床大梁23Aのウェブに対向する構成としてもよい。要は、床大梁23Aと床下仕切壁150との間に、人の通過が不可能でありかつ床下換気上、有効な隙間寸法を有する隙間CL1が形成されていればよい。
また、図11は、図2におけるX2−X2線での床下断面図、すなわち各建物ユニット20間のドッキングラインDL(ユニット境界線)とは異なる位置に設けられる界壁40を横切る部分の床下断面図である。これは、図5に示す界壁40の下方の床下構造を示す断面図である。
図11に示すように、一階部分12において床面材28A上には、上述したとおり界壁40(建物ユニット20のドッキングラインDLとは異なる位置に設けられる界壁)が設けられている。建物10の床下空間15においては、床小梁26Aが床面材28Aから下方に突出するようにして設けられている。また、同じく床下空間15において、界壁40の真下位置には、一階部分12の床小梁26Aの長手方向に沿って、すなわち床小梁26Aに平行となる向きに、阻止部としての床下仕切壁155が設けられている。床下仕切壁155は、上述した床下仕切壁150と同様、地面より上方に突出するコンクリート製の立ち上がり部として構成されており、捨てコンクリート層G2の上に形成されている。床下仕切壁155は、複数の直方体状のコンクリートブロック156を積み上げて構成されており、その上端部の高さ位置が基礎11の上端部と同じになっている。床下仕切壁155は、床下仕切壁150と同様、複数積み上げたコンクリートブロック156の配筋孔内に補強材としての縦筋材を配した状態でコンクリートを打設することにより構成されている。
図11の構成では、床小梁26Aと床下仕切壁155とは互いに離間して設けられ、それら床小梁26Aと床下仕切壁155との間には、床下空間15における空気の流通を許容するための隙間CL2が形成されている。この隙間CL2は、人の通過が不可能でありかつ床下換気上、有効な隙間寸法D2を有するものとして形成されている。具体的には、隙間寸法D2は、換気上有効な隙間は9mm以上でよいが、本実施形態では施工性、配線・配管の施工作業性を考慮して30〜100mm程度としている。
なお、床下仕切壁155の上端部の高さ位置は、基礎11の上端部と同じでなくてもよく、基礎11の上端部よりも高い構成、或いは低い構成であってもよい。この場合、床下仕切壁155の上端部の高さ位置を高くすることで、床小梁26Aと床下仕切壁155とが所定の隙間分だけ離間しかつ床下仕切壁155が床小梁26Aの縦辺部に対向する構成としてもよい。要は、床小梁26Aと床下仕切壁155との間に、人の通過が不可能でありかつ床下換気上、有効な隙間寸法を有する隙間CL2が形成されていればよい。
図12は、界壁30,40に沿って設けられる床下仕切壁150,155の設置レイアウトを示す平面図である。図12には、前述の図2と同様、6つの建物ユニット20により同一階に4つの住戸A1〜A4が形成されている構成を示しており、床下仕切壁150は住戸A1−A2及び住戸A3−A4間に設けられ、床下仕切壁155は住戸A1−A3間及び住戸A2−A4間に設けられている。
図12に示すように、床下仕切壁150は、建物ユニット20の長辺側(桁側)のユニット境界部に沿って設けられているのに対し、床下仕切壁155は、床下仕切壁150と直交する向き(長手方向が直交する向き)で、建物ユニット20の短辺側(妻側)のユニット境界部から離れた位置に設けられている。これらは、界壁30,40の設置位置と同様である。また、床下仕切壁150,155は、それぞれ界壁30,40に沿って複数設けられ、各床下仕切壁150の間、各床下仕切壁155の間にはそれぞれ隙間CL3が形成されている。つまり、床下仕切壁150,155は、界壁に沿って延びるとともに所定間隔をおいて設置された複数の壁部として構成されている。
隙間CL3は、配管や配線を通すことが可能で、かつ人の通り抜け(侵入)が不可能である幅寸法を有するものであり、例えば壁長手方向の幅が、150〜200mm程度に定められている。これにより、床下仕切壁150,155は、床下空間15において空気の流通に加え、配管や配線を通すことを許容するように設定されている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
建物10の床下空間15であって、床上に設けられた界壁30,40の真下位置に、床下空間15における人の移動を阻止しかつ各住戸間の床下空間15における空気の流通を許容する床下仕切壁150,155を設けたため、床下空間15を通って一の住戸から他の住戸へ侵入するような不審行為が規制される一方、防火性能を維持しつつも床下空間15における換気性能がこれまでよりも格段に向上するという利点が得られる。
また、界壁30,40の真下位置に床下仕切壁150,155を設けた構成によれば、平面視での床下仕切壁150,155と界壁30,40とのオフセット分の配慮が不要となり、設計や施工の観点で有利になる。すなわち、仮に界壁30,40の真下でない位置に床下仕切壁150,155を設けた構成では、それらのオフセット分を考慮しつつ人の行き来を阻害するようにして床下仕切壁150,155を設定しなければならず、設計や施工の際に配慮すべき点が多くなるが、こうした不都合を解消できる。
床下仕切壁150,155を、地面から上方へ突出するとともに界壁30,40に沿って延びる立ち上がり部として構成した。そして、界壁30(建物ユニット20のドッキングラインDLと同じ位置に設けられる界壁)の下方では、床下仕切壁150の上端部と一階部分の床大梁23Aとの間に所定の隙間CL1を形成し、界壁40(建物ユニット20のドッキングラインDLとは異なる位置に設けられる界壁)の下方では、床下仕切壁155の上端部と一階部分の床小梁26Aとの間に所定の隙間CL2を形成する構成とした(図10,図11参照)。これにより、床下仕切壁150,155の上端部と床構成材としての床大梁23Aや床小梁26Aとの間に隙間CL1,CL2を設けるようにするという簡単な構成によって空気の流通を許容することができる。床下空間15では床面材よりも下方に床大梁23Aや床小梁26Aが露出しているため、ユニット式建物にあっては、床下仕切壁150,155と床大梁23Aや床小梁26Aとの間に隙間CL1,CL2が形成されるようにすることが設計や施工等の観点で有利である。
このように隙間CL1,CL2を利用した構成によれば、次の利点も得られる。すなわち、人の行き来を阻止するという防犯上の観点で存在する床下仕切壁150,155の性質上、床下仕切壁150,155は堅牢なものであることが望ましいが、床下仕切壁150,155それ単独により空気の流通を確保しようとすれば床下仕切壁150,155に貫通孔を形成する等の必要が生じ、貫通孔による強度低下分を十分な補強材によって補償する必要が生じる。この点、上記構成によれば、床構成材との隙間CL1,CL2を利用するものであるため、過度の補強は必要がないという利点がある。
また、上記のように床下仕切壁150,155と床構成材との間に隙間CL1,CL2が存在している構成において、その必要となる隙間CL1,CL2は、人の移動を阻止しつつ空気の流通を許容できる条件を満たせば任意でよい。そのため、床下仕切壁150,155の高さ精度はかなり低いものであってもよく、設計や製作、施工の各工程における精度要求レベルが低くなることから、設置コスト等の大幅な削減が期待できる。
床下仕切壁150,155を、空気の流通に加え、配管や配線を通すことを許容するように設定したため、複数の住戸の床下における床下換気性能の向上の他に、各住戸にまたがるようにして床下空間15に配管や配線を更に通すことができる。これにより、配線や配管を設置する上での配置レイアウトの自由度が高められるとともに、施工作業性を大いに向上させることができる。
床下仕切壁150,155を、界壁30,40に沿って延びるとともに所定間隔をおいて設置された複数の壁部として構成したため、壁間の隙間を空気の流通に用いたり、配管や配線のための貫通部に用いたりすることができる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・建物10の床下構造を図13(a)(b)のように変更してもよい。図13(a)(b)は、上述した図10と同様、界壁30(建物ユニット20のドッキングラインDLと同じ位置に設けられる界壁)の下方の床下構造を示す断面図である。
図13(a)に示す床下構造では、建物10の床下空間15において2つの床大梁23Aの下方、すなわち界壁30の真下位置に、一階部分12の床大梁23Aの長手方向に沿って、すなわち床大梁23Aに平行となる向きに、繋ぎ基礎161が設けられている。繋ぎ基礎161は、基礎11の地中部分(フーチング)に連続して設けられる地中梁部材であり、基礎相互を連結することで基礎11の移動、ねじれ、不同沈下等が抑制されるようになっている。繋ぎ基礎161は、基礎11よりも地面からの高さが低く、その上部には建物ユニット20が設置されないものとなっている。この場合、基礎11(布基礎)は、少なくとも建物10の外縁部を囲む部位に設けられているのに対し、繋ぎ基礎161は、基礎11において各々対向する中間部を繋ぐ位置に設けられている。なお、繋ぎ基礎161の配筋161aは、基礎11から延びるものとなっている。
繋ぎ基礎161は、その上端部が地面(実際には盛土)よりも上方に突出しており、その繋ぎ基礎161の上面に、阻止部としての床下仕切壁162が設けられている。床下仕切壁162は、地面よりも上方に突出するコンクリート製の立ち上がり部として構成されている。具体的には、床下仕切壁162は、複数の直方体状のコンクリートブロック163を積み上げて構成されており、その上端部の高さ位置が基礎11の上端部と同じになっている。より詳しくは、床下仕切壁162は、複数積み上げたコンクリートブロック163の配筋孔内に補強材としての縦筋材を配した状態でコンクリートを打設することにより構成されている。
図13(a)の構成では、2つの床大梁23Aと床下仕切壁162とが互いに離間して設けられ、それら床大梁23Aと床下仕切壁150との間には、床下空間15における空気の流通を許容するための隙間CL1が形成されている。隙間CL1に関しての構成及び効果は、前述した図10の構成と同様である。
また、図13(b)に示す床下構造では、建物10の床下空間15において2つの床大梁23Aのいずれかに、その床大梁23Aの長手方向に沿って、垂れ下がり部としての壁板材165が取り付けられている。壁板材165は、金属板、強化プラスチック板等の板材よりなり、床大梁23Aのウェブに対してボルト等の締結具(図示略)や溶接処理等により連結されることで、床大梁23Aより下方に垂れ下がった状態で、かつ地面から離間して取り付けられている。壁板材165の上下幅寸法は、一階部分12の床材(床面材28A及び床下断熱材53)から地面(実際には盛土表面)までの高さ寸法よりも短いものとなっており、床大梁23Aのウェブに壁板材165を取り付けた状態で、壁板材165の下端部と盛土表面との間には隙間CL4が形成されている。この隙間CL4は、床下空間15における空気の流通を許容するための隙間であり、その構成及び効果は、前述した図10の構成と同様である。なお、垂れ下がり部を、面格子部材や網体等に構成することも可能である。
上記図13(b)の構成は、建物側に垂れ下がり部を設けるものであるため、基礎11の施工時に界壁に関する配慮を不要にすることができる。
図13(a)(b)の構成を、界壁40(建物ユニット20のドッキングラインDLと異なる位置に設けられる界壁)の下方の床下構造として具体化することも可能である。この場合、図13(a)に示す繋ぎ基礎161上の床下仕切壁162が床小梁26Aに対向して設けられる。また、図13(b)に示す壁板材165が、床小梁26Aより下方に垂れ下がった状態で、かつ地面から離間して取り付けられる。
・図13(b)の構成において、床大梁23A(又は床小梁26A)に壁板材165を折り畳み可能又は伸縮可能に設けてもよい。例えば、壁板材165において床大梁23A(又は床小梁26A)との連結にヒンジを設ける構成とする。又は、複数に分割された壁板を各自スライドさせることで伸縮させる構成とする。さらには、現場施工の際に床大梁23A(又は床小梁26A)に壁板材165を連結する構成としてもよい。こうして壁板材165を折り畳み可能、伸縮可能、又は現場取り付けとすることにより、建物ユニット20から下方に壁板材165(垂れ下がり部)が大幅に突出する構成あっても、工場での製造工程や搬送工程において垂れ下がり部が邪魔になることはない。
ここで、施工現場にて建物ユニット20を横並びに配置する場合、一度に建物ユニットを設置するのではなく先に1つの建物ユニットを設置し、その後に隣接する建物ユニットを設置するという工程が一般的である。したがって、1つの建物ユニットを設置した段階で当該設置された建物ユニットの床大梁23A(又は床小梁26A)から垂れ下がり部を展開したり当該床大梁23A(又は床小梁26A)に垂れ下がり部を連結したりすることにより建物の一部に垂れ下がり部を構築し、その後に隣接する建物ユニットを設置するという施工順序であれば現場施工を効率よく行うことができる。
・床下構造として、専ら空気の流通に活用する隙間を形成する床下仕切壁(阻止部)と、主として配管や配線の通し部分として活用する隙間を形成する床下仕切壁(阻止部)とを別個に設けることも可能である。
・上記実施形態では、界壁30(ユニットドッキングラインDLに沿って設けられる界壁)と、界壁40(ユニットドッキングラインDLとは異なる位置に設けられる界壁)とを共に有する建物を例示したが、戸境壁として界壁30のみを有する建物、又は戸境壁として界壁40のみを有する建物を実現することも可能である。
・上記実施形態では、2階建てユニット式建物に本発明を適用したが、平屋建てユニット式建物や3階以上の階層を有するユニット式建物など、他の形式の建物に本発明を適用することも可能である。その他、ユニット式建物以外の建物への適用も可能である。
実施形態における建物の概略構成を示す正面図。 建物を構成する建物ユニットの配列を示す平面図。 建物ユニットの構成を示す斜視図。 界壁及びその周辺部の断面構成を示す断面図。 界壁及びその周辺部の断面構成を示す断面図。 一階天井裏界壁の詳細を示す斜視図。 二階床下界壁の詳細を示す斜視図。 一階天井裏界壁の詳細を示す斜視図。 二階床下界壁の詳細を示す斜視図。 建物の床下部分の構成を示す断面図。 建物の床下部分の構成を示す断面図。 界壁に沿って設けられる床下仕切壁の設置レイアウトを示す平面図。 他の実施形態における建物の床下部分の構成を示す断面図。
符号の説明
10…建物、20…建物ユニット、21…柱、22…天井大梁(天井梁)、23…床大梁(床梁)、25…天井小梁(天井梁)、26…床小梁(床梁)、30,40…界壁、150,155,162…床下仕切壁(立ち上がり部)、165…壁板材(垂れ下がり部)、A1〜A4…住戸、CL1〜CL4…隙間。

Claims (6)

  1. 複数本の柱とその上下に連結される天井梁及び床梁とを有する複数の建物ユニットが組み合わせて構成されているとともに、隣り合う建物ユニット同士の境界部に沿って第1住戸と第2住戸とを仕切る界壁が設けられているユニット式の建物に適用される床下構造であって、
    床下には、前記界壁を挟んだ第1及び第2住戸間の床下における人の移動を阻止するとともに、前記第1及び第2住戸間の床下における空気の流通を許容する阻止部が設けられており、
    前記阻止部は、前記界壁の真下に設けられ、地面から上方へ突出するとともに前記界壁に沿って延びる立ち上がり部であり、
    前記立ち上がり部が、前記隣り合う建物ユニットにおける対向する2つの床梁よりも下方であって、かつ、それら両床梁の対向方向において当該両床梁間に位置するように配置されることで、当該立ち上がり部の上端部と当該両床梁との間にそれぞれ隙間が形成されていることを特徴とする建物の床下構造。
  2. 前記立ち上がり部は、複数のブロックを積み上げて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の建物の床下構造。
  3. 前記立ち上がり部は、その上端部が基礎の上端部と同じ高さ位置となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の床下構造。
  4. 床下における前記界壁の真下には、建物外周部の基礎同士を繋ぐ繋ぎ基礎が当該界壁に沿って設けられており、
    前記繋ぎ基礎は、その上端部が地面よりも上方に突出した状態で地中に埋設されており、
    前記繋ぎ基礎の上面に床下仕切壁が設けられることにより前記立ち上がり部が構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建物の床下構造。
  5. 前記阻止部は、前記空気の流通に加え、配管や配線を通すことを許容するように設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建物の床下構造。
  6. 前記阻止部は、前記界壁に沿って延びるとともに所定間隔をおいて設置された複数の壁部であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建物の床下構造。
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