JP2014133219A - ガス除去装置およびそれを用いたガス除去方法 - Google Patents

ガス除去装置およびそれを用いたガス除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス吸収量とガス吸収部材のコンパクト性とを両立したガス除去装置を提供すること。
【解決手段】ガス吸収液と多孔質基体とを有し、貫通孔が形成されている、ガス選択吸収部材を備え、ガス吸収液の少なくとも一部が該多孔質基体に含浸されている、ガス除去装置を提供する。ガス除去装置は、さらに、ガス吸収液を再生する再生機構を備えていることが好ましい。また、多孔質基体に含浸されていないガス吸収液を保持する液溜をさらに備えていることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス除去装置およびそれを用いたガス除去方法に関する。
従来、気体中からの特定ガスの除去方法として、化学吸収法、膜分離法および吸着分離法等の種々の方法が行われてきた。例えば化学プラントにおいては、気体中に特定のガス吸収液を噴霧接触させてガスを除去する化学吸収法が使用されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、分離装置が大型になる等の問題がある。特許文献2、3には、ガスとガス吸収液とをガス透過性膜を介して気液接触させることにより、気体中の特定のガスをガス吸収液に吸収させるガス分離装置が記載されている。これらの装置におけるガス透過性膜には、ガス透過性が良好で、かつガス吸収液が漏れ出ないことが要求される。すなわち、ガス透過性膜はガス吸収液を浸透させることなく、ガスのみを通過させる。そして、ガス透過性膜の細孔内を通過したガスがバルクのガス吸収液に接触することによりガス吸収が行われる。このため、気液の接触面積を大きくすることができず、また、吸収されるガスが細孔内を通過する必要があることから、細孔内でのガス交換が必要となるため、ガス吸収能は限られたものになる。
特許文献4〜6には、金属−空気電池等での放電反応時に空気中のCOにより難溶性の化合物が生成することによる空気極の目詰まりを防止することを目的として、空気中のCOを除去するために酸素選択透過性のフッ素樹脂やポリジメチルシロキサン等の高分子膜を用いることが記載されている。しかしながら、これらの場合にCO濃度を十分に低減することは困難であった。
また、酸素濃縮器を有する空気電池が報告されている(特許文献7)。この酸素濃縮器では、CO吸収部材について記載があるが、再生機構を備えていないため、COが飽和して吸着部材が劣化し、一定量しかCOを吸収できないという問題があった。
特許文献8には、Oは透過してCOの透過は抑制し、COを十分に吸着するCO選択吸収部材と、その再生機構とを備え、COを除去した空気を安定的に金属−空気電池の放電に用いることができる金属−空気電池システム及び運転方法が開示されている。
特開2012−45518号公報 特開2009−189929号公報 特開平3−296413号公報 特開平5−062687号公報 特開平7−105991号公報 特開平7−014565号公報 特表2002−516474号公報 特願2012−222772号明細書
本発明の課題は、ガス除去装置における、ガス吸収量とガス吸収部材のコンパクト性とを両立することにある。
本発明は、貫通孔が形成されているガス選択吸収部材を備えたガス除去装置を提供する。ガス選択吸収部材は、多孔質基体とガス吸収液とを有し、ガス吸収液の少なくとも一部が多孔質基体に含浸されている。
本発明のガス除去装置は、好ましくは、さらに、上記ガス吸収液を再生する再生機構を備えている。
また好ましくは、本発明のガス除去装置は、上記ガス吸収液の一部が多孔質基体に含浸されており、多孔質基体に含浸されていないガス吸収液を保持する液溜をさらに備えている。
上記多孔質基体は、セラミック、炭素及び金属からなる群から選択される少なくとも一種から形成されていることが好ましい。
さらに、上記ガス選択吸収部材は、Oに対してCOを選択的に吸収することが好ましい。
また本発明は、上記のガス除去装置を使用したガス除去方法を提供する。
本発明のガス除去方法では、上記ガス除去装置にガスを供給し、ガス選択吸収部材のガス吸収液に除去対象ガスを吸収させてガスから除去対象ガスを除去するガス除去ステップを含んでいる。
また、本発明のガス除去方法では、上記ガス除去装置にガスを供給し、ガス選択吸収部材のガス吸収液に除去対象ガスを吸収させてガスから除去対象ガスを除去するガス除去ステップと、上記ガス吸収液を再生する再生ステップとを含んでいる。
さらに、本発明のガス除去方法では、上記ガス除去装置にガスを供給し、ガス選択吸収部材のガス吸収液に除去対象ガスを吸収させてガスから除去対象ガスを除去するガス除去ステップと、多孔質基体に含浸されたガス吸収液と多孔質基体に含浸されていないガス吸収液とを入れ替える入替ステップとを含んでいる。このガス除去方法において、さらに、前記ガス吸収液を再生する再生ステップを含んでいてもよい。
また本発明は、上記ガス除去装置と、空気極と負極と電解質とを有する充放電部とを備えている、金属−空気電池を提供する。ここで用いられるガス除去装置では、ガス選択吸収部材はOに対してCOを選択的に吸収する。
また本発明は、上記金属−空気電池の運転方法を提供する。本発明の金属−空気電池の運転方法は、放電ステップと再生ステップと充電ステップとを含んでいる。放電ステップでは、上記ガス選択吸収部材によってCOを吸収した精製空気を空気極に供給して放電する。再生ステップでは、上記ガス選択吸収部材の再生処理を行う。
上記再生ステップにおいて、上記液溜に貯留されたガス吸収液と、上記多孔質基体に含浸されたガス吸収液とが入れ替わることが好ましい。
本発明によれば、ガス除去装置における、ガス吸収量とガス吸収部材のコンパクト性とを両立できる。
本発明のガス除去装置の要部構成の一例を示す概略図である。 本発明のガス除去装置におけるガス吸収液の再生方法の一例を説明する図である。 本発明のガス除去装置の要部構成の他の一例を示す概略図である。 本発明のガス除去装置の要部構成の他の一例を示す概略図である。 本発明のガス除去装置の要部構成の他の一例を示す概略断面図である。 本発明のガス除去装置の一例を示す図である。 本発明の金属−空気電池の要部構成の一例を示す概略図である。 本発明の金属−空気電池の運転方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の金属−空気電池の運転方法の他の一例を示すフローチャートである。 実施例でのガス除去を説明する図である。 実施例における、流通ガス中の除去対象ガスの濃度変化を示すグラフである。
1 ガス除去装置
本発明のガス除去装置は、流通ガス中の除去対象ガスを除去する。本発明のガス除去装置は、ガス吸収液と多孔質基体とを有し、ガス吸収液の少なくとも一部が多孔質基体に含浸されているガス選択吸収部材を備えている。ガス選択吸収部材には、貫通孔が形成され、容易にガスが透過できる。なお、本明細書において「除去対象ガスを除去する」とは、ガスに含まれる除去対象ガスの一部が吸収・除去されていればよく、好ましくはガスに含まれる除去対象ガスの50vol%以上、さらに好ましくは70vol%以上、より好ましくは80vol%以上、特に好ましくは90vol%以上が除去されていればよい。また、「流通ガス」を単に「ガス」と、「ガス除去後のガス」を「精製ガス」という場合がある。
1−1 ガス選択吸収部材
ガス選択吸収部材における貫通孔のサイズとしては、気液の接触面積を大きくでき、且つガスの圧損が少なく、ガスをすっと通すサイズが好ましい。貫通孔の直径または幅としては、例えば0.2〜10mm程度、好ましくは1〜5mm程度とすることができる。
除去対象ガスは複数のガスであってもよい。具体的には、CO、HS、NOx、SOx等のガスを吸収・除去できる。このため、プロセスガス中の有害ガスの吸収・除去に有効に使用できる。ガス選択吸収部材は、ガス中の特定の除去対象ガスを、好ましくは選択的に吸収して除去する。Oに対してCOを選択的に吸収する場合には、後述の金属−空気電池に使用出来る。なお、本明細書において、「特定の除去対象ガスを選択的に吸収する」とは、例えば、除去対象ガスの吸収量が他のガスの吸収量に対してモル比で3倍以上、好ましくは5倍以上とすることができる。
1−1−1 ガス吸収液
ガス吸収液としては、ガスを化学的に吸収する化学吸収液、イオン液体など、吸収・除去したいガスに対して公知のガス吸収液が使用できる。化学吸収液としては、吸収・除去したいガスに応じて、アルカリ性液体、酸性液体などを用いることができる。
アルカリ性液体としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミン溶液;アルカリ金属含有溶液、アルカリ土類金属含有溶液などが挙げられる。酸性液体としては、硝酸や硫酸などの無機酸やクエン酸などの有機酸を溶媒中に溶解させたものなどが挙げられる。イオン液体としては、イミダゾリウム塩系イオン液体、ピリジニウム塩類系イオン液体、ホスホニウム系イオン液体などが挙げられる。これらのイオン液体をさらにアミノ基などで修飾したものを用いてもよい。
具体的には、CO吸収液としては、CO親和性のあるイオン液体、モノエタノールアミンやジエタノールアミンなどの液体アミン、水・有機溶媒・イオン液体などの溶媒中に各種アミンやアルカリ金属などのCO親和性のある物質を溶解させたものなどを用いることができる。
ガス吸収液の多孔質基体への含浸量としては、少なくとも一部の貫通孔を維持できれば特に限定されず、含浸量が多い程、ガス吸収量が多くなるため好ましい。ガス吸収液の多孔質基体への含浸量は、多孔質基体100mL当たり1g以上(例えば1〜50g程度)とすることができる。ここで、多孔質基体100mL当たりとは、貫通孔の空間は含まない、基体部分のみ(但し、基体内の細孔は含む)の体積100mL当たりである。また、ガス吸収液は、多孔質基体に含浸されており、多孔質基体に担持されていないことが好ましい。このため、ガス吸収液は多孔質基体から分離可能であり、後述の再生を容易にできる。本発明のガス除去装置においては、ガス吸収液と多孔質基体とは、ガス吸収能を阻害しない態様で、任意に組み合わせることができる。
1−1−2 多孔質基体
ガス吸収液を含浸する多孔質基体としては、細孔を有し、多孔度が高く(嵩密度が低いこと)、ガス吸収液をより多く保持できるものが好ましい。ガスと接する部分と、それ以外の部分の細孔径は、同じでも異なっていてもよい。ガス吸収液が対流しやすいことから、ガスと接する部分以外の平均細孔径の方がより大きい方が好ましい。ガスと接する部分とは、多孔質基体の表面(貫通孔の表面)から0.3nm〜3mm程度の深さとすることができる。
ガスと接する部分の平均細孔径は、多孔質基体の親水性にもよるが、常圧でガス吸収液が漏れなければよく、0.3nm〜3mm程度とすることができ、0.01〜1μm程度が好ましい。ガスと接する部分以外では、ガス吸収液が対流しやすいように、細孔径が大きいものが好ましい。ガスと接する部分以外の平均細孔径は、0.1μm〜5mm程度が好ましく、1〜50μm程度がより好ましい。なお、本明細書において平均細孔径は水銀ポロシメーターもしくはパームポロメーターで測定した値である。
多孔質基体としては、例えば、粉状、粒状、球状、板状、筒状、膜状、シート状、フィルム状、棒状、ハニカム状、デシカントロータ形状等の多孔質体が挙げられる。多孔質基体は、単独でも複数使用されてもよい。多孔質基体としては、貫通孔を有するように板状や筒状等の多孔質基体を複数束ねたものや、貫通孔を有するモノリス等のハニカム形状の多孔体が好ましい。
多孔質基体の材質としては、耐蝕性が高く強度が大きいことから、セラミック;炭素;及びステンレス又はアルミ合金などの金属等が使用できる。なかでもセラミックが好ましく、具体的には、アルミナ、コージェライト、シリカ、チタニア、ジルコニア、炭化ケイ素又は窒化ケイ素が上げられる。金属としては、ステンレス又はアルミ合金が好ましい。多孔質基体の具体例として、例えば、α−アルミナ、コージェライト、γ−アルミナ、ジルコニア、陽極酸化アルミナ、多孔質ガラス、炭化ケイ素、窒化ケイ素などからなるセラミックス、およびステンレスを主とする焼結金属等が広く用いられる。ガス吸収液としてアルカリ性液体や酸性液体などを用いた場合、有機高分子からなる多孔質基体では、腐食などによって多孔質基体が劣化する可能性がある。一方、セラミック;炭素;及び金属からなる多孔質基体では、このような劣化は起こりにくい。
多孔質基体の気孔率としては、気孔の容積が例えば10〜90%、好ましくは20〜60%とすることができる。吸水率は、例えば1〜100%、好ましくは10〜50%とすることができる。ここで吸水率(%)は、多孔質基体への水含浸前後の重量変化より求めることができ、水含浸前の多孔質基体の重量を100%とした場合の、水含浸後の重量の増加分である。
吸水率は、以下の方法で測定できる。
1)乾燥状態での多孔質基体の重量を測定する。
2)多孔質基体を水中に浸漬し真空脱気を2時間行った後に、水中から多孔質基体を取り出して重量を測定する。
3)上記重量より求めた、水含浸前の多孔質基体の重量を100%とした場合の、水含浸後の重量の増加分を吸水率とする。
多孔質基体における貫通孔のサイズとしては、気液の接触面積を大きくでき、且つガスの圧損が少なく、ガスをすっと通すサイズが好ましい。多孔質基体における貫通孔の直径または幅としては、例えば0.2〜10mm程度、好ましくは1〜5mm程度とすることができる。これらの多孔質基体は、公知の方法により製造することができる。
貫通孔の概鉛直方向での多孔質基体断面積に対する貫通孔断面積の割合は、10〜90%、好ましくは20〜80%とすることができる。貫通孔断面積の割合が10%未満の場合、ガスとの接触面積が低くなり、ガスの吸収効率が低下する可能性がある。また、貫通孔断面積の割合が90%よりも大きい場合、多孔質基体中の化学吸収液の移動が不十分となる可能性がある。
多孔質基体のヤング率は、10GPa以上であることが好ましく、50GPa以上であることがより好ましい。多孔質基体のヤング率が10GPa未満であると、多孔質基体へ化学吸収液を導入する際に、多孔質基体が変形し使用できなくなる可能性がある。ヤング率は、応力−ひずみ線図の傾きから求めることができる。
多孔質基体は、ガス吸収液を十分に含浸させるため、親水性であることが好ましい。親水性は、水の接触から求めることができる。接触角は、90°以下であることが好ましく、50°以下であることがより好ましい。有機高分子からなる多孔質基体では、耐蝕性や強度と親水性を両立させることが困難となる可能性がある。一方、セラミック;炭素;及び金属からなる多孔質基体では、このような問題は起こりにくい。親水性は、多孔質基体と同材質にて緻密かつ平滑な板を作製し、JIS R 3257に準拠して測定できる。
多孔質基体は、表面に、撥水性の層(撥水層)を有していてもよい。撥水層を有することにより、含浸されたガス吸収液が外部に浸出することを防止できる。撥水層の材質は、フッ素樹脂等であることが好ましい。撥水層の厚さは、ガス吸収液が透過しなければ特に限定されない。
図1に、本発明のガス除去装置の一例としてのガス除去装置2の要部構成を示す。4は、ガス選択吸収部材である。ガス選択吸収部材4には、貫通孔10が形成されている。ガス選択吸収部材4は多孔質基体6を有し、多孔質基体6にはガス吸収液8が含浸されている。ガス除去装置2では、ガス16をガス選択吸収部材4に透過させることにより、貫通孔10でガス16とガス吸収液8とが接触し、ガス16中の除去対象ガスがガス吸収液8に吸収されて、精製ガス18が得られる。なお、以下の図において、同じ参照符号は同じ部材を表し、説明を省略する場合がある。
1−2 前記ガスを選択的に吸収する液体を再生する再生機構
本発明のガス除去装置は、ガス吸収液を再生する再生機構を備えていてもよい。ここで、再生するとは、吸収したガスの例えば50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上を、ガス吸収液から除去することとすることができる。再生機構は、ガス選択吸収部材を再生できれば特に限定されないが、例えばガス選択吸収部材をヒータ等による加熱、超音波による脱気、減圧による脱気等の再生手段により再生することができる。再生手段は単独でも複数使用されてもよい。再生機構は、ガス選択吸収部材に設けて、多孔質基体に含浸されたガス吸収液を再生してもよい。また、図2に示すように、ガス吸収液をハニカム等の多孔質基体に含浸させて除去対象ガスを吸収させた後、多孔質基体から分離して、別途再生してもよい。再生機構は、後述の液溜に設けても良い。
ガス選択吸収部材を加熱することにより再生する場合、ガス選択吸収部材の再生温度は、例えば50〜150℃、好ましくは100〜120℃とすることができる。ガス選択吸収部材の加熱は、再生用流体や多孔質基体をヒータ等の加熱手段で加熱することによって行ってもよく、マイクロ波などにより加熱してもよく、通電などにより加熱してもよい。また、後述の金属−空気電池に用いる場合には、金属−空気電池の放電、充電、及び/又は再生中に発生する熱を利用することもできる。さらに、ガス除去装置を使用する、電気自動車、プラント等のシステムから排出される排出ガスの排熱を利用しても良い。
1−3 液溜
本発明のガス除去装置は、液溜をさらに備えていても良い。液溜に、多孔質基体に含浸されていないガス吸収液を保持することができる。この場合には、ガス吸収液の一部が多孔質基体に含浸される。このようにすることで、ガス吸収液の量を増大させることができ、ガス吸収量を増加できる。多孔質基体に含浸されているガス吸収液と液溜中のガス吸収液とは、自然対流または強制対流により入れ替えられてもよい。本発明のガス除去装置は、多孔質基体に含浸されているガス吸収液と、多孔質基体に含浸されていないガス吸収液とを強制的に入れ替えるポンプ等の入替機構を備えていてもよい。
図3に、本発明のガス除去装置の一例としてのガス除去装置20の要部構成を示す。ガス除去装置20は、液溜14を有している。図3では、液溜が両側にある例を示すが、片側に1個でもよい。ガス除去装置20では、ガス吸収液8は、液溜14に収容されると共に、一部は多孔質基体6に含浸・保持されている。ガス除去装置20では、ガス16をガス選択吸収部材4に透過させることにより、貫通孔10で、多孔質基体6に含浸・保持されたガス吸収液8とガス16とが接触し、ガス16中の除去対象ガスがガス吸収液8に吸収されて、精製ガス18が得られる。多孔質基体6に含浸・保持されたガス吸収液8は、自然対流により、液溜14に収容されたガス吸収液8と交換され、ガス吸収能をより長期に渡って維持することができる。
図4に、本発明のガス除去装置の一例としてのガス除去装置30の要部構成を示す。ガス除去装置30は、液溜24を備えており、液溜24は開口25を有している。図4では、液溜が両側にある例を示すが、開口のある側に1個でもよい。ガス吸収液8は、液溜24に収容されると共に、一部は多孔質基体6に含浸・保持されている。ガス除去装置30では、ガス吸収液8を、液溜の開口25から取り出して(黒矢印参照)交換することができる。交換するガス吸収液は、未使用のフレッシュなガス吸収液でも良く、上記の再生機構で再生してガス吸収能が再生されたガス吸収液でも良い。ガス吸収液を適当な時期に自動または手動で交換することにより、ガス除去装置のガス吸収能をより長期に渡って維持することができる。液溜24に再生機構を設けた場合には、開口25から除去したガスを放出できる。
図5に、本発明のガス除去装置の一例としてのガス除去装置40の要部構成を示す。ガス除去装置40は、液溜34を備えている。液溜34は、ガス選択吸収部材4から離れた位置に設けられ、開口35を有している。ガス吸収液8は、液溜34に収容されると共に、一部は多孔質基体6に含浸・保持されている。さらに、液溜34にはヒータ等の再生機構12が設けられている。ガス除去装置40においても、ガス除去装置30と同様に、ガス吸収液8を液溜の開口35から入れ替えることができる。また、液溜に設けられた再生機構12でガス吸収液を再生し、再び、多孔質基体6へ移動させて、ガス吸収に使用できる。さらに、再生時に発生した除去対象ガスは、開口35から放出できる。
図6は、本発明のガス除去装置の一例としてのガス除去装置50の概略断面図である。ガス除去装置50では、モノリス形状の多孔質基体6の外側に、例えばOリング等のシール材15を介して一回り径の大きいシリンダ形状の液溜44を配置している。ガス吸収液8は、液溜44に収容されると共に、一部は多孔質基体6に含浸・保持されている。液溜44には、少なくとも2つの開口45、45が設けられている。これらの開口45、45により、ガス吸収液8を循環または入れ替えできる(矢印19)。循環する場合には、不図示の外部流路及び外部流路に設けた液溜において、上記再生機構でガス吸収液8を再生することができる。さらに、ガス吸収液8は、液溜44とガス選択吸収部材4との間を自然対流により移動できるため、より長期に渡りガス吸収能の高い状態でガス吸収に供することができる。
本発明のガス除去装置は、例えば、プロセスガスの精製、自動車用などの金属−空気電池用の精製ガス製造等に使用できる。自動車用の金属−空気電池に用いる場合、1回の走行用として、1〜2kg程度のガス吸収液を備えることが好ましい。ガス吸収液は多い程、ガス吸収能が高くなるため好ましい。このガス吸収液は、多孔質基体に含浸されていても良く、液溜に配置されていてもよい。また、再生されたガス吸収液を含む延べ量として1〜2kgが供給されてもよい。本発明のガス除去装置によれば、コンパクトに、ガス吸収液を装備できる。また、任意のガス吸収液が使用できるため、用途に応じたガス除去装置を容易に提供できる。高性能のガス吸収液を使用すれば、コンパクト性をさらに向上することができる。
また、本発明のガス除去装置は、金属−空気電池用の精製ガス製造以外にも、化学品や薬品などを製造するプラントでのガス精製用途や、燃焼ガスや改質ガスのガス処理用途などに使用できる。
2 ガス除去方法
本発明のガス除去方法では、上記ガス除去装置を使用して除去対象ガスを除去する。本発明のガス除去方法は、ガス選択吸収部材のガス吸収液に除去対象ガスを吸収させて除去するガス除去ステップを含んでいる。
2−1 ガス除去ステップ
ガス除去ステップでは、ガスをガス選択吸収部材に透過させることにより、ガス選択吸収部材の貫通孔の表面で、さらに好ましくは内部の細孔で、ガスとガス吸収液とを接触させ、ガス中の除去対象ガスをガス吸収液に吸収させる。ガス吸収液ならびに多孔質基体としては、上記例示のものを使用できる。
2−2 再生ステップ
本発明のガス除去方法は、再生ステップを有していても良い。再生ステップでは、ガスを吸収したガス吸収液を再生する。再生ステップでは、使用済みのガス吸収液の吸収能を、上記の再生手段を用いて再度高める。ガス吸収液の再生は、(1)多孔質基体に含浸されたままの状態で行っても良く、(2)ガス吸収液を多孔質基体から液溜に分離して、液溜において行っても良く、または、(3)ガス除去装置の外部の流路等に導いてから、そこで行っても良い。
上記(1)の場合には、再生ステップはガス除去ステップを実施していない時に行う。上記(2)(3)の場合、再生ステップはガス除去ステップを実施していない時に行ってもよいし、再生ステップとガス除去ステップとを並行して実施することもできる。再生ステップとガス除去ステップとを並行して実施する場合には、ガス除去装置のより長期的な連続運転が可能である。
2−3 入替ステップ
入替ステップでは、多孔質基体に含浸されたガス吸収液と多孔質基体に含浸されていないガス吸収液とを入れ替える。このようにすることにより、使用済みのガス吸収液を、ガス吸収能を有するガス吸収液(再生済みの液)と交換することができる。入替は、多孔質基体に含浸されているガス吸収液と液溜中のガス吸収液とを、自然対流により入れ替えてもよく、または上記の入替機構により強制的に入れ替えてもよい。
3 金属−空気電池
本発明の金属−空気電池は、上記のガス除去装置と、空気極と負極と電解質とを有する充放電部とを備えている。本発明の金属−空気電池に備えられたガス除去装置では、空気中のCOをOに対して選択的に除去する。そして、空気極にCO濃度が低減された精製ガスを供給する。
本発明の金属−空気電池では、例えば、充放電部は筐体内に収容されている。筐体は空気孔を有しており、この孔を通して金属−空気電池内に空気を導入できる。金属−空気電池は、筐体の空気孔を有する部分と空気極との間に、例えば拡散紙、撥水膜等の中間層を有していても良い。空気極としては、導電性、多孔性を有し、電解液の漏洩・揮発を抑制するものであれば特に限定されず、例えば多孔質炭素等が挙げられる。負極材料としては、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、リチウムなどが挙げられる。中でも、リチウムを負極材料として使用したリチウム空気電池では、空気極(正極)との電位差が大きくなり好ましい。電解液としては、負極材料の塩を含む電解液が用いられ、例えばリチウム空気電池では、リチウム塩を支持塩として含有する有機電解液、リチウムイオンを含有する水性電解液等が使用できる。
ガス除去装置は、筐体の外部に設けてもよく、また、筐体の内部に設けても良い。筐体の内部に設ける場合、空気極の外気供給側の上流側に設けることができる。この場合に、ガス除去装置は、空気極に接するように設けても良く、空気極との間に空間又は中間層を介して設けても良い。さらに、ガス除去装置は、1個でもよく、2個以上使用してもよい。ガス除去装置が2個以上の場合、各ガス除去装置を切り替えながら使用し、使用していない方のガス除去装置を再生してもよい。
図7に示す金属−空気電池200において、空気極204と負極と電解質(図示は省略)とを有する充放電部202である。充放電部202の上流側には、ガス除去装置(例えば、ガス除去装置2、20、30、40又は50)が配置される。金属−空気電池200の空気極204には、上記ガス除去装置を透過させた精製空気が供給される。
本発明の金属−空気電池には、ガス除去装置に外気を供給する外気供給部が設けられていてもよい(不図示)。外気供給部は、ガス除去装置に外気を供給できるものであれば特に限定されず、空気孔、流路等が例示できる。流路としては公知のパイプ等が使用できる。なお、本明細書において、「供給」とは、コンプレッサやファン等を使用して供給すること以外に、自然拡散等で導入することも含む。外気は、概室温状態で供給することが好ましいが、必要に応じて適宜加温又は冷却して導入してもよい。また、外気は、概大気圧状態で供給することが好ましいが、必要に応じて適宜加圧して導入してもよい。
外気供給部は、放電中でなく且つ上記CO選択吸収部材の再生中でない場合に、CO選択吸収部材と外気との接触を絶つ外気遮断機構を有していても良い。外気遮断機構は、必要に応じて、ガス除去装置への外気の供給を遮断できる。外気遮断機構としては、外気供給部における外気の流れを遮断できるものであれば特に限定されず、電磁弁等の公知の流体制御機構が使用できる。ここで、「放電中でなく」かつ「再生中でない」とは、金属−空気電池が使用されず、何もしていない状態をさす。ガス除去装置への外気の供給を遮断することにより、ガス除去装置へのCOの余分な吸収を防止でき、ガス吸収液のガス吸収能の低下を防止できる。
本発明の金属−空気電池は、上記ガス選択吸収部材によってCOを吸収除去した精製空気を上記空気極に供給する精製空気供給部(不図示)を有していてもよい。ここで「供給」とは上記と同様である。精製空気供給部は、空気極に精製空気を供給できるものであれば特に限定されず、空気孔、流路等が例示できる。流路としては公知のパイプ等が使用できる。また、「COを吸収除去した」とは、外気に含まれるCOの一部が吸収・除去されていればよく、好ましくは外気に含まれるCOの50vol%以上、さらに好ましくは70vol%以上、より好ましくは80vol%以上、特に好ましくは90vol%以上が除去されていればよい。上記ガス選択吸収部材によってCOを吸収除去した精製空気は、精製空気供給部を通って空気極に到達する。
精製空気供給部は、上記空気極と上記精製空気との接触を絶つ精製空気遮断機構(不図示)を有していても良い。精製空気遮断機構としては、精製空気供給部における精製空気の流れを遮断できるものであれば特に限定されず、電磁弁等の公知の流体制御機構が使用できる。精製空気遮断機構は、ガス選択吸収部材の再生を行うときに、上記空気極と上記精製空気との接触を絶つことが好ましい。精製空気遮断機構は、例えば、空気極とガス選択吸収部材の間の流路を閉じる機構であってもよい。
4 金属−空気電池の運転方法
本発明の金属−空気電池の運転方法は、上記の金属−空気電池の運転方法であって、ガス選択吸収部材によってCOを吸収した空気を空気極に供給して放電する放電ステップと、ガス選択吸収部材の再生処理を行う再生ステップとを含んでいる。
4−1 放電ステップ
本発明の金属−空気電池の運転方法に含まれる放電ステップでは、上記ガス選択吸収部材によってCOを吸収した空気を空気極に供給して放電する。より具体的には、例えば、ガス除去装置に外気供給部から外気を導き、ガス選択吸収部材によってCOが吸収除去された空気を、精製空気供給部により空気極に導き、放電を行う。空気極には、COが吸収除去され、好ましくは外気に含まれるCOの50vol%以上、さらに好ましくは70vol%以上、より好ましくは80vol%以上、特に好ましくは90vol%以上が除去された精製空気が供給されるため、空気極の目詰まりを少なくすることができる。
4−2 再生ステップ
本発明の金属−空気電池の運転方法に含まれる再生ステップでは、上記再生機構により、ガス選択吸収部材の再生を行う。再生ステップにおいて、ガス選択吸収部材に吸収されたCOの例えば50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上が除去される。再生ステップ中は、空気極とガス選択吸収部材の間の流路を閉じることが好ましい。
4−3 充電ステップ
本発明の金属−空気電池の運転方法は、さらに充電ステップを含んでいても良く、再生ステップを充電ステップ時に行ってもよい。充電ステップでは、金属−空気電池を充電する。充電方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。なお、充電ステップにおいて、上記再生ステップを常に行っても良いし、常には行わず必要に応じて行っても良い。
4−4 休止ステップ
本発明の金属−空気電池の運転方法は、さらに、放電中でなく、かつガス選択吸収部材の再生中でない場合に、ガス選択吸収部材と外気との接触を絶つ休止ステップを含んでいても良い。放電中でなく、かつガス選択吸収部材の再生中でない場合とは、上記と同様である。休止ステップを含むことにより、ガス選択吸収部材のガス吸収能の低下を防ぐことができる。
<バッチ式の運転例>
再生ステップを充電ステップ時に行う例を説明する。この場合、放電ステップでCOを吸収したガス選択吸収部材が、充電ステップ時に再生ステップにおいて再生される。具体的には、例えば、ガス選択吸収部材がハニカム形状の多孔質基体にガス吸収液が含浸されているものである場合において、以下の(1)と(2a)、または(1)と(2b)により運転できる。
(1)放電ステップにおいて、COを含んだ外気がハニカムを通過する際に、ガス吸収液がOに対してCOを選択的に吸収し、COを除去した空気が生成される。
(2a)充電ステップにおいて再生ステップを行う。ガス選択吸収部材を加熱し、ガス吸収液に吸収されたCOを取り除き、外部に排気する。COを脱着し再生されたガス吸収液が、放電ステップにおいて再びCOを吸収する。
(2b)充電ステップにおいて再生ステップを行う。上記の液溜を加熱し、ガス吸収液に吸収されたCOを取り除き、外部に排気する。COを脱着し再生されたガス吸収液を自然対流または強制対流でハニカムに含浸させ、放電ステップにおいて再びCOを吸収する。
<連続的な運転例>
本発明の金属−空気電池の運転方法では、例えば放電ステップ中に再生ステップを行い、連続的にガス選択吸収部材を再生することもできる。具体的には、例えば、ガス除去装置として前述のガス除去装置50を使用する場合には、
(1)COを含んだ外気をガス選択吸収部材4に透過させ、
(2)外気中のCOを、多孔質基体6に含浸されたガス吸収液8に吸収させることにより、ガス選択吸収部材4を透過した外気はCOが除去された空気(精製空気)となる。
この場合に、液溜44に貯留されたガス吸収液8と、多孔質基体6に含浸されたガス吸収液8とが、自然に対流して入れ替わる。このため、多孔質基体6に含浸されたガス吸収液8のガス吸収能が長時間維持される。
(3)一方、液溜に設けられた2つの開口45、45から、ガス吸収液8を循環できる。具体的には、1つの開口45からガス吸収液8を液溜44の外部に流出させ、不図示の再生チャンバで加熱してCOを脱着させる。これを他の開口45から液溜44に流入させることができる。
また、ガス選択吸収部材がデシカントロータ形状の多孔質基体にガス吸収液を含浸したものである場合には、CO選択吸収側においては、
(A1)COを含んだ外気をデシカントロータの一部に通過させ、外気中のCOがデシカントロータに吸収され、
(A2)デシカントロータを通過した外気はCOが除去された空気(精製空気)となる。
そして、CO選択吸収部材の再生側(CO脱着側)においては、
(B1)ガス吸収液に吸収されたCOを取り除くために、必要に応じ液溜または多孔質基体の温度を上げて、ガス吸収液からCOを脱着させて排気させる。
(B2)COを脱着されたガス吸収液は、再度回転するデシカントロータ形状の多孔質基体と共にCO選択吸収側に戻り、COを吸収する。
このように、ガス選択吸収部材がデシカントロータ形状の場合には、デシカントロータの一部でCOの吸収を行いつつ、デシカントロータの他の部分でCOの脱着(再生)を行うことができる。
図8〜9に、本発明の金属−空気電池の運転方法の実施形態の例を示す。
図8に示すように、本発明の金属−空気電池の運転方法の一例では、例えば、筐体の空気孔から空気極に、CO選択吸収部材によりCOが除去された空気を導くことにより、発電を開始し、放電を行う(放電ステップ)。この時、CO選択吸収部材はCOを吸収する。
続いて、放電ステップ終了後、充電し(充電ステップ)、充電時に再生機構によりCO選択吸収部材の再生を行う(再生ステップ)。再生ステップにおいて、CO選択吸収部材はCOを脱着し、CO吸収能を回復する。その後、CO吸収能を回復したCO選択吸収部材により、再び、COを除去した空気を空気極に導くことにより、放電を行うことができる(放電ステップ)。
また、他の一例においては、図9に示すように、放電中でなく(放電ステップ終了後)、かつ上記CO選択吸収部材の再生中でない場合に、さらに休止ステップを行うことができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によりなんら限定されるものではない。
実施例1、2ならびに比較例1
図10に示すように、直径2.5mmの貫通孔を55個有する、外径30mm、全長160mmの多孔質アルミナからなるモノリス形状の多孔質基体に、CO吸収液としてジエタノールアミン(DEA)を所定量(表1)含浸させて、CO選択吸収部材を作製した。なお、多孔質基体の貫通孔表面の細孔径は0.1μmであった。また、多孔質基体の両端面にはガラスを使用したシール部が形成されたものを使用した。
CO選択吸収部材に、3.6vol%のCOを含むNガスを40mL/minで透過させた際の、CO選択吸収部材出口のCO濃度を表2と図11に示す。図11において、破線は、供給ガスのCO濃度である。図11に示されるように、実施例1、2では、CO濃度を長期に渡って低下させることができた。ガス吸収液の含浸量を増加させた場合には、自然対流によりガスに接触するガス吸収液が入れ替わり、より長期に渡ってCO濃度を低下させることができた。
Figure 2014133219
Figure 2014133219
本発明のガス除去装置は、広範囲のガス吸収液に適用可能であり、特別なガス吸収液を使用しなくても、ガス吸収量とコンパクト性を両立できる。また、ガス吸収能の高いガス吸収液を使用することにより、ガス吸収量とコンパクト性をさらに向上できる。さらに、本発明のガス除去装置では、ガス吸収液の少なくとも一部が多孔質基体に含浸された状態でガス吸収を行うため、気液の接触面積を大きくすることができ、優れたガス吸収能を発揮できる。
2、20、30、40、50 ガス除去装置
4 ガス選択吸収部材
6 多孔質基体
8 ガス吸収液
10 貫通孔
12 再生機構
14、24、34、44 液溜
15 シール材
16 ガス
18 精製ガス
19 ガス吸収液の流れ
25、35、45 液溜の開口
200 金属−空気電池
202 充放電部
204 空気極

Claims (14)

  1. ガス吸収液と多孔質基体とを有し、貫通孔が形成されている、ガス選択吸収部材を備え、
    該ガス吸収液の少なくとも一部が該多孔質基体に含浸されている、
    ガス除去装置。
  2. さらに、前記ガス吸収液を再生する再生機構を備えている、
    請求項1記載のガス除去装置。
  3. 前記ガス吸収液の一部が前記多孔質基体に含浸されており、
    前記多孔質基体に含浸されていないガス吸収液を保持する液溜をさらに備えている、
    請求項1又は2記載のガス除去装置。
  4. 前記多孔質基体が、セラミック、炭素及び金属からなる群から選択される少なくとも一種からなる、
    請求項1〜3の何れか1項に記載のガス除去装置。
  5. 前記ガス選択吸収部材が、Oに対してCOを選択的に吸収する、
    請求項1〜4の何れか1項に記載のガス除去装置。
  6. 請求項1記載のガス除去装置を使用したガス除去方法であって、
    前記ガス除去装置にガスを供給し、ガス選択吸収部材のガス吸収液に除去対象ガスを吸収させて該ガスから該除去対象ガスを除去するガス除去ステップを含んでいる、
    ガス除去方法。
  7. 請求項2記載のガス除去装置を使用したガス除去方法であって、
    前記ガス除去装置にガスを供給し、ガス選択吸収部材のガス吸収液に除去対象ガスを吸収させて該ガスから該除去対象ガスを除去するガス除去ステップと、
    前記ガス吸収液を再生する再生ステップと
    を含んでいる、ガス除去方法。
  8. 請求項3記載のガス除去装置を使用したガス除去方法であって、
    前記ガス除去装置にガスを供給し、ガス選択吸収部材のガス吸収液に除去対象ガスを吸収させて該ガスから該除去対象ガスを除去するガス除去ステップと、
    前記多孔質基体に含浸されたガス吸収液と前記多孔質基体に含浸されていないガス吸収液とを入れ替える入替ステップと
    を含んでいる、ガス除去方法。
  9. さらに、前記ガス吸収液を再生する再生ステップを含んでいる、
    請求項8記載のガス除去方法。
  10. 前記多孔質基体が、セラミック、炭素及び金属からなる群から選択される少なくとも一種からなる、
    請求項6〜9の何れか1項に記載のガス除去方法。
  11. 前記ガス選択吸収部材が、Oに対してCOを選択的に吸収する、
    請求項6〜10の何れか1項に記載のガス除去方法。
  12. 請求項5記載のガス除去装置と、
    空気極と負極と電解質とを有する充放電部と
    を備えている、金属−空気電池。
  13. 請求項12記載の金属−空気電池の運転方法であって、
    前記ガス選択吸収部材によってCOを吸収した精製空気を前記空気極に供給して放電する放電ステップと、
    前記ガス選択吸収部材の再生処理を行う再生ステップと、
    充電ステップと
    を含んでいる、金属−空気電池の運転方法。
  14. 前記再生ステップにおいて、前記液溜に貯留されたガス吸収液と、前記多孔質基体に含浸されたガス吸収液とが入れ替わる、
    請求項13記載の金属−空気電池の運転方法。
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