JP6068912B2 - Co2選択吸収部材を備えた金属−空気電池システム及びその運転方法 - Google Patents
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Description
好ましくは、放電中でなく且つ上記CO2選択吸収部材の再生中でない場合に、上記CO2選択吸収部材と外気との接触を絶つ外気遮断機構を、上記外気供給部に有していてもよい。
また、好ましくは、上記CO2選択吸収部材の再生を行うときに、上記空気極と上記精製空気との接触を絶つ精製空気遮断機構を、上記精製空気供給部に有していてもよい。
上記CO2選択吸収部材はメソポーラス材料または/及びゼオライトを含んでいることが好ましい。
好ましくは、本発明の金属−空気電池システムの運転方法では、さらに充電ステップを含み、上記再生ステップを上記充電ステップ時に行ってもよい。
また、好ましくは、放電中でなく、かつ上記CO2選択吸収部材の再生処理中でない場合に、上記CO2選択吸収部材と外気との接触を絶つ休止ステップを含んでいてもよい。
さらに、上記再生ステップにおいて上記CO2選択吸収部材の再生処理を行うときに、上記空気極と上記精製空気との接触を絶つことが好ましい。
本発明の金属−空気電池システムは、筐体、及び筐体内に収容され、空気極と負極と電解質とを有する充放電部を備えた金属−空気電池と、O2に対してCO2を選択的に吸収するCO2選択吸収部材を有するCO2吸収部と、CO2吸収部に外気を供給する外気供給部と、CO2選択吸収部材によってCO2を吸収除去した精製空気を空気極に供給する精製空気供給部と、CO2選択吸収部材を再生する再生機構とを有している。
本発明の金属−空気電池システムに含まれる金属−空気電池は、筐体、及び筐体内に収容され、空気極と負極と電解質とを有する充放電部を備えている。筐体は空気孔を有しており、この孔を通して金属−空気電池内に空気が導入される。金属−空気電池は、筐体の空気孔を有する部分と空気極との間に、例えば拡散紙、撥水膜等の中間層を有していても良い。空気極としては、導電性、多孔性を有し、電解液の漏洩・揮発を抑制するものであれば特に限定されず、例えば多孔質炭素等が挙げられる。負極材料としては、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、リチウムなどが挙げられる。中でも、リチウムを負極材料として使用したリチウム空気電池では、空気極(正極)との電位差が大きくなり好ましい。電解液としては、負極材料の塩を含む電解液が用いられ、例えばリチウム空気電池では、リチウム塩を支持塩として含有する有機電解液、リチウムイオンを含有する水性電解液等が使用できる。
本発明の金属−空気電池システムに含まれるCO2吸収部は、O2に対してCO2を選択的に吸収するCO2選択吸収部材を有する。なお、本明細書において、「吸収」は吸着も含み、また、「O2に対してCO2を選択的に吸収する」とは、例えば、CO2の吸収量がO2の吸収量に対してモル比で3倍以上、好ましくは5倍以上とすることができる。
O2に対してCO2を選択的に吸収するCO2選択吸収部材としては、無機骨格を有する無機材料、イオン液体、アルカリ性液体などを用いることができ、中でも無機材料やイオン液体が好ましく用いられる。
外気供給部は、CO2吸収部に外気を供給する。外気供給部は、CO2吸収部に外気を供給できるものであれば特に限定されず、空気孔、流路等が例示できる。流路としては公知のパイプ等が使用できる。なお、本明細書において、「供給」とは、コンプレッサやファン等を使用して供給すること以外に、自然拡散等で導入することも含む。外気は、概室温状態で供給することが好ましいが、必要に応じて適宜加温又は冷却して導入してもよい。また、外気は、概大気圧状態で供給することが好ましいが、必要に応じて適宜加圧して導入してもよい。
本発明の金属−空気電池システムに含まれる精製空気供給部は、上記CO2選択吸収部材によってCO2を吸収除去した精製空気を上記空気極に供給する。ここで「供給」とは上記と同様である。精製空気供給部は、空気極に精製空気を供給できるものであれば特に限定されず、空気孔、流路等が例示できる。流路としては公知のパイプ等が使用できる。また、「CO2を吸収除去した」とは、外気に含まれるCO2の一部が吸収あるいは吸着により除去されていればよく、好ましくは外気に含まれるCO2の50vol%以上、さらに好ましくは70vol%以上、より好ましくは80vol%以上、特に好ましくは90vol%以上が除去されていればよい。上記CO2選択吸収部材によってCO2を吸収除去した精製空気は、精製空気供給部を通って空気極に到達する。
本発明の金属−空気電池システムは、CO2選択吸収部材を再生する再生機構を有する。ここで、再生するとは、吸収したCO2の例えば70モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上を除去することとすることができる。再生機構は、CO2選択吸収部材を再生できれば特に限定されないが、例えばCO2選択吸収部材を加熱または/及び減圧することにより再生することができる。また、再生用流体をCO2選択吸収部材に導入することにより、除去したCO2を速やかに排出することができるため、再生機構は、例えば、再生用流体供給部を備えていることが好ましい。この場合、再生用流体が再生用流体供給部を通って上記CO2吸収部へ到達できる。再生用流体供給部としてはCO2吸収部に再生用流体を供給できるものであれば特に限定されず、空気孔、流路等が例示できる。流路としては公知のパイプ等が使用できる。
本発明の金属−空気電池システムの運転方法は、上記の金属−空気電池システムの運転方法であって、CO2選択吸収部材によってCO2を吸収した空気を空気極に供給して放電する放電ステップと、CO2選択吸収部材の再生処理を行う再生ステップとを含んでいる。
本発明の金属−空気電池システムの運転方法に含まれる放電ステップでは、上記CO2選択吸収部材によってCO2を吸収した空気を空気極に供給して放電する。より具体的には、例えば、CO2吸収部に外気供給部から外気を導き、CO2選択吸収部材によってCO2が吸収除去された空気を、精製空気供給部により空気極に導き、放電を行う。空気極には、CO2が吸収除去され、好ましくは外気に含まれるCO2の50vol%以上、さらに好ましくは70vol%以上、より好ましくは80vol%以上、特に好ましくは90vol%以上が除去された精製空気が供給されるため、空気極の目詰まりを少なくすることができる。
本発明の金属−空気電池システムの運転方法に含まれる再生ステップでは、上記CO2選択吸収部材の再生処理を行う。再生処理方法は、CO2選択吸収部材に吸収されたCO2の例えば70モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上を除去できれば、特に限定されない。再生ステップとしては、例えば、上記再生用流体を再生用流体供給部を通して上記CO2吸収部へ導き、さらにCO2吸収部を通過させて外気供給部から排出させてもよい。金属−空気電池システムが再生用流体導入機構を有する場合には、必要に応じて再生用流体導入機構を開くことにより、CO2吸収部へ再生用流体を供給できる。CO2吸収部を通過した再生用流体は、外気供給部から排出できる。また、再生用流体は、外気供給部から導入して、再生用流体供給部から排出させても良い。再生ステップにおいてCO2選択吸収部材の再生を行うときに、空気極とCO2選択吸収部材の間の、精製空気供給部の精製空気遮断機構を閉じることが好ましい。
本発明の金属−空気電池システムの運転方法は、さらに充電ステップを含んでいても良く、再生ステップを充電ステップ時に行ってもよい。充電ステップでは、金属−空気電池を充電する。充電方法は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。なお、充電ステップにおいて、上記再生ステップを常に行っても良いし、常には行わず必要に応じて行っても良い。
本発明の金属−空気電池システムの運転方法は、さらに、放電中でなく、かつCO2選択吸収部材の再生中でない場合に、CO2選択吸収部材と外気との接触を絶つ休止ステップを含んでいても良い。放電中でなく、かつCO2選択吸収部材の再生中でない場合とは、上記と同様である。休止ステップを含むことにより、CO2選択吸収部材の劣化を防ぐことができる。CO2選択吸収部材と外気との接触は、上記外気遮断機構を閉じることにより絶つことができる。
再生ステップを充電ステップ時に行う例を説明する。この場合、放電ステップでCO2を吸着(吸収)したCO2選択吸収部材が、充電ステップ時に再生ステップにおいて再生される。具体的には、例えば、CO2選択吸収部材がハニカム形状の担体にゼオライトが担持されているものである場合には、放電ステップにおいて(1)CO2を含んだ外気がハニカムを通過する際に、(2)ゼオライトがO2に対してCO2を選択的に吸着(吸収)し、(3)CO2を除去した空気が生成される。次に充電ステップにおいて同時に再生ステップを行い、(1)再生用流体をハニカムに通過させ、(2)ゼオライトに吸着(吸収)されたCO2を取り除くため、必要に応じて再生用流体の温度を上げてハニカムに送り、(3)再生用流体がゼオライトからCO2を脱着して排気される。CO2を脱着したゼオライト担持ハニカムは、放電ステップにおいて再び外気を導入され、CO2を吸着(吸収)する。
本発明の金属−空気電池システムの運転方法では、例えば放電ステップ中に再生ステップを行い、連続的にCO2選択吸収部材を再生することもできる。具体的には、例えば、CO2選択吸収部材がデシカントロータ形状の場合には、CO2選択吸収側(CO2吸着側)においては、(1)CO2を含んだ外気をデシカントロータの一部に通過させ、(2)外気中のCO2がデシカントロータに吸着(吸収)し、(3)デシカントロータを通過した外気はCO2が除去された空気(精製空気)となる。そして、CO2選択吸収部材の再生側(CO2脱着側)においては、(1)再生用流体をデシカントロータの一部に通過させ、(2)デシカントロータに吸着(吸収)されたCO2を取り除くために、必要に応じて再生用流体の温度を上げてデシカントロータに送り、(3)再生用流体がデシカントロータからCO2を脱着させて排気される。CO2を脱着されたデシカントロータは回転して再びCO2選択吸収側に戻り、CO2を吸着(吸収)する。このように、CO2選択吸収部材がデシカントロータ形状の場合には、デシカントロータの一部でCO2の吸着(吸収)を行いつつ、デシカントロータの他の部分でCO2の脱着(再生)を行うことができる。
図8に示すように、本発明の金属−空気電池システムの運転方法の一例では、例えば、筐体の空気孔から空気極に、CO2選択吸収部材によりCO2が除去された空気を導くことにより、放電を行う(放電ステップ)。この時、CO2選択吸収部材はCO2を吸着する。
続いて、充電し(充電ステップ)、充電時に再生機構によりCO2選択吸収部材の再生を行う(再生ステップ)。再生ステップにおいて、CO2選択吸収部材はCO2を脱着し、CO2吸着能を回復する。その後、再び、空気極にCO2選択吸収部材によりCO2を除去した空気を導くことにより放電を行うことができる(放電ステップ)。
アミン修飾メソポーラスシリカ粉末、DDR型ゼオライト粉末、X型ゼオライト粉末について、CO2とO2について吸着試験を行った。上記粉末を、120℃で8時間の真空脱気を行った後、定容法にて、CO2とO2の吸着量を求めた。
試験条件、結果は以下の通りであった。
試験条件
温度:25℃
圧力:100kPa
吸着試験結果
アミン修飾メソポーラスシリカ
CO2:1.67mmol/g
O2:0.40mmol/g
DDR型ゼオライト
CO2:1.26mmol/g
O2:0.13mmol/g
X型ゼオライト
CO2:1.98mmol/g
O2:0.37mmol/g
続いて、湿度10%の空気に24時間暴露したアミン修飾メソポーラスシリカ粉末、DDR型ゼオライト粉末、X型ゼオライト粉末について、吸着量測定前に真空脱気を行わなかった以外は吸着試験1と同様にして、CO2の吸着量を求めた。
試験結果は以下の通りであった。
アミン修飾メソポーラスシリカ
CO2:1.06mmol/g
DDR型ゼオライト
CO2:0.89mmol/g
X型ゼオライト
CO2:0.07mmol/g
2 金属−空気電池
3、3’ 中間層
4 空気極
5 CO2選択吸収部材
6 CO2吸収部
7 外気供給部
8 精製空気供給部
9 再生用流体供給部
10 再生機構
12 外気遮断機構
14 精製空気遮断機構
16 再生用流体導入機構
Claims (6)
- 筐体、及び前記筐体内に収容され、空気極と負極と電解質とを有する充放電部を備えた金属−空気電池と、
O2に対してCO2を選択的に吸収するCO2選択吸収部材を有するCO2吸収部と、
前記CO2吸収部に外気を供給する外気供給部と、
前記CO2選択吸収部材によってCO2を吸収除去した精製空気を前記空気極に供給する精製空気供給部と、
前記CO2選択吸収部材を再生する再生機構と
を有し、
前記精製空気供給部は、前記CO 2 選択吸収部材の再生を行うときに、前記空気極と前記精製空気との接触を絶つ精製空気遮断機構を有する、
金属−空気電池システム。 - 放電中でなく且つ前記CO2選択吸収部材の再生中でない場合に、前記CO2選択吸収部材と外気との接触を絶つ外気遮断機構を、前記外気供給部に有する、
請求項1に記載の金属−空気電池システム。 - 前記CO2選択吸収部材がメソポーラス材料または/及びゼオライトを含む、
請求項1又は2に記載の金属−空気電池システム。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の金属−空気電池システムの運転方法であって、
前記CO2選択吸収部材によってCO2を吸収した空気を前記空気極に供給して放電する放電ステップと、
前記CO2選択吸収部材の再生処理を行う再生ステップと
を含み、
前記再生ステップにおいて前記CO 2 選択吸収部材の再生処理を行うときに、前記空気極と前記精製空気との接触を絶つ、
金属−空気電池システムの運転方法。 - さらに充電ステップを含み、前記再生ステップを前記充電ステップ時に行う、
請求項4に記載の金属−空気電池システムの運転方法。 - 放電中でなく、かつ前記CO2選択吸収部材の再生処理中でない場合に、前記CO2選択吸収部材と外気との接触を絶つ休止ステップを含む、
請求項4又は5に記載の金属−空気電池システムの運転方法。
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