JPH0714565A - 電 池 - Google Patents

電 池

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JPH0714565A
JPH0714565A JP5180030A JP18003093A JPH0714565A JP H0714565 A JPH0714565 A JP H0714565A JP 5180030 A JP5180030 A JP 5180030A JP 18003093 A JP18003093 A JP 18003093A JP H0714565 A JPH0714565 A JP H0714565A
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JP
Japan
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film
air
battery
positive electrode
polytetrafluoroethylene
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Application number
JP5180030A
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English (en)
Inventor
Shunichi Shimatani
俊一 島谷
Minoru Ezoe
実 江副
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【構成】 空気孔(21)が設けられてなる正極容器(2) の
内側に酸素を活性物質とする空気極(5) が配設され、こ
の空気極(5) と正極容器(2) との間隙に選択透過性を有
する積層膜(7) が介在ている。選択透過性を有する積層
膜(7) は、複数の透過孔が穿設された均一性フィルム(7
1)と、この均一性フィルム(71)の両側に積層される無数
の微孔部を有するポリテロラフルオロエチレン膜(72)と
から構成される。また、必要に応じて積層膜(7)と空気
極(5)との間隙、或いは正極容器(2)との間隙、積層膜
(7)と空気極(5)及び正極容器(2)との両方の間隙にそれ
ぞれ空気拡散多孔体(8)を介在させてもよい。また空気
極(5) にポリテトラフルオロエチレン多孔膜を隣設させ
てもよい。 【効果】 水蒸気の透過が阻止されるとともに、酸素の
みを効率良く透過させることができる優れた選択透過性
を示し、高湿度下においても優れた放電特性を示すこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電池に係り、その目的
は、内部に配設される膜材料の選択透過性が極めて良好
で、湿度等外気の環境条件が変化しても電池内の重量変
化や電池の持つ作動電圧等の性能の変化が小さく、環境
変化による影響を受けにくい重負荷放電特性と高低湿の
雰囲気下での長期放電特性を兼ね備えた電池の提供にあ
る。
【0002】
【発明の背景】現在、マンガン乾電池に代わる強力タイ
プの電池として、燃料電池、空気電池等の「アルカリ電
池」の使用が主流となってきている。この「アルカリ電
池」の一例として、ボタン型の空気電池の構造を図9に
示す。図示するように、ボタン型の空気電池では、内部
に空気を拡散させる拡散紙(k) 、空気の出入りを制御
し、漏液の防止を行う撥水膜(c) 、空気極(b) 、セロハ
ンセパレーター(s) がそれぞれ配設された正極容器(p)
と、電解液と亜鉛粉末との混合体からなる負極亜鉛(z)
が設けられた負極容器(m) とがそれぞれガスケット(g)
を介して封口された構成とされている。この空気電池
(E)では、正極容器(p) の底部に空気孔(a) が設けられ
ており、この空気孔(a) のシール(t) を剥がして、空気
を自然に取り入れ、その酸素を活性物質として使用する
ものであった。
【0003】このような空気電池は、水銀などの重金属
をほとんど使用せず、環境汚染等の問題を起こすことの
ない次世代型の優れた電池ではあるが、外部環境による
影響を受けやすく、特に湿度の変化がその性能に大きな
影響を与えてしまうという問題があった。すなわち、電
解液の持つ相対湿度より外部の相対湿度の方が高い場合
には、外気の湿気が電池内に取り込まれてしまうため電
解液濃度が低下し、放電性能の低下、電解液の漏液等が
生じやすく、逆に外部の相対湿度が電解液の相対湿度以
下の場合には電解液の蒸発が起こり、電池内内部抵抗が
増大して電池寿命(長期間放置した後の電池特性)が劣
ってしまいやすくなる傾向にあった。そこで、このよう
な相対湿度による影響を軽減させるため、空気極(b) と
空気孔(a) との間に膜を設ける構成が検討されはじめ、
電池内部に配設される膜についての研究が広く進められ
ている。
【0004】
【従来の技術】空気電池内部に配設される膜としては、
高分子材料からなる膜が従来より検討されていた。しか
し、一般に高分子材料からなる膜では、酸素よりも水蒸
気をよく透過させる性質があり、親水性の素材はもちろ
ん、フッ素樹脂のような疎水性の素材さえも選択的に水
蒸気を通す傾向にある。従って、酸素透過性を向上させ
るため薄膜化したり、シリコン樹脂のような酸素透過性
の高い高分子素材膜を用いても、やはり水蒸気の方が酸
素よりも多く透過されてしまう結果となっていた。その
ため、このような膜を電池に用いた場合、前記したよう
に、電池内外における水蒸気の透過が避けられないた
め、たとえ活性物質である酸素を多く取り入れて高い電
流値を得ようとしても、長期保存性や寿命、放電特性な
どの性質が低下してしまうという問題が存在した。
【0005】以上のように、ほとんどすべての高分子フ
ィルムには、水蒸気に対する選択透過性があるため、現
在実用化されている大部分の空気電池では、ポリテトラ
フルオロエチレン製の多孔膜が用いられている。ポリテ
トラフルオロエチレン製の多孔膜では、他の高分子フィ
ルムとは異なり、酸素と水蒸気とをほぼ同じ速度で透過
させる性質があるため、空気電池内部において使用する
には優れた素材であった。
【0006】しかし、このようなポリテトラフルオロエ
チレン製の多孔膜においても、やはり水蒸気の透過が避
けられないという課題が存在した。そこで、ポリテトラ
フルオロエチレン製多孔膜の開口比や孔径をできるだけ
小さくせんとする技術も試みられているが、このように
開口比や孔径を小さくすると、水蒸気の透過は抑えられ
るが、同時に活性物質である酸素の透過までもが、水蒸
気の透過以上に阻害されてしまい、このような膜を電池
に使用した場合には肝心の電流が充分に得られなくなっ
てしまうという課題が存在した。すなわち、図10にて
示すように、前記したポリテトラフルオロエチレン製の
多孔膜では、その開口比を小さくすると、この膜に得ら
れる電流が極端に低下してしまい、そのうえ、得られる
電流の値にバラツキが生じてしまうという課題が存在し
た。しかも、このようなポリテトラフルオロエチレン製
の多孔膜では、その開口比や孔径をコントロールするこ
とが困難で、バラツキが生じやすく、また、この開口比
や孔径のバラツキが電池の性能に大きく影響を与えてし
まうという課題が存在した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記実情に照らし、業
界では、この創出技術よりもさらに優れた選択透過性を
備え、湿度等の外気の環境条件が変化しても、放電性能
や重量等に与える影響が極めて小さく、環境変化による
影響を受けにくい重負荷放電特性と高低湿の雰囲気下で
の長期放電特性を兼ね備えた、より優れた電池の創出が
望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明では空気孔が設
けられてなる正極容器の内側に酸素を活性物質とする空
気極が配設され、この空気極と正極容器との間隙に選択
透過性を有する積層膜が介在されてなる電池であって、
前記積層膜は複数の透過孔が穿設された均一性フィルム
と、この均一性フィルムの両側に積層された無数の微孔
部を有するポリテトラフルオロエチレン膜とから構成さ
れてなることを特徴とする電池を提供することにより上
記従来の課題を悉く解消する。
【0009】
【作用】複数の透過孔が穿設された均一性フィルムと無
数の微孔部を有するポリテトラフルオロエチレン膜とか
ら構成される積層膜を、正極容器内側と空気極との間隙
に配設することにより、外気からの水蒸気が遮断され、
水蒸気の透過が阻止されるとともに、電池用としての十
分な酸素透過速度が発現され、重負荷においても優れた
実用性能と安定した長期保存性が得られ、均一性フィル
ムのみからなる膜以上に、高湿度下における放電特性が
良好になる。また、正極容器と積層膜との間隙或いは空
気極と積層膜との間隙及び正極容器と積層膜との間隙と
空気極と積層膜との間隙とに空気拡散多孔体を設ける構
成とした場合には、より酸素を効率良く空気極に送り込
むことができる。さらに、空気極に、酸素の透過の抵抗
にならない孔度を有するポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)多孔膜を隣設させる構造とした場合には、
より高い撥水性を発現させることができ、電池内部から
の電解液の漏洩を防止することができる。
【0010】
【発明の構成】以下、この発明に係る電池の構成を図面
に基づいて説明する。図1はこの発明に係る電池の一実
施例を示した模式断面説明図であり、図示するように空
気孔(21)が設けられた正極容器(2) と負極亜鉛(31)が内
填された負極容器(3) とがガスケット(4) を介して封口
されている。正極容器(2) の内側には空気極(5) 、セパ
レータ(6) が設けられており、空気孔(21)を介して取り
入れられた空気中の酸素が活性物質とされる。
【0011】この発明では、正極容器(2)と空気極(5)と
の間隙に選択透過性を有する積層膜(7)が介在されてい
る。この積層膜(7) は、複数の透過孔が穿設された均一
性フィルム(71)と、この均一性フィルム(71)の両側に積
層される無数の微孔部を有するポリテトラフルオロエチ
レン膜(72)とから形成される。均一性フィルム(71)とし
ては、特に限定はされないが、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデ
ンフルオライド、ポリビニルフルオライド、フッ素化エ
チレンプロピレンコポリマー、パーフルオロアルキルビ
ニルエーテルポリマー、パーフルオロアルキルビニルエ
ステルポリマー、エチレンテトラフルオロエチレンコポ
リマー等、フッ素系ポリマー若しくはコポリマーをはじ
めポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリスチレン等の汎用性高分子膜或
いは均一性フィルム等が、比較的薄いフィルムであって
も高い水蒸気透過阻止能力を有し、しかも水酸化カリウ
ム(KOH)や水酸化ナトリウム(NaOH)等のアル
カリ水溶液に対して、実質上変形、溶解等を起こさず、
非常に優れた耐アルカリ性を有するため望ましい。
【0012】この発明では前記した水蒸気透過阻止能力
のを有する高分子膜又は均一性フィルムに透過孔を穿設
することで、水蒸気透過阻止能力をあまり低下させず
に、且つ酸素透過性を飛躍的に向上させる。穿設される
透過孔の形状は円形もしくは楕円形等、穿設手段により
適宜種々の形状を決定すればよく、特に限定されるもの
ではない。この穿設される透過孔の大きさは、最長部で
の直径が 300μm以下、好ましくは 100μm以下が望ま
しい。また、その開孔比(開孔部分の総面積の比率を指
し、次式1(数1)にて示される数値をいう)は、前記
正極容器(2) の内面において、酸素が有効に透過する面
積の10%以下、好ましくは3%以下とされるのが望まし
い。
【数1】
【0013】この理由は、透過孔の直径が 300μmを越
え、開孔比が酸素が有効に透過する面積の10%を越えて
しまうと水蒸気の透過阻止能力が極めて低下するため好
ましくないからである。一方、この発明では前記した透
過孔の直径、及び開孔比については下限を設けないが、
開孔比が極端に小さすぎた場合には水蒸気はもちろん、
酸素をも透過しなくなるため、実用上電池として使いも
のにならないため好ましくない。
【0014】また透過孔が穿設された均一性フィルム(7
1)の水蒸気透過速度は5×10-6cc(STP)/cm2
/sec /cmHg以下とされる。この理由は、水蒸気透過速
度が5×10-6cc(STP)/cm2 /sec /cmHgを越
えると、この発明の目的とする水蒸気の透過阻止能力が
有効に発現されず好ましくないからである。尚、この均
一性フィルム(71)の厚み、形状等についてはこの発明で
は特に限定はされない。
【0015】さらに透過孔の穿設方法については、均一
性フィルム(71)の持つ物性により適宜選択されればよ
く、特に限定はされないが、先端が鋭利な尖状物を用い
て穿設する方法、フィルム形成時に塩などの溶解成分を
添加し、フィルム形成後溶解成分を溶媒で抽出して穿設
する方法、或いは熱、電子線、400nm以下の紫外光
などで発泡する成分や、溶媒を含有したフィルムに熱、
電子線、400nm以下の紫外光にて処理させて発泡さ
せて穿設する方法、種々の孔径や孔形状を有するマスク
を用いたり、或いは集光したレーザー光や電子線、ガン
マー線などのエネルギーを照射して穿設する方法、400n
m 以下の紫外光を用いて増感剤を添加させて穿設する方
法、はじめから孔を有する多孔体をロール等で潰して開
孔比や孔径を調整する方法等が例示される。
【0016】このように、均一性フィルムに直径300
μm以下の透過孔を複数穿設し、前記透過孔の開口比を
10%以下と小さくしても、酸素に対する透過性は阻害
せず、水蒸気の透過性のみを選択的に阻害でき、一定以
上の電流が得られる優れた膜素材が得られる。
【0017】この発明では、以上のような複数の透過孔
が穿設された均一性フィルム(71)の両側に無数の微孔部
を有するポリテトラフルオロエチレン膜(72)が積層さ
れ、選択透過性を有する積層膜(7) が形成される。使用
されるポリテトラフルオロエチレン膜(72)としては、前
記均一性フィルム(71)の酸素透過性を妨げない程度の大
きな多孔度、より望ましくは40%以上の多孔度を有する
ものが好ましく使用される。また、このポリテトラフル
オロエチレン膜(72)に形成される微孔部の孔径は、大気
中のチリ、ホコリ等を透過せず、且つ液体の電池内部へ
の侵入を阻止できる程度の孔径であることが必要とさ
れ、具体的にはその最大孔径が5μm以下とされること
が望ましい。この理由は、ポリテトラフルオロエチレン
膜(72)に形成された微孔部の孔径が5μm以下であれ
ば、1Kg/cm2 の圧力をかけても、水がこの微孔部を透
過することがないとの、この発明者らの実験的知得に基
づくからである。
【0018】以上のような透過孔が穿設された均一性フ
ィルム(71)と無数の微孔部が形成されたポリテトラフル
オロエチレン膜(72)とから積層膜(7) を形成するには、
これら両者を貼り合わせた後、プレスやラミネーター等
を用いて、加熱、加圧処理により一体成形することが電
池の製造上好ましい。この加熱成形際、均一性フィルム
(71)の融点以上まで加熱して完全に均一性フィルム(71)
とポリテトラフルオロエチレン膜(72)とを接着させる必
要はなく、実質上これら両者が密着されている状態であ
ればよい。この発明では、前記したように複数の透過孔
が穿設された均一性フィルム(71)の両側に無数の微孔部
を有するポリテトラフルオロエチレン膜(72)を積層させ
ることによって、膜の選択透過性を飛躍的に向上させる
ことが可能となった。
【0019】図2乃至図4はこの発明に係る電池の第二
実施例を示した断面図である。この発明では、図2に示
すように選択透過性を有する積層膜(7) と正極容器(2)
との間隙に、空気を電池内部に拡散させる空気拡散多孔
体(8) を介在させて、酸素の透過性をより向上させても
よい。この空気拡散多孔体(8) としてはナイロン不織
布、ポリプロピレン不織布等で厚みが 100〜200 μm 程
度の網目のあらい多孔性のものが好適な実施例として例
示されるが、特に限定はされない。また図3に示すよう
に、空気拡散多孔体(8) を選択透過性を有する積層膜
(7)と空気極(5) との間隙に介在させておいてもよく、
或いは図4に示すように選択透過性を有する積層膜(7)
と正極容器(2) との間隙、及び選択透過性を有する積層
膜(7) と空気極(5) との間隙とにそれぞれ介在させて複
層構造としてもよく、電池の用途、性能等に応じて適宜
設定すればよい。
【0020】図5乃至図8は、この発明に係る電池の第
三実施例を示した断面図である。この発明では、図示す
るように撥水性の高いポリテトラフルオロエチレン多孔
膜(9) を空気極(5) に隣設させ、より撥水性を向上さ
せ、電池内の電解質溶液が漏洩しないよう電池のシール
性を向上させる構造としてもよい。尚、この実施例にて
用いられるポリテトラフルオロエチレン多孔膜(9) は、
前記積層膜(7) に使用されるものと同様のポリテトラフ
ルオロエチレン膜である必要はなく、撥水性がより高
く、しかも空気極(5) と密着性のよいものであればいず
れのものであっても使用することができ、特に限定はさ
れない。
【0021】
【実施例】以下、この発明に係る電池の効果を実施例に
より、一層明確に説明する。 (実施例1)均一性フィルムとしてポリテトラフルオロ
エチレンフィルム(厚み50μm)を用い、孔径 100μm 、
開孔比0.2%の透過孔を穿設した。この透過孔の穿設に
は先端部に鋭利な針を有するロールを用いて、100 ℃に
加熱しながらフィルムに押し当てて形成した。この均一
性フィルムの両側に、孔径 0.5μm 、多孔度50%のポリ
テトラフルオロエチレン膜(厚み25μm)を150 ℃に加熱
して、サーマルラミネーターを用いて貼り合わせて密着
させ、一体構造の積層膜とした。この積層膜を図8に示
す電池(直径35mm、高さ13mm)に配設して実施例1
の電池とした。尚、この電池内に配設される空気拡散多
孔体としては厚み150μmのポリプロピレン製の不織
布を用い、図示する如く正極容器と積層膜との間隙及び
空気極と積層膜との間隙にそれぞれ介在させた。また、
空気極にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多
孔膜を隣設させた。
【0022】(実施例2)均一性フィルムとしてポリエ
チレンフィルム(厚み50μm)を用い、穿設する透過孔の
開口比を0.075%とした以外は実施例1と同様の積層膜
を形成して、実施例1と同様に電池に配設して実施例2
の電池とした。
【0023】(実施例3)均一性フィルムとしてポリエ
チレンテレフタレート(厚み40μm)を用い、孔径25μm
、開孔比1.00%の透過孔を穿設した。この透過孔の穿
設には25μm 孔径の細孔を有するステンレス製マスクを
あてがい、発振波長248nm のKrFのレーザーを用いて
行った。この均一性フィルムに実施例1と同様のポリテ
トラフルオロエチレン膜を、実施例1と同様の方法で貼
り合わせて、積層膜を作製した。この積層膜を実施例1
と同様の電池に配設して、実施例3の電池とした。
【0024】(実施例4)実施例1と同様の積層膜を図
7に示す電池(直径35mm、高さ13mm)に配設して実
施例4の電池とした。尚、この電池内に配設される空気
拡散多孔体としては厚み150μmのポリプロピレン製
の不織布を用い、図示する如くこの空気拡散多孔体を空
気極と選択性透過膜との間隙にのみ介在させ、空気極に
はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔膜を隣
設させた。
【0025】(実施例5)実施例1と同様の選択性透過
膜を図6に示す電池(直径35mm、高さ13mm)に配設
して実施例5の電池とした。尚、この電池内に配設され
る空気拡散多孔体としては厚み150μmのポリプロピ
レン製の不織布を用い、図示する如く正極容器と選択性
透過膜ととの間隙にのみ介在させ、空気極にはポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)多孔膜を隣設させた。
【0026】(比較例1)積層膜に代えて、開孔比8%
のポリテトラフルオロエチレン多孔膜を用いた以外は実
施例1と同様の比較例1の電池を得た。
【0027】(試験例1)前記実施例1乃至3にて作製
した積層膜又はポリテトラフルオロエチレン多孔膜につ
いてそれぞれ透過孔穿設前後における酸素透過性速度
(RO2)及び水蒸気透過性速度(RH2O)を測定した
(実施例の積層フィルムについては透過孔を穿設する前
の均一性フィルム及び透過孔穿設後、ポリテトラフルオ
ロエチレン膜を貼り合わせた後の積層膜についてそれぞ
れ測定を行なった)。フィルムのガス透過性の測定方法
はASTM−D−1434−63,JIS−Z0208
で開示されている方法に基づいて行った。この結果を表
1にて示す。
【表1】
【0028】(試験例2)前記実施例1乃至5及び比較
例1にて得られた電池についてそれぞれ以下の各項目に
ついて試験した。 湿度60%/25℃、負荷130Ωの条件における連続放電
持続時間(hr)及び平均作動電圧(V) 。 湿度35%/25℃及び湿度80%/25℃下でそれぞれ長期
( 1500時間)保存した後の、電池内の水分の出入りによ
る電池の重量変化(mg)及び作動電圧(V) 。 この結果を表2に示す。
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明は空気孔が
設けられてなる正極容器の内側に酸素を活性物質とする
空気極が配設され、この空気極と正極容器との間隙に選
択透過性を有する積層膜が介在されてなる電池であっ
て、前記積層膜は複数の透過孔が穿設された均一性フィ
ルムと、この均一性フィルムの両側に積層された無数の
微孔部を有するポリテトラフルオロエチレン膜とから構
成されてなることを特徴とする電池であるから、前記実
施例からも明らかな如く、正極容器内側に配設される選
択透過性を有する積層膜の透過孔により、水蒸気の透過
が阻止されるとともに、酸素のみを効率よく透過させる
ことが明らかであり、重負荷における良好な放電特性と
高低湿の雰囲気下での長期放電特性といった優れた実用
性を示し、安定した長期保存性が可能な電池となる優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電池の第一実施例を示した模式
断面説明図である。
【図2】この発明に係る電池の第二実施例の一例を示し
た模式断面説明図である。
【図3】この発明に係る電池の第二実施例の他の例を示
した模式断面説明図である。
【図4】この発明に係る電池の第二実施例の他の例を示
した模式断面説明図である。
【図5】この発明に係る電池の第三実施例の一例を示し
た模式断面説明図である。
【図6】この発明に係る電池の第三実施例の他の例を示
した模式断面説明図である。
【図7】この発明に係る電池の第三実施例の他の例を示
した模式断面説明図である。
【図8】この発明に係る電池の第三実施例の他の例を示
した模式断面説明図である。
【図9】従来の空気電池の一例を示した模式断面説明図
である。
【図10】従来のポリテトラフルオロエチレン製多孔膜
における開口比と電流密度との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 電池 2 正極容器 21 空気孔 5 空気極 7 選択透過性を有する積層膜 71 透過孔が穿設された均一性フィルム 72 無数の微孔部を有するポリテトラフルオロエチレン
膜 8 空気拡散多孔体 9 ポリテトラフルオロエチレン多孔膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気孔が設けられてなる正極容器の内側
    に酸素を活性物質とする空気極が配設され、この空気極
    と正極容器との間隙に選択透過性を有する積層膜が介在
    されてなる電池であって、前記積層膜は複数の透過孔が
    穿設された均一性フィルムと、この均一性フィルムの両
    側に積層された無数の微孔部を有するポリテトラフルオ
    ロエチレン膜とから構成されてなることを特徴とする電
    池。
  2. 【請求項2】 前記積層膜と正極容器及び/又は空気極
    との間隙に空気拡散多孔体が介在されてなることを特徴
    とする請求項1に記載の電池。
  3. 【請求項3】 前記空気極にはポリテトラフルオロエチ
    レン多孔膜が隣設されてなることを特徴とする請求項1
    乃至2に記載の電池。
JP5180030A 1993-06-24 1993-06-24 電 池 Pending JPH0714565A (ja)

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