JP2012136560A - 脱硫システムおよび脱硫システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 脱硫器の不具合を抑制しつつ除湿器を再生することができる脱硫システムおよび脱硫システムの制御方法を提供する。
【解決手段】 脱硫システム(100)は、水素含有ガスに改質される原燃料ガス中の水分を吸着する吸着材を備える除湿器(21)と、除湿器によって除湿された原燃料ガスを脱硫する脱硫器(22)と、除湿器に供給される原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低いまたは温度が高い除湿器再生ガスを除湿器に供給することによって除湿器を再生させる再生手段(40)と、再生手段が除湿器に除湿器再生ガスを供給する際に、除湿器再生ガスが脱硫器、除湿器の順に供給されるように流路を構成する流路構成手段(23,24)と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 脱硫システム(100)は、水素含有ガスに改質される原燃料ガス中の水分を吸着する吸着材を備える除湿器(21)と、除湿器によって除湿された原燃料ガスを脱硫する脱硫器(22)と、除湿器に供給される原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低いまたは温度が高い除湿器再生ガスを除湿器に供給することによって除湿器を再生させる再生手段(40)と、再生手段が除湿器に除湿器再生ガスを供給する際に、除湿器再生ガスが脱硫器、除湿器の順に供給されるように流路を構成する流路構成手段(23,24)と、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、脱硫システムおよび脱硫システムの制御方法に関する。
燃料電池の発電等で消費される水素は、例えば、改質器において生成される。改質器においては、炭化水素等の原燃料ガスと改質水との水蒸気改質反応によって水素が生成される。原燃料ガスには、漏出の早期発見の目的で、硫黄化合物等の付臭剤が微量に含まれている。この硫黄化合物は、改質器の改質効率低下の原因となるため、改質器に供給される前に除去されていることが好ましい。
そこで、脱硫器が設けられることがある。また、原燃料ガス中の水分除去の目的で、脱硫器の前段に除湿器が設けられることがある。特許文献1は、除湿器および脱硫器のセットを複数備え、必要に応じて除湿器および脱硫器を再生させる技術を開示している。
しかしながら、特許文献1の技術では、除湿器および脱硫器を同時に再生させている。この場合、再生時に除湿器から脱離してきた水蒸気により、脱硫器に不具合が生じることがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、脱硫器の不具合を抑制しつつ除湿器を再生することができる脱硫システムおよび脱硫システムの制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る脱硫システムは、水素含有ガスに改質される原燃料ガス中の水分を吸着する吸着材を備える除湿器と、前記除湿器によって除湿された前記原燃料ガスを脱硫する脱硫器と、前記除湿器に供給される前記原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低いまたは温度が高い除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することによって前記除湿器を再生させる再生手段と、前記再生手段が前記除湿器に前記除湿器再生ガスを供給する際に、前記除湿器再生ガスが前記脱硫器、前記除湿器の順に供給されるように流路を構成する流路構成手段と、を備えることを特徴とするものである。本発明に係る脱硫システムにおいては、脱硫器の不具合を抑制しつつ、除湿器を再生することができる。
前記流路構成手段は、前記除湿器再生ガスが前記脱硫器、前記除湿器の順に供給される流路を、切替弁を用いて構成してもよい。前記切替弁を収容するケースをさらに備え、燃料電池を収容しかつ前記燃料電池のオフガスを酸化するための酸化触媒を備えるパッケージと、前記ケースとが接続されていてもよい。前記除湿器再生ガスは、エアとしてもよい。前記除湿器再生ガスは、加熱されたエアとしてもよい。前記除湿器再生ガスは、燃料電池のオフガスを燃焼させることによって生じる排気ガスとしてもよい。前記再生手段は、排気吸引ポンプを用いて、前記排気ガスを前記除湿器に供給してもよい。
前記再生手段は、前記吸着材の温度、前記原燃料ガスの温度、または外気温が所定値を上回る場合に、前記除湿器再生ガスを前記除湿器に供給してもよい。前記再生手段は、前記吸着材の温度上昇率が所定値を下回った場合に、前記除湿器再生ガスを前記除湿器に供給してもよい。前記流路構成手段は、前記原燃料ガスが前記除湿器および前記脱硫器の順に経由して改質器に供給される第1流路形態、および、前記除湿器再生ガスが前記脱硫器、前記除湿器の順に供給される第2流路形態、のいずれか一方を選択してもよい。前記流路形態選択手段は、前記第1流路形態を選択した直後の所定期間内の前記吸着材の温度上昇率に基づいて、前記第1流路形態および前記第2流路形態を選択してもよい。
本発明に係る脱硫システムの制御方法は、水素含有ガスに改質される原燃料ガス中の水分を吸着する吸着材を備える除湿器と、前記除湿器によって除湿された前記原燃料ガスを脱硫する脱硫器と、を備える脱硫システムにおいて、前記除湿器に供給される前記原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低い除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することによって前記除湿器を再生させる再生ステップと、前記再生ステップにおいて前記除湿器に前記除湿器再生ガスが供給される際に、前記除湿器再生ガスが前記脱硫器、前記除湿器の順に供給されるように流路を構成する流路構成ステップと、を含むことを特徴とするものである。本発明に係る脱硫システムの制御方法によれば、脱硫器の不具合を抑制しつつ、除湿器を再生することができる。
本発明によれば、脱硫器の不具合を抑制しつつ除湿器を再生することができる脱硫システムおよび脱硫システムの制御方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、実施例1に係る脱硫システム20を含む燃料電池システム100の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、燃料電池システム100は、原燃料供給部10、脱硫システム20、改質水供給部30、酸化剤ガス供給部40、改質器50、燃焼室60、燃料電池装置70、熱交換部80、および、制御部90を備える。
原燃料供給部10は、炭化水素等の原燃料ガスを改質器50に供給するための原燃料ポンプである。炭化水素の一例として、都市ガス、天然ガス、液化石油ガス(LPG)等を用いることができる。原燃料供給部10は、配管を介して後述する切替弁23と接続されている。
脱硫システム20は、原燃料ガス中の水分を除去する除湿器21、原燃料ガス中の硫黄成分を除去する脱硫器22、流路を切り替えるための切替弁23,24、原燃料ガスの温度を検出する温度センサ25、除湿器21内の吸着材の温度を検出する温度センサ26、外気温を検出する温度センサ27、光センサ28、および水蒸気センサ29を含む。
除湿器21は、水蒸気を吸着するための吸着材を備える。除湿器21の吸着材は、物理吸着材および化学吸着材のいずれか一方または両方を含んでいてもよい。除湿器21の吸着材として、例えば、ドライアライト、A型ゼオライト、シリカゲル、分子ふるい3A,4A,5A、およびこれらの組み合わせ等を用いることができる。
脱硫器22は、硫黄または硫黄化合物(以下、硫黄成分と称する。)を吸着するための吸着材を備える。脱硫器22の吸着材は、物理吸着材および化学吸着材のいずれか一方または両方を含んでいてもよい。脱硫器22の吸着材として、例えば、疎水性ゼオライトにAg,Cu,Zn,Fe,Co,Ni等を担持させたものを用いることができ、Y型ゼオライト、β型ゼオライト、またはX型ゼオライトにAgまたはCuを担持させたものを用いてもよい。さらに、脱硫器22の吸着材として、分子ふるい13X、銅−亜鉛系脱硫材、多孔質担体に銅を担持させたものを用いてもよい。これらの吸着材は、例えば、貴金属、遷移金属、およびこれらの組合せで構成された郡から選択される金属によってイオン交換されたものであってもよい。
なお、除湿器21および脱硫器22の吸着材は、同一であってもよい。ただし、この場合、除湿器21の吸着材の気孔を脱硫器22の吸着材の気孔よりも小さくすることによって、主として除湿器21に除湿させ、主として脱硫器22に脱硫させることができる。
切替弁23は、原燃料供給部10と除湿器21とを接続する流路の開通と、除湿器21と大気とを接続する流路の開通と、を切替可能な弁である。図1では、原燃料供給部10と除湿器21とが接続されている。切替弁24は、脱硫器22と後述する気化部51とを接続する流路の開通および酸化剤ガス供給部40と後述するカソード71とを接続する流路の開通と、酸化剤ガス供給部40と脱硫器22とを接続する流路の開通と、を切替可能なロータリー弁である。図1では、脱硫器22と気化部51とが接続されるとともに、酸化剤ガス供給部40とカソード71とが接続されている。
なお、切替弁24を介して酸化剤ガス供給部40と脱硫器22とを接続する配管は、燃料電池装置70および改質器50が配置されるパッケージ61内を通過するように配置されている。それにより、切替弁24を介して酸化剤ガス供給部40から脱硫器22に供給される酸化剤ガスは、燃料電池装置70の発電に伴って発生する熱および燃焼室60における燃焼に伴って発生する熱によって加熱される。酸化剤ガスを効率よく加熱するためには、当該配管は、燃焼室60内を経由することが好ましい。
光センサ28は、除湿器21の吸着材の色相変化を検出するセンサである。水蒸気センサ29は、除湿器21から脱硫器22に向かって流動する原燃料ガス中の水蒸気濃度を検出するセンサである。
改質水供給部30は、改質器50における水蒸気改質反応に必要な改質水を貯蔵する改質水タンク31、後述する凝縮水タンク82から必要な改質水を改質水タンク31に供給するためのポンプ32、改質水タンク31に供給される改質水に対してイオン交換を施すイオン交換器33、改質水タンク31に貯蔵された改質水を改質器50に供給するための流量調節器34等を含む。
酸化剤ガス供給部40は、燃料電池装置70のカソード71に酸化剤ガスを供給するためのポンプ等を含む。本実施例においては、酸化剤ガスとして、エアを用いる。酸化剤ガス供給部40は、配管を介して切替弁24と接続されている。
改質器50は、改質水を気化させるための気化部51、および、水蒸気改質反応によって水素ガスを含む燃料ガスを生成するための改質部52を含む。気化部51および改質部52は、燃焼室60の燃焼熱を利用できるように、燃焼室60に隣接している。改質部52は、改質触媒等を備えている。燃料電池装置70は、カソード71とアノード72とによって電解質73が挟持された構造を有する。燃料電池装置70の構造の詳細は、後述する。熱交換部80は、熱交換器81および凝縮水タンク82を含む。熱交換器81は、燃焼室60の排気ガスと水道水との熱交換を行うための熱交換器である。凝縮水タンク82は、熱交換器81における熱交換によって排気ガスから生じた凝縮水を貯留するタンクである。
制御部90は、燃料電池システム100を制御する装置であり、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等から構成される。制御部90は、各部の動作を制御する。
図2は、燃料電池装置70に含まれる燃料電池セル74の断面を含む部分斜視図である。図2に示すように、燃料電池セル74は、平板柱状の全体形状を有する。ガス透過性を有する導電性支持体11の内部に、軸方向(長手方向)に沿って貫通する複数の燃料ガス通路12が形成されている。導電性支持体11の外周面における一方の平面上に、燃料極13、固体電解質14、および酸素極15がこの順に積層されている。酸素極15に対向する他方の平面上には、接合層16を介してインターコネクタ17が設けられ、その上に接触抵抗低減用のP型半導体層18が設けられている。燃料極13が図1のアノード72として機能し、酸素極15が図1のカソード71として機能し、固体電解質14が図1の電解質73として機能する。なお、燃料電池装置70は、図2に示す燃料電池セル74が複数積層されたスタック構造を有していてもよい。
燃料ガス通路12に水素を含む改質ガスが供給されることによって、燃料極13に水素が供給される。一方、燃料電池セル74の周囲に酸素を含む酸化剤ガスが供給されることによって、酸素極15に酸素が供給される。それにより、酸素極15及び燃料極13において下記の電極反応が生じることによって発電が行われる。発電反応は、例えば、600℃〜1000℃で行われる。
酸素極:1/2O2+2e−→O2−(固体電解質)
燃料極:O2−(固体電解質)+H2→H2O+2e−
酸素極:1/2O2+2e−→O2−(固体電解質)
燃料極:O2−(固体電解質)+H2→H2O+2e−
酸素極15の材料は、耐酸化性を有し、気体の酸素が固体電解質14との界面に到達できるように多孔質である。固体電解質14は、酸素極15から燃料極13へ酸素イオンO2−を移動させる機能を有する。固体電解質14は、酸素イオン導電性酸化物によって構成される。また、固体電解質14は、燃料ガスと酸化剤ガスとを物理的に隔離するため、酸化/還元雰囲気中において安定でありかつ緻密質である。燃料極13は、還元雰囲気中で安定でありかつ水素との親和性を有する材料によって構成される。インターコネクタ17は、燃料電池セル74同士を電気的に直列に接続するために設けられており、燃料ガスと酸化剤ガスとを物理的に隔離するために緻密質である。
例えば、酸素極15は、電子およびイオンの双方の導電性が高いランタンコバルタイト系のペロブスカイト型複合酸化物等から形成される。固体電解質14は、イオン導電性の高いY2O3を含有するZrO2(YSZ)等によって形成される。燃料極13は、電子導電性の高いNiとY2O3を含有するZrO2(YSZ)との混合物等によって形成される。インターコネクタ17は、電子導電性の高い、アルカリ土類酸化物を固溶したLaCrO3等によって形成される。これらの材料は、熱膨張率が近いものが好適である。
図3は、燃料電池装置70が備える燃料電池スタック75を説明するための斜視図である。燃料電池スタック75においては、複数の燃料電池セル74が互いに集電部材を介して積層されている。各燃料電池セル74は、燃料極13と酸素極15とが対向するように積層されている。なお、図3において、細線矢印は燃料ガスの流れを示し、太線矢印は酸化剤ガスの流れを示す。
図4(a)は、燃料電池装置70の全体構成を示す斜視図である。図4(b)は、図4(a)に示す燃料電池装置70の酸化剤ガス導入部材76を抜粋して示す斜視図である。図4(a)に示すように、燃料電池装置70においては、マニホールド77の上に、2組の燃料電池スタック75a,75b(燃料電池セル74)が、互いの積層方向が略並行になるように並列配置されている。燃料電池スタック75a,75bは、固体酸化物形の燃料電池セル74が複数枚積層された構造を有する。
図4(a)のマニホールド77には、各燃料電池セル74の燃料ガス通路12に連通する孔が形成されている。それにより、マニホールド77を流動する燃料ガスが燃料ガス通路12に流入する。改質器50は、燃料電池スタック75a,75bのマニホールド77と反対側に配置されている。例えば、改質器50は、一方の燃料電池スタックの積層方向に延び、一端側で折り返し、他方の燃料電池スタックの積層方向に延びる構造を有する。本実施形態においては、改質器50における改質水入口側に燃料電池スタック75aが配置され、燃料ガス出口側に燃料電池スタック75bが配置されている。
また、図4(b)に示すように、燃料電池スタック75aと燃料電池スタック75bとの間には、酸化剤ガス導入部材76が配置されている。酸化剤ガス導入部材76の内部には、酸化剤ガスが流動するための空間が形成されている。酸化剤ガス導入部材76のマニホールド77側端部には、孔78が形成されている。酸化剤ガス導入部材76の内部を流動した酸化剤ガスは、孔78を通って酸化剤ガス導入部材76の外部に流動する。それにより、各燃料電池セル74の外側を酸化剤ガスが流動する。燃料電池セル74の燃料ガス通路12を燃料ガスが流動しかつ燃料電池セル74の外側を酸化剤ガスが流動することによって、燃料電池セル74において発電が行われる。
燃料電池セル74において発電に供された後の燃料ガス(燃料オフガス)と発電に供された後の酸化剤ガス(酸化剤オフガス)とは、各燃料電池セル74のマニホールド77と反対側の端部において合流する。燃料オフガスには未燃の水素等の可燃物が含まれていることから、燃料オフガスは、酸化剤オフガスに含まれる酸素を利用して燃焼する。本例においては、燃焼室60は、燃料電池セル74(燃料電池スタック75a,75b)の上端と改質器50との間において燃料オフガスが燃焼する空間のことをいう。
改質器50の上流側が気化部51として機能し、改質器50の下流側が改質部52として機能する。図4(c)に示すように、改質器50に炭化水素等の原燃料および改質水が供給されると、気化部51においては、改質水が蒸発して水蒸気が発生し、発生した水蒸気と炭化水素等の原燃料とが混合される。改質部52においては、触媒を介して水蒸気と炭化水素等の原燃料とが水蒸気改質反応を起こして燃料ガスが生成される。
図5は、燃料電池スタック75a,75bを、燃料電池セル74の積層方向から見た図である。図5に示すように、燃料電池スタック75a,75b、改質器50等は、パッケージ61内に収容されている。燃焼室60での燃焼によって生じた排気ガスは、パッケージ61内の空間を経由して、大気へと放出される。燃焼室60から大気へと通じる空間の途中に、酸化触媒62が配置されている。それにより、排気ガスが浄化される。
続いて、図1を参照しつつ、燃料電池システム100の通常運転について説明する。まず、制御部90は、切替弁23に、原燃料供給部10と除湿器21とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、脱硫器22と気化部51とを接続する流路および酸化剤ガス供給部40とカソード71とを接続する流路を開通させる。それにより、原燃料ガスが除湿器21および脱硫器22の順に経由して改質器50に供給されかつエアが燃料電池装置70のカソード71に除湿器21および脱硫器22を経由せずに供給される第1流路形態が実現される。
原燃料供給部10は、制御部90の指示に従って必要量の原燃料ガスを切替弁23に向けて流動させる。切替弁23は、原燃料ガスを除湿器21に導入する。除湿器21は、原燃料ガス中の水分を吸着することによって、原燃料ガスに対して除湿する。除湿器21によって除湿された原燃料ガスは、脱硫器22に向けて流動する。脱硫器22は、除湿された原燃料ガス中の硫黄成分を吸着することによって、原燃料ガスに対して脱硫する。脱硫された原燃料ガスは、切替弁24を経由して改質器50の気化部51に供給される。
流量調節器34は、制御部90の指示に従って必要量の改質水を改質器50の気化部51に供給する。改質水は、気化部51において燃焼室60から受け取った熱によって蒸発気化し、改質部52に供給される。改質部52においては、燃焼室60から受け取った熱を用いて、水蒸気と原燃料ガスとの間で水蒸気改質反応が生じる。それにより、水素ガスを含有する燃料ガスが生成される。改質器50において生成された燃料ガスは、燃料電池装置70のアノード72に供給される。酸化剤ガス供給部40は、制御部90の指示に従って、必要量の酸化剤ガスを切替弁24に流動させる。切替弁24は、酸化剤ガスをカソード71に導入する。それにより、燃料電池装置70において発電が行われる。
カソード71から排出された酸化剤オフガスおよびアノード72から排出された燃料オフガスは、燃焼室60に流入する。燃焼室60においては、燃料オフガスの可燃成分が酸化剤オフガス中の酸素によって燃焼する。燃焼によって得られた熱は、改質器50および燃料電池装置70に与えられる。このように、燃料電池システム100においては、燃料オフガス中に含まれる水素、一酸化炭素等の可燃成分を燃焼室60において燃焼させることができる。
熱交換器81は、燃焼室60から排出された排気ガスと熱交換器81内を流れる水道水との間で熱交換する。熱交換によって排気ガスから得られた凝縮水は、凝縮水タンク82に貯蔵される。熱交換によって加熱された水道水は、温水として貯湯槽に貯留される。ポンプ32は、制御部90の指示に従って、凝縮水タンク82に貯留された凝縮水を、イオン交換器33を経由して改質水タンク31に供給する。燃焼室60から排出された排気ガスは、大気へと放出される。
以上の通常運転により、燃料電池システム100は、発電を継続する。上記通常運転においては、脱硫器22において原燃料ガス中の硫黄成分が除去されることから、改質部52における改質触媒の触媒能低下が抑制される。それにより、改質部52における改質効率低下が抑制される。また、燃料電池装置70における硫黄成分の付着が抑制される。それにより、燃料電池装置70の発電性能低下が抑制される。また、凝縮水タンク82への硫黄成分の混入が抑制される。それにより、イオン交換器33の耐久性能低下が抑制される。また、除湿器21において原燃料ガス中の水分が除去されることから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22における脱硫能の低下が抑制される。
除湿器21において水分の吸着量が増えると、除湿器21の除湿能が低下する。したがって、除湿器21における水分の吸着量が増える場合には、除湿器21に再生処理を施すことが好ましい。そこで、本実施例においては、除湿器21の再生処理が必要となる条件(以下、除湿器再生条件)が成立する場合に、除湿器21の再生処理を行う。
ここで、除湿器21の再生処理とは、除湿器21に原燃料ガスを供給せずに、原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低いガスまたは原燃料ガスよりも温度が高いガス(以下、総称して除湿器再生ガス)を除湿器21に導入する処理である。除湿器再生ガスとして、エア、不活性ガス(N2,H2,He等)、燃焼室60から排気された燃焼ガス、燃焼室60から排気されかつ熱交換器81において水道水との熱交換によって水分が除去された燃焼ガス等を用いることができる。本実施例においては、除湿器再生ガスとして、酸化剤ガスとしてのエアを用いる。原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低いガスまたは原燃料ガスよりも温度が高いガスを除湿器21に導入することによって、除湿器21の吸着材が吸着していた水分が脱離する。その結果、除湿器21が再生される。
除湿器再生ガスは、原燃料ガスに比較して水蒸気分圧が低いほど高い再生能力を有する。また、除湿器再生ガスは、原燃料ガスに比較して温度が高いほど高い再生能力を有する。例えば、除湿器再生ガスの温度は、燃料電池装置70が定格運転を行っている場合に除湿器21に供給される原燃料ガスの温度よりも高いことが好ましい。また、除湿器再生ガスとして、燃料電池装置70、改質部52、気化部51、燃焼室60、燃焼室60から排出された燃焼ガス等との熱交換によって100℃以上となった高温ガスを用いることが好ましい。
また、除湿器21に対して再生処理を施すと、除湿器21の吸着材が吸着していた水分が短時間で脱離することから、除湿器21から排出されるガス中の水蒸気濃度が瞬時に高くなる。この水蒸気濃度の高い原燃料ガスが脱硫器22に供給されると、脱硫器22に不具合が生じる。そこで、再生ガスを、脱硫器22から除湿器21へと流動させることによって、脱硫器22への水分流入を抑制する。
図6に示すように、制御部90は、除湿器再生条件が成立する場合に、切替弁23に、除湿器21と大気とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、酸化剤ガス供給部40と脱硫器22とを接続する流路を開通させる。それにより、原燃料ガスが除湿器21に供給されず、エアが脱硫器22および除湿器21の順に供給される第2流路形態が実現される。
この場合、酸化剤ガス供給部40からのエアは、切替弁24を経由して脱硫器22に導入され、続いて除湿器21に導入され、切替弁23を経由して大気へと放出される。以上のガス流動によって、除湿器21に対して再生処理が施される。なお、上述したように、酸化剤ガスとしてのエアは、パッケージ61内において、燃料電池装置70および燃焼室60によって加熱されている。したがって、除湿器21の吸着材が吸着している水分を効率よく脱離させることができる。さらに、除湿器21を経由したエアが脱硫器22を経由しないことから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。
また、再生処理の際、除湿器再生ガスの流動によって、脱硫器22も再生させることができる。この際に、脱硫器22から硫黄成分が脱離して除湿器21へと流入するが、硫黄成分分子は水蒸気分子よりも大きいため、除湿器21の除湿能低下は抑制される。
(再生処理フロー)
(再生処理フロー)
図7は、制御切替を示す図である。図8は、再生処理のフローチャートの一例を示す図である。制御部90は、再生処理が必要であると判定した場合、図8のフローチャートを実行する。まず、制御部90は、酸化剤ガス供給部40による酸化剤ガスの供給を停止する(ステップS101)。次に、制御部90は、切替弁23に、除湿器21と大気とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、酸化剤ガス供給部40と脱硫器22とを接続する流路を開通させる(ステップS102)。
次に、制御部90は、酸化剤ガス供給部40に、最大定格運転を実施させる(ステップS103)。次に、制御部90は、規定時間が経過したか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104において「No」と判定された場合、ステップS3が再度実行される。ステップS104において「Yes」と判定された場合、制御部90は、酸化剤ガス供給部40による酸化剤ガスの供給を停止する(ステップS105)。
次に、制御部90は、切替弁23に、原燃料供給部10と除湿器21とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、脱硫器22と気化部51とを接続する流路および酸化剤ガス供給部40とカソード71とを接続する流路を開通させる(ステップS106)。次に、制御部90は、酸化剤ガス供給部40による酸化剤ガス供給を開始する(ステップS107)。次に、制御部90は、通常運転を実施する(ステップS108)。
図8のフローチャートによれば、再生処理の際に酸化剤ガス供給部40が最大定格運転を行うことから、除湿器21が効率よく再生される。なお、ステップS104における規定時間は、除湿器21をパージし得る再生ガスの積分流量をもって決定される。例えば、積分流量は、8m3程度である。
(除湿器再生条件の例1)
(除湿器再生条件の例1)
続いて、除湿器再生条件の例について説明する。一般的に、吸着材は、温度が高くなると吸着能が低下する。したがって、除湿器21の吸着材の温度が高くなる場合に、除湿器再生条件が成立するとしてもよい。具体的には、温度センサ25の検出結果に基づいて、除湿器21に供給される原燃料ガスの温度が所定値を上回る場合に、除湿器再生条件が成立するとしてもよい。
図9は、この場合に実行されるフローチャートを示す図である。図9のフローチャートは、所定の周期(例えば1秒ごと)に実行される。図9に示すように、制御部90は、温度センサ25の検出温度が所定値(例えば、15℃)を上回るか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において「Yes」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、上述した第2流路形態を選択させる。それにより、再生処理が実施される(ステップS2)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
ステップS1において「No」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第1流路形態を選択させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS3)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
図9のフローチャートに従った制御により、除湿器21の吸着材の吸着能が低下すると推測される場合に、除湿器21の再生処理が施される。それにより、除湿器21の除湿能を向上させることができる。さらに、除湿器21の再生処理の際に除湿器21から排出されるガスが脱硫器22に導入されないことから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。
なお、図9のフローチャートにおいて、再生処理が実施されている場合にはステップS1における所定値を低く設定し(例えば10℃)、通常運転が実施されている場合にはステップS1における所定値を高く設定してもよい(例えば15℃)。それにより、再生処理と通常運転とが頻繁に切り替わることを防止することができる。
また、温度センサ25の検出温度の代わりに、温度センサ26または温度センサ27の検出温度を用いてもよい。特に、温度センサ26の検出温度を用いることにより、除湿器21の吸着材の温度を直接検出することができるため、除湿器21の吸着材の吸着能の低下の推定精度が向上する。
(除湿器再生条件の例2)
(除湿器再生条件の例2)
原燃料ガスが水分を含有し、かつ除湿器21の吸着能が低下していなければ、原燃料ガス中の水分が除湿器21に吸着する。この場合、吸着熱が発生する。ここで、吸着による発熱について説明する。吸着という現象は、吸着対象物質の自由を束縛する反応と定義付けることができる。したがって、吸着対象物質の自由エネルギーは、吸着によって解放されることになる。その結果、シリカゲル等の吸着材が吸着対象物質を吸着することによって、吸着熱が発生することになる。
この吸着熱に着目すれば、除湿器21の吸着材の吸着能が低下しているか否かを推定することができる。したがって、ここでは、吸着に伴う発熱量の指標値が低下傾向を示す場合に、除湿器再生条件が成立するとする。具体的には、吸着熱の発生に伴って、除湿器21の温度が上昇する。逆に言えば、原燃料ガスが水分を有しているにもかかわらず、除湿器21の温度が上昇しないか温度上昇幅が小さい場合には、除湿器21の吸着能が低下していると判断することができる。以上のことから、除湿器21の吸着材の温度上昇率が所定値以下である場合に、除湿器再生条件が成立するとしてもよい。
図10は、この場合に実行されるフローチャートを示す図である。図10のフローチャートは、所定の周期(例えば1秒ごと)に実行される。図10に示すように、制御部90は、温度センサ26の検出温度の上昇率が所定値(例えば、1/60(℃/秒))未満であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において「Yes」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第2流路形態を選択させる。それにより、再生処理が実施される(ステップS12)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。なお、秒単位での判断では、温度センサ26の検出温度の上昇率にバラツキが生じ、測定精度が低下するおそれがある。そこで、ステップS11において、例えば120秒間の平均上昇率(2℃/120秒)を採用してもよい。
ステップS11において「No」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第1流路形態を選択させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS13)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
図10のフローチャートに従った制御により、除湿器21の吸着材の吸着能が低下すると推測される場合に、除湿器21の再生処理が施される。それにより、除湿器21の除湿能を向上させることができる。さらに、除湿器21の再生処理の際に除湿器21から排出されるガスが脱硫器22に導入されないことから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。
なお、吸着に伴う発熱量の指標値として、上記の温度上昇率以外の指標値を用いてもよい。例えば、外気温と除湿器21の内部との温度差を用いてもよい。具体的には、除湿器21の温度が外気温に対して所定値以内になった場合に、除湿器21の吸着材の吸着能が低下していると推測してもよい。例えば、図10のステップS11において、温度センサ27の検出温度から温度センサ26の検出温度を差し引いた値が所定値を下回ったか否かを判定してもよい。
また、除湿器21の内部において、原燃料ガスの流動方向の上流側から吸着反応が進む。したがって、除湿器21の吸着材の吸着可能量に余裕がある場合には、除湿器21の内部における上流側の吸着材の温度が下流側の吸着材の温度に比較して高くなる。一方で、除湿器21の吸着材の吸着可能量に余裕がなくなると、上流側と下流側とで温度差が小さくなる。したがって、吸着に伴う発熱量の指標値として、除湿器21の内部における原燃料ガスの流動方向の上流側の吸着材と下流側の吸着材との温度差を用いてもよい。
例えば、図11に示すように、除湿器21の内部において、原燃料ガスの流動方向の上流側に温度センサ26aを配置し、下流側に温度センサ26bを配置する。その上で、図10のステップS11において、温度センサ26aの検出温度から温度センサ26bの検出温度を差し引いた値が所定値未満であるか否かを判定してもよい。
なお、図10のフローチャートの実行と並行して、図9のフローチャートを実行してもよい。この場合、図10のフローチャートでの除湿器再生条件が成立していなくても、図9のフローチャートの除湿器再生条件が成立すれば、除湿器21に対する再生処理を実施してもよい。すなわち、図9のフローチャートの除湿器再生条件を優先させてもよい。この場合、除湿器21の除湿能をより確実に回復させることができる。
また、第2流路形態から第1流路形態に切り替わった直後の所定期間における除湿器21の吸着材の温度上昇率に基づいて、第1流路形態および第2流路形態の選択操作を行ってもよい。具体的には、第2流路形態から第1流路形態に切り替わった直後においては、除湿器21の再生処理が完了した直後であるため、原燃料ガス中の水分の吸着反応が進行しやすい。すなわち、除湿器21の吸着材の温度上昇率が高くなるはずである。それにもかかわらず当該温度上昇率が所定値よりも低いと、原燃料ガス中の水分濃度が低いことになる。したがって、除湿器21を経由せずに原燃料ガスを脱硫器22に供給しても、脱硫器22の脱硫能低下は抑制される。
図12は、具体例を説明するためのフローチャートである。図12のフローチャートは、所定の周期(例えば1秒ごと)に実行される。図12に示すように、制御部90は、第2流路形態から第1流路形態に切り替わった直後の所定期間における温度センサ26の検出温度の上昇率が所定値(例えば、5/120(℃/秒))を上回ったか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21において「Yes」と判定された場合、原燃料ガス中の水蒸気濃度が高いと判断される。したがって、制御部90は、切替弁23,24に、第1流路形態を継続させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS22)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。なお、秒単位での判断では、温度センサ26の検出温度の上昇率にバラツキが生じ、測定精度が低下するおそれがある。そこで、ステップS21において、例えば120秒間の平均上昇率(5℃/120秒)を採用してもよい。
ステップS21において「No」と判定された場合、原燃料ガス中の水蒸気濃度が低いと判断される。したがって、制御部90は、切替弁23,24に、第2流路形態を選択させる。それにより、再生処理が実施される(ステップS23)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
図12のフローチャートに従った制御により、原燃料ガス中の水分濃度が低い場合には、除湿器21を経由せずに原燃料ガスを脱硫器22に供給し、除湿器21を再生させることができる。それにより、脱硫器22の不具合を抑制しつつ、除湿器21の除湿能を向上させることができる。
また、第2流流路形態から第1流路形態に切り替わった直後の所定期間における除湿器21の温度上昇率が所定値以下である場合には、再生処理の時間を長くしてもよい。それにより、除湿器21が十分に再生される。
(除湿器再生条件の例3)
(除湿器再生条件の例3)
除湿器21の吸着材は、水分を吸着するにつれて色相が変化する。例えば、シリカゲルは、水分を吸着するにつれてピンク色に変化する。そこで、除湿器21の吸着材の色相が所定量以上変化した場合に、除湿器再生条件が成立するとしてもよい。
図13は、この場合に実行されるフローチャートを示す図である。図13のフローチャートは、所定の周期(例えば1秒ごと)に実行される。図13に示すように、制御部90は、光センサ28の検出結果に基づいて、除湿器21の吸着材の色相変化量が所定量を上回るか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31において「Yes」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第2流路形態を選択させる。それにより、再生処理が実施される(ステップS32)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
ステップS31において「No」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第1流路形態を選択させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS33)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
図13のフローチャートに従った制御により、除湿器21の吸着材の吸着能が低下すると推測される場合に、除湿器21の再生処理が施される。それにより、除湿器21の除湿能を向上させることができる。さらに、除湿器21の再生処理の際に除湿器21から排出されるガスが脱硫器22に導入されないことから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。
(除湿器再生条件の例4)
(除湿器再生条件の例4)
除湿器21の吸着材の水分吸着量が多くなるにしたがって、除湿器21の除湿能が低下する。除湿器21の除湿能が低下すれば、除湿器21から排出される原燃料ガス中の水蒸気濃度が上昇する。したがって、除湿器21から排出される原燃料ガス中の水蒸気濃度が所定値以上になった場合に、除湿器再生条件が成立するとしてもよい。
図14は、この場合に実行されるフローチャートを示す図である。図14のフローチャートは、所定の周期(例えば1秒ごと)に実行される。図14に示すように、制御部90は、水蒸気センサ29で検出される水蒸気濃度が所定値を上回るか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41において「Yes」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第2流路形態を選択させる。それにより、再生処理が実施される(ステップS42)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
ステップS41において「No」と判定された場合、制御部90は、切替弁23,24に、第1流路形態を選択させる。それにより、通常運転が実施される(ステップS43)。その後、制御部90は、フローチャートの実行を終了する。
図14のフローチャートに従った制御により、除湿器21の吸着材の吸着能が低下すると推測される場合に、除湿器21の再生処理が施される。それにより、除湿器21の除湿能を向上させることができる。さらに、除湿器21の再生処理の際に除湿器21から排出されるガスが脱硫器22に導入されないことから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。
なお、本実施例においては、燃料電池システム100は、温度センサ25、温度センサ26、温度センサ27、光センサ28、および水蒸気センサ29を備えていたが、それに限られない。上記の除湿器再生条件の成立を検出するために必要なセンサが設けられていればよい。したがって、上記複数のセンサのうち、少なくともいずれか1つが備わっていればよい。
また、図9、図10、図13、および図14のフローチャートにおいて、除湿器再生条件が不成立となるまで再生処理が実施されているが、それに限られない。例えば、再生処理の実施が開始となってから所定時間(例えば10分程度)が経過した後に、通常運転が選択されてもよい。
(変形例)
(変形例)
図1においては除湿器21と脱硫器22とが1つずつ接続された構造について説明したが、それに限られない。例えば、図15に示すように、脱硫器22が除湿器21aと除湿器21bとによって挟まれていてもよい。この場合、通常運転時には、切替弁23は、原燃料供給部10と除湿器21aとを接続する流路を開通させ、切替弁24は、酸化剤ガス供給部40とカソード71とを接続する流路および除湿器21bと改質器50とを接続する流路を開通させる。それにより、原燃料ガスは、除湿器21a、脱硫器22、除湿器21bの順に経由してから改質器50に供給される。
また、再生処理の際には、切替弁23は、除湿器21aと大気とを接続する流路を開通させ、切替弁24は、酸化剤ガス供給部40と除湿器21bとを接続する流路を開通させる。それにより、原燃料ガスが除湿器21aに供給されず、エアが除湿器21b、脱硫器22および除湿器21aの順に供給される。それにより、除湿器21aに対して再生処理が施される。さらに、除湿器21aを経由したエアが脱硫器22を経由しないことから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。
また、エアに含まれる水分が除湿器21bで除去されることから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、短時間で再生処理を行うことができる。さらに、脱硫器22の吸着材の選定および再生頻度を適切に設定すれば、余熱大気を用いなくても十分に除湿器21aを再生させることができる。それにより、配管構成をより簡素化することができる。
本実施例において、切替弁23,24が流路構成手段として機能し、酸化剤ガス供給部40が、除湿器再生ガスを除湿器21に供給する再生手段として機能する。
図16は、実施例2に係る燃料電池システム100aの全体構成を示すブロック図である。図16に示すように、燃料電池システム100aが図1の燃料電池システム100と異なる点は、酸化剤ガス供給部40の代わりに、排気吸引ポンプ40aを備えている点である。カソード71は、大気と通じている。排気吸引ポンプ40aは、燃焼室60から排気ガスを吸引して大気へと排気するポンプである。排気吸引ポンプ40aは、燃焼室60よりも下流側の配管に配置されている。図16では、排気吸引ポンプ40aは、燃焼室60から熱交換器81を経由して大気へと導く配管に介挿されている。なお、排気吸引ポンプ40aは、燃焼室60と熱交換器81との間の配管に介挿されていてもよい。
本実施例においては、切替弁24は、排気吸引ポンプ40aと大気とを接続する流路の開通と、排気吸引ポンプ40aと脱硫器22とを接続する流路の開通と、を切替可能な弁である。切替弁24から脱硫器22へ接続される配管は、パッケージ61内を通過するように配置されていてもよい。
制御部90は、通常運転時には、切替弁23に、原燃料供給部10と除湿器21とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、脱硫器22と気化部51とを接続する流路および排気吸引ポンプ40aと大気とを接続する流路を開通させる。それにより、原燃料ガスが除湿器21および脱硫器22の順に経由して改質器50に供給され、かつ、燃焼室60からの排気ガスが切替弁24を経由して大気へと排気される第1流路形態が実現される。また、制御部90は、燃焼室60から大気へと燃焼ガスが吸引されるように、排気吸引ポンプ40aを制御する。この場合、負圧の発生に伴い、大気からエアがカソード71に供給される。
図17に示すように、制御部90は、除湿器再生条件が成立する場合に、切替弁23に、除湿器21と大気とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、排気吸引ポンプ40aと脱硫器22とを接続する流路を開通させる。それにより、原燃料ガスが除湿器21に供給されず、燃焼室60からの排気ガスが脱硫器22および除湿器21の順に供給される第2流路形態が実現される。
この場合、燃焼室60からの排気ガスは、切替弁24を経由して脱硫器22に導入され、続いて除湿器21に導入され、切替弁23を経由して大気へと放出される。以上のガス流動によって、除湿器21に対して再生処理が施される。除湿器21を経由したエアが脱硫器22を経由しないことから、脱硫器22への水分の流入が抑制される。それにより、脱硫器22の不具合が抑制される。
図18は、燃料電池スタック75a,75bを、燃料電池セル74の積層方向から見た図である。図18に示すように、燃焼室60での燃焼によって生じた排気ガスは、パッケージ61内の空間を経由して、排気吸引ポンプ40aから排気される。
(再生処理フロー)
(再生処理フロー)
図19は、本実施例に係る制御切替を示す図である。図20は、再生処理のフローチャートの一例を示す図である。制御部90は、再生処理が必要であると判定した場合、図20のフローチャートを実行する。まず、制御部90は、排気吸引ポンプ40aの動作を停止させる(ステップS111)。次に、制御部90は、切替弁23に、除湿器21と大気とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、排気吸引ポンプ40aと脱硫器22とを接続する流路を開通させる(ステップS112)。
次に、制御部90は、排気吸引ポンプ40aに、最大定格運転を実施させる(ステップS113)。次に、制御部90は、規定時間が経過したか否かを判定する(ステップS114)。ステップS114において「No」と判定された場合、ステップS113が再度実行される。ステップS114において「Yes」と判定された場合、制御部90は、排気吸引ポンプ40aの動作を停止させる(ステップS115)。
次に、制御部90は、切替弁23に、原燃料供給部10と除湿器21とを接続する流路を開通させ、切替弁24に、脱硫器22と気化部51とを接続する流路および排気吸引ポンプ40aと大気とを接続する流路を開通させる(ステップS116)。次に、制御部90は、排気吸引ポンプ40aの動作を開始させる(ステップS117)。次に、制御部90は、通常運転を実施する(ステップS118)。
図20のフローチャートによれば、再生処理の際に排気吸引ポンプ40aが最大定格運転を行うことから、除湿器21が効率よく再生される。なお、ステップS114における規定時間は、除湿器21をパージし得る再生ガスの積分流量をもって決定される。例えば、積分流量は、8m3程度である。
(変形例)
(変形例)
図21は、燃料電池システム100aの変形例を示す模式図である。図18に示すように、切替弁23,24は、密閉されたケース63の内部に配置されている。排気吸引ポンプ40aから脱硫器22に排気ガスが供給される際には、排気ガスはケース63内の切替弁24を経由して脱硫器22に供給される。ケース63は、燃料電池装置70、改質器50および燃焼室60が配置されるパッケージ61内に接続されている。それにより、排気吸引ポンプ40aがパッケージ61内のガスを排気する際に、ケース63内のガスも排気する。したがって、切替弁23,24からの漏洩ガスを酸化触媒62で酸化することができる。
上記実施例は、固体高分子型、固体酸化物型、炭酸溶融塩型等の他のいずれのタイプの燃料電池にも適用可能である。
10 原燃料供給部
20 脱硫システム
21 除湿器
22 脱硫器
23,24 切替弁
25,26,27 温度センサ
28 光センサ
29 水蒸気センサ
30 改質水供給部
31 改質水タンク
32 ポンプ
33 イオン交換器
34 流量調節器
40 酸化剤ガス供給部
50 改質器
51 気化部
52 改質部
60 燃焼室
61 パッケージ
62 酸化触媒
63 ケース
70 燃料電池装置
71 カソード
72 アノード
73 電解質
80 熱交換部
81 熱交換器
82 凝縮水タンク
90 制御部
100 燃料電池システム
20 脱硫システム
21 除湿器
22 脱硫器
23,24 切替弁
25,26,27 温度センサ
28 光センサ
29 水蒸気センサ
30 改質水供給部
31 改質水タンク
32 ポンプ
33 イオン交換器
34 流量調節器
40 酸化剤ガス供給部
50 改質器
51 気化部
52 改質部
60 燃焼室
61 パッケージ
62 酸化触媒
63 ケース
70 燃料電池装置
71 カソード
72 アノード
73 電解質
80 熱交換部
81 熱交換器
82 凝縮水タンク
90 制御部
100 燃料電池システム
Claims (12)
- 水素含有ガスに改質される原燃料ガス中の水分を吸着する吸着材を備える除湿器と、
前記除湿器によって除湿された前記原燃料ガスを脱硫する脱硫器と、
前記除湿器に供給される前記原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低いまたは温度が高い除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することによって前記除湿器を再生させる再生手段と、
前記再生手段が前記除湿器に前記除湿器再生ガスを供給する際に、前記除湿器再生ガスが前記脱硫器、前記除湿器の順に供給されるように流路を構成する流路構成手段と、を備えることを特徴とする脱硫システム。 - 前記流路構成手段は、前記除湿器再生ガスが前記脱硫器、前記除湿器の順に供給される流路を、切替弁を用いて構成することを特徴とする請求項1記載の脱硫システム。
- 前記切替弁を収容するケースをさらに備え、
燃料電池を収容しかつ前記燃料電池のオフガスを酸化するための酸化触媒を備えるパッケージと、前記ケースとが接続されていることを特徴とする請求項2記載の脱硫システム。 - 前記除湿器再生ガスは、エアであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱硫システム。
- 前記除湿器再生ガスは、加熱されたエアであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱硫システム。
- 前記除湿器再生ガスは、燃料電池のオフガスを燃焼させることによって生じる排気ガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱硫システム。
- 前記再生手段は、排気吸引ポンプを用いて、前記排気ガスを前記除湿器に供給することを特徴とする請求項6記載の脱硫システム。
- 前記再生手段は、前記吸着材の温度、前記原燃料ガスの温度、または外気温が所定値を上回る場合に、前記除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の脱硫システム。
- 前記再生手段は、前記吸着材の温度上昇率が所定値を下回った場合に、前記除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の脱硫システム。
- 前記流路構成手段は、前記原燃料ガスが前記除湿器および前記脱硫器の順に経由して改質器に供給される第1流路形態、および、前記除湿器再生ガスが前記脱硫器、前記除湿器の順に供給される第2流路形態、のいずれか一方を選択することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の脱硫システム。
- 前記流路形態選択手段は、前記第1流路形態を選択した直後の所定期間内の前記吸着材の温度上昇率に基づいて、前記第1流路形態および前記第2流路形態を選択することを特徴とする請求項10記載の脱硫システム。
- 水素含有ガスに改質される原燃料ガス中の水分を吸着する吸着材を備える除湿器と、前記除湿器によって除湿された前記原燃料ガスを脱硫する脱硫器と、を備える脱硫システムにおいて、
前記除湿器に供給される前記原燃料ガスよりも水蒸気分圧の低い除湿器再生ガスを前記除湿器に供給することによって前記除湿器を再生させる再生ステップと、
前記再生ステップにおいて前記除湿器に前記除湿器再生ガスが供給される際に、前記除湿器再生ガスが前記脱硫器、前記除湿器の順に供給されるように流路を構成する流路構成ステップと、を含むことを特徴とする脱硫システムの制御方法。
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Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2014035960A (ja) * | 2012-08-09 | 2014-02-24 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システム |
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-
2010
- 2010-12-24 JP JP2010287877A patent/JP2012136560A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013045756A (ja) * | 2011-08-26 | 2013-03-04 | Jx Nippon Oil & Energy Corp | 燃料電池システム |
JP2014035960A (ja) * | 2012-08-09 | 2014-02-24 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システム |
JP2020161304A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | 大阪瓦斯株式会社 | 燃料電池システム |
JP7183095B2 (ja) | 2019-03-26 | 2022-12-05 | 大阪瓦斯株式会社 | 燃料電池システム |
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