JP4271472B2 - 水素発生装置および水素発生装置の運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素発生装置および水素発生装置の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば固体高分子電解質膜を燃料極(アノード)と酸素極(カソード)とで両側から挟み込んで形成されたセルを複数積層して構成されたスタックを備える固体高分子膜型燃料電池のように、燃料極に燃料として水素が供給され、酸素極に酸化剤として空気が供給されて、燃料極で触媒反応により発生した水素イオンが固体高分子電解質膜を通過して酸素極まで移動し、酸素極で酸素と電気化学反応を起こして発電する燃料電池が知られている。
そして、このような燃料電池に燃料として供給する水素を、炭化水素を含む液体燃料(例えば、メタノールやガソリン等)や気体燃料(例えば、メタンやエタン等)から生成する改質器を備えた燃料電池システムが知られている。
【0003】
そして、このような燃料電池システムの起動時において、改質器に具備される改質触媒を所定の触媒活性温度まで昇温させる暖機動作として、例えば始動燃焼器においてメタノール等の始動用燃料を燃焼させ、この燃焼熱を燃焼ガスを介して改質器に供給する方法(例えば、特許文献1参照)が知られている。
また、燃料電池システムの起動動作として、例えば改質器の上流側に配置された触媒燃焼器に空気と、例えばメタノール等の燃料とを所定の理論混合比で供給し、自己着火により触媒燃焼を開始させ、次いで、過剰量の液体燃料を触媒燃焼器に供給して蒸発させ、さらに、水蒸気を混合して得た改質用原料ガスを改質器に供給する方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−323163号公報
【特許文献2】
特開2000−191304号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係る方法において、例えばメタノール等の始動用燃料を直接的に燃焼させると、燃焼温度が過剰に高温となって窒素酸化物(NOX)の生成量が増大してしまうという問題が生じる。
また、触媒燃焼器において、メタノール等の燃料に対する触媒燃焼は常温では生じないため、上述したように空気と燃料とを所定の理論混合比で混合させるための装置や、触媒の温度を昇温させるための電気ヒータ等の特別な装置が必要となり、装置構成が複雑化すると共に、装置構成に要する費用や電力消費量が嵩むという問題が生じる。しかも、触媒燃焼器の触媒の温度が適切に上昇していない状態では、未燃焼の燃料や一酸化炭素が排出されてしまうという問題が生じる。本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、装置構成が複雑化することを抑制しつつ、始動および停止に要する時間やエネルギを削減して作動効率を向上させることが可能な水素発生装置および水素発生装置の運転方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の水素発生装置は、水素を含む原燃料を改質反応によって水素リッチな改質ガスに改質する改質装置と、前記改質装置にて生成された前記改質ガスから圧力スイング吸着法によって精製水素ガスを分離精製する圧力スイング吸着装置とを備える水素発生装置であって、前記圧力スイング吸着装置は、前記改質ガス中の水素以外の不純物を吸着する吸着塔と、前記改質装置にて生成された前記改質ガスを加圧して前記吸着塔に供給する改質ガス供給手段(例えば、後述する実施の形態でのPSAコンプレッサ31)と、前記吸着塔にて吸着された前記不純物を前記精製水素ガス中に脱着させてなるオフガスを貯溜するオフガスタンクとを備え、前記オフガスタンクから供給される前記オフガスを燃焼可能な燃焼触媒を具備し、前記水素発生装置の始動時に前記改質装置を暖機する始動触媒燃焼器(例えば、後述する実施の形態での始動触媒燃焼器25)を備え、前記水素発生装置は、前記水素発生装置の始動時に、前記オフガスタンクに貯溜されている前記オフガスを前記始動触媒燃焼器に供給し、前記始動触媒燃焼器での前記オフガスの燃焼により生じる燃焼熱によって前記改質装置を暖機し、前記改質装置が所定の作動開始状態に到達した場合に前記始動触媒燃焼器への前記オフガスの供給を停止することを特徴としている。
【0007】
上記構成の水素発生装置によれば、オフガスタンクから始動触媒燃焼器に供給されるオフガスは水素や一酸化炭素等の可燃性ガスを含み、例えば始動触媒燃焼器を暖機するための電気ヒータ等の特別な装置を必要とせずに、オフガスの触媒燃焼を生じさせることができ、装置構成が複雑化することを防止しつつ、確実に改質装置を暖機することができる。
これにより、例えば水素発生装置の始動当初から始動触媒燃焼器においてメタノール等の炭化水素燃料を燃焼させる場合に比べて、例えば窒素酸化物(NOX)の生成量や、未燃焼の燃料や一酸化炭素の排出量を低減することができる。
しかも、例えばメタノール等の炭化水素燃料に比べて、空気との混合比に対する燃焼可能範囲が相対的に広くなることから、空気とオフガスとの混合においてオフガスの含有率を相対的に高くしたオフガスリッチの状態で触媒燃焼を行うことによって還元性ガスを容易に生成することができる。
なお、改質装置の所定の作動開始状態とは、例えば所定量の改質ガスの排出が可能となる状態等とされている。
【0008】
さらに、請求項2に記載の本発明の水素発生装置は、前記始動触媒燃焼器に前記燃焼触媒にて触媒燃焼可能な燃料を供給する燃料供給手段(例えば、後述する実施の形態での燃料供給装置40)を備えることを特徴としている。
【0009】
上記構成の水素発生装置によれば、例えばオフガスの触媒燃焼によって始動触媒燃焼器の暖機が完了した時点でオフガスの供給を停止し、燃料供給手段から始動触媒燃焼器へ燃料を供給することができる。すなわち、始動触媒燃焼器の燃焼触媒が、例えば液体燃料(例えば、メタノールやガソリン等)や気体燃料(例えば、メタンやエタン等)からなる燃料を触媒燃焼可能な状態になるまでオフガスを供給するだけで済み、水素発生装置の始動時にオフガスが過剰に消費されてしまうことを防止することができる。
【0010】
さらに、請求項3に記載の本発明の水素発生装置は、前記吸着塔を迂回して前記改質ガス供給手段と前記オフガスタンクとを接続するバイパス流路(例えば、後述する実施の形態でのバイパス流路41)と、該バイパス流路における前記改質ガスの流通状態を制御するバイパス制御弁(例えば、後述する実施の形態での吸着塔バイパス弁42)とを備えることを特徴としている。
【0011】
上記構成の水素発生装置によれば、水素発生装置の停止時に、次回の始動時に改質装置を暖機するために要する所望量のオフガスをオフガスタンク内に確保する必要がある場合に、バイパス流路およびバイパス制御弁を介してオフガスタンクに改質ガスを供給することができる。
すなわち、圧力スイング吸着装置の作動状態に関わらずに、改質装置を暖機するのに要する改質ガスを含むオフガスの所望量を確保することができ、水素発生装置を停止させるために要する時間やエネルギを削減することができる。
【0012】
また、請求項4に記載の本発明の水素発生装置の運転方法は、水素を含む原燃料を改質反応によって水素リッチな改質ガスに改質する改質装置と、前記改質ガス中の水素以外の不純物を吸着して精製水素ガスを分離精製する吸着塔および前記改質装置にて生成された前記改質ガスを加圧して前記吸着塔に供給する改質ガス供給手段(例えば、後述する実施の形態でのPSAコンプレッサ31)および前記吸着塔にて吸着された前記不純物を前記精製水素ガス中に脱着させてなるオフガスを貯溜するオフガスタンクとを具備する圧力スイング吸着装置とを備える水素発生装置の運転方法であって、前記水素発生装置は、前記オフガスタンクから供給される前記オフガスを燃焼可能な燃焼触媒を具備する始動触媒燃焼器(例えば、後述する実施の形態での始動触媒燃焼器25)を備え、前記水素発生装置の始動時に、前記オフガスタンクに貯溜されている前記オフガスを前記始動触媒燃焼器に供給し(例えば、後述する実施の形態でのステップS02)、前記始動触媒燃焼器での前記オフガスの燃焼により生じる燃焼熱によって前記改質装置を暖機し(例えば、後述する実施の形態でのステップS02が兼ねる)、前記改質装置が所定の作動開始状態に到達した場合に前記始動触媒燃焼器への前記オフガスの供給を停止する(例えば、後述する実施の形態でのステップS04)ことを特徴としている。
【0013】
上記の水素発生装置の運転方法によれば、水素発生装置の始動時に、例えば始動触媒燃焼器を暖機するためだけの特別な処理を必要とせずに、改質装置の暖機を行うことができ、水素発生装置を始動させるために要する時間やエネルギを削減し、効率よく作動させることができる。なお、改質装置の所定の作動開始状態とは、例えば所定量の改質ガスの排出が可能となる状態等とされている。
【0014】
また、請求項5に記載の本発明の水素発生装置の運転方法は、水素を含む原燃料を改質触媒の改質反応によって水素リッチな改質ガスに改質する改質装置と、前記改質ガス中の水素以外の不純物を吸着して精製水素ガスを分離精製する吸着塔および前記改質装置にて生成された前記改質ガスを加圧して前記吸着塔に供給する改質ガス供給手段(例えば、後述する実施の形態でのPSAコンプレッサ31)および前記吸着塔にて吸着された前記不純物を前記精製水素ガス中に脱着させてなるオフガスを貯溜するオフガスタンクとを具備する圧力スイング吸着装置とを備える水素発生装置の運転方法であって、前記水素発生装置は、前記オフガスタンクから供給される前記オフガスを燃焼可能な燃焼触媒を具備する始動触媒燃焼器(例えば、後述する実施の形態での始動触媒燃焼器25)と、前記始動触媒燃焼器に前記燃焼触媒にて触媒燃焼可能な燃料を供給する燃料供給手段(例えば、後述する実施の形態での燃料供給装置40)とを備え、前記水素発生装置の始動時に、前記オフガスタンクに貯溜されている前記オフガスを前記始動触媒燃焼に供給し(例えば、後述する実施の形態でのステップS02)、前記始動触媒燃焼器での前記オフガスの燃焼により生じる燃焼熱によって前記改質装置を暖機し(例えば、後述する実施の形態でのステップS02が兼ねる)、前記始動触媒燃焼器の前記燃焼触媒が所定の活性状態に到達した場合に前記始動触媒燃焼器への前記オフガスの供給を停止し(例えば、後述する実施の形態でのステップS33)、前記燃料供給手段によって前記燃料を前記始動触媒燃焼器に供給し(例えば、後述する実施の形態でのステップS32)、前記改質装置が所定の作動開始状態に到達した場合に前記始動触媒燃焼器への前記燃料の供給を停止する(例えば、後述する実施の形態でのステップS37)ことを特徴としている。
【0015】
上記の水素発生装置の運転方法によれば、始動触媒燃焼器の燃焼触媒が所定の活性状態、例えば液体燃料(例えば、メタノールやガソリン等)や気体燃料(例えば、メタンやエタン等)からなる燃料を触媒燃焼可能な状態になるまでオフガスを供給するだけであるから、水素発生装置の始動時にオフガスが過剰に消費されてしまうことを防止することができる。
【0016】
さらに、請求項6に記載の本発明の水素発生装置の運転方法は、前記水素発生装置の停止時に、前記圧力スイング吸着装置の作動状態に応じて変化する前記オフガスタンク内の前記オフガスの圧力が、次回の前記水素発生装置の始動時に前記改質装置を暖機するのに要する前記オフガスの量に応じた所定の圧力(例えば、後述する実施の形態での再起動下限圧力PL)以上となった場合に、前記改質装置および前記圧力スイング吸着装置の作動を停止する(例えば、後述する実施の形態でのステップS22)ことを特徴としている。
【0017】
上記の水素発生装置の運転方法によれば、次回の始動時において、水素発生装置を適切な状態で確実に始動させることができる。しかも、圧力スイング吸着装置の作動状態に応じた所定のタイミングで所望のオフガスの圧力を確保することができ、例えばオフガスタンクの容量を増大させる必要無しに、効率よく圧力スイング吸着装置を作動させることができる。
【0018】
さらに、請求項7に記載の本発明の水素発生装置の運転方法では、前記水素発生装置は、前記吸着塔を迂回して前記改質ガス供給手段と前記オフガスタンクとを接続するバイパス流路(例えば、後述する実施の形態でのバイパス流路41)と、該バイパス流路における前記改質ガスの流通状態を制御するバイパス制御弁(例えば、後述する実施の形態での吸着塔バイパス弁42)とを備え、前記水素発生装置の停止時に、前記圧力スイング吸着装置の作動を停止し(例えば、後述する実施の形態でのステップS41)、前記バイパス制御弁を開弁状態に設定して前記改質ガスを、前記吸着塔を迂回して前記改質ガス供給手段から前記オフガスタンクへ供給し(例えば、後述する実施の形態でのステップS42)、前記オフガスタンク内の前記改質ガスを含む前記オフガスの圧力が、次回の前記水素発生装置の始動時に前記改質装置を暖機するのに要する前記改質ガスを含む前記オフガスの量に応じた所定の圧力(例えば、後述する実施の形態での再起動下限圧力PL)以上となった場合に、前記バイパス制御弁を閉弁状態に設定し(例えば、後述する実施の形態でのステップS44)、前記改質装置の作動を停止する(例えば、後述する実施の形態でのステップS45)ことを特徴としている。
【0019】
上記の水素発生装置の運転方法によれば、圧力スイング吸着装置の作動状態に関わらずに、次回の始動時において改質装置を暖機するのに要する改質ガスを含むオフガスの所望量を確保することができ、水素発生装置を停止させるために要する時間やエネルギを削減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る水素発生装置および水素発生装置の運転方法について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による水素発生装置10は、例えば燃料供給部(図示略)から供給される炭化水素を含む液体燃料(例えば、メタノールやガソリン等)や気体燃料(例えば、メタンやエタン等)を水素の含有率が高められた水素リッチなガスに改質し、例えば燃料電池(図示略)の燃料極に供給される燃料ガスを生成するものであって、例えば図1に示すように、液体燃料や気体燃料からなる原燃料(以下において、単に、燃料と呼ぶ)から水素リッチな改質ガスを生成する改質装置11と、水素リッチな改質ガスから例えば一酸化炭素や窒素等の不純物を除去して水素ガスを精製するPSA(Pressure Swing Absorption:圧力スイング吸着)装置12とを備えて構成されている。
なお、本実施の形態に係る燃料電池は、例えば陽イオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜を、アノード触媒およびガス拡散層からなる燃料極(アノード)とカソード触媒およびガス拡散層からなる酸素極(カソード)とで挟持してなる電解質電極構造体を、更に一対のセパレータで挟持してなる燃料電池セルを、多数組積層して構成されている。そして、燃料電池のアノードのアノード触媒上で触媒反応によりイオン化された水素は、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介してカソードへと移動し、この移動に伴って発生する電子が外部回路(図示略)に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。また、カソードには酸素を含む空気が供給され、このカソードにおいて、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。
【0021】
改質装置11は、例えば、蒸発器21と、改質器22と、変成器23と、触媒燃焼器24と、始動触媒燃焼器25と、空気ブロア26と、切換流量制御弁27とを備えて構成されている。
【0022】
蒸発器21は、例えば、外部から供給される水を加熱し、蒸気化して改質蒸気を生成し、この改質蒸気を、燃料供給部(図示略)から供給される液体燃料や気体燃料からなる改質用の燃料(以下、単に、改質燃料と呼ぶ)および改質用の空気(以下、単に、改質空気と呼ぶ)に混合して改質器22へ供給する。
なお、燃料供給部(図示略)から供給される液体燃料は、例えば蒸発器21で生成される蒸気と混合されることによって気化された状態で改質器22へ供給される。
【0023】
改質器22は、例えば、内部にRh系またはRu系等の改質触媒を備え、この改質触媒の触媒作用により改質器22内で、改質燃料を改質空気による酸化反応で部分酸化すると共に、改質燃料を改質蒸気による改質反応で水蒸気改質し、水素リッチな改質ガスを生成する。ここで、改質空気による酸化反応は、吸熱反応である改質反応で必要とされる熱量を補給する。
また、改質器22内では、不可避的に発生する改質燃料の分解反応によって一酸化炭素が生成され、改質ガス中に含まれるようになる。
そして、改質器22から排出される改質ガスは相対的に高温であるため、熱交換器(図示略)等で所定温度まで冷却された後に、変成器23に供給される。
【0024】
変成器23は、例えば、内部にCuZn系やPt系等のシフト触媒を備え、このシフト触媒の触媒作用により変成器23内で、改質器22から排出される改質ガスに含まれる一酸化炭素を変成反応によって二酸化炭素に変成する。
変成器23にて一酸化炭素の含有率が低減された改質ガスは、後述するように水素発生装置10の運転状態に応じて、切換流量制御弁27を介してPSA装置12や触媒燃焼器24等へ供給される。
【0025】
触媒燃焼器24は、例えば内部に燃焼触媒を備え、後述するように水素発生装置10の運転状態に応じて、PSA装置12から供給される例えば水素等の可燃性ガスを含むオフガスや変成器23から供給される水素リッチな改質ガス、あるいは、例えば燃料電池の燃料極から排出される未反応水素を含む排出燃料を、空気ブロア26から供給される空気によって燃焼させ、この燃焼により発生した燃焼熱を燃焼ガスを介して蒸発器21へ供給する。
すなわち、蒸発器21は触媒燃焼器24から供給される燃焼熱によって改質蒸気を生成しており、使用後の燃焼ガスは大気に排気されるようになっている。
【0026】
始動触媒燃焼器25は、例えば内部に燃焼触媒を備え、後述するように水素発生装置10の始動時等において、PSA装置12から供給される例えば水素等の可燃性ガスを含むオフガスを空気ブロア26から供給される空気によって燃焼させ、この燃焼により発生した燃焼熱を燃焼ガスを介して改質器22へ供給し、改質器22を暖機する。
【0027】
PSA装置12は、例えば3塔式の圧力スイング吸着装置であって、改質ガスを加圧するPSAコンプレッサ31と、第1〜第3切換制御弁32a,32b,32cと、第1〜第3吸着塔33a,33b,33cと、第1〜第3均圧制御弁34a,34b,34cと、水素貯蔵部35と、オフガスタンク36と、オフガス流量調整弁37と、始動用オフガス供給弁38と、オフガス供給弁39とを備えて構成されている。
なお、オフガスタンク36には、オフガスタンク36内のオフガスの圧力を検出する圧力センサ36aが備えられている。
【0028】
PSAコンプレッサ31は、例えば3方切換弁からなる各切換制御弁32a,32b,32cを介して各吸着塔33a,33b,33cに接続されており、改質装置11から排出される改質ガスは加圧されて、例えば活性炭やゼオライト等の吸着剤が充填された各吸着塔33a,33b,33c内へ供給可能とされている。
すなわち、後述する吸着処理において、各吸着塔33a,33b,33cは水素リッチな改質ガスに含まれる一酸化炭素や窒素等の不純物を吸着剤によって吸着除去しており、吸着剤に吸着されずに各吸着塔33a,33b,33c内を透過した改質ガスは水素ガスの含有率が高められた精製水素ガスとされて各吸着塔33a,33b,33cに接続された水素貯蔵部35へ流通するようになっている。
なお、後述するように、この吸着処理において、第1〜第3切換制御弁32a,32b,32cの何れか1つは、PSAコンプレッサ31から各吸着塔33a,33b,33cへ向かう流通方向FINに設定されている。
【0029】
また、各吸着塔33a,33b,33cは、各切換制御弁32a,32b,32cを介してオフガスタンク36に接続されており、第1〜第3吸着塔33a,33b,33cの何れかから排出されて各吸着塔33a,33b,33c内を流通した精製水素ガスは、オフガスとしてオフガスタンク36へ流通可能とされている。
すなわち、後述する洗浄処理において、第1〜第3吸着塔33a,33b,33cの何れかから排出された精製水素ガスが各吸着塔33a,33b,33c内を流通すると、各吸着塔33a,33b,33c内の吸着剤に吸着されていた一酸化炭素や窒素等の不純物が脱着されて精製水素ガスと共にオフガスタンク36へ排出され、各吸着塔33a,33b,33c内が、いわば洗浄されることとなる。
なお、後述するように、この洗浄処理において、第1〜第3切換制御弁32a,32b,32cの何れか1つは、各吸着塔33a,33b,33cからPSAオフガスタンク36へ向かう流通方向FOUTに設定されている。
【0030】
さらに、各吸着塔33a,33b,33cは、例えば3方切換弁からなる各均圧制御弁34a,34b,34cを介して均圧制御用流路34に接続されており、各均圧制御弁34a,34b,34cは、各吸着塔33a,33b,33cから均圧制御用流路34へ向かう流通方向OUT、あるいは、均圧制御用流路34から各吸着塔33a,33b,33cへ向かう流通方向INへの切換が可能とされている。
すなわち、後述する均圧−入処理および均圧−出処理において、第1〜第3均圧制御弁34a,34b,34cの何れか1つが閉状態に設定されると共に、他の2つのうちの一方が均圧制御用流路34へ向かう流通方向OUTに設定され、他方が各吸着塔33a,33b,33cへ向かう流通方向INに設定されることで、第1〜第3吸着塔33a,33b,33cの何れか2つの内圧が同等の圧力となる。
【0031】
つまり、各切換制御弁32a,32b,32cおよび各均圧制御弁34a,34b,34cでの流通方向の切換が制御されることで、例えば図2に示すように、順次、吸着、減圧、均圧−出、減圧、洗浄、均圧−入、昇圧からなる一連の処理が繰り返し実行されるようになっている。
【0032】
例えば、図2に示す時刻t0からt1においては、第1切換制御弁32aが流通方向FINに設定され、第1均圧制御弁34aが閉状態に設定されることで、第1吸着塔33a内に加圧された改質ガスが供給され、この第1吸着塔33a内で精製分離された精製水素ガスが水素貯蔵部35へ向かい排出される(第1吸着塔33a:吸着)。
このとき、第2均圧制御弁34bが流通方向INに設定され、第3均圧制御弁34cが流通方向OUTに設定されることで、第3吸着塔33cから第2吸着塔33bへ流通する精製水素ガスによって第2吸着塔33bが洗浄されると共に第3吸着塔33cが減圧され、さらに、第2切換制御弁32bが流通方向FOUTに設定されることで、第2吸着塔33bからオフガスタンク36へオフガスが流通し、オフガスタンク36の圧力が上昇傾向に変化する。
【0033】
次に、図2に示す時刻t1からt2においては、第2切換制御弁32bが閉状態に設定され、オフガスタンク36へ向かうオフガスの供給が停止されることで、オフガスタンク36の圧力が減少傾向に変化する。
さらに、第3吸着塔33cから第2吸着塔33bへ流通する精製水素ガスによって第2吸着塔33bと第3吸着塔33cとの圧力が同等の値となる(第2吸着塔33b:均圧−入、第3吸着塔33c:均圧−出)。
【0034】
次に、図2に示す時刻t2からt3においては、第1均圧制御弁34aが流通方向OUTに設定され、第3均圧制御弁34cが閉状態に設定されることで、第1吸着塔33aから第2吸着塔33bへ流通する精製水素ガスによって第2吸着塔33bの圧力が昇圧される。
このとき、第3切換制御弁32cが流通方向FOUTに設定されることで、第3吸着塔33cからオフガスタンク36へオフガスが流通し、第3吸着塔33cが減圧されることに伴い、オフガスタンク36の圧力が上昇傾向に変化する。
【0035】
次に、図2に示す時刻t3からt4においては、第1切換制御弁32aが閉状態に設定され、第2切換制御弁32bが流通方向FINに設定され、第2均圧制御弁34bが閉状態に設定されることで、第2吸着塔33a内に加圧された改質ガスが供給され、この第2吸着塔33b内で精製された精製水素ガスが水素貯蔵部35へ向かい排出される(第2吸着塔33b:吸着)。
このとき、第3均圧制御弁34cが流通方向INに設定され、第3切換制御弁32cが流通方向FOUTに設定されることで、第1吸着塔33aから第3吸着塔33cへ精製水素ガスが流通し、第1吸着塔33aの圧力が減圧されると共に、第3吸着塔33cが洗浄され、第3吸着塔33cからオフガスタンク36へオフガスが流通し、オフガスタンク36の圧力が上昇傾向に変化する。
【0036】
次に、図2に示す時刻t4からt5においては、第3切換制御弁32cが閉状態に設定され、第1吸着塔33aから第3吸着塔33cへ流通する精製水素ガスによって第1吸着塔33aと第3吸着塔33cとの圧力が同等の値となる(第1吸着塔33a:均圧−出、第3吸着塔33c:均圧−入)。
このとき、オフガスタンク36へ向かうオフガスの供給が停止されることで、オフガスタンク36の圧力が減少傾向に変化する。
【0037】
次に、図2に示す時刻t5からt6においては、第1均圧制御弁34aが閉状態に設定され、第2均圧制御弁34bが流通方向OUTに設定されることで、第2吸着塔33bから第3吸着塔33cへ流通する精製水素ガスによって第3吸着塔33cの圧力が昇圧される。
このとき、第1切換制御弁32aが流通方向FOUTに設定されることで、第1吸着塔33aからオフガスタンク36へオフガスが流通し、第1吸着塔33aが減圧されることに伴い、オフガスタンク36の圧力が上昇傾向に変化する。
【0038】
次に、図2に示す時刻t6からt7においては、第2切換制御弁32bが閉状態に設定され、第3切換制御弁32cが流通方向FINに設定され、第3均圧制御弁34cが閉状態に設定されることで、第3吸着塔33c内に加圧された改質ガスが供給され、この第3吸着塔33c内で精製された精製水素ガスが水素貯蔵部35へ向かい排出される(第3吸着塔33c:吸着)。
このとき、第1均圧制御弁34aが流通方向INに設定され、第1切換制御弁32aが流通方向FOUTに設定されることで、第2吸着塔33bから第1吸着塔33aへ精製水素ガスが流通し、第2吸着塔33bの圧力が減圧されると共に、第1吸着塔33aが洗浄され、第1吸着塔33aからオフガスタンク36へオフガスが流通し、オフガスタンク36の圧力が上昇傾向に変化する。
【0039】
次に、図2に示す時刻t7からt8においては、第1切換制御弁32aが閉状態に設定され、第2吸着塔33bから第1吸着塔33aへ流通する精製水素ガスによって第1吸着塔33aと第2吸着塔33bとの圧力が同等の値となる(第1吸着塔33a:均圧−入、第2吸着塔33b:均圧−出)。
このとき、オフガスタンク36へ向かうオフガスの供給が停止されることで、オフガスタンク36の圧力が減少傾向に変化する。
【0040】
次に、図2に示す時刻t8からt9においては、第2均圧制御弁34bが閉状態に設定され、第3均圧制御弁34cが流通方向OUTに設定されることで、第3吸着塔33cから第1吸着塔33aへ流通する精製水素ガスによって第1吸着塔33aの圧力が昇圧される。
このとき、第2切換制御弁32bが流通方向FOUTに設定されることで、第2吸着塔33bからオフガスタンク36へオフガスが流通し、第2吸着塔33bが減圧されることに伴い、オフガスタンク36の圧力が上昇傾向に変化する。
そして、以下において、上述した時刻t0から時刻t9までの一連の処理が繰り返し実行される。
【0041】
オフガスタンク36から改質装置11へ向かい排出されるオフガスは、オフガス流量調整弁37によって流量が適宜に調整された後に、例えば水素発生装置10の運転状態等に応じて、始動用オフガス供給弁38を介して始動触媒燃焼器25へ供給されると共に、オフガス供給弁39を介して触媒燃焼器24へ供給される。
【0042】
本実施の形態による水素発生装置10は上記構成を備えており、次に、この水素発生装置10の運転方法について添付図面を参照しながら説明する。
【0043】
以下に、水素発生装置10の始動制御の処理について説明する。
先ず、例えば図3に示すステップS01においては、触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25へ空気ブロア26から空気を供給する。これにより、例えば図4(b),(e)に示す時刻S01のように、触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25に供給される空気の流量が所定の値に設定される。
次に、ステップS02においては、始動用オフガス供給弁38およびオフガス供給弁39を開状態に設定し、触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25へオフガスタンク36からオフガス、つまり精製水素ガスと一酸化炭素や窒素等の不純物とを含むガスを供給する。これにより、例えば図4(c),(f)に示す時刻S02のように、触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25に供給されるオフガスの流量がオフガス流量調整弁37等によって所定の値に設定される。
これにより、オフガス中に含まれる水素や一酸化炭素等の可燃性ガスが触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25の各燃焼触媒によって燃焼し、これらの燃焼により発生する燃焼ガスが改質器22および蒸発器21へ供給され、例えば図4(a)に示す時刻a1のように、改質器22および蒸発器21の温度が上昇傾向に変化する。
【0044】
次に、ステップS03においては、改質器22の温度が所定の改質器活性開始温度TA、つまり改質触媒が所定の活性状態となる温度に到達したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS03に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合、例えば図4(a)に示す時刻S03のように改質器22の温度が所定の改質器活性開始温度TAに到達した場合には、ステップS04に進む。
なお、図4に示す時刻S03においては、改質器22の温度が所定の改質器活性開始温度TAに到達すると共に、蒸発器21の温度が所定の始動完了温度TSに到達するようになっている。
【0045】
ステップS04においては、始動用オフガス供給弁38を閉状態に設定し、始動触媒燃焼器25へのオフガスの供給を停止する。これにより、例えば図4(f)に示す時刻S04のように、始動触媒燃焼器25に供給されるオフガスの流量がゼロに設定される。
次に、ステップS05においては、空気ブロア26から始動触媒燃焼器25への空気の供給を停止する。これにより、例えば図4(e)に示す時刻S05のように、始動触媒燃焼器25に供給される空気の流量がゼロに設定される。
次に、ステップS06においては、既に上述した時刻S03にて蒸発器21が所定の始動完了状態に到達していることから、蒸発器21から改質器22へ改質蒸気の供給を開始する。これにより、例えば図4(g)に示す時刻S06のように、改質器22に供給される改質蒸気の流量が所定の値に設定される。
【0046】
次に、ステップS07においては、改質器22へ改質燃料の供給を開始する。これにより、例えば図4(h)に示す時刻S07のように、改質器22に供給される改質燃料の流量が所定の値に設定される。
次に、ステップS08においては、改質器22へ改質空気の供給を開始する。これにより、例えば図4(i)に示す時刻S08のように、改質器22に供給される改質空気の流量が所定の値に設定される。
これに伴い、改質器22の作動が開始され、例えば図4(a)に示す時刻a2のように、改質器22の温度がさらに上昇傾向に変化する。
【0047】
次に、ステップS09においては、改質器22が所定の作動状態に到達しつつあると判断して、例えば図4(d)に示す時刻S09以降のように、改質器22から排出される改質ガスを、変成器23および切換流量制御弁27を介して触媒燃焼器24へ供給する。これに伴い、例えばオフガス流量調整弁37により、図4(c)に示す時刻S09以降のように、触媒燃焼器24へ供給される改質ガスの流量の増大に応じて、オフガスタンク36から触媒燃焼器24へ供給されるオフガスの流量を低下させる。
そして、ステップS10においては、例えば図4(d)に示す時刻S10のように、変成器23から触媒燃焼器24へ供給される改質ガスの流量が所定の値に到達した時点で、例えばオフガス流量調整弁37により、オフガスタンク36から触媒燃焼器24へ供給されるオフガスの流量をゼロに設定する。
【0048】
次に、ステップS11においては、改質器22から排出される改質ガスの組成が安定したか否かを判定する。ここでは、例えば改質器22から排出される改質ガスに含まれる水素や水酸化炭素や一酸化炭素等の各ガスの濃度の検出値の時間変化量が所定変化量以下に低減したか否かを判定したり、あるいは、例えば改質器22の暖機運転状態で排出される改質ガスに含まれる水素や水酸化炭素や一酸化炭素等の各ガスの濃度の時間変化量のデータを予め保持しておき、このデータから各ガスの濃度の検出値の時間変化量が所定変化量以下に低減するのに要する時間を取得し、この時間が経過したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS11に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS12に進み、PSA装置12へ改質ガスの供給を開始し、一連の処理を終了する。
ここでは、例えば図4(d)に示す時刻a4のように、切換流量制御弁27の切換制御によって触媒燃焼器24への改質ガスの供給が停止され、触媒燃焼器24へ供給されていた改質ガスがPSA装置12へ供給されるようになる。これより、PSA装置12の作動が開始され、PSA装置12のオフガスタンク36内に貯溜されるオフガスの量が増加傾向に変化し、例えば図4(c)に示す時刻S12以降のように、オフガス流量調整弁37を介してオフガスタンク36から触媒燃焼器24へ供給されるオフガスの流量が増加傾向に変化するようになる。
【0049】
以下に、水素発生装置10の停止制御の処理について説明する。
先ず、例えば図5に示すステップS21においては、オフガスタンク36の圧力が所定の再起動下限圧力PL以上か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS21に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS22に進む。
なお、所定の再起動下限圧力PLは、上述したステップS01〜ステップS12における始動制御の処理において、改質器22や蒸発器21を所定の作動状態まで起動させるのに要するオフガスの量に応じた圧力であって、例えば図2に示すように、PSA装置12の所定の作動状態においてオフガスタンク36の圧力が再起動下限圧力PLを超えるようになっている。
【0050】
そして、ステップS22においては、次回の始動制御の処理において改質器22や蒸発器21を所定の作動状態まで起動させることが可能であると判断して、改質装置11およびPSA装置12の作動を停止して、一連の処理を終了する。
【0051】
上述したように、本実施の形態による水素発生装置10によれば、触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25にPSA装置12のオフガスタンク36から、水素や一酸化炭素等の可燃性ガスを含むオフガスを供給可能に構成したことにより、水素発生装置10の始動時等において、例えば触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25を暖機するための電気ヒータ等の特別な装置を必要とすることなしに、改質器22および蒸発器21を所望の作動状態まで暖機および起動させることができ、装置構成を簡略化することができる。
【0052】
しかも、本実施の形態による水素発生装置10の運転方法によれば、水素発生装置10の始動時において、単に触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25を暖機するためだけに特別な時間やエネルギを必要とすることが防止され、水素発生装置10の始動に要する時間およびエネルギの効率を向上させることができる。さらに、例えば水素発生装置10の始動当初から触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25においてメタノール等の炭化水素燃料を燃焼させる場合に比べて、例えば窒素酸化物(NOX)の生成量や、未燃焼の燃料や一酸化炭素の排出量を低減することができる。
しかも、例えばメタノール等の炭化水素燃料に比べて、空気との混合比に対する燃焼可能範囲が相対的に広くなることから、空気とオフガスとの混合においてオフガスの含有率を相対的に高くしたオフガスリッチの状態で触媒燃焼を行うことによって還元性ガスを容易に生成することができる。
【0053】
また、水素発生装置10の停止時において、次回の始動時に改質器22や蒸発器21を所定の作動状態まで起動させるのに要するオフガスの量に応じた圧力をオフガスタンク36に確保することにより、水素発生装置10を適切な状態で確実に始動させることができる。しかも、PSA装置12の作動状態に応じた所定のタイミングで所望の圧力を確保することができ、例えばオフガスタンク36の容量を増大させる必要無しに、効率よくPSA装置12を作動させることができる。
【0054】
なお、上述した実施の形態においては、水素発生装置10の始動制御の処理において、改質器22の温度が所定の改質器活性開始温度TAつまり改質触媒が所定の活性状態となる温度に到達するまで、および、蒸発器21の温度が所定の始動完了温度TSに到達するまでの期間に亘って、オフガスタンク36から始動触媒燃焼器25へオフガスを供給すると共に、改質器22が所定の作動状態に到達して所定量の改質ガスを排出するようになるまでの期間に亘ってオフガスタンク36から触媒燃焼器24へオフガスを供給するとしたが、これに限定されず、例えば改質器22の温度が所定の改質器活性開始温度TAに到達するより前のタイミングで触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25へのオフガスの供給を停止してもよい。
この場合には、例えば図6に示す本実施形態の第1変形例に係る水素発生装置10のように、触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25へ液体燃料(例えば、メタノールやガソリン等)や気体燃料(例えば、メタンやエタン等)からなる燃料を供給可能な燃料供給装置40を備えて水素発生装置10を構成する。そして、触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25に具備される各燃焼触媒が液体燃料や気体燃料からなる燃料を触媒燃焼可能な状態に到達した時点で、触媒燃焼器24および始動触媒燃焼器25へのオフガスの供給を停止し、液体燃料や気体燃料からなる燃料を供給するように切り替える。
【0055】
すなわち、図7に示す本実施形態の第1変形例に係る水素発生装置10の始動制御の処理において、上述した実施の形態でのステップS01〜ステップS12における始動制御の処理と異なる点は、例えば、ステップS02とステップS03との間にステップS31〜ステップS36の処理を追加し、ステップS04の代わりにステップS37の処理を実行し、さらに、ステップS10の代わりにステップS38の処理を実行する点である。
なお、以下において上述した実施の形態と同一部分については説明を簡略または省略する。
【0056】
つまり、この第1変形例において、例えば図7に示すステップS31においては、始動触媒燃焼器25の燃焼触媒の温度に係る改質器22の温度が、始動触媒燃焼器25において燃焼触媒が液体燃料や気体燃料からなる燃料を触媒燃焼可能な状態となる所定の触媒活性温度TC(ただし、触媒活性温度TC<改質器活性開始温度TA)に到達したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS31に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合、例えば図8(a)に示す時刻S31のように改質器22の温度が所定の触媒活性温度TCに到達した場合には、ステップS32に進む。
【0057】
ステップS32においては、始動触媒燃焼器25において燃焼触媒が燃料を触媒燃焼可能であると判断して、例えば図8(h)に示す時刻S32以降のように、始動触媒燃焼器25へ燃料の供給を開始する。これに伴い、始動触媒燃焼器25へ供給される燃料の流量が増大傾向に変化する。
そして、ステップS33においては、例えば図8(g)に示す時刻S33以降のように、始動触媒燃焼器25へ供給される燃料の流量が所定の値に到達した時点で、例えば始動用オフガス供給弁38により、オフガスタンク36から始動触媒燃焼器25へ供給されるオフガスの流量をゼロまで減少傾向に変化させる。
【0058】
次に、図7に示すステップS34においては、触媒燃焼器24の燃焼触媒の温度に係る蒸発器21の温度が、触媒燃焼器24において燃焼触媒が液体燃料や気体燃料からなる燃料を触媒燃焼可能な状態となる所定の触媒活性温度TC(ただし、触媒活性温度TC<始動完了温度TS)に到達したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS34に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合、例えば図8(a)に示す時刻S34のように蒸発器21の温度が所定の触媒活性温度TCに到達した場合には、ステップS35に進む。
【0059】
ステップS35においては、触媒燃焼器24において燃焼触媒が燃料を触媒燃焼可能であると判断して、例えば図8(d)に示す時刻S35以降のように、触媒燃焼器24へ燃料の供給を開始する。これに伴い、触媒燃焼器24へ供給される燃料の流量が増大傾向に変化する。
そして、ステップS36においては、例えば図8(c)に示す時刻S36以降のように、触媒燃焼器24へ供給される燃料の流量が所定の値に到達した時点で、例えばオフガス供給弁39により、オフガスタンク36から触媒燃焼器24へ供給されるオフガスの流量をゼロまで減少傾向に変化させる。
【0060】
また、ステップS37においては、始動触媒燃焼器25への燃料の供給を停止する。これにより、例えば図8(h)に示す時刻S37のように、始動触媒燃焼器25に供給される燃料の流量がゼロに設定される。
【0061】
また、ステップS09においては、改質器22が所定の作動状態に到達しつつあると判断して、例えば図8(e)に示す時刻S09以降のように、改質器22から排出される改質ガスを、変成器23および切換流量制御弁27を介して触媒燃焼器24へ供給する。これに伴い、例えば図8(d)に示す時刻S09以降のように、触媒燃焼器24へ供給される改質ガスの流量の増大に応じて、触媒燃焼器24へ供給される燃料の流量を低下させる。
そして、ステップS38においては、例えば図8(e)に示す時刻S38のように、変成器23から触媒燃焼器24へ供給される改質ガスの流量が所定の値に到達した時点で、触媒燃焼器24へ供給される燃料の流量をゼロに設定する。
【0062】
この第1変形例に係る水素発生装置10および水素発生装置10の運転方法によれば、触媒燃焼器24や始動触媒燃焼器25の燃焼触媒が液体燃料や気体燃料からなる燃料を触媒燃焼可能な状態、つまり触媒燃焼器24や始動触媒燃焼器25の暖機が完了した状態でオフガスの供給を停止することができ、水素発生装置10の停止時に次回の始動に備えて確保すべきオフガスの圧力を低減することができ、効率よくPSA装置12を作動させることができる。
また、オフガスの供給によって暖機が完了した触媒燃焼器24や始動触媒燃焼器25においては、液体燃料を蒸気化する必要無しに適切に触媒燃焼させることができるため、例えば液体燃料を単に直接噴霧するだけの装置を備えるだけで済み、装置構成を簡略化することができる。
【0063】
なお、上述した実施の形態においては、PSA装置12の所定の作動状態においてオフガスタンク36の圧力が再起動下限圧力PLを超えた場合に改質装置11およびPSA装置12の作動を停止するとしたが、これに限定されず、例えば図9に示す本実施形態の第2変形例に係る水素発生装置10のように、第1〜第3吸着塔33a,33b,33cを迂回してPSAコンプレッサ31とオフガスタンク36とを接続するバイパス流路41および吸着塔バイパス弁42を備え、PSA装置12の作動状態に関わらずに、オフガスタンク36の圧力を再起動下限圧力PLを超えるように設定可能としてもよい。
ここで、PSA装置12の作動時において、吸着塔バイパス弁42は閉状態に設定されている。
【0064】
すなわち、例えば図10に示す本実施形態の第2変形例に係る水素発生装置10の停止制御の処理において、先ず、ステップS21においては、オフガスタンク36の圧力が所定の再起動下限圧力PL以上か否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS22に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS41に進む。
【0065】
ステップS41においては、PSA装置12の作動を停止する。
次に、ステップS42においては、吸着塔バイパス弁42を開状態に設定する。これにより、PSAコンプレッサ31から供給される改質ガスが、各吸着塔33a,33b,33cを迂回して、オフガスタンク36へ流通するようになる。次に、ステップS43においては、オフガスタンク36の圧力が所定の再起動下限圧力PL以上か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS43に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS44に進む。
【0066】
ステップS44においては、吸着塔バイパス弁42を閉状態に設定する。
次に、ステップS45においては、改質装置11の作動を停止して、一連の処理を終了する。
【0067】
この第2変形例に係る水素発生装置10および水素発生装置10の運転方法によれば、PSA装置12の作動状態に関わらずに、次回の始動に備えた所望の圧力を確保することができ、水素発生装置10を停止させるために要する時間やエネルギを削減することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水素発生装置によれば、装置構成が複雑化することを防止しつつ、確実に改質装置を暖機することができる。また、例えば水素発生装置の始動当初から始動触媒燃焼器においてメタノール等の炭化水素燃料を燃焼させる場合に比べて、例えば窒素酸化物(NOX)の生成量や、未燃焼の燃料や一酸化炭素の排出量を低減することができ、オフガスリッチの状態で触媒燃焼を行うことによって還元性ガスを容易に生成することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の水素発生装置によれば、水素発生装置の始動時にオフガスが過剰に消費されてしまうことを防止することができる。
さらに、請求項3に記載の本発明の水素発生装置によれば、圧力スイング吸着装置の作動状態に関わらずに、改質装置を暖機するのに要する改質ガスを含むオフガスの所望量を確保することができ、水素発生装置を停止させるために要する時間やエネルギを削減することができる。
【0069】
また、請求項4に記載の本発明の水素発生装置の運転方法によれば、水素発生装置の始動時に、例えば始動触媒燃焼器を暖機するためだけの特別な処理を必要とせずに、改質装置の暖機を行うことができ、水素発生装置を始動させるために要する時間やエネルギを削減し、効率よく作動させることができる。
また、請求項5に記載の本発明の水素発生装置の運転方法によれば、水素発生装置の始動時にオフガスが過剰に消費されてしまうことを防止することができる。
【0070】
さらに、請求項6に記載の本発明の水素発生装置の運転方法によれば、次回の始動時において、水素発生装置を適切な状態で確実に始動させることができる。さらに、請求項7に記載の本発明の水素発生装置の運転方法によれば、圧力スイング吸着装置の作動状態に関わらずに、次回の始動時において改質装置を暖機するのに要する改質ガスを含むオフガスの所望量を確保することができ、水素発生装置を停止させるために要する時間やエネルギを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る水素発生装置の構成図である。
【図2】 図1に示すPSA装置の作動状態に応じたオフガスタンクの圧力変化の一例を示すグラフ図である。
【図3】 図1に示す水素発生装置の運転方法、特に始動制御の処理を示すフローチャートである。
【図4】 図4(a)は、改質器および蒸発器の温度の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図4(b)は触媒燃焼器における空気の流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図4(c)は触媒燃焼器におけるオフガスの流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図4(d)は触媒燃焼器における改質ガスの流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図4(e)は始動触媒燃焼器における空気の流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図4(f)は始動触媒燃焼器におけるオフガスの流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図4(g)は改質器における改質蒸気の流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図4(h)は改質器における改質燃料の流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図4(i)は改質器における改質空気の流量の時間変化の一例を示すグラフ図である。
【図5】 図1に示す水素発生装置の運転方法、特に停止制御の処理を示すフローチャートである。
【図6】 本実施形態の第1変形例に係る水素発生装置の構成図である。
【図7】 図6に示す本実施形態の第1変形例に係る水素発生装置の運転方法、特に始動制御の処理を示すフローチャートである。
【図8】 図8(a)は、改質器および蒸発器の温度の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(b)は触媒燃焼器における空気の流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(c)は触媒燃焼器におけるオフガスの流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(d)は触媒燃焼器における燃料の流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(e)は触媒燃焼器における改質ガスの流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(f)は始動触媒燃焼器における空気の流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(g)は始動触媒燃焼器におけるオフガスの流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(h)は始動触媒燃焼器における燃料の流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(i)は改質器における改質蒸気の流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(j)は改質器における改質燃料の流量の時間変化の一例を示すグラフ図であり、図8(k)は改質器における改質空気の流量の時間変化の一例を示すグラフ図である。
【図9】 本実施形態の第2変形例に係る水素発生装置の構成図である。
【図10】 図9に示す本実施形態の第2変形例に係る水素発生装置の運転方法、特に停止制御の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 水素発生装置
11 改質装置
12 PSA装置(圧力スイング吸着装置)
24 触媒燃焼器
25 始動触媒燃焼器
31 PSAコンプレッサ(改質ガス供給手段)
33a 第1吸着塔
33b 第2吸着塔
33c 第3吸着塔
36 オフガスタンク
40 燃料供給装置(燃料供給手段)
41 バイパス流路
42 吸着塔バイパス弁(バイパス制御弁)
Claims (7)
- 水素を含む原燃料を改質反応によって水素リッチな改質ガスに改質する改質装置と、
前記改質装置にて生成された前記改質ガスから圧力スイング吸着法によって精製水素ガスを分離精製する圧力スイング吸着装置とを備える水素発生装置であって、
前記圧力スイング吸着装置は、前記改質ガス中の水素以外の不純物を吸着する吸着塔と、前記改質装置にて生成された前記改質ガスを加圧して前記吸着塔に供給する改質ガス供給手段と、前記吸着塔にて吸着された前記不純物を前記精製水素ガス中に脱着させてなるオフガスを貯溜するオフガスタンクとを備え、
前記オフガスタンクから供給される前記オフガスを燃焼可能な燃焼触媒を具備し、前記水素発生装置の始動時に前記改質装置を暖機する始動触媒燃焼器を備え、
前記水素発生装置は、前記水素発生装置の始動時に、前記オフガスタンクに貯溜されている前記オフガスを前記始動触媒燃焼器に供給し、
前記始動触媒燃焼器での前記オフガスの燃焼により生じる燃焼熱によって前記改質装置を暖機し、
前記改質装置が所定の作動開始状態に到達した場合に前記始動触媒燃焼器への前記オフガスの供給を停止する
ことを特徴とする水素発生装置。 - 前記始動触媒燃焼器に前記燃焼触媒にて触媒燃焼可能な燃料を供給する燃料供給手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
- 前記吸着塔を迂回して前記改質ガス供給手段と前記オフガスタンクとを接続するバイパス流路と、
該バイパス流路における前記改質ガスの流通状態を制御するバイパス制御弁と
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水素発生装置。 - 水素を含む原燃料を改質反応によって水素リッチな改質ガスに改質する改質装置と、
前記改質ガス中の水素以外の不純物を吸着して精製水素ガスを分離精製する吸着塔および前記改質装置にて生成された前記改質ガスを加圧して前記吸着塔に供給する改質ガス供給手段および前記吸着塔にて吸着された前記不純物を前記精製水素ガス中に脱着させてなるオフガスを貯溜するオフガスタンクとを具備する圧力スイング吸着装置とを備える水素発生装置の運転方法であって、
前記水素発生装置は、前記オフガスタンクから供給される前記オフガスを燃焼可能な燃焼触媒を具備する始動触媒燃焼器を備え、
前記水素発生装置の始動時に、前記オフガスタンクに貯溜されている前記オフガスを前記始動触媒燃焼器に供給し、
前記始動触媒燃焼器での前記オフガスの燃焼により生じる燃焼熱によって前記改質装置を暖機し、
前記改質装置が所定の作動開始状態に到達した場合に前記始動触媒燃焼器への前記オフガスの供給を停止することを特徴とする水素発生装置の運転方法。 - 水素を含む原燃料を改質触媒の改質反応によって水素リッチな改質ガスに改質する改質装置と、
前記改質ガス中の水素以外の不純物を吸着して精製水素ガスを分離精製する吸着塔および前記改質装置にて生成された前記改質ガスを加圧して前記吸着塔に供給する改質ガス供給手段および前記吸着塔にて吸着された前記不純物を前記精製水素ガス中に脱着させてなるオフガスを貯溜するオフガスタンクとを具備する圧力スイング吸着装置とを備える水素発生装置の運転方法であって、
前記水素発生装置は、前記オフガスタンクから供給される前記オフガスを燃焼可能な燃焼触媒を具備する始動触媒燃焼器と、前記始動触媒燃焼器に前記燃焼触媒にて触媒燃焼可能な燃料を供給する燃料供給手段とを備え、
前記水素発生装置の始動時に、前記オフガスタンクに貯溜されている前記オフガスを前記始動触媒燃焼に供給し、
前記始動触媒燃焼器での前記オフガスの燃焼により生じる燃焼熱によって前記改質装置を暖機し、
前記始動触媒燃焼器の前記燃焼触媒が所定の活性状態に到達した場合に前記始動触媒燃焼器への前記オフガスの供給を停止し、
前記燃料供給手段によって前記燃料を前記始動触媒燃焼器に供給し、
前記改質装置が所定の作動開始状態に到達した場合に前記始動触媒燃焼器への前記燃料の供給を停止することを特徴とする水素発生装置の運転方法。 - 前記水素発生装置の停止時に、前記圧力スイング吸着装置の作動状態に応じて変化する前記オフガスタンク内の前記オフガスの圧力が、次回の前記水素発生装置の始動時に前記改質装置を暖機するのに要する前記オフガスの量に応じた所定の圧力以上となった場合に、前記改質装置および前記圧力スイング吸着装置の作動を停止することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の水素発生装置の運転方法。
- 前記水素発生装置は、前記吸着塔を迂回して前記改質ガス供給手段と前記オフガスタンクとを接続するバイパス流路と、該バイパス流路における前記改質ガスの流通状態を制御するバイパス制御弁とを備え、
前記水素発生装置の停止時に、
前記圧力スイング吸着装置の作動を停止し、
前記バイパス制御弁を開弁状態に設定して前記改質ガスを、前記吸着塔を迂回して前記改質ガス供給手段から前記オフガスタンクへ供給し、
前記オフガスタンク内の前記改質ガスを含む前記オフガスの圧力が、次回の前記水素発生装置の始動時に前記改質装置を暖機するのに要する前記改質ガスを含む前記オフガスの量に応じた所定の圧力以上となった場合に、前記バイパス制御弁を閉弁状態に設定し、
前記改質装置の作動を停止することを特徴とする請求項6に記載の水素発生装置の運転方法。
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