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液体膜による炭酸ガス分離・除湿方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオール類とアミン類とを組み合わせた炭酸ガスキャリヤー液を圧力勾配下に安定に保持でき、且つ炭酸ガス・水蒸気を効率よく分離・除去できるように、前記炭酸ガスキャリヤー液体を保持した積層構造の炭酸ガス分離・除去膜を使用した、連続的な炭酸ガス分離・除去方法および該方法のための装置に関する。
【0002】
【従来技術】
炭酸ガスを含む混合気体から、炭酸ガスを分離・除去する技術としては、多くのもが知られている。1、代表的プロセスとして吸収法がある。これには、トリエチレングリコール、炭酸プロピレンなどの物理吸収液を用いたものと、アミン水溶液、炭酸カリ水溶液などの化学吸収液を用いる炭酸ガスを選択的に吸収する方法があり、これらは工業的に用いられている。しかし、この吸収法は吸収液を再利用するためには、炭酸ガスを分離する再生操作が必要である点で簡便なプロセスとは言い難い。2、また、吸着剤として固体のゼオライトなどを用いた吸着プロセスもあるが、この場合も前記1、と同様に再生操作が必要であり、前記と同様の問題がある。
【0003】
これに対して、前記再生操作の不都合を改良し、かつ連続操作が可能な炭酸ガスの選択的除去方法および装置も知られている。そのようなものとして、3、炭酸ガス選択透過性のポリイミドなど高分子膜を用いる、炭酸ガス選択膜による分離法が提案されている(特開平6−71148、特開平5−329343、特開平8−318140)。しかし、この方法は、固体高分子膜を通してガスを透過させるものであるため、透過量が小さいこと、また、膜が高価である等の問題があった。そこで最近は、前記吸収操作と膜分離操作の中間的なものともいえる炭酸ガスなどの分離法も提案されている。例えば、4.膜吸収と呼ばれる、多孔質膜を介して吸収液に炭酸ガスを吸収させるプロセスが提案されている(特開平10−99665)。該方法は多孔質膜を単位体積あたり気液接触面積を大きくするために使用しているのであり、膜にガスの分離を機能を持たせたものとは言えない。また、吸収液の再生が必要なのは前記吸収法と同じである。
【0004】
5.これに対して、炭酸ガスの分離機能を、水ないし炭酸ガス吸収液に持たせた、該液体を含んだゲル膜(特開平6−99045)や多孔質膜内に炭酸ガス吸収性液を表面張力で保持したものを使用して、連続操作により炭酸ガスなどの分離・除去(濃縮)する方法が提案されている。米国特許第5281254号明細書及び米国特許第48343779号明細書にもこれらの技術が提案されている。これらの方法においては、前記液体は、ガスキャリヤー液と呼ばれ、該液体のガス成分の選択的吸着(優先吸着)特性、促進輸送特性(優先的な透過特性)などを利用している。しかし、前記提案の炭酸ガスなどの分離・除去の方法では、前記ゲル膜(膨張膜)、促進輸送膜は、膜の透過側を真空にし、圧力勾配を前記膜にかけるような操作では、液の漏れ出しやゲル膜の乾燥がおこるため、実質的に両側をほぼ等圧にして行わなければならないために、高い炭酸ガス選択透過性を示すが効率が良くないという問題がある。また、米国特許第5082472号明細書にも、膨潤させたポリテトラフルオロエチレン多孔質膜を支持体機能の膜と積層した炭酸ガス分離膜が記載されているが、炭酸ガス選択透過膜の、操作時の安定性などの点で依然として不都合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記炭酸ガスキャリヤー液体の漏れ出し、ガスの分離・除去機能を持つ膜がゲル膜であることによる乾燥の問題などを改善した、圧力勾配下における炭酸ガスの分離・除去の操作において安定に前記キャリヤー液を保持でき、前記キャリヤー液を、膜への配合、膜の膨潤、またはゲル化により保持させる必要がないように、前記キャリヤー液を保持する膜の材質および構造を改善すると共に、炭酸ガスキャリヤー液体の組成を工夫して、炭酸ガスキャリヤー液体の保持特性を改善した炭酸ガス分離・除去方法および該方法を実施するための装置を提供することである。前記課題を解決すべく鋭意検討する中で、炭酸ガスキャリヤー液体として、グリコール類とアミン類、特にヒドロキシル基を持ったアミン類、との組み合わせを用いることと、前記炭酸ガスキャリヤー液体を保持する膜を、親水性処理をしたポリテトラフルオロエチレン等からなる親水性の多孔質膜とこれに隣接して配置された前記炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の疎水性多孔質膜よりなる積層構造の膜とすることとの相互作用により、前記親水性の多孔質膜に前記炭酸ガスキャリヤー液を吸収させるだけで、圧力勾配下における炭酸ガスの分離・除去の操作において、炭酸ガスキャリヤー液を、安定な液体膜として保持でき、かつ炭酸ガス分離性が大きいことを見いだした。ちなみに、前記検討の中で、グリコール類単独では、安定な液体膜となるが炭酸ガス分離性が小さく、また、アミン類単独では、安定な液体膜にならないことが分かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、(1)ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種とヒドロキシル基を持つアミン類とを前記アミンの濃度が少なくとも5%で炭酸ガス分離時に300kPaにおいても浸透しない上限濃度となるように組み合わせた炭酸ガスキャリヤー液(C)を含浸・保持した親水性ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(A)とこれに隣接して配置された前記炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の0.2から10ミクロンの平均孔径を有し、空隙率は30〜85%の範囲であり、水の侵入圧力400kPa以上およびトリエチレングリコールの侵入圧力200kPa以上の特性を有するフッ素含有モノマーの重合により多孔質膜の内部表面を含む多孔質膜の表面全体を疎水性に改良した疎水性多孔質膜(B)よりなる積層構造の炭酸ガス分離・除去膜の、前記炭酸ガスキャリヤー液体を含浸・保持した非膨張、非ゲル化多孔質膜側を炭酸ガスと水蒸気を含む供給気体に接触させ、前記疎水性多孔膜側を水蒸気圧以下の減圧部に接触させて、少なくとも前記炭酸ガスを前記積層構造の炭酸ガス分離・除去膜により滅圧部に優先的に透過させ前記供給気体中から選択的に除去することを特徴とする炭酸ガス分離・除去方法である。好ましくは(2)フッ素含有モノマーの重合により多孔質膜の内部表面を含む多孔質膜の表面全体を疎水性に改良する多孔質膜が、ポリプロピレンまたはフッ化ポリビニリデンからなるものであることを特徴とする前記(1)に記載の炭酸ガス分離・除去方法である。
【0007】
本発明の第2は、(3)ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種とヒドロキシル基を持つアミン類とを前記アミンの濃度が少なくとも5%で炭酸ガス分離時に300kPaにおいても浸透しない上限濃度となるように組み合わせた炭酸ガスキャリヤー液(C)を含浸・保持した非膨張、非ゲル化多孔質膜(A)とこれに隣接して配置された、0.2から10ミクロンの平均孔径を有し、空隙率が30〜85%の範囲であり、水の侵入圧力が400kPa以上およびトリエチレングリコールの侵入圧力が200kPa以上の特性を有するフッ素含有モノマーの重合により多孔質膜の内部表面を含む多孔質膜の表面全体を疎水性に改良した前記炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の疎水性多孔質膜(B)よりなる積層構造の炭酸ガス分離・除去膜、前記積層構造の炭酸ガス分離・除去膜の前記グリコール類と前記ヒドロキシル基を持つアミン類とを組み合わせた炭酸ガスキャリヤー液(C)を含浸・保持した多孔質膜(A)側を炭酸ガスおよび水蒸気を含む供給気体と接触させて通過させる室と炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の疎水性多孔質膜(B)側を減圧にする装置に接続され、前記積層構造の炭酸ガス分離・除去膜の炭酸ガスの優先透過により減圧部に透過された炭酸ガスを除去する室とを前記積層構造の炭酸ガス分離・除去膜を介して設けたことを特徴とする炭酸ガス分離・除去装置である。好ましくは、(4)フッ素含有モノマーの重合により多孔質膜の内部表面を含む多孔質膜の表面全体を疎水性に改良する多孔膜がポリプロピレンまたはフッ化ポリビニリデンからなるものであることを特徴とする前記(3)に記載の炭酸ガス分離・除去装置である。また、必要により、前記積層構造の炭酸ガス分離・除去膜の膜形状を保持する支持する部材、例えば金属、セラミック焼結板からなる部材を設けることができる。本発明者は、炭酸ガスキャリヤー液を保持する膜の材質および構造を改善すると共に、炭酸ガスキャリヤー液体の組成を工夫して、炭酸ガスキャリヤー液体の保持特性を改善することによって、前記課題を解決したものである。
【0008】
【本発明の実施の態様】
本発明を、図面を参照にしながら詳細に説明する。1.ポリオール類とアミン類とを組み合わせた炭酸ガスキャリヤー液(C)につき説明する。ポリオールとしては、ポリエチレングリコール(分子量が1000以下)、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールのグリコール類を好ましい材料として挙げることができる。これらの混合物であっても良い。アミン類としては、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、2−アミノー2−メチル−1−プロパノール等を挙げることができ、ヒドロキシル基を有するアミン類が特に好ましい材料として挙げることができる。これらの混合物であっても良い。炭酸ガスキャリヤー液(C)としては、少なくとも5%のアミン類を含有する、特に好ましくは少なくとも10%のアミン類を含有することが、炭酸ガス分離・除去特性の点から好ましい。アミン類の含有量の上限は、炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の疎水性多孔質膜(B)材質との関連で、差圧300kPa程度まで前記膜(B)に浸透しないように決定される。
【0009】
2.前記炭酸ガスキャリヤー液(C)を含浸・保持する非膨張、非ゲル化多孔質膜(A)について。多孔質膜としては膜を貫通する細孔を有する構造で多孔度(空隙率)が10〜85%のものであれば特に制限はなく、市販のナイロン製多孔質膜、親水性処理を施したポリテトラフルオロエチレン製多孔質膜、ポリオレフイン製多孔質膜などが使用できる。膜素材が疎水性で前記炭酸ガスキャリヤー液(C)が直接膜内に浸透しない場合には、あらかじめメタノール等に膜を浸漬した後その膜を液体(C)に浸漬して、膜内の液を置き換えればよい。含浸した液体膜の厚みは通常は前記多孔質膜(A)の厚み程度となるが、さらに液体厚みを薄くしたい場合には、液体を水で希釈してから含浸し、その後水を蒸発させることで、薄くすることができる。3.炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の疎水性多孔質膜(B)について。この膜を設けたことが本発明の特徴であり、その機能はその表面の撥水(撥液)特性によって、膜の片側が真空の状態、例えば、飽和水蒸気分圧が室温で2kPa以下の低真空でも炭酸ガスキャリヤー液(C)が漏れ出さないものである。
【0010】
疎水性の多孔質膜を形成するのに適したポリマーの代表的なものには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリアミド;ポリスチレン若しくは置換されたポリスチレン;ポリ(テトラフルオロエチレン)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)等を含むフッ素化ポリマー;ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のポリサルフォン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を含むポリエステル;ポリアクリレート及びポリ炭酸エステル;セルロース系ポリマー;並びにポリ塩化ビニル及びポリアクリロニトリル等のビニルポリマー、が挙げられる。ブタジエン及びスチレンのコポリマー、フッ素化エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー等のコポリマーもまた用いることができる。前記撥液性の疎水性多孔質膜(B)を設けることにより、液体中に吸収された炭酸ガスが選択的に真空側へ透過する。これに使用する疎水性多孔質膜としては、0.2から10ミクロンの平均孔径を有し、空隙率(多孔度)は30〜85%の範囲であり、水の侵入圧力400kPa以上およびトリエチレングリコールの侵入圧力200kPa以上の特性を有するフッ素含有モノマーの重合により多孔質膜の内部表面を含む多孔質膜の表面全体を疎水性に改良したものを好ましい材料として挙げることができ、フツ素モノマーで表面処理をした、ポリプロピレン多孔質膜およびフツ化ポリビニリデン(PVDF=ポリビニリデンジフルオライド)多孔質膜を特に好ましい材料として挙げることができる。このような材料は、例えば、ミリポア社から商品UPE、Durapel膜(特開平6−9810号公報等参照)等として市販のものである。この膜の特性は、多孔度70%、孔径0.2μm、膜厚み120μmであり、水進入圧は公称427kPaである。本発明において使用される炭酸ガスキャリヤー液体も差圧300kPa程度まで、疎水性多孔質膜中に進入しない。
【0011】
4.炭酸ガス分離・除去方法および装置について。 図1(b)が本発明の、図1の(a)に示す、炭酸ガスキャリヤー液(C)を含浸・保持する非膨張、非ゲル化多孔質膜(A)と炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の疎水性多孔質膜(B)とが積層された炭酸ガス分離・除去膜を用いた炭酸ガス分離・除去方法および炭酸ガス分離・除去装置の一態様である。前記積層構造の膜がステンレス製焼結板(S.P:積層膜保持部材)上に設置され、Oリング(O.R)ではさんで固定される。供給ガス入り口(G.I)から、例えば炭酸ガスと水蒸気を含むガスを供給し、前記積層膜の透過側(P.S)を真空ポンプ(V.P)で水蒸気圧以下の真空に保つことにより、透過側に濃縮された炭酸ガス(透過ガス)を得る。供給ガス中の他の成分は空気、メタンなど任意のガスであってよい。なお、前記積層構造の膜は、膜を製造する工程で積層構造にすることができ、また、積層中空膜構造とすることもできる。
【0012】
【実施例】
実施例1
平膜セル(膜面積22.9cm)のステンレス焼結板上に、炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の疎水性多孔膜(B)(前記ミリポア社製のDurapeI膜)を置き、その上トリエチレングリコール90%、ジエタノールアミン10%の混合液(C)を含浸させた膜厚み35μm、多孔度79%の親水性ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(A)(ミリポア社製の市販のもの)を設置する。供給ガスとして炭酸ガスとメタンの混合ガスに水蒸気を混和させたものを100cm/minの流量で供給する。供給側圧力を1.8Kg/cm2(絶対圧)、透過側を3mmHgに保つ。操作湿度は室温(28℃)である。この操作で透過側に0.4cm/min程度の透過ガスが得られ、供給側炭酸ガス濃度13vol%に対して、透過ガス中の炭酸ガス濃度は87vol%に濃縮された。この実験データより透過係数を推算すると、炭酸ガスに対して2.71×10−8、メタンに対して5.78×10−1cm(STP)・cm/s・cm・cmHg)、両者の理想分離係数は47が得られた。その他の実験結果も図2に示す。またこの図中には液体膜をトリエチレングリコール100%とした場合の実験結果を比較例として記載した(▲記号参照)。この比較例から、炭酸ガス分離性は、本発明の炭酸ガス分離・除去方法の方が高い炭酸ガス分離性が得られることが理解され、これは、ポリオール類とアミン類とを組み合わせた炭酸ガスキャリヤー液を使用することによることがわかる。
【0013】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は炭酸ガスの分離法において連続操作が可能な新規な膜分離法を提供するものであり、本発明は分離係数・透過速度ともに大きく、かつ装置を構成する各材料が安価であるので小型、安価な炭酸ガス分離装置を構成できる。膜面積を大きくすることにより、排気ガス、天然ガスなど各種の炭酸ガス分離が必要なプロセスに適用できるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の炭酸ガス吸収性液体を保持する積層構造の膜(a)と炭酸ガス分離装置(b)である
【図2】 本発明の積層膜を用いた炭酸ガスの分離性能
【符号の説明】
(A) 親水性の非膨張、非ゲル化多孔質膜(B) 炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の疎水性多孔質膜(C) 炭酸ガスキャリヤー液 S.P 積層膜保持部材O.R Oリング G.I 供給ガス入り口 P.S 透過側V.P 真空ポンプ

Claims (4)

  1. ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種とヒドロキシル基を持つアミン類とを前記アミンの濃度が少なくとも5%で炭酸ガス分離時に300kPaにおいても浸透しない上限濃度となるように組み合わせた炭酸ガスキャリヤー液(C)を含浸・保持した親水性ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(A)とこれに隣接して配置された前記炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の0.2から10ミクロンの平均孔径を有し、空隙率は30〜85%の範囲であり、水の侵入圧力400kPa以上およびトリエチレングリコールの侵入圧力200kPa以上の特性を有するフッ素含有モノマーの重合により多孔質膜の内部表面を含む多孔質膜の表面全体を疎水性に改良した疎水性多孔質膜(B)よりなる積層構造の炭酸ガス分離・除去膜の、前記炭酸ガスキャリヤー液体を含浸・保持した非膨張、非ゲル化多孔質膜側を炭酸ガスと水蒸気を含む供給気体に接触させ、前記疎水性多孔膜側を水蒸気圧以下の減圧部に接触させて、少なくとも前記炭酸ガスを前記積層構造の炭酸ガス分離・除去膜により滅圧部に優先的に透過させ前記供給気体中から選択的に除去することを特徴とする炭酸ガス分離・除去方法。
  2. フッ素含有モノマーの重合により多孔質膜の内部表面を含む多孔質膜の表面全体を疎水性に改良する多孔質膜が、ポリプロピレンまたはフッ化ポリビニリデンからなるものであることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガス分離・除去方法。
  3. ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種とヒドロキシル基を持つアミン類とを前記アミンの濃度が少なくとも5%で炭酸ガス分離時に300kPaにおいても浸透しない上限濃度となるように組み合わせた炭酸ガスキャリヤー液(C)を含浸・保持した非膨張、非ゲル化多孔質膜(A)とこれに隣接して配置された、0.2から10ミクロンの平均孔径を有し、空隙率が30〜85%の範囲であり、水の侵入圧力が400kPa以上およびトリエチレングリコールの侵入圧力が200kPa以上の特性を有するフッ素含有モノマーの重合により多孔質膜の内部表面を含む多孔質膜の表面全体を疎水性に改良した前記炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の疎水性多孔質膜(B)よりなる積層構造の炭酸ガス分離・除去膜、前記積層構造の炭酸ガス分離・除去膜の前記グリコール類と前記ヒドロキシル基を持つアミン類とを組み合わせた炭酸ガスキャリヤー液(C)を含浸・保持した多孔質膜(A)側を炭酸ガスおよび水蒸気を含む供給気体と接触させて通過させる室と炭酸ガスキャリヤー液に対して撥液性の疎水性多孔質膜(B)側を減圧にする装置に接続され、前記積層構造の炭酸ガス分離・除去膜の炭酸ガスの優先透過により減圧部に透過された炭酸ガスを除去する室とを前記積層構造の炭酸ガス分離・除去膜を介して設けたことを特徴とする炭酸ガス分離・除去装置。
  4. フッ素含有モノマーの重合により多孔質膜の内部表面を含む多孔質膜の表面全体を疎水性に改良する多孔膜がポリプロピレンまたはフッ化ポリビニリデンからなるものであることを特徴とする請求項3に記載の炭酸ガス分離・除去装置。
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