JP2014129089A - ステアリングコラム支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】チルトピボット軸15aによる揺動ブラケット28の支持剛性を十分に確保でき、しかも1対のブッシュ30cを構成する側板部32cの耐久性を十分に確保した状態で、チルト動作を行う際の抵抗を低く抑えることができる、チルト機構付き電動式パワーステアリング装置用のステアリングコラム支持装置を実現する。
【解決手段】チルトピボット軸15aの外周面および挿通孔29の内周面のうちで、ブッシュ30cを構成する円筒部31を挟持する部分を、それぞれ円筒面とする。また、ブッシュ30cを構成する側板部32cの外側面に、アシスト反力が発生していない状態である中立状態で、支持板部23の内側面と接触する主接触面部36、および、中立状態では支持板部23とは非接触で、アシスト反力が発生して弾性変形した場合のみ支持板部23の内側面と接触する副接触面部37を除肉部として設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、ステアリングホイールの高さ位置を調節可能とするチルト機構を備えた電動式パワーステアリング装置、特に、そのステアリングコラムを車体側に揺動可能に支持するためのステアリングコラム支持装置に関する。
自動車のステアリング装置には、通常、運転者の体格や運転姿勢などに応じてステアリングホイールの高さ位置を調節可能とするチルト機構や、ステアリングホイールの前後位置を調節可能とするテレスコピック機構が組み込まれている。また、電動モータを動力源として、運転者がステアリングホイールを操作する力を軽減できるように構成した電動式パワーステアリング装置を組み込むことも、広く行われている。図25は、チルト機構およびテレスコピック機構を備えた、電動式パワーステアリング装置の従来例を示している。
ステアリング装置は、後端部にステアリングホイール1を固定するステアリングシャフト2と、ステアリングシャフト2をその内径側に回転自在に支持するステアリングコラム3と、ステアリングシャフト2に補助トルクを付与するための電動アシスト装置4と、ステアリングシャフト2の回転に基づいて左右1対のタイロッド5を押し引きするためのステアリングギヤユニット6とを備える。なお、本明細書における前後方向は、車体の前後方向を意味する。
電動式パワーステアリング装置において、ステアリングシャフト2は、前側に配置されたインナシャフト7と、後側に配置されたアウタシャフト8とを、回転力の伝達を可能、かつ、軸方向の相対変位を可能に組み合わせることによって、軸方向の伸縮が可能な構造となっている。また、ステアリングコラム3は、前側に配置されたインナコラム9と、後側に配置されたアウタコラム10とを、軸方向の相対変位を可能に組み合わせることによって、軸方向の伸縮が可能な構造となっている。アウタシャフト8は、アウタコラム10の内側に、このアウタコラム10に対する軸方向の変位を抑えた状態で、回転自在に支持される。
インナコラム9の前端部は、電動アシスト装置4を構成するハウジング11の後端面に結合固定される。一方、インナシャフト7は、ハウジング11内に挿入され、その前端部が、電動アシスト装置4を構成する入力軸に結合される。また、この入力軸にトーションバーを介して連結された、電動アシスト装置4を構成する出力軸12の前端部は、ハウジング11の前端面から突出して、自在継手18、中間シャフト19、別の自在継手20を介して、ステアリングギヤユニット6の入力軸21に連結される。
インナコラム9は、前部支持ブラケット13により、ハウジング11を介して、車体14の一部に支持される。チルト機構を実現するため、前部支持ブラケット13は、前部支持ブラケット13に支持された、車体14の幅方向(図25の表裏方向)に長いチルトピボット軸15を中心として、ハウジング11を揺動可能に支持する。
アウタコラム10の中間部は、後部支持ブラケット16により、車体14の一部に支持される。チルト機構およびテレスコピック機構を実現するため、アウタコラム10は、後部支持ブラケット16に対して、前後移動および上下移動を不能とする固定状態と、前後移動および上下移動を可能とする非固定状態とを切り換え可能に支持される。このような支持構造については、従来から各種の構造が知られており、本発明の特徴でもないため、詳しい説明は省略する。
このような電動式パワーステアリング装置の場合、ステアリングホイール1の高さ位置および前後位置を調節する際には、調節ハンドル17(図26参照)を所定方向(通常は下方)に回動させることにより、後部支持ブラケット16に対し、アウタコラム10の中間部を非固定状態とする。そして、この状態で、チルトピボット軸15を中心にステアリングコラム3を揺動させることにより、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する。また、ステアリングコラム3およびステアリングシャフト2を伸縮させることにより、ステアリングホイール1の前後位置を調節する。そして、調節後は、調節ハンドル17を所定方向とは逆方向(通常は上方)に回動させることにより、後部支持ブラケット16に対し、アウタコラム10の中間部を固定状態とする。
また、電動アシスト装置4は、操舵時に、ステアリングホイール1からステアリングシャフト2にトルクが加わると、このトルクの方向および大きさを、ハウジング11内に設けられたトルクセンサで検知し、検出されたトルクに応じて、ハウジング11の外面に支持した電動モータ22により、ハウジング11内に設けたウォーム式減速機を介して、出力軸12に、補助トルク(アシスト力)を付与するように構成されている。
このようなステアリングホイール1の位置調節機構を備えた電動式パワーステアリング装置においては、特許第3707252号公報などに記載されているように、ステアリングコラム3の揺動中心部分である、チルトピボット部分の摺動部に、ブッシュを組み付けることによって、このチルトピボット部分の耐久性の向上が図られている。図26〜図31は、チルトピボット部分にブッシュを組み付けた電動式パワーステアリング装置用のステアリングコラム支持装置の従来構造の第1例を示している。
前部支持ブラケット13aは、鋼板などの金属板製で、車体14の幅方向(図26、図30の表裏方向、図27、図28、図29の左右方向)に離隔して配置される、互いに平行な1対の支持板部23を有する。また、チルトピボット軸15aは、1対の支持板部23の下端寄り部分同士の間に掛け渡された状態で、車体14の幅方向に配設される。チルトピボット軸15aは、鋼などの金属材製のチルトボルト24と、鋼、アルミニウム合金などの金属材製で円筒状のスリーブ25とから構成される。チルトボルト24は、その杆部を、1対の支持板部23の下端寄り部分に互いに同心に設けられた1対の円孔26に挿通するとともに、杆部の先端部に設けた雄ねじ部にナット27を螺合し、さらに締め付けることにより、支持板部23同士の間に掛け渡す状態で取り付けられる。また、スリーブ25は、チルトボルト24の杆部に外嵌した状態で、ナット27の締め付けに基づき、支持板部23同士の間に挟持固定される。
電動アシスト装置4aを構成するハウジング11aは、アルミニウム合金などの金属材製で、その前端部に揺動ブラケット28が一体に設けられている。揺動ブラケット28の先端部には、挿通孔29が、車体14の幅方向に設けられている。挿通孔29の内周面は、軸方向両端部の内径寸法が軸方向中間部の内径寸法よりも少しだけ大きくなった、段付きの円筒面により構成される。この段付きの円筒面の軸方向両端部と軸方向中間部とは、互いに同心である。揺動ブラケット28の前端部ないし中間部が、支持板部23同士の間に配置された状態で、揺動ブラケット28が、挿通孔29を挿通するチルトボルト24およびスリーブ25を介して、支持板部23同士の間に支持されることにより、ハウジング11aおよびステアリングコラム3aが、チルトピボット軸15aを中心とする揺動を可能に、前部支持ブラケット13aに対して支持される。
チルトピボット軸15aを構成するスリーブ25の軸方向両端部に、1対のブッシュ30が外嵌されている。それぞれのブッシュ30は、ポリアミド樹脂などの合成樹脂と、ゴムやビニルなどのエラストマーとを含む弾性材、あるいは、含油メタルなどの低摩擦材により、全体を円管状に形成されており、円筒部31と、この円筒部31の軸方向一端部から径方向外方に伸長する円輪状(外向きフランジ状)の側板部32とを備える。ブッシュ30の円筒部31は、スリーブ25の外周面の軸方向両端部と、挿通孔29の内周面の軸方向両端部との間に、径方向のがたつきがないように、それぞれ挟持される。ブッシュ30の側板部32は、揺動ブラケット28の幅方向両側面と、支持板部23の内側面との間に、軸方向のがたつきがないように、それぞれ挟持される。
このような従来構造の場合、チルトピボット軸15aの軸方向両端部にブッシュ30を組み付けているため、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際に、チルトピボット軸15aを中心として揺動ブラケット28を揺動させても、チルトピボット軸15aと揺動ブラケット28とが直接擦れ合うことが防止されるだけでなく、支持板部23と揺動ブラケット28とが直接擦れ合うことも防止される。したがって、これらの部材同士が直接擦れ合うことによって進行する摩耗や塑性変形により、これらの部材により構成されるチルトピボット部分に、がたつきの原因となる隙間が生じるといった事態が回避される。
電動式パワーステアリング装置の場合、電動アシスト装置4aが出力軸12aにアシスト力を付与する際に、その反力であるアシスト反力が、ハウジング11aに対して出力軸12aの回転方向と逆方向に加わる。この結果、ハウジング11aを構成する揺動ブラケット28が、チルトピボット軸15aおよび支持板部23に対し、アシスト反力を受けて、出力軸12aの回転方向とは逆方向に変位および傾斜する傾向となる。この際、ブッシュ30が、チルトピボット軸15aおよび支持板部23と、揺動ブラケット28との間で弾性的に圧縮されつつ、あるいは圧縮方向に押圧されつつ、アシスト反力を支承することにより、揺動ブラケット28の変位および傾斜を抑制することになる。これにより、揺動ブラケット28と、チルトピボット軸15aおよび支持板部23とが直接擦れ合うことが防止される。
ところで、従来構造の第1例の場合、ブッシュ30による反アシスト力の支承能力、すなわち、揺動ブラケット28の変位および傾斜を抑制する能力を確保するために、円筒部31の軸方向長さ、および、側板部32の径方向高さを、それぞれある程度大きくしている。また、支持板部23の内側面および揺動ブラケット28の両側面と、側板部32の両側面とは、すべて平行な平面となっている。このため、アシスト力が発生していない中立状態で、側板部32の両側面と、支持板部23の内側面および揺動ブラケット28の両側面とがほぼ全面で接触した状態となっている。したがって、円筒部31の軸方向長さ、および、側板部32の径方向高さを大きくした分だけ、円筒部31の内外両周面と相手面(チルトピボット軸15aの外周面、または、揺動ブラケット28の挿通孔29の内周面)との接触面積、および、側板部32の両側面と相手面(支持板部23の内側面、または、揺動ブラケット28の両側面)との接触面積が、それぞれ大きくなっている。
一方、従来構造の第1例の場合、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際には、揺動ブラケット28がチルトピボット軸15aを中心として揺動することに伴い、ブッシュ30を構成する円筒部31の内周面および側板部32の外側面と、円筒部31の外周面および側板部32の内側面とのうち、少なくとも一方の表面と、この表面と対向する相手面との接触部に、円周方向の滑りが生じる。この接触部に作用する摩擦力は、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際の抵抗となるため、できるだけ低くかつ安定していることが望ましい。ところが、円筒部31の内外両周面および側板部32の両側面と相手面との接触面積が、それぞれ大きくなっているため、ブッシュ30の表面と相手面との接触部に作用する摩擦力が、これらの相手面の性状の影響を受けて、比較的高くかつ不安定になり、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際の操作感を悪化させる可能性がある。
一方、図32(A)および図32(B)は、特開2008−30728号公報に記載されている、電動式パワーステアリング装置用のステアリングコラム支持装置の従来構造の第2例および第3例を示している。これらの構造では、揺動ブラケット28aに形成した挿通孔29aの内周面を、軸方向の中央部から両端部に向かうほど、ブッシュ30a(30b)を構成する円筒部31aの外周面から離れる方向に傾斜させている。これにより、挿通孔29aの内周面と円筒部31aの外周面との間の軸方向中央部を挟んだ両側部分に、それぞれ断面形状がくさび状である略円筒状の隙間33を設けている。そして、図32(A)に示す従来構造の第2例の場合には、ブッシュ30aを構成する側板部32aの外側面を、径方向外方に向かうほど支持板部23の内側面から離れる方向に傾斜させている。これにより、側板部32aの外側面と支持板部23の内側面との間に、断面形状がくさび状である略円輪状の隙間34aを設けている。一方、図32(B)に示す従来構造の第3例の場合には、ブッシュ30bを構成する側板部32bの内側面を、径方向外方に向かうほど揺動ブラケット28aの外側面から離れる方向に傾斜させている。これにより、側板部32aの内側面と揺動ブラケット28aの外側面との間に、断面形状がくさび状である略円輪状の隙間34bを設けている。このようにして設けた隙間33、34a、34bの存在に基づいて、チルトピボット軸15aの中心軸に対し、揺動ブラケット28a(挿通孔29aの中心軸)を傾斜させやすくしている。
前部支持ブラケット13aおよび後部支持ブラケット16aの形状誤差や車体14(図26参照)に対する取付誤差などに起因して、チルト動作時における、後部支持ブラケット16aによるステアリングコラム3a(図26参照)の中間部の案内方向が、チルトピボット軸15aの中心軸と直交する仮想平面に対して傾斜することがある。従来構造の第2例および第3例では、このような場合でも、チルトピボット軸15aの中心軸に対して揺動ブラケット28aが傾斜することにより、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置調節時のステアリングコラム3aの揺動方向と、ステアリングコラム3aの中間部の案内方向とが、互いに一致した状態となる。したがって、これら揺動方向および案内方向が不一致となることにより、ステアリングホイール1の高さ位置の調節動作が不良となる事態を回避することが可能である。
さらに、従来構造の第2例および第3例の場合、隙間33の存在に基づいて、挿通孔29aの内周面と円筒部31aの外周面との接触面積が小さくなっている。このため、通孔29aの内周面と円筒部31aの外周面との間に作用する摩擦力を小さくできる。また、隙間34a、34bの存在に基づいて、従来構造の第2例では、揺動ブラケット28aの両側面と側板部32a、32bの内側面との接触面圧(図32(A)参照)を、従来構造の第3例では、これらの接触面積(図32(B)参照)を、それぞれ小さくすることができる。このため、これらの間に作用する摩擦力を安定して小さくすることができ、揺動ブラケット28aとブッシュ30a、30bとの間に滑りを生じさせることにより、ステアリングホイール1の高さ位置の調節を行う際の抵抗を低く抑えて、この高さ位置調節の作業性を向上させることが可能である。
しかしながら、従来構造の第2例および第3例の場合には、隙間33の存在に基づいて、チルトピボット軸15aによる揺動ブラケット28aの支持剛性が低くなり、ステアリングホイール1(図25参照)の支持剛性も低くなる。この結果、運転者に違和感を与える可能性がある。また、操舵時に発生するアシスト反力により、それぞれの隙間33、34a、34bのうち、特に隙間33の存在に基づいて、揺動ブラケット28aがチルトピボット軸15aの中心軸に対し、比較的大きく傾斜する。このことによっても、運転者に違和感を与える可能性がある。
特許第3707252号公報 特開2008−30728号公報
本発明は、上述のような事情に鑑みて、1対のブッシュによる反アシスト力の支承能力を確保しつつ、ステアリングホイールの高さ位置を調節する際に、これらのブッシュの表面と、この表面と対向する相手面との間に作用する摩擦力を安定して低く抑えることができる、電動式パワーステアリング装置用のステアリングコラム支持装置の構造を実現することを目的としている。
本発明のステアリングコラム支持装置は、特に、チルト機構を備えた電動式パワーステアリング装置に適用される。本発明のステアリングコラム支持装置は、前部支持ブラケットと、チルトピボット軸と、揺動ブラケットと、1対のブッシュとを備える。
前記前部支持ブラケットは、車体に固定され、この車体の幅方向に離隔して配置される互いに平行な1対の支持板部を有する。また、前記チルトピボット軸は、前記支持板部同士の間に掛け渡された状態で、前記車体の幅方向に配設される。さらに、前記揺動ブラケットは、電動アシスト装置のハウジングの一部に設けられ、前記チルトピボット軸が挿通する挿通孔を有し、ステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムを前記ハウジングを介して支持する。
前記1対のブッシュは、弾性材製または低摩擦材製で、全体が環状にそれぞれ形成される。また、これらのブッシュは、前記チルトピボット軸の軸方向両端部にそれぞれ外嵌され、かつ、それぞれが、前記チルトピボット軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間に挟持される円筒部と、この円筒部の軸方向一端部から径方向外方に伸長し、前記揺動ブラケットの側面と前記支持板部の内側面との間に挟持される円輪状の側板部とを有する。これらのブッシュのそれぞれにおいては、少なくとも前記電動アシスト装置により前記ステアリングシャフトに付与されるアシスト力が発生していない中立状態において、前記円筒部の両周面のうちの少なくとも一方の一部、または、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の一部に、これらの面に対向する相手面と非接触状態となる除肉部が設けられる。
本発明の一態様では、前記除肉部は、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方に設けられている凹部により構成される。
この場合、前記ブッシュのそれぞれにおいて、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の径方向一方の半部に、少なくとも前記中立状態で前記相手面に接触する主接触面部を形成するとともに、その径方向他方の半部に、少なくとも前記中立状態では、前記相手面に接触せず、前記アシスト力の反力により、前記側板部が弾性変形した場合にのみ、前記相手面に接触する副接触面部を形成して、この副接触面部により前記凹部を構成することができる。この構成では、前記主接触面部を内径側に、前記副接触面部を外径側に設けることができる。ただし、逆に、前記主接触面部を外径側に、前記副接触面部を内径側に設けることもできる。
代替的に、前記凹部を、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の径方向中間部に設けることもできる。この場合、前記凹部を、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の周方向の複数個所に設けられ、径方向に伸長する凹溝、あるいは、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の周方向に伸長する凹溝により構成することができる。この凹溝は、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の全周にわたって形成することができる。ただし、この凹溝を、周方向に配置される、複数の円弧状の凹溝により構成することもできる。
本発明の別の態様では、前記除肉部を、前記円筒部および前記側板部のうちの少なくとも一方の少なくとも周方向1箇所において、その厚さ方向にわたって貫通するように形成する。この場合、前記除肉部を、前記円筒部および前記側板部のうちの少なくとも一方の少なくとも周方向1箇所において、その周方向の一部を不連続とする不連続部、前記円筒部および前記側板部のうちの少なくとも一方の端縁に開口する切り欠き、あるいは、前記円筒部および前記側板部のうちの少なくとも一方の厚さ方向に貫通する透孔により構成することができる。
なお、本発明のステアリングコラム支持装置では、前記チルトピボット軸の外周面および前記挿通孔の内周面のうちで、前記ブッシュの前記円筒部を挟持する部分を、それぞれ軸方向にわたって径が変化しない円筒面として、前記ブッシュのそれぞれの前記円筒部を、前記チルトピボット軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間にがたつきなく支持することが好ましい。
本発明のステアリングコラム支持装置によれば、1対のブッシュによる反アシスト力の支承能力を確保した場合でも、ステアリングホイールの高さ位置を調節する際に、これらのブッシュの表面(円筒部の周面および側板部の側面)と、この表面が対向する相手面との間に作用する摩擦力を安定して低く抑えることができる。すなわち、ブッシュを構成する円筒面の周面あるいは側板部の側面の少なくともいずれかの一部に、少なくともアシスト力が発生していない中立状態で、これらの面に対向する相手面と非接触状態となる除肉部を設けている。このため、ブッシュの表面と相手面との接触面積をこの除肉部の分だけ小さくして、ステアリングホイールの高さ位置を調節する際の抵抗となる、ブッシュの表面と相手面との接触部に作用する摩擦力を安定して低く抑え、もって、ステアリングホイールの高さ位置の調節動作の作業性を向上させている。
図1は、本発明の実施の形態の第1例のチルトピボット部分を切断状態で示す拡大図である。 図2は、図1のa部拡大図である。 図3は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図である。 図4は、本発明の実施の形態の第3例を示す、図2と同様の図である。 図5は、本発明の実施の形態の第4例を示す、図2と同様の図である。 図6は、本発明の実施の形態の第5例を示す、図28と同様の図である。 図7は、図6のb部拡大図である。 図8は、本発明の実施の形態の第5例に組み込むブッシュを、側板部の外側面側から見た図である。 図9(A)〜(C)は、本発明の実施の形態の第5例に組み込み可能な、側板部の側面に設ける凹部の3例を示す図である。 図10は、本発明の実施の形態の第6例を示す、図7と同様の図である。 図11は、本発明の実施の形態の第7例を示す、図7と同様の図である。 図12は、本発明の実施の形態の第8例を示す、図1と同様の図である。 図13は、図12のc−c断面図である。 図14(A)は、本発明の実施の形態の第8例に組み込むブッシュの側面図であり、図14(B)は図14(A)の右方から見た図である。 図15(A)は、本発明の実施の形態の第9例に組み込むブッシュの断面図(図15(B)のd−d断面図)であり、図15(B)は図15(A)の右方から見た図である。 図16は、本発明の実施の形態の第10例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図17は、本発明の実施の形態の第11例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図18は、本発明の実施の形態の第12例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図19は、本発明の実施の形態の第13例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図20は、本発明の実施の形態の第14例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図21は、本発明の実施の形態の第15例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図22は、本発明の実施の形態の第16例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図23は、本発明の実施の形態の第17例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図24は、ステアリングホイールの高さ位置の調節を行うのに要する力を小さくでき、しかも、アシスト反力により揺動ブラケットがチルトピボット軸の中心軸に対して傾斜する量を抑えられる構造の参考例を示す、図2と同様の図である。 図25は、チルト機構を備えた電動式パワーステアリング装置の従来構造の1例を、一部を切断した状態で示す略側面図である。 図26は、ステアリングコラム支持装置の従来構造の第1例を示す要部側面図である。 図27は、チルトピボット部分を切断した状態で示す、図26の左方から見た図である。 図28は、図27のe部拡大図である。 図29は、図28のf部拡大図である。 図30は、図28のg−g断面図である。 図31は、従来構造の第1例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図32(A)は、ステアリングコラム支持装置の従来構造の第2例に組み込むブッシュを示す、図29と同様の図であり、図32(B)は、ステアリングコラム支持装置の従来構造の第3例に組み込むブッシュを示す、図29と同様の図である。
[実施の形態の第1例]
図1〜図2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本発明のステアリングコラム支持装置は、特に、チルト機構を備えた電動式パワーステアリング装置に適用される。本発明のステアリングコラム支持装置は、前部支持ブラケット13aと、チルトピボット軸15aと、揺動ブラケット28と、1対のブッシュ30cとを備える。前部支持ブラケット13aは、車体に固定され、この車体の幅方向に離隔して配置される互いに平行な1対の支持板部23を有する。チルトピボット軸15aは、支持板部23同士の間に掛け渡された状態で、車体の幅方向に配設される。揺動ブラケット28は、電動アシスト装置のハウジングの一部に設けられ、チルトピボット軸15aが挿通する挿通孔29を有する。それぞれのブッシュ30cは、ポリアミド樹脂などの合成樹脂と、ゴムやビニルなどのエラストマーとを含む弾性材製、または、含油メタルなどの低摩擦材製で、全体が環状にそれぞれ形成され、かつ、チルトピボット軸15aの軸方向両端部にそれぞれ外嵌され、かつ、それぞれが、チルトピボット軸15aの外周面と挿通孔29の内周面との間に挟持される円筒部31と、円筒部31の軸方向一端部から径方向外方に伸長し、揺動ブラケット28の側面と支持板部23の内側面との間に挟持される円輪状の側板部32cとにより構成される。なお、本例の特徴は、それぞれのブッシュ30cの側板部32cの外側面の形状およびブッシュ30cの円筒部31の設置箇所の構造にある。その他の部分の構造および作用は、従来構造の第1例の場合と同様である。
本例の場合、ブッシュ30cの側板部32cの両側面のうち、揺動ブラケット28の両側面と対向する内側面を、単一の円輪面としている。これに対し、側板部32cの両側面のうち、前部支持ブラケット13aを構成する1対の支持板部23の内側面と対向する外側面の、それぞれ内周寄り部分に段部35を形成している。これにより、側板部32cの外側面を、この段部35を挟んだ径方向両側部分のうち、一方の半部である外側部分を、他方の半部である内側部分に対して軸方向内側に後退させた、段付きの円輪面としている。そして、段部35を挟んだ径方向両側部分のうちの内径側部分を、単一円輪状の主接触面部36とし、外径側部分を、主接触面部36と同心で単一円輪状の副接触面部37としている。そして、アシスト反力が作用していない、中立状態で、図1〜図2に示すように、側板部32cの内側面のほぼ全体を、それぞれ揺動ブラケット28の両側面に接触させている。これに対し、側板部32cの外側面は、径方向内側部分の主接触面部36のみを、支持板部23の内側面に接触させている。すなわち、この状態で、側板部32cの外側面のうち、径方向外側部分の副接触面部37は、支持板部23の内側面と接触しておらず、支持板部23の内側面に対し、小さい隙間を介して対向している。
一方、ブッシュ30cを構成する円筒部31は、それぞれが軸方向に関して径が変化しない円筒面である、チルトピボット軸15aを構成するスリーブ25の外周面の軸方向両端部と、揺動ブラケット28に設けた挿通孔29の内周面の軸方向両端部との間に挟持される。すなわち、中立状態では、図1〜図2に示すように、円筒部31の内外両周面のほぼ全体(少なくとも軸方向両端部の径方向内外両周縁の面取り部を除いた部分)が、スリーブ25の外周面の両端部および前記挿通孔29の内周面の両端部に対し、隙間なく接触した状態となっている。
本例のステアリングコラム支持装置によれば、チルトピボット軸15aによる揺動ブラケット28の支持剛性を十分に確保できるとともに、操舵時に発生するアシスト反力により揺動ブラケット28がチルトピボット軸15aの中心軸に対して傾斜する量を十分に抑えることができる。また、ブッシュ30cを構成する側板部32cの耐久性を十分に確保した状態で、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置の調節を行う際の抵抗を低く抑えることができる。
すなわち、本例の場合、チルトピボット軸15aを構成するスリーブ25の外周面、および、挿通孔29の内周面のうちで、ブッシュ30cを構成する円筒部31を挟持する部分を、それぞれ軸方向にわたり径が変化しない円筒面としている。そして、中立状態で、これらの円筒面を、それぞれ円筒部31の内外両周面のほぼ全体(少なくとも両端部の面取り部を除いた部分)に、相対回転のために必要な微小隙間を除き、ほぼ隙間なく接触させている。したがって、チルトピボット軸15aによる揺動ブラケット28の支持剛性を十分に確保できる。また、アシスト反力により、揺動ブラケット28がチルトピボット軸15aの中心軸に対して傾斜する傾向となった場合に、円筒部31により、アシスト反力を効率良く支承できる。このため、この傾斜量を十分に低く抑えることができる。
また、本例の場合、ステアリングホイール1の高さ位置の調節を行う状態でもある、中立状態では、ブッシュ30cを構成する側板部32cの外側面が、支持板部23の内側面に対し、主接触面部36のみで接触し、副接触面部37では接触しない。このため、中立状態では、側板部32cの外側面と、支持板部23の内側面との接触面積を小さくして、これら外側面と内側面との接触部に作用する摩擦力を小さくすることができる。したがって、ステアリングホイール1の高さ位置の調節時に、側板部32cの外側面と支持板部23の内側面とを摺動させることで、ステアリングホイール1の高さ位置の調節を行う際の抵抗を低く抑えることができる。
また、本例の場合、アシスト反力により、揺動ブラケット28が、1対の支持板部23のうちのいずれか一方の支持板部23側に変位するとともに、チルトピボット軸15aの中心軸に対して傾斜する傾向となった場合に、側板部32cのうちの少なくとも円周方向一部分が、揺動ブラケット28の両側面により押されて弾性変形する。この結果、側板部32cのうち、この弾性変形した部分の外側面が、支持板部23の内側面に対し、主接触面部36だけでなく、副接触面部37でも接触するようになる。このため、側板部32cに関しては、主接触面部36に対応する部分だけでなく、副接触面部37の少なくとも一部に対応する部分を含めた広い範囲で、アシスト反力を支承できる。さらに揺動ブラケット28の変位に伴い、支持板部23が変形する。この支持板部23の変形により、側板部32cのうち外径側が支持板部23の変形による圧縮をより強く受ける。しかしながら、本例の場合、この部分に副接触面部37による逃げが作られているので、側板部32cの異常摩耗が防止される。したがって、アシスト反力の繰り返し負荷による、側板部32cのへたりを抑制して、側板部32cの耐久性を十分に確保し、チルトピボット部分におけるがたつきの発生を長期間にわたって防止することができる。
[実施の形態の第2例]
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、1対のブッシュ30dのそれぞれに関して、側板部32dの両側面の構成を、実施の形態の第1例の場合と逆にしている。すなわち、本例の場合には、側板部32dの外側面を単一の円輪面とし、側板部32dの内側面を、内径側の主接触面部36aと外径側の副接触面部37aとを段部35aを介して連続させた、段付きの円輪面としている。そして、アシスト反力が作用していない中立状態で、図3に示すように、側板部32dの外側面の全体を、支持板部23の内側面に接触させるとともに、側板部32dの内側面のうち、主接触面部36aのみを、揺動ブラケット28の側面に接触させている。本例の場合も、主接触面部36aと副接触面部37aとの存在に基づいて、実施の形態の第1例の場合と同様の作用効果を奏することができる。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
図4は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、1対のブッシュ30eのそれぞれに関して、側板部32eの外側面の外径側部分に設ける副接触面部37bの構成を、実施の形態の第1例の場合と異ならせている。すなわち、本例の場合には、副接触面部37bの内周縁を、内径側部分に設けた主接触面部36の外周縁に、段部を介することなく直接連続させている。また、副接触面部37bを、径方向外方に向かうほど、支持板部23の内側面から離れる方向に傾斜した傾斜面としている。なお、本例の場合、傾斜面である副接触面部37bの断面形状を、それぞれ直線形状としているが、この断面形状を、支持板部23の内側面に対して凸となる方向に湾曲した、曲線形状とすることもできる。
本例の場合、ブッシュ30eを構成する側板部32eの片側面に設ける主接触面部36を、相手面に対して平行な平面とし、副接触面部37bを、径方向外方に向かうほど相手面から離れる方向に傾斜した傾斜面としている。ただし、側板部の片側面の全体を、径方向外方に向かうほど相手面から離れる方向に傾斜した傾斜面として、この傾斜面のうち、中立状態で相手面と接触する部分を主接触面部とし、相手面と接触しない部分を副接触面部とすることもできる。その他の構成および作用は、実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
図5は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、1対のブッシュ30fのそれぞれに関して、側板部32fの内側面の外径側部分に設ける副接触面部37cの構成を、実施の形態の第2例の場合と異ならせている。すなわち、本例の場合には、副接触面部37cの内周縁を、内径側部分に設けた主接触面部36aの外周縁に、段部を介することなく直接連続させている。また、副接触面部37cを、径方向外方に向かうほど、揺動ブラケット28の側面から離れる方向に傾斜した傾斜面としている。その他の構成および作用は、実施の形態の第2例および第3例の場合と同様である。
[実施の形態の第5例]
図6〜図8は、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合、ブッシュ30gを構成する側板部32gの両側面のうち、外側面の径方向中間部に、全周にわたり連続した円環状の凹溝38を、側板部32gと同心に設けている。そして、少なくともアシスト反力が作用していない中立状態で、側板部32gの外側面のうち、凹溝38から外れた部分のみを、支持板部23の内側面に接触させている。
本例のステアリングコラム支持装置によれば、ブッシュ30gを構成する側板部32gによる反アシスト力の支承能力を確保するため、側板部32gの径方向高さを十分に確保しようとする場合でも、中立状態で、側板部32gの外側面と支持板部23の内側面との接触面積を、凹溝38の開口面積の分だけ抑えることができる。このため、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗となる、中立状態での、側板部32gの外側面と支持板部23の内側面との接触部に作用する摩擦力を、安定的に小さく抑えることができる。したがって、当該摩擦力が大きく、かつ、不安定になり、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際の作業性が悪化するといった事態を回避することができる。
また、支持板部23の変形により、側板部32cのうち外径側が圧縮を強く受けた場合でも、側板部32cに凹溝38が形成されているため、側板部32cの外径端部が撓みやすくなっており、側板部32cの変形を吸収することができ、側板部32cの異常摩耗が防止される。したがって、アシスト反力の繰り返し負荷による、側板部32cのへたりを抑制して、側板部32cの耐久性を十分に確保し、チルトピボット部分におけるがたつきの発生を長期間にわたって防止することができる。
なお、本例を実施する場合、ブッシュ30gの表面にグリースを塗布して、ブッシュ30gの表面(円筒部31の内外両周面および側板部32gの両側面)と、この表面に対向する相手面(挿通孔29の内周面およびスリーブ25の外周面、並びに、支持板部23の内側面および揺動ブラケット28の両側面)との接触部に作用する摩擦力を低減することもできる。この場合、凹溝38をグリース溜まりとして利用できるため、その分だけグリースの保持量を多くして、摩擦力の低減効果を長く保持することができる。また、側板部32gの側面に設ける環状の凹溝の数を複数とすることもできる。さらに、径寸法の異なる複数の環状の凹溝を年輪状に、好ましくは同心に、配置することもできる。
なお、ブッシュを構成する側板部の側面に設ける凹部としては、全周にわたり連続した環状の凹溝38に限らず、図9(A)、図9(B)に示すような、円周方向に関して等間隔に設けられた、円周方向に長い複数の円弧状の凹溝38a、径方向に長い複数の凹溝38b、図9(C)に示すような、円周方向に関して等間隔に設けられた円形の凹部39といった構造を採用することもできる。その他の構成および作用は、本発明の実施の形態の第1例および従来構造の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第6例]
図10は、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、1対のブッシュ30hを構成する側板部32hの内側面(揺動ブラケット28側の側面)の径方向中間部に、それぞれ全周にわたり連続した円環状の凹溝38cを、側板部32hと同心に設けている。そして、アシスト反力が発生していない中立状態で、側板部32hの内側面のうち、凹溝38cから外れた部分のみを、揺動ブラケット28の両側面に接触させている。
本例のステアリングコラム支持装置の場合も、ブッシュ30hを構成する側板部32hによる反アシスト力の支承能力を確保するため、側板部32hの径方向高さを十分に確保する場合でも、中立状態で、側板部32hの内側面と揺動ブラケット28の両側面との接触面積を、凹溝38cの開口面積の分だけ抑えることができる。このため、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗となる、中立状態での、側板部32hの内側面と揺動ブラケット28の両側面との接触部に作用する摩擦力を、安定的に小さく抑えることができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第5例の場合と同様である。
[実施の形態の第7例]
図11は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、1対のブッシュ30iを構成する側板部32iの両側面に、凹溝38、38cを設けている。このため、ステアリングホイール1(図25参照)の上下位置を調節する際の抵抗を、より安定して低く抑えることができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第5例および第6例の場合と同様である。
[実施の形態の第8例]
図12〜図14は、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合、ブッシュ30jは、周方向の1箇所に、除肉部である不連続部40を有する。この不連続部40は、この部分において、円筒部31bを厚さ方向(ブッシュ30jの径方向)にわたって貫通するとともに、側板部32jを厚さ方向(ブッシュ30jの軸方向)にわたって貫通する。したがって、ブッシュ30jは、この部分で周方向に不連続である欠円環状となっている。不連続部40の周方向に関する幅寸法は、円筒部31bに対応する部分ではこの円筒部31bの軸方向に関して、側板部32jに対応する部分ではこの側板部32jの径方向に関して、それぞれ一定である。
本例の場合、ブッシュ30jによる反アシスト力の支承能力を確保するため、円筒部31bの軸方向長さ、および、側板部32jの径方向高さを、それぞれ十分に確保する場合でも、円周方向の滑りを生じる可能性のある各接触部の面積を、接触部における不連続部40の開口面積の分だけ抑えることができる。このため、接触部のうちのいずれの接触部で円周方向の滑りが生じる場合でも、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗となる、これらの接触部に作用する摩擦力を、安定して低く抑えることができる。したがって、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際の作業性を良好にすることができる。
また、支持板部23の変形により、側板部32cのうち外径側が圧縮を強く受けた場合でも、側板部32cに設けられた除肉部により、側板部32cの外径端部が支持板部23の変形に対して適切に追従することができ、側板部32cの異常摩耗が防止される。したがって、アシスト反力の繰り返し負荷による、側板部32cのへたりを抑制して、側板部32cの耐久性を十分に確保し、チルトピボット部分におけるがたつきの発生を長期間にわたって防止することができる。
なお、本例でも、ブッシュ30jの表面にグリースを塗布して、ブッシュ30jの表面と相手面との接触部に作用する摩擦力を低減することもできる。この場合、除肉部である不連続部40の内側をグリース溜まりとして利用できる。その他の構成および作用は、本発明の実施の形態の第1例、第5例、従来構造の第1例の場合と同様である。また、本例の構造を、本発明の実施の形態の第1例〜第7例の構造に追加的に適用することも可能である。
[実施の形態の第9例]
図15は、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例の場合、ブッシュ30kは、実施の形態の第8例の場合と同様に、周方向1箇所に不連続部40を有する。さらに、本例のブッシュ30kの場合には、側板部32kのうちで、不連続部40が存在する箇所を含む、円周方向等間隔の4箇所のうち、不連続部40が存在する箇所以外の3箇所にも、それぞれ除肉部である不連続部40aを設けている。ただし、これらの不連続部40aは、側板部32kについてのみ不連続部となっており、円筒部31bについては連続させている。
このようなブッシュ30kを使用する本例の場合には、実施の形態の第8例の場合と比べて、側板部32kの両側面と相手面との接触面積を、これら両側面における不連続部40aの開口面積の分だけ、さらに少なくできる。このため、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗を、より安定して低く抑えることができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第8例の場合と同様である。
[実施の形態の第10例および第11例]
図16は、本発明の実施の形態の第10例を、図17は、本発明の実施の形態の第11例をそれぞれ示している。これら実施の形態の第10例および第11例の組み込まれるブッシュ30m、30nには、それぞれ、側板部32m、32nの円周方向等間隔の複数箇所(図16の場合には3箇所、図17の場合には4箇所)に、それぞれが除肉部である、側板部32m、32nの外周縁に開口する切り欠き41、41aが設けられている。
本発明の実施の形態の第10例および第11例の場合も、側板部32m、32nの両側面と、これら両側面と対向する相手面との接触面積を、これら両側面における切り欠き41、41aの開口面積の分だけ抑えることができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第8例の場合と同様である。
[実施の形態の第12例および第13例]
図18は、本発明の実施の形態の第12例を、図19は、本発明の実施の形態の第13例をそれぞれ示している。これら実施の形態の第12例および第13例のブッシュ30o、30pには、それぞれ、円筒部31c、31dと側板部32o、32pとの連続部の円周方向等間隔の複数箇所(図18の場合には3箇所、図19の場合には4箇所)に、それぞれ除肉部である透孔42、42aを設けている。透孔42は、円筒部31cを厚さ方向(径方向)に貫通するとともに、側板部32oを厚さ方向(軸方向)に貫通する。透孔42aは、円筒部31dを厚さ方向に貫通するとともに、側板部32pを厚さ方向に貫通する。
本発明の実施の形態の第12例および第13例の場合も、側板部32o、32pの両側面と相手面との接触面積、および、円筒部31c、31dの内外両周面と相手面との接触面積を、それぞれ透孔42、42aの開口面積の分だけ抑えることができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第8例の場合と同様である。
[実施の形態の第14例および第15例]
図20は、本発明の実施の形態の第14例を、図21は、本発明の実施の形態の第15例をそれぞれ示している。これら実施の形態の第14例および第15例のブッシュ30q、30rには、それぞれ、実施の形態の第10例または第11例の場合と同様の複数の切り欠き41または41aと、実施の形態の第12例または第13例の場合と同様の複数の透孔42または42aとが、円周方向に関して1つずつ交互かつ等間隔に配置されている。
本発明の実施の形態の第14例および第15例によれば、第10例〜第13例の場合に比べて、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗を、より安定して低く抑えられる。その他の構成および作用は、実施の形態の第10例または第11例、および、実施の形態の第12例または第13例の場合と同様である。
[実施の形態の第16例および第17例]
図22は、本発明の実施の形態の第16例を、図23は、本発明の実施の形態の第17例をそれぞれ示している。これら実施の形態の第16例および第17例のブッシュ30s、30tには、それぞれ、実施の形態の第14例のブッシュ30qまたは第15例のブッシュ30rの円周方向1箇所で、透孔42、42aから外れた部分に、除肉部である不連続部40bが設けられている。
本発明の実施の形態の第16例および第17例の場合には、実施の形態の第14例および第15例の場合に比べて、不連続部40bを設けた分だけ、ブッシュ30s、30tの表面と相手面との接触面積を抑えることができる。このため、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗を、より安定して低く抑えることができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第14例または第15例の場合と同様である。
なお、図24は、本発明の技術的範囲からは外れるが、本発明と同様に、1対のブッシュによる反アシスト力の支承能力を確保しつつ、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際に、ブッシュの表面と、この表面が対向する相手面との間に作用する摩擦力を安定して低く抑えることができる構造を示している。この構造の場合、ブッシュ30uを構成する側板部32uの径方向高さを低くするとともに、揺動ブラケット28aの側面の径方向中間部に突設した突条部43を、側板部32uの外径側に配置し、かつ、中立状態で、突条部43の先端面を、支持板部23の内側面に近接対向させている。図24に示した構造の場合には、側板部32uの径方向高さを低くした分だけ、側板部32uの両側面と相手面との接触面積を小さくして、これら両側面と相手面との接触部に作用する摩擦力を低く抑えることができる。このため、その分だけ、ステアリングホイール1の高さ位置の調節を行う際の抵抗を低く抑えることができる。また、アシスト反力により、揺動ブラケット28aが軸方向に変位するとともに傾斜する傾向となった場合には、突条部43の先端面が支持板部23の内側面に当接することにより、このような変位および傾斜がそれ以上大きくなることが阻止される。なお、突条部43の先端面が支持板部23の内側面に当接するまでの間は、ブッシュ30uが弾性変形することに基づく緩衝作用を得られる。
1 ステアリングホイール
2、2a ステアリングシャフト
3、3a ステアリングコラム
4、4a 電動アシスト装置
5 タイロッド
6 ステアリングギヤユニット
7 インナシャフト
8、8a アウタシャフト
9、9a インナコラム
10、10a アウタコラム
11、11a ハウジング
12、12a 出力軸
13、13a 前部支持ブラケット
14 車体
15、15a チルトピボット軸
16、16a 後部支持ブラケット
17 調節ハンドル
18 自在継手
19 中間シャフト
20 自在継手
21 入力軸
22、22a 電動モータ
23 支持板部
24 チルトボルト
25 スリーブ
26 円孔
27 ナット
28、28a 揺動ブラケット
29 挿通孔
30、30a〜30k、30m〜30u ブッシュ
31、31a〜31d 円筒部
32、32a〜32k、32m〜32u 側板部
33 隙間
34a、34b 隙間
35、35a 段部
36、36a 主接触面部
37、37a〜37c 副接触面部
38、38a〜38c 凹溝
39 凹部
40、40a、40b 不連続部
41、41a 切り欠き
42、42a 透孔
43 突条部
この発明は、ステアリングホイールの高さ位置を調節可能とするチルト機構を備えた電動式パワーステアリング装置、特に、そのステアリングコラムを車体側に揺動可能に支持するためのステアリングコラム支持装置に関する。
自動車のステアリング装置には、通常、運転者の体格や運転姿勢などに応じてステアリングホイールの高さ位置を調節可能とするチルト機構や、ステアリングホイールの前後位置を調節可能とするテレスコピック機構が組み込まれている。また、電動モータを動力源として、運転者がステアリングホイールを操作する力を軽減できるように構成した電動式パワーステアリング装置を組み込むことも、広く行われている。図25は、チルト機構およびテレスコピック機構を備えた、電動式パワーステアリング装置の従来例を示している。
ステアリング装置は、後端部にステアリングホイール1を固定するステアリングシャフト2と、ステアリングシャフト2をその内径側に回転自在に支持するステアリングコラム3と、ステアリングシャフト2に補助トルクを付与するための電動アシスト装置4と、ステアリングシャフト2の回転に基づいて左右1対のタイロッド5を押し引きするためのステアリングギヤユニット6とを備える。なお、本明細書における前後方向は、車体の前後方向を意味する。
電動式パワーステアリング装置において、ステアリングシャフト2は、前側に配置されたインナシャフト7と、後側に配置されたアウタシャフト8とを、回転力の伝達を可能、かつ、軸方向の相対変位を可能に組み合わせることによって、軸方向の伸縮が可能な構造となっている。また、ステアリングコラム3は、前側に配置されたインナコラム9と、後側に配置されたアウタコラム10とを、軸方向の相対変位を可能に組み合わせることによって、軸方向の伸縮が可能な構造となっている。アウタシャフト8は、アウタコラム10の内側に、このアウタコラム10に対する軸方向の変位を抑えた状態で、回転自在に支持される。
インナコラム9の前端部は、電動アシスト装置4を構成するハウジング11の後端面に結合固定される。一方、インナシャフト7は、ハウジング11内に挿入され、その前端部が、電動アシスト装置4を構成する入力軸に結合される。また、この入力軸にトーションバーを介して連結された、電動アシスト装置4を構成する出力軸12の前端部は、ハウジング11の前端面から突出して、自在継手18、中間シャフト19、別の自在継手20を介して、ステアリングギヤユニット6の入力軸21に連結される。
インナコラム9は、前部支持ブラケット13により、ハウジング11を介して、車体14の一部に支持される。チルト機構を実現するため、前部支持ブラケット13は、前部支持ブラケット13に支持された、車体14の幅方向(図25の表裏方向)に長いチルトピボット軸15を中心として、ハウジング11を揺動可能に支持する。
アウタコラム10の中間部は、後部支持ブラケット16により、車体14の一部に支持される。チルト機構およびテレスコピック機構を実現するため、アウタコラム10は、後部支持ブラケット16に対して、前後移動および上下移動を不能とする固定状態と、前後移動および上下移動を可能とする非固定状態とを切り換え可能に支持される。このような支持構造については、従来から各種の構造が知られており、本発明の特徴でもないため、詳しい説明は省略する。
このような電動式パワーステアリング装置の場合、ステアリングホイール1の高さ位置および前後位置を調節する際には、調節ハンドル17(図26参照)を所定方向(通常は下方)に回動させることにより、後部支持ブラケット16に対し、アウタコラム10の中間部を非固定状態とする。そして、この状態で、チルトピボット軸15を中心にステアリングコラム3を揺動させることにより、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する。また、ステアリングコラム3およびステアリングシャフト2を伸縮させることにより、ステアリングホイール1の前後位置を調節する。そして、調節後は、調節ハンドル17を所定方向とは逆方向(通常は上方)に回動させることにより、後部支持ブラケット16に対し、アウタコラム10の中間部を固定状態とする。
また、電動アシスト装置4は、操舵時に、ステアリングホイール1からステアリングシャフト2にトルクが加わると、このトルクの方向および大きさを、ハウジング11内に設けられたトルクセンサで検知し、検出されたトルクに応じて、ハウジング11の外面に支持した電動モータ22により、ハウジング11内に設けたウォーム式減速機を介して、出力軸12に、補助トルク(アシスト力)を付与するように構成されている。
このようなステアリングホイール1の位置調節機構を備えた電動式パワーステアリング装置においては、特許文献1などに記載されているように、ステアリングコラム3の揺動中心部分である、チルトピボット部分の摺動部に、ブッシュを組み付けることによって、このチルトピボット部分の耐久性の向上が図られている。図26〜図31は、チルトピボット部分にブッシュを組み付けた電動式パワーステアリング装置用のステアリングコラム支持装置の従来構造の第1例を示している。
前部支持ブラケット13aは、鋼板などの金属板製で、車体14の幅方向(図26、図30の表裏方向、図27、図28、図29の左右方向)に離隔して配置される、互いに平行な1対の支持板部23を有する。また、チルトピボット軸15aは、1対の支持板部23の下端寄り部分同士の間に掛け渡された状態で、車体14の幅方向に配設される。チルトピボット軸15aは、鋼などの金属材製のチルトボルト24と、鋼、アルミニウム合金などの金属材製で円筒状のスリーブ25とから構成される。チルトボルト24は、その杆部を、1対の支持板部23の下端寄り部分に互いに同心に設けられた1対の円孔26に挿通するとともに、杆部の先端部に設けた雄ねじ部にナット27を螺合し、さらに締め付けることにより、支持板部23同士の間に掛け渡す状態で取り付けられる。また、スリーブ25は、チルトボルト24の杆部に外嵌した状態で、ナット27の締め付けに基づき、支持板部23同士の間に挟持固定される。
電動アシスト装置4aを構成するハウジング11aは、アルミニウム合金などの金属材製で、その前端部に揺動ブラケット28が一体に設けられている。揺動ブラケット28の先端部には、挿通孔29が、車体14の幅方向に設けられている。挿通孔29の内周面は、軸方向両端部の内径寸法が軸方向中間部の内径寸法よりも少しだけ大きくなった、段付きの円筒面により構成される。この段付きの円筒面の軸方向両端部と軸方向中間部とは、互いに同心である。揺動ブラケット28の前端部ないし中間部が、支持板部23同士の間に配置された状態で、揺動ブラケット28が、挿通孔29を挿通するチルトボルト24およびスリーブ25を介して、支持板部23同士の間に支持されることにより、ハウジング11aおよびステアリングコラム3aが、チルトピボット軸15aを中心とする揺動を可能に、前部支持ブラケット13aに対して支持される。
チルトピボット軸15aを構成するスリーブ25の軸方向両端部に、1対のブッシュ30が外嵌されている。それぞれのブッシュ30は、ポリアミド樹脂などの合成樹脂と、ゴムやビニルなどのエラストマーとを含む弾性材、あるいは、含油メタルなどの低摩擦材により、全体を円管状に形成されており、円筒部31と、この円筒部31の軸方向一端部から径方向外方に伸長する円輪状(外向きフランジ状)の側板部32とを備える。ブッシュ30の円筒部31は、スリーブ25の外周面の軸方向両端部と、挿通孔29の内周面の軸方向両端部との間に、径方向のがたつきがないように、それぞれ挟持される。ブッシュ30の側板部32は、揺動ブラケット28の幅方向両側面と、支持板部23の内側面との間に、軸方向のがたつきがないように、それぞれ挟持される。
このような従来構造の場合、チルトピボット軸15aの軸方向両端部にブッシュ30を組み付けているため、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際に、チルトピボット軸15aを中心として揺動ブラケット28を揺動させても、チルトピボット軸15aと揺動ブラケット28とが直接擦れ合うことが防止されるだけでなく、支持板部23と揺動ブラケット28とが直接擦れ合うことも防止される。したがって、これらの部材同士が直接擦れ合うことによって進行する摩耗や塑性変形により、これらの部材により構成されるチルトピボット部分に、がたつきの原因となる隙間が生じるといった事態が回避される。
電動式パワーステアリング装置の場合、電動アシスト装置4aが出力軸12aにアシスト力を付与する際に、その反力であるアシスト反力が、ハウジング11aに対して出力軸12aの回転方向と逆方向に加わる。この結果、ハウジング11aを構成する揺動ブラケット28が、チルトピボット軸15aおよび支持板部23に対し、アシスト反力を受けて、出力軸12aの回転方向とは逆方向に変位および傾斜する傾向となる。この際、ブッシュ30が、チルトピボット軸15aおよび支持板部23と、揺動ブラケット28との間で弾性的に圧縮されつつ、あるいは圧縮方向に押圧されつつ、アシスト反力を支承することにより、揺動ブラケット28の変位および傾斜を抑制することになる。これにより、揺動ブラケット28と、チルトピボット軸15aおよび支持板部23とが直接擦れ合うことが防止される。
ところで、従来構造の第1例の場合、ブッシュ30による反アシスト力の支承能力、すなわち、揺動ブラケット28の変位および傾斜を抑制する能力を確保するために、円筒部31の軸方向長さ、および、側板部32の径方向高さを、それぞれある程度大きくしている。また、支持板部23の内側面および揺動ブラケット28の両側面と、側板部32の両側面とは、すべて平行な平面となっている。このため、アシスト力が発生していない中立状態で、側板部32の両側面と、支持板部23の内側面および揺動ブラケット28の両側面とがほぼ全面で接触した状態となっている。したがって、円筒部31の軸方向長さ、および、側板部32の径方向高さを大きくした分だけ、円筒部31の内外両周面と相手面(チルトピボット軸15aの外周面、または、揺動ブラケット28の挿通孔29の内周面)との接触面積、および、側板部32の両側面と相手面(支持板部23の内側面、または、揺動ブラケット28の両側面)との接触面積が、それぞれ大きくなっている。
一方、従来構造の第1例の場合、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際には、揺動ブラケット28がチルトピボット軸15aを中心として揺動することに伴い、ブッシュ30を構成する円筒部31の内周面および側板部32の外側面と、円筒部31の外周面および側板部32の内側面とのうち、少なくとも一方の表面と、この表面と対向する相手面との接触部に、円周方向の滑りが生じる。この接触部に作用する摩擦力は、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際の抵抗となるため、できるだけ低くかつ安定していることが望ましい。ところが、円筒部31の内外両周面および側板部32の両側面と相手面との接触面積が、それぞれ大きくなっているため、ブッシュ30の表面と相手面との接触部に作用する摩擦力が、これらの相手面の性状の影響を受けて、比較的高くかつ不安定になり、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際の操作感を悪化させる可能性がある。
一方、図32(A)および図32(B)は、特許文献2に記載されている、電動式パワーステアリング装置用のステアリングコラム支持装置の従来構造の第2例および第3例を示している。これらの構造では、揺動ブラケット28aに形成した挿通孔29aの内周面を、軸方向の中央部から両端部に向かうほど、ブッシュ30a(30b)を構成する円筒部31aの外周面から離れる方向に傾斜させている。これにより、挿通孔29aの内周面と円筒部31aの外周面との間の軸方向中央部を挟んだ両側部分に、それぞれ断面形状がくさび状である略円筒状の隙間33を設けている。そして、図32(A)に示す従来構造の第2例の場合には、ブッシュ30aを構成する側板部32aの外側面を、径方向外方に向かうほど支持板部23の内側面から離れる方向に傾斜させている。これにより、側板部32aの外側面と支持板部23の内側面との間に、断面形状がくさび状である略円輪状の隙間34aを設けている。一方、図32(B)に示す従来構造の第3例の場合には、ブッシュ30bを構成する側板部32bの内側面を、径方向外方に向かうほど揺動ブラケット28aの外側面から離れる方向に傾斜させている。これにより、側板部32aの内側面と揺動ブラケット28aの外側面との間に、断面形状がくさび状である略円輪状の隙間34bを設けている。このようにして設けた隙間33、34a、34bの存在に基づいて、チルトピボット軸15aの中心軸に対し、揺動ブラケット28a(挿通孔29aの中心軸)を傾斜させやすくしている。
前部支持ブラケット13aおよび後部支持ブラケット16aの形状誤差や車体14(図26参照)に対する取付誤差などに起因して、チルト動作時における、後部支持ブラケット16aによるステアリングコラム3a(図26参照)の中間部の案内方向が、チルトピボット軸15aの中心軸と直交する仮想平面に対して傾斜することがある。従来構造の第2例および第3例では、このような場合でも、チルトピボット軸15aの中心軸に対して揺動ブラケット28aが傾斜することにより、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置調節時のステアリングコラム3aの揺動方向と、ステアリングコラム3aの中間部の案内方向とが、互いに一致した状態となる。したがって、これら揺動方向および案内方向が不一致となることにより、ステアリングホイール1の高さ位置の調節動作が不良となる事態を回避することが可能である。
さらに、従来構造の第2例および第3例の場合、隙間33の存在に基づいて、挿通孔29aの内周面と円筒部31aの外周面との接触面積が小さくなっている。このため、通孔29aの内周面と円筒部31aの外周面との間に作用する摩擦力を小さくできる。また、隙間34a、34bの存在に基づいて、従来構造の第2例では、揺動ブラケット28aの両側面と側板部32a、32bの内側面との接触面圧(図32(A)参照)を、従来構造の第3例では、これらの接触面積(図32(B)参照)を、それぞれ小さくすることができる。このため、これらの間に作用する摩擦力を安定して小さくすることができ、揺動ブラケット28aとブッシュ30a、30bとの間に滑りを生じさせることにより、ステアリングホイール1の高さ位置の調節を行う際の抵抗を低く抑えて、この高さ位置調節の作業性を向上させることが可能である。
しかしながら、従来構造の第2例および第3例の場合には、隙間33の存在に基づいて、チルトピボット軸15aによる揺動ブラケット28aの支持剛性が低くなり、ステアリングホイール1(図25参照)の支持剛性も低くなる。この結果、運転者に違和感を与える可能性がある。また、操舵時に発生するアシスト反力により、それぞれの隙間33、34a、34bのうち、特に隙間33の存在に基づいて、揺動ブラケット28aがチルトピボット軸15aの中心軸に対し、比較的大きく傾斜する。このことによっても、運転者に違和感を与える可能性がある。
特許第3707252号公報 特開2008−30728号公報
本発明は、上述のような事情に鑑みて、1対のブッシュによる反アシスト力の支承能力を確保しつつ、ステアリングホイールの高さ位置を調節する際に、これらのブッシュの表面と、この表面と対向する相手面との間に作用する摩擦力を安定して低く抑えることができる、電動式パワーステアリング装置用のステアリングコラム支持装置の構造を実現することを目的としている。
本発明のステアリングコラム支持装置は、特に、チルト機構を備えた電動式パワーステアリング装置に適用される。本発明のステアリングコラム支持装置は、前部支持ブラケットと、チルトピボット軸と、揺動ブラケットと、1対のブッシュとを備える。
前記前部支持ブラケットは、車体に固定され、この車体の幅方向に離隔して配置される互いに平行な1対の支持板部を有する。また、前記チルトピボット軸は、前記支持板部同士の間に掛け渡された状態で、前記車体の幅方向に配設される。さらに、前記揺動ブラケットは、電動アシスト装置のハウジングの一部に設けられ、前記チルトピボット軸が挿通する挿通孔を有し、ステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムを前記ハウジングを介して支持する。
前記1対のブッシュは、弾性材製または低摩擦材製で、全体が環状にそれぞれ形成される。また、これらのブッシュは、前記チルトピボット軸の軸方向両端部にそれぞれ外嵌され、かつ、それぞれが、前記チルトピボット軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間に挟持される円筒部と、この円筒部の軸方向一端部から径方向外方に伸長し、前記揺動ブラケットの側面と前記支持板部の内側面との間に挟持される円輪状の側板部とを有する。
特に本発明の場合には、前記ブッシュのそれぞれにおいては、少なくとも前記電動アシスト装置により前記ステアリングシャフトに付与されるアシスト力が発生していない中立状態において、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の側面と、この側板部の側面に対向する相手面とを非接触状態とするとともに、アシスト反力を支承した際に、前記側板部の外径側端部を撓みやすくするため、この側板部の両側面のうちの少なくとも一方の側面の径方向中間部に、凹部である除肉部を設けている。
また、本発明を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明のように、前記除肉部を、前記側板部の円周方向に長い凹溝とする。
このような請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明のように、前記凹溝を、前記側板部の全周に亙り連続した状態で設ける。
或いは、請求項4に記載した発明のように、前記除肉部を、前記側板部の円周方向複数箇所に設けられた径方向に長い凹溝とする。
なお、本発明のステアリングコラム支持装置では、前記チルトピボット軸の外周面および前記挿通孔の内周面のうちで、前記ブッシュの前記円筒部を挟持する部分を、それぞれ軸方向にわたって径が変化しない円筒面として、前記ブッシュのそれぞれの前記円筒部を、前記チルトピボット軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間にがたつきなく支持することが好ましい。
本発明のステアリングコラム支持装置によれば、1対のブッシュによる反アシスト力の支承能力を確保した場合でも、ステアリングホイールの高さ位置を調節する際に、これらのブッシュの表面(側板部の側面)と、この表面が対向する相手面との間に作用する摩擦力を安定して低く抑えることができる。すなわち、ブッシュを構成する側板部の側面の少なくともいずれかの側面に、少なくともアシスト力が発生していない中立状態で、これらの面に対向する相手面と非接触状態となる凹部である除肉部を設けている。このため、ブッシュの表面と相手面との接触面積をこの除肉部の分だけ小さくして、ステアリングホイールの高さ位置を調節する際の抵抗となる、ブッシュの表面と相手面との接触部に作用する摩擦力を安定して低く抑え、もって、ステアリングホイールの高さ位置の調節動作の作業性を向上させている。
図1は、本発明に関する参考例の第1例のチルトピボット部分を切断状態で示す拡大図である。 図2は、図1のa部拡大図である。 図3は、本発明に関する参考例の第2例を示す、図2と同様の図である。 図4は、本発明に関する参考例の第3例を示す、図2と同様の図である。 図5は、本発明に関する参考例の第4例を示す、図2と同様の図である。 図6は、本発明の実施の形態の第1例を示す、図28と同様の図である。 図7は、図6のb部拡大図である。 図8は、本発明の実施の形態の第1例に組み込むブッシュを、側板部の外側面側から見た図である。 図9(A)〜(C)は、本発明の実施の形態の第1例に組み込み可能な、側板部の側面に設ける凹部の3例を示す図である。 図10は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図7と同様の図である。 図11は、本発明の実施の形態の第3例を示す、図7と同様の図である。 図12は、本発明に関する参考例の第5例を示す、図1と同様の図である。 図13は、図12のc−c断面図である。 図14(A)は、本発明に関する参考例の第5例に組み込むブッシュの側面図であり、図14(B)は図14(A)の右方から見た図である。 図15(A)は、本発明に関する参考例の第6例に組み込むブッシュの断面図(図15(B)のd−d断面図)であり、図15(B)は図15(A)の右方から見た図である。 図16は、本発明に関する参考例の第7例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図17は、本発明に関する参考例の第8例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図18は、本発明に関する参考例の第9例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図19は、本発明に関する参考例の第10例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図20は、本発明に関する参考例の第11例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図21は、本発明に関する参考例の第12例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図22は、本発明に関する参考例の第13例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図23は、本発明に関する参考例の第14例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図24は、ステアリングホイールの高さ位置の調節を行うのに要する力を小さくでき、しかも、アシスト反力により揺動ブラケットがチルトピボット軸の中心軸に対して傾斜する量を抑えられる構造の参考例を示す、図2と同様の図である。 図25は、チルト機構を備えた電動式パワーステアリング装置の従来構造の1例を、一部を切断した状態で示す略側面図である。 図26は、ステアリングコラム支持装置の従来構造の第1例を示す要部側面図である。 図27は、チルトピボット部分を切断した状態で示す、図26の左方から見た図である。 図28は、図27のe部拡大図である。 図29は、図28のf部拡大図である。 図30は、図28のg−g断面図である。 図31は、従来構造の第1例に組み込むブッシュを示す、図14と同様の図である。 図32(A)は、ステアリングコラム支持装置の従来構造の第2例に組み込むブッシュを示す、図29と同様の図であり、図32(B)は、ステアリングコラム支持装置の従来構造の第3例に組み込むブッシュを示す、図29と同様の図である。
参考例の第1例]
図1〜図2は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本発明のステアリングコラム支持装置は、特に、チルト機構を備えた電動式パワーステアリング装置に適用される。本発明のステアリングコラム支持装置は、前部支持ブラケット13aと、チルトピボット軸15aと、揺動ブラケット28と、1対のブッシュ30cとを備える。前部支持ブラケット13aは、車体に固定され、この車体の幅方向に離隔して配置される互いに平行な1対の支持板部23を有する。チルトピボット軸15aは、支持板部23同士の間に掛け渡された状態で、車体の幅方向に配設される。揺動ブラケット28は、電動アシスト装置のハウジングの一部に設けられ、チルトピボット軸15aが挿通する挿通孔29を有する。それぞれのブッシュ30cは、ポリアミド樹脂などの合成樹脂と、ゴムやビニルなどのエラストマーとを含む弾性材製、または、含油メタルなどの低摩擦材製で、全体が環状にそれぞれ形成され、かつ、チルトピボット軸15aの軸方向両端部にそれぞれ外嵌され、かつ、それぞれが、チルトピボット軸15aの外周面と挿通孔29の内周面との間に挟持される円筒部31と、円筒部31の軸方向一端部から径方向外方に伸長し、揺動ブラケット28の側面と支持板部23の内側面との間に挟持される円輪状の側板部32cとにより構成される。なお、本参考例の特徴は、それぞれのブッシュ30cの側板部32cの外側面の形状およびブッシュ30cの円筒部31の設置箇所の構造にある。その他の部分の構造および作用は、従来構造の第1例の場合と同様である。
本参考例の場合、ブッシュ30cの側板部32cの両側面のうち、揺動ブラケット28の両側面と対向する内側面を、単一の円輪面としている。これに対し、側板部32cの両側面のうち、前部支持ブラケット13aを構成する1対の支持板部23の内側面と対向する外側面の、それぞれ内周寄り部分に段部35を形成している。これにより、側板部32cの外側面を、この段部35を挟んだ径方向両側部分のうち、一方の半部である外側部分を、他方の半部である内側部分に対して軸方向内側に後退させた、段付きの円輪面としている。そして、段部35を挟んだ径方向両側部分のうちの内径側部分を、単一円輪状の主接触面部36とし、外径側部分を、主接触面部36と同心で単一円輪状の副接触面部37としている。そして、アシスト反力が作用していない、中立状態で、図1〜図2に示すように、側板部32cの内側面のほぼ全体を、それぞれ揺動ブラケット28の両側面に接触させている。これに対し、側板部32cの外側面は、径方向内側部分の主接触面部36のみを、支持板部23の内側面に接触させている。すなわち、この状態で、側板部32cの外側面のうち、径方向外側部分の副接触面部37は、支持板部23の内側面と接触しておらず、支持板部23の内側面に対し、小さい隙間を介して対向している。
一方、ブッシュ30cを構成する円筒部31は、それぞれが軸方向に関して径が変化しない円筒面である、チルトピボット軸15aを構成するスリーブ25の外周面の軸方向両端部と、揺動ブラケット28に設けた挿通孔29の内周面の軸方向両端部との間に挟持される。すなわち、中立状態では、図1〜図2に示すように、円筒部31の内外両周面のほぼ全体(少なくとも軸方向両端部の径方向内外両周縁の面取り部を除いた部分)が、スリーブ25の外周面の両端部および前記挿通孔29の内周面の両端部に対し、隙間なく接触した状態となっている。
本参考例のステアリングコラム支持装置によれば、チルトピボット軸15aによる揺動ブラケット28の支持剛性を十分に確保できるとともに、操舵時に発生するアシスト反力により揺動ブラケット28がチルトピボット軸15aの中心軸に対して傾斜する量を十分に抑えることができる。また、ブッシュ30cを構成する側板部32cの耐久性を十分に確保した状態で、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置の調節を行う際の抵抗を低く抑えることができる。
すなわち、本参考例の場合、チルトピボット軸15aを構成するスリーブ25の外周面、および、挿通孔29の内周面のうちで、ブッシュ30cを構成する円筒部31を挟持する部分を、それぞれ軸方向にわたり径が変化しない円筒面としている。そして、中立状態で、これらの円筒面を、それぞれ円筒部31の内外両周面のほぼ全体(少なくとも両端部の面取り部を除いた部分)に、相対回転のために必要な微小隙間を除き、ほぼ隙間なく接触させている。したがって、チルトピボット軸15aによる揺動ブラケット28の支持剛性を十分に確保できる。また、アシスト反力により、揺動ブラケット28がチルトピボット軸15aの中心軸に対して傾斜する傾向となった場合に、円筒部31により、アシスト反力を効率良く支承できる。このため、この傾斜量を十分に低く抑えることができる。
また、本参考例の場合、ステアリングホイール1の高さ位置の調節を行う状態でもある、中立状態では、ブッシュ30cを構成する側板部32cの外側面が、支持板部23の内側面に対し、主接触面部36のみで接触し、副接触面部37では接触しない。このため、中立状態では、側板部32cの外側面と、支持板部23の内側面との接触面積を小さくして、これら外側面と内側面との接触部に作用する摩擦力を小さくすることができる。したがって、ステアリングホイール1の高さ位置の調節時に、側板部32cの外側面と支持板部23の内側面とを摺動させることで、ステアリングホイール1の高さ位置の調節を行う際の抵抗を低く抑えることができる。
また、本参考例の場合、アシスト反力により、揺動ブラケット28が、1対の支持板部23のうちのいずれか一方の支持板部23側に変位するとともに、チルトピボット軸15aの中心軸に対して傾斜する傾向となった場合に、側板部32cのうちの少なくとも円周方向一部分が、揺動ブラケット28の両側面により押されて弾性変形する。この結果、側板部32cのうち、この弾性変形した部分の外側面が、支持板部23の内側面に対し、主接触面部36だけでなく、副接触面部37でも接触するようになる。このため、側板部32cに関しては、主接触面部36に対応する部分だけでなく、副接触面部37の少なくとも一部に対応する部分を含めた広い範囲で、アシスト反力を支承できる。さらに揺動ブラケット28の変位に伴い、支持板部23が変形する。この支持板部23の変形により、側板部32cのうち外径側が支持板部23の変形による圧縮をより強く受ける。しかしながら、本参考例の場合、この部分に副接触面部37による逃げが作られているので、側板部32cの異常摩耗が防止される。したがって、アシスト反力の繰り返し負荷による、側板部32cのへたりを抑制して、側板部32cの耐久性を十分に確保し、チルトピボット部分におけるがたつきの発生を長期間にわたって防止することができる。
参考例の第2例]
図3は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、1対のブッシュ30dのそれぞれに関して、側板部32dの両側面の構成を、参考例の第1例の場合と逆にしている。すなわち、本参考例の場合には、側板部32dの外側面を単一の円輪面とし、側板部32dの内側面を、内径側の主接触面部36aと外径側の副接触面部37aとを段部35aを介して連続させた、段付きの円輪面としている。そして、アシスト反力が作用していない中立状態で、図3に示すように、側板部32dの外側面の全体を、支持板部23の内側面に接触させるとともに、側板部32dの内側面のうち、主接触面部36aのみを、揺動ブラケット28の側面に接触させている。本参考例の場合も、主接触面部36aと副接触面部37aとの存在に基づいて、参考例の第1例の場合と同様の作用効果を奏することができる。その他の部分の構成および作用は、参考例の第1例の場合と同様である。
参考例の第3例]
図4は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合には、1対のブッシュ30eのそれぞれに関して、側板部32eの外側面の外径側部分に設ける副接触面部37bの構成を、参考例の第1例の場合と異ならせている。すなわち、本参考例の場合には、副接触面部37bの内周縁を、内径側部分に設けた主接触面部36の外周縁に、段部を介することなく直接連続させている。また、副接触面部37bを、径方向外方に向かうほど、支持板部23の内側面から離れる方向に傾斜した傾斜面としている。なお、本参考例の場合、傾斜面である副接触面部37bの断面形状を、それぞれ直線形状としているが、この断面形状を、支持板部23の内側面に対して凸となる方向に湾曲した、曲線形状とすることもできる。
本参考例の場合、ブッシュ30eを構成する側板部32eの片側面に設ける主接触面部36を、相手面に対して平行な平面とし、副接触面部37bを、径方向外方に向かうほど相手面から離れる方向に傾斜した傾斜面としている。ただし、側板部の片側面の全体を、径方向外方に向かうほど相手面から離れる方向に傾斜した傾斜面として、この傾斜面のうち、中立状態で相手面と接触する部分を主接触面部とし、相手面と接触しない部分を副接触面部とすることもできる。その他の構成および作用は、参考例の第1例の場合と同様である。
参考例の第4例]
図5は、本発明に関する参考例の第4例を示している。本参考例の場合には、1対のブッシュ30fのそれぞれに関して、側板部32fの内側面の外径側部分に設ける副接触面部37cの構成を、参考例の第2例の場合と異ならせている。すなわち、本参考例の場合には、副接触面部37cの内周縁を、内径側部分に設けた主接触面部36aの外周縁に、段部を介することなく直接連続させている。また、副接触面部37cを、径方向外方に向かうほど、揺動ブラケット28の側面から離れる方向に傾斜した傾斜面としている。その他の構成および作用は、参考例の第2例および第3例の場合と同様である。
[実施の形態の第1例
図6〜図8は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の場合、ブッシュ30gを構成する側板部32gの両側面のうち、外側面の径方向中間部に、全周にわたり連続した円環状の凹溝38を、側板部32gと同心に設けている。そして、少なくともアシスト反力が作用していない中立状態で、側板部32gの外側面のうち、凹溝38から外れた部分のみを、支持板部23の内側面に接触させている。
本例のステアリングコラム支持装置によれば、ブッシュ30gを構成する側板部32gによる反アシスト力の支承能力を確保するため、側板部32gの径方向高さを十分に確保しようとする場合でも、中立状態で、側板部32gの外側面と支持板部23の内側面との接触面積を、凹溝38の開口面積の分だけ抑えることができる。このため、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗となる、中立状態での、側板部32gの外側面と支持板部23の内側面との接触部に作用する摩擦力を、安定的に小さく抑えることができる。したがって、当該摩擦力が大きく、かつ、不安定になり、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際の作業性が悪化するといった事態を回避することができる。
また、支持板部23の変形により、側板部32gのうち外径側が圧縮を強く受けた場合でも、側板部32gに凹溝38が形成されているため、側板部32gの外径端部が撓みやすくなっており、側板部32gの変形を吸収することができ、側板部32gの異常摩耗が防止される。したがって、アシスト反力の繰り返し負荷による、側板部32gのへたりを抑制して、側板部32gの耐久性を十分に確保し、チルトピボット部分におけるがたつきの発生を長期間にわたって防止することができる。
なお、本例を実施する場合、ブッシュ30gの表面にグリースを塗布して、ブッシュ30gの表面(円筒部31の内外両周面および側板部32gの両側面)と、この表面に対向する相手面(挿通孔29の内周面およびスリーブ25の外周面、並びに、支持板部23の内側面および揺動ブラケット28の両側面)との接触部に作用する摩擦力を低減することもできる。この場合、凹溝38をグリース溜まりとして利用できるため、その分だけグリースの保持量を多くして、摩擦力の低減効果を長く保持することができる。また、側板部32gの側面に設ける環状の凹溝の数を複数とすることもできる。さらに、径寸法の異なる複数の環状の凹溝を年輪状に、好ましくは同心に、配置することもできる。
なお、ブッシュを構成する側板部の側面に設ける凹部としては、全周にわたり連続した環状の凹溝38に限らず、図9(A)、図9(B)に示すような、円周方向に関して等間隔に設けられた、円周方向に長い複数の円弧状の凹溝38a、径方向に長い複数の凹溝38b、図9(C)に示すような、円周方向に関して等間隔に設けられた円形の凹部39といった構造を採用することもできる。その他の構成および作用は、参考例の第1例および従来構造の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第2例
図10は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、1対のブッシュ30hを構成する側板部32hの内側面(揺動ブラケット28側の側面)の径方向中間部に、それぞれ全周にわたり連続した円環状の凹溝38cを、側板部32hと同心に設けている。そして、アシスト反力が発生していない中立状態で、側板部32hの内側面のうち、凹溝38cから外れた部分のみを、揺動ブラケット28の両側面に接触させている。
本例のステアリングコラム支持装置の場合も、ブッシュ30hを構成する側板部32hによる反アシスト力の支承能力を確保するため、側板部32hの径方向高さを十分に確保する場合でも、中立状態で、側板部32hの内側面と揺動ブラケット28の両側面との接触面積を、凹溝38cの開口面積の分だけ抑えることができる。このため、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗となる、中立状態での、側板部32hの内側面と揺動ブラケット28の両側面との接触部に作用する摩擦力を、安定的に小さく抑えることができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例
図11は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、1対のブッシュ30iを構成する側板部32iの両側面に、凹溝38、38cを設けている。このため、ステアリングホイール1(図25参照)の上下位置を調節する際の抵抗を、より安定して低く抑えることができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第1例および第2例の場合と同様である。
参考例の第5例
図12〜図14は、本発明に関する参考例の第5例を示している。本参考例の場合、ブッシュ30jは、周方向の1箇所に、除肉部である不連続部40を有する。この不連続部40は、この部分において、円筒部31bを厚さ方向(ブッシュ30jの径方向)にわたって貫通するとともに、側板部32jを厚さ方向(ブッシュ30jの軸方向)にわたって貫通する。したがって、ブッシュ30jは、この部分で周方向に不連続である欠円環状となっている。不連続部40の周方向に関する幅寸法は、円筒部31bに対応する部分ではこの円筒部31bの軸方向に関して、側板部32jに対応する部分ではこの側板部32jの径方向に関して、それぞれ一定である。
本参考例の場合、ブッシュ30jによる反アシスト力の支承能力を確保するため、円筒部31bの軸方向長さ、および、側板部32jの径方向高さを、それぞれ十分に確保する場合でも、円周方向の滑りを生じる可能性のある各接触部の面積を、接触部における不連続部40の開口面積の分だけ抑えることができる。このため、接触部のうちのいずれの接触部で円周方向の滑りが生じる場合でも、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗となる、これらの接触部に作用する摩擦力を、安定して低く抑えることができる。したがって、ステアリングホイール1の高さ位置を調節する際の作業性を良好にすることができる。
また、支持板部23の変形により、側板部32jのうち外径側が圧縮を強く受けた場合でも、側板部32jに設けられた除肉部により、側板部32jの外径端部が支持板部23の変形に対して適切に追従することができ、側板部32jの異常摩耗が防止される。したがって、アシスト反力の繰り返し負荷による、側板部32jのへたりを抑制して、側板部32jの耐久性を十分に確保し、チルトピボット部分におけるがたつきの発生を長期間にわたって防止することができる。
なお、本参考例でも、ブッシュ30jの表面にグリースを塗布して、ブッシュ30jの表面と相手面との接触部に作用する摩擦力を低減することもできる。この場合、除肉部である不連続部40の内側をグリース溜まりとして利用できる。その他の構成および作用は、参考例の第1例および本発明の実施の形態の第1例、従来構造の第1例の場合と同様である。また、本例の構造を、参考例の第1例〜第4例および本発明の実施の形態の第1例〜第3例の構造に追加的に適用することも可能である。
参考例の第6例
図15は、本発明に関する参考例の第6例を示している。本参考例の場合、ブッシュ30kは、参考例の第5例の場合と同様に、周方向1箇所に不連続部40を有する。さらに、本参考例のブッシュ30kの場合には、側板部32kのうちで、不連続部40が存在する箇所を含む、円周方向等間隔の4箇所のうち、不連続部40が存在する箇所以外の3箇所にも、それぞれ除肉部である不連続部40aを設けている。ただし、これらの不連続部40aは、側板部32kについてのみ不連続部となっており、円筒部31bについては連続させている。
このようなブッシュ30kを使用する本参考例の場合には、参考例の第5例の場合と比べて、側板部32kの両側面と相手面との接触面積を、これら両側面における不連続部40aの開口面積の分だけ、さらに少なくできる。このため、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗を、より安定して低く抑えることができる。その他の構成および作用は、参考例の第5例の場合と同様である。
参考例の第7例および第8例
図16は、本発明に関する参考例の第7例を、図17は、本発明に関する参考例の第8例をそれぞれ示している。これら参考例の第7例および第8例に組み込まれるブッシュ30m、30nには、それぞれ、側板部32m、32nの円周方向等間隔の複数箇所(図16の場合には3箇所、図17の場合には4箇所)に、それぞれが除肉部である、側板部32m、32nの外周縁に開口する切り欠き41、41aが設けられている。
本発明に関する参考例の第7例および第8例の場合も、側板部32m、32nの両側面と、これら両側面と対向する相手面との接触面積を、これら両側面における切り欠き41、41aの開口面積の分だけ抑えることができる。その他の構成および作用は、参考例の第5例の場合と同様である。
参考例の第9例および第10例
図18は、本発明に関する参考例の第9例を、図19は、本発明に関する参考例の第10例をそれぞれ示している。これら参考例の第9例および第10例のブッシュ30o、30pには、それぞれ、円筒部31c、31dと側板部32o、32pとの連続部の円周方向等間隔の複数箇所(図18の場合には3箇所、図19の場合には4箇所)に、それぞれ除肉部である透孔42、42aを設けている。透孔42は、円筒部31cを厚さ方向(径方向)に貫通するとともに、側板部32oを厚さ方向(軸方向)に貫通する。透孔42aは、円筒部31dを厚さ方向に貫通するとともに、側板部32pを厚さ方向に貫通する。
本発明に関する参考例の第9例および第10例の場合も、側板部32o、32pの両側面と相手面との接触面積、および、円筒部31c、31dの内外両周面と相手面との接触面積を、それぞれ透孔42、42aの開口面積の分だけ抑えることができる。その他の構成および作用は、参考例の第5例の場合と同様である。
参考例の第11例および参考例の第12例
図20は、本発明に関する参考例の第11例を、図21は、本発明に関する参考例の第12例をそれぞれ示している。これら参考例の第11例および第12例のブッシュ30q、30rには、それぞれ、参考例の第7例または第8例の場合と同様の複数の切り欠き41または41aと、参考例の第9例または第10例の場合と同様の複数の透孔42または42aとが、円周方向に関して1つずつ交互かつ等間隔に配置されている。
本発明に関する参考例の第11例および第12例によれば、参考例の第7例〜第10例の場合に比べて、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗を、より安定して低く抑えられる。その他の構成および作用は、参考例の第7例または第8例、および、参考例の第9例または第10例の場合と同様である。
参考例の第13例および第14例
図22は、本発明に関する参考例の第13例を、図23は、本発明に関する参考例の第14例をそれぞれ示している。これら参考例の第13例および第14例のブッシュ30s、30tには、それぞれ、参考例の第11例のブッシュ30qまたは第12例のブッシュ30rの円周方向1箇所で、透孔42、42aから外れた部分に、除肉部である不連続部40bが設けられている。
本発明に関する参考例の第13例および第14例の場合には、参考例の第11例および第12例の場合に比べて、不連続部40bを設けた分だけ、ブッシュ30s、30tの表面と相手面との接触面積を抑えることができる。このため、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際の抵抗を、より安定して低く抑えることができる。その他の構成および作用は、参考例の第11例または第12例の場合と同様である。
なお、図24は、本発明の技術的範囲からは外れるが、本発明と同様に、1対のブッシュによる反アシスト力の支承能力を確保しつつ、ステアリングホイール1(図25参照)の高さ位置を調節する際に、ブッシュの表面と、この表面が対向する相手面との間に作用する摩擦力を安定して低く抑えることができる構造を示している。この構造の場合、ブッシュ30uを構成する側板部32uの径方向高さを低くするとともに、揺動ブラケット28aの側面の径方向中間部に突設した突条部43を、側板部32uの外径側に配置し、かつ、中立状態で、突条部43の先端面を、支持板部23の内側面に近接対向させている。図24に示した構造の場合には、側板部32uの径方向高さを低くした分だけ、側板部32uの両側面と相手面との接触面積を小さくして、これら両側面と相手面との接触部に作用する摩擦力を低く抑えることができる。このため、その分だけ、ステアリングホイール1の高さ位置の調節を行う際の抵抗を低く抑えることができる。また、アシスト反力により、揺動ブラケット28aが軸方向に変位するとともに傾斜する傾向となった場合には、突条部43の先端面が支持板部23の内側面に当接することにより、このような変位および傾斜がそれ以上大きくなることが阻止される。なお、突条部43の先端面が支持板部23の内側面に当接するまでの間は、ブッシュ30uが弾性変形することに基づく緩衝作用を得られる。
1 ステアリングホイール
2、2a ステアリングシャフト
3、3a ステアリングコラム
4、4a 電動アシスト装置
5 タイロッド
6 ステアリングギヤユニット
7 インナシャフト
8、8a アウタシャフト
9、9a インナコラム
10、10a アウタコラム
11、11a ハウジング
12、12a 出力軸
13、13a 前部支持ブラケット
14 車体
15、15a チルトピボット軸
16、16a 後部支持ブラケット
17 調節ハンドル
18 自在継手
19 中間シャフト
20 自在継手
21 入力軸
22、22a 電動モータ
23 支持板部
24 チルトボルト
25 スリーブ
26 円孔
27 ナット
28、28a 揺動ブラケット
29 挿通孔
30、30a〜30k、30m〜30u ブッシュ
31、31a〜31d 円筒部
32、32a〜32k、32m〜32u 側板部
33 隙間
34a、34b 隙間
35、35a 段部
36、36a 主接触面部
37、37a〜37c 副接触面部
38、38a〜38c 凹溝
39 凹部
40、40a、40b 不連続部
41、41a 切り欠き
42、42a 透孔
43 突条部

Claims (13)

  1. 車体に固定され、この車体の幅方向に離隔して配置される互いに平行な1対の支持板部を有する前部支持ブラケットと、
    前記支持板部同士の間に掛け渡された状態で、前記車体の幅方向に配設されるチルトピボット軸と、
    電動アシスト装置のハウジングの一部に設けられ、前記チルトピボット軸が挿通する挿通孔を有し、ステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムを前記ハウジングを介して支持する、揺動ブラケットと、
    弾性材製または低摩擦材製で、全体が環状にそれぞれ形成され、かつ、前記チルトピボット軸の軸方向両端部にそれぞれ外嵌され、かつ、それぞれが、前記チルトピボット軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間に挟持される円筒部と、この円筒部の軸方向一端部から径方向外方に伸長し、前記揺動ブラケットの側面と前記支持板部の内側面との間に挟持される円輪状の側板部とを有し、少なくとも前記電動アシスト装置により前記ステアリングシャフトに付与されるアシスト力が発生していない中立状態において、前記円筒部の両周面のうちの少なくとも一方の一部、または、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の一部に、これらの面に対向する相手面と非接触状態となる除肉部が設けられている、1対のブッシュと、
    を備える、ステアリングコラム支持装置。
  2. 前記除肉部が、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方に設けられている凹部により構成される、請求項1に記載のステアリングコラム支持装置。
  3. 前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の径方向一方の半部に、少なくとも前記中立状態で前記相手面に接触する主接触面部が形成され、その径方向他方の半部に、少なくとも前記中立状態では、前記相手面に接触せず、前記アシスト力の反力により、前記側板部が弾性変形した場合にのみ、前記相手面に接触する副接触面部が形成され、この副接触面部が前記凹部を構成する、請求項2に記載のステアリングコラム支持装置。
  4. 前記主接触面部が内径側に、前記副接触面部が外径側に設けられている、請求項3に記載のステアリングコラム支持装置。
  5. 前記凹部が、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の径方向中間部に設けられている、請求項2に記載にステアリングコラム支持装置。
  6. 前記凹部が、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の周方向の複数個所に設けられ、径方向に伸長する凹溝により構成される、請求項5に記載のステアリングコラム支持装置。
  7. 前記凹部が、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の周方向に伸長する凹溝により構成される、請求項5に記載のステアリングコラム支持装置。
  8. 前記凹溝が、前記側板部の両側面のうちの少なくとも一方の全周にわたって形成されている、請求項7に記載のステアリングコラム支持装置。
  9. 前記除肉部が、前記円筒部および前記側板部のうちの少なくとも一方の少なくとも周方向1箇所において、その厚さ方向にわたって貫通するように形成されている、請求項1に記載のステアリングコラム支持装置。
  10. 前記除肉部が、前記円筒部および前記側板部のうちの少なくとも一方の少なくとも周方向1箇所において、その周方向の一部を不連続とする不連続部により構成される、請求項9に記載のステアリングコラム支持装置。
  11. 前記除肉部が、前記円筒部および前記側板部のうちの少なくとも一方の端縁に開口する切り欠きにより構成される、請求項9に記載のステアリングコラム支持装置。
  12. 前記除肉部が、前記円筒部および前記側板部のうちの少なくとも一方の厚さ方向に貫通する透孔により構成される、請求項9に記載のステアリングコラム支持装置。
  13. 前記チルトピボット軸の外周面および前記挿通孔の内周面のうちで、前記ブッシュの前記円筒部を挟持する部分は、それぞれ軸方向にわたって径が変化しない円筒面となっている、請求項1に記載のステアリングコラム支持装置。
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