JP2014119658A - ネガ型レジスト材料及びこれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

ネガ型レジスト材料及びこれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のヒドロキシスチレン系、ノボラック系のネガ型レジスト材料を上回る高解像度を有し、露光後のパターン形状が良好であり、更に優れたエッチング耐性を示すネガ型レジスト材料、特に化学増幅ネガ型レジスト材料、及びこれを用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも、シクロペンタジエニル錯体を有する繰り返し単位aを含む下記一般式(1)で示される高分子化合物をベース樹脂とすることを特徴とするネガ型レジスト材料を提供する。
【化1】
Figure 2014119658

【選択図】なし

Description

本発明は、ネガ型レジスト材料、特に化学増幅ネガ型レジスト材料のベース樹脂として好適な高分子化合物を用いたネガ型レジスト材料、及びパターン形成方法に関する。
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が急速に進んでいる。特にフラッシュメモリー市場の拡大と記憶容量の増大化が微細化を牽引している。最先端の微細化技術としてはArFリソグラフィーによる65nmノードのデバイスの量産が行われており、次世代のArF液浸リソグラフィーによる45nmノードの量産準備が進行中である。次世代の32nmノードとしては、水よりも高屈折率の液体と高屈折率レンズ、高屈折率レジスト膜を組み合わせた超高NAレンズによる液浸リソグラフィー、波長13.5nmの真空紫外光(EUV)リソグラフィー、ArFリソグラフィーの2重露光(ダブルパターニングリソグラフィー)などが候補であり、検討が進められている。
EBやX線などの非常に短波長な高エネルギー線においては、レジスト材料に用いられている炭化水素のような軽元素は吸収がほとんどなく、ポリヒドロキシスチレンベースのレジスト材料が検討されている。
マスク製作用露光装置は線幅の精度を上げるため、レーザービームによる露光装置から電子ビーム(EB)による露光装置が用いられてきた。更に、EBの電子銃における加速電圧を上げることによって、より一層の微細化が可能になることから、10kVから30kV、最近は50kVが主流であり、100kVの検討も進められている。
ここで、加速電圧の上昇と共に、レジスト膜の低感度化が問題になっている。加速電圧が向上すると、レジスト膜内での前方散乱の影響が小さくなるため、電子描画エネルギーのコントラストが向上して解像度や寸法制御性が向上するが、レジスト膜内を素抜けの状態で電子が通過するため、レジスト膜の感度が低下する。マスク露光機は直描の一筆書きで露光するため、レジスト膜の感度低下は生産性の低下につながり、好ましいことではない。高感度化の要求から、化学増幅型レジスト材料が検討されている。
マスク製作用EBリソグラフィーのパターンの微細化と共に、高アスペクト比による現像時のパターン倒れ防止のためにレジストの薄膜化が進行している。光リソグラフィーの場合、レジストの薄膜化が解像力向上に大きく寄与している。これはCMPなどの導入により、デバイスの平坦化が進行したためである。マスク作製の場合、基板は平坦であり、加工すべき基板(例えばCr、MoSi、SiO)の膜厚は遮光率や位相差制御のために決まってしまっている。薄膜化するためにはレジストのドライエッチング耐性を向上させる必要がある。
ここで、一般的にはレジストの炭素の密度とドライエッチング耐性について相関があるといわれている。吸収の影響を受けないEB描画においては、エッチング耐性に優れるノボラックポリマーをベースとしたレジストが開発されている。
エッチング耐性向上のために、スチレン共重合が最初に示され、次に特許文献1で開示されているようなインデン共重合が示されている。また、特許文献2に示されるアセナフチレン共重合は炭素密度が高いだけでなく、シクロオレフィン構造による剛直な主鎖構造によってエッチング耐性の向上にも効果的である。
さらに、特許文献3では、既存のレジスト化合物にイットリウム、アルミニウム、鉄、チタン、ジルコニウム、ハフニウムを含有する化合物をブレンドすることによってエッチング耐性を向上させる方法が提案されている。鉄を含有する化合物としてフェロセンアルデヒド、フェロセンメタノール、フェロセンエタノール、フェロセンカルボン酸、フェロセンジカルボン酸等のフェロセン化合物などが挙げられている。
特許3865048号 特開2006−169302号 特開2001−66767号
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、従来のヒドロキシスチレン系、ノボラック系のネガ型レジスト材料を上回る高解像度を有し、露光後のパターン形状が良好であり、更に優れたエッチング耐性を示すネガ型レジスト材料、特に化学増幅ネガ型レジスト材料、及びこれを用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、少なくとも、シクロペンタジエニル錯体を有する繰り返し単位aを含む下記一般式(1)で示される高分子化合物をベース樹脂とすることを特徴とするネガ型レジスト材料を提供する。
Figure 2014119658
(上記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Xは単結合、メチレン基、−C(=O)−O−R−、−O−R−、−O−C(=O)−R−、−Ar−R−、MはFe、Co、Ni、Cr、Ruである。Arはフェニレン基、ナフチレン基であり、Rは同一、非同一の単結合、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基であり、エステル基、エーテル基を有していても良い。aは、0<a<1.0の範囲である。)
このようなネガ型レジスト材料であれば、高エネルギー線での露光において、高感度で高解像性を有し、エッチング耐性が極めて優れたものとなる。さらに、これらの特性を有することから、実用性がきわめて高く、超LSI製造用あるいはフォトマスクパターン作製における微細パターン形成材料として好適なものとなる。
また、前記一般式(1)中の繰り返し単位aと、ヒドロキシ基を有する繰り返し単位bを含む下記一般式(2)で示される高分子化合物をベース樹脂とすることが好ましい。
Figure 2014119658
(上記一般式(2)中、R、X、Mは前記と同様である。Rは水素原子、メチル基であり、Yは単結合、−C(=O)−O−、又は−C(=O)−NH−であり、Rは単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、Rは水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシロキシ基であり、Rは単結合、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキレン基である。mは0〜4の整数であり、nは1又は2である。aは0<a<1.0、bは0<b<1.0の範囲である。)
このように、ヒドロキシ基を有する繰り返し単位bと、シクロペンタジエニル錯体を有する繰り返し単位aを有する高分子化合物をベース樹脂として用いれば、エッチング耐性が極めて高くなり、かつ酸拡散を抑えることによって疎密寸法差を小さくすることができる。
また、前記ヒドロキシ基を有する繰り返し単位bの割合を変えることによって高分子化合物のアルカリ溶解速度を調整することができる。従って、状況に応じて適切なアルカリ溶解速度を有するネガ型レジスト材料とすることができる。
また、前記高分子化合物の重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲であることが好ましい。
このように、前記高分子化合物の重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲であれば、レジスト材料が十分な耐熱性及びアルカリ溶解性を有し、パターン形成後に生じるアンダーカット現象を抑制することができる。
更に、本発明は、酸発生剤を含有し、化学増幅型レジスト材料であることが好ましい。
このように、前記ネガ型レジスト材料が、酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト材料であれば、極めて高精度なパターンを得ることができる。
更に、本発明は、有機溶剤、塩基性化合物、溶解制御剤、界面活性剤、架橋剤のいずれか1つ以上を含有することができる。
このように、さらに有機溶剤を配合することによって、例えば、レジスト材料の基板等への塗布性を向上させることができ、塩基性化合物を配合することによって、レジスト膜中での酸の拡散速度を抑制し、解像度を一層向上させることができる。また、溶解制御剤を配合することによって、露光部と未露光部との溶解速度の差を一層大きくすることができ、解像度を一層向上させることができる。更に、界面活性剤を添加することによってレジスト材料の塗布性を一層向上あるいは制御することができ、架橋剤を添加することによって解像度を一層向上させることができる。
また、本発明では、前記ネガ型レジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法を提供する。
このような本発明のネガ型レジスト材料を用いたパターン形成方法であれば、微細なパターンを形成することができ、半導体基板やマスク基板等にパターンを形成する方法として用いることができる。
本発明のネガ型レジスト材料は、高感度で高解像性を有し、露光後のパターン形状が良好で、その上、特に酸拡散速度を抑制し、優れたエッチング耐性を示す。従って、特に超LSI製造用あるいはフォトマスクの微細パターン形成材料として好適なネガ型レジスト材料、特には化学増幅ネガ型レジスト材料を得ることができる。このようなネガ型レジスト材料は、半導体回路形成におけるリソグラフィーだけでなく、マスク回路パターンの形成、あるいはマイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド回路形成等にも好適に用いることができる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
前記のように、高感度で高解像性を有し、露光余裕度があり、プロセス適応性に優れ、露光後のパターン形状が良好で、特に密パターンと疎パターンとの寸法差が小さく、より優れたエッチング耐性を有するネガ型レジスト材料の開発が待たれていた。
そこで、本発明者らは、近年要望される高感度及び高解像度、露光余裕度等を有し、エッチング形状が良好で、優れたエッチング耐性を示すネガ型レジスト材料を得るべく鋭意検討を重ねた。
ここで、本発明者らは、まず、エッチング耐性を向上させるために、金属を含有するレジスト組成物を考えたが、金属塩は酸発生剤から発生した酸とイオン交換することによって酸と中和塩を形成し、脱保護反応を阻害してしまう。このため金属塩を大量に添加することは出来ない。
一方、フェロセンは、シクロペンタジエンと鉄が共有結合によって配位しているためにイオン性がなく、酸のクエンチャーとして働くことがない。このために、多くのFe、Co、Ni、Cr、Ruの金属をシクロペンタジエニル錯体としてレジスト内に導入することが出来る。これによってエッチング耐性が格段に向上し、また、前記金属はEB、EUVのエネルギー線に対して吸収を有しており、これによってレジストの感度を向上させることを知見した。
また、シクロペンタジエニル錯体を有する繰り返し単位と、架橋性のヒドロキシ基を有する繰り返し単位を共重合させて得られた高分子化合物をネガ型レジスト材料として用いれば、エッチング耐性が極めて高くなり、かつ酸拡散を抑えることによって疎密寸法差を小さくすることができ、その効果はスチレン、ビニルビフェニル、インデン、ビニルナフタレン、アセナフチレン等の炭化水素化合物以上であることを確認した。
このことから、本発明者らは、シクロペンタジエニル錯体を有する繰り返し単位を含む高分子化合物をネガ型レジスト材料、特に化学増幅ネガ型レジスト材料のベース樹脂として用いることにより、高感度で高解像性を有し、露光後のパターン形状が良好であり、更に優れたエッチング耐性を示す、特に超LSI製造用あるいはフォトマスクの微細パターン形成材料として好適なネガ型レジスト材料、特には化学増幅ネガ型レジスト材料が得られることを知見し、本発明を完成させるに至った。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明に係るネガ型レジスト材料は、少なくとも、シクロペンタジエニル錯体を有する繰り返し単位aを含む下記一般式(1)で示される高分子化合物をベース樹脂とすることを特徴とするネガ型レジスト材料である。
Figure 2014119658
(上記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Xは単結合、メチレン基、−C(=O)−O−R−、−O−R−、−O−C(=O)−R−、−Ar−R−、MはFe、Co、Ni、Cr、Ruである。Arはフェニレン基、ナフチレン基であり、Rは同一、非同一の単結合、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基であり、エステル基、エーテル基を有していても良い。aは、0<a<1.0の範囲である。)
本発明のネガ型レジスト材料は、特に、高感度で高解像性を有し、露光余裕度があり、プロセス適応性に優れ、露光後のパターン形状が良好で、特に密パターンと疎パターンとの寸法差が小さく、より優れたエッチング耐性を示すものとなる。従って、これらの優れた特性を有することから実用性が極めて高く、超LSI用レジスト材料マスクパターン形成材料として非常に有効である。
一般式(1)中の繰り返し単位aで示されるシクロペンタジエニル錯体を含有するオレフィンとしては、具体的には下記に例示することが出来る。
Figure 2014119658
Figure 2014119658
(式中Mは前述の通りである。)
特に、本発明のネガ型レジスト材料は、ベース樹脂として前記一般式(1)中の繰り返し単位aと、ヒドロキシ基を有する繰り返し単位bを含む下記一般式(2)で示される高分子化合物を含むものがよい。
Figure 2014119658
(上記一般式(2)中、R、X、Mは前記と同様である。Rは水素原子、メチル基であり、Yは単結合、−C(=O)−O−、又は−C(=O)−NH−であり、Rは単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、Rは水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシロキシ基であり、Rは単結合、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキレン基である。mは0〜4の整数であり、nは1又は2である。aは0<a<1.0、bは0<b<1.0の範囲である。)
一般式(2)中のヒドロキシ基を有する繰り返し単位bを得るためのモノマーは具体的には下記に例示することが出来る。
Figure 2014119658
Figure 2014119658
Figure 2014119658
Figure 2014119658
Figure 2014119658
Figure 2014119658
本発明の一般式(2)で示される高分子化合物は、上記ヒドロキシを有する繰り返し単位bを必須とするが、これ以外の繰り返し単位cを共重合してもよい。
具体的にはインデン、ヒドロキシインデン、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルピレン、インドール、アセナフチレン、ノルボルナジエン、ノルボルネン、トリシクロデセン、テトラシクロドデセン、メチレンインダン、クロモン、クマロン、ラクトンを有する(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸、3−ヒドロキシアダマンタン(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイミド類、ビニルエーテル類、αヒドロキシメチルアクリレート類、スチレンカルボン酸、αトリフルオロメチルアルコールを有する繰り返し単位などが挙げられる。
このうちαトリフルオロメチルアルコールを有する繰り返し単位pは、たとえば下記一般式(3)で示すことが出来る。
Figure 2014119658
(式中、R10は水素原子、メチル基である。Yは単結合、ベンゼン環、−O−、−C(=O)−O−又は−C(=O)−O−R13−C(=O)−O−である。R13は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基で、フッ素で置換されたアルキレン基、トリフルオロメチル基を有していても良い。R11は単結合または、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基で、フッ素原子で置換されていてもよく、ヒドロキシル基を有していてもよい。R12は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、又はR11と結合して環を形成しても良く、環の中にエーテル基、フッ素で置換されたアルキレン基、トリフルオロメチル基を有していても良い。pは1又は2である。)
一般式(3)に示されるαトリフルオロメチルアルコールを有する繰り返し単位を得るためのモノマーとしては、具体的には下記に例示することが出来る。下記においてR10は上記と同様である。
Figure 2014119658
Figure 2014119658
Figure 2014119658
更に、本発明では、下記一般式(4)で示されるスルホニウム塩を持つ繰り返し単位d1、d2、d3を共重合することができる。
Figure 2014119658
(上記式中、R20、R24、R28は水素原子又はメチル基、R21は単結合、フェニレン基、−O−R−、又は−C(=O)−Y−R−である。Yは酸素原子又はNH、Rは炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、フェニレン基又はアルケニレン基であり、カルボニル基、エステル基、エーテル基又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。R22、R23、R25、R26、R27、R29、R30、R31は同一又は異種の炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、カルボニル基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよく、又は炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又はチオフェニル基を表す。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化されたフェニレン基、−O−R32−、又は−C(=O)−Z−R32−である。Zは酸素原子又はNH、R32は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、フェニレン基又はアルケニレン基であり、カルボニル基、エステル基、エーテル基又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。Mは非求核性対向イオンを表す。d1は0≦d1≦0.3、d2は0≦d2≦0.3、d3は0≦d3≦0.3、0≦d1+d2+d3≦0.3である。)
の非求核性対向イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド、ビス(パーフルオロブチルスルホニル)イミド等のイミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド、トリス(パーフルオロエチルスルホニル)メチドなどのメチド酸を挙げることができる。
ポリマー主鎖に酸発生剤を結合させることによって酸拡散を小さくし、酸拡散のぼけによる解像性の低下を防止できる。また、酸発生剤が均一に分散することによってラインエッジラフネス(LER、LWR)が改善される。
本発明のネガ型レジスト材料のベース樹脂となる高分子化合物を合成するには、1つの方法として、繰り返し単位a〜d(d1〜d3)を与えるモノマーのうち所望のモノマーを、有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を加え加熱重合を行い、共重合体の高分子化合物を得ることができる。
重合時に使用する有機溶剤としてはトルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等が例示できる。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示でき、好ましくは50〜80℃に加熱して重合できる。反応時間としては2〜100時間、好ましくは5〜20時間である。
一般式(2)中のヒドロキシ基を有する繰り返し単位bはモノマーの段階でヒドロキシ基をアセトキシ基で置換して重合後アルカリ加水分解によってヒドロキシ基にする方法によって得ることもできる。
アルカリ加水分解時の塩基としては、アンモニア水、トリエチルアミン等が使用できる。また反応温度としては−20〜100℃、好ましくは0〜60℃であり、反応時間としては0.2〜100時間、好ましくは0.5〜20時間である。
また、上記重合後の高分子化合物(ヒドロキシポリビニルナフタレン、あるいはヒドロキシビニルナフタレン共重合体)のアルカリ溶解速度を調整する目的で、ヒドロキシビニルナフタレンのヒドロキシ基の水素原子をアセチル基、アルキル基等で置換することもできる。置換割合は、ヒドロキシ基の1%を超え40%以下が好ましく用いられる。置換方法としては、アセチルクロリドやハロゲン化アルキル化合物を、塩基の存在下、高分子化合物と反応させることにより、部分的にヒドロキシビニルナフタレンのヒドロキシ基(フェノール性水酸基)の水素原子がアセチル基やアルキル基で保護された高分子化合物を得る。
本発明の高分子化合物は、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは2,000〜30,000である。重量平均分子量が1,000以上であればレジスト材料が十分な耐熱性を有し、500,000以下であれば十分なアルカリ溶解性を有し、パターン形成後にアンダーカット現象が生じる恐れが少ない。
更に、本発明の高分子化合物においては、その分子量分布は1.0〜2.0、特に1.0〜1.5と狭分散であることが好ましい。このような分子量分布であれば、低分子量や高分子量のポリマーが存在することが原因で、露光後、パターン上に異物が見られたり、パターンの形状が悪化したりする恐れが少ない。パターンルールが微細化するに従ってこのような分子量、分子量分布の影響が大きくなり易いことから、微細なパターン寸法に好適に用いられるレジスト材料を得るには、上記分子量分布であることが好ましい。
また、本発明の高分子化合物は、組成比率や分子量分布や分子量が異なる2つ以上のポリマーをブレンドすることも可能である。
また、本発明の高分子化合物をベース樹脂とし、これに有機溶剤、酸発生剤、架橋剤、溶解制御剤、塩基性化合物、界面活性剤等を目的に応じ適宜組み合わせて配合してネガ型レジスト材料を構成することによって、露光部では触媒反応により前記高分子化合物の現像液に対する溶解速度が低下する。
このことから、本発明のネガ型レジスト材料は、レジスト膜の溶解コントラスト及び解像性が高く、露光余裕度があり、プロセス適応性に優れ、露光後のパターン形状が良好でありながら、より優れたエッチング耐性を示し、特に酸拡散を抑制できることから粗密寸法差が小さく、極めて高感度のネガ型レジスト材料である。このことから、本発明のネガ型レジスト材料は、実用性が高く、超LSI用レジスト材料として非常に有効なものとすることができる。
特に、酸発生剤を含有させ、酸触媒反応を利用した化学増幅ネガ型レジスト材料とすると、より高感度のものとすることができると共に、諸特性が一層優れたものとなり極めて有用なものとなる。
更に、塩基性化合物を添加することによって、例えばレジスト膜中での酸の拡散速度を抑制し解像度を一層向上させることができ、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
また、界面活性剤を添加することによってレジスト材料の塗布性を一層向上あるいは制御することができる。
ここで、本発明のネガ型レジスト材料に含有する酸発生剤として、例えば、活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有してもよい。光酸発生剤の成分としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでも構わない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート型酸発生剤等がある。以下に詳述するが、これらは単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
酸発生剤の具体例としては、特開2008−111103号公報の段落[0122]〜[0142]に記載されている。
本発明のネガ型レジスト材料は、更に、有機溶剤、塩基性化合物、溶解制御剤、界面活性剤、アセチレンアルコール類のいずれか1つ以上を含有することができる。
有機溶媒の具体例としては、特開2008−111103号公報の段落[0144]〜[0145]記載のシクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類及びその混合溶剤が挙げられ、塩基性化合物としては、特開2008−111103号公報の段落[0146]〜[0164]記載の1級、2級、3級のアミン化合物、特にはヒドロキシ基、エーテル、エステル基、ラクトン環、シアノ基、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物あるいは特許3790649号記載のカルバメート基を有する化合物を挙げることが出来る。界面活性剤は特開2008−111103号公報の段落[0165]〜[0166]、溶解制御剤としては特開2008−122932号公報の段落[0155]〜[0178]、アセチレンアルコール類は段落[0179]〜[0182]に記載されている。特開2008−239918号記載のポリマー型のクエンチャーを添加することもできる。このものは、コート後のレジスト表面に配向することによってパターン後のレジストの矩形性を高める。ポリマー型クエンチャーは、液浸露光用の保護膜を適用したときのパターンの膜減りやパターントップのラウンディングを防止する効果もある。
なお、酸発生剤の配合量は、ベース樹脂100質量部に対し0.01〜100質量部、特に0.1〜80質量部とすることが好ましく、有機溶剤の配合量は、ベース樹脂100質量部に対し50〜10,000質量部、特に100〜5,000質量部であることが好ましい。また、ベース樹脂100質量部に対し、溶解制御剤は0〜50質量部、特に0〜40質量部、塩基性化合物は0〜100質量部、特に0.001〜50質量部、界面活性剤は0〜10質量部、特に0.0001〜5質量部の配合量とすることが好ましい。
前述したように、本発明のネガ型レジスト材料は、さらに架橋剤を配合することができる。本発明で使用可能な架橋剤の具体例を列挙すると、メチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジド化合物、アルケニルエーテル基などの2重結合を含む化合物等を挙げることができる。これらは添加剤として用いてもよいが、ポリマー側鎖にペンダント基として導入してもよい。また、ヒドロキシ基を含む化合物も架橋剤として用いることが出来る。
前記架橋剤の具体例のうち、更にエポキシ化合物を例示すると、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリエチロールエタントリグリシジルエーテルなどが例示される。メラミン化合物を具体的に例示すると、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンの1〜6個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜6個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。グアナミン化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。グリコールウリル化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がメトキシメチル化した化合物、又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。ウレア化合物としてはテトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルウレアなどが挙げられる。
イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられ、アジド化合物としては、1,1’−ビフェニル−4,4’−ビスアジド、4,4’−メチリデンビスアジド、4,4’−オキシビスアジドなどが挙げられる。
アルケニルエーテル基を含む化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルなどが挙げられる。
架橋剤の配合量は、ベース樹脂100部に対して0〜50部、好ましくは5〜50部、より好ましくは10〜30部であり、単独又は2種以上を混合して使用できる。5部以上であれば十分な解像性の向上が得られ、50部以下であれば、パターン間がつながり解像度が低下する恐れが少ない。
本発明のネガ型レジスト材料、例えば有機溶剤と、一般式(2)で示される高分子化合物と、酸発生剤、塩基性化合物を含む化学増幅ネガ型レジスト材料を種々の集積回路製造に用いる場合は、特に限定されないが公知のリソグラフィー技術を適用することができる。
すなわち本発明のネガ型レジスト材料は、少なくとも、該ネガ型レジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを行うことによって、半導体基板やマスク基板等にパターンを形成することができる。
例えば、本発明のネガ型レジスト材料を、集積回路製造用の基板(Si,SiO,SiN,SiON,TiN,WSi,BPSG,SOG,有機反射防止膜等)あるいはマスク回路製造用の基板(Cr、CrO、CrON、MoSi等)上にスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により塗布膜厚が0.1〜2.0μmとなるように塗布する。これをホットプレート上で60〜150℃、10秒〜30分間、好ましくは80〜120℃、30秒〜20分間プリベークする。次いで、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線等の高エネルギー線から選ばれる光源で目的とするパターンを所定のマスクを通じてもしくは直接露光を行う。露光量は1〜200mJ/cm程度、好ましくは10〜100mJ/cm、又は0.1〜100μC、好ましくは0.5〜50μC程度となるように露光することが好ましい。次に、ホットプレート上で60〜150℃、10秒〜30分間、好ましくは80〜120℃、30秒〜20分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。
更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、3秒〜3分間、好ましくは5秒〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより、光を照射した部分は現像液に不溶化し、露光されなかった部分は溶解し、基板上に目的のネガ型のパターンが形成される。
以下、合成例及び比較合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例等に制限されるものではない。なお、以下でGPCはゲルパーミエーションクロマトグラフィーを指す。
[合成例1]
2Lのフラスコにビニルフェロセン4.2g、4−アセトキシスチレン13.0g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。得られた重合体を13C,H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
得られた重合体を13C,H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
重合組成比(モル比)
ビニルフェロセン:4−ヒドロキシスチレン=0.2:0.8
質量平均分子量(Mw)=4,600
分子量分布(Mw/Mn)=1.66
この高分子化合物をポリマー1とする。
Figure 2014119658
[合成例2]
2Lのフラスコにビニルルテノセンを5.2g、4−アセトキシスチレン13.0g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。得られた重合体を13C,H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
得られた重合体を13C,H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
ビニルルテノセン:4−ヒドロキシスチレン=0.2:0.8
質量平均分子量(Mw)=5,100
分子量分布(Mw/Mn)=1.69
この高分子化合物をポリマー2とする。
Figure 2014119658
[合成例3]
2Lのフラスコにビニルフェロセン4.2g、4−ヒドロキシメチルスチレン5.4g、4−アセトキシスチレン6.5g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、得られた白色固体をメタノール100mL及びテトラヒドロフラン200mLの混合溶剤に再度溶解し、トリエチルアミン10g、水10gを加え、70℃で5時間アセチル基の脱保護反応を行い、酢酸を用いて中和した。反応溶液を濃縮後、アセトン100mLに溶解し、上記と同様の沈殿、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。得られた重合体を13C,H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
得られた重合体を13C,H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
重合組成比(モル比)
ビニルフェロセン:4−ヒドロキシメチルスチレン:4−ヒドロキシスチレン=0.2:0.4:0.4
質量平均分子量(Mw)=4,600
分子量分布(Mw/Mn)=1.66
この高分子化合物をポリマー3とする。
Figure 2014119658
[合成例4]
2Lのフラスコにメタクリル酸メチルフェロセン7.1g、メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル13.4g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。得られた重合体を13C,H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
得られた重合体を13C,H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
メタクリル酸メチルフェロセン:メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル=0.25:0.75
質量平均分子量(Mw)=6,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.76
この高分子化合物をポリマー4とする。
Figure 2014119658
[合成例5]
2Lのフラスコにメタクリル酸メチルフェロセン5.7g、メタクリル酸4−ヒドロキシメチルフェニル7.7g、4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)スチレン5.4g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。得られた重合体を13C,H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
得られた重合体を13C,H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
メタクリル酸メチルフェロセン:メタクリル酸4−ヒドロキシメチルフェニル:4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)スチレン=0.20:0.40:0.40
質量平均分子量(Mw)=6,800
分子量分布(Mw/Mn)=1.76
この高分子化合物をポリマー5とする。
Figure 2014119658
[合成例6]
2Lのフラスコにメタクリル酸メチルフェロセン5.7g、メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル10.7g、PAGモノマー1の5.6g、溶剤としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を1.2g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L溶液中に沈殿させ、濾過、60℃で乾燥を行い、白色重合体を得た。得られた重合体を13C,H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
得られた重合体を13C,H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
メタクリル酸メチルフェロセン:メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル:PAGモノマー=0.25:0.65:0.10
質量平均分子量(Mw)=7,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.74
この高分子化合物をポリマー6とする。
Figure 2014119658
Figure 2014119658
PAGモノマー1:トリフェニルスルホニウム 1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−メタクリロイルオキシプロパン−1−スルホネート
[比較合成例1]
上記合成例と同様の方法で下記の2成分ポリマーを合成した。
得られた重合体を13C,H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
4−ヒドロキシスチレン:スチレン=0.7:0.3
質量平均分子量(Mw)=4,500
分子量分布(Mw/Mn)=1.55
この高分子化合物を比較ポリマー1とする。
Figure 2014119658
[比較合成例2]
上記合成例と同様の方法で下記の2成分ポリマーを合成した。
得られた重合体を13C,H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
4−ヒドロキシスチレン:1−ビニルナフタレン=0.8:0.2
重量平均分子量(Mw)=5,900
分子量分布(Mw/Mn)=1.51
この高分子化合物を比較ポリマー2とする。
Figure 2014119658
[ネガ型レジスト材料の調製]
上記合成した高分子化合物(ポリマー1〜6、比較ポリマー1、2)、下記式で示される酸発生剤(PAG1)、塩基性化合物(Amine1)、架橋剤(CR1)を表1に示す組成で有機溶剤中に溶解してレジスト材料を調合し、更に各組成物を0.2μmサイズのフィルターで濾過することにより、レジスト液をそれぞれ調製した。
表1中の各組成は次の通りである。
ポリマー1〜6: 合成例1〜6より
比較ポリマー1、2: 比較合成例1、2より
酸発生剤:PAG1(下記構造式参照)
塩基性化合物:Amine1(下記構造式参照)
Figure 2014119658
Figure 2014119658
有機溶剤: PGMEA(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)
CyH(シクロヘキサノン)
CyP(シクロペンタノン)
[電子ビーム描画評価]
上記調製したネガ型レジスト材料(実施例1〜6、比較例1、2)を直径6インチ(200mm)のSi基板上に、クリーントラックMark5(東京エレクトロン社製)を用いてスピンコートし、ホットプレート上で110℃で90秒間プリベークして100nmのレジスト膜を作製した。これに、HL−800D(日立製作所(株)製)を用いてHV電圧50keVで真空チャンバー内描画を行った。
描画後直ちにクリーントラックMark5(東京エレクトロン社製)を用いてホットプレート上で110℃で90秒間ポストエクスポージャベーク(PEB)を行い、2.38質量%のTMAH水溶液で30秒間パドル現像を行い、ネガ型のパターンを得た。
得られたレジストパターンを次のように評価した。
0.12μmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量をレジストの感度とし、120nmLSのエッジラフネスをSEMで測定した。
レジスト組成とEB露光における感度、解像度の結果を表1に示す。
Figure 2014119658
表1の結果から、実施例1〜6のレジスト材料は、比較例1、2のレジスト材料に比べて高感度、高解像力で露光後のエッジラフネスが良好であることがわかる。
[耐ドライエッチング性評価]
耐ドライエッチング性の試験では、上記合成した高分子化合物(ポリマー1〜6、比較ポリマー1、2)各2gをシクロヘキサノン10gに溶解させて0.2μmサイズのフィルターで濾過したポリマー溶液をSi基板にスピンコートで製膜し、300nmの厚さの膜にし、以下の条件で評価した。
CHF/CF系ガスでのエッチング試験:
ドライエッチング装置TE−8500P(東京エレクトロン(株)製)を用い、エッチング前後のポリマー膜の膜厚差を測定し、1分あたりのエッチング速度を求めた。
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 1,000W
ギャップ 9mm
CHFガス流量 30ml/min
CFガス流量 30ml/min
Arガス流量 100ml/min
時間 60sec
この評価では、膜厚差の少ないもの、即ち減少量が少ないもののエッチング耐性があることを示している。
耐ドライエッチング性の結果を表2に示す。
Figure 2014119658
表2の結果より、本発明に係るシクロペンタジエニル錯体を有する繰り返し単位aを含む高分子化合物(ポリマー1〜6)が、比較ポリマー1、2に比べて極めて高いドライエッチング耐性を有することが確認された。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
合組成比(モル比)
ビニルフェロセン:4−ヒドロキシスチレン=0.2:0.8
量平均分子量(Mw)=4,600
分子量分布(Mw/Mn)=1.66
この高分子化合物をポリマー1とする。
重合組成比(モル比)
ビニルルテノセン:4−ヒドロキシスチレン=0.2:0.8
量平均分子量(Mw)=5,100
分子量分布(Mw/Mn)=1.69
この高分子化合物をポリマー2とする。
合組成比(モル比)
ビニルフェロセン:4−ヒドロキシメチルスチレン:4−ヒドロキシスチレン=0.2:0.4:0.4
量平均分子量(Mw)=4,600
分子量分布(Mw/Mn)=1.66
この高分子化合物をポリマー3とする。
重合組成比(モル比)
メタクリル酸メチルフェロセン:メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル=0.25:0.75
量平均分子量(Mw)=6,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.76
この高分子化合物をポリマー4とする。
重合組成比(モル比)
メタクリル酸メチルフェロセン:メタクリル酸4−ヒドロキシメチルフェニル:4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)スチレン=0.20:0.40:0.40
量平均分子量(Mw)=6,800
分子量分布(Mw/Mn)=1.76
この高分子化合物をポリマー5とする。
重合組成比(モル比)
メタクリル酸メチルフェロセン:メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル:PAGモノマー=0.25:0.65:0.10
量平均分子量(Mw)=7,300
分子量分布(Mw/Mn)=1.74
この高分子化合物をポリマー6とする。
[比較合成例1]
上記合成例と同様の方法で下記の2成分ポリマーを合成した。
得られた重合体を13C,H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
4−ヒドロキシスチレン:スチレン=0.7:0.3
量平均分子量(Mw)=4,500
分子量分布(Mw/Mn)=1.55
この高分子化合物を比較ポリマー1とする。
Figure 2014119658

Claims (6)

  1. 少なくとも、シクロペンタジエニル錯体を有する繰り返し単位aを含む下記一般式(1)で示される高分子化合物をベース樹脂とすることを特徴とするネガ型レジスト材料。
    Figure 2014119658
    (上記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Xは単結合、メチレン基、−C(=O)−O−R−、−O−R−、−O−C(=O)−R−、−Ar−R−、MはFe、Co、Ni、Cr、Ruである。Arはフェニレン基、ナフチレン基であり、Rは同一、非同一の単結合、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基であり、エステル基、エーテル基を有していても良い。aは、0<a<1.0の範囲である。)
  2. 前記一般式(1)中の繰り返し単位aと、ヒドロキシ基を有する繰り返し単位bを含む下記一般式(2)で示される高分子化合物をベース樹脂とすることを特徴とする請求項1に記載のネガ型レジスト材料。
    Figure 2014119658
    (上記一般式(2)中、R、X、Mは前記と同様である。Rは水素原子、メチル基であり、Yは単結合、−C(=O)−O−、又は−C(=O)−NH−であり、Rは単結合、又は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、Rは水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシロキシ基であり、Rは単結合、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキレン基である。mは0〜4の整数であり、nは1又は2である。aは0<a<1.0、bは0<b<1.0の範囲である。)
  3. 前記高分子化合物の重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネガ型レジスト材料。
  4. 更に、酸発生剤を含有し、化学増幅型レジスト材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のネガ型レジスト材料。
  5. 更に、有機溶剤、塩基性化合物、溶解制御剤、界面活性剤、架橋剤のいずれか1つ以上を含有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のネガ型レジスト材料。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のネガ型レジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後、高エネルギー線で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
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