JP2014118513A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2014118513A
JP2014118513A JP2012275872A JP2012275872A JP2014118513A JP 2014118513 A JP2014118513 A JP 2014118513A JP 2012275872 A JP2012275872 A JP 2012275872A JP 2012275872 A JP2012275872 A JP 2012275872A JP 2014118513 A JP2014118513 A JP 2014118513A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mass
branched
carbon atoms
unbranched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012275872A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6053495B2 (ja
Inventor
Ai Matsuura
亜衣 松浦
Takashi Tsuchida
剛史 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2012275872A priority Critical patent/JP6053495B2/ja
Publication of JP2014118513A publication Critical patent/JP2014118513A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6053495B2 publication Critical patent/JP6053495B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • Y02T10/862

Abstract

【課題】低燃費性、耐摩耗性をバランス良く向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】シリカと相互作用を持つ官能基を有する変性ブタジエンゴムと、非変性ブタジエンゴムと、スチレンブタジエンゴムと、シリカと、シランカップリング剤とを含み、ブタジエンゴム成分100質量%中の変性ブタジエンゴムの含有量が25〜80質量%であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、自動車の低燃費化の要請に対応して、タイヤの転がり抵抗を低減して、発熱を抑えたタイヤの開発が進められている。特に、タイヤの部材のなかでもタイヤにおける占有比率の高いトレッドに対して、優れた低発熱性(低燃費性)が要求されている。このような問題を解決するために、タイヤのトレッドにおいて、補強用充填剤として使用されているカーボンブラックを、一部シリカに置き換えることがなされてきた。
しかし、シリカは表面水酸基の影響で、カーボンブラックに比べて凝集し易く分散しにくいと言う問題があった。そこで、シリカの補強性をカーボンブラックと同程度にするために、シリカの分散性を向上させたり、ゴムとシリカを化学的に結合させたりすることで補強性を増大させることを目的として、シランカップリング剤やシリカと相互作用をもつ官能基を含有したシリカ用変性ポリマーの検討がなされてきた(例えば、特許文献1、2)。しかし、低燃費性、耐摩耗性を向上する点については改善の余地がある。
さらに低燃費性を満足させる方法として、補強用充填剤であるシリカの配合量を減量する方法や、補強性の小さい充填剤を用いる方法が試みられているが、耐摩耗性が大きく低下するという問題があった。
以上のように、低燃費性、耐摩耗性をバランス良く向上できるゴム組成物の提供が望まれている。
特開2012−158679号公報 特開2010−202819号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、耐摩耗性をバランス良く向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、シリカと相互作用を持つ官能基を有する変性ブタジエンゴムと、非変性ブタジエンゴムと、スチレンブタジエンゴムと、シリカと、シランカップリング剤とを含み、ブタジエンゴム成分100質量%中の変性ブタジエンゴムの含有量が25〜80質量%であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記タイヤ用ゴム組成物は、スチレン含有量が35質量%以上のスチレンブタジエンゴムの含有量がゴム成分100質量%中30質量%以上であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中のブタジエンゴム成分の含有量が5〜50質量%であることが好ましい。
上記変性ブタジエンゴムが、アルコキシシリル基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アルコキシ基、ピロリジニル基、及びポリシロキサン構造からなる群より選択される少なくとも1種の基若しくは構造を有することが好ましい。
上記変性ブタジエンゴムが、下記式(1)で表される化合物により末端変性されたブタジエンゴムであることが好ましい。
Figure 2014118513
(式(1)中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、分岐若しくは非分岐のアルキル基、分岐若しくは非分岐のアルコキシ基、分岐若しくは非分岐のシリルオキシ基、分岐若しくは非分岐のアセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、分岐若しくは非分岐のアルキル基、又は環状エーテル基を表す。pは整数を表す。)
上記式(1)で表される化合物により末端変性されたブタジエンゴムが、窒素含有化合物に由来する構成単位を主鎖中に有することが好ましい。
上記シランカップリング剤が、メルカプト基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。
上記シランカップリング剤が、下記式(I)で表されるシランカップリング剤、及び/又は下記式(II)で示される結合単位Aと下記式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤であることが好ましい。
Figure 2014118513
(式中、R101〜R103は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルコキシ基、又は−O−(R111−O)−R112(b個のR111は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す。b個のR111はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R112は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。bは1〜30の整数を表す。)で表される基を表す。R101〜R103はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R104は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
Figure 2014118513
Figure 2014118513
(式中、R201は水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基、又は該アルキル基の末端の水素が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを表す。R202は分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基を表す。R201とR202とで環構造を形成してもよい。)
上記タイヤ用ゴム組成物は、架橋剤として、サルファードナーを含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、上記シリカのチッ素吸着比表面積が30〜500m/gであり、ゴム成分100質量部に対して、上記シリカを30〜150質量部含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、シリカと相互作用を持つ官能基を有する変性ブタジエンゴムと、非変性ブタジエンゴムと、スチレンブタジエンゴムと、シリカと、シランカップリング剤とを含み、ブタジエンゴム成分100質量%中の変性ブタジエンゴムの含有量が25〜80質量%であるタイヤ用ゴム組成物であるので、低燃費性、耐摩耗性をバランス良く向上できる。該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に使用することにより、上記性能に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シリカと相互作用を持つ官能基を有する変性ブタジエンゴムと、非変性ブタジエンゴムと、スチレンブタジエンゴムと、シリカと、シランカップリング剤とを含み、ブタジエンゴム成分100質量%中の変性ブタジエンゴムの含有量が25〜80質量%である。
本発明では、シリカとシランカップリング剤を含有するゴム組成物において、ゴム成分として、変性ブタジエンゴム(変性BR)と、非変性ブタジエンゴム(非変性BR)と、スチレンブタジエンゴム(SBR)とを含み、さらに、ブタジエンゴム成分(BR成分)中の変性BRの含有量が特定範囲内であるため、シリカの分散性が向上し、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能(特に、耐摩耗性)をバランス良く向上できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分として、変性BRと、非変性BRと、SBRとを含む。
変性BRとしては、シリカと相互作用を持つ官能基を有するブタジエンゴムであれば特に限定されないが、例えば、ブタジエンゴム(BR)の少なくとも一方の末端を窒素、酸素、およびケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ブタジエンゴムや、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性ブタジエンゴムや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性ブタジエンゴム(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性ブタジエンゴム)等が挙げられる。
上記官能基としては、例えばアルコキシシリル基、アミノ基、アミド基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基、ニトリル基、ピリジル基、エポキシ基、アルコキシ基、ピロリジニル基やポリシロキサン構造等があげられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能の向上効果が高いという理由から、アルコキシシリル基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アルコキシ基、ピロリジニル基、ポリシロキサン構造が好ましく、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシシリル基(好ましくはアルコキシ部分の炭素数が1〜6であるアルコキシシリル基)、ピロリジニル基が好ましい。
上記変性剤としては、下記式(1)で表される化合物(特開2010−111753号公報に記載の化合物)が好ましい。これにより、ポリマーの分子量をコントロールし易く、tanδを増大させる低分子量成分を少なくすることができ、シリカとポリマー鎖の結合を強め、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能をより向上できる。
Figure 2014118513
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、分岐若しくは非分岐のアルキル基、分岐若しくは非分岐のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6、更に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)、分岐若しくは非分岐のシリルオキシ基、分岐若しくは非分岐のアセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、分岐若しくは非分岐のアルキル基(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基)、又は環状エーテル基(好ましくはエーテル結合を1つ有する炭素数3〜5の環状エーテル基(例えば、オキセタン基))を表す。pは整数(好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4、更に好ましくは3)を表す。)
、R及びRとしては、アルコキシ基が望ましく、R及びRとしては、アルキル基が望ましい。これにより、優れた低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能を得ることができる。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(1)で表される化合物(変性剤)によるブタジエンゴムの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報、特表2003−514078号公報などに記載されている方法など、従来公知の手法を用いることができる。例えば、ブタジエンゴムと変性剤とを接触させればよく、重合によりブタジエンゴムを合成した後、該重合体ゴム溶液中に変性剤を所定量添加し、ブタジエンゴムの重合末端(活性末端)と変性剤とを反応させる方法、ブタジエンゴム溶液中に変性剤を添加して反応させる方法などが挙げられる。
また、主鎖変性ブタジエンゴムは、従来公知の手法を用いて重合できる。例えば、重合に使用するモノマーの一部として、上記官能基を有するモノマー(例えば、窒素含有化合物等)を使用して重合することにより得られる。また、主鎖末端変性ブタジエンゴムは、例えば、主鎖変性ブタジエンゴムと上記変性剤とを接触させることにより得られる。窒素含有化合物に由来する構成単位を主鎖中に有することにより、フィラーの分散性がより向上し、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能をより向上できる。
窒素含有化合物としては、3−又は4−(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、3−又は4−(2−ピロリジノエチル)スチレン、3−又は4−(2−ピペリジノエチル)スチレン、3−又は4−(2−ヘキサメチレンイミノエチル)スチレン、3−又は4−(2−モルホリノエチル)スチレン、3−又は4−(2−チアゾリジリノエチル)スチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、フィラーの分散性の改善効果が大きく、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能の向上効果が高いという理由から、3−又は4−(2−ピロリジノエチル)スチレンが好ましい。
変性BR100質量%中の窒素含有化合物の含有量(窒素含有化合物誘導体モノマー量)は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である。0.05質量%未満では、フィラーの分散性を充分に改善できないおそれがある。該含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。30質量%を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
なお、窒素含有化合物誘導体モノマー量は、NMR(例えば、日本電子(株)製のJNM−ECAシリーズの装置)を用いて測定できる。
上記変性BRのなかでも、フィラーの分散性の改善効果が大きく、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能の向上効果が高いという理由から、BRの少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性されたBRが好ましく、上記式(1)で表される化合物により末端変性されたBRがより好ましく、窒素含有化合物に由来する構成単位を主鎖中に有し、上記式(1)で表される化合物により末端変性されたBRが更に好ましい。
変性BRのビニル含有量は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。ビニル含有量が35質量%を超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。ビニル含有量の下限は特に限定されない。
なお、本明細書において、変性BRのビニル含有量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法、NMRによって測定できる。
変性BRの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1.0×10以上、より好ましくは1.5×10以上、更に好ましくは2.0×10以上である。1.0×10未満では、低燃費性及び耐摩耗性が悪化する傾向がある。該Mwは、好ましくは2.0×10以下、より好ましくは1.5×10以下、更に好ましくは1.0×10以下である。2.0×10を超えると、加工性が低下する傾向がある。
なお、本明細書において、変性BRの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による測定値を基に標準ポリスチレン換算することによって測定できる。
ゴム成分100質量%中の変性BRの含有量は、好ましくは7質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは17質量%以上である。該変性BRの含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。変性BRの含有量が上記範囲内であると、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能をよりバランス良く向上できる。
非変性BRとしては特に限定されず、例えば、高シス含有量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBRなどを使用できる。なかでも、耐摩耗性の向上効果が高いという理由から、シス含有量が95質量%以上のBRが好ましい。
ゴム成分100質量%中の非変性BRの含有量は、好ましくは5質量%以上である。5質量%未満であると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。該非変性BRの含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、特に好ましくは15質量%以下である。40質量%を超えると、低燃費性、耐摩耗性をバランス良く向上できないおそれがある。
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴム成分の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。5質量%未満であると、充分な低燃費性、耐摩耗性が得られないおそれがある。該ブタジエンゴム成分の含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。50質量%を超えると、充分な低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能が得られないおそれがある。
なお、本明細書において、ブタジエンゴム成分の含有量とは、変性BR及び非変性BRの合計含有量を意味する。
ブタジエンゴム成分100質量%中の変性BRの含有量は、25質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは55質量%以上である。25質量%未満であると、充分な低燃費性、耐摩耗性が得られないおそれがある。該変性BRの含有量は、80質量%以下、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。80質量%を超えると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。
SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。SBRは、変性されていてもよい。なかでも、S−SBRが好ましい。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは35質量%以上である。スチレン含有量が15質量%未満であると、ウェットグリップ性能が低下するおそれがある。該スチレン含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。スチレン含有量が60質量%を超えると、発熱性が著しく上昇し、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、本発明において、SBRのスチレン含有量は、H−NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。30質量%未満であると、充分なウェットグリップ性能、低燃費性が得られないおそれがある。該SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。
上記変性BR、非変性BR、SBR以外に本発明に使用されるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、シリカが使用される。シリカを配合することにより、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能を向上できる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、30m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。30m/g未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、500m/g以下が好ましく、250m/g以下がより好ましく、200m/g以下が更に好ましい。500m/gを超えると、低燃費性、加工性が悪化する傾向がある。
なお、シリカのチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは50質量部以上である。5質量部未満であると、シリカ配合による充分な効果が得られない傾向がある。上記シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、シリカのゴムへの分散が困難になり、低燃費性、加工性が悪化する傾向がある。
本発明では、上記ゴム成分、シリカとともにシランカップリング剤が使用される。これにより、シリカの分散性が向上し、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能を向上できる。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。なかでも、スルフィド系、メルカプト系(メルカプト基を有するシランカップリング剤)が好ましい。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、下記式(I)で表されるシランカップリング剤、及び/又は下記式(II)で示される結合単位Aと下記式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤を好適に使用できる。
Figure 2014118513
(式中、R101〜R103は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルコキシ基、又は−O−(R111−O)−R112(b個のR111は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す。b個のR111はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R112は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。bは1〜30の整数を表す。)で表される基を表す。R101〜R103はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R104は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
Figure 2014118513
Figure 2014118513
(式中、R201は水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基、又は該アルキル基の末端の水素が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを表す。R202は分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基を表す。R201とR202とで環構造を形成してもよい。)
以下において、上記式(I)で表されるシランカップリング剤について説明する。
101〜R103は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルコキシ基、又は−O−(R111−O)−R112で表される基を表す。本発明の効果が良好に得られるという点から、R101〜R103は、少なくとも1つが−O−(R111−O)−R112で表される基であることが好ましく、2つが−O−(R111−O)−R112で表される基であり、かつ、1つが分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルコキシ基であることがより好ましい。
101〜R103の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜5)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基などがあげられる。
101〜R103の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜5)のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトシキ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトシキ基、tert−ブトシキ基、ペンチルオキシ基、へキシルオキシ基、へプチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基などがあげられる。
101〜R103の−O−(R111−O)−R112において、R111は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数1〜3)の2価の炭化水素基を表す。
該炭化水素基としては、例えば、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基、炭素数6〜30のアリーレン基などがあげられる。中でも、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基が好ましい。
111の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基などがあげられる。
111の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜15、より好ましくは炭素数2〜3)のアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、1−オクテニレン基などがあげられる。
111の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜15、より好ましくは炭素数2〜3)のアルキニレン基としては、例えば、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基などがあげられる。
111の炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜15)のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基などがあげられる。
bは1〜30(好ましくは2〜20、より好ましくは3〜7、更に好ましくは5〜6)の整数を表す。
112は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。中でも、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。
112の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数3〜25、より好ましくは炭素数10〜15)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基などがあげられる。
112の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数3〜25、より好ましくは炭素数10〜15)のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、オクタデセニル基などがあげられる。
112の炭素数6〜30(好ましくは炭素数10〜20)のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基などがあげられる。
112の炭素数7〜30(好ましくは炭素数10〜20)のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などがあげられる。
−O−(R111−O)−R112で表される基の具体例としては、例えば、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1225、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1429、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327などがあげられる。中でも、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327が好ましい。
104の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜5)のアルキレン基としては、例えば、R111の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基と同様の基をあげることができる。
式(I)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランや、下記式で表される化合物(エボニックデグッサ社製のSi363)などがあげられ、下記式で表される化合物を好適に使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2014118513
次に、式(II)で示される結合単位Aと式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤について説明する。
式(II)で示される結合単位Aと式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤は、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのポリスルフィドシランに比べ、加工中の粘度上昇が抑制される。これは結合単位Aのスルフィド部分がC−S−C結合であるため、テトラスルフィドやジスルフィドに比べ熱的に安定であることから、ムーニー粘度の上昇が少ないためと考えられる。
また、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシランに比べ、スコーチ時間の短縮が抑制される。これは、結合単位Bはメルカプトシランの構造を持っているが、結合単位Bの−C15部分が結合単位Aの−SH基を覆うため、ポリマーと反応しにくく、スコーチが発生しにくいためと考えられる。
上述した加工中の粘度上昇を抑制する効果や、スコーチ時間の短縮を抑制する効果を高めることができるという点から、上記構造のシランカップリング剤において、結合単位Aの含有量は、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、好ましくは99モル%以下、より好ましくは90モル%以下である。また、結合単位Bの含有量は、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは10モル%以上であり、好ましくは70モル%以下、より好ましくは65モル%以下、更に好ましくは55モル%以下である。また、結合単位A及びBの合計含有量は、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上、特に好ましくは100モル%である。
なお、結合単位A、Bの含有量は、結合単位A、Bがシランカップリング剤の末端に位置する場合も含む量である。結合単位A、Bがシランカップリング剤の末端に位置する場合の形態は特に限定されず、結合単位A、Bを示す式(II)、(III)と対応するユニットを形成していればよい。
201のハロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素などがあげられる。
201の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などがあげられる。該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜12である。
201の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基などがあげられる。該アルケニル基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
201の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、へプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基などがあげられる。該アルキニル基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
202の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基などがあげられる。該アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜12である。
202の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基としては、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、1−オクテニレン基などがあげられる。該アルケニレン基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
202の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基としては、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基などがあげられる。該アルキニレン基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
式(II)で示される結合単位Aと式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤において、結合単位Aの繰り返し数(x)と結合単位Bの繰り返し数(y)の合計の繰り返し数(x+y)は、3〜300の範囲が好ましい。この範囲内であると、結合単位Aのメルカプトシランを、結合単位Bの−C15が覆うため、スコーチタイムが短くなることを抑制できるとともに、シリカやゴム成分との良好な反応性を確保することができる。
式(II)で示される結合単位Aと式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤としては、例えば、Momentive社製のNXT−Z30、NXT−Z45、NXT−Z60などを使用することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。1質量部未満では、シリカを充分に分散させることが困難になるおそれがある。また、シランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。20質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができる。そのため、上記ゴム成分と、シリカと、シランカップリング剤と共にカーボンブラックを配合することにより、本発明の効果がより好適に得られる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は20m/g以上が好ましく、35m/g以上がより好ましく、70m/gが更に好ましく、90m/g以上が特に好ましい。20m/g未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は200m/g以下が好ましく、160m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。200m/gを超えると、カーボンブラックを良好に分散させるのが難しくなり、低燃費性、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、50ml/100g以上が好ましく、100ml/100g以上がより好ましい。50ml/100g未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのDBPは、200ml/100g以下が好ましく、135ml/100g以下がより好ましい。200ml/100gを超えると、低燃費性、加工性が低下するおそれがある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
上記ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上である。5質量部未満では、補強性を充分に改善できないおそれがある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。50質量部を超えると、カーボンブラックを良好に分散させるのが難しくなり、低燃費性、加工性が悪化する傾向がある。
上記ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、シリカとカーボンブラックの合計100質量%中のシリカの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。また、該シリカの含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。シリカの含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレー等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル等の軟化剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
加硫剤(架橋剤)としては、ゴム分野の加硫で汎用される硫黄の他、サルファードナー(硫黄を除く)等を使用できる。なかでも、硫黄が好ましく、硫黄と共に上記サルファードナーを配合することが好ましい。これにより、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能(特に、耐摩耗性)をより好適に向上できる。
硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等が挙げられる。
上記サルファードナーとしては、架橋作用を有する硫黄含有化合物が挙げられ、例えば、下記式(A)で示されるジチオリン酸化合物(ジチオリン酸ポリスルフィド)、チウラム系加硫促進剤などが挙げられる。また、仕上げ練り工程で配合(添加)されるシランカップリング剤も本発明のサルファードナーに該当し、ベース練り工程で配合されたシランカップリング剤はシリカと優先して反応するため、サルファードナーに該当しない。上記サルファードナーとしては、下記式(A)で示されるジチオリン酸化合物、シランカップリング剤(すなわち、仕上げ練り工程で配合(添加)されるシランカップリング剤)が好ましい。
Figure 2014118513
(式中、nは1以上の整数である。R11〜R14は、同一若しくは異なって、炭素数1〜18の分岐若しくは非分岐のアルキル基、又は炭素数5〜12のシクロアルキル基を表す。)
上記式(A)において、R11〜R14は、同一若しくは異なって、炭素数1〜18の分岐若しくは非分岐のアルキル基、又は炭素数5〜12のシクロアルキル基を表す。R11〜R14が表す分岐若しくは非分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、オクタデシル基等が挙げられ、一方、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。なかでも、ゴム組成物中で分散し易く、かつ製造が容易であるという点から、R11〜R14は、炭素数2〜14(好ましくは炭素数5〜11)の分岐若しくは非分岐のアルキル基であることが好ましく、2−エチルヘキシル基、n−ブチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−オクチル基であることがより好ましい。
上記式(A)において、nは1以上の整数である。充分な硫黄をゴム組成物中に供給でき、かつ熱安定性に優れているという点から、nは2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。また、nの上限は特に限定されないが、好ましくは10以下程度である。
上記式(A)で示されるジチオリン酸化合物としては、例えば、RheinChemie社製のSDT−50、SDT/Sや、これらに類似する化合物(例えば、R11〜R14がn−ブチル基のもの)等を使用することができる。
チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが挙げられる。
シランカップリング剤としては、上述のシランカップリング剤と同様のシランカップリング剤が挙げられる。なかでも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤が好ましい。
上記ゴム組成物がサルファードナーを含有する場合、サルファードナーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3〜15質量部、より好ましくは1〜10質量部、更に好ましくは2〜8質量部である。サルファードナーの含有量が上記範囲内であると、本発明の効果(特に、耐摩耗性の向上効果)がより好適に得られる。
なお、サルファードナーが他の成分との混合物の場合、サルファードナーの含有量は、サルファードナー中の有効成分の含有量を意味する。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又は、キサンテート系加硫促進剤が挙げられる。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。なお、本発明では、チウラム系加硫促進剤は、他の加硫促進剤と異なり、構造上加硫時に硫黄を放出するという理由から、上述のサルファードナーとして扱う。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)等が挙げられる。なかでも、TBBSが好ましく、TBBSとN,N’−ジフェニルグアニジンを併用してもよい。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。本発明のゴム組成物は、ゴム成分と、シリカと、シランカップリング剤とを130〜170℃で混練するベース練り工程と、ベース練り工程により得られた混練物と、加硫剤と、加硫促進剤とを80〜120℃で混練する仕上げ練り工程とを含む製法により得られることが好ましい。なお、上述のように、シランカップリング剤は、ベース練り工程において配合(添加)される場合は、通常のシランカップリング剤として機能し、仕上げ練り工程において配合(添加)される場合は、サルファードナーとして機能する。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(特に、トレッド)に好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、トレッド)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
また、本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ(重荷重用タイヤ)等として好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例1で使用した各種薬品について、まとめて説明する。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
シクロヘキサン:和光純薬工業(株)製
ピロリジン:和光純薬工業(株)製
ジビニルベンゼン:東京化成工業(株)製
n−ブチルリチウム:関東化学(株)製の1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液
イソプロパノール:和光純薬工業(株)製
1,3−ブタジエン:東京化成工業(株)製
テトラメチルエチレンジアミン:関東化学(株)製
変性剤:アヅマックス社製の3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン(上記式(1)で表される化合物)
2,6−tert−ブチル−p−クレゾール:大内新興化学工業(株)製のノクラック200
メタノール:関東化学(株)製
(製造例1:主鎖末端変性ブタジエンゴムの調製)
充分に窒素置換した100ml容器に、シクロヘキサン50ml、ピロリジン4.1ml(3.6g)、ジビニルベンゼン6.5gを加え、0℃にてn−ブチルリチウム0.7mlを加えて攪拌した。1時間後、イソプロパノールを加えて反応を停止させ、抽出、精製を行うことでモノマー(4−(2−ピロリジノエチル)スチレン)を得た。
次に、充分に窒素置換した1000ml耐圧製容器に、シクロヘキサン600ml、1,3−ブタジエン71.0ml(41.0g)、上記モノマー0.29g、テトラメチルエチレンジアミン0.11mlを加え、40℃でn−ブチルリチウム溶液0.2mlを加えて攪拌した。3時間後、変性剤を0.5ml(0.49g)加えて攪拌した。1時間後、イソプロパノール3mlを加えて重合を停止させた。反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、メタノールで再沈殿処理を行い、加熱乾燥させて変性共重合体(主鎖末端変性ブタジエンゴム)を得た。
製造例1により得られた主鎖末端変性ブタジエンゴムについて、以下の方法により分析を行った。
(重量平均分子量(Mw))
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
(変性共重合体中の窒素含有化合物誘導体モノマー量、ビニル含有量の測定)
変性共重合体中の窒素含有化合物誘導体モノマー量、ビニル含有量は、日本電子(株)製JNM−ECAシリーズの装置を用いて測定した。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B(非変性BR、シス含有量:97質量%)
変性BR:上記製造例1で調製した主鎖末端変性ブタジエンゴム(窒素含有化合物に由来する構成単位を主鎖中に有し、上記式(1)で表される化合物により末端変性されたブタジエンゴム、ビニル含有量:18質量%、Mw:550000、窒素含有化合物誘導体モノマー量:2質量%)
S−SBR A:STYRON社製のSLR6430(S−SBR、スチレン含有量:40質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
S−SBR B:日本ゼオン(株)製のNipol NS522(S−SBR、スチレン含有量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
S−SBR C:日本ゼオン(株)製のNipol NS116(S−SBR、スチレン含有量:21質量%)
E−SBR:JSR(株)製のSBR1502(E−SBR、スチレン含有量:23.5質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:111m/g、DBP:115ml/100g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤A:エボニックデグッサ社製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
シランカップリング剤B:エボニックデグッサ社製のSi363(下記式で表されるシランカップリング剤)
Figure 2014118513
シランカップリング剤C:Momentive社製のNXT−Z45(結合単位Aと結合単位Bとの共重合体(結合単位A:55モル%、結合単位B:45モル%))
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
サルファードナーA:エボニックデグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
サルファードナーB:RheinChemie社製のSDT−50(上記式(A)で示されるジチオリン酸化合物、R11〜R14:2−エチルヘキシル基、n:1以上、有効成分の含有量:50質量%)
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラ−NS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
実施例及び比較例
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄、サルファードナー及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で混練りし、混練り物を得た(ベース練り工程)。次に、得られた混練り物に硫黄、サルファードナー及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、100℃の条件下で練り込み、未加硫ゴム組成物を得た(仕上げ練り工程)。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で15分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(低燃費性)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で各配合(各加硫ゴム組成物)の損失正接(tanδ)を測定し、比較例1の損失正接tanδを100として、下記計算式により指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど、低燃費性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)/(各例のtanδ)×100
(耐摩耗性)
得られた加硫ゴム組成物について、ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃、表面回転速度50m/min、負荷荷重3.0kg、落砂量15g/min、スリップ率20%及び試験時間2分間の条件下でランボーン摩耗量を測定した。更に、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、比較例2のランボーン摩耗指数を100とし、下記計算式により、各配合(加硫物)の容積損失量を指数表示した。なお、ランボーン摩耗指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(ランボーン摩耗指数)=(比較例2の容積損失量)/(各例の容積損失量)×100
Figure 2014118513
表1の結果より、変性BRを10質量部、非変性BRを20質量部、シランカップリング剤としてNXT−Z、サルファードナーとしてSDTを含有し、各々スチレン量等の異なる4種類のSBRを含有した実施例1〜4は、変性BR、非変性BRを各々単独で用いた比較例1,2と比較するとバランス良く低燃費性、耐摩耗性を向上できた。
シランカップリング剤をSi363、Si75に変更した実施例5,6に関しても比較例1,2と比較するとバランス良く低燃費性、耐摩耗性を向上できた。
サルファードナーをSi69に変更した実施例7、サルファードナーを配合しない実施例8に関しても、比較例1,2と比較するとバランス良く低燃費性、耐摩耗性を向上できた。
変性BRの配合量を15質量部、20質量部に変更した実施例9、10に関しても、比較例1,2と比較するとバランス良く低燃費性、耐摩耗性を向上できた。
変性BRの配合量を5質量部とし、シランカップリング剤としてNXT−Z、サルファードナーとしてSDTを含有した比較例3、変性BRの含有量を5質量部とし、シランカップリング剤としてNXT−Z、サルファードナーを含有しない比較例4は共に比較例1,2と比較して性能が劣っていた。

Claims (12)

  1. シリカと相互作用を持つ官能基を有する変性ブタジエンゴムと、非変性ブタジエンゴムと、スチレンブタジエンゴムと、シリカと、シランカップリング剤とを含み、ブタジエンゴム成分100質量%中の変性ブタジエンゴムの含有量が25〜80質量%であるタイヤ用ゴム組成物。
  2. スチレン含有量が35質量%以上のスチレンブタジエンゴムの含有量がゴム成分100質量%中30質量%以上である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. ゴム成分100質量%中のブタジエンゴム成分の含有量が5〜50質量%である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記変性ブタジエンゴムが、アルコキシシリル基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アルコキシ基、ピロリジニル基、及びポリシロキサン構造からなる群より選択される少なくとも1種の基若しくは構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記変性ブタジエンゴムが、下記式(1)で表される化合物により末端変性されたブタジエンゴムである請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2014118513
    (式(1)中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、分岐若しくは非分岐のアルキル基、分岐若しくは非分岐のアルコキシ基、分岐若しくは非分岐のシリルオキシ基、分岐若しくは非分岐のアセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、分岐若しくは非分岐のアルキル基、又は環状エーテル基を表す。pは整数を表す。)
  6. 前記式(1)で表される化合物により末端変性されたブタジエンゴムが、窒素含有化合物に由来する構成単位を主鎖中に有する請求項5記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記シランカップリング剤が、メルカプト基を有するシランカップリング剤である請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記シランカップリング剤が、下記式(I)で表されるシランカップリング剤、及び/又は下記式(II)で示される結合単位Aと下記式(III)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤である請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2014118513
    (式中、R101〜R103は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルコキシ基、又は−O−(R111−O)−R112(b個のR111は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す。b個のR111はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R112は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基、又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。bは1〜30の整数を表す。)で表される基を表す。R101〜R103はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R104は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
    Figure 2014118513
    Figure 2014118513
    (式中、R201は水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基、又は該アルキル基の末端の水素が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを表す。R202は分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基を表す。R201とR202とで環構造を形成してもよい。)
  9. 架橋剤として、サルファードナーを含む請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  10. 前記シリカのチッ素吸着比表面積が30〜500m/gであり、ゴム成分100質量部に対して、前記シリカを30〜150質量部含む請求項1〜9のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  11. トレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜10のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
JP2012275872A 2012-12-18 2012-12-18 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Active JP6053495B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012275872A JP6053495B2 (ja) 2012-12-18 2012-12-18 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012275872A JP6053495B2 (ja) 2012-12-18 2012-12-18 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014118513A true JP2014118513A (ja) 2014-06-30
JP6053495B2 JP6053495B2 (ja) 2016-12-27

Family

ID=51173641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012275872A Active JP6053495B2 (ja) 2012-12-18 2012-12-18 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6053495B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016002433A1 (ja) * 2014-07-01 2016-01-07 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ
JP2016113473A (ja) * 2014-12-11 2016-06-23 横浜ゴム株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2017203080A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 横浜ゴム株式会社 ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
EP3263360A1 (en) * 2016-06-28 2018-01-03 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition and tire
JP2018076469A (ja) * 2016-11-11 2018-05-17 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物、ゴム組成物の製造方法およびタイヤ
JP2019085445A (ja) * 2017-11-01 2019-06-06 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物
JP2019173031A (ja) * 2019-07-03 2019-10-10 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
JP2020023640A (ja) * 2018-08-08 2020-02-13 住友ゴム工業株式会社 トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2020039778A1 (ja) * 2018-08-22 2020-02-27 住友ゴム工業株式会社 トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2020059769A (ja) * 2018-10-05 2020-04-16 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2021073134A (ja) * 2021-02-03 2021-05-13 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011122024A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Sumitomo Rubber Ind Ltd トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2011132307A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011122024A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Sumitomo Rubber Ind Ltd トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2011132307A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016002433A1 (ja) * 2014-07-01 2016-01-07 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ
JP2016014093A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ
JP2016113473A (ja) * 2014-12-11 2016-06-23 横浜ゴム株式会社 タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2017203080A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 横浜ゴム株式会社 ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
EP3263360A1 (en) * 2016-06-28 2018-01-03 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition and tire
CN107540900A (zh) * 2016-06-28 2018-01-05 住友橡胶工业株式会社 橡胶组合物和轮胎
JP2018076469A (ja) * 2016-11-11 2018-05-17 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物、ゴム組成物の製造方法およびタイヤ
JP2019085445A (ja) * 2017-11-01 2019-06-06 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物
CN110818969B (zh) * 2018-08-08 2023-06-06 住友橡胶工业株式会社 胎面用橡胶组合物以及充气轮胎
JP2020023640A (ja) * 2018-08-08 2020-02-13 住友ゴム工業株式会社 トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
CN110818969A (zh) * 2018-08-08 2020-02-21 住友橡胶工业株式会社 胎面用橡胶组合物以及充气轮胎
JP7251071B2 (ja) 2018-08-08 2023-04-04 住友ゴム工業株式会社 トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2020029146A (ja) * 2018-08-22 2020-02-27 住友ゴム工業株式会社 トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
CN112074422A (zh) * 2018-08-22 2020-12-11 住友橡胶工业株式会社 胎面胶组合物和充气轮胎
WO2020039778A1 (ja) * 2018-08-22 2020-02-27 住友ゴム工業株式会社 トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2020059769A (ja) * 2018-10-05 2020-04-16 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7371323B2 (ja) 2018-10-05 2023-10-31 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2019173031A (ja) * 2019-07-03 2019-10-10 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
JP2021073134A (ja) * 2021-02-03 2021-05-13 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6053495B2 (ja) 2016-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6053495B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5097803B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5539792B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6075943B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2012122015A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2012158679A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5992774B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2012133478A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2019182906A (ja) タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP2014012750A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5426349B2 (ja) インナーライナー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5719743B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2019182910A (ja) タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP2019182907A (ja) タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JPWO2013046850A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013227452A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5827541B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013104050A (ja) タイヤ用ゴム組成物、その製造方法及び空気入りタイヤ
JP5840971B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5992771B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5992773B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5507990B2 (ja) ブレーカートッピング用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2019193888A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP5992770B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2013047718A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160701

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161104

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20161111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6053495

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250