JP5539792B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来より、タイヤの転がり抵抗を低減することにより(転がり抵抗性能の向上)、車の低燃費化が行われてきた。近年、車の低燃費化への要求はますます強くなってきており、タイヤ部材の中でもタイヤにおける占有比率の高いトレッドを製造するためのゴム組成物に対して、優れた低発熱性が要求されている。
ゴム組成物において低発熱性を満足させる方法として、補強用充填剤の含有量を減量する方法が知られている。しかし、この場合、ゴム組成物の硬度が低下するためタイヤが軟化し、車のハンドリング性能(操縦安定性)やウェットグリップ性能が低下したり耐摩耗性が低下したりするという問題があった。
特許文献1には、メルカプト基を有するシランカップリング剤を配合することにより、加工性、作業性、低燃費性を向上できることが開示されている。しかし、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性のバランスについては改善の余地がある。
特開2009−126907号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性をバランスよく向上できるタイヤ用ゴム組成物、及び該タイヤ用ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表される化合物により変性されたジエン系重合体を含むゴム成分と、シリカと、下記式(2)で表されるシランカップリング剤及び/又は下記式(3)で示される結合単位Aと下記式(4)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤と、下記式(5)で表される加硫促進剤とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
Figure 0005539792
(式(1)中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、分岐若しくは非分岐のアルキル基、分岐若しくは非分岐のアルコキシ基、分岐若しくは非分岐のシリルオキシ基、分岐若しくは非分岐のアセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は分岐若しくは非分岐のアルキル基を表す。nは整数を表す。)
Figure 0005539792
(式(2)中、Rは−O−(R10−O)−R11(m個のR10は、同一又は異なって、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す。R11は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。mは1〜30の整数を表す。)で表される基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、Rと同一の基、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基又は−O−R12(R12は水素原子、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。)で表される基を表す。Rは、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基を表す。)
Figure 0005539792
Figure 0005539792
(式(3)、(4)中、xは0以上の整数である。yは1以上の整数である。R13は水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基若しくはアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基若しくはアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基若しくはアルキニレン基、又は該アルキル基若しくは該アルケニル基の末端が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。R14は水素、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基若しくはアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基若しくはアルケニル基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基若しくはアルキニル基を示す。R13とR14とで環構造を形成してもよい。)
Figure 0005539792
(式(5)中、zは1〜8の整数を表す。)
上記タイヤ用ゴム組成物は、下記式(6)で表される化合物を含むことが好ましい。
15−S−S−A−S−S−R16 (6)
(式(6)において、Aは分岐若しくは非分岐の炭素数2〜10のアルキレン基、R15及びR16は、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中の上記式(1)で表される化合物により変性されたジエン系重合体の含有量が5質量%以上であることが好ましい。
上記式(1)で表される化合物により変性されたジエン系重合体が、上記式(1)で表される化合物により変性されたスチレンブタジエンゴム及び/又はブタジエンゴムであることが好ましい。
上記シリカのチッ素吸着比表面積が40〜250m/gであることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、硫黄を0.1〜7質量部含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、上記式(1)で表される化合物により変性されたジエン系重合体を含むゴム成分と、シリカと、上記式(2)で表されるシランカップリング剤及び/又は上記式(3)で示される結合単位Aと上記式(4)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤と、上記式(5)で表される加硫促進剤とを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性をバランスよく向上でき、該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に使用することにより、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性のバランスに優れた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記式(1)で表される化合物により変性されたジエン系重合体を含むゴム成分と、シリカと、上記式(2)で表されるシランカップリング剤及び/又は上記式(3)で示される結合単位Aと上記式(4)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤と、上記式(5)で表される加硫促進剤とを含む。
本発明では、ゴム成分として、下記式(1)で表される化合物により末端が変性されたジエン系重合体(変性ジエン系重合体(変性ジエン系ゴム))を含む。変性ジエン系重合体を含むことにより、ポリマー末端のゴム中での動きを抑制し、低発熱性を得ることができる。
Figure 0005539792
上記式(1)で表される化合物により変性されるジエン系重合体としては、特に限定されず、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系合成ゴムが挙げられる。なかでも、グリップ性能と転がり抵抗特性(低燃費性)のバランスに優れているという理由から、BR、SBRが好ましい。変性ジエン系重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(1)のR、R及びRは、同一若しくは異なって、分岐若しくは非分岐のアルキル基、分岐若しくは非分岐のアルコキシ基、分岐若しくは非分岐のシリルオキシ基、分岐若しくは非分岐のアセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。上記分岐若しくは非分岐のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。上記分岐若しくは非分岐のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)等が挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等の炭素数5〜8のシクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の炭素数6〜8のアリールオキシ基等)も含まれる。
上記分岐若しくは非分岐のシリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基等)等が挙げられる。
上記分岐若しくは非分岐のアセタール基としては、例えば、−C(RR′)−OR″、−O−C(RR′)−OR″で表される基を挙げることができる。前者としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ネオペンチルオキシメチル基等が挙げられ、後者としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、i−プロポキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、t−ブトキシメトキシ基、n−ペンチルオキシメトキシ基、n−ヘキシルオキシメトキシ基、シクロペンチルオキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基等を挙げることができる。R、R及びRとしては、アルコキシ基が望ましい。これにより、優れた低発熱性(低燃費性)を得ることができる。
上記式(1)のR及びRの分岐若しくは非分岐のアルキル基としては、例えば、上記分岐若しくは非分岐のアルキル基と同様の基を挙げることができる。R及びRとしては、分岐若しくは非分岐のアルキル基が望ましい。これにより、優れた低発熱性(低燃費性)を得ることができる。
上記式(1)のn(整数)としては、1〜5が好ましい。これにより、優れた低発熱性(低燃費性)を得ることができる。更には、nは2〜4がより好ましく、3が最も好ましい。nが0であるとケイ素原子と窒素原子との結合が困難であり、nが6以上であると変性剤としての効果が薄れる。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルブトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジブトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジメチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジエトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジエチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
変性ブタジエンゴム(上記式(1)で表される化合物により変性されるジエン系重合体がBRの場合、以下変性BRともいう)のビニル含量は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。ビニル含量が35質量%を超えると、低発熱性が損なわれる傾向にある。ビニル含量の下限は特に限定されない。
なお、本明細書において、ビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
変性スチレンブタジエンゴム(上記式(1)で表される化合物により変性されるジエン系重合体がSBRの場合、以下変性SBRともいう)のビニル含量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。ビニル含量が90質量%を超えると、強度が悪化するおそれがある。該ビニル含量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上である。ビニル含量が20質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。
変性SBRのスチレン含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。スチレン含量が50質量%を超えると、加工性が悪化するおそれがある。該スチレン含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。スチレン含量が5質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。
なお、スチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
上記式(1)で表される化合物(変性剤)によるジエン系重合体の変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報等に記載されている方法等、従来公知の手法を用いることができる。例えば、ジエン系重合体と変性剤とを接触させればよく、ジエン系重合体を重合し、該重合体ゴム溶液中に変性剤を所定量添加する方法、ジエン系重合体溶液中に変性剤を添加して反応させる方法等が挙げられる。
ゴム成分100質量%中の変性ジエン系重合体の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは50質量%以上、最も好ましくは60質量%以上、より最も好ましくは70質量%以上である。5質量%未満であると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。該変性ジエン系重合体の含有量は、100質量%であってもよいが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、加工性が悪化するおそれがある。
ゴム成分100質量%中の変性SBRの含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上、最も好ましくは70質量%以上である。40質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。該変性SBRの含有量は、100質量%であってもよいが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、加工性が悪化するおそれがある。
変性ジエン系重合体以外に本発明で使用できるゴム成分としては、特に限定されず、上記ジエン系合成ゴム、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ジエン系ゴムは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、低燃費性、グリップ性能(ウェットグリップ性能)及び耐摩耗性がバランスよく得られるという理由から、NR、BR、SBRが好ましい。
NRとしては、特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、加工性が悪化するおそれがある。該NRの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。50質量%を超えると、グリップ性能と転がり抵抗特性(低燃費性)のバランスが悪化するおそれがある。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、耐摩耗性が良好であるという理由から、BRのシス含量は90質量%以上が好ましい。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。該BRの含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。40質量%を超えると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。
本発明では、シリカが使用される。変性ジエン系重合体とともに、シリカを配合することにより、良好な低発熱性(低燃費性)及び高いゴム強度(破壊特性)が得られる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましく、150m/g以上が特に好ましい。40m/g未満では、加硫後の破壊強度が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、250m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましい。250m/gを超えると、低発熱性、ゴムの加工性が低下する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。10質量部未満であると、シリカ配合による充分な効果が得られない傾向がある。上記シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、シリカのゴムへの分散が困難になり、ゴムの加工性が悪化する傾向がある。
本発明では、下記式(2)で表されるシランカップリング剤及び/又は下記式(3)で示される結合単位Aと下記式(4)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤(結合単位Bは必須単位で、結合単位Aは任意単位)が使用される。
下記式(2)で表されるシランカップリング剤を配合することにより、グリップ性能と転がり抵抗特性(低燃費性)のバランスが向上する。
Figure 0005539792
上記式(2)のRは−O−(R10−O)−R11(m個のR10は、同一又は異なって、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す。R11は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。mは1〜30の整数を表す。)で表される基を表す。
上記R10は、同一又は異なって、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜3)の2価の炭化水素基を表す。
該炭化水素基としては、例えば、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基、炭素数6〜30のアリーレン基等が挙げられる。なかでも、上記アルキレン基が好ましい。
10の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基等が挙げられる。
10の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、1−オクテニレン基等が挙げられる。
10の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基としては、例えば、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基等が挙げられる。
10の炭素数6〜30のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
上記mは1〜30の整数を表す。
11は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。なかでも、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。
11の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
11の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、オクタデセニル基等が挙げられる。
11の炭素数6〜30のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。
11の炭素数7〜30のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
上記式(2)のRの具体例としては、例えば、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1225、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1429、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327等が挙げられる。なかでも、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327が好ましい。
及びRは、同一若しくは異なって、Rと同一の基(すなわち、−O−(R10−O)−R11で表される基)、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基又は−O−R12(R12は水素原子、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。)で表される基を表す。なかでも、Rと同一の基、−O−R12(R12が分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基の場合)で表される基が好ましい。
及びRの分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられる。
12の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜3)のアルキル基としては、例えば、上記R11の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基と同様の基を挙げることができる。
12の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5)のアルケニル基としては、例えば、上記R11の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基と同様の基を挙げることができる。
12の炭素数6〜30(好ましくは炭素数6〜12)のアリール基としては、例えば、上記R11の炭素数6〜30のアリール基と同様の基を挙げることができる。
12の炭素数7〜30(好ましくは炭素数7〜13)のアラルキル基としては、例えば、上記R11の炭素数7〜30のアラルキル基と同様の基を挙げることができる。
上記式(2)のR及びRの具体例としては、例えば、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1225、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1429、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1327、C−O−、CH−O−、C−O−等が挙げられる。なかでも、−O−(C−O)−C1123、−O−(C−O)−C1327、−O−(C−O)−C1531、−O−(C−O)−C1327、C−O−が好ましい。
の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5)のアルキレン基としては、例えば、上記R10の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基と同様の基を挙げることができる。
上記式(2)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、エボニックデグッサ社製のSi363等を使用することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
下記式(4)で示される結合単位Bと、必要に応じて下記式(3)で示される結合単位Aからなるシランカップリング剤を配合することにより、グリップ性能と転がり抵抗特性(低燃費性)のバランスが向上する。
上記結合単位Aと結合単位Bからなるシランカップリング剤は、結合単位Aと結合単位Bとの合計量に対して、結合単位Bを1〜70モル%の割合で共重合したものが好ましい。
結合単位Aと結合単位Bのモル比が上記条件を満たす場合、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのポリスルフィドシランに比べ、加工中の粘度上昇が抑制される。これは結合単位Aのスルフィド部分がC−S−C結合であるため、テトラスルフィドやジスルフィドに比べ熱的に安定であることから、ムーニー粘度の上昇が少ないためと考えられる。
また、結合単位Aと結合単位Bのモル比が上記条件を満たす場合、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシランに比べ、スコーチ時間の短縮が抑制される。これは結合単位Bはメルカプトシランの構造を持っているが、結合単位Aの−C15部分が結合単位Bの−SH基を覆うためポリマーと反応しにくく、スコーチが発生しにくいためと考えられる。
Figure 0005539792
Figure 0005539792
(式(3)、(4)中、xは0以上の整数である。yは1以上の整数である。R13は水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基若しくはアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基若しくはアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基若しくはアルキニレン基、又は該アルキル基若しくは該アルケニル基の末端が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。R14は水素、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基若しくはアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基若しくはアルケニル基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基若しくはアルキニル基を示す。R13とR14とで環構造を形成してもよい。)
13のハロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素などが挙げられる。
13、R14の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜12)のアルキル基としては、例えば、上記R11の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基と同様の基を挙げることができる。
13、R14の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜5)のアルキレン基としては、例えば、上記R10の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基と同様の基を挙げることができる。
13、R14の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜12)のアルケニル基としては、例えば、上記R11の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基と同様の基を挙げることができる。
13、R14の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜12)のアルケニレン基としては、例えば、上記R10の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基と同様の基を挙げることができる。
13、R14の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜12)のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、へプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基等が挙げられる。
13、R14の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜12)のアルキニレン基としては、例えば、上記R10の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基と同様の基を挙げることができる。
上記結合単位Aと結合単位Bからなるシランカップリング剤において、結合単位Aの繰り返し数(x)と結合単位Bの繰り返し数(y)の合計の繰り返し数(x+y)は、3〜300の範囲が好ましい。この範囲内、かつ、xが1以上であると、結合単位Bのメルカプトシランを、結合単位Aの−C15が覆うため、スコーチタイムが短くなることを抑制できるとともに、シリカやゴム成分との良好な反応性を確保することができる。
上記結合単位Aと結合単位Bからなるシランカップリング剤としては、例えば、Momentive社製のNXT−Z30、NXT−Z45、NXT−Z60、NXT−Z100等を使用することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(2)で表されるシランカップリング剤及び/又は上記式(3)で示される結合単位Aと上記式(4)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは8質量部以上である。1質量部未満であると、破壊強度が大きく低下する傾向がある。また、該含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは15質量部以下、より好ましくは12質量部以下である。15質量部を超えると、シランカップリング剤を配合することによる破壊強度(破壊特性)の向上や転がり抵抗低減などの効果が充分に得られない傾向がある。
上記含有量は、上記式(2)で表されるシランカップリング剤及び上記式(3)で示される結合単位Aと上記式(4)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤を併用する場合は、合計含有量を意味する。
本発明では、下記式(5)で表される加硫促進剤が使用される。これにより、メルカプト基を有するシランカップリング剤を使用した場合であっても、スコーチの発生を抑制でき、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性をバランスよく向上できる。
上記式(3)で示される結合単位Aと上記式(4)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤を使用した場合、xが0の場合であっても(すなわち結合単位Aが存在しなくても)、下記式(5)で表される加硫促進剤により、スコーチの発生を抑制できる。
一方、xが0でない(すなわち結合単位Aが存在する)場合には、下記式(5)で表される加硫促進剤と、結合単位Aとにより、相乗的にスコーチの発生を抑制できる。
Figure 0005539792
上記式(5)のzは1〜8(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3)の整数を表す。
上記式(5)で表される加硫促進剤としては、大内新興化学工業(株)製のノクセラーTBzTD(テトラベンジルチウラムジスルフィド)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記式(5)で表される加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上である。0.1質量部未満では、加硫速度が遅く、充分な加硫速度が得られないおそれがある。また、上記配合量は、好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下である。2.0質量部を超えると、スコーチしやすい傾向がある。
本発明では、上記式(5)で表される加硫促進剤と共に、他の加硫促進剤を併用してもよい。併用できる他の加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又は、キサンテート系加硫促進剤が挙げられる。なかでも、耐スコーチ性を保つことができるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)等が挙げられる。なかでも、汎用性が高いという理由から、TBBS、CBSが好ましい。
本発明では、下記式(6)で表される化合物(架橋剤)を配合することが好ましい。下記式(6)で表される化合物を配合することにより、結合エネルギーが高く、熱安定性が高いCC結合をゴム組成物に保有させることができる。そのため、良好なウェットグリップ性能を維持しながら、低燃費性、耐摩耗性(特に耐摩耗性)を改善することができる。特に、上記式(2)で表されるシランカップリング剤及び/又は上記式(3)で示される結合単位Aと上記式(4)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤と、下記式(6)で表される化合物を併用した場合に、耐摩耗性の向上効果が高い。
15−S−S−A−S−S−R16 (6)
(式(6)において、Aは分岐若しくは非分岐の炭素数2〜10のアルキレン基、R15及びR16は、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
Aのアルキレン基としては、非分岐のアルキレン基が好ましい。
アルキレン基の炭素数は2〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。アルキレン基の炭素数が1では、熱的な安定性が悪く、アルキレン基を有することによる効果が得られない傾向があり、アルキレン基の炭素数が11以上では、−S−S−A−S−S−で表される架橋鎖の形成が困難になる傾向がある。
上記条件を満たすアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などがあげられる。なかでも、ポリマー間に−S−S−A−S−S−で表される架橋がスムーズに形成され、熱的にも安定であるという理由から、ヘキサメチレン基が好ましい。
15及びR16としては、チッ素原子を含む1価の有機基であれば特に限定されず、芳香環を少なくとも1つ含むものが好ましく、炭素原子がジチオ基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むものがより好ましい。
15及びR16は、それぞれ同一でも、異なっていてもよいが、製造の容易さなどの理由から、同一であることが好ましい。
上記条件を満たす化合物としては、例えば、1,2−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン、1,3−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン、1,4−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン、1,5−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、1,7−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン、1,8−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン、1,9−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン、1,10−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカンなどがあげられる。なかでも、熱的に安定であり、分極性に優れるという理由から、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好ましい。
式(6)で表される化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。0.5質量部未満であると、良好なウェットグリップ性能を維持しながら、低燃費性、耐摩耗性(特に耐摩耗性)を充分に改善できないおそれがある。式(6)で表される化合物の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。20質量部を超えると、ゴムが硬くなり、グリップ性能が悪化する傾向がある。
本発明では、カーボンブラックを配合してもよい。これにより、ゴムの強度を向上することができる。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。なお、カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は30m/g以上が好ましく、70m/g以上がより好ましい。30m/g未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は250m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましい。250m/gを超えると、未加硫時の粘度が非常に高くなり、加工性が悪化する傾向、または、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
本発明のゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上である。5質量部未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。60質量部を超えると、発熱が大きくなり、低燃費性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレー等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル等の軟化剤、ワックス、硫黄などの加硫剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物が酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満では、加硫が不充分になる傾向がある。また、該酸化亜鉛の含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3.5質量部以下である。5質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
本発明では、上記式(5)で表される加硫促進剤を配合するため、酸化亜鉛の増量を行わずに(酸化亜鉛の含有量が上記範囲であっても)、メルカプト基を有するシランカップリング剤の使用に起因するスコーチの発生を抑制でき、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性をバランスよく向上できる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上である。0.1質量部未満であると、ゴムの補強性が不充分となるおそれがある。硫黄の含有量は、好ましくは7.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下、特に好ましくは1.5質量部以下、最も好ましくは0.7質量部以下である。7.0質量部を超えると、ゴムが硬くなり、グリップ性能が悪化する傾向がある。また、ゴムが脆くなる傾向となり、ゴム強度が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(特に、トレッド)に好適に使用できる。
トレッドは、多層構造であっても、単層構造であってもよい。
多層構造のトレッドは、シート状にしたものを、所定の形状に張り合わせる方法や、2本以上の押出し機に装入して押出し機のヘッド出口で2層以上に形成する方法により作製することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、トレッド)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
また、本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ、バス用タイヤ、トラック用タイヤ等として好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR(1):住友化学(株)製の変性スチレンブタジエンゴム(ビニル含量57質量%、スチレン含量25質量%、上記式(1)のR、R及びR=−OCH、R及びR=−CHCH、n=3)
SBR(2):日本ゼオン(株)製のNS116(ビニル含量57質量%、スチレン含量25質量%、非変性)
SBR(3):住友化学(株)製の変性スチレンブタジエンゴム(ビニル含量57質量%、スチレン含量25質量%、上記式(1)のR、R及びR=−OC、R及びR=−CHCH、n=3)
BR(1):日本ゼオン(株)製のNipol BR1220(シス含量97質量%、非変性)
BR(2):住友化学(株)製の変性ブタジエンゴム(ビニル含量15質量%、上記式(1)のR、R及びR=−OCH、R及びR=−CHCH、n=3)
BR(3):住友化学(株)製の変性ブタジエンゴム(ビニル含量15質量%、上記式(1)のR、R及びR=−OC、R及びR=−CHCH、n=3)
BR(4):宇部興産(株)製のBR150B(シス含量97質量%、非変性)
NR:RSS#3
シリカ(1):エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
シリカ(2):ローディア社製のZ115Gr(NSA:112m/g)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のシーストN220(NSA:114m/g)
シランカップリング剤(1):エボニックデグッサ社製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
シランカップリング剤(2):エボニックデグッサ社製のSi363(下記式で表されるシランカップリング剤(上記式(2)のR=−O−(C−O)−C1327、R=C−O−、R=−O−(C−O)−C1327、R=−C−))
Figure 0005539792
シランカップリング剤(3):Momentive社製のNXT−Z100(結合単位Bのみからなる重合体(上記式(3)、(4)において、結合単位A:0モル%(x=0)、結合単位B:100モル%、x+y:100))
シランカップリング剤(4):Momentive社製のNXT−Z45(結合単位Aと結合単位Bとの共重合体(結合単位A:55モル%、結合単位B:45モル%))
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸(1):日油(株)製のステアリン酸「椿」
ステアリン酸(2):日油(株)製のステアリン酸「桐」
老化防止剤(1):住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤(2):フレキシス社製のサントフレックス13
ワックス(1):大内新興化学工業(株)製のサンノックN
ワックス(2):大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
プロセスオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスPS32
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
ハイブリッド架橋剤:ランクセス社製Vulcuren VP KA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
加硫促進剤(3):大内新興化学工業(株)製のノクセラーTBzTD(テトラベンジルチウラムジスルフィド、上記式(5)のz=2)
加硫促進剤(4):大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
実施例1〜23及び比較例1〜8
表1,2に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形して、他のタイヤ部材とはりあわせ、150℃で35分間25kgfの条件下で加硫することにより、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を作製した。
得られた未加硫ゴム組成物、試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表1に示す。なお、表1については比較例1を、表2については比較例7を基準配合とした。
(スコーチタイム)
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K6300に記載されている振動式加硫試験機(キュラストメーター)を用い、測定温度170℃で加硫試験を行って、時間とトルクとをプロットした加硫速度曲線を得た。加硫速度曲線のトルクの最小値をML、最大値をMH、その差(MH−ML)をMEとしたとき、ML+0.1MEに到達する時間t10(分)を読み取り、比較例1又は比較例7の結果を100として指数表示した。指数が大きいほど、早期加硫を抑制でき、好ましいことを示す。
(低燃費性)
転がり抵抗試験機を用いて、得られた試験用タイヤを、リム15×6JJ、タイヤ内圧230kPa、荷重3.43kNおよび速度80km/hの条件下で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1又は比較例7の転がり抵抗指数を100とし、下記計算式により、各配合の転がり抵抗を指数表示した。なお、転がり抵抗指数が大きいほど、転がり抵抗が低減され、低燃費性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1又は比較例7の転がり抵抗)/(各配合の転がり抵抗)×100
(ウェットグリップ性能)
アンチロックブレーキシステム(ABS)評価試験により得られた制動性能をもとにして、ウェットグリップ性能を評価した。すなわち、1800cc級のABSが装備された乗用車に試験用タイヤを装着して、湿潤アスファルト路面(ウェット路面状態、スキッドナンバー約50)にて初速度100km/hからの制動距離を求めた。結果は比較例1又は比較例7の結果を100とし、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能が良好である。
ウェットグリップ指数=(比較例1又は比較例7の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
(耐摩耗性)
試験用タイヤを1800cc級のABSが装備された乗用車に装着し、市街地を30000km走行した後の溝深さの減少量を測定し、溝深さが1mm減少するときの走行距離を算出した。さらに、比較例1又は比較例7の耐摩耗性指数を100とし、下記計算式により、各配合の溝深さの減少量を指数表示した。なお、耐摩耗性指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(各配合で1mm溝深さが減るときの走行距離)÷(比較例1又は比較例7のタイヤの溝が1mm減るときの走行距離)×100
Figure 0005539792
上記式(1)で表される化合物により変性されたジエン系重合体を含むゴム成分と、シリカと、上記式(2)で表されるシランカップリング剤及び/又は上記式(3)で示される結合単位Aと上記式(4)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤と、上記式(5)で表される加硫促進剤とを含む実施例1〜13は、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性をバランスよく向上できた。
一方、上記シランカップリング剤及び上記加硫促進剤を配合しない比較例1は、実施例と比較して、低燃費性、ウェットグリップ性能が劣っていた。上記変性ジエン系重合体及び上記加硫促進剤を配合しない比較例2は、実施例と比較して、スコーチタイムが短く、低燃費性、ウェットグリップ性能が劣っていた。上記変性ジエン系重合体及び上記シランカップリング剤を配合しない比較例3は、実施例と比較して、低燃費性、ウェットグリップ性能が大幅に劣っていた。上記加硫促進剤を配合しない比較例4は、実施例と比較して、スコーチタイムが短かった。上記変性ジエン系重合体を配合しない比較例5は、実施例と比較して、低燃費性、ウェットグリップ性能が劣っていた。上記シランカップリング剤を配合しない比較例6は、実施例と比較して、低燃費性、ウェットグリップ性能が劣っていた。
Figure 0005539792
上記式(1)で表される化合物により変性されたジエン系重合体を含むゴム成分と、シリカと、上記式(2)で表されるシランカップリング剤と、上記式(5)で表される加硫促進剤とを含む実施例14〜23は、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性をバランスよく向上できた。また、上記式(6)で表される化合物を配合した実施例19〜23は、実施例14〜18に比べて、更に、低燃費性と耐摩耗性(特に耐摩耗性)が優れていた。
一方、上記シランカップリング剤及び上記加硫促進剤を配合しない比較例7は、実施例と比較して、低燃費性、ウェットグリップ性能が劣っていた。上記シランカップリング剤を配合しない比較例8は、実施例と比較して、低燃費性、ウェットグリップ性能が劣っていた。
比較例7,8、実施例14,19から、上記式(2)で表されるシランカップリング剤と、上記式(6)で表される化合物を併用することにより、上記式(6)で表される化合物のみを配合した場合に比べて、耐摩耗性を顕著に向上できることが明らかとなった。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される化合物により変性されたジエン系重合体を含むゴム成分と、
    シリカと、
    下記式(2)で表されるシランカップリング剤及び/又は下記式(4)で示される結合単位Bを有するシランカップリング剤と、
    下記式(5)で表される加硫促進剤とを含み、
    前記ゴム成分100質量%中の前記式(1)で表される化合物により変性されたジエン系重合体の含有量は、5質量%以上、
    前記式(2)で表されるシランカップリング剤及び/又は前記式(4)で示される結合単位Bを有するシランカップリング剤の含有量は、前記シリカ100質量部に対して、1〜15質量部、
    前記式(5)で表される加硫促進剤の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して、0.1〜2.0質量部であるタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0005539792
    (式(1)中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、分岐若しくは非分岐のアルキル基、分岐若しくは非分岐のアルコキシ基、分岐若しくは非分岐のシリルオキシ基、分岐若しくは非分岐のアセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は分岐若しくは非分岐のアルキル基を表す。nは整数を表す。)
    Figure 0005539792
    (式(2)中、Rは−O−(R10−O)−R11(m個のR10は、同一又は異なって、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30の2価の炭化水素基を表す。R11は、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。mは1〜30の整数を表す。)で表される基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、Rと同一の基、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜12のアルキル基又は−O−R12(R12は水素原子、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基を表す。)で表される基を表す。Rは、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基を表す。
    Figure 0005539792
    式(4)中、yは1以上の整数である。R13は水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基若しくはアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基若しくはアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基若しくはアルキニレン基、又は該アルキル基若しくは該アルケニル基の末端が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。R14は水素、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基若しくはアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基若しくはアルケニル基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基若しくはアルキニル基を示す。R13とR14とで環構造を形成してもよい。)
    Figure 0005539792
    (式(5)中、zは1〜8の整数を表す。)
  2. 前記式(4)で示される結合単位Bを有するシランカップリング剤は、更に下記式(3)で示される結合単位Aを有するものである請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0005539792
    (式(3)中、xは0以上の整数である。R 13 は水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基若しくはアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基若しくはアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基若しくはアルキニレン基、又は該アルキル基若しくは該アルケニル基の末端が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。R 14 は水素、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基若しくはアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基若しくはアルケニル基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基若しくはアルキニル基を示す。R 13 とR 14 とで環構造を形成してもよい。)
  3. 下記式(6)で表される化合物を含む請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
    15−S−S−A−S−S−R16 (6)
    (式(6)において、Aは分岐若しくは非分岐の炭素数2〜10のアルキレン基、R15及びR16は、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
  4. ゴム成分100質量%中の前記式(1)で表される化合物により変性されたジエン系重合体の含有量が5質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記式(1)で表される化合物により変性されたジエン系重合体が、前記式(1)で表される化合物により変性されたスチレンブタジエンゴム及び/又はブタジエンゴムである請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記シリカのチッ素吸着比表面積が40〜250m/gである請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. ゴム成分100質量部に対して、硫黄を0.1〜7質量部含む請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. ゴム成分100質量部に対して、シリカを10〜150質量部、カーボンブラックを5〜60質量部含む請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. トレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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