JP2013082778A - 変性共役ジエン系重合体組成物 - Google Patents

変性共役ジエン系重合体組成物 Download PDF

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Junichi Yoshida
淳一 吉田
Takaaki Matsuda
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Abstract

【課題】加硫物とした際の低発熱性とウェットスキッド抵抗性のバランスに優れ、かつ組成物の加工性にも優れている、変性共役ジエン系重合体組成物を提供すること。
【解決手段】重合活性末端を持つ共役ジエン系重合体の該重合活性末端に、下記式(1)で表される変性剤を反応させて得られる変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、
シリカと、メルカプト基又は保護されたメルカプト基を有するシランカップリング剤と、を含む変性共役ジエン系重合体組成物。

(式(1)中、R1〜R4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R5は炭素数3〜10のアルキレン基を表し、R6は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、mは1又は2の整数であり、nは2又は3の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、変性共役ジエン系重合体組成物に関する。
近年の自動車に対する低燃費化の要求の高まりに伴い、タイヤの転がり抵抗の低減が求められている。そのため、より低発熱性のゴム材料の開発が求められている。一方、安全性の観点からは湿潤路面でのブレーキ性能(ウェットスキッド抵抗性)に優れ、実用上十分な破壊強度を有するゴム材料が求められている。
このようなゴム材料に用いる補強性充填剤に関して、従来多く用いられてきたカーボンブラックに替えてシリカを用いた場合、低発熱性とウェットスキッド抵抗性のバランスに優れたゴム組成物が得られる。しかしながら、親水性表面を有するシリカは、疎水性の高いジエン系ゴムに配合して得られる組成物中では、粒子どうしが凝集し、分散性がよくない。そのため、ジエン系ゴムにシリカ表面と相互作用する官能基を導入することで、シリカ表面との親和性を高め、組成物中でのシリカの分散性を改良して、低発熱性をより優れたものにする試みが行われている。
例えば、特許文献1には、グリシジルアミノ基を有する変性剤を重合体末端に反応させて得られる変性ジエン系ゴムが開示されており、特許文献2には、グリシドキシアルコキシシランを重合体末端に反応させて得られる変性ジエン系ゴムが開示されている。さらに、特許文献3及び4には、アミノ基を含有するアルコキシシラン類を重合体末端に反応させて得られる変性ジエン系ゴム、及びこれらとシリカとの組成物について開示されている。
さらに、シリカとの組成物において低発熱性やウェットスキッド抵抗性などの性能を向上させるために、特許文献5では、イミノ基を含有するアルコキシシラン類で重合体末端に反応させて得られる変性ジエン系ゴムと、シリカを含むゴム組成物において、シランカップリング剤として、メルカプト基、あるいは保護されたメルカプト基を有するアルコキシシランを配合した組成物について開示されている。
国際公開第01/23467号パンフレット 特開平07−233217号公報 特開2001−158834号公報 特開2003−171418号公報 特開2008−231416号公報
しかしながら、シリカとの反応性が高い官能基を重合末端に導入した変性ゴムを、シリカと配合してゴム組成物とする場合、混練り工程中にシリカ粒子と変性ゴムの官能基との反応が進行して、ゴム組成物の粘度が上昇し、混練りが困難になったり、混練り後にシートにする際の肌荒れやシート切れが生じやすくなったりするなど、加工性が悪化する傾向がみられる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、加硫物とした際の低発熱性とウェットスキッド抵抗性のバランスに優れ、かつ組成物の加工性にも優れている、変性共役ジエン系重合体組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究検討した結果、重合活性末端を持つ共役ジエン系重合体の該重合活性末端に、特定構造の化合物を反応させて得られる変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、シリカと、メルカプト基又は保護されたメルカプト基を有するシランカップリング剤とを含む変性共役ジエン系重合体組成物が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
重合活性末端を持つ共役ジエン系重合体の該重合活性末端に、下記式(1)で表される変性剤を反応させて得られる変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、
シリカと、
メルカプト基又は保護されたメルカプト基を有するシランカップリング剤と、
を含む変性共役ジエン系重合体組成物。
(式(1)中、R1〜R4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R5は炭素数3〜10のアルキレン基を表し、R6は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、mは1又は2の整数であり、nは2又は3の整数である。)
〔2〕
前記ゴム成分100質量部中の、前記変性共役ジエン系重合体の含有量が5〜100質量部であり、
ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が、20〜120質量部であり、
前記シリカに対するシランカップリング剤の含有量が、2〜25質量%である〔1〕に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔3〕
前記シランカップリング剤が、下記式(2)〜(5)で表されるシランカップリング剤のいずれかである〔1〕又は〔2〕に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
(式(2)中、R7〜R9は各々独立して、炭素数1〜30の1価の炭化水素基、又は、−O−R11若しくは−O−(R12−O)p−R13(ただし、R11及びR13は各々独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、R12は炭素数1〜20の2価の炭化水素基であり、pは1〜30の整数であり、p個のR12は同一であっても異なっていてもよい。)で表される基であり、R7〜R9の少なくともひとつは−O−R11で表される基である。R10は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表す。)
(式(3)中、R7〜R10の定義は式(2)と同じであり、R14は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。)
(式(4)中、R10とR14の定義は式(3)と同じであり、R15は−O−R11(ただし、R11の定義は式(2)と同じである。)で表される基であり、R16は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。)
(式(5)中、R14の定義は式(3)と同じであり、Qは炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表し、xは0以上の整数、yは1以上の整数である。)
本発明によれば、加硫物とした際の低発熱性とウェットスキッド抵抗性のバランスに優れ、かつ組成物の加工性にも優れている、変性共役ジエン系重合体組成物が提供される。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、
重合活性末端を持つ共役ジエン系重合体の該重合活性末端に、下記式(1)で表される変性剤を反応させて得られる変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、
シリカと、
メルカプト基又は保護されたメルカプト基を有するシランカップリング剤と、
を含む。
(式(1)中、R1〜R4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R5は炭素数3〜10のアルキレン基を表し、R6は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、mは1又は2の整数であり、nは2又は3の整数である。)
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に用いられる、変性共役ジエン系重合体は、好適には、共役ジエン化合物、又は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を重合開始剤として用いて重合、又は、共重合することで共役ジエン系重合体を得て、その重合活性末端に上記式(1)で表される変性剤を反応させて得られる。以下、その原料について説明する。
共役ジエン化合物としては、特に限定されず、重合可能な単量体であればよく、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
芳香族ビニル化合物としては、特に限定されず、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であればよく、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態では、上記した共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物以外に、極性基を含有する化合物を共重合させることもできる。極性基を含有する化合物としては、極性基を含有する芳香族ビニル化合物などが挙げられる。極性基を含有する化合物としては、共役ジエン化合物及び/又は芳香族化合物と共重合可能な単量体であればよく、例えば、N,N−ジメチルビニルベンジルアミン、N,N−ジエチルビニルベンジルアミン、4−(2−ピロリジノエチル)スチレン、4−(2−ピペリジノエチル)スチレン、4−(2−ヘキサメチレンイミノエチル)スチレン、4−(2−モルホリノエチル)スチレン、4−(2−チアジノエチル)スチレン等が挙げられる。
重合開始剤として用いるアルカリ金属化合物は、特に限定されないが、有機リチウム化合物が好ましい。有機リチウム化合物としては、低分子の有機リチウム化合物、可溶化したオリゴマーの有機リチウム化合物、有機基とリチウムの結合様式において、炭素−リチウム結合を有する化合物、窒素−リチウム結合を有する化合物、錫−リチウム結合を有する化合物等が挙げられる。
炭素−リチウム結合を有する有機リチウム化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等が挙げられる。
窒素−リチウム結合を有する化合物としては、例えば、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジ−n−ヘキシルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムモルホリド等が挙げられる。
本実施形態では、上記のモノ有機リチウム化合物に加え、多官能有機リチウム化合物を併用して、重合を行うこともできる。多官能有機リチウム化合物としては、例えば、1,4−ジリチオブタン、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンの反応物、1,3,5−トリリチオベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエン及びジビニルベンゼンの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物の反応物等が挙げられる。さらに、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている公知の有機アルカリ金属化合物も使用することができる。
有機リチウム化合物としては、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが好ましい。
これらの有機リチウム化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
他のアルカリ金属化合物としては、例えば、有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物、有機ルビジウム化合物、有機セシウム化合物等が挙げられる。具体的には、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。その他にも、リチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等が挙げられる。また、他の有機金属化合物と併用してもよい。
重合開始剤として用いるアルカリ土類金属化合物は、特に限定されないが、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物等が挙げられる。また、アルカリ土類金属のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等の化合物等が挙げられる。これらの有機アルカリ土類金属化合物は、上記したアルカリ金属化合物や、その他有機金属化合物と併用してもよい。
共役ジエン系重合体は、上述したアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を重合開始剤とし、アニオン重合反応による成長反応によって得られる重合活性末端を有する重合体であることが好ましい。特に、共役ジエン系重合体は、リビングアニオン重合による成長反応によって得られる重合活性末端を有する重合体であることがより好ましい。これにより、高変性率の変性共役ジエン系重合体重合体を得ることができる。
重合様式としては、特に限定されないが、回分式(「バッチ式」ともいう。)、連続式等の重合様式で行うことができる。連続式においては、1個又は2個以上の連結された反応器を用いることができる。反応器は、撹拌機付きの槽型、管型等のものが用いられる。
共役ジエン系重合体の重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合反応の促進効果等もある。
極性化合物としては、特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−tert−アミラート、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等を用いることができる。これらの極性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができる。通常、極性化合物の使用量は、重合開始剤1モルに対して0.01〜100モルであることが好ましい。このような極性化合物は、共役ジエン系重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤(ビニル化剤)として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。多くの極性化合物は、同時に、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量といった芳香族ビニル化合物ブロック量の調整を行う調整剤として用いることができる。
共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているような、スチレンの全量と1,3−ブタジエンの一部とで共重合反応を開始させ、共重合反応の途中に残りの1,3−ブタジエンの断続的に添加する方法を用いてもよい。
重合温度は重合反応が進行する温度であれば、特に限定されない。例えば、リビングアニオン重合の場合、通常、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、重合終了後の重合活性末端に対する変性剤の反応量を充分に確保する観点から、120℃以下であることが好ましい。また、共役ジエン系重合体のコールドフローを防止する観点から、分岐度をコントロールするためにジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル化合物を用いてもよい。
共役ジエン系重合体の重合反応は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素等が挙げられる。
以上のような方法で、重合活性末端を有する共役ジエン系重合体を得た後、その重合活性末端に、下記式(1)で表される化合物(以下、「変性剤」という場合がある。)を反応させる変性工程を行うことで、変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
(式(1)中、R1〜R4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R5は炭素数3〜10のアルキレン基を表し、R6は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、mは1又は2の整数であり、nは2又は3の整数である。)
なお、R1〜R4は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、その炭素数は1〜10であることがより好ましい。R5、R6のアルキレン基の炭素数は、各々独立して3〜5であることが好ましい。
上記式(1)で表される変性剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−エチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−エチル−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン等の環状アザシラン化合物が挙げられる。これらの中でも、変性剤の官能基とシリカとの反応性及び相互作用性の観点や、組成物の加工性の観点から、mが2であり、nが3であるものが好ましい。上記の中でも好ましい具体例としては、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが挙げられる。
上述した変性剤を、重合活性末端に反応させる際の、反応温度、反応時間等については、特に限定されないが、通常、0〜120℃で、30秒以上反応させることが好ましい。
上述した変性剤の添加量は、特に限定されないが、重合開始剤のモル数に対して、変性剤中のシリル基に結合したアルコキシ基の合計モル数が、0.6〜3倍となる範囲であることが好ましく、0.8〜2.5倍となる範囲であることがより好ましく、0.8〜2倍となる範囲であることが更に好ましい。得られる変性共役ジエン系重合体が十分な変性率を得る観点から、変性剤の上記割合を0.6倍以上とすることが好ましい。一方、組成物の加工性をより改良するためには重合体の重合活性末端同士をカップリングさせ分岐状の変性共役ジエン系重合体を得ることが好ましいため、変性共役ジエン系重合体の分岐度を増大させる観点、さらに変性剤のコストの観点から、変性剤の上記割合を3倍以下とすることが好ましい。
変性共役ジエン系重合体が共重合体である場合、その構成は特に限定されず、例えば、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
ランダム共重合体としては、例えば、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体等が挙げられる。共重合体鎖中の各単量体の組成分布としては、特に限定されず、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成がテーパー状に分布しているテーパー(勾配)ランダム共重合体等が挙げられる。共役ジエンの結合様式、すなわち1,4−結合や1,2−結合等の組成は、均一であってもよいし、分布があってもよい。
ブロック共重合体としては、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体(ジブロック)、3個からなる3型ブロック共重合体(トリブロック)、4個からなる4型ブロック共重合体(テトラブロック)等が挙げられる。例えば、スチレン等の芳香族ビニル化合物からなるブロックを「S」で表し、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物からなるブロック及び/又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体からなるブロックを「B」で表すと、S−Bで表される2型ブロック共重合体、S−B−Sで表される3型ブロック共重合体、S−B−S−Bで表される4型ブロック共重合体等で表される。
上記において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。例えば、ブロックBが芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体である場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していてもよいし、テーパー状に分布していてもよい。また、ブロックBに、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。さらには、ブロックBに、芳香族ビニル化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量や組成等の構造は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
より低発熱性の変性共役ジエン系重合体組成物を得る観点からは、変性共役ジエン系重合体は、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が、少ないか又は無いことが好ましい。具体的には、変性共役ジエン系重合体がブタジエン−スチレン共重合体である場合、Kolthoffの方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により共重合体を分解し、メタノールに不溶なポリスチレン量を分析する公知の方法において、芳香族ビニル単位(この場合はスチレン単位)が30以上連鎖しているブロックの含有量が、重合体の総量に対して、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
変性共役ジエン系重合体は、不活性溶剤中で更に水素化することによって、二重結合の全部又は一部が飽和結合に変換されたものであってもよい。その場合、耐熱性、耐候性が一層向上し、高温で加工する場合の製品の劣化を防止することができる。
共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の水素化率(以下、「水添率」という場合がある。)は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。例えば、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物を加硫ゴムとして用いる場合には、加硫性の観点から、変性共役ジエン系重合体の共役ジエン部の二重結合が部分的に残存していることが好ましい。この場合、変性共役ジエン系重合体が水素化されたものである場合、その重合体中の共役ジエン部の水添率は、3〜70%であることが好ましく、5〜65%であることがより好ましく、10〜60%であることが更に好ましい。なお、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体中の芳香族ビニル化合物に基づく芳香族二重結合の水添率については、特に限定されないが、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、20%以下であるであることが更に好ましい。水素化率は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
変性共役ジエン系重合体中の結合共役ジエン量は、50〜100質量%であることが好ましく、55〜85質量%であることがより好ましい。また、結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、0〜50質量%であることが好ましく、15〜45質量%であることがより好ましい。ここで、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、この値より結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に従った方法により測定することができる。
共役ジエン結合単位中のビニル結合量は、10〜75モル%であることが好ましく、25〜65モル%であることがより好ましい。ここで、変性共役ジエン系重合体がブタジエンとスチレンの共重合体である場合には、ハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949))により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)を求めることができる。
破壊強度の高い組成物が得る観点から、結合芳香族ビニル量が25〜45質量%で、共役ジエン結合単位中のビニル結合量は25〜60モル%であることが好ましい。
本実施形態の効果をより優れたものにする観点から、シリカ粒子充填カラムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定のカラムへの吸着量によって求められる、変性共役ジエン系重合体の変性率(以下、単に「変性率」という場合がある。)、すなわち官能基成分を有する重合体の割合が、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上含有する重合体となるように、変性共役ジエン系重合体を製造する。官能基成分を有する重合体の定量方法としては、官能基含有の変性成分と非変性成分を分離できるクロマトグラフィーによって測定することができる。このクロマトグラフィーを用いた方法としては、官能基成分を吸着するシリカ等の極性物質を充填剤としたGPCカラムを使用し、非吸着成分の内部標準を比較に用いて定量する方法が挙げられる。
変性共役ジエン系重合体の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によって得られるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、好ましくは20,000〜2,000,000、より好ましくは100,000〜1,000,000、更に好ましくは200,000〜600,000である。上記下限値以上の分子量とすることで、加硫物としたときの強度を一層向上させることができ、上記上限値以下の分子量とすることで、加工性を一層向上させることができる。また、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)は、加硫物の物性の観点から、好ましくは1.00〜3.50、より好ましくは1.10〜3.00である。
変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、変性反応を行った後、共重合体溶液に、必要に応じて、失活剤、中和剤等を添加してもよい。失活剤としては、特に限定されず、例えば水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール等が挙げられる。中和剤としては、特に限定されず、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸(炭素数9〜11で、炭素数10を中心とする、分岐の多いカルボン酸混合物)等のカルボン酸;無機酸の水溶液、炭酸ガス等が挙げられる。
また、変性共役ジエン系重合体は、重合後のゲル生成を防止する観点や、加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。ゴム用安定剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましい。
また、必要に応じて、伸展油を、変性共役ジエン系重合体に添加することができる。伸展油を変性共役ジエン系重合体に添加する方法としては、特に限定されないが、伸展油を重合体溶液に加え、混合して、油展共重合体溶液としたものを脱溶媒する方法が好ましい。伸展油としては、例えば、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油等が挙げられる。これらの中でも、環境安全上の観点や、オイルブリード防止及びウェットグリップ特性の観点から、IP346法による多環芳香族(PCA)成分が3質量%以下であるアロマ代替油が好ましい。アロマ代替油としては、Kautschuk Gummi Kunststoffe 52(12)799(1999)に示されるTDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts)、MES(Mild Extraction Solvate)等の他、RAE(Residual Aromatic Extracts)等が挙げられる。伸展油の添加量は、特に限定されないが、通常は、変性共役ジエン系重合体100質量部に対し、10〜60質量部であり、20〜37.5質量部が好ましい。
変性共役ジエン系重合体を重合体溶液から取得する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、スチームストリッピング等で溶媒を分離した後、重合体を濾別し、さらにそれを脱水及び乾燥して重合体を取得する方法、フラッシングタンクで濃縮し、さらにベント押出し機等で脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法等が挙げられる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物には、式(1)で表される変性剤を反応させて得られる変性共役ジエン系重合体以外のゴム状重合体を併用することができる。すなわち、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に用いられるゴム成分には、上記した変性共役ジエン系重合体以外のゴム状重合体を配合してもよい。このようなゴム状重合体としては、特に限定されず、例えば、共役ジエン系重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体又はその水素添加物、その他の共役ジエン系共重合体又はその水素添加物、非ジエン系重合体、天然ゴム等が挙げられる。
共役ジエン系重合体又はその水素添加物の具体例としては、ブタジエンゴム又はその水素添加物、イソプレンゴム又はその水素添加物等が挙げられる。
共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又はその水素添加物の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム又はその水素添加物が挙げられる。
共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体又はその水素添加物の具体例としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体又はその水素添加物等のスチレン系エラストマーが挙げられる。
その他の共役ジエン系共重合体又はその水素添加物の具体例としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はその水素添加物等が挙げられる。
また、非ジエン系重合体としては、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−ヘキセンゴム、エチレン−オクテンゴム等のオレフィン系エラストマー、ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、α、β−不飽和ニトリル−アクリル酸エステル−共役ジエン共重合ゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等が挙げられる。
上述した各種ゴム状重合体の重量平均分子量は、性能と加工特性のバランスの観点から、2,000〜2,000,000であることが好ましく、5,000〜1,500,000であることがより好ましい。また、低分子量のいわゆる液状ゴムを用いることもできる。これらのゴム状重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ここでいう重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によって得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物中に含まれるゴム成分100質量部中に、変性共役ジエン系重合体の含有量は、5〜100質量部であることが好ましく、50〜100質量部であることがより好ましく、70〜100質量部であることが更に好ましい。低発熱性に優れた加硫物を得るため、5質量部以上であることが好ましい。なお、これらのゴム成分に伸展油が添加されている場合には、伸展油分の質量を除いた質量をゴム成分の質量として計算する。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に用いられるシリカとしては、特に限定されず、乾式シリカ、湿式シリカ、合成ケイ酸塩シリカ等が使用できる。これらの中でも、加硫物とした際の破壊特性及びウェットスキッド抵抗性のバランスの観点から、湿式シリカが好ましい。
実用上良好な耐摩耗性や破壊特性を得る観点から、シリカのBET吸着法で求められる窒素吸着比表面積は、100〜300m2/gであることが好ましく、170〜250m2/gであることがより好ましい。また必要に応じて、比較的比表面積が小さい(例えば、比表面積が200m2/g未満のシリカ)と、比較的比表面積の大きい(例えば、200m2/g以上のシリカ)と、を組み合わせて用いることができる。これにより、良好な耐摩耗性、破壊特性及び低発熱性のバランス性を一層向上させることができる。
変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対する、シリカの含有量は、20〜120質量部であることが好ましく、30〜100質量部がより好ましい。シリカの含有量は、補強効果の観点から、20質量部以上とすることが好ましく、低発熱性の観点から、120質量部以下とすることが好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物には、カーボンブラックを含有させてもよい。カーボンブラックとしては、特に限定されず、例えばSRF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各クラスのカーボンブラックが使用できる。これらの中でも、窒素吸着比表面積が50m2/g以上、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が80mL/100g以上のカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対し、3〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。カーボンブラックの含有量は、ドライグリップ性能や導電性等のタイヤ等の用途に求められる性能を発現する観点から、3質量部以上とすることが好ましく、低発熱性の観点から、100質量部以下とすることが好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物には、シリカやカーボンブラック以外に、金属酸化物や金属水酸化物を含有させてもよい。金属酸化物とは、化学式Mxy(式中、Mは金属原子を表し、x及びyは各々1〜6の整数を表す。)を構成単位の主成分とする固体粒子のことをいい、例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等を用いることができる。また金属酸化物と金属酸化物以外の無機充填剤の混合物も用いることができる。
金属水酸化物としては、特に限定されず、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物には、メルカプト基あるいは保護されたメルカプト基を有するシランカップリング剤を用いる。シランカップリング剤は、ゴム成分とシリカとの相互作用を緊密にする機能を有しており、ゴム成分及びシリカ系無機充填剤のそれぞれに対する親和性又は結合性の基を有しており、一般的には、硫黄結合部分とアルコキシシリル基又はシラノール基部分を一分子中に有する化合物が用いられる。本実施形態においては、ゴム成分に対する結合性基としてメルカプト基あるいは保護されたメルカプト基を有するシランカップリング剤を用いることで、変性共役ジエン系重合体組成物を加硫物とした際の低発熱性とウェットスキッド抵抗性のバランスを向上させることができる。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては下記式(2)で表されるシランカップリング剤が好ましい。
(式(2)中、R7〜R9は、各々独立して、炭素数1〜30の1価の炭化水素基、又は、−O−R11若しくは−O−(R12−O)p−R13(ただし、R11及びR13は各々独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、R12は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表し、pは1〜30の整数であり、p個のR12は同一であっても異なっていてもよい。)で表される基であり、R7〜R9の少なくともひとつは−O−R11で表される基である。R10は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表す。)
7〜R9の炭素数1〜30の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられる。
11及びR13の炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、オクタデセニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。これらの中でも、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基が好ましい。
12の炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、1−オクテニレン基、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基等が挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
10の炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、例えば、上記R12と同様の基を挙げることができる。R10としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましい。R10は、R12と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(2)で表されるシランカップリング剤の具体例としては、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシランや、R7が−O−C25、R8及びR9が−O−(C24−O)5−C1327、R10がプロピレン基であるシランカップリング剤(市販品としては、エボニックデグサ社製の商品名「Si363」等を用いることができる。)等が挙げられる。これらの中でもR7が−O−C25、R8及びR9が−O−(C24−O)5−C1327、R10がプロピレン基であるシランカップリング剤が好ましい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に用いられる保護されたメルカプト基を有するシランカップリング剤としては、下記式(3)で表されるシランカップリング剤が好ましい。
(式(3)中、R7〜R10の定義は式(2)と同じであり、R14は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。)
710としては、式(2)と同様のものが挙げられる。
14の炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、オクタデセニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
上記式(3)で表されるシランカップリング剤の具体例としては、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらの中でも3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン(例えば、Momentive Performance Materials社製、商品名「NXT Silane」)が好適に用いられる。
さらに、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に用いられる保護されたメルカプト基を有するシランカップリング剤としては、下記式(4)で表されるシランカップリング剤が好ましい。
(式(4)中、R10とR14の定義は式(3)と同じであり、R15は−O−R11(ただし、R11の定義は式(2)と同じである。)で表される基であり、R16は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。)
10〜R15としては、式(2)及び式(3)と同様のものが挙げられる。
16としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、オクタデセニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
上記式(4)で表されるシランカップリング剤としては、R10がプロピレン基、R14がヘプチル基、R15がエチル基、R16がメチル基であるシランカップリング剤(例えば、市販品として、Momentive Performance Materials社製、商品名「NXT Low−V Silane」等を用いることもできる。)が好ましい。
また、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に用いられるメルカプト基又は保護されたメルカプト基を有するシランカップリング剤としては、下記式(5)で表されるシランカップリング剤が好ましい。
(式(5)中、R14の定義は式(3)と同じであり、Qは炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表し、xは0以上の整数であり、yは1以上の整数である。)
14としては、式(3)と同様のものが挙げられる。
上記式(5)で表されるシランカップリング剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、Momentive Performance Materials社製、商品名「NXT Z Silane」が挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量%に対して、2〜25質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記範囲であると、シランカップリング剤による上記添加効果を一層顕著なものにできる。特に、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物では、ゴム成分100質量部中の変性共役ジエン系重合体の含有量が5〜100質量部であり、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が20〜120質量部であり、かつ、シリカに対するシランカップリング剤の含有量が2〜25質量%であるという条件を満たす場合に、上述した各効果を一層優れたものにすることができる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物には、加工性の改良を図るために、ゴム用軟化剤を含有させてもよい。ゴム用軟化剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることもできる。ゴム用軟化剤としては、鉱物油、又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が好適である。ゴム成分の軟化、増容、加工性の向上を図るために使用されているプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系、芳香族炭素数が30%を超えるものが芳香族系と呼ばれている。ゴム用軟化剤としては、適度な芳香族含量を有するものが、変性共役ジエン系重合体等との馴染みがよい傾向にあるため好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物におけるゴム用軟化剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部が好ましく、10〜90質量部がより好ましく、20〜60質量部が更に好ましい。ゴム用軟化剤の含有量がゴム成分100質量部に対して100質量部以下にすることで、ブリードアウトを抑制でき、組成物表面のベタツキを抑制することができる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物には、本実施形態の目的を損なわない範囲内で、上述した以外のその他の軟化剤及び充填剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、滑剤等の各種添加剤を用いてもよい。
その他の軟化剤としては、公知の軟化剤を用いることができる。
その他の充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、滑剤としては、それぞれ公知の材料を用いることができる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に配合する変性共役ジエン系重合体と、その他のゴム状重合体;シリカ、カーボンブラックやその他の充填剤;シランカップリング剤、ゴム用軟化剤等の添加剤等を混合する方法については、特に限定されるものではない。例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解混合後、溶剤を加熱除去する方法等が挙げられる。これらのうち、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機による溶融混練法が、生産性及び良混練性の観点から、好ましい。また、変性共役ジエン系重合体と各種配合剤とを一度に混練する方法、複数の回数に分けて混合する方法のいずれも適用可能である。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、加硫剤により加硫処理を施した加硫組成物としてもよい。加硫剤としては、例えば有機過酸化物及びアゾ化合物等のラジカル発生剤、オキシム化合物、ニトロソ化合物、ポリアミン化合物、硫黄、硫黄化合物が使用できる。硫黄化合物には、一塩化硫黄、二塩化硫黄、ジスルフィド化合物、高分子多硫化合物等が含まれる。加硫剤の使用量は、通常は、本実施形態の変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜15質量部が好ましい。加硫方法としては、従来公知の方法を適用でき、加硫温度は、通常120〜200℃であり、好ましくは140〜180℃である。
また、加硫に際しては、必要に応じて加硫促進剤を用いてもよい。加硫促進剤としては、従来公知の材料を用いることができ、例えば、スルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系等の加硫促進剤が挙げられる。また、加硫助剤としては、亜鉛華、ステアリン酸等を使用できる。加硫促進剤の使用量は、通常、本実施形態の変性共役ジエン系重合体を含有するゴム成分100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜15質量部が好ましい。
以下の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、試料の分析は下記に示す方法により行った。
(1)結合スチレン量
試料100mgをクロロホルムで100mLにメスアップし、クロロホルムに溶解させて測定サンプルとした。測定サンプルについて、スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所社製、紫外可視分光光度計「UV−2450」)。
(2)ブタジエン部分のミクロ構造(1,2−ビニル結合量、シス−1,4−結合量)
試料50mgを10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600〜1000cm-1の範囲で測定して所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法の計算式に従いブタジエン部分のミクロ構造を求めた(日本分光社製、フーリエ変換赤外分光光度計「FT−IR230」)。
(3)ムーニー粘度
ムーニー粘度計(上島製作所社製、「VR1132」)を用い、JIS K6300に準拠しL形ローターを用いて、ムーニー粘度を測定した。測定温度は100℃で、まず、試料を1分間予熱した後、2rpmでローターを回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML1+4)とした。
(製造例1)
内容積10Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3−ブタジエン777g、スチレン273g、シクロヘキサン4800g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン1.45gを反応器へ入れ、反応器内温を42℃に保持した。重合開始剤として、n−ブチルリチウム15.1mmolを含むシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、最終的な反応器内の温度は80℃に達した。反応温度のピーク到達2分後、反応器に2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを2.72mmol添加し、75℃で5分間変性反応を実施して、変性重合体溶液を得た。
この重合体溶液に、酸化防止剤(2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン;BHT)2.1gを添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、乾燥機により乾燥処理を施して、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(変性共役ジエン系重合体;試料a)を得た。
試料aを分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。100℃でのムーニー粘度は62であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準拠して計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量(1,2−結合量)は56モル%であった。
(製造例2)
内容積10Lで、撹拌機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3−ブタジエン777g、スチレン273g、シクロヘキサン4800g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.63gを反応器へ入れ、反応器内温を42℃に保持した。重合開始剤として、n−ブチルリチウム6.52mmolを含むシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、最終的な反応器内の温度は78℃に達した。反応温度のピーク到達2分後、反応器に変性剤として(3−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシランを3.91mmol添加し、75℃で5分間変性反応を実施して、変性重合体溶液を得た。
この重合体溶液に、酸化防止剤(2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン;BHT)2.1gを添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、乾燥機により乾燥処理を施して、変性共役ジエン系重合体(試料b)を得た。
試料bを分析した結果、100℃でのムーニー粘度は61、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74質量%であった。ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)は56モル%であった。
[実施例1〜3、比較例1、2]
試料a、bを原料ゴムとして、表1に示す配合に従い、下記の方法により混練して変性共役ジエン系重合体組成物を得た。
温度制御装置を具備する密閉混練機(内容量0.3L)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数50/57rpmの条件で、原料ゴム(試料a、b)、充填剤(シリカ、カーボンブラック)、有機シランカップリング剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸を混練した。このとき、密閉混合機の温度を制御し、排出温度は155〜160℃でゴム組成物変性共役ジエン系重合体組成物(配合物)を得た。
次に、第二段の混練として、上記で得た配合物を室温まで冷却後、老化防止剤を加え、シリカの分散を向上させるため再度混練した。この場合も、混合機の温度制御により、配合物の排出温度を155〜160℃に調整した。冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤を加えて混練した。その後、成型し、160℃で20分間、加硫プレスにて加硫した。加硫後、変性共役ジエン系重合体組成物の物性を測定した。物性測定結果を表1に示した。
変性共役ジエン系重合体組成物の物性は、下記の方法により測定した。
(1)配合物ムーニー粘度
ムーニー粘度計を使用し、JIS K6300−1に準拠してL形ローターを用い、130℃、1分間の予熱を行った後に、ローターを毎分2回転で4分間回転させた後の粘度を測定し、比較例1の結果を100として指数化した。値が小さいほど加工性に優れることを示す。
(2)粘弾性パラメータ
レオメトリックス・サイエンティフィック社製の粘弾性試験機「ARES」を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。各々の測定値は比較例1を100として指数化した。0℃において周波数10Hz、ひずみ1%で測定したtanδをウェットスキッド抵抗性の指標とした。値が大きいほどウェットスキッド抵抗性が良好であることを示す。また、50℃において周波数10Hz、ひずみ3%で測定したtanδを低発熱性の指標とした。値が小さいほど低発熱で、省燃費性能が良好であることを示す。
*1 エボニックデグサ社製、商品名「Ultrasil VN3」、窒素吸着比表面積:175m2/g
*2 東海カーボン社製、商品名「シーストKH(N339)」
*3 エボニックデグサ社製 商品名「Si75」、化合物名:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド混合物(一分子中のSの数が平均2.4)
*4 エボニックデグサ社製 商品名「Si363」、下記式で表されるシランカップリング剤
*5 Momentive Performance Materials社製、商品名「NXT Silane」、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、上記式(3)で表されるシランカップリング剤
*6 Momentive Performance Materials社製、商品名「NXT Z Silane」、上記式(5)で表されるシランカップリング剤
*7 JX日鉱日石エネルギー社製、商品名「JOMOプロセスNC140」
*8 N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
*9 ジフェニルグアニジン
*10 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド
*11 N,N,N’N’−テトラベンジルチウラムジスルフィド
表1に示すように、実施例1〜3の組成物は、比較例1及び2の組成物と比較して、組成物の加工性、加硫物とした際のウェットスキッド抵抗性及び低発熱性が総合的に優れていることが確認された。
本発明の変性共役ジエン系重合体組成物は、加硫物とした際の低発熱性とウェットスキッド抵抗性のバランスに優れ、かつ組成物の加工性にも優れており、タイヤトレッド、履物、工業用品等の各種部材の材料として好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 重合活性末端を持つ共役ジエン系重合体の該重合活性末端に、下記式(1)で表される変性剤を反応させて得られる変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、
    シリカと、
    メルカプト基又は保護されたメルカプト基を有するシランカップリング剤と、
    を含む変性共役ジエン系重合体組成物。
    (式(1)中、R1〜R4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R5は炭素数3〜10のアルキレン基を表し、R6は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、mは1又は2の整数であり、nは2又は3の整数である。)
  2. 前記ゴム成分100質量部中の、前記変性共役ジエン系重合体の含有量が5〜100質量部であり、
    ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が、20〜120質量部であり、
    前記シリカに対するシランカップリング剤の含有量が、2〜25質量%である請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
  3. 前記シランカップリング剤が、下記式(2)〜(5)で表されるシランカップリング剤のいずれかである請求項1又は2に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
    (式(2)中、R7〜R9は各々独立して、炭素数1〜30の1価の炭化水素基、又は、−O−R11若しくは−O−(R12−O)p−R13(ただし、R11及びR13は各々独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、R12は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表し、pは1〜30の整数であり、p個のR12は同一であっても異なっていてもよい。)で表される基であり、R7〜R9の少なくともひとつは−O−R11で表される基である。R10は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表す。)
    (式(3)中、R7〜R10の定義は式(2)と同じであり、R14は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。)
    (式(4)中、R10とR14の定義は式(3)と同じであり、R15は−O−R11(ただし、R11の定義は式(2)と同じである。)で表される基であり、R16は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。)
    (式(5)中、R14の定義は式(3)と同じであり、Qは炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表し、xは0以上の整数であり、yは1以上の整数である。)
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