JP2016113473A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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【課題】シリカの分散性を改良しながら、加工性およびゴム硬度を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供する。【解決手段】主鎖および/または末端にヘテロ原子を含む官能基を有する変性ジエン系ゴムを含むゴム成分100重量部に、シリカを5〜200重量部配合すると共に、シランカップリング剤を前記シリカの1〜20重量%、下記一般式(1)で表されるアセチレン系化合物を前記シリカの1〜20重量%配合したことを特徴するタイヤトレッド用ゴム組成物。(式中、R1〜R4は互いに独立して炭素数1〜24のアルキル基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、シリカの分散性を改良しながら、加工性およびゴム硬度を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
近年、空気入りタイヤの性能を高くするため、転がり抵抗を小さくすると同時にグリップ性能を優れたものにすることが強く求められている。一般に、低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能を改良するためタイヤトレッド用ゴム組成物にシリカを配合することが行われる。しかしシリカはジエン系ゴムとの親和性が乏しく、その分散性が不十分になりゴム組成物を改質する効果が十分に得られないという問題があった。
ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を改良するため、分子鎖の主鎖および/または末端にシリカと相互作用可能な官能基を有する変性ジエン系ゴムにシリカを配合することが知られている(例えば特許文献1参照)。しかしこのような変性ジエン系ゴムを用いるとシリカおよび官能基の相互作用や官能基同士の作用によりゴム組成物の粘度が増大し成形加工性が悪化するという問題がある。さらにシリカの分散性が良くなるとゴム硬度が低下し、タイヤにしたとき操縦安定性が低下することが懸念される。したがって、シリカの分散性を改良しながら、加工性およびゴム硬度を悪化させないようにするタイヤトレッド用ゴム組成物の開発が求められている。
一方、特許文献2は、天然ゴム又は合成ゴムに、シリカおよびアセチレンアルコールを配合することにより、シリカの分散性を改良し、粘度を低くすることを提案している。しかしながら、このようなアセチレンアルコールをシランカップリング剤と併用すると、シリカの分散性が却って悪化し、ゴム組成物の反発弾性(40℃)が低下するという問題があった。したがって、シリカの分散性を改良しながら、加工性およびゴム硬度を従来レベル以上に向上する技術は未だ確立されていない。
特開2009−91498号公報 特許第2674629号公報
本発明の目的は、シリカの分散性を改良しながら、加工性およびゴム硬度を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、主鎖および/または末端にヘテロ原子を含む官能基を有する変性ジエン系ゴムを含むゴム成分100重量部に、シリカを5〜200重量部配合すると共に、シランカップリング剤を前記シリカの1〜20重量%、下記一般式(1)で表されるアセチレン系化合物を前記シリカの1〜20重量%配合したことを特徴する。
Figure 2016113473
(式中、R1〜R4は互いに独立して炭素数1〜24のアルキル基である。)
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、変性ジエン系ゴムにシリカ、シランカップリング剤およびアセチレン基の両側にヒドロキシ基を有するアセチレン系化合物を配合するようにしたので、シリカの分散性を改良しながら、加工性およびゴム硬度を従来レベル以上に向上することができる。
前記シリカのBET比表面積は150〜400m2/gであるとよい。また前記シランカップリング剤はメルカプト基を有するものが好ましい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、ウェットグリップ性能および燃費性能が優れると共に、操縦安定性にも優れる。またゴム組成物の成形加工性が良好であることから上述した優れた性能を有する空気入りタイヤを、高品質で安定的に製造することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分は変性ジエン系ゴムを必ず含む。変性ジエン系ゴムは、その高分子鎖の主鎖および/または末端にヘテロ原子を含む官能基を有するジエン系ゴムである。ジエン系ゴムとしては、例えばスチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等が挙げられ、なかでもスチレンブタジエンゴムが好ましい。
変性ジエン系ゴムとしては、主鎖、分子鎖の片末端または両末端に官能基を有するようにした溶液重合で製造した変性スチレンブタジエンゴムが好ましい。変性スチレンブタジエンゴムを配合することによりシリカとの親和性を高くし分散性を改良し、低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能をより一層向上することができる。
変性ジエン系ゴムの官能基は、ヘテロ原子を含む官能基であり、シリカ表面のシラノール基と反応する化合物に由来する官能基が好ましい。ヘテロ原子としては、例えば酸素、窒素、ケイ素が挙げられる。なかでも酸素、窒素、ケイ素が好ましい。ヘテロ原子を含む官能基としては、例えばヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルデヒド基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シリル基、オキシシリル基、シラノール基、イソシアネート基、イソチオシアネート基等を例示することができる。
本発明において、ゴム成分100重量%中の変性ジエン系ゴムの含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは75〜100重量%であるとよい。変性ジエン系ゴムの含有量が50重量%未満であると、シリカの分散性を十分に改良することができない。
本発明において、ゴム成分として変性ジエン系ゴム以外の他のジエン系ゴムを含有することができる。他のジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム等を例示することができる。なかでも天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムが好ましい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、変性ジエン系ゴムを含むゴム成分にシリカを配合することにより、ゴム組成物中のシリカの分散性を良好にし、その転がり抵抗性およびウェットグリップ性能を改良する。シリカの種類としては、通常タイヤトレッド用ゴム組成物に配合されるシリカ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。
シリカの配合量は、ゴム成分100重量部に対し5〜200重量部、好ましくは50〜150重量部である。シリカの配合量が5重量部未満であると、転がり抵抗性およびウェットグリップ性能を改良する効果が十分に得られない。またシリカの配合量が200重量部を超えると、シリカの分散性が悪化する。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、シリカのBET比表面積は、好ましくは150〜400m2/g、より好ましくは180〜350m2/gであるとよい。窒素吸着比表面積が150m2/g未満であると、ウェットグリップ性能が不足する虞がある。また窒素吸着比表面積が400m2/gを超えると、シリカの分散が悪化し転がり抵抗が大きくなったり、反撥弾性率が低下したりする虞がある。本明細書において、シリカのBET比表面積は、ISO 5794/1の別表Dに相当するブルナウラー・エメット・テラー法に準拠して測定するものとする。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、下記一般式(1)で表されるアセチレン系化合物をシリカ重量の1〜20重量%配合する。
Figure 2016113473
(式(1)中、R1〜R4は互いに独立して炭素数1〜24のアルキル基である。)
シリカに対し、上記一般式(1)で表される炭素‐炭素三重結合の両側にヒドロキシ基を有するアセチレン系化合物を、変性ジエン系ゴムおよびシランカップリング剤とともに配合することにより、シリカの分散性を改良しながら、加工性およびゴム硬度を従来レベル以上に向上することができる。アセチレン系化合物のヒドロキシ基が、シリカ粒子の表面に作用して疎水化することにより、ゴム成分中のシリカの分散性を改良する。またシリカに作用しなかったアセチレン系化合物は、ゴム成分中でミセルのような崩壊しやすい集合体を形成することにより未加硫のゴム組成物の粘度を小さくし成形加工性を優れたものにする。またアセチレン系化合物の集合体は、ゴム組成物を加硫すると炭素‐炭素三重結合が縮合してネットワークを形成することにより、加硫したゴム組成物のゴム硬度を大きくすることができる。本発明を構成するアセチレン系化合物は、炭素‐炭素三重結合を有すること、およびその炭素‐炭素三重結合の両側にヒドロキシ基を有することにより、上述した効果を得ることができる。炭素‐炭素三重結合の代わりに炭素‐炭素二重結合を有したり、ヒドロキシ基が炭素‐炭素三重結合の片側だけにあるときは、上述した効果を得ることができない。
上記一般式(1)において、R1,R2,R3およびR4は互いに独立して炭素数1〜24のアルキル基である。R1〜R4は同一でも異なってもよく、これらの少なくとも2つが同じでもよい。またR1〜R4は炭素‐炭素三重結合に対し対称でも非対称でもよい。R1〜R4は好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であるとよい。アルキル基の炭素数を多くすることにより、シリカに作用したとき、シリカ粒子間の距離を広げシリカの分散性をより良好にすることができ、またシリカ表面を疎水性にすることができる。アルキル基の炭素数を少なくすることにより、アセチレン系化合物を調製しやすくなる。
前記一般式(1)で表されるアセチレン系化合物の配合量は、シリカ重量の1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%である。アセチレン系化合物の配合量が1重量%未満であると、ゴム組成物の粘度を下げる効果およびゴム硬度を高くする効果が得られない。またアセチレン系化合物の配合量が20重量%を超えると、シリカおよびシランカップリング剤の反応を阻害し、シリカの分散性が却って悪化する。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、シランカップリング剤を配合することにより、シリカの分散性を改良することができる。シランカップリング剤の配合量は、シリカ重量の1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%である。シランカップリング剤の配合量が1重量%未満では、シリカの分散性を十分に改良することができない虞がある。シランカップリング剤の配合量が20重量%を超えると、ゴム組成物が早期加硫を起こしやすくなり成形加工性が悪化する虞がある。
シランカップリング剤としては、タイヤトレッド用ゴム組成物に使用可能なものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等の硫黄含有シランカップリング剤を例示することができる。なかでもメルカプト基を有するシランカップリング剤(以下、単に「メルカプトシラン」ということがある。)が好ましく、シリカとの親和性を高くしその分散性を改良することができる。これらシランカップリング剤は、単独で配合してもよいし、複数を組み合わせて配合してもよい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、メルカプトシランは、好ましくは下記一般式(2)で表わされるメルカプトシラン化合物、または下記一般式(3)および(4)の構造を有する共重合物、または下記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンであるとよく、シリカとの親和性を高くしその分散性を改良することができる。なかでも式(5)で表されるメルカプトシランが好ましい。これらのメルカプトシラン化合物は、単独で配合してもよいし、複数を組み合わせて配合してもよい。
Figure 2016113473
(式(2)中、R3,R4,R5は互いに独立して、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、鎖長が4〜30の直鎖ポリエーテル基、炭素数6〜30のアリール基から選ばれると共に、少なくとも1つは前記アルコキシ基、少なくとも1つは前記直鎖ポリエーテル基であり、R6は炭素数1〜30のアルキレン基である。)
Figure 2016113473
(式(3)中、R7およびR8で環構造を形成してもよく、R7は水素、ハロゲン、炭素数1〜30のアルキル基或いはアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニル基或いはアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニル基或いはアルキニレン基、前記アルキル基或いはアルケニル基の末端がヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換された基から選ばれ、R8は炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニレン基から選ばれ、xは1以上の整数である。)
Figure 2016113473
(式(4)中、R9およびR10で環構造を形成してもよく、R9は水素、ハロゲン、炭素数1〜30のアルキル基或いはアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニル基或いはアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニル基或いはアルキニレン基、前記アルキル基或いはアルケニル基の末端がヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換された基から選ばれ、R10は炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニレン基から選ばれ、yは1以上の整数である。)
Figure 2016113473
(式(5)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R11は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、a〜eは、0≦a<1、0≦b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。ただしa、bの少なくとも1つが0でない。)
上記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物において、R3,R4,R5は互いに独立して、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、鎖長が4〜30の直鎖ポリエーテル基、炭素数6〜30のアリール基である。好ましくは水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、鎖長が10〜29の直鎖ポリエーテル基である。直鎖ポリエーテル基は、好ましくは式−O−(R13−O)p−R14で表される。ポリエーテル部分(R13−O)pにおいて、R13は炭素数2〜4のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基、トリメチレン基(―CH2CH2CH2―)、プロピレン基である。R13は、一つの種類でも複数の種類でもよい。pは、エーテル部分の繰り返し数の平均値であり、2〜15の数、好ましくは3〜10、より好ましくは3.5〜8の数である。R14は炭素数10〜16、好ましくは11〜15のアルキル基である。アルキルポリエーテル基は複数種の混合物であってもよく、例えば―O―(CH2CH2−O)5−(CH210CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH211CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH212CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH213CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH214CH3、―O―(CH2CH2−O)3−(CH212CH3、―O―(CH2CH2−O)4−(CH212CH3、―O―(CH2CH2−O)6−(CH212CH3、―O―(CH2CH2−O)7−(CH212CH3等が例示される。
式(2)において、R3,R4,R5のうち、少なくとも1つは炭素数1〜8のアルコキシ基、少なくとも1つは鎖長が4〜30の直鎖ポリエーテル基であり、式(2)で表されるメルカプトシラン化合物は、アルコキシ基および直鎖ポリエーテル基を必ず有する。
またR6は炭素数1〜30のアルキレン基、好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基である。
本発明で好適に使用される上記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物としては、例えば[C1123O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SH、[C1225O(CH2CH2O)3](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)3](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)3](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1531O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1123O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)32(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)42(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)62(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)32(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)42(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)62(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)32(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)42(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)62(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1531O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、等が例示される。なかでも[C1327O−(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、[C1327O−(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SHが好ましい。
上記一般式(3)及び(4)で表わされるセグメントを有するメルカプトシラン化合物において、R7およびR8で環構造を形成してもよく、R9およびR10で環構造を形成してもよい。R7およびR9は水素、ハロゲン、炭素数1〜30のアルキル基或いはアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニル基或いはアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニル基或いはアルキニレン基、前記アルキル基或いはアルケニル基の末端がヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換された基から選ばれる。上述したアルキル基、アルキニル基、アルキニレン基、アルキレン基、アルケニレン基およびアルキニレン基は、それぞれ分岐、非分岐のいずれでもよい。
8およびR10は、炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニレン基から選ばれる。上述したアルキレン基、アルケニレン基およびアルキニレン基は、それぞれ分岐、非分岐のいずれでもよい。
上記一般式(3)で表わされるセグメントの含有率は好ましくは20〜99モル%、好ましくは30〜95モル%である。式(3)のセグメントの含有率が20モル%未満では加工性、耐摩耗性などの性能とのバランスをとることが困難になる。また、式(3)のセグメントの含有率が99モル%を超えると、シラン化合物を介したゴムとシリカとの化学的な結合が充分に生じず、発熱性が悪化する。
上記一般式(4)で表わされるセグメントの含有率は好ましくは1〜80モル%、好ましくは5〜70モル%である。式(4)で表わされるセグメントの含有率が1モル%未満では、シラン化合物を介したゴムとシリカとの化学的な結合が十分に生じず、発熱性が悪化する。式(4)で表わされるセグメントの含有率が80モル%を超えると、加工性、耐摩耗性などの性能とのバランスをとることが困難になる。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するメルカプトシラン化合物は、その骨格として、シロキサン骨格を有する。シロキサン骨格は直鎖状、分岐状、3次元構造のいずれか又はこれらの組み合わせとすることができる。
上記一般式(5)において、a、bの少なくとも1つが0でない。すなわち、a,bの少なくとも1つが0より大であり、a及びbの両方が0より大でもよい。よって、このポリシロキサンは、スルフィド基を含有する2価の有機基A、炭素数5〜10の1価の炭化水素基Bから選ばれる少なくとも一つを必ず含む。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシラン化合物が、炭素数5〜10の1価の炭化水素基Bを有する場合、メルカプト基を保護しムーニースコーチ時間が長くなると同時に、ゴムとの親和性に優れることで加工性をより優れたものにする。このため一般式(5)における炭化水素基Bの添え字bは、0.10≦b≦0.89であるとよい。炭化水素基Bの具体例としては、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10の1価の炭化水素基、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。これによりメルカプト基を保護しムーニースコーチ時間を長くし加工性により優れ、低発熱性をより優れたものにすることができる。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシラン化合物が、スルフィド基を含有する2価の有機基Aを有する場合、低発熱性、加工性(特にムーニースコーチ時間の維持・長期化)をより優れたものにする。このため一般式(5)におけるスルフィド基を含有する2価の有機基Aの添え字aは、0<a≦0.50であるとよい。
スルフィド基を含有する2価の有機基Aは、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基とすることができる。
スルフィド基含有有機基Aとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(6)で表される基であることが好ましい。
Figure 2016113473
上記一般式(6)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。また、xは1〜6の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。なお、*は結合位置を示す。
上記一般式(6)で表される基の具体例としては、例えば、*−CH2−S2−CH2−*、*−C24−S2−C24−*、*−C36−S2−C36−*、*−C48−S2−C48−*、*−CH2−S4−CH2−*、*−C24−S4−C24−*、*−C36−S4−C36−*、*−C48−S4−C48−*などが挙げられる。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシラン化合物は、加水分解性基Cを有することによって、シリカとの親和性及び/又は反応性を優れたものにする。一般式(5)における加水分解性基Cの添え字cは、低発熱性、加工性がより優れ、シリカの分散性がより優れるというる理由から、1.2≦c≦2.0であるとよい。加水分解性基Cの具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。加水分解性基Cとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(7)で表される基であることが好ましい。
Figure 2016113473
上記一般式(7)中、*は、結合位置を示す。またR12は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。
上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記一般式(5)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシラン化合物は、メルカプト基を含有する有機基Dを有することによって、ジエン系ゴムと相互作用及び/又は反応することができ、低発熱性を優れたものにする。メルカプト基を含有する有機基Dの添え字dは、0.1≦d≦0.8であるとよい。メルカプト基を含有する有機基Dとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(8)で表される基であることが好ましい。
Figure 2016113473
上記一般式(8)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。また式中、*は、結合位置を示す。
上記一般式(8)で表される基の具体例としては、*−CH2SH、*−C24SH、*−C36SH、*−C48SH、*−C510SH、*−C612SH、*−C714SH、*−C816SH、*−C918SH、*−C1020SHが挙げられる。
上記一般式(5)において、R11は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。炭化水素基R11としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
上記一般式(5)中、a〜eは、0≦a<1、0≦b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。ただしa、bのいずれか一方は0ではない。ここで、a、bのいずれか一方は0ではないことは、a=0の場合0<bとなり、b=0の場合0<aとなることを意味する。なお、0<aかつ0<bであってもよい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、本発明の課題を達成するのを損なわない範囲で、シリカ以外の他の補強性充填剤を配合することができる。他の補強性充填剤としては例えばカーボンブラック、クレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等を例示することができる。
タイヤトレッド用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、熱硬化性樹脂などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に使用される各種配合剤を配合することができる。このような配合剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量にすることができる。タイヤトレッド用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混練、混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤに好適に使用することができる。このゴム組成物をトレッド部に使用した空気入りタイヤは、低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能を従来レベル以上に向上することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表8に示す配合剤を共通配合とし、表1〜7に示す配合からなる24種類のタイヤトレッド用ゴム組成物(標準例1〜6、実施例1〜12、比較例1〜6)を、硫黄及び加硫促進剤を除く成分を、1.7Lの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練したマスターバッチを放出し室温冷却させた。このマスターバッチを1.7Lの密閉式バンバリーミキサーに戻し硫黄及び加硫促進剤を加えて混合することにより、タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。表1〜7のスチレンブタジエンゴム(未変性SBR,変性SBR1〜3)の欄に、製品の配合量に加え、括弧内に油展成分を除く正味のスチレンブタジエンゴムの配合量を記載した。なお表8に記載した配合剤の配合量は、表1〜7に記載したゴム成分100重量部に対する重量部で示した。
得られた24種類のゴム組成物のムーニー粘度を以下の方法により測定した。
ムーニー粘度
得られたゴム組成物をJIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計にてL型ロータ(38.1mm径、5.5mm厚)を使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃、2rpmの条件で測定した。得られた結果は、表1,2では標準例1の値を100、表3では標準例2の値を100、表4では標準例3の値を100、表5では標準例4の値を100、表6では標準例5の値を100、表7では標準例6の値を100、とする指数で表わし表1〜7の「ムーニー粘度」の欄に示した。この指数が小さいほど粘度が低く、成形加工性が良好であることを意味する。
得られた24種類のゴム組成物を所定の金型中で、160℃で20分間プレス加硫してタイヤトレッド用ゴム組成物からなる試験片を作製した。得られた試験片を用いて、ゴム硬度および40℃の反発弾性率を以下の方法で評価した
ゴム硬度
得られた試験片のゴム硬度を、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃で測定した。得られた結果は、表1,2では標準例1の値を100、表3では標準例2の値を100、表4では標準例3の値を100、表5では標準例4の値を100、表6では標準例5の値を100、表7では標準例6の値を100、とする指数で表わし表1〜7の「ゴム硬度」の欄に示した。この指数が大きいほどゴム硬度が高く、タイヤにしたとき操縦安定性が優れることを意味する。
反発弾性率
得られた試験片の反発弾性率を、JIS K6255−1996に基づきリュプケ式反発弾性試験装置を用いて、40℃における反発弾性率を測定した。得られた結果は、表1,2では標準例1の値を100、表3では標準例2の値を100、表4では標準例3の値を100、表5では標準例4の値を100、表6では標準例5の値を100、表7では標準例6の値を100、とする指数で表わし表1〜7の「反発弾性率」の欄に示した。この指数値が反発弾性率が高く、ゴム組成物中のシリカの分散が良好であり、発熱性が小さいことを示す。
Figure 2016113473
Figure 2016113473
Figure 2016113473
Figure 2016113473
Figure 2016113473
Figure 2016113473
Figure 2016113473
なお、表1〜7において使用した原材料の種類を下記に示す。
・未変性SBR:未変性スチレンブタジエンゴム、旭化成社製タフデン3830、スチレンブタジエンゴム100重量部にオイル成分37.5重量部を配合した油展製品
・変性SBR−1:末端にヒドロキシ基を有するスチレンブタジエンゴム、以下の合成方法に従って重合し、スチレンブタジエンゴム100重量部にオイル成分37.5重量部を配合した油展製品。
撹拌機付きタンクに、水200部、ロジン酸石鹸3部、t−ドデシルメルカプタン0.2部、ブタジエン69部、スチレン28部および2−ヒドロキシプロピルアクリレ−トを仕込んだ。反応器温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてクメンハイドロパーオキサイド0.1部、ソジウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレート0.2部および硫酸第二鉄0.01部を添加して重合を開始した。転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを添加して反応を停止させた。次いで、未反応単量体を回収し、硫酸と塩によりポリマーを凝固させてクラムとした。クラムをクラムドライヤーで乾燥し、スチレンブタジエンゴムを得た。得られたスチレンブタジエンゴム100重量部にオイル成分37.5重量部を配合し、変性SBR−1とした。
・変性SBR−2:末端にシロキサン基を有するスチレンブタジエンゴム、以下の合成方法に従って重合し、スチレンブタジエンゴム100重量部にオイル成分37.5重量部を配合した油展製品。
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4533g、スチレン338.9g(3.254mol)、ブタジエン468.0g(8.652mol)、イソプレン20.0g(0.294mol)およびN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン0.189mL(1.271mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム5.061mL(7.945mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、さらにイソプレン12.0gを添加して5分間反応させた後、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの40wt%トルエン溶液0.281g(0.318mmol)を添加し、30分間反応させた。さらに、下記に示すポリオルガノシロキサンAの40wt%キシレン溶液18.3g(0.318mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、伸展油としてフッコールエラミック30(新日本石油(株)製)を37.5部添加した後、スチームストリッピング法により固体状のゴムを回収した。得られた固体ゴムをロールにより脱水し、乾燥機中で乾燥を行い、変性SBR−2を得た。
ポリオルガノシロキサンA;下記一般式(I)の構造を有するポリオルガノシロキサンであって、m=80、n=0、k=120、X1,X4,R1〜R3,R5〜R8がそれぞれメチル基(−CH3)、X2が下記式(II)で表される炭化水素基であるポリオルガノシロキサン
Figure 2016113473
・変性SBR−3:末端にアミノ基を有するスチレンブタジエンゴム、以下の合成方法に従って重合し、スチレンブタジエンゴム100重量部にオイル成分37.5重量部を配合した油展製品。
窒素置換された内容積5Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2500g、テトラヒドロフラン25g、スチレン100g、及び1,3−ブタジエン390gを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウム375mgを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエン10gを追加し、更に5分重合させた後、ジエチルアミノゼンゾフェノン1482mgを変性剤として加えて15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して変性スチレン−ブタジエン共重合体(変性SBR−3)を得た。
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
・シリカ−1:BET比表面積が165m2/gのシリカ、ローディア社製Zeosil 1165MP
・シリカ−2:BET比表面積が80m2/gのシリカ、ローディア社製Zeosil 1085GR
・シリカ−3:BET比表面積が200m2/gのシリカ、ローディア社製Zeosil Premium MP200
・シリカ−4:BET比表面積が240m2/gのシリカ、Evonik Degussa社製Ultrasil 9000GR
・カップリング剤1:硫黄含有シランカップリング剤、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、Evonik Degussa社製Si69
・カップリング剤2:メルカプト基含有シランカップリング剤、Evonik Degussa社製Si363
・カップリング剤3:下記の製造方法で合成したポリシロキサン
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学工業製 KBE−846)107.8g(0.2mol)、γ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−803)95.4g(0.4mol)、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−3083)442.4g(1.6mol)、エタノール162.0gを納めた後、室温にて0.5N塩酸32.4g(1.8mol)とエタノール75.6gの混合溶液を滴下した。その後、80℃にて2時間攪拌した。その後、濾過、5%KOH/EtOH溶液14.6gを滴下し80℃で2時間攪拌した。その後、減圧濃縮、濾過することで褐色透明液体のポリシロキサン425.4gを得た。GPCにより測定した結果、平均分子量は860であり、下記平均組成式で示される。
(−C36−S4−C36−)0.083(−C8170.667(−OC251.50(−C36SH)0.167SiO0.75
得られたポリシロキサンをカップリング剤3とする。
・C≡系化合物−1:前記一般式(1)においてR1およびR3がメチル基、R2およびR4がイソブチル基であるアセチレン系化合物、Air Products社製Surfynol 104
・C≡系化合物−2:前記一般式(1)においてR1およびR3が水素、R2およびR4がヘプタデシル基(炭素数17)であるアセチレン系化合物、下記の製造方法で合成した。
アセチレン2.60g(100mmol)、オクタデカナール53.70g(200mmol)を500mlの水に溶解し、触媒量の銅アセチリド0.02g(10mmol)を添加後、オートクレーブ中で5atm,100℃で5時間反応させた。反応液をろ過、ろ液を減圧濃縮することによりC≡系化合物−2を収率90%で得た。
・C≡系化合物−3:下記一般式(9)で表されるアセチレン系化合物、Air Products社製Surfynol 61
Figure 2016113473
・C=系化合物:下記一般式(10)で表される化合物、シグマアルドリッチ社製3−ヘキセン2,5−ジオール
Figure 2016113473
Figure 2016113473
表8において使用した原材料の種類を下記に示す。
・カーボンブラック:キャボットジャパン社製ショウブラックN339、窒素吸着比表面積が90m2/g
・酸化亜鉛:正同化学社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:NOFコーポレーション社製ステアリン酸YR
・老化防止剤:Solutia Europe社製Santoflex 6PPD
・プロセスオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤1:CBS、大内新興化学社製ノクセラーCZ−G
・加硫促進剤2:DPG、大内新興化学社製ノクセラーD
表1〜7から明らかなように、実施例1〜12のタイヤトレッド用ゴム組成物は、シリカの分散性を改良し発熱性を小さくしながら、成形加工性(ムーニー粘度)およびゴム硬度を従来レベル以上に向上することが確認された。
表1から明らかなように、比較例1のゴム組成物は、アセチレン系化合物を配合しないので、ムーニー粘度が高くなるとともに、ゴム硬度が低下した。比較例2のゴム組成物は、変性SBRの代わりに未変性SBRを含むので、シリカの分散性が悪化し、反発弾性率が低下した。比較例3のゴム組成物は、アセチレン系化合物−3が前記一般式(1)の構造を有していないので、ゴム硬度が悪化した。
比較例4のゴム組成物は、前記一般式(1)で表されるアセチレン系化合物の代わりに、炭素−炭素二重結合を有する前記一般式(10)で表される化合物を配合したので、ムーニー粘度、硬度、反発弾性が悪化した。
比較例5のゴム組成物は、アセチレン系化合物の配合量が、シリカ重量の20重量%を超えるので、反発弾性が悪化した。
比較例6のゴム組成物は、シランカップリング剤を配合しなかったので、ムーニー粘度、反発弾性が悪化した。

Claims (4)

  1. 主鎖および/または末端にヘテロ原子を含む官能基を有する変性ジエン系ゴムを含むゴム成分100重量部に、シリカを5〜200重量部配合すると共に、シランカップリング剤を前記シリカの1〜20重量%、下記一般式(1)で表されるアセチレン系化合物を前記シリカの1〜20重量%配合したことを特徴するタイヤトレッド用ゴム組成物。
    Figure 2016113473
    (式中、R1〜R4は互いに独立して炭素数1〜24のアルキル基である。)
  2. 前記シリカのBET比表面積が150〜400m2/gであることを特徴する請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記シランカップリング剤がメルカプト基を有することを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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