JP6604102B2 - タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、ウェットグリップ性能、グリップ持続性および耐摩耗性を同時に顕著に向上し得るタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
競技用ウェットタイヤに求められる性能には高いウェットグリップ性能に加え、グリップ持続性、耐摩耗性、グリップの作動性など多岐に渡る。グリップ性能を高くするためには、(1)比較的高いガラス転移温度(Tg)のスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を使用する、(2)シリカを多量に配合する、(3)低分子量SBRを配合する、等の手法があるが、(1)の方法では耐久性や耐摩耗性が悪化し、(2)の方法ではウェットグリップ性能は高まるものの、グリップ持続性が悪化し、(3)の方法では配合量が多くなるとモジュラスが低下し、グリップ持続性や耐摩耗性が悪化してしまうという問題点があった。このように、ウェットグリップ性能、グリップ持続性、耐摩耗性を高次にバランスするのは当業界では困難な技術であると認識されている。
なお下記特許文献1は、ウェットグリップ性能、耐摩耗性および操縦安定性をバランス良く改善することを目的として、軟化点−20〜20℃の液状クマロンインデン樹脂、軟化点−20〜20℃の液状ロジン系樹脂および水酸化アルミニウムを含むタイヤ用ゴム組成物を提案している。
しかし、ウェットグリップ性能、グリップ持続性および耐摩耗性をさらに向上させることが当業界で求められている。
特開2012−126852号公報
したがって本発明の目的は、ウェットグリップ性能、グリップ持続性および耐摩耗性を同時に顕著に向上し得るタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムを含むジエン系ゴムに対し、シリカ、液状ロジンエステル化合物およびα−メチルスチレン単位を有する重合体を特定量でもって配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.(A)芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、
(B)シリカを120質量部以上、
(C)液状ロジンエステル系化合物を5〜60質量部、および
(D)α−メチルスチレン単位を有する重合体を10〜60質量部
配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
2.さらに、下記式(1)で表されるシランカップリング剤を前記シリカに対して2〜20質量%配合してなることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (1)
(式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。)
3.前記1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物からなる、タイヤトレッド用ゴム組成物。
4.前記3に記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムを含むジエン系ゴムに対し、シリカ、液状ロジンエステル化合物およびα−メチルスチレン単位を有する重合体を特定量でもって配合したので、ウェットグリップ性能、グリップ持続性および耐摩耗性を同時に顕著に向上し得るタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムにおいては、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムが必須成分として配合される。
芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムを配合しない場合は、ウェットグリップ性能が損なわれる。芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム等が挙げられ、中でもSBRが好ましい。またウェットグリップ性能が向上するという観点から、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムのTgは、−35℃以上であるのが好ましく、−35℃〜0℃であるのがさらに好ましい。また、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴム重量平均分子量は800,000〜2,000,000であるのが好ましく、1,000,000〜1,800,000であるのがさらに好ましい。芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム全体に対し、50〜100質量%配合するのが好ましい。なお本発明において重量平均分子量(Mw)は、特記しない限りテトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で求めたものである。
また、本発明で使用されるジエン系ゴムは、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(シリカ)
本発明で使用されるシリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカおよび沈降シリカなど、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のシリカを単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
なお本発明では、本発明の効果がさらに向上するという観点から、シリカのCTAB比表面積(ASTM−D3765−80に準拠して測定)は、100〜300m/gであるのが好ましく、120〜250m/gであるのがさらに好ましい。
(液状ロジンエステル系化合物)
本発明で使用される液状ロジンエステル系化合物は、ロジン類とアルコール類とをエステル化反応することにより得られる。
ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジンもしくはトール油ロジンの原料ロジン、または前記原料ロジンを不均化もしくは水素添加処理した安定化ロジンや重合ロジン等が挙げられる。
アルコール類としては、特に制限されず、メタノールなどの1価アルコール類;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどの2価アルコール類またはこれらのモノアルキルエーテル類;グリセリン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコール類;などの各種公知のものを例示でき、これらの1種を単独でまたは2種以上を組合せて使用できる。
液状ロジンエステル系化合物の製造方法は、各種公知の方法を採用できる。例えば、前記ロジン類と前記アルコール類を150℃〜300℃程度の加熱下に、生成水を系外に除去しながらエステル化反応を行う方法がある。エステル化反応に際しては、公知の触媒を使用してもよい。
また、前記ロジン類にエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシド類を付加反応させて得られる化合物も液状ロジンエステル系化合物として使用できる。
本発明で使用される液状ロジンエステル系化合物の軟化点は、例えば−20℃以上、好ましくは−5℃以上、より好ましくは0℃以上である。
なお、液状ロジンエステル系化合物は市販されているものを使用することもでき、例えば安定化ロジンのジエチレングリコールエステルとして、荒川化学工業(株)製のKE−364C(軟化点:5〜15℃)等が挙げられる。
(α−メチルスチレン単位を有する重合体)
本発明で使用されるα−メチルスチレン単位を有する重合体は、α−メチルスチレンをモノマー単位とする樹脂であり、α−メチルスチレンの単独重合体の他、α−メチルスチレンの共重合体を例示することができる。α−メチルスチレンの共重合体において、コモノマーとしては、芳香族系モノマーが好ましく、例えばスチレン、インデン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
本発明で使用されるα−メチルスチレン単位を有する重合体の重量平均分子量は、例えば1000〜6000であり、1500〜5000が好ましい。
また、本発明で使用されるα−メチルスチレン単位を有する重合体の軟化点は、例えば80〜180℃が好ましく、90〜170℃がさらに好ましい。
なお、α−メチルスチレン単位を有する重合体は、市販されているものを使用することができ、例えば三井化学(株)製FTR Zeroシリーズ、2000シリーズ、7000シリーズ等が挙げられる。
(シランカップリング剤)
本発明においては、シランカップリング剤を使用するのが好ましい、シランカップリング剤としては、とくに制限されないが、含硫黄シランカップリング剤が好ましく、例えば3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−ビストリエトキシシリルプロピル)−テトラスルフィド、ビス−(3−ビストリエトキシシリルプロピル)−ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
これとは別に、本発明の効果がとくに向上するという観点から、下記式(1)で表されるシランカップリング剤を使用するのが好ましい。
(A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (1)
(式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。)
式(1)で表される硫黄含有シランカップリング剤(ポリシロキサン)およびその製造方法は、例えば国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示され、公知である。
上記式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基を表す。なかでも、下記式(12)で表される基であることが好ましい。
−(CH2n−Sx−(CH2n (12)
上記式(12)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。
上記式(12)中、xは1〜6の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。
上記式(12)中、*は、結合位置を示す。
上記式(12)で表される基の具体例としては、例えば、−CH2−S2−CH2−C24−S2−C24−C36−S2−C36−C48−S2−C48−CH2−S4−CH2−C24−S4−C24−C36−S4−C36−C48−S4−C48などが挙げられる。
上記式(1)中、Bは炭素数5〜20の1価の炭化水素基を表し、その具体例としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基であることが好ましい。
上記式(1)中、Cは加水分解性基を表し、その具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、下記式(13)で表される基であることが好ましい。
−OR2 (13)
上記式(13)中、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロぺニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記式(13)中、*は、結合位置を示す。
上記式(1)中、Dはメルカプト基を含有する有機基を表す。なかでも、下記式(14)で表される基であることが好ましい。
−(CH2m−SH (14)
上記式(14)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。
上記式(14)中、*は、結合位置を示す。
上記式(14)で表される基の具体例としては、−CH2SH、−C24SH、−C36SH、−C48SH、−C510SH、−C612SH、−C714SH、−C816SH、−C918SH、−C1020SHが挙げられる。
上記式(1)中、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。
上記式(1)中、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。
上記式(1)中、aは、本発明の効果が向上するという理由から、0<a≦0.50であることが好ましい。
上記式(1)中、bは、本発明の効果が向上するという理由から、0<bであることが好ましく、0.10≦b≦0.89であることがより好ましい。
上記式(1)中、cは、本発明の効果が向上するという理由から、1.2≦c≦2.0であることが好ましい。
上記式(1)中、dは、本発明の効果が向上するという理由から、0.1≦d≦0.8であることが好ましい。
上記ポリシロキサンの重量平均分子量は、本発明の効果が向上するという理由から、500〜2300であるのが好ましく、600〜1500であるのがより好ましい。本発明における上記ポリシロキサンの分子量は、トルエンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で求めたものである。
上記ポリシロキサンの酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によるメルカプト当量は、加硫反応性に優れるという観点から、550〜700g/molであるのが好ましく、600〜650g/molであるのがより好ましい。
上記ポリシロキサンは、本発明の効果が向上するという理由から、シロキサン単位(−Si−O−)を2〜50個有するものであることが好ましい。
なお、上記ポリシロキサンの骨格には、ケイ素原子以外の金属(例えば、Sn、Ti、Al)は存在しない。
上記ポリシロキサンの製造方法は公知であり、例えば国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示された方法にしたがって製造することができる。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを120質量部以上、液状ロジンエステル系化合物を5〜60質量部、およびα−メチルスチレン単位を有する重合体を10〜60質量部配合してなることを特徴とする。
シリカの配合量が120質量部未満であると、ウェットグリップ性能が悪化する。
液状ロジンエステル系化合物の配合量が5質量部未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に60質量部を超えると耐摩耗性が悪化する。
α−メチルスチレン単位を有する重合体の配合量が10質量部未満であるとウェットグリップ性能が悪化する。逆に60質量部を超えると耐摩耗性が悪化する。
さらに好ましい前記シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、120〜160質量部である。
さらに好ましい前記液状ロジンエステル系化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜35質量部である。
さらに好ましいα−メチルスチレン単位を有する重合体の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、10〜50質量部である。
また、前記式(1)で表されるシランカップリング剤を配合する場合、その配合量はシリカに対して2〜20質量%が好ましい。2質量%未満であると、添加量が少なすぎて式(1)で表されるシランカップリング剤による所望の効果を奏することができない。逆に20質量%を超えると耐摩耗性が悪化する場合がある。さらに好ましい前記式(1)で表されるシランカップリング剤の配合量は、前記シリカに対して7〜15質量%である。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、トレッド、とくにキャップトレッドに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜5および比較例1〜6
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
tanδ(0℃):(株)東洋精機製作所製粘弾性スペクトロメーターを用いて、0℃下、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で測定し、この値をもってウェットグリップ性能を評価した。結果は、比較例1の値を100として指数表示した。この値が大きいほど、ウェットグリップ性能が良好であることを示す。
300%モジュラス:JIS K6251(3号ダンベル使用)に基づき100℃にて引張り試験を実施し、300%変形モジュラスを求めた。結果は、比較例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほどモジュラスが高く、グリップ持続性に優れることを示す。
耐摩耗性:JIS K6264に基づき、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所(株)製)を使用して、荷重49N、スリップ率25%、時間4分、室温において測定した。結果は、比較例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性が良好であることを意味する。
結果を表1に示す。
Figure 0006604102
*1:SBR(日本ゼオン(株)製Nipol 1739、スチレン量=40質量%、ビニル量=14質量%、ガラス転移温度(Tg)=−31℃、油展量=SBR100質量部に対し37.5質量部)
*2:シリカ(ローディア社製Zeosil 1165MP、CTAB比表面積=159m/g)
*3:カーボンブラック(東海カーボン(株)製シースト9、窒素吸着比表面積(NSA)=142m/g)
*4:シランカップリング剤−1(エボニックデグサ社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
*5:シランカップリング剤−2(国際公開WO2014/002750号パンフレットの合成例1に従って合成した、上記式(1)を満たす化合物。組成式=(−C36−S4−C36)0.083(−C8170.667(−OC251.50(−C36SH)0.167SiO0.75、平均分子量=860)
*6:α−メチルスチレン共重合体(三井化学(株)製FTR−2140、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合樹脂、軟化点=145℃)
*7:液状ロジンエステル系化合物(荒川化学工業(株)製KE−364C、安定化ロジンのジエチレングリコールエステル、軟化点:5〜15℃、Tg:−13℃)
*8:オイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*9:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*10:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*11:老化防止剤(フレキシス社製6PPD)
*12:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*13:加硫促進剤CBS(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*14:加硫促進剤DPG(大内新興化学工業(株)製ノクセラーD)
*15:クマロンインデン樹脂(Rutgers Chemicals社製のNOVARES C10(軟化点:5〜15℃)
上記の表1の結果から明らかなように、実施例1〜5で得られたゴム組成物は、芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムを含むジエン系ゴムに対し、シリカ、液状ロジンエステル化合物およびα−メチルスチレン単位を有する重合体を特定量でもって配合したので、比較例1のゴム組成物に比べ、ウェットグリップ性能、グリップ持続性および耐摩耗性を同時に顕著に向上し得ることが判明した。とくに、前記式(1)で表されるシランカップリング剤を配合した実施例4および5は、ウェットグリップ性能、グリップ持続性および耐摩耗性がさらに向上している。
これに対し、比較例2は、シリカの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、ウェットグリップ性能が悪化した。
比較例3は、α−メチルスチレン単位を有する重合体を配合していないので、ウェットグリップ性能が悪化した。
比較例4は、α−メチルスチレン単位を有する重合体の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、耐摩耗性が悪化した。
比較例5は、液状ロジンエステル化合物の替わりにクマロンインデン樹脂を配合した例であるので、ウェットグリップ性能が悪化した。
比較例6は、α−メチルスチレン単位を有する重合体の替わりにクマロンインデン樹脂を配合した例であるので、ウェットグリップ性能と耐摩耗性が悪化した。

Claims (4)

  1. (A)重量平均分子量が800,000〜2,000,000である芳香族ビニル−共役ジエン系ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、
    (B)シリカを120質量部以上、
    (C)液状ロジンエステル系化合物を5〜60質量部、および
    (D)重量平均分子量が1,000〜6,000であるα−メチルスチレン単位を有する重合体を10〜60質量部
    配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2. さらに、下記式(1)で表されるシランカップリング剤を前記シリカに対して2〜20質量%配合してなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4−2a−b−c−d−e)/2 (1)
    (式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。)
  3. 請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物からなる、タイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項3に記載のゴム組成物をトレッドに使用した空気入りタイヤ。
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