JP2019077772A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低転がり抵抗性、ウェット性能に優れ、引張り応力、ゴム硬度が高く、且つゴム粘度を低減するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供する。【解決手段】 共役ジエン系共重合体を10〜100質量%含むゴム成分100質量部に、シリカを80〜200質量部、シランカップリング剤をシリカ量の2〜20質量%配合してなり、前記共役ジエン系共重合体が、共役ジエン単量体、または共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物とを有機活性金属を用いて重合されてなる共重合体からなり、該共重合体の末端が、リン酸エステル化合物もしくは亜リン酸エステル化合物で変性されてなることを特徴とする。【選択図】なし
Description
低転がり抵抗性、ウェット性能に優れ、引張り応力、ゴム硬度が高く、且つゴム粘度を低減するようにしたタイヤ用ゴム組成物に関する。
空気入りタイヤは操縦安定性、低転がり抵抗性、ウェット性能および耐摩耗性に優れることが求められ、タイヤを構成するゴム組成物には、高硬度、低発熱性、引張り応力および加工性(低粘度)に優れることが求められる。ウェット性能を向上させるため、充填材の配合量を増やすと、ゴム組成物の粘度が増大し、転がり抵抗も大きくなる。一方、充填材の配合量を減らすと、転がり抵抗が小さくなるものの、ゴム強度や硬度が低下し、操縦安定性や耐摩耗性に悪影響を及ぼす。またウェット性能および耐摩耗性を改良するため、高比表面積(微細粒子径)のシリカを配合しようとすると、シリカを良好に分散させるのが難しく、ゴム組成物の粘度が増大し、加工性が悪化するという課題がある。
特許文献1は、エポキシ基および/またはヒドロカルビルオキシシリル基を有する変性共役ジエン系ゴムを含むゴム成分と、シリカとメルカプト系シランカップリング剤とを含むゴム組成物が、低転がり抵抗性およびウェット性能に優れることを記載する。しかし、ゴム組成物の粘度を低くし加工性を向上させること、およびゴム硬度を高くし操縦安定性を向上させることについて、更なる改良の余地があった。
本発明の目的は、低転がり抵抗性、ウェット性能に優れ、引張り応力、ゴム硬度が高く、且つゴム粘度を従来レベルよりも低減するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、特定のリン酸エステル化合物もしくは亜リン酸エステル化合物で変性された共役ジエン系共重合体、シリカおよびシランカップリング剤を含むようにしたので、低転がり抵抗性、ウェット性能に優れ、高引張り応力、高ゴム硬度、および低ゴム粘度を従来レベル以上に向上することができる。
前記シリカのCTAB比表面積は150〜300m2/gであるとよい。また前記シランカップリング剤はメルカプト基を有するとよく、更に以下の式(3)の平均組成式で表されるとよい。
(式中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R7は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、a〜eは、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす実数である。)
本発明の空気入りタイヤは、上述したタイヤ用ゴム組成物からなるキャップトレッドを有し、低転がり抵抗性、ウェット性能、操縦安定性および耐摩耗性に優れ、更に加工性に優れるため、高品質タイヤとして安定的に生産することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、共役ジエン単量体、または共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物とを有機活性金属を用いて重合されてなる共役ジエン系共重合体を10〜100質量%含むゴム成分からなる。共役ジエン系共重合体は、共役ジエン単量体からなる重合体、または共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物を共重合した共重合体である。共役ジエン単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。なかでも1,3−ブタジエンが好ましい。これらは単独でも、2種以上の組み合わせでもよい。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンなどが挙げられる。なかでもスチレンが好ましい。これらは単独でも、2種以上の組み合わせでもよい。
共役ジエン単量体からなる重合体として、好ましくはブタジエンゴムが例示される。また共役ジエン単量体および芳香族ビニル化合物の共重合体として、好ましくはスチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。
本発明において、共役ジエン系共重合体は、共役ジエン単量体、または共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物とを有機活性金属を用いて重合されてなる。有機活性金属として、有機アルカリ金属化合物が好ましく、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどの有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼンなどの有機多価リチウム化合物;ナトリウムナフタレンなどの有機ナトリウム化合物;カリウムナフタレンなどの有機カリウム化合物が挙げられる。また、3,3−(N,N−ジエメチルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−(N,N−ジエチルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−(N,N−ジプロピルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−モルホリノ−1−プロピルリチウム、3−イミダゾール−1−プロピルリチウム及びこれらをブタジエン、イソプレン又はスチレン1〜10ユニットにより鎖延長した有機リチウム化合物なども使用することができる。
共役ジエン系共重合体は、有機活性金属を用いて重合された共重合体の活性末端と、下記式(1)で表されるリン酸エステル化合物もしくは下記式(2)で表される亜リン酸エステル化合物とを反応させて得られる。
(式中、R1〜R6は、互いに独立して炭素数1〜18の炭化水素基である。)
上記式(1)、(2)において、R1〜R6は、互いに独立して炭素数1〜18の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基である。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基のいずれでもよく、炭素−炭素不飽和結合を有してもよい。また直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。更に酸素、窒素、硫黄、ハロゲン原子のようなヘテロ原子を含む官能基を有してもよい。
脂肪族炭化水素基として、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、オクタデシル基、オレイル基などが挙げられる。なかでも、エチル基、2−エチルヘキシル基、オクタデシル基、ドデシル基、オレイル基などが好ましい。脂環式炭化水素基として、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。また芳香族炭化水素基として、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられる。
共役ジエン系共重合体は、少なくとも1つの末端に前記式(1)で表されるリン酸エステル化合物もしくは前記式(2)で表される亜リン酸エステル化合物由来の変性基を有する。好ましくは両末端にリン酸エステル化合物もしくは亜リン酸エステル化合物由来の変性基を有するとよい。
共役ジエン系共重合体の製造方法は、特に制限されるものではなく、通常の方法により、有機活性金属を用いて重合された共重合体の活性末端と、リン酸エステル化合物もしくは亜リン酸エステル化合物とを反応させることができる。例えば、n−ブチルリチウムを重合開始剤として、1,3−ブタジエンとスチレンをアニオン重合することにより生じる活性アニオン末端にトリエチルホスフェイトを反応させる方法で、リン酸エステル化合物もしくは亜リン酸エステル化合物由来の変性基を付与することができる。
共役ジエン系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100,000以上、より好ましくは200,000以上であるとよい。重量平均分子量が100,000未満では、機械的特性が十分に得られない虞がある。また、共役ジエン系共重合体の重量平均分子量は、好ましくは3,000,000以下、より好ましくは2,000,000以下である。重量平均分子量が3,000,000を超えると、粘度が高くなり加工性が低下する傾向がある。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による測定値から標準ポリスチレン換算により求めることができる。
共役ジエン系共重合体がスチレンブタジエン共重合体である場合、そのスチレン含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。スチレン含有量が3質量%未満であると、スチレンブタジエン共重合体としての機械的強度が発現しない。また、スチレンブタジエン共重合体のスチレン含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。スチレン含有量が60質量%を超えると、ガラス転位温度が上昇し、低温特性が悪化し、低燃費性も悪化する虞がある。なお、スチレン含有量は、1H−NMRにより測定することができる。
スチレンブタジエン共重合体におけるブタジエン部分のビニル含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。ビニル含有量が3質量%未満であると、シランカップリング剤との反応性が下がり、所望のシリカ分散が得られない可能性がある。また、スチレンブタジエン共重合体のブタジエン部分のビニル含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下である。ビニル含有量が80質量%を超えると、ガラス転位温度が上昇し、低温特性が悪化し、低燃費性も悪化する虞がある。また、シランカップリング剤との反応が過多となり、加工性の悪化を招く可能性がある。なお、ビニル含有量は、1H−NMRにより測定することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中、共役ジエン系共重合体を10〜100質量%、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%含有する。共役ジエン系共重合体が10質量%未満であると、所期の効果が十分に得られない。
タイヤ用ゴム組成物は、共役ジエン系共重合体の他に、他のゴム系重合体を含有してもよい。他のゴム系重合体として、例えばエチレン−プロピレンゴム(EPM)、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。
本発明において、他のゴム系重合体は、ゴム成分100質量%中90質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下含有することができる。他のゴム系重合体が90質量%を超えると、所期の効果が十分に得られない。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シリカおよびシランカップリング剤を配合する。シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対し、80〜200質量部、好ましくは80〜150質量部、より好ましくは80〜120質量部であるとよい。シリカの配合量を80質量部以上にすることによりゴム組成物の低転がり抵抗性およびウェットグリップ性能のバランスを向上することができる。またカーボンブラックおよびシリカの配合量を200質量部以下にすることにより、加工性の悪化を抑えることができ、ゴム組成物の発熱性の悪化を抑制することができる。またタイヤにしたとき重量の増加を抑制することができる。
本発明においてシリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらを単独または2種以上を組合わせて使用してもよい。シリカのCTAB吸着比表面積は、特に制限されるものではないが、好ましくは100〜300m2/g、より好ましくは150〜300m2/gであるとよい。シリカのCTAB吸着比表面積を100m2/g以上にすることにより、ゴム組成物の機械的特性を確保することができる。またシリカのCTAB吸着比表面積を300m2/g以下にすることにより、ウェット性能および低転がり抵抗性を良好にすることができる。本明細書において、シリカのCTAB比表面積は、ISO 5794により測定された値とする。
本発明では、シリカと共にシランカップリング剤を配合することにより、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を向上し、機械的特性、低転がり抵抗性およびウェット性能のバランスをより高くすることができる。シランカップリング剤は、シリカ量の2〜20質量%、好ましくは3〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%配合する。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の2質量%未満であるとシリカの分散を十分に改良することができない虞がある。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の20質量%を超えるとシランカップリング剤同士が縮合し、ゴム組成物における所望の硬度や強度を得ることができない。
シランカップリング剤の種類は、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等の硫黄含有シランカップリング剤を例示することができる。硫黄含有シランカップリング剤として、好ましくはメルカプト基を有するシランカップリング剤であり、より好ましくは以下の式(3)の平均組成式で表されるとよい。
(式中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R7は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、a〜eは、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす実数である。)
上記一般式(3)で表される平均組成式を有するポリシロキサン(メルカプトシラン化合物)は、その骨格として、シロキサン骨格を有する。シロキサン骨格は直鎖状、分岐状、3次元構造のいずれか又はこれらの組み合わせとすることができる。
上記一般式(3)において、a、bの少なくとも1つが0でない。すなわち、a,bの少なくとも1つが0より大であり、a及びbの両方が0より大でもよい。よって、このポリシロキサンは、スルフィド基を含有する2価の有機基A、炭素数5〜10の1価の炭化水素基Bから選ばれる少なくとも一つを必ず含む。
上記一般式(3)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤が、炭素数5〜10の1価の炭化水素基Bを有する場合、メルカプト基を保護しムーニースコーチ時間が長くなると同時に、ゴムとの親和性に優れることで加工性をより優れたものにする。このため一般式(3)における炭化水素基Bの添え字bは、0.10≦b≦0.89であるとよい。炭化水素基Bの具体例としては、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10の1価の炭化水素基、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。これによりメルカプト基を保護しムーニースコーチ時間を長くし加工性により優れ、低発熱性をより優れたものにすることができる。
上記一般式(3)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤が、スルフィド基を含有する2価の有機基Aを有する場合、低発熱性、加工性(特にムーニースコーチ時間の維持・長期化)をより優れたものにする。このため一般式(5)におけるスルフィド基を含有する2価の有機基Aの添え字aは、0<a≦0.50であるとよい。
スルフィド基を含有する2価の有機基Aは、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基とすることができる。
スルフィド基含有有機基Aとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(4)で表される基であることが好ましい。
上記一般式(4)で表される基の具体例としては、例えば、*−CH2−S2−CH2−*、*−C2H4−S2−C2H4−*、*−C3H6−S2−C3H6−*、*−C4H8−S2−C4H8−*、*−CH2−S4−CH2−*、*−C2H4−S4−C2H4−*、*−C3H6−S4−C3H6−*、*−C4H8−S4−C4H8−*などが挙げられる。
上記一般式(3)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤は、加水分解性基Cを有することによって、シリカとの親和性及び/又は反応性を優れたものにする。一般式(3)における加水分解性基Cの添え字cは、低発熱性、加工性がより優れ、シリカの分散性がより優れるというる理由から、1.2≦c≦2.0であるとよい。加水分解性基Cの具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。加水分解性基Cとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(5)で表される基であることが好ましい。
上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記一般式(3)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤は、メルカプト基を含有する有機基Dを有することによって、ジエン系ゴムと相互作用及び/又は反応することができ、低発熱性を優れたものにする。メルカプト基を含有する有機基Dの添え字dは、0.1≦d≦0.8であるとよい。メルカプト基を含有する有機基Dとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(6)で表される基であることが好ましい。
上記一般式(6)で表される基の具体例としては、*−CH2SH、*−C2H4SH、*−C3H6SH、*−C4H8SH、*−C5H10SH、*−C6H12SH、*−C7H14SH、*−C8H16SH、*−C9H18SH、*−C10H20SHが挙げられる。
上記一般式(3)において、R7は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。炭化水素基R11としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シリカ以外に他の充填剤を配合することができる。他の充填剤としては、例えばカーボンブラック、クレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等を例示することができる。なかでもカーボンブラックが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲内で配合することができる。またかかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のタイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤのキャップトレッドを形成するのに好適である。本発明の低転がり抵抗性、ウェット性能に優れ、高引張り応力、高ゴム硬度、および低ゴム粘度に優れたタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、低転がり抵抗性、ウェット性能、操縦安定性および耐摩耗性に優れ、更に加工性に優れるため、高品質タイヤとして安定的に生産することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表7に記載されたタイヤ用ゴム組成物の共通組成を有し、表1〜6に記載の原材料を配合した15種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜4、標準例1〜6、比較例1〜5)を調製するにあたり、硫黄、および加硫促進剤を除く成分を1.7Lのバンバリーミキサーで5分間混練し、145℃に達したとき放出し冷却しマスターバッチとした。得られたマスターバッチに、硫黄、および加硫促進剤を加えて70℃のオープンロールで混練することにより、15種類のタイヤ用ゴム組成物を得た。表1〜6においてシリカ量に対するシランカップリング剤の質量%を括弧内に付記した。なお表7に記載の各添加剤の配合量は、表1〜6に記載のゴム成分100質量部に対する質量部として表されている。
得られたタイヤ用ゴム組成物のムーニー粘度を以下の方法で測定した。また、所得られたタイヤ用ゴム組成物を、所定形状の金型を用いて180℃で、5分間加硫し、加硫ゴム試験片を作成した。得られた加硫ゴム試験片を用いて以下の方法で、0℃および60℃のtanδ、ゴム硬度、および300%引張応力を求めた。
ムーニー粘度
得られたゴム組成物のムーニー粘度をJIS K6300−1:2001に準拠して、ムーニー粘度計にてL形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃の条件で測定した。得られた結果は、表1〜6において標準例1〜6の値をそれぞれ100とする指数として、表1〜6の「粘度ML1+4(100℃)」の欄に記載した。この指数が小さいほど粘度が低く、成形加工性が良好であることを意味する。
得られたゴム組成物のムーニー粘度をJIS K6300−1:2001に準拠して、ムーニー粘度計にてL形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃の条件で測定した。得られた結果は、表1〜6において標準例1〜6の値をそれぞれ100とする指数として、表1〜6の「粘度ML1+4(100℃)」の欄に記載した。この指数が小さいほど粘度が低く、成形加工性が良好であることを意味する。
0℃および60℃のtanδ
得られた加硫ゴム試験片の動的粘弾性を、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定し、温度0℃および60℃におけるtanδを求めた。得られた0℃のtanδ結果は、表1〜6において標準例1〜6の値をそれぞれ100とする指数として、表1〜6の「ウェット性能」の欄に記載した。ウェット性能の指数が大きいほど、タイヤにしたときウェット性能が優れることを意味する。また60℃のtanδ結果は、表1〜6において標準例1〜6の値をそれぞれ100とする指数として、表1〜6の「低転がり抵抗性」の欄に記載した。低転がり抵抗性の指数が小さいほど発熱性が小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗性が小さく優れることを意味する。
得られた加硫ゴム試験片の動的粘弾性を、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定し、温度0℃および60℃におけるtanδを求めた。得られた0℃のtanδ結果は、表1〜6において標準例1〜6の値をそれぞれ100とする指数として、表1〜6の「ウェット性能」の欄に記載した。ウェット性能の指数が大きいほど、タイヤにしたときウェット性能が優れることを意味する。また60℃のtanδ結果は、表1〜6において標準例1〜6の値をそれぞれ100とする指数として、表1〜6の「低転がり抵抗性」の欄に記載した。低転がり抵抗性の指数が小さいほど発熱性が小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗性が小さく優れることを意味する。
ゴム硬度
上記により得られた加硫ゴム試験片を用いて、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃でゴム硬度を測定した。得られた結果は、表1〜6において標準例1〜6の値をそれぞれ100とする指数として、表1〜6の「ゴム硬度(20℃)」の欄に記載した。この指数が大きいほどゴム硬度が高く、タイヤにしたときの操縦安定性および耐摩耗性が優れることを意味する。
上記により得られた加硫ゴム試験片を用いて、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃でゴム硬度を測定した。得られた結果は、表1〜6において標準例1〜6の値をそれぞれ100とする指数として、表1〜6の「ゴム硬度(20℃)」の欄に記載した。この指数が大きいほどゴム硬度が高く、タイヤにしたときの操縦安定性および耐摩耗性が優れることを意味する。
300%引張応力
上記により得られた加硫ゴム試験片を用いて、JIS K6251に準拠して、ダンベル型JIS3号形試験片を作製した。得られた試験片を用い、室温(23℃)で500mm/分の引張り速度で引張り試験を行い、300%伸長時の引張り応力を測定した。得られた結果は、表1〜6において標準例1〜6の値をそれぞれ100とする指数として、表1〜6の「300%引張応力」の欄に記載した。この指数が大きいほど300%引張応力が高く、タイヤにしたときの操縦安定性が優れることを意味する。
上記により得られた加硫ゴム試験片を用いて、JIS K6251に準拠して、ダンベル型JIS3号形試験片を作製した。得られた試験片を用い、室温(23℃)で500mm/分の引張り速度で引張り試験を行い、300%伸長時の引張り応力を測定した。得られた結果は、表1〜6において標準例1〜6の値をそれぞれ100とする指数として、表1〜6の「300%引張応力」の欄に記載した。この指数が大きいほど300%引張応力が高く、タイヤにしたときの操縦安定性が優れることを意味する。
なお、表1〜6において使用した原材料の種類を下記に示す。
・S−SBR−1:溶液重合スチレンブタジエン共重合体、以下の製造方法により調製した。スチレン含有量が36.3質量%、ビニル含有量が39.2重量質量%、重量平均分子量が303800、重量平均分子量/数平均分子量が1.05である未変性SBR。
S−SBR−1の製造方法
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4533g、スチレン310.0g(2.976mol)、ブタジエン544.0g(10.057mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.305mL(2.045mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム4.877mL(7.657mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、減圧濃縮して溶媒を取り除いた。メタノール中でポリマーを凝固、洗浄した後に、乾燥することにより固形状のポリマー、S−SBR−1を得た。
・S−SBR−1:溶液重合スチレンブタジエン共重合体、以下の製造方法により調製した。スチレン含有量が36.3質量%、ビニル含有量が39.2重量質量%、重量平均分子量が303800、重量平均分子量/数平均分子量が1.05である未変性SBR。
S−SBR−1の製造方法
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4533g、スチレン310.0g(2.976mol)、ブタジエン544.0g(10.057mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.305mL(2.045mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム4.877mL(7.657mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、減圧濃縮して溶媒を取り除いた。メタノール中でポリマーを凝固、洗浄した後に、乾燥することにより固形状のポリマー、S−SBR−1を得た。
・S−SBR−2:溶液重合スチレンブタジエン共重合体、以下の製造方法により調製した。スチレン含有量が36.6質量%、ビニル含有量が38.0重量質量%、重量平均分子量が239400、重量平均分子量/数平均分子量が1.03であるトリエチルホスフェイトで末端が変性されたSBR。
S−SBR−2の製造方法
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4521g、スチレン305.0g(2.928mol)、ブタジエン528.3g(9.767mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.352mL(2.363mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム5.180mL(8.132mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、トリエチルホスフェイト0.782g(4.292mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、減圧濃縮して溶媒を取り除いた。メタノール中でポリマーを凝固、洗浄した後に、乾燥することにより固形状のポリマー、S−SBR−2を得た。
S−SBR−2の製造方法
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4521g、スチレン305.0g(2.928mol)、ブタジエン528.3g(9.767mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.352mL(2.363mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム5.180mL(8.132mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、トリエチルホスフェイト0.782g(4.292mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、減圧濃縮して溶媒を取り除いた。メタノール中でポリマーを凝固、洗浄した後に、乾燥することにより固形状のポリマー、S−SBR−2を得た。
・S−SBR−3:溶液重合スチレンブタジエン共重合体、以下の製造方法により調製した。スチレン含有量が35.9質量%、ビニル含有量が38.8重量質量%、重量平均分子量が254000、重量平均分子量/数平均分子量が1.06であるメチルトリメトキシシリルで末端が変性されたSBR。
S−SBR−3の製造方法
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4515g、スチレン307.6g(2.953mol)、ブタジエン549.2g(10.154mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.363mL(2.439mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム5.268mL(8.271mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、メチルトリメトキシシラン0.585g(4.291mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、減圧濃縮して溶媒を取り除いた。メタノール中でポリマーを凝固、洗浄した後に、乾燥することにより固形状のポリマー、S−SBR−3を得た。
S−SBR−3の製造方法
窒素置換された内容量10Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン4515g、スチレン307.6g(2.953mol)、ブタジエン549.2g(10.154mol)およびN,N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン0.363mL(2.439mmol)を仕込み、攪拌を開始した。反応容器内の内容物の温度を50℃にした後、n−ブチルリチウム5.268mL(8.271mmol)を添加した。重合転化率がほぼ100%に到達した後、メチルトリメトキシシラン0.585g(4.291mmol)を添加し、30分間反応させた。メタノール0.5mLを添加して30分間攪拌した。得られたポリマー溶液に老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、減圧濃縮して溶媒を取り除いた。メタノール中でポリマーを凝固、洗浄した後に、乾燥することにより固形状のポリマー、S−SBR−3を得た。
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン(株)製Nipol BR1220
・シリカ:Evonik社製 9000GR、CTAB比表面積が200m2/g
・カーボンブラック:キャボットジャパン社製ショウブラックN339
・カップリング剤−1:シランカップリング剤、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、Evonik社製Si266
・カップリング剤−2:以下の製造方法により調製され、前記式(3)が
[(−C3H6−S4−C3H6−)0.071(−C8H17)0.571(−OC2H5)1.50(−C3H6SH)0.286SiO0.75]で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤。
<カップリング剤−2の製造方法>
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学工業製KBE−846)107.8g(0.2mol)、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製KBE−803)190.8g(0.8mol)、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業製KBE−3083)442.4g(1.6mol)、エタノール190.0gを納めた後、室温にて0.5N塩酸37.8g(2.1mol)とエタノール75.6gの混合溶液を滴下した。その後、80℃にて2時間攪拌した。その後、濾過、5%KOH/EtOH溶液17.0gを滴下し80℃で2時間攪拌した。その後、減圧濃縮、濾過することで褐色透明液体のポリシロキサン480.1gを得た。GPCにより測定した結果、平均分子量は840であり、平均重合度は4.0(設定重合度4.0)であった。また、酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によりメルカプト当量を測定した結果、730g/molであり、設定通りのメルカプト基含有量であることが確認された。以上より、得られたポリシロキサンは下記平均組成式で示される。
[(−C3H6−S4−C3H6−)0.071(−C8H17)0.571(−OC2H5)1.50(−C3H6SH)0.286SiO0.75]
・オイル:昭和シェル石油社製エキストラクト 4号S
・シリカ:Evonik社製 9000GR、CTAB比表面積が200m2/g
・カーボンブラック:キャボットジャパン社製ショウブラックN339
・カップリング剤−1:シランカップリング剤、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、Evonik社製Si266
・カップリング剤−2:以下の製造方法により調製され、前記式(3)が
[(−C3H6−S4−C3H6−)0.071(−C8H17)0.571(−OC2H5)1.50(−C3H6SH)0.286SiO0.75]で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤。
<カップリング剤−2の製造方法>
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学工業製KBE−846)107.8g(0.2mol)、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製KBE−803)190.8g(0.8mol)、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業製KBE−3083)442.4g(1.6mol)、エタノール190.0gを納めた後、室温にて0.5N塩酸37.8g(2.1mol)とエタノール75.6gの混合溶液を滴下した。その後、80℃にて2時間攪拌した。その後、濾過、5%KOH/EtOH溶液17.0gを滴下し80℃で2時間攪拌した。その後、減圧濃縮、濾過することで褐色透明液体のポリシロキサン480.1gを得た。GPCにより測定した結果、平均分子量は840であり、平均重合度は4.0(設定重合度4.0)であった。また、酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によりメルカプト当量を測定した結果、730g/molであり、設定通りのメルカプト基含有量であることが確認された。以上より、得られたポリシロキサンは下記平均組成式で示される。
[(−C3H6−S4−C3H6−)0.071(−C8H17)0.571(−OC2H5)1.50(−C3H6SH)0.286SiO0.75]
・オイル:昭和シェル石油社製エキストラクト 4号S
なお、表7において使用した原材料の種類を下記に示す。
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
・老化防止剤:Solutia社製SANTOFLEX 6PPD
・硫黄:細井化学工業社製油処理硫黄、硫黄含有率が95質量%
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製ノクセラー CZ−G(CBS)
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
・老化防止剤:Solutia社製SANTOFLEX 6PPD
・硫黄:細井化学工業社製油処理硫黄、硫黄含有率が95質量%
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製ノクセラー CZ−G(CBS)
表1〜6から明らかなように実施例1〜4のタイヤ用ゴム組成物は、低転がり抵抗性、ウェット性能に優れ、引張り応力、ゴム硬度が高く、且つゴム粘度が低いことが確認された。
比較例1のタイヤ用ゴム組成物は、リン酸エステル化合物もしくは亜リン酸エステル化合物で変性されたSBRを配合せず、未変性のSBRにリン酸エステルを配合したのでゴム硬度が低下する。
比較例2のタイヤ用ゴム組成物は、リン酸エステル化合物もしくは亜リン酸エステル化合物で変性されたSBRの代わりに、メチルトリメトキシシリルで変性したSBRを配合したので、ゴム粘度が高く、ゴム硬度が低い。
比較例3のタイヤ用ゴム組成物は、リン酸エステル化合物で変性されたSBR(S−SBR−2)の配合量が10質量%未満であるので、ゴム硬度が低い。
比較例4のタイヤ用ゴム組成物は、シリカの配合量が80質量部未満であるので、ウェット性能および300%引張応力が劣る。
比較例5のタイヤ用ゴム組成物は、シリカの配合量が200質量部を越えるので、粘度が高くなり、300%引張応力が劣る。
比較例2のタイヤ用ゴム組成物は、リン酸エステル化合物もしくは亜リン酸エステル化合物で変性されたSBRの代わりに、メチルトリメトキシシリルで変性したSBRを配合したので、ゴム粘度が高く、ゴム硬度が低い。
比較例3のタイヤ用ゴム組成物は、リン酸エステル化合物で変性されたSBR(S−SBR−2)の配合量が10質量%未満であるので、ゴム硬度が低い。
比較例4のタイヤ用ゴム組成物は、シリカの配合量が80質量部未満であるので、ウェット性能および300%引張応力が劣る。
比較例5のタイヤ用ゴム組成物は、シリカの配合量が200質量部を越えるので、粘度が高くなり、300%引張応力が劣る。
Claims (5)
- 前記シリカのCTAB比表面積が150〜300m2/gであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記シランカップリング剤がメルカプト基を有することを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物からなるキャップトレッドを有する空気入りタイヤ。
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JP2017205289A JP2019077772A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | タイヤ用ゴム組成物 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP7365852B2 (ja) | 2019-10-24 | 2023-10-20 | Toyo Tire株式会社 | 末端変性ジエン系ポリマー、及びその製造方法 |
-
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- 2017-10-24 JP JP2017205289A patent/JP2019077772A/ja active Pending
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