JP2014118069A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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薫理 田中
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慶茂 李
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Abstract

【課題】耐久性に優れる重荷重用空気入りタイヤ2の提供。
【解決手段】このタイヤ2では、ベースラインBLからビード10のハードエイペックス36の外側端58までの半径方向高さL2と、このベースラインBLからフィラー22の第一端56aまでの半径方向高さPとの差(L2−P)は、8mm以上である。この高さPと、ベースラインBLからカーカスプライ40の折り返し部44の端46までの半径方向高さNとの差(P−N)は、−15mm以上15mm以下である。この高さNと、ベースラインBLからフィラー22の第二端56bまでの半径方向高さOとの差(N−O)は、8mm以上16mm以下である。このタイヤ2の断面高さに対する高さNの比は、0.25以上0.32以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、重荷重用の空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、トラック、バス等の車両に用いられる空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、通常、一方のビードと他方のビードとを架け渡したカーカスを備えている。カーカスは、カーカスプライを用いて形成される。カーカスプライは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。カーカスプライは、ビードのコアの周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返される。
トラック、バス等の車両に装着された、重荷重用の空気入りタイヤには、大きな荷重がかかる。このタイヤの内圧は高い。このため、カーカスプライのコードには、大きな張力が作用する。このタイヤでは、折り返し部においてコードは半径方向内向きに引っ張られている。
カーカスプライにおいて、コードは硬質でありトッピングゴムは軟質である。このため、折り返されたカーカスプライ(以下、折り返し部とも称される。)の端には歪みが集中しやすい。前述したように、折り返し部においてコードは半径方向内向きに引っ張られている。このため、歪みの集中はセパレーションを招来する。しかもこのセパレーションは、クラックに進展することがある。折り返し部の端は、耐久性に影響する。耐久性の観点から、折り返し部の端を含むビードの部分の構成について様々な検討がなされている。この検討の一例が、特開2000−127719公報に開示されている。
特開2000−127719公報
耐久性の観点から、大きな厚みを有するエイペックスを採用することがある。このエイペックスは、ビードの部分の倒れを抑えうる。これにより、折り返し部の端への歪みの集中が緩和される。
走行状態にあるタイヤでは、撓みが繰り返される。この撓みは、発熱を招来する。このタイヤでは、大きな厚みを有するエイペックスが採用されているので、ビードの部分の容積は大きい。大きな容積は、大きな発熱を招来する。ビードの部分はブレーキドラムの近くに位置するので、このビードの部分にはブレーキドラムの熱も伝導する。ゴムは放熱性に劣るので、このビードの部分には熱が溜まってしまう。熱は、部材の劣化を促進させる。このタイヤでは、十分な耐久性は得られない。しかも大きな厚みを有するエイペックスは、タイヤの質量を増加させる。質量の増加は、燃費に影響する。
耐久性の観点から、ビードの部分に、並列された多数のコードを含むフィラーを追加することがある。フィラーの追加は、ビードの部分の容積に影響する。大きな容積は、大きな発熱を招来する。前述したように、熱は部材の劣化を促進させる。このタイヤでは、十分な耐久性は得られない。しかもフィラーの追加は、タイヤの質量を増加させる。質量の増加は、燃費に影響する。
本発明の目的は、耐久性に優れる重荷重用空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれがサイドウォールの端から半径方向略内向きに延びる一対のチェーファーと、それぞれがチェーファーよりも軸方向内側に位置する一対のビードと、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、それぞれが軸方向において上記チェーファーと上記ビードとの間に位置する一対のインナーサイドウォールと、それぞれが軸方向において上記インナーサイドウォールと上記ビードとの間に位置する一対のストリップと、それぞれが軸方向において上記ストリップと上記インナーサイドウォールとの間に位置する一対の中間層と、それぞれが上記ビードの近くに位置し、並列された多数のコードを含む一対のフィラーとを備えている。上記ビードは、コアと、このコアから半径方向外向きに延びるハードエイペックスと、このハードエイペックスからさらに半径方向外向きに延びるソフトエイペックスとを備えている。上記カーカスは、カーカスプライを備えている。上記カーカスプライは、上記コアの周りで折り返されている。この折り返しにより、このカーカスプライに主部及び折り返し部が形成されている。この折り返し部の端は、軸方向において上記ストリップと上記中間層との間に位置している。上記フィラーは、上記カーカスプライの内側において上記コアの周りで折り返されている。上記フィラーの第一端は、軸方向において上記主部よりも内側に位置している。このフィラーの第一端は、半径方向において上記ハードエイペックスの外側端よりも内側に位置している。上記フィラーの第二端は、軸方向において上記折り返し部と上記インナーサイドウォールとの間に位置している。このフィラーの第二端は、半径方向において上記折り返し部の端よりも内側に位置している。ベースラインから上記ハードエイペックスの外側端までの半径方向高さL2と、このベースラインから上記フィラーの第一端までの半径方向高さPとの差(L2−P)は、8mm以上である。上記半径方向高さPと、上記ベースラインから上記折り返し部の端までの半径方向高さNとの差(P−N)は、−15mm以上15mm以下である。上記半径方向高さNと、上記ベースラインから上記フィラーの第二端までの半径方向高さOとの差(N−O)は、8mm以上16mm以下である。このタイヤの断面高さに対する上記半径方向高さNの比は、0.25以上0.32以下である。上記ハードエイペックスの複素弾性率Eh*は、30MPa以上60MPa以下である。上記チェーファーの複素弾性率Ec*は、12MPa以上14MPa以下である。上記ストリップの複素弾性率Et*は、6.0MPa以上12MPa以下である。上記中間層の複素弾性率Ev*は、6.0MPa以上12MPa以下である。上記ソフトエイペックスの複素弾性率Es*は、4.0MPa以上5.5MPa以下である。上記インナーサイドウォールの複素弾性率Ei*は、4.0MPa以上5.5MPa以下である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、上記折り返し部の端からの厚みが最短となる上記サイドウォールの外面上の地点がPBとされたとき、この折り返し部の端及び地点PBを通る仮想直線に沿って計測される、上記チェーファーの厚みと上記インナーサイドウォールの厚みとの合計厚みJ1Rは、2mm以上4mm以下である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、上記仮想直線に沿って計測される、上記ストリップの厚みと上記中間層の厚みとの合計厚みJ2は、3mm以上5mm以下である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、上記仮想直線に沿って計測される、上記ソフトエイペックスの厚みJ3は、6mm以上12mm以下である。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤでは、折り返し部の端並びにフィラーの第一端及び第二端の位置が適正に調整されている。その上、ハードエイペックス、ソフトエイペックス、チェーファー、ストリップ、中間層及びインナーサイドウォールは適正な弾性率を有している。このタイヤのビードの部分では、走行状態において応力は全体に分散する。このタイヤでは、折り返し部の端への歪みの集中が緩和されている。しかもこのタイヤでは、この歪みの集中を抑えるためにビードの部分に新たに部材を追加する必要はない。このタイヤでは、ビードの部分の容積が適正に維持される。このタイヤでは、ビードの部分における過剰な発熱が防止されているので、この部分を構成する部材の劣化が抑えられる。歪みの集中が緩和され、しかも熱による部材の劣化が抑えられているので、このタイヤでは、セパレーションのような損傷が効果的に防止される。このタイヤは、耐久性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図中、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
図1において、符号Rで示されているのはリムである。この図1において、タイヤ2はリムRに組み込まれている。このリムRは、正規リムである。このタイヤ2には、空気が充填されている。このタイヤ2の内圧は、正規内圧である。符号Fで示されているのは、リムRのフランジである。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、特に言及のない限り、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、チェーファー8、ビード10、カーカス12、ベルト14、インナーサイドウォール16、ストリップ18、中間層20、フィラー22、インナーライナー24、インサート26及びクッション層28を備えている。このタイヤ2は、トラック、バス等に装着される。このタイヤ2は、重荷重用の空気入りタイヤである。
図示されていないが、このタイヤ2はチューブをさらに備えている。このタイヤ2の内圧は、チューブに空気を充填することにより調整される。このタイヤ2は、チューブタイプである。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接触するトレッド面30を形成する。トレッド面30には、溝32が刻まれている。この溝32により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側部分は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側部分は、チェーファー8と接合されている。図から明らかなように、サイドウォール6はカーカス12よりも軸方向外側に位置している。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。サイドウォール6は、チェーファー8よりも軟質である。軟質なサイドウォール6は、撓みに寄与しうる。
図1において、符号PSはサイドウォール6の半径方向内側端を表している。符号PFは、リムRの半径方向外側端を表している。図から明らかなように、このタイヤ2がリムRに組み込まれたとき、サイドウォール6の内側端PSはリムRの外側端PFよりも半径方向外側に位置している。このタイヤ2では、サイドウォール6によるビード10の部分の剛性への影響が抑えられている。
チェーファー8は、サイドウォール6から半径方向略内向きに延びている。チェーファー8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。チェーファー8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。チェーファー8は、リムRのフランジFと当接する。チェーファー8は、サイドウォール6よりも硬質である。硬質なチェーファー8は、ビード10の部分の剛性に寄与しうる。走行状態のタイヤ2において、チェーファー8はビード10の部分の倒れを抑えうる。
図1において、符号PCはチェーファー8の半径方向外側端を表している。この外側端PCは、サイドウォール6の内側端PSよりも半径方向外側に位置している。このタイヤ2では、チェーファー8の、サイドウォール6の内側端PSよりも半径方向外側の部分は、外側端PCに向かって先細りである。このタイヤ2では、硬質なチェーファー8による撓みへの影響が抑えられている。このタイヤ2は、適切な乗り心地を有している。
ビード10は、チェーファー8よりも軸方向内側に位置している。ビード10は、コア34と、ハードエイペックス36と、ソフトエイペックス38とを備えている。
コア34は、リング状である。コア34は、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。図から明らかなように、このタイヤ2では、コア34の輪郭は六角形である。このタイヤ2では、六角形の一辺が軸方向に延在するようにコア34は構成されている。
ハードエイペックス36は、コア34から半径方向外向きに延びている。ハードエイペックス36は、半径方向外向きに先細りである。ハードエイペックス36は、高硬度な架橋ゴムからなる。ハードエイペックス36は、ビード10の部分の剛性に寄与しうる。ハードエイペックス36は、ビード10の部分の倒れを抑えうる。
ソフトエイペックス38は、ハードエイペックス36から半径方向外向きに延びている。ソフトエイペックス38は、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。ソフトエイペックス38は、ハードエイペックス36よりも軟質である。ソフトエイペックス38は、歪みの集中を緩和しうる。
カーカス12は、カーカスプライ40からなる。カーカスプライ40は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。カーカスプライ40は、コア34の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ40には、主部42と折り返し部44とが形成されている。折り返し部44の端46は、軸方向において、ストリップ18と中間層20との間に位置している。
前述したように、サイドウォール6は軟質であり、チェーファー8は硬質である。このサイドウォール6とチェーファー8との境界は、特異である。図から明らかなように、このタイヤ2では、折り返し部44の端46は、半径方向において、チェーファー8の外側端PCよりも内側に位置しており、サイドウォール6の内側端PSよりも外側に位置している。言い換えれば、折り返し部44の端46は、半径方向において、外側端PCと内側端PSとの間に位置している。このタイヤ2では、折り返し部44の端46への歪みの集中が抑えられている。
カーカスプライ40は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。コードは、スチールからなる。コードに、有機繊維が用いられてもよい。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス12が、2枚以上のカーカスプライ40から形成されてもよい。
ベルト14は、軸方向に延在している。ベルト14は、半径方向においてトレッド4の内側に位置している。このベルト14は、カーカス12の半径方向外側に位置している。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。このタイヤ2では、ベルト14は、第一層48a、第二層48b、第三層48c及び第四層48dからなる。このベルト14は4層から構成されている。このベルト14が3層で構成されてもよい。
第一層48aは、半径方向においてベルト14の内側部分をなす。第一層48aは、赤道面においてカーカス12と積層されている。第二層48bは、第一層48aの半径方向外側に位置している。第二層48bは、第一層48aと積層されている。このタイヤ2では、軸方向において、第二層48bがベルト14をなす4層のうち最も大きな幅を有している。第三層48cは、第二層48bの半径方向外側に位置している。第三層48cは、第二層48bと積層されている。このタイヤ2では、軸方向において、第三層48cの幅は第一層48aの幅と略同等である。第四層48dは、第三層48cの半径方向外側に位置している。第四層48dは、第三層48cと積層されている。このタイヤ2では、軸方向において、第四層48dがベルト14をなす4層のうち最も小さな幅を有している。
図示されていないが、第一層48a、第二層48b、第三層48c及び第四層48dのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、スチールからなる。このコードは、赤道面に対して傾斜している。第一層48aのコードの赤道面に対する傾斜方向は、第二層48bのコードの赤道面に対する傾斜方向とは同じである。第二層48bのコードの赤道面に対する傾斜方向は、第三層48cのコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。第三層48cのコードの赤道面に対する傾斜方向は、第四層48dのコードの赤道面に対する傾斜方向とは同じである。それぞれの層において、コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、15°から70°である。
インナーサイドウォール16は、軸方向において、チェーファー8とビード10との間に位置している。インナーサイドウォール16は、ビード10のコア34の近くから半径方向外向きにチェーファー8に沿って延在している。インナーサイドウォール16は、架橋ゴムからなる。インナーサイドウォール16は、チェーファー8よりも軟質である。インナーサイドウォール16は、歪みの集中を緩和しうる。
ストリップ18は、軸方向において、インナーサイドウォール16とビード10のソフトエイペックス38との間に位置している。図から明らかなように、ストリップ18はソフトエイペックス38に沿って半径方向に延在している。ストリップ18の内側端50aは、ソフトエイペックス38の内側端52aよりも半径方向外側に位置している。ストリップ18の外側端50bは、ソフトエイペックス38の外側端52bよりも半径方向内側に位置している。
図から明らかなように、半径方向において、このストリップ18の内側端50aとその外側端50bとの間に、折り返し部44の端46が位置している。この折り返し部44の端46は、ストリップ18に当接している。ストリップ18は、架橋ゴムからなる。ストリップ18は、ソフトエイペックス38よりも軟質である。ストリップ18は、インナーサイドウォール16よりも軟質である。軟質なストリップ18は、折り返し部44の端46への歪みの集中を緩和しうる。ストリップ18は、セパレーションのような損傷の防止に寄与しうる。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
中間層20は、軸方向において、ストリップ18とインナーサイドウォール16との間に位置している。中間層20の外側端54は、ストリップ18の外側端50bの近くに位置している。図から明らかなように、中間層20は折り返し部44の端46を覆っている。中間層20は、架橋ゴムからなる。中間層20は、ストリップ18と同程度の柔軟性を有している。中間層20は、ソフトエイペックス38よりも軟質である。中間層20は、インナーサイドウォール16よりも軟質である。軟質な中間層20は、折り返し部44の端46への歪みの集中を緩和しうる。中間層20は、セパレーションのような損傷の防止に寄与しうる。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
フィラー22は、ビード10の近くに位置している。フィラー22は、カーカス12と積層されている。フィラー22は、カーカスプライ40の内側において、ビード10のコア34の周りで折り返されている。このタイヤ2では、フィラー22の第一端56aは、軸方向において、カーカスプライ40の主部42よりも内側に位置している。フィラー22の第二端56bは、軸方向において、カーカスプライ40の折り返し部44とインナーサイドウォール16との間に位置している。このフィラー22の第二端56bは、ストリップ18の内側端50aの近くに位置している。フィラー22は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、スチールからなる。各コードは、半径方向に対して傾斜している。このタイヤ2では、フィラー22は、ビード10の部分の剛性に寄与しうる。フィラー22は、ビード10の部分の倒れを抑えうる。
インナーライナー24は、カーカス12の内側に位置している。インナーライナー24は、インサート26の内面に接合されている。インナーライナー24は、架橋ゴムからなる。インナーライナー24には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー24の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー24は、タイヤ2の内圧を保持する。
インサート26は、カーカス12とインナーライナー24との間に位置している。インサート26は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。インサート26は、カーカス12と堅固に接合し、インナーライナー24とも堅固に接合する。インサート26は、インナーライナー24の、タイヤ2からの剥離防止に寄与しうる。
クッション層28は、ベルト14の端の近くに位置している。クッション層28は、ベルト14とカーカス12との間に挟まれている。クッション層28は、軟質な架橋ゴムからなる。クッション層28は、ベルト14の端の応力を吸収する。このクッション層28により、ベルト14のリフティングが抑制される。
図1において、符号Peで示されているのはタイヤ2の赤道である。このタイヤ2では、赤道面に溝32が設けられているので、この溝32がないと仮定して得られる仮想トレッド面に基づいて、この赤道Peは決められる。実線BLは、ベースラインを表している。ベースラインBLは、このタイヤ2の、半径方向における最も内側の地点を通過する。このベースラインBLは、軸方向に延びる。両矢印Hは、このベースラインBLから赤道Peまでの半径方向高さを表している。この高さHは、このタイヤ2の断面高さである。両矢印Nは、ベースラインBLから折り返し部44の端46までの半径方向高さを表している。
このタイヤ2では、高さNの断面高さHに対する比は、0.25以上0.32以下である。この比が0.25以上に設定されることにより、折り返し部44においてコードが半径方向内向きに引っ張られていることによる影響が抑制される。このタイヤ2では、セパレーションのような損傷が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この比が0.32以下に設定されることにより、リムRの外側端PFから折り返し部44の端46までの距離が適正に維持される。折り返し部44の端46の動きが抑えられるので、この折り返し部44の端46への歪みの集中が抑えられる。この場合においても、セパレーションのような損傷が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、高さNは、70mm以上90mm以下が好ましい。この高さNが70mm以上に設定されることにより、折り返し部44においてコードが半径方向内向きに引っ張られていることによる影響が抑制される。このタイヤ2では、セパレーションのような損傷が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この高さNが90mm以下に設定されることにより、リムRの外側端PFから折り返し部44の端46までの距離が適正に維持される。折り返し部44の端46の動きが抑えられるので、この折り返し部44の端46への歪みの集中が抑えられる。この場合においても、セパレーションのような損傷が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
図から明らかなように、このタイヤ2では、フィラー22の第一端56aは、半径方向において、ビード10のハードエイペックス36の外側端58よりも内側に位置している。フィラー22の第一端56aがハードエイペックス36の外側端58から半径方向内側に適正な間隔を空けて配置されているので、ハードエイペックス36がビード10の部分の倒れ防止に寄与しうる。このタイヤ2では、歪みの集中が抑えられる。このタイヤ2では、セパレーションのような損傷が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
図1において、両矢印L2はベースラインBLからハードエイペックス36の外側端58までの半径方向高さを表している。両矢印Pは、ベースラインBLからフィラー22の第一端56aまでの半径方向高さを表している。
このタイヤ2では、高さL2と高さPとの差(L2−P)は8mm以上である。これにより、フィラー22の第一端56aがハードエイペックス36の外側端58と適正な間隔を空けて配置される。このタイヤ2では、ハードエイペックス36がビード10の部分の倒れ防止に寄与しうるので、歪みの集中が抑えられる。このタイヤ2は、耐久性に優れる。なお、ハードエイペックス36による乗り心地のへの影響を抑えるとの観点から、この差(L2−P)は25mm以下が好ましい。
このタイヤ2では、フィラー22の第一端56aから折り返し部44の端46までの半径方向距離が適正に調整されている。このタイヤ2では、フィラー22がビード10の部分を補強しうる。このタイヤ2では、歪みの集中が抑えられる。このタイヤ2では、セパレーションのような損傷が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。なお、このタイヤ2では、フィラー22の第一端56aが折り返し部44の端46よりも半径方向外側に位置してもよいし、このフィラー22の第一端56aがこの折り返し部44の端46よりも半径方向内側に位置してもよい。
このタイヤ2では、高さPと前述の高さNとの差(P−N)は−15mm以上15mm以下である。これにより、フィラー22の第一端56aが折り返し部44の端46と適正な間隔を空けて配置される。このタイヤ2では、フィラー22がビード10の部分の補強に効果的に寄与しうる。歪みの集中が抑えられるので、セパレーションのような損傷が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、このフィラー22の第二端56bは、半径方向において折り返し部44の端46よりも内側に位置している。フィラー22の第二端56bが折り返し部44の端46から半径方向内側に適正な間隔を空けて配置されているので、歪みの集中が抑えられる。このタイヤ2では、セパレーションのような損傷が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
図1において、両矢印OはベースラインBLからフィラー22の第二端56bまでの半径方向高さを表している。このタイヤ2では、前述の高さNと、高さOとの差(N−O)は8mm以上16mm以下である。この差(N−O)が8mm以上に設定されることにより、折り返し部44の端46とフィラー22の第二端56bとの近接が防止される。歪みの集中が緩和されるので、このタイヤ2では、セパレーションのような損傷が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この差(N−O)が16mm以下に設定されることにより、フィラー22がビード10の部分を効果的に補強しうる。この場合においても、歪みの集中が緩和されるので、セパレーションのような損傷が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、チェーファー8の複素弾性率Ec*は12MPa以上である。前述したように、このタイヤ2がリムRに組み込まれたとき、チェーファー8はこのリムRと当接する。弾性率Ec*が12MPa以上に設定されているので、このタイヤ2がリムRに組み込まれたとき、このチェーファー8は形態を適正に保持しうる。しかもこのチェーファー8がビード10の部分の倒れを抑えうるので、折り返し部44の端46への歪みの集中が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、弾性率Ec*は14MPa以下である。前述したように、このタイヤ2では、サイドウォール6の半径方向内側部分はチェーファー8と接合されている。弾性率Ec*が14MPa以下に設定されているので、チェーファー8とサイドウォール6との剛性差が適正に維持されている。このタイヤ2では、チェーファー8とサイドウォール6との界面への歪みの集中が緩和されている。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
本発明では、チェーファー8の複素弾性率Ec*は「JIS K 6394」の規定に準拠して測定される。測定条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
なお、後述する、ハードエイペックス36の複素弾性率Eh*、ストリップ18の複素弾性率Et*、中間層20の複素弾性率Ev*、ソフトエイペックス38の複素弾性率Es*及びインナーサイドウォール16の複素弾性率Ei*も、この弾性率Ec*と同様にして測定される。
このタイヤ2では、ハードエイペックス36の複素弾性率Eh*は30MPa以上である。ハードエイペックス36はチェーファー8よりも硬質である。硬質なハードエイペックス36は、ビード10の部分を補強する。ハードエイペックス36がビード10の部分の倒れを抑えうるので、折り返し部44の端46への歪みの集中が防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、弾性率Eh*は60MPa以下である。このタイヤ2では、ハードエイペックス36はソフトエイペックス38よりも硬質である。図から明らかなように、ソフトエイペックス38はハードエイペックス36に積層されている。弾性率Eh*が60MPa以下に設定されているので、ハードエイペックス36とソフトエイペックス38との剛性差が適正に維持されている。このタイヤ2では、ハードエイペックス36とソフトエイペックス38との界面への歪みの集中が緩和されている。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、ストリップ18の複素弾性率Et*は6MPa以上である。前述したように、ストリップ18は折り返し部44の端46と当接している。弾性率Et*が6MPa以上に設定されているので、ストリップ18と折り返し部44との剛性差が適正に維持されている。このタイヤ2では、折り返し部44の端46への歪みの集中が緩和されている。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、ストリップ18の複素弾性率Et*は10MPa以下である。図から明らかなように、ストリップ18はソフトエイペックス38と当接している。弾性率Et*が10MPa以下に設定されているので、ストリップ18とソフトエイペックス38との剛性差が適正に維持されている。このタイヤ2では、ストリップ18とソフトエイペックス38との界面への歪みの集中が緩和されている。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、中間層20の複素弾性率Ev*は6MPa以上である。前述したように、中間層20は折り返し部44の端46を覆っている。弾性率Ev*が6MPa以上に設定されているので、中間層20と折り返し部44との剛性差が適正に維持されている。このタイヤ2では、折り返し部44の端46への歪みの集中が緩和されている。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、中間層20の複素弾性率Ev*は10MPa以下である。図から明らかなように、中間層20はインナーサイドウォール16と当接している。弾性率Ev*が10MPa以下に設定されているので、中間層20とインナーサイドウォール16との剛性差が適正に維持されている。このタイヤ2では、中間層20とインナーサイドウォール16との界面への歪みの集中が緩和されている。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、ソフトエイペックス38の複素弾性率Es*は4MPa以上である。前述したように、ソフトエイペックス38はハードエイペックス36に積層されている。弾性率Es*が4MPa以上に設定されているので、ソフトエイペックス38とハードエイペックス36との剛性差が適正に維持されている。このタイヤ2では、ソフトエイペックス38とハードエイペックス36との界面への歪みの集中が緩和されている。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、ソフトエイペックス38の複素弾性率Es*は5.5MPa以下である。このソフトエイペックス38は、ストリップ18の柔軟性と同等の柔軟性を有しているか、又は、このストリップ18よりも軟質である。このソフトエイペックス38は、歪みの集中を効果的に緩和しうる。
このタイヤ2では、インナーサイドウォール16の複素弾性率Ei*は4MPa以上である。図から明らかなように、インナーサイドウォール16はチェーファー8と積層されている。弾性率Es*が4MPa以上に設定されているので、インナーサイドウォール16とチェーファー8との剛性差が適正に維持されている。このタイヤ2では、インナーサイドウォール16とチェーファー8との界面への歪みの集中が緩和されている。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、インナーサイドウォール16の複素弾性率Ei*は5.5MPa以下である。このインナーサイドウォール16は、中間層20の柔軟性と同等の柔軟性を有しているか、又は、この中間層20よりも軟質である。このインナーサイドウォール16は、歪みの集中を効果的に緩和しうる。
このようにこのタイヤ2では、折り返し部44の端46並びにフィラー22の第一端56a及び第二端56bの位置が適正に調整されている。その上、ハードエイペックス36、ソフトエイペックス38、チェーファー8、ストリップ18、中間層20及びインナーサイドウォール16は適正な弾性率を有している。このタイヤ2のビード10の部分では、走行状態において応力は全体に分散する。このタイヤ2では、折り返し部44の端46への歪みの集中が緩和されている。しかもこのタイヤ2では、この歪みの集中を抑えるためにビード10の部分に新たに部材を追加する必要はない。このタイヤ2では、ビード10の部分の容積が適正に維持される。このタイヤ2では、ビード10の部分における過剰な発熱が防止されているので、この部分を構成する部材の劣化が抑えられる。歪みの集中が緩和され、しかも熱による部材の劣化が抑えられているので、このタイヤ2では、セパレーションのような損傷が効果的に防止される。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
図2には、タイヤ2のビード10の部分が示されている。図2において、符号PBは折り返し部44の端46からの厚みが最小となるサイドウォール6の外面上の地点である。実線LVは、折り返し部44の端46とこの地点PBとを通る仮想直線である。符号P1は、サイドウォール6及びチェーファー8の境界と仮想直線LVとの交点を表している。符号P2は、インナーサイドウォール16及び中間層20の境界と仮想直線LVとの交点を表している。符号P3は、ストリップ18及びソフトエイペックス38の境界と仮想直線LVとの交点を表している。符号P4は、ソフトエイペックス38及びハードエイペックス36の境界と仮想直線LVとの交点を表している。両矢印J1Rは、交点P1から交点P2までの長さを表している。この長さJ1Rは、チェーファー8の厚みとインナーサイドウォール16の厚みとの合計厚みである。両矢印J2は、交点P2から交点P3までの長さを表している。この長さJ2は、中間層20の厚みとストリップ18の厚みとの合計厚みである。両矢印J3は、点P3から点P4までの長さを表している。この長さJ3は、ソフトエイペックス38の厚みである。
このタイヤ2では、チェーファー8の厚みとインナーサイドウォール16の厚みとの合計厚みJ1Rは、2mm以上4mm以下が好ましい。この合計厚みJ1Rが2mm以上に設定されることにより、ビード10の部分の倒れが効果的に防止される。このタイヤ2では、折り返し部44の端46への歪みの集中が緩和されている。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この合計厚みJ1Rが4mm以下に設定されることにより、折り返し部44よりも軸方向外側の部分の厚みが適正に維持される。この折り返し部44よりも軸方向内側の部分における歪みが小さくなるので、この場合においても、折り返し部44の端46への歪みの集中が緩和される。厚みが適正なので、熱の過剰な蓄積が防止される。このタイヤ2では、セパレーションのような損傷が効果的に抑えられる。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、ストリップ18の厚みと中間層20の厚みとの合計厚みJ2は、3mm以上5mm以下が好ましい。この合計厚みJ2が3mm以上に設定されることにより、ストリップ18及び中間層20が折り返し部44の端46への歪みの集中を効果的に緩和しうる。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この合計厚みJ2が5mm以下に設定されることにより、ストリップ18及び中間層20の厚みが適正に維持される。厚みが適正なので、熱の過剰な蓄積が防止される。このタイヤ2では、セパレーションのような損傷が効果的に抑えられる。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
このタイヤ2では、ソフトエイペックス38の厚みJ3は、6mm以上12mm以下が好ましい。この厚みJ3が6mm以上に設定されることにより、ソフトエイペックス38が歪みの集中を効果的に緩和しうる。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この厚みJ3が12mm以下に設定されることにより、ソフトエイペックス38の厚みが適正に維持される。厚みが適正なので、熱の過剰な蓄積が防止される。このタイヤ2では、セパレーションのような損傷が効果的に抑えられる。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた実施例1の重荷重用空気入りタイヤを得た。タイヤのサイズは、11.00R20とされた。この実施例1では、折り返し部の端までの高さNは80.0mmとされた。フィラーの第二端までの高さOは、68.0mmとされた。このフィラーの第一端までの高さPは、76.0mmとされた。ハードエイペックスの外側端までの高さL2は、100.0mmとされた。これにより、差(L2−P)、差(P−N)及び差(N−O)が下記の表1の通りとされた。この実施例1では、断面高さHは285mmであった。したがって、比(N/H)は0.28であった。
この実施例1では、合計厚みJ1Rは3.0mmとされた。合計厚みJ2は、4.0mmとされた。厚みJ3は、8.2mmとされた。さらにこの実施例1では、ハードエイペックスの複素弾性率Eh*は、45.0MPaとされた。チェーファーの複素弾性率Ec*は、13.0MPaとされた。ストリップの複素弾性率Et*は、8.0MPaとされた。中間層の複素弾性率Ev*は、8.0MPaとされた。ソフトエイペックスの複素弾性率Es*は、4.8MPaとされた。インナーサイドウォールの複素弾性率Ei*は、4.8MPaとされた。
[実施例2−5及び比較例1−4]
高さN、高さO、高さP及び高さL2を変えて差(L2−P)、差(P−N)及び差(N−O)を下記の表1及び表2の通りとするとともに、合計厚みJ1R、合計厚みJ2及び厚みJ3を下記の表1及び表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−5及び比較例1−4のタイヤを得た。
[実施例6及び8並びに比較例5−6]
高さOを変えて差(N−O)を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例6及び8並びに比較例5−6のタイヤを得た。
[実施例7]
高さOを変えて差(N−O)を下記の表3の通りとするとともに、弾性率Ec*を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7のタイヤを得た。
[実施例9−11及び比較例7]
高さL2を変えて差(L2−P)を下記の表4の通りとするとともに、弾性率Ec*を下記の表4の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例9−11及び比較例7のタイヤを得た。
[実施例12−13及び比較例8−9]
高さP及び高さL2を変えて差(L2−P)及び差(P−N)を下記の表5の通りとするとともに、弾性率Ec*を下記の表5の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例12−13及び比較例8−9のタイヤを得た。
[実施例14−16及び比較例10−11]
弾性率Eh*及び弾性率Ec*を下記の表6の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例14−16及び比較例10−11のタイヤを得た。
[実施例17−18及び比較例12−13]
弾性率Ec*を下記の表7の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例17−18及び比較例12−13のタイヤを得た。
[実施例19−20及び比較例14−15]
弾性率Ec*、弾性率Et*及び弾性率Ev*を下記の表8の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例19−20及び比較例14−15のタイヤを得た。
[実施例21−22及び比較例16−17]
弾性率Ec*、弾性率Es*及び弾性率Ei*を下記の表9の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例21−22及び比較例16−17のタイヤを得た。
[実施例23−26]
合計厚みJ1Rを下記の表10の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例23−26のタイヤを得た。
[実施例27−30]
合計厚みJ2を下記の表11の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例27−30のタイヤを得た。
[実施例31−34]
厚みJ3を下記の表12の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例31−34のタイヤを得た。
[耐荷重性]
タイヤを正規リム(サイズ=8.00V)に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を1000kPaとした。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、80.49kNの縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤを、20km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。ビードの部分にクラックが発生するまでの走行距離を、測定した。この結果が、指数として、下記の表1−12に示されている。数値が大きいほど、好ましい。数値が大きいほど、耐荷重性に優れている。
[耐熱性]
タイヤを正規リム(サイズ=8.00V)に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を1000kPaとした。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、80.49kNの縦荷重をタイヤに負荷した。さらにリムを加熱し、このリムの表面温度が120℃に設定された。このタイヤを、20km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。折り返し部の端においてセパレーションが発生するまでの走行距離を、測定した。この結果が、指数として、下記の表1−12に示されている。数値が大きいほど、好ましい。数値が大きいほど、耐熱性に優れている。
Figure 2014118069
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表1−12に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、種々の車両にも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・チェーファー
10・・・ビード
12・・・カーカス
16・・・インナーサイドウォール
18・・・ストリップ
20・・・中間層
22・・・フィラー
24・・・インナーライナー
26・・・インサート
28・・・クッション層
34・・・コア
36・・・ハードエイペックス
38・・・ソフトエイペックス
40・・・カーカスプライ
42・・・主部
44・・・折り返し部

Claims (4)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、
    それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、 それぞれがサイドウォールの端から半径方向略内向きに延びる一対のチェーファーと、 それぞれがチェーファーよりも軸方向内側に位置する一対のビードと、
    上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、
    それぞれが軸方向において上記チェーファーと上記ビードとの間に位置する一対のインナーサイドウォールと、
    それぞれが軸方向において上記インナーサイドウォールと上記ビードとの間に位置する一対のストリップと、
    それぞれが軸方向において上記ストリップと上記インナーサイドウォールとの間に位置する一対の中間層と、
    それぞれが上記ビードの近くに位置し、並列された多数のコードを含む一対のフィラーとを備えており、
    上記ビードが、コアと、このコアから半径方向外向きに延びるハードエイペックスと、このハードエイペックスからさらに半径方向外向きに延びるソフトエイペックスとを備えており、
    上記カーカスが、カーカスプライを備えており、
    上記カーカスプライが、上記コアの周りで折り返されており、
    この折り返しにより、このカーカスプライに主部及び折り返し部が形成されており、
    この折り返し部の端が、軸方向において上記ストリップと上記中間層との間に位置しており、
    上記フィラーが、上記カーカスプライの内側において上記コアの周りで折り返されており、
    上記フィラーの第一端が、軸方向において上記主部よりも内側に位置しており、
    このフィラーの第一端が、半径方向において上記ハードエイペックスの外側端よりも内側に位置しており、
    上記フィラーの第二端が、軸方向において上記折り返し部と上記インナーサイドウォールとの間に位置しており、
    このフィラーの第二端が、半径方向において上記折り返し部の端よりも内側に位置しており、
    ベースラインから上記ハードエイペックスの外側端までの半径方向高さL2と、このベースラインから上記フィラーの第一端までの半径方向高さPとの差(L2−P)が、8mm以上であり、
    上記半径方向高さPと、上記ベースラインから上記折り返し部の端までの半径方向高さNとの差(P−N)が、−15mm以上15mm以下であり、
    上記半径方向高さNと、上記ベースラインから上記フィラーの第二端までの半径方向高さOとの差(N−O)が、8mm以上16mm以下であり、
    このタイヤの断面高さに対する上記半径方向高さNの比が、0.25以上0.32以下であり、
    上記ハードエイペックスの複素弾性率Eh*が30MPa以上60MPa以下であり、
    上記チェーファーの複素弾性率Ec*が12MPa以上14MPa以下であり、
    上記ストリップの複素弾性率Et*が6.0MPa以上12MPa以下であり、
    上記中間層の複素弾性率Ev*が6.0MPa以上12MPa以下であり、
    上記ソフトエイペックスの複素弾性率Es*が4.0MPa以上5.5MPa以下であり、
    上記インナーサイドウォールの複素弾性率Ei*が4.0MPa以上5.5MPa以下である、重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 上記折り返し部の端からの厚みが最短となる上記サイドウォールの外面上の地点がPBとされたとき、この折り返し部の端及び地点PBを通る仮想直線に沿って計測される、上記チェーファーの厚みと上記インナーサイドウォールの厚みとの合計厚みJ1Rが、2mm以上4mm以下である、請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 上記仮想直線に沿って計測される、上記ストリップの厚みと上記中間層の厚みとの合計厚みJ2が、3mm以上5mm以下である、請求項2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  4. 上記仮想直線に沿って計測される、上記ソフトエイペックスの厚みJ3が、6mm以上12mm以下である、請求項2又は3に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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