JP2014093417A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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輝喜 大月
Akihiro Matsuda
晃啓 松田
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英利 峯村
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Abstract

【課題】高容量で、耐充放電・耐高温度信頼性が良好な固体電解コンデンサを簡便な工程で製造することができる方法を提供する。
【解決手段】陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子からなる固体電解質を形成させる固体電解コンデンサの製造方法であって、前記コンデンサ素子に、未ドープの可溶性ポリアニリンを0.1〜5.0wt%含むポリアニリン溶液を含浸・乾燥させてポリアニリン層を形成した後、導電性高分子単量体に対しモル比にて過剰量のドーパントを含むポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)の分散液を含浸・乾燥させて、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸層を形成することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性高分子を電解質に用いた固体電解コンデンサであって、特に、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、このセパレータに固体電解質層を保持させた巻回型固体電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用金属からなり、表面に多数のエッチングピットや微細孔が形成された陽極体(陽極箔または焼結体)を備えており、陽極体の表面には、誘電体となる酸化皮膜が形成されている。
この酸化皮膜からの電気的な引き出しは、酸化皮膜に接触している導電性を有する電解質によって行われており、電解コンデンサにおける真の陰極は、この電解質が担っている。この真の陰極として機能する電解質は、電解コンデンサの電気特性に大きな影響を及ぼすため、様々な種類の電解質が採用された電解コンデンサが提案されている。
また、このような固体電解コンデンサの大容量化を図るために、表面に酸化皮膜が形成された陽極箔と陰極箔とがセパレータを介して巻回され、このセパレータに導電性高分子からなる固体電解質層が保持された構造を有する巻回型の固体電解コンデンサが使用されている。
従来の巻回型固体電解コンデンサにおける導電性高分子の形成方法としては、主に、コンデンサ素子にモノマー(3,4−エチレンジオキシチオフェン)と酸化剤(p−トルエンスルホン酸第二鉄)溶液を含浸して化学重合反応によりコンデンサ素子内にて導電性高分子を形成させる化学重合タイプの方法が用いられてきた。しかし、コンデンサ素子内で化学重合反応を起こさせるため、セパレータの影響により重合反応が阻害されたり、陽極箔に形成された酸化皮膜が重合反応によって破壊されたりする問題があった。
そこで、予めモノマーと酸化剤を反応させてポリマー粒子を形成し、形成したポリマー粒子を溶媒に分散させたポリマー溶液をコンデンサ素子に含浸したのち、コンデンサ素子から溶媒を除去するディスパージョンタイプの方法が提供されている。しかし、大きなポリマー粒子ではエッチングピットの奥にまで含浸できないためポリマー粒子はある程度小さくする必要があり、また、ポリマー粒子を溶媒中で分散状態とするにはポリマー粒子の濃度を低くする必要があった。そのため、エッチングピット内の酸化皮膜上に導電性高分子を均一に形成することが困難で、静電容量出現率が低いという問題があった。
また、導電性高分子層から脱ドープしたドーパントや、ドーパントより分解した酸(例えば、p−トルエンスルホン酸から発生する硫酸)が電極箔に到達することがあり、それらが酸化皮膜を腐食すると、正常な特性が得られなくなる他、最悪の場合、ショート発生に至るという問題があった。
さらに、ディスパージョンタイプの方法では、形成した導電性高分子がフィルム状になる。この導電性高分子フィルム内の分子鎖の間には隙間があり、コンデンサに熱ストレスや充放電が繰り返されると、導電性高分子の分子鎖の自由度が増すため分子鎖間の隙間が埋まり、導電性高分子フィルムが収縮する。この反応は不可逆的であるため、酸化皮膜から導電性高分子が剥がれてしまい、静電容量が減少する等の特性が悪化する問題があった。
特許文献1には、誘電体酸化皮膜上に第一層目として可溶性ポリアニリン層を形成する工程と、第二層目としてポリチオフェンまたはその誘導体からなる導電性高分子層を形成する工程とを備えたコンデンサの製造方法が開示されている。この方法において、可溶性ポリアニリンは、コンデンサ素子に浸漬含浸、加熱乾燥後、酸化剤でドーピング処理を行うか、既ドープ済みの可溶性ポリアニリンを用いるとされており、ポリチオフェンまたはその誘導体からなる導電性高分子層は、化学重合にて形成されると開示されている。
当該方法によれば、誘電体酸化皮膜のエッチングピット深部およびセパレータ内部まで導電性高分子層が隙間なく形成されるとされている。
しかし、特許文献1の方法において、既ドープ済みの可溶性ポリアニリンを用いた場合は、導電性高分子層から脱ドープしたドーパント若しくはドーパントより分解した酸が電極箔を腐食するという問題が残る。他方、可溶性ポリアニリンを、コンデンサ素子に含浸し、加熱乾燥後に酸化剤でドーピング処理を行う場合は、ドーピング処理を別に行う必要があるため、工程数が増えるという問題がある。さらに、特許文献1の方法では、第2層目の導電性高分子層は化学重合によって形成されている。
また、特許文献2にも、化成皮膜を形成した陽極弁作用金属を、脱ドープされたポリアニリンを含有する溶液及びドーパントを含有する溶液中に、順次、浸漬、乾燥させて、導電性のポリアニリン層を形成させ、ついで、3,4−エチレンジオキシチオフェンを化学酸化重合して、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)層を形成し、導電性のポリアニリン層及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)層からなる固体電解質を形成させることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法が開示されている。
しかし、特許文献2の方法も、ポリアニリン溶液に浸漬、乾燥後に、ドーピング溶液に浸漬、乾燥させる方法であるため、工程数が増えるという問題がある。また、特許文献1の方法と同じく、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)層を化学重合によって形成している。
そして、特許文献3には、巻回型コンデンサ用素子を可溶性ポリアニリンに浸漬させ、次いで100℃から250℃の範囲で加熱処理を行いポリアニリン含浸を行った後、酸化処理、ド−ピング処理を行い、次いで第2含浸としてピロ−ル、チオフェン、アニリンなどで電解重合を行うことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法が開示されている。
しかし、特許文献3の方法においても、ポリアニリン含浸後に、ドーピング処理を別に行う必要があるため、工程数が増えるという問題があった。
特開2000−106330号公報 特開2003−168631号公報 特開平5−304055号公報
本発明は、上述の問題点を解決する方法であって、高容量を有し、耐充放電・耐高温信頼性が良好な巻回型固体電解コンデンサを効率よく製造できる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、エッチングピット内の酸化皮膜上にまで高分子を形成すること、脱ドープしたドーパント等による酸化皮膜の劣化を防ぐこと、および導電性高分子層の収縮を防ぐことに着目し、これらを簡易な工程で実現できる巻回型固体電解コンデンサの製造方法を検討した結果、まず、巻回型コンデンサ素子に、未ドープの可溶性ポリアニリンを所定の濃度で含む溶液を含浸してポリアニリン層を形成し、次に、過剰のドーパントを含むポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)分散液を含浸してPEDOT/PSS層を形成することによって、上記課題を効果的に解決することに成功し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子からなる固体電解質を形成させる固体電解コンデンサの製造方法であって、
前記コンデンサ素子に、未ドープの可溶性ポリアニリンを0.1〜5.0wt%含むポリアニリン溶液を含浸・乾燥させてポリアニリン層を形成した後、
導電性高分子単量体に対しモル比にて過剰量のドーパントを含むポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)の分散液を含浸・乾燥させて、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸層を形成すること
を特徴とする。
可溶性タイプの未ドープポリアニリンは、電極箔のエッチングピット内まで十分含浸されるため、コンデンサ素子に含浸・乾燥することで静電容量出現率の向上に寄与するとともに、熱ストレス、充放電の繰り返しによる高分子層の収縮率が小さいため、ポリアニリン層が酸化皮膜上から剥がれにくく、静電容量の減少を改善できる。すなわち、次工程において形成されるPEDOT/PSS層が収縮しても、PEDOT/PSS層と電極箔の間に介在するポリアニリン層が収縮しにくいため、静電容量減少が抑制される。
また、形成されたPEDOT/PSS層に含まれるドーパント量が、PEDOTの単量体(すなわち、エチレンジオキシチオフェン[EDOT])に対し、モル比にて過剰であることにより、当該過剰なドーパントが未ドープのポリアニリン層にドーピングされるため、良好な電気特性が得られる。
さらに、予め電極箔表面に設けた未ドープのポリアニリン層により、PEDOT/PSS層から脱ドープしたドーパント及びドーパントから分解生成した酸は、電極箔まで到達しないため、電極箔の劣化を防ぐことが出来る。
また、ドーパントはPEDOT/PSS層からポリアニリン層に供給されるため、ポリアニリン層のドーピング処理を別に行う工程は必要がなく、製造工程が簡便である。
また、本発明は、陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサであって、前記陽極電極箔および陰極電極箔上に、ポリアニリン層を介してポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)層が積層されており、
前記ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸層が、導電性高分子単量体に対しモル比にて過剰量のドーパントを含むものであり、当該過剰量のドーパントが前記ポリアニリン層にドープされることにより、前記ポリアニリン層が導電性を有することを特徴とする。
当該固体電解コンデンサは、前述の方法で製造することができ、前述した効果を発揮することができる。
本発明の方法によれば、複雑な工程を経ずに、高容量を有し、熱ストレス・充放電による静電容量の減少が少なく、電極箔の劣化が生じにくい固体電解コンデンサを製造することができるため、高容量・耐充放電・耐高温度信頼性が良好な固体電解コンデンサを簡便な製造工程で得ることができる。
図1は、本発明に係る巻回型コンデンサ素子の一例の分解斜視図である。
本発明に係る固体電解コンデンサは、図1に示すように、陽極箔(陽極電極箔)1と陰極箔(陰極電極箔)3とをセパレータ2を介して巻回した構造を有する。陽極箔1は、アルミニウム等の弁作用金属で形成され、表面はエッチング処理により粗面化され、陽極酸化による酸化皮膜が形成されたものが使用される。また、陰極箔3も陽極箔1と同様にアルミニウム等の弁作用金属で形成されており、エッチング処理により表面が粗面化されたもの(粗面化箔)が使用される。陰極箔としては、他にエッチング処理を施さないプレーン箔も使用でき、また、前記粗面化箔もしくはプレーン箔の表面に、チタンやニッケルやその炭化物、窒化物、炭窒化物又はこれらの混合物からなる金属薄膜や、カーボン薄膜を形成したコーティング箔も用いることができる。セパレータ2としては、不織布等を用いることができ、具体的には、天然繊維の不織布(例えば、セルロースを主成分とするヘンプ等からなる不織布)、合成繊維の不織布、フィブリル状耐熱性合成繊維からなる布帛、ナイロン・ポリアクリルニトリルのナノ繊維からなる布帛等を用いることができる。
また、陽極箔1および陰極箔3からは、それぞれ陽極リード線5および陰極リード線6が引き出されている。
本発明に係る製造方法では、上述のような巻回型コンデンサ素子に、未ドープの可溶性ポリアニリン溶液を含浸・乾燥させることにより、未ドープのポリアニリン層を形成する。この工程は、例えば、未ドープの可溶性ポリアニリン溶液にコンデンサ素子を10秒以上浸漬した後、コンデンサ素子を溶液から取り出し、乾燥処理することによって行うことができる。乾燥温度は、素子の大きさ、時間などによって適宜調節すればよいが、250℃より高温領域では、ポリアニリンが劣化しやすくなるため、100〜230℃の範囲が適切である。
前記未ドープの可溶性ポリアニリン溶液におけるポリアニリンの濃度は、0.1〜5.0wt%が好ましい。前記濃度を0.1〜5.0wt%とすることで、ポリアニリン層形成による効果が得られるうえ、さらに初期の電気特性を改善することができる。また、PEDOT/PSS層を形成する際、分散液が素子内により含浸され易くなり、導電性高分子層を十分に形成できるため、特性を改善することができる。
未ドープの可溶性ポリアニリン溶液の溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド等を単独または混合して使用することができる。
溶媒として、N−メチルピロリドンを使用した場合、コンデンサ素子に含浸した後に、100℃から230℃の間で加熱することにより、N−メチルピロリドンを完全に飛散させることができる。
前述の処理により、コンデンサ素子の電極箔上に未ドープのポリアニリン層が形成される。形成されたポリアニリン層はこのままでは導電性を有しないが、本発明では、次の工程で当該ポリアニリン層上に、PEDOT/PSS層を形成し、且つ、その際、PEDOTの単量体に対してモル比で過剰となる量のドーパントを包含させることにより、PEDOT/PSS層の過剰のドーパントを、未ドープのポリアニリン層にドーピングさせることによって、前記ポリアニリン層に導電性を付与させている。
なお、本明細書において、「導電性高分子単量体に対しモル比にて過剰量のドーパントを含むPEDOT/PSS」と「ドーパントを過剰に含むPEDOT/PSS」とは、同じ意味で用いられ、具体的には、PEDOTの単量体、すなわち、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)に対し、ドーパントであるPSSの単量体、すなわち、4−スチレンスルホン酸(SS)が、モル比でEDOT<SSの関係にあることを意味する。つまり、PEDOT鎖にドープしている以上の過剰のスルホン酸基があればよく、SSがEDOTに対し、モル比で1.5倍〜8倍、特に1.5倍〜5倍存在することがより好ましい。
前記分散液(過剰量のドーパントを含むPEDOT/PSSを基本組成とする分散液)を、コンデンサ素子に含浸・乾燥することで、未ドープのポリアニリン層上に、ドーパントを過剰に含むPEDOT/PSS層を形成することができる。含浸は、コンデンサ素子を減圧下で前記分散液に10〜20分程度浸漬して行い、乾燥は、100〜230℃で行うことが適切である。また、上記PEDOT/PSSの含浸・乾燥を複数回(2〜5回程度)繰り返し、導電性高分子層を形成することが好ましい。
前記分散液の溶媒としては水が好ましく、分散液中のPEDOT/PSSの濃度は、0.5〜3.0wt%であることが好ましい。
上述した方法により製造されたコンデンサは、陽極箔および陰極箔上にポリアニリン層が形成され、ポリアニリン層上にPEDOT/PSS層が積層された構成を有する。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下の工程により、本発明に係るコンデンサ(実施例1〜4)を製造した。
(工程1)巻回型コンデンサ素子の作製
陽極箔と陰極箔とがセパレータを介して巻回された構造の素子を準備した。作製する素子の定格は16V−180μF、サイズはφ8×9Lとした。陽極箔、陰極箔としては、いずれも、エッチング処理により表面を粗面化したアルミニウム箔を用い、陽極箔には誘電体酸化皮膜を形成した。また、セパレータとしては、セルロースタイプの不織布を用いた。
次に、前記コンデンサ素子に対して5.0wt%アジピン酸アンモニウム溶液を用い、切り口化成を行って、陽極箔の切断端面に誘電体酸化皮膜を形成した。
(工程2)未ドープのポリアニリン層の形成
未ドープの可溶性ポリアニリンを、N−メチルピロリドンに溶解することにより、未ドープの可溶性ポリアニリンを0.1〜5.0wt%含む溶液(以下、単にポリアニリン溶液と称する)を調製した。このポリアニリン溶液に、コンデンサ素子を20秒含浸させ、120℃にて30分乾燥させた。溶液中のポリアニリン濃度は表1に記載の通りである。
(工程3)PEDOT/PSS層の形成
水を溶媒とし、1.0wt%のPEDOT/PSSを含む分散液(以下、ポリマ分散体溶液と称する)を調製した。EDOTに対するSSのモル比は表1に記載の通りである。
次に、コンデンサ素子を、ポリマ分散体溶液に10kPaの減圧下で15分間浸漬することによって、コンデンサ素子にPEDOT/PSSを含浸させ、100℃・60分間加熱することにより水分を除去した。
上記PEDOT/PSS含浸・乾燥を3回繰り返す事により、導電性高分子層を形成した。
(工程4)エージング処理
工程3で得られた製品に対し、100℃・16Vにてエージングを1時間実施した。
従来例:工程2を行わなかった(すなわち、ポリアニリン層を形成しない)ことを除いては、上記実施例と同様にして、従来例のコンデンサを作製した。
比較例1:工程2において、未ドープ型のポリアニリンを0.05wt%含むポリアニリン溶液を用いた以外は、上記実施例と同様にして、比較例1のコンデンサを作製した。
比較例2:工程2において、未ドープ型のポリアニリンを7.0wt%含むポリアニリン溶液を用いた以外は、上記実施例と同様にして、比較例2のコンデンサを作製した。
比較例3:工程2において、未ドープ型のポリアニリンに代えてドープ型のポリアニリンを用いた以外は、上記実施例と同様にして、比較例3のコンデンサを作製した。
比較例4:工程3において、EDOTとSSのモル比を1:1に調節し、ドーパントを過剰に含まないPEDOT/PSS層を形成した以外は、上記実施例と同様にして、比較例4のコンデンサを作製した。
実施例、従来例および比較例における工程2と工程3を表1にまとめる。
Figure 2014093417
実施例1〜4、従来例および比較例1〜4によって製造した固体電解コンデンサについて、初期電気特性(静電容量、tanδ、等価直列抵抗)を測定した。また、実施例1〜4の固体電解コンデンサ、及び従来例並びに比較例3,4の固体電解コンデンサについて、充放電試験(5秒充電、5秒放電、16V、20,000回サイクル)及び信頼性試験(105℃、2,000時間)を実施し、特性と変化率を調べた。結果を表2〜4に示す。
Figure 2014093417
Figure 2014093417
Figure 2014093417
表2〜表4に示すように、ポリアニリン層を形成せずにPEDOT/PSS層を形成した従来例のコンデンサは、実施例のコンデンサと比べて、初期電気特性における静電容量が小さく、また、充放電試験および信頼性試験後の静電容量、tanδ、ESRの変化率が大きくなった。さらに、信頼性試験においてショートの発生が見られた。
また、ドープ済みのポリアニリン溶液を含浸させてポリアニリン層を形成させた比較例3のコンデンサは、初期電気特性における静電容量やESRが良好ではなく、充放電試験後の静電容量の変化率や、信頼性試験後のESRの変化率が大きかった。
また、EDOTとSSが1:1のPEDOT/PSS分散液を用いてPEDOT/PSS層の形成を行った比較例4のコンデンサは、初期電気特性における静電容量やESRが良好ではなく、充放電試験や信頼性試験後の変化率も大きかった。さらに、信頼性試験においてショートの発生が見られた。
また、未ドープのポリアニリンを0.05wt%含む溶液を用いてポリアニリン層の形成を行った比較例1のコンデンサは、初期電気特性において静電容量が小さく、また、未ドープのポリアニリンを7.0wt%含む溶液を用いてポリアニリン層の形成を行った比較例2のコンデンサは、初期電気特性において静電容量、tanδ、ESRが著しく悪かった。
これに対し、実施例に係るコンデンサは、初期電気特性が良好であるとともに、充放電試験および信頼性試験における特性も良好で変化率が小さく、製造工程も簡便であった。
なお、本発明の実施例では、陰極箔としては、アルミニウム等の弁作用金属で形成され、表面にエッチング処理が施されたものを用いたが、他に、エッチング処理を施さないプレーン箔、表面にチタンやニッケルやその炭化物、窒化物、炭窒化物又はこれらの混合物からなる金属薄膜層や、カーボン薄膜を形成したものを用いても同様の効果が得られる。
また、本発明の実施例では、ヘンプ100%のセパレータを用いたが、他に、合成繊維の不織布、フィブリル状耐熱性合成繊維、ナイロン・ポリアクリルニトリルのナノ繊維等からなる布帛を用いても同様の効果を得ることができる。
1 陽極箔
2 セパレータ
3 陰極箔
4 コンデンサ素子本体
5 陽極リード線
6 陰極リード線

Claims (6)

  1. 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に、導電性高分子からなる固体電解質を形成させる固体電解コンデンサの製造方法であって、
    前記コンデンサ素子に、未ドープの可溶性ポリアニリンを0.1〜5.0wt%含むポリアニリン溶液を含浸・乾燥させてポリアニリン層を形成した後、
    導電性高分子単量体に対しモル比にて過剰量のドーパントを含むポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)の分散液を含浸・乾燥させて、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸層を形成すること
    を特徴とする、固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記セパレータが、天然繊維の不織布、合成繊維の不織布、フィブリル状耐熱性合成繊維からなる布帛、または、ナイロン・ポリアクリルニトリルのナノ繊維からなる布帛であることを特徴とする、請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記陰極電極箔が、粗面化箔、プレーン箔、または、前記粗面化箔もしくはプレーン箔の表面に、カーボン薄膜もしくは金属薄膜が形成されてなるコーティング箔であって、前記金属薄膜は、チタン、ニッケル、あるいはその炭化物、窒化物、炭窒化物あるいはこれらの混合物から選択される金属からなることを特徴とする、請求項1ないし2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子を有する固体電解コンデンサであって、前記陽極電極箔および陰極電極箔上に、ポリアニリン層を介してポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)層が積層されており、
    前記ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸層が、導電性高分子単量体に対しモル比にて過剰量のドーパントを含むものであり、当該過剰量のドーパントが前記ポリアニリン層にドープされることにより、前記ポリアニリン層が導電性を有することを特徴とする、固体電解コンデンサ。
  5. 前記セパレータが、天然繊維の不織布、合成繊維の不織布、フィブリル状耐熱性合成繊維からなる布帛、または、ナイロン・ポリアクリルニトリルのナノ繊維からなる布帛であることを特徴とする、請求項4に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記陰極電極箔が、粗面化箔、プレーン箔、または、前記粗面化箔もしくはプレーン箔の表面に、カーボン薄膜もしくは金属薄膜が形成されてなるコーティング箔であって、前記金属薄膜は、チタン、ニッケル、あるいはその炭化物、窒化物、炭窒化物あるいはこれらの混合物から選択される金属からなることを特徴とする、請求項4ないし5に記載の固体電解コンデンサ。
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